以下、適宜図面を参照しながら、実施の形態を詳細に説明する。ただし、必要以上に詳細な説明は省略する場合がある。例えば、すでによく知られた事項の詳細説明、および実質的に同一の構成に対する重複説明を省略する場合がある。これは、以下の説明が不必要に冗長になるのを避け、当業者の理解を容易にするためである。
なお、添付図面および以下の説明は、当業者が本開示を十分に理解するために提供されるのであって、これらにより特許請求の範囲に記載の主題を限定することは意図されていない。
また、各図は、模式図であり、必ずしも厳密に図示されたものではない。また、各図において、実質的に同じ構成要素については同じ符号を付し、説明を省略または簡略化する場合がある。
(実施の形態1)
以下、図1A〜図2を用いて、実施の形態1に係る無線モジュールについて説明する。
[1−1.構成]
まず、本実施の形態における無線モジュール1の構成について図面を用いて説明する。
図1Aは、実施の形態1における無線モジュール1の外観の一例を模式的に示す斜視図である。
図1Bは、実施の形態1における無線モジュール1の外観の一例を模式的に示す上面図である。
図1Cは、実施の形態1における無線モジュール1の外観の一例を模式的に示す側面図である。
図1Dは、実施の形態1における無線モジュール1の外観の一例を模式的に示す底面図である。
図2は、実施の形態1における無線モジュール1の基板10の外観の一例を模式的に示す底面図である。
なお、以下の説明に用いる各図には、x軸、y軸、z軸の3軸を示し、無線モジュール1の長手方向の軸をx軸とし、x軸方向と垂直で、かつ、無線モジュール1の基板10の主面に垂直な方向の軸をz軸とし、x軸およびz軸の双方に直交する軸をy軸とする。以下で用いる各図においても同様にx軸、y軸およびz軸が定められている。しかし、これらの軸は便宜的に示したものに過ぎず、何ら本開示を限定するものではない。
本実施の形態に係る無線モジュール1は、電磁波信号の送受信を行う無線端末である。無線モジュール1は、例えば、無線LAN(Local Area Network)、Bluetooth(登録商標)等の規格に基づく無線端末である。図1Aに示されるように、無線モジュール1は、基板10と、グランドパターン20と、第一アンテナ30と、第二アンテナ40と、地板50と、を備える。本実施の形態では、無線モジュール1は、シールドケース28と、第一マッチング回路81と、第二マッチング回路82と、導電性ビス70と、スペーサ29と、をさらに備える。また、図1Cに示されるように、無線モジュール1は、IC(Integrated Circuit)26と、熱伝導部材60と、をさらに備える。本実施の形態に係る無線モジュール1は、例えば、MIMO(Multi−Input Multi−Output)方式、ダイバーシティ方式、等の無線モジュールであってもよい。
基板10は、図1Bに示されるように、グランドパターン20、第一アンテナ30、および第二アンテナ40が形成され、かつ、IC26が実装される回路基板である。本実施の形態では、基板10は矩形板状の誘電体である。基板10は、例えば、ガラスエポキシ基板である。図1Cに示されるように、基板10は、第一アンテナ30および第二アンテナ40が形成される第一主面11と、第一主面11に背向する第二主面12と、を備える。
グランドパターン20は、図1A〜図1Cに示されるように、基板10に配置される配線パターンである。グランドパターン20は、基板10の第一主面11側および第二主面12側に形成され、各グランドパターン20は十分な数のビア電極(図示せず)等を介して互いに導通される。グランドパターン20は、例えば、銅箔等の金属箔で形成され、レジスト16で覆われる。レジスト16は、基板10に形成された配線パターンを保護する絶縁膜である。
本実施の形態では、図1Aおよび図1Bに示されるように、グランドパターン20は、基板10の第一主面11側に設けられた露出部21を備える。また、図2に示されるように、グランドパターン20は、基板10の第二主面12側に設けられた露出部22をさらに備える。露出部21および露出部22は、グランドパターン20のうち、レジスト16で覆われず外部に露出している部分である。つまり、本実施の形態では、第一主面11側に設けられたグランドパターン20は、露出部21を除いてレジスト16で覆われ、第二主面12側に設けられたグランドパターン20は、露出部22を除いてレジスト16で覆われている。基板10において、露出部21および露出部22は互いに対向する位置に配置される。地板50は、露出部21および露出部22を介して、グランドパターン20と短絡される。
なお、本実施の形態では、グランドパターン20が、露出部21および露出部22を備える構成例を示すが、本開示はこの構成例に限定されない。グランドパターン20と地板50とを短絡させるためには、グランドパターン20は、露出部21および露出部22の少なくとも一方を備えればよい。しかし、グランドパターン20が、露出部21および露出部22の両方を備え、露出部21と露出部22とが互いに基板10の貫通孔13にてスルーホール処理で接続される構成、および、互いをビア電極で短絡させる構成により、グランドパターン20の電位の均一性を向上させることができる。
基板10には、図2に示されるように、グランドパターン20の露出部22の中央部に貫通孔13が形成されている。図1A〜図1Cに示されるように、貫通孔13には、基板10の第一主面11側から締結部材の一例である導電性ビス70が挿入される。導電性ビス70は、ねじ部を備える導電性の締結部材の一例である。貫通孔13に挿入された導電性ビス70により、地板50は基板10に固定される。さらに、導電性ビス70を介してグランドパターン20の露出部21と地板50とが短絡される。
IC26は、基板10に実装され、グランドパターン20に接続される回路部品である。本実施の形態では、IC26は、電力増幅器等を含む部品であり、例えば、無線LANチップである。IC26に含まれる電力増幅器によって増幅された高周波信号が第一アンテナ30および第二アンテナ40に供給される。
本実施の形態では、図1Aに示されるように、IC26は、シールドケース28によって覆われる。シールドケース28は、基板10の第一主面11上に実装されたIC26を覆う金属製箱状の導電性部材である。シールドケース28は、シールドケース28の外部から内部へ向かう電磁ノイズの進入を抑制し、かつ、シールドケース28の内部で発生する電磁ノイズの外部への漏洩を抑制する。本実施の形態では、シールドケース28は、ハンダ付け等によりグランドパターン20と接続される。これにより、シールドケース28による電磁ノイズ遮断効果が向上する。なお、シールドケース28は、IC26だけでなく、他の回路素子を覆ってもよい。
第一アンテナ30は、図1Aおよび図1Bに示されるように、基板10の一端A1とグランドパターン20との間に配置され、グランドパターン20に接続される第一接地部32、および、第一信号が供給される第一給電部34、を備えるアンテナエレメントである。本実施の形態では、第一アンテナ30は、基板10のx軸方向(つまり基板10の長手方向)における一端A1と、グランドパターン20と、の間に形成される。第一アンテナ30は、例えば、銅箔等の金属箔で形成される。本実施の形態では、第一アンテナ30は、PIFA(Planar Inverted−F Antenna)であり、地板50と組み合わされてアンテナとして機能する。第一アンテナ30の共振周波数は、特に限定されないが、例えば約2.4GHzである。なお、第一アンテナ30のパターン形状は、図面に示す形状に限定されない。第一アンテナ30は、例えば、マルチバンドに対応するマルチバンド対応アンテナ等でもよい。
なお、本実施の形態では、第一アンテナ30が、基板10の第一主面11側に配置されている構成例を示すが、第一アンテナ30は、第二主面12側に配置されてもよい。
第一アンテナ30の第一接地部32は、グランドパターン20に接続される接地点である。第一主面11側のグランドパターン20と第二主面12側のグランドパターン20とは、ビア電極等を介して、第一接地部32のできるだけ近傍で導通されている。例えば、第一接地部32からビア電極までの距離は、無線モジュール1(第一アンテナ30)で使用される電磁波の波長の1/20程度以下に設定される。第一アンテナ30は、グランドパターン20と一体的に形成されてもよいし、グランドパターン20にハンダ等によって接続されてもよい。
第一アンテナ30の第一給電部34は、IC26から第一信号が供給される給電点を含む部分である。IC26から出力される高周波信号は、第一マッチング回路81を介して第一給電部34に供給される。第一アンテナ30は、第一マッチング回路81を構成する配線パターンと一体的に形成されてもよいし、当該配線パターンにハンダ等によって接続されてもよい。
第二アンテナ40は、図1Aおよび図1Bに示されるように、基板10の他端A2とグランドパターン20との間に配置され、第二信号が供給される第二給電部44を備えるアンテナエレメントである。本実施の形態では、第二アンテナ40は、基板10のx軸方向(つまり基板10の長手方向)における他端A2と、グランドパターン20と、の間に形成される。第二アンテナ40は、例えば、銅箔等の金属箔で形成される。本実施の形態では、第二アンテナ40は、モノポールアンテナである。なお、第二アンテナ40のパターン形状は、図面に示す形状に限定されない。第二アンテナ40は、例えば、PIFA、または、マルチバンドに対応するマルチバンド対応アンテナ等でもよい。第二アンテナ40の共振周波数は、特に限定されないが、例えば、約2.4GHzである。
なお、本実施の形態では、第二アンテナ40が、基板10の第一主面11側に配置されている構成例を示すが、第二アンテナ40は、第二主面12側に配置されてもよい。
第二アンテナ40の第二給電部44は、IC26から第二信号が供給される給電点を含む部分である。IC26から出力される高周波信号は、第二マッチング回路82を介して第二給電部44に供給される。第二アンテナ40は、第二マッチング回路82を構成する配線パターンと一体的に形成されてもよいし、当該配線パターンにハンダ等によって接続されてもよい。
第一マッチング回路81は、IC26から出力される高周波信号の第一アンテナ30における反射を抑制するためのインピーダンスマッチング回路である。第一マッチング回路81には、IC26から出力される高周波信号が入力される。また、第一マッチング回路81は、第一アンテナ30の第一給電部34に当該高周波信号を出力する。本実施の形態では、第一マッチング回路81は、基板10の第一主面11側において、IC26と第一アンテナ30との間に配置される。
第二マッチング回路82は、IC26から出力される高周波信号の第二アンテナ40における反射を抑制するためのインピーダンスマッチング回路である。第二マッチング回路82には、IC26から出力される高周波信号が入力される。また、第二マッチング回路82は、第二アンテナ40の第二給電部44に当該高周波信号を出力する。本実施の形態では、第二マッチング回路82は、基板10の第一主面11側において、IC26と第二アンテナ40との間に配置される。
地板50は、第一アンテナ30に対向する第一対向部51と、第二アンテナ40に対向する第二対向部52と、グランドパターン20に対向し、グランドパターン20と短絡された第三対向部53と、を有する導電性の板状部材である。地板50は、第一間隙形成部56および第二間隙形成部57をさらに備える。地板50は、第三対向部53に、地板50とグランドパターン20とを短絡する短絡点を有する。この短絡点は、第三対向部53における、第二対向部52よりも第一対向部51に近い位置、に配置される。この短絡点については、後述する。地板50は、第一アンテナ30とともにアンテナとして機能する。
地板50は、第一アンテナ30と第二アンテナ40との間のアイソレーションを向上させるための構成を備える。当該構成については、後述する。なお、地板50は、IC26で発生する熱を放散する放熱部材として機能してもよい。
本実施の形態では、地板50は、図1Aおよび図1Cに示されるように、凸状に折り曲げられた形状を有する。地板50は、例えば、アルミニウムや鉄、あるいは、種々金属の合金等の金属材料で形成される。
地板50の第一対向部51は、第一アンテナ30に対向して配置される部分である。ここで、「第一対向部51は、第一アンテナ30に対向」するとは、第一対向部51と第一アンテナ30とが、基板10等を介さずに直接対向する構成だけに限定されない。これには、本実施の形態のように、第一対向部51と第一アンテナ30とが、基板10等の非導電性部材を間に存在させて対向する構成も含まれる。例えば、第一アンテナ30が基板10の第一主面11側に配置される構成、または、第一アンテナ30が第二主面12側に配置される構成は、いずれも、地板50の第一対向部51が第一アンテナ30に対向して配置される構成に含まれる。
本実施の形態では、第一対向部51は、略平板状の形状を有し、第一アンテナ30および基板10から離間して配置される。つまり、第一対向部51と第一アンテナ30との間に間隙が形成される。第一対向部51と第一アンテナ30との間の距離は、例えば、無線モジュール1(第一アンテナ30)で使用される電磁波の波長の1/30以上、1/10以下程度である。
地板50の第一間隙形成部56は、第一対向部51と第三対向部53との間に配置され、第一対向部51と第三対向部53とを接続する板状部分である。第一間隙形成部56は、基板10と交差する面内に配置されることにより、第一対向部51と第一アンテナ30との間に間隙を形成する。本実施の形態では、第一間隙形成部56は、基板10に対して略直交する面内に配置される。
地板50の第三対向部53は、グランドパターン20に対向し、かつ、グランドパターンに短絡される板状部分である。本実施の形態では、図1Cおよび図1Dに示されるように、地板50は、第三対向部53に単数または複数(例えば、四つ)の突起部54をさらに備える。図1Dに示されるように、突起部54は、グランドパターン20の露出部22に対向する位置に配置されており、露出部22と接するように設けられている。これにより、地板50は、グランドパターン20と短絡される。
地板50には、図1Dに示されるように、貫通孔13に対応する位置にねじ穴55が設けられており、第一主面11側から貫通孔13を貫通した導電性ビス70のねじ部がねじ穴55に捻じ込まれる。これにより、地板50は、基板10に固定され、かつ、導電性ビス70を介してグランドパターン20の露出部21と短絡される。つまり、本実施の形態に係る無線モジュール1では、地板50の突起部54およびねじ穴55が、地板50とグランドパターン20とを短絡する短絡点を構成する。
本実施の形態に係る無線モジュール1では、以上のような構成を備えることにより、地板50を基板10に容易に取り付けることができ、かつ、地板50をグランドパターン20に確度を高めて短絡させることができる。また本実施の形態に示す構成では、導電性ビス70を用いて地板50を基板10に取り付けているため、地板50と基板10とを容易に着脱することができる。
なお、本実施の形態では、無線モジュール1に、四つの突起部54およびねじ穴55の合計五か所の短絡点が設けられているが、無線モジュール1に設けられる短絡点の数はこの数に限定されない。例えば、短絡点は一つでもよい。このように、本実施の形態に示す無線モジュール1では、上記特許文献1に開示された無線通信装置のように、二か所の短絡部材を設ける必要がない。
地板50とグランドパターン20とが短絡される位置、すなわち、露出部21および露出部22の配置位置は、第一アンテナ30と地板50とで構成されるアンテナユニットの放射特性に大きく影響を与える。地板50とグランドパターン20との短絡点を第一接地部32のできるだけ近傍に配置すると、アンテナユニットとして良好で安定した放射特性が得られる。例えば、露出部21を第一接地部32に直接繋げる構成、または、地板50とグランドパターン20との短絡点から第一接地部32までの距離を、無線モジュール1で使用される電磁波の波長の1/20程度以下とする構成が無線モジュール1に採用されることにより、無線モジュール1では安定な放射特性が得られる。
第三対向部53の突起部54以外の部分は、グランドパターン20から所定の距離だけ離間して配置される。当該所定の距離は、例えば、第一アンテナ30の共振波長の1/500以上、1/50以下である。本実施の形態では、当該所定の距離は0.5mm程度である。
地板50の第二対向部52は、第二アンテナ40に対向して配置される部分である。本実施の形態では、第二対向部52は、略平板状の形状を有し、第二アンテナ40および基板10から離間して配置される。つまり、第二対向部52と第二アンテナ40との間に間隙が形成される。第二対向部52と第二アンテナ40との間の距離は、例えば、無線モジュール1(第二アンテナ40)で使用される電磁波の波長の1/30以上、1/10以下程度である。
地板50の第二間隙形成部57は、第二対向部52と第三対向部53との間に配置され、第二対向部52と第三対向部53とを接続する板状部分である。第二間隙形成部57は、基板10と交差する面内に配置されることにより、第二対向部52と第二アンテナ40との間に間隙を形成する。本実施の形態では、第二間隙形成部57は、基板10に対して略直交する面内に配置される。
スペーサ29は、基板10と地板50の第三対向部53との間隔を安定的に維持するための部材である。本実施の形態では、スペーサ29は、略U字型に折り曲げられた板状の形状を有し、一部が基板10と第三対向部53との間に挿入される。スペーサ29の、基板10と第三対向部53との間に挿入される部分の厚みは、基板10と第三対向部53との間隔と同程度である。これにより、基板10と第三対向部53との間隔が安定的に維持される。スペーサ29は、絶縁材料で形成される。スペーサ29は、例えば、絶縁性の樹脂で形成される。
熱伝導部材60は、地板50とIC26との間に配置され、IC26で発生する熱を地板50に伝導する部材である。熱伝導部材60は、基板10の第二主面12と地板50との間の、IC26に対向する位置に配置される。また、熱伝導部材60は、第二主面12および地板50に接するように配置される。熱伝導部材60は、例えば、熱伝導性のエラストマーを使用材料として含む。本実施の形態では、熱伝導部材60は、シリコーン等を使用材料として含む放熱ゴムで形成されている。これにより、熱伝導部材60は弾力性を有するため、基板10および地板50との密着性を向上させることができる。このため、無線モジュール1では、基板10と地板50との間の熱抵抗を低減することができる。
[1−2.地板の構成]
次に、本実施の形態に係る地板50の構成について説明する。
本実施の形態に係る地板50は、上述のとおり、第一アンテナ30と第二アンテナ40との間のアイソレーションを向上させる構成を備える。つまり、一方のアンテナから出力された電磁波がもう一方のアンテナに干渉することを低減できる構成を備える。
本実施の形態において、地板50は、第三対向部53に、地板50とグランドパターン20とを短絡する短絡点を有する。この短絡点は、第三対向部53における、第二対向部52よりも第一対向部51に近い位置、に配置される。これにより、第一アンテナ30の第一接地部32からグランドパターン20に流れる電流の一部が地板50に流れる。このように、第一アンテナ30からグランドパターン20に流れる電流が低減されることにより、グランドパターン20の第二アンテナ40付近まで流れる電流が低減される。このため、無線モジュール1では、第一アンテナ30からグランドパターン20に流れる電流が第二アンテナ40に与える影響を抑制することが可能となる。すなわち、無線モジュール1では、第一アンテナ30と第二アンテナ40との間のアイソレーションを向上させることが可能となる。
また、無線モジュール1では、地板50とグランドパターン20とを短絡する短絡点から、地板50の当該短絡点に最も近い頂点51tまでの電気長を、所定の長さとすることによって、両アンテナ間(第一アンテナ30と第二アンテナ40との間)のアイソレーションを向上できる。
ここで、地板50とグランドパターン20とを短絡する短絡点から、地板50の当該短絡点に最も近い頂点51tまでの電気長について、図1Aを用いて説明する。本実施の形態では、地板50は、x軸方向における両端部の各端縁と、y軸方向における両端部の各端縁とが交差する位置に、四つの頂点を有する。本実施の形態において、当該短絡点に最も近い地板50の頂点は、地板50のx軸方向における端部B1の端縁と、y軸方向における端部C1の端縁とが交差する位置の頂点51tである(図1A、図1D参照)。
地板50とグランドパターン20とを短絡する短絡点から頂点51tまでの電気長は、当該短絡点から、当該短絡点に最も近い地板50の端縁への当該短絡点からの垂線の足に対応する点までの距離(図1Aおよび図1Dの矢印91で示される距離)と、当該点から頂点51tまでの地板50の端縁の長さとの和で定義される。本実施の形態において、地板50とグランドパターン20とを短絡する短絡点から、地板50の当該短絡点に最も近い頂点51tまでの電気長を模式的に示すと、その長さは、図1Aに示される矢印91、矢印92および矢印93の長さの和として示される。なお、本実施の形態では、地板50の四つの突起部54およびねじ穴55が短絡点に相当する。この場合、短絡点から頂点51tまでの電気長とは、頂点51tから各短絡点までの電気長のうち、最短の電気長で定義される。
本願発明者らは、当該電気長を、第一アンテナ30の共振波長の略1/4とすることによって、両アンテナ間(第一アンテナ30と第二アンテナ40との間)のアイソレーションを向上できることを見出した。ここで、共振波長の略1/4とは、具体的には、共振波長の1/8以上、3/8以下程度であることを意味する。当該電気長と両アンテナ間のアイソレーションとの相関の原因については、以下のように推測される。
第一アンテナ30が給電されると、第一アンテナ30とグランドパターン20とにアンテナ電流が生じる。地板50とグランドパターン20とを短絡する短絡点から頂点51tまでの電気長が共振波長の略1/4である場合には、頂点51tが電流の節となり、短絡点が電流の腹となるような定在波が立つ。これにより、グランドパターン20に流れるアンテナ電流は、第二アンテナ40側に向かう経路と、第一対向部51側に向かう経路に分散され、第二アンテナ40に入力される電流が減少する。これにより、地板50とグランドパターン20とを短絡する短絡点から頂点51tまでの電気長が共振波長の略1/4である場合に、無線モジュール1において、両アンテナ間のアイソレーションを向上できると推測される。
また、発明者らは、地板50の第二アンテナ40付近の部分の寸法を最適化することによって、無線モジュール1における両アンテナ間のアイソレーションを向上できることも見出した。具体的には、発明者らは、地板50の、第三対向部53の第二対向部52側の端から、第二対向部52の第三対向部53と反対側の端までの電気長を、第一アンテナ30の共振波長の略1/4とすることによって、無線モジュール1において、両アンテナ間のアイソレーションを向上できることを見出した。ここでも、共振波長の略1/4とは、具体的には、共振波長の1/8以上、3/8以下程度であることを意味する。本実施の形態において、当該電気長を模式的に示すと、その長さは、図1Aおよび図1Cの矢印94で示される第二間隙形成部57の端縁の長さと、図1Aおよび図1Cの矢印95で示される第二対向部52の第三対向部53側の端縁から第三対向部53と反対側の端縁までの長さとの和として示される。
このように、地板50は、第二アンテナ40付近において、地板50の幅方向(y軸方向)の寸法が限定されない。これは、第二アンテナ40付近においては、地板50とグランドパターン20とを短絡する短絡点から地板50に流れる電流の向きが、地板50の長手方向(x軸方向)と略平行になり、当該電流に対する地板50の幅方向の寸法の影響が小さくなることに起因する。
以上のように、無線モジュール1では、地板50の寸法が最適化されることにより、第一アンテナ30と第二アンテナ40との間のアイソレーションを向上できる。さらに、当該アイソレーション特性は、例えば、上記特許文献1に開示されたスリットを用いる技術におけるアイソレーション特性より、共振波長の変化に対して敏感でない。すなわち、本実施の形態に係る無線モジュール1では、比較的広い周波数帯域において、第一アンテナ30と第二アンテナ40との間のアイソレーションを確保できる。本実施の形態に係る無線モジュール1では、例えば、第一アンテナ30および第二アンテナ40を、互いに近接した周波数帯域で使用することもできる。例えば、第一アンテナ30を約2.4GHz帯のBluetooth(登録商標)用のアンテナとして用い、第二アンテナ40を約2.4GHz帯の無線LAN用のアンテナとして用いることもできる。
[1−3.効果等]
以上のように、本実施の形態において、無線モジュールは、基板と、基板に配置されるグランドパターンと、第一アンテナと、第二アンテナと、導電性の地板と、を備える。第一アンテナは、基板の一端とグランドパターンとの間に配置され、グランドパターンに接続される接地部と、第一信号が供給される第一給電部と、を有する。第二アンテナは、基板の他端とグランドパターンとの間に配置され、第二信号が供給される第二給電部を有する。地板は、第一アンテナに対向する第一対向部と、第二アンテナに対向する第二対向部と、グランドパターンに対向し、グランドパターンに短絡された第三対向部と、を有する。また、地板は、第三対向部に、地板とグランドパターンとを短絡する短絡点を有する。短絡点は、第三対向部における、第二対向部よりも第一対向部に近い位置、に配置される。
なお、無線モジュール1は無線モジュールの一例である。基板10は基板の一例である。グランドパターン20はグランドパターンの一例である。第一アンテナ30は第一アンテナの一例である。第二アンテナ40は第二アンテナの一例である。地板50は地板の一例である。一端A1は、基板の一端の一例である。第一接地部32は接地部の一例である。第一給電部34は第一給電部の一例である。他端A2は、基板の他端の一例である。第二給電部44は第二給電部の一例である。第一対向部51は第一対向部の一例である。第二対向部52は第二対向部の一例である。第三対向部53は第三対向部の一例である。
例えば、実施の形態1に示した例では、無線モジュール1は、基板10と、基板10に配置されるグランドパターン20と、を備える。無線モジュール1は、さらに、基板10の一端A1とグランドパターン20との間に配置され、グランドパターン20に接続される第一接地部32と、第一信号が供給される第一給電部34と、を有する第一アンテナ30を備える。また、無線モジュール1は、さらに、基板10の他端A2とグランドパターン20との間に配置され、第二信号が供給される第二給電部44を有する第二アンテナ40を備える。また、無線モジュール1は、さらに、第一アンテナ30に対向する第一対向部51と、第二アンテナ40に対向する第二対向部52と、グランドパターン20に対向し、グランドパターン20に短絡された第三対向部53と、を有する導電性の地板50を備える。地板50は、第三対向部53に地板50とグランドパターン20とを短絡する短絡点を有する。短絡点は、第三対向部53における、第二対向部52よりも第一対向部51に近い位置、に配置される。
以上のように構成された無線モジュール1では、第一アンテナ30の第一接地部32からグランドパターン20に流れる電流の一部が地板50に流れる。このように、第一アンテナ30からグランドパターン20に流れる電流が低減されることにより、無線モジュール1では、グランドパターン20の第二アンテナ40付近まで流れる電流が低減される。このため、無線モジュール1では、第一アンテナ30と第二アンテナ40との間のアイソレーションを向上できる。
無線モジュールにおいて、短絡点は、接地部の近傍に配置されてもよい。
例えば、実施の形態1に示した例では、無線モジュール1において、短絡点は、第一接地部32の近傍に配置される。
これにより、無線モジュール1では、第一アンテナ30と地板50とで構成されるアンテナユニットにおいて、良好な放射特性を得られる。
無線モジュールにおいて、短絡点から、地板の当該短絡点に最も近い頂点までの電気長は、第一アンテナの共振波長の略1/4であってもよい。
なお、頂点51tは、地板の当該短絡点に最も近い頂点の一例である。
例えば、実施の形態1に示した例では、無線モジュール1において、地板50とグランドパターン20とを短絡する短絡点から、地板50の当該短絡点に最も近い頂点51tまでの電気長は、第一アンテナ30の共振波長の略1/4である。
これにより、無線モジュール1では、第一アンテナ30と第二アンテナ40との間のアイソレーションを向上できる。
無線モジュールにおいて、第三対向部の第二対向部側の端から、第二対向部の第三対向部と反対側の端までの電気長は、第一アンテナの共振波長の略1/4であってもよい。
例えば、実施の形態1に示した例では、無線モジュール1において、地板50の、第三対向部53の第二対向部52側の端から、第二対向部52の第三対向部53と反対側の端までの電気長は、第一アンテナ30の共振波長の略1/4である。
これにより、無線モジュール1では、第一アンテナ30と第二アンテナ40との間のアイソレーションを向上できる。
無線モジュールは、短絡点に配置され、基板と地板とを締結する導電性の締結部材をさらに備えてもよい。
なお、導電性ビス70は、導電性の締結部材の一例である。
例えば、実施の形態1に示した例では、無線モジュール1は、短絡点に配置され、基板10と地板50とを締結する導電性ビス70をさらに備える。
これにより、無線モジュール1では、基板10に、地板50を安定的に固定することができる。また、締結部材として導電性ビス70を用いることにより、基板10に、地板50を容易に着脱できる。さらに、導電性ビス70をグランドパターン20の露出部21に接触させることにより、無線モジュール1では、導電性ビス70を介して、グランドパターン20と地板50とを短絡させることができる。
無線モジュールにおいて、第一アンテナは、PIFA(Planar Inverted−F Antenna)であってもよい。
例えば、実施の形態1に示した例では、無線モジュール1において、第一アンテナ30は、PIFAである。
この場合、無線モジュール1では第一アンテナ30は、地板50と組み合わされることにより、アンテナとして機能する。
(実施の形態2)
次に、実施の形態2に係る無線モジュール101について説明する。
本実施の形態に係る無線モジュール101は、実施の形態1で説明した無線モジュール1と実質的に同じ構成である。ただし、実施の形態2に示す無線モジュール101は、地板とグランドパターンとを短絡する短絡点の位置が、実施の形態1に係る無線モジュール1と相違する。以下では、本実施の形態に係る無線モジュール101について、実施の形態1で説明した事項については適宜説明を省略し、実施の形態1に係る無線モジュール1との相違点を主に説明する。なお、実施の形態1に示した無線モジュール1が備える構成要素と実質的に同じ構成要素については、その構成要素と同じ符号を付与して、その説明を省略または簡略化する。
[2−1.構成]
まず、本実施の形態における無線モジュール101の構成について図面を用いて説明する。
図3Aは、実施の形態2における無線モジュール101の外観の一例を模式的に示す上面図である。
図3Bは、実施の形態2における無線モジュール101の外観の一例を模式的に示す側面図である。
図3Cは、実施の形態2における無線モジュール101の外観の一例を模式的に示す底面図である。
図4は、実施の形態2における無線モジュール101の基板110の外観の一例を模式的に示す底面図である。
図3Aに示されるように、無線モジュール101は、基板110と、グランドパターン120と、IC26と、シールドケース28と、第一アンテナ130と、第二アンテナ40と、第一マッチング回路181と、第二マッチング回路82と、スペーサ29と、を備える。また、図3Bに示されるように、無線モジュール101は、地板150と、導電性ビス70と、熱伝導部材60と、をさらに備える。
図3Aに示されるように、グランドパターン120は、基板110の第一主面111側に設けられた露出部121を備える。また、図4に示されるように、グランドパターン120は、基板110の第二主面112側に設けられた露出部122をさらに備える。露出部121および露出部122は、グランドパターン120のうち、レジスト16で覆われず、外部に露出している部分である。露出部121および露出部122は互いに対向する位置に配置される。本実施の形態では、露出部121および露出部122は、基板110の幅方向(y軸方向)の中央に形成されている。
基板110は、図3Bに示されるように、第一アンテナ130および第二アンテナ40が形成される第一主面111と、第一主面111に背向する第二主面112と、を備える。また、図4に示されるように、基板110には、グランドパターン120の露出部121および露出部122の中央に、貫通孔113が形成されている。
基板110は、主に、第一アンテナ130の第一給電部134および第一接地部132の配置位置が、実施の形態1に係る基板10の第一アンテナ30における第一給電部34および第一接地部32の配置位置と相違する。基板110において、第一アンテナ130の第一接地部132は、グランドパターン120における露出部121および露出部122の配置位置に合わせて、基板110の幅方向(y軸方向)の中央付近に配置されている。一方、基板110において、第一アンテナ130の第一給電部134は、第一接地部132と干渉しないように、基板110の幅方向の端部付近に配置されている。
第一マッチング回路181は、実施の形態1に係る第一マッチング回路81と実質的に同じ回路である。しかし、基板110では、第一マッチング回路181のレイアウトが、実施の形態1の基板10における第一マッチング回路81のレイアウトと相違する。基板110において、第一マッチング回路181は、グランドパターン120の露出部121の配置位置と干渉しない位置に配置される。また、第一マッチング回路181は、第一アンテナ130の第一給電部134の配置位置に合わせて、出力部の位置が設定されている。
地板150は、実施の形態1に示した地板50と同様に、第一対向部151と、第二対向部152と、第三対向部153と、第一間隙形成部156と、第二間隙形成部157と、を有する(図3B参照)。また、地板150は、第三対向部153に、地板150とグランドパターン120とを短絡する短絡点を有する。この短絡点は、第三対向部153における、第二対向部152よりも第一対向部151に近い位置、に配置される。
地板150は、図3Cに示されるように、第三対向部153に単数または複数(例えば、四つ)の突起部154を有する。突起部154は、グランドパターン120の露出部122に対向する位置に配置されており、露出部122と接するように設けられている。また、地板150には、貫通孔113に対応する位置にねじ穴155が設けられており、基板110の第一主面111側から貫通孔113を貫通した導電性ビス70のねじ部がねじ穴155に捻じ込まれる。これにより、地板150は、基板110に固定され、かつ、導電性ビス70を介してグランドパターン120の露出部121と短絡される。また、露出部122と突起部154とが短絡される。これにより、本実施の形態に係る無線モジュール101では、地板150の突起部154およびねじ穴155が、地板150とグランドパターン120とを短絡する短絡点を構成する。
本実施の形態に係る地板150は、グランドパターン120の露出部121および露出部122の配置位置に合わせて、突起部154およびねじ穴155が、第三対向部153における第一対向部151側の端縁方向の略中央に配置されている点が、実施の形態1に係る地板50と相違する。ここで、当該端縁方向とは、地板150の幅方向(y軸方向)を意味し、当該端縁方向の略中央とは、地板150の幅方向の中央から当該幅の10%程度の範囲を意味する。また、本実施の形態に係る地板150においては、第一対向部151のx軸方向の長さが、実施の形態1に係る第一対向部51のx軸方向の長さと相違する。第一対向部151のx軸方向の長さについては、後述する。
[2−2.地板の構成]
次に、本実施の形態に係る地板150の構成について説明する。
本実施の形態においても、地板150は、実施の形態1の地板50と同様に、第三対向部153に、地板150とグランドパターン120とを短絡する短絡点を有する。この短絡点は、第三対向部153における、第二対向部152よりも第一対向部151に近い位置、に配置される。これにより、第一アンテナ130の第一接地部132からグランドパターン120に流れる電流の一部が地板150に流れる。これにより、無線モジュール101では、実施の形態1の無線モジュール1と同様に、第一アンテナ130と第二アンテナ40との間のアイソレーションを向上させることが可能となる。
また、本実施の形態における無線モジュール101においても、実施の形態1の無線モジュール1と同様に、地板150とグランドパターン120とを短絡する短絡点から、地板150の当該短絡点に最も近い頂点151t(図3C参照)までの電気長が定められる。当該電気長を模式的に示すと、その長さは、図3A〜図3Cに示される矢印191、矢印192、および矢印193の長さの和として示される。そして、当該電気長は、第一アンテナ130の共振波長の略1/4である。さらに、地板150の、第三対向部153の第二対向部152側の端から、第二対向部152の第三対向部153と反対側の端までの電気長は、実施の形態1の無線モジュール1と同様に、第一アンテナ130の共振波長の略1/4である。なお、当該電気長の長さは、図3Bおよび図3Cの矢印94で示される距離と、矢印95で示される距離との和として模式的に示される。
これらの構成により、無線モジュール101では、両アンテナ間(第一アンテナ130と第二アンテナ40との間)のアイソレーションをさらに向上できる。また、本実施の形態では、地板150とグランドパターン120とを短絡する短絡点は、地板150の幅方向(y軸方向)の略中央に配置されている。このため、当該短絡点から、当該短絡点に最も近い地板150の端縁への当該短絡点からの垂線の足に対応する点までの距離(図3Aおよび図3Cの矢印191で示される距離)は、実施の形態1に係る当該距離(図1Aおよび図1Dの矢印91で示される距離)よりも長い。
ここで、本実施の形態でも、地板150とグランドパターン120とを短絡する短絡点から、地板150の当該短絡点に最も近い頂点151tまでの電気長は、第一アンテナ130の共振波長の略1/4に設定されている。したがって、矢印191で示される距離が、実施の形態1において矢印91で示される距離よりも長くなった分、当該垂線の足に対応する点から頂点151tまでの地板150の端縁の長さは、実施の形態1の当該長さよりも短く設定される。例えば、第一間隙形成部156のz軸方向の長さ(図3Bの矢印192で示される距離)が実施の形態1に係る第一間隙形成部56のz軸方向の長さ(図1Cの矢印92で示される距離)と等しい場合、本実施の形態では、地板150の第一対向部151のx軸方向の長さ(図3Bおよび図3Cの矢印193で示される距離)を短くすることができる。これにより、無線モジュール101を小型化することができる。これに伴い、地板150に要するコストを低減できる。
[2−3.効果等]
以上のように、本実施の形態における無線モジュールは、実施の形態1に示した無線モジュールと実質的に同じ構成を有し、実質的に同じ効果を得ることができる。
なお、無線モジュール101は無線モジュールの一例である。基板110は基板の一例である。グランドパターン120はグランドパターンの一例である。第一アンテナ130は第一アンテナの一例である。地板150は地板の一例である。第一接地部132は接地部の一例である。第一給電部134は第一給電部の一例である。第一対向部151は第一対向部の一例である。第二対向部152は第二対向部の一例である。第三対向部153は第三対向部の一例である。
また、無線モジュールにおいて、短絡点は、第三対向部における第一対向部側の端縁方向の略中央に配置されてもよい。
例えば、実施の形態2に示した例では、無線モジュール101において、地板150とグランドパターン120とを短絡する短絡点は、第三対向部153における第一対向部151側の端縁方向の略中央に配置されている。
なお、略中央とは、例えば、露出部121または露出部122が、当該中央を含む位置に配置されている、と定義されてもよい。
これにより、無線モジュール101では、地板150とグランドパターン120とを短絡する短絡点から、地板150の当該短絡点に最も近い頂点151tまでの電気長のうち、当該短絡点から地板150の端縁までの電気長(図3Aおよび図3Cの矢印191で示される距離)を、相対的に長くできる。したがって、当該短絡点から頂点151tまでの電気長を第一アンテナ130の共振波長の略1/4とする場合に、地板150の第一対向部151および第一間隙形成部156を小型化することができる。これにより、地板150に要するコストを低減できる。
(実施の形態2の変形例1)
次に、実施の形態2の変形例1に係る無線モジュール201について説明する。
本変形例に係る無線モジュール201は、実施の形態1で説明した無線モジュール1と実質的に同じ構成である。ただし、本変形例に示す無線モジュール201は、地板とグランドパターンとを短絡する短絡点の構成が、実施の形態1に係る無線モジュール1と相違する。以下では、本変形例に係る無線モジュール201について、実施の形態1で説明した事項については適宜説明を省略し、実施の形態1に係る無線モジュール1との相違点を主に説明する。なお、実施の形態1に示した無線モジュール1が備える構成要素と実質的に同じ構成要素については、その構成要素と同じ符号を付与して、その説明を省略または簡略化する。
[2A−1.構成]
まず、本変形例における無線モジュール201の構成について図面を用いて説明する。
図5Aは、実施の形態2の変形例1における無線モジュール201の外観の一例を模式的に示す上面図である。
図5Bは、実施の形態2の変形例1における無線モジュール201の外観の一例を模式的に示す側面図である。
図5Cは、実施の形態2の変形例1における無線モジュール201の外観の一例を模式的に示す底面図である。
図6は、実施の形態2の変形例1における無線モジュール201の基板210の外観の一例を模式的に示す底面図である。
図5Aに示されるように、無線モジュール201は、基板210と、グランドパターン220と、IC26と、シールドケース28と、第一アンテナ30と、第二アンテナ40と、第一マッチング回路281と、第二マッチング回路82と、スペーサ29と、導電性ビス70、導電性ビス70aおよび導電性ビス70bと、を備える。また、図5Bに示されるように、無線モジュール201は、地板250と、熱伝導部材60と、をさらに備える。
グランドパターン220は、図5Aに示されるように、基板210の第一主面211側に設けられた露出部221、露出部221a、および露出部221bを備える。また、図6に示されるように、グランドパターン220は、基板210の第二主面212側に設けられた露出部222、露出部222a、および露出部222bをさらに備える。露出部221、露出部221a、露出部221b、露出部222、露出部222a、および露出部222bは、グランドパターン220のうち、レジスト16で覆われず、外部に露出している部分である。露出部221および露出部222は互いに対向する位置に配置される。露出部221aおよび露出部222aは互いに対向する位置に配置される。露出部221bおよび露出部222bは互いに対向する位置に配置される。本変形例では、露出部221、露出部221a、および露出部221b、並びに、露出部222、露出部222a、および露出部222bは、基板210の幅方向(y軸方向)に配列されている。
基板210は、図5Bに示されるように、第一アンテナ30および第二アンテナ40が形成される第一主面211と、第一主面211に背向する第二主面212と、を備える。また、図6に示されるように、基板210において、グランドパターン220の露出部221および露出部222の中央には、貫通孔213が形成され、露出部221aおよび露出部222aの中央には、貫通孔213aが形成され、露出部221bおよび露出部222bの中央には、貫通孔213bが形成されている。
第一マッチング回路281は、実施の形態1に係る第一マッチング回路81と実質的に同じ回路である。しかし、基板210では、第一マッチング回路281のレイアウトが、実施の形態1の基板10における第一マッチング回路81のレイアウトと相違する。基板210において、第一マッチング回路281は、グランドパターン220の各露出部の配置位置と干渉しない位置に配置される。また、第一マッチング回路281は、第一アンテナ30の第一給電部34の配置位置に合わせて、出力部の位置が設定されている。
地板250は、実施の形態1に示した地板50と同様に、第一対向部251と、第二対向部252と、第三対向部253と、第一間隙形成部256と、第二間隙形成部257と、を有する(図5B参照)。また、地板250は、第三対向部253に、地板250とグランドパターン220とを短絡する短絡点を有する。この短絡点は、第三対向部253における、第二対向部252よりも第一対向部251に近い位置、に配置される。
また、地板250は、図5Cに示されるように、グランドパターン220の露出部222に対応する位置に単数または複数(例えば、四つ)の突起部254を有し、露出部222aに対応する位置に単数または複数(例えば、四つ)の突起部254aを有し、露出部222bに対応する位置に単数または複数(例えば、四つ)の突起部254bを有する。そして、突起部254は露出部222と接し、突起部254aは露出部222aと接し、突起部254bは露出部222bと接するように、それぞれ設けられている。また、地板250には、図5Cに示されるように、貫通孔213に対応する位置にねじ穴255が設けられ、貫通孔213aに対応する位置にねじ穴255aが設けられ、貫通孔213bに対応する位置にねじ穴255bが設けられている。そして、基板210の第一主面211側から貫通孔213を貫通した導電性ビス70のねじ部がねじ穴255に捻じ込まれ、基板210の第一主面211側から貫通孔213aを貫通した導電性ビス70aのねじ部がねじ穴255aに捻じ込まれ、基板210の第一主面211側から貫通孔213bを貫通した導電性ビス70bのねじ部がねじ穴255bに捻じ込まれる。これにより、地板250は、基板210に固定され、導電性ビス70、導電性ビス70a、および導電性ビス70bを介してグランドパターン220の露出部221、露出部221a、および露出部221bと短絡され、また、露出部222と突起部254とが短絡され、露出部222aと突起部254aとが短絡され、露出部222bと突起部254bとが短絡される。これにより、本変形例に係る無線モジュール201では、地板250の突起部254、突起部254a、突起部254b、ねじ穴255、ねじ穴255a、およびねじ穴255bが、地板250とグランドパターン220とを短絡する短絡点を構成する。
[2A−2.短絡点の構成]
次に、本変形例に係る短絡点の構成について説明する。
上述のように、本変形例に係る無線モジュール201においては、グランドパターン220の露出部222、露出部222a、および露出部222bの各々に対応する位置に、地板250とグランドパターン220とを短絡する短絡点が形成され、それらの短絡点は地板250の幅方向(y軸方向)に配列されている。このように、無線モジュール201の短絡点の個数および位置は、適宜調整されてもよい。これにより、地板250とグランドパターン220とを短絡する短絡点から、地板250の当該短絡点に最も近い端縁までの電気長を、所望の長さに設定できる。
ここで、本変形例における無線モジュール201においても、地板250とグランドパターン220とを短絡する短絡点から、地板250の当該短絡点に最も近い頂点までの電気長は、実施の形態1の無線モジュール1と同様に定められる。つまり、当該電気長を模式的に示すと、その長さは、図5Cの矢印291の長さと、図5Bの矢印292の長さと、矢印293の長さとの和として定義される。また、本変形例における無線モジュール201においても、地板250とグランドパターン220とを短絡する短絡点から、地板250の当該短絡点に最も近い頂点までの電気長は、実施の形態1の無線モジュール1と同様に、第一アンテナ30の共振波長の略1/4である。
したがって、本変形例では、地板250とグランドパターン220とを短絡する短絡点から、地板250の当該短絡点に最も近い端縁までの電気長を、所望の長さに設定することによって、地板250の第一間隙形成部256のz軸方向の長さ(図5Bの矢印292で示される距離)、および、第一対向部251のx軸方向の長さ(図5Bおよび図5Cの矢印293で示される距離)を所望の長さに調整することができる。
[2A−3.効果等]
以上のように、本変形例における無線モジュールは、実施の形態1に示した無線モジュールと実質的に同じ構成を有し、実質的に同じ効果を得ることができる。
なお、無線モジュール201は無線モジュールの一例である。基板210は基板の一例である。グランドパターン220はグランドパターンの一例である。地板250は地板の一例である。第一対向部251は第一対向部の一例である。第二対向部252は第二対向部の一例である。第三対向部253は第三対向部の一例である。
また、本変形例に係る無線モジュール201においては、グランドパターン220の各露出部の位置および個数と、地板250の突起部254の位置および個数と、が調整されることによって、地板250とグランドパターン220とを短絡する短絡点の位置および個数が調整される。
これにより、無線モジュール201では、地板250とグランドパターン220とを短絡する短絡点から、地板250の当該短絡点に最も近い端縁までの電気長が、所望の長さに設定される。これにより、無線モジュール201において、当該短絡点から、地板250の当該短絡点に最も近い頂点までの電気長を、第一アンテナ30の共振波長の略1/4とする場合に、地板250の第一間隙形成部256および第一対向部251の寸法を、所望の大きさに調整することができる。
(実施の形態2の変形例2)
次に、実施の形態2の変形例2に係る無線モジュール301について説明する。
本変形例に係る無線モジュール301は、実施の形態1で説明した無線モジュール1と実質的に同じ構成である。ただし、本変形例に示す無線モジュール301は、地板とグランドパターンとを短絡する短絡点の構成が、実施の形態1に係る無線モジュール1と相違する。以下では、本変形例に係る無線モジュール301について、実施の形態1で説明した事項については適宜説明を省略し、実施の形態1に係る無線モジュール1との相違点を主に説明する。なお、実施の形態1に示した無線モジュール1が備える構成要素と実質的に同じ構成要素については、その構成要素と同じ符号を付与して、その説明を省略または簡略化する。
[2B−1.構成]
まず、本変形例における無線モジュール301の構成について図面を用いて説明する。
図7Aは、実施の形態2の変形例2における無線モジュール301の外観の一例を模式的に示す上面図である。
図7Bは、実施の形態2の変形例2における無線モジュール301の外観の一例を模式的に示す側面図である。
図7Cは、実施の形態2の変形例2における無線モジュール301の外観の一例を模式的に示す底面図である。
図8は、実施の形態2の変形例2における無線モジュール301の基板310の外観の一例を模式的に示す底面図である。
図7Aに示されるように、無線モジュール301は、基板310と、グランドパターン320と、IC26と、シールドケース28と、第一アンテナ30と、第二アンテナ40と、第一マッチング回路381と、第二マッチング回路82と、スペーサ29と、を備える。また、図7Bに示されるように、無線モジュール301は、地板350と、導電性ビス70と、熱伝導部材60と、をさらに備える。
図7Aに示されるように、グランドパターン320は、基板310の第一主面311側に設けられた露出部321を備える。また、図8に示されるように、グランドパターン320は、基板310の第二主面312側に設けられた露出部322をさらに備える。露出部321、および露出部322は、グランドパターン320のうち、レジスト16で覆われず、外部に露出している部分である。本変形例では、露出部322は、基板310の幅方向(y軸方向)に延びる長方形状の形状を有する。また、露出部322は、露出部321に対向する領域を含む位置に配置される。
基板310は、図7Bに示されるように、第一アンテナ30および第二アンテナ40が形成される第一主面311と、第一主面311に背向する第二主面312と、を備える。また、図8に示されるように、基板310において、グランドパターン320の露出部322の中央には、貫通孔313が形成されている。
第一マッチング回路381は、実施の形態1に係る第一マッチング回路81と実質的に同じ回路である。しかし、基板310では、第一マッチング回路381のレイアウトが、実施の形態1の基板10における第一マッチング回路81のレイアウトと相違する。基板310において、第一マッチング回路381は、グランドパターン320の露出部321の配置位置と干渉しない位置に配置される。また、第一マッチング回路381は、第一アンテナ30の第一給電部34の配置位置に合わせて、出力部の位置が設定されている。
地板350は、実施の形態1に示した地板50と同様に、第一対向部351と、第二対向部352と、第三対向部353と、第一間隙形成部356と、第二間隙形成部357と、を有する(図7B参照)。また、地板350は、第三対向部353に、地板350とグランドパターン320とを短絡する短絡点を有する。この短絡点は、第三対向部353における、第二対向部352よりも第一対向部351に近い位置、に配置される。
また、地板350は、図7Cに示されるように、グランドパターン320の露出部322に対応する位置に、単数または複数の突起部354を有する。そして、突起部354は、露出部322と接するように設けられている。突起部354の個数は特に限定されないが、本変形例では、地板350が有する突起部354の数は、12個である。また、地板350には、図7Cに示されるように、貫通孔313に対応する位置にねじ穴355が設けられている。そして、基板310の第一主面311側から貫通孔313を貫通した導電性ビス70のねじ部が、ねじ穴355に捻じ込まれる。これにより、地板350は、基板310に固定され、導電性ビス70を介してグランドパターン320の露出部321と短絡され、また、露出部322と突起部354とが短絡される。これにより、本変形例に係る無線モジュール301では、地板350の突起部354およびねじ穴355が、地板350とグランドパターン320とを短絡する短絡点を構成する。
[2B−2.短絡点の構成]
次に、本変形例に係る短絡点の構成について説明する。
上述のように、本変形例に係る無線モジュール301においては、グランドパターン320の露出部322は、基板310の幅方向(y軸方向)に延びる長方形状の形状を有する。また、地板350は、露出部322に対応する位置に突起部354を有する。このように、露出部322の形状およびそれに対応する地板350の形状(突起部354の配置位置および数)は、適宜調整されてもよい。
ここで、本変形例における無線モジュール301においても、地板350とグランドパターン320とを短絡する短絡点から、地板350の当該短絡点に最も近い頂点までの電気長は、実施の形態1の無線モジュール1と同様に定められる。つまり、当該電気長を模式的に示すと、その長さは、図7Cの矢印391の長さと、図7Bの矢印392の長さと、矢印393の長さとの和として定義される。また、本変形例における無線モジュール301においても、地板350とグランドパターン320とを短絡する短絡点から、地板350の当該短絡点に最も近い頂点までの電気長は、実施の形態1の無線モジュール1と同様に、第一アンテナ30の共振波長の略1/4である。
したがって、本変形例では、地板350とグランドパターン320とを短絡する短絡点から、地板350の当該短絡点に最も近い端縁までの電気長を、所望の長さに設定することによって、地板350の第一間隙形成部356のz軸方向の長さ(図7Bの矢印392で示される距離)、および、第一対向部351のx軸方向の長さ(図7Bおよび図7Cの矢印393で示される距離)を所望の長さに調整することができる。
[2B−3.効果等]
以上のように、本変形例における無線モジュールは、実施の形態1に示した無線モジュールと実質的に同じ構成を有し、実質的に同じ効果を得ることができる。
なお、無線モジュール301は無線モジュールの一例である。基板310は基板の一例である。グランドパターン320はグランドパターンの一例である。地板350は地板の一例である。第一対向部351は第一対向部の一例である。第二対向部352は第二対向部の一例である。第三対向部353は第三対向部の一例である。
また、本変形例に係る無線モジュール301においては、グランドパターン320の露出部322の形状、および、地板350の突起部354の個数、が調整されることによって、地板350とグランドパターン320とを短絡する短絡点の位置および個数が調整される。
これにより、無線モジュール301では、地板350とグランドパターン320とを短絡する短絡点から、地板350の当該短絡点に最も近い端縁までの電気長が、所望の長さに設定される。これにより、無線モジュール301において、当該短絡点から、地板350の当該短絡点に最も近い頂点までの電気長を、第一アンテナ30の共振波長の略1/4とする場合に、地板350の第一間隙形成部356および第一対向部351の寸法を、所望の大きさに調整することができる。
(実施の形態3)
次に、実施の形態3に係る無線モジュール401について説明する。
本実施の形態に係る無線モジュール401は、実施の形態2で説明した無線モジュール101と実質的に同じ構成である。ただし、本実施の形態に示す無線モジュール401は、地板の形状が、実施の形態2に係る無線モジュール101と相違する。以下では、本実施の形態に係る無線モジュール401について、実施の形態1、2で説明した事項については適宜説明を省略し、実施の形態2に係る無線モジュール101との相違点を主に説明する。なお、実施の形態2に示した無線モジュール101が備える構成要素と実質的に同じ構成要素については、その構成要素と同じ符号を付与して、その説明を省略または簡略化する。
[3−1.構成]
まず、本実施の形態に係る無線モジュール401の構成について図面を用いて説明する。
図9Aは、実施の形態3における無線モジュール401の外観の一例を模式的に示す上面図である。
図9Bは、実施の形態3における無線モジュール401の外観の一例を模式的に示す側面図である。
図10は、実施の形態3における無線モジュール401の地板450の外観の一例を模式的に示す底面図である。
図9Aに示されるように、無線モジュール401は、基板110と、グランドパターン120と、IC26と、シールドケース28と、第一アンテナ130と、第二アンテナ40と、第一マッチング回路181と、第二マッチング回路82と、スペーサ29と、を備える。また、図9Bに示されるように、無線モジュール401は、地板450と、導電性ビス70と、熱伝導部材60と、をさらに備える。
地板450は、実施の形態2に示した地板150と同様に、第一対向部451と、第二対向部452と、第三対向部453と、第一間隙形成部456と、第二間隙形成部457と、を有する(図9B参照)。また、地板450は、第三対向部453に、地板450とグランドパターン120とを短絡する短絡点を有する。この短絡点は、第三対向部453における、第二対向部452よりも第一対向部451に近い位置、に配置される。
また、地板450は、図10に示されるように、単数または複数(例えば、四つ)の突起部454を有する。そして、突起部454は、実施の形態2に示した無線モジュール101と同様に、露出部122(図4参照)と接するように設けられている。また、地板450には、図10に示されるように、導電性ビス70を通すために基板110に設けられた貫通孔113(図4参照)に対応する位置にねじ穴455が設けられている。そして、基板110の第一主面111側から貫通孔113を貫通した導電性ビス70のねじ部が、ねじ穴455に捻じ込まれる。これにより、地板450は、基板110に固定され、導電性ビス70を介してグランドパターン120の露出部121と短絡され、また、露出部122と突起部454とが短絡される。これにより、本実施の形態に係る無線モジュール401では、地板450の突起部454およびねじ穴455が、地板450とグランドパターン120とを短絡する短絡点を構成する。
また、本実施の形態に係る無線モジュール401が有する地板450は、図10に示すように、第二対向部452の第三対向部453側の端部に、当該端部の端縁の方向に沿って切り込み部458が形成されている。
また、本実施の形態における無線モジュール401においても、実施の形態1および2と同様に、地板450の、第三対向部453の第二対向部452側の端から、第二対向部452の第三対向部453と反対側の端までの電気長を、第一アンテナ130の共振波長の略1/4とする。これにより、両アンテナ間(第一アンテナ130と第二アンテナ40との間)のアイソレーションを向上できる。
なお、本実施の形態のように、地板450に切り込み部458が形成されている場合、上述の「第二対向部452の第三対向部453と反対側の端」は、図10に示される第二対向部452のy軸方向における端部D1である。この場合、上記の電気長を模式的に示すと、その長さは、図9Bの矢印94で示される第二間隙形成部457の端縁の長さと、図10の矢印495で示される切り込み部458の幅と、矢印496で示される切り込み部458の長さとの和として示される。
したがって、無線モジュール401では、地板450に切り込み部458を形成することにより、実施の形態1に係る無線モジュール1と比較して、第二対向部452のx軸方向の寸法を縮小できる。つまり、本実施の形態では、無線モジュール401をさらに小型化することができる。
[3−2.効果等]
以上のように、本実施の形態における無線モジュールは、実施の形態2に示した無線モジュールと実質的に同じ構成を有し、実質的に同じ効果を得ることができる。
なお、無線モジュール401は無線モジュールの一例である。地板450は地板の一例である。第一対向部451は第一対向部の一例である。第二対向部452は第二対向部の一例である。第三対向部453は第三対向部の一例である。
また、無線モジュールにおいては、第二対向部の第三対向部側の端部に、当該端部の端縁の方向に沿って切り込み部が形成されていてもよい。
なお、切り込み部458は切り込み部の一例である。
例えば、実施の形態3に示した例では、無線モジュール401の地板450には、第二対向部452の第三対向部453側の端部に、当該端部の端縁の方向に沿って切り込み部458が形成されている。
これにより、無線モジュール401において、地板450の、第三対向部453の第二対向部452側の端から、第二対向部452の第三対向部453と反対側の端までの電気長を、第一アンテナ130の共振波長の略1/4とする場合に、第二対向部452のx軸方向の寸法を、切り込み部458を形成しない場合よりも、縮小できる。つまり、本実施の形態では、無線モジュール401をさらに小型化することができる。
(実施の形態4)
次に、実施の形態4に係る無線モジュール501について説明する。
本実施の形態に係る無線モジュール501は、実施の形態2で説明した無線モジュール101と実質的に同じ構成である。ただし、本実施の形態に示す無線モジュール501は、基板と地板との間に誘電体を挿入する点が、実施の形態2に係る無線モジュール101と相違する。以下では、本実施の形態に係る無線モジュール501について、実施の形態1、2で説明した事項については適宜説明を省略し、実施の形態2に係る無線モジュール101との相違点を主に説明する。なお、実施の形態2に示した無線モジュール101が備える構成要素と実質的に同じ構成要素については、その構成要素と同じ符号を付与して、その説明を省略または簡略化する。
[4−1.構成]
まず、本実施の形態に係る無線モジュール501の構成について図面を用いて説明する。
図11Aは、実施の形態4における無線モジュール501の外観の一例を模式的に示す上面図である。
図11Bは、実施の形態4における無線モジュール501の外観の一例を模式的に示す側面図である。
図11Cは、実施の形態4における無線モジュール501の外観の一例を模式的に示す底面図である。
図11Aに示されるように、無線モジュール501は、基板110と、グランドパターン120と、IC26と、シールドケース28と、第一アンテナ130と、第二アンテナ40と、第一マッチング回路181と、第二マッチング回路82と、を備える。また、図11Bに示されるように、無線モジュール501は、地板550と、導電性ビス70と、誘電体62と、をさらに備える。
地板550は、実施の形態1に示した地板50と同様に、第一対向部551と、第二対向部552と、第三対向部553と、第一間隙形成部556と、第二間隙形成部557と、を有する(図11B参照)。また、地板550は、第三対向部553に、地板550とグランドパターン120とを短絡する短絡点を有する。この短絡点は、第三対向部553における、第二対向部552よりも第一対向部551に近い位置、に配置される。
また、地板550は、図11Cに示されるように、単数または複数(例えば、四つ)の突起部554を有する。そして、突起部554は、実施の形態2に示した無線モジュール101と同様に、露出部122(図4参照)と接するように設けられている。また、地板550には、図11Cに示されるように、導電性ビス70を通すために基板110に設けられた貫通孔113(図4参照)に対応する位置にねじ穴555が設けられている。そして、基板110の第一主面111側から貫通孔113を貫通した導電性ビス70のねじ部が、ねじ穴555に捻じ込まれる。これにより、地板550は、基板110に固定され、導電性ビス70を介してグランドパターン120の露出部121と短絡され、また、露出部122と突起部554とが短絡される。これにより、本実施の形態に係る無線モジュール501では、地板550の突起部554およびねじ穴555が、地板550とグランドパターン120とを短絡する短絡点を構成する。
誘電体62は、基板110と地板550との間に配置された誘電体である。誘電体62は、シート状の形状を有し、基板110と地板550の第三対向部553との間の、短絡点以外の領域に配置される。誘電体62により、基板110に配置されたグランドパターン120と地板550との間の誘電率を調整することができる。当該誘電率は、両アンテナ間(第一アンテナ130と第二アンテナ40との間)のアイソレーション特性に影響を及ぼす。そのため、無線モジュール501では、当該誘電率を調整することにより、両アンテナ間のアイソレーション特性を調整することができる。無線モジュール501では、例えば、地板550の寸法等に応じて、誘電体62の誘電率および寸法等を調整することにより、両アンテナ間のアイソレーション特性を向上できる。
[4−2.効果等]
以上のように、本実施の形態における無線モジュールは、実施の形態2に示した無線モジュールと実質的に同じ構成を有し、実質的に同じ効果を得ることができる。
なお、無線モジュール501は無線モジュールの一例である。地板550は地板の一例である。第一対向部551は第一対向部の一例である。第二対向部552は第二対向部の一例である。第三対向部553は第三対向部の一例である。
また、無線モジュールは、基板と地板との間に配置された誘電体をさらに備えてもよい。
なお、誘電体62は誘電体の一例である。
例えば、実施の形態4に示した例では、無線モジュール501は、基板110と地板550との間に配置された誘電体62をさらに備える。
無線モジュール501では、基板110と地板550との間に誘電体62が挿入されることにより、基板110に配置されたグランドパターン120と地板550との間の誘電率を調整することができる。無線モジュール501では、例えば、地板550の寸法等に応じて、誘電体62の誘電率および寸法等を調整することにより、両アンテナ間(第一アンテナ130と第二アンテナ40との間)のアイソレーション特性を向上できる。
(実施の形態4の変形例1)
次に、実施の形態4の変形例1に係る無線モジュール601について説明する。
本変形例に係る無線モジュール601は、実施の形態4で説明した無線モジュール501と実質的に同じ構成である。ただし、本変形例に示す無線モジュール601は、基板と第三対向部との間だけでなく、基板と第一対向部との間、および基板と第二対向部との間にも誘電体を挿入する点が、実施の形態4に係る無線モジュール501と相違する。以下では、本変形例に係る無線モジュール601について、実施の形態1〜4で説明した事項については適宜説明を省略し、実施の形態4に係る無線モジュール501との相違点を主に説明する。なお、実施の形態4に示した無線モジュール501が備える構成要素と実質的に同じ構成要素については、その構成要素と同じ符号を付与して、その説明を省略または簡略化する。
[4A−1.構成]
まず、本変形例に係る無線モジュール601の構成について図面を用いて説明する。
図12Aは、実施の形態4の変形例1における無線モジュール601の外観の一例を模式的に示す上面図である。
図12Bは、実施の形態4の変形例1における無線モジュール601の外観の一例を模式的に示す側面図である。
図12Aに示されるように、無線モジュール601は、基板110と、グランドパターン120と、IC26と、シールドケース28と、第一アンテナ130と、第二アンテナ40と、第一マッチング回路181と、第二マッチング回路82と、を備える。また、図12Bに示されるように、無線モジュール601は、地板650と、導電性ビス70と、誘電体64と、をさらに備える。
地板650は、実施の形態4に示した地板550と同様に、第一対向部651と、第二対向部652と、第三対向部653と、第一間隙形成部656と、第二間隙形成部657と、を有する(図12B参照)。また、地板650は、第三対向部653に、地板650とグランドパターン120とを短絡する短絡点を有する。この短絡点は、第三対向部653における、第二対向部652よりも第一対向部651に近い位置、に配置される。
また、地板650は、図12Bに示されるように、単数または複数の突起部654を有する。そして、突起部654は、実施の形態2に示した無線モジュール101と同様に、露出部122(図4参照)と接するように設けられている。また、地板650には、導電性ビス70を通すために基板110に設けられた貫通孔113(図4参照)に対応する位置にねじ穴(図示せず)が設けられている。そして、基板110の第一主面111側から貫通孔113を貫通した導電性ビス70のねじ部が、当該ねじ穴に捻じ込まれる。これにより、地板650は、基板110に固定され、導電性ビス70を介してグランドパターン120の露出部121と短絡され、また、露出部122と突起部654とが短絡される。これにより、本変形例に係る無線モジュール601では、地板650の突起部654およびねじ穴が、地板650とグランドパターン120とを短絡する短絡点を構成する。
誘電体64は、基板110と地板650との間に配置された誘電体である。誘電体64は、図12Bに示されるように、基板110と地板650との間のうち、短絡点以外のほぼ全体に挿入されている。つまり、誘電体64は、基板110と第三対向部653との間だけでなく、基板110と第一対向部651との間、および基板110と第二対向部652との間にも挿入されている。
本変形例に係る無線モジュール601では、このような誘電体64により、実施の形態4に係る無線モジュール501における誘電体62と同様に、基板110に配置されたグランドパターン120と地板650との間の誘電率を調整することができる。当該誘電率を調整することにより、無線モジュール601では、両アンテナ間(第一アンテナ130と第二アンテナ40との間)のアイソレーション特性を調整することができる。無線モジュール601では、例えば、地板650の寸法等に応じて、誘電体64の誘電率および寸法等を調整することにより、両アンテナ間のアイソレーション特性を向上できる。
なお、本変形例に係る無線モジュール601では、例えば、地板650を、誘電体64上に配置された銅箔等の薄い金属で形成してもよい。
[4A−2.効果等]
以上のように、本変形例における無線モジュールは、実施の形態4に示した無線モジュールと実質的に同じ構成を有し、実質的に同じ効果を得ることができる。
なお、無線モジュール601は無線モジュールの一例である。地板650は地板の一例である。第一対向部651は第一対向部の一例である。第二対向部652は第二対向部の一例である。第三対向部653は第三対向部の一例である。誘電体64は誘電体の一例である。
また、本変形例に示した例では、無線モジュール601は、基板110と地板650との間に配置された誘電体64をさらに備える。誘電体64は、基板110と第三対向部653との間だけでなく、基板110と第一対向部651との間、および基板110と第二対向部652との間にも挿入されている。
無線モジュール601では、基板110と地板650との間に誘電体64が挿入されることにより、基板110に配置されたグランドパターン120と地板650との間の誘電率を調整することができる。無線モジュール601では、例えば、地板650の寸法等に応じて、誘電体64の誘電率および寸法等を調整することにより、両アンテナ間(第一アンテナ130と第二アンテナ40との間)のアイソレーション特性を向上できる。
また、無線モジュール601では、地板650を、誘電体64上に配置された銅箔等の薄い金属で構成することもできる。
(実施の形態4の変形例2)
次に、実施の形態4の変形例2に係る無線モジュール701について説明する。
本変形例に係る無線モジュール701は、実施の形態4の変形例1で説明した無線モジュール601と実質的に同じ構成である。ただし、本変形例に示す無線モジュール701は、地板がリアクタンス素子を備える点が、実施の形態4の変形例1に係る無線モジュール601と相違する。以下では、本変形例に係る無線モジュール701について、実施の形態1〜4および実施の形態4の変形例1で説明した事項については適宜説明を省略し、実施の形態4の変形例1に係る無線モジュール601との相違点を主に説明する。なお、実施の形態4の変形例1に示した無線モジュール601が備える構成要素と実質的に同じ構成要素については、その構成要素と同じ符号を付与して、その説明を省略または簡略化する。
[4B−1.構成]
まず、本変形例に係る無線モジュール701の構成について図面を用いて説明する。
図13Aは、実施の形態4の変形例2における無線モジュール701の外観の一例を模式的に示す上面図である。
図13Bは、実施の形態4の変形例2における無線モジュール701の外観の一例を模式的に示す側面図である。
図14は、実施の形態4の変形例2における無線モジュール701の地板750の外観の一例を模式的に示す底面図である。
図13Aに示されるように、無線モジュール701は、基板110と、グランドパターン120と、IC26と、シールドケース28と、第一アンテナ130と、第二アンテナ40と、第一マッチング回路181と、第二マッチング回路82と、を備える。また、図13Bに示されるように、無線モジュール701は、地板750と、導電性ビス70と、誘電体64と、をさらに備える。
地板750は、実施の形態4の変形例1に示した地板650と同様に、第一対向部751と、第二対向部752と、第三対向部753と、第一間隙形成部756と、第二間隙形成部757と、を有する(図13B参照)。また、地板750は、第三対向部753に、地板750とグランドパターン120とを短絡する短絡点を有する。この短絡点は、第三対向部753における、第二対向部752よりも第一対向部751に近い位置、に配置される。
また、地板750は、図14に示されるように、単数または複数(例えば、4つ)の突起部754を有する。そして、突起部754は、実施の形態2に示した無線モジュール101と同様に、露出部122(図4参照)と接するように設けられている。また、地板750には、導電性ビス70を通すために基板110に設けられた貫通孔113(図4参照)に対応する位置にねじ穴755が設けられている。そして、基板110の第一主面111側から貫通孔113を貫通した導電性ビス70のねじ部が、ねじ穴755に捻じ込まれる。これにより、地板750は、基板110に固定され、導電性ビス70を介してグランドパターン120の露出部121と短絡され、また、露出部122と突起部754とが短絡される。これにより、本変形例に係る無線モジュール701では、地板750の突起部754およびねじ穴755が、地板750とグランドパターン120とを短絡する短絡点を構成する。
本変形例に係る無線モジュール701は、さらに、地板750にリアクタンス素子758およびリアクタンス素子759を有する。リアクタンス素子758は、図13Bおよび図14に示されるように、第一対向部751と第一間隙形成部756との間を接続する素子である。リアクタンス素子759は、図13Bおよび図14に示されるように、第二対向部752と第二間隙形成部757との間を接続する素子である。
本変形例に係る無線モジュール701では、地板750とグランドパターン120とを短絡する短絡点から、地板750の当該短絡点に最も近い頂点までの実効的な電気長を、リアクタンス素子758によって調整することができる。つまり、無線モジュール701では、地板750の物理的な寸法を変えることなく、実効的な当該電気長を調整することができる。また、同様に、本変形例に係る無線モジュール701では、地板750の、第三対向部753の第二対向部752側の端から、第二対向部752の第三対向部753と反対側の端までの実効的な電気長を、リアクタンス素子759によって調整することができる。
具体的には、リアクタンス素子758およびリアクタンス素子759としてインダクタを用いることで、無線モジュール701では、実効的なそれらの電気長を、地板750の大きさによって定められる物理的な長さより長くすることができる。あるいは、リアクタンス素子758およびリアクタンス素子759としてキャパシタを用いることで、無線モジュール701では、実効的なそれらの電気長を、地板750の大きさによって定められる物理的な長さより短くすることができる。
[4B−2.効果等]
以上のように、本変形例における無線モジュールは、実施の形態4の変形例1に示した無線モジュールと実質的に同じ構成を有し、実質的に同じ効果を得ることができる。
なお、無線モジュール701は無線モジュールの一例である。地板750は地板の一例である。第一対向部751は第一対向部の一例である。第二対向部752は第二対向部の一例である。第三対向部753は第三対向部の一例である。
また、本変形例に示した例では、無線モジュール701は、地板750にリアクタンス素子758およびリアクタンス素子759を備える。
これにより、無線モジュール701では、地板750における実効的な電気長を調整することができる。つまり、無線モジュール701では、地板750の物理的な寸法を変えずに、実効的な電気長を調整することができる。無線モジュール701では、例えば、地板750の寸法等に応じて、リアクタンス素子758およびリアクタンス素子759の特性を調整することにより、両アンテナ間(第一アンテナ130と第二アンテナ40との間)のアイソレーション特性を向上できる。
(実施の形態5)
次に、実施の形態5に係る無線モジュール801について説明する。
本実施の形態に係る無線モジュール801は、実施の形態2で説明した無線モジュール101と実質的に同じ構成である。ただし、本実施の形態に示す無線モジュール801は、第一アンテナ830および第二アンテナ840がデュアルバンドに対応する形状を有する点が、実施の形態2に係る無線モジュール101と相違する。以下では、本実施の形態に係る無線モジュール801について、実施の形態1、2で説明した事項については適宜説明を省略し、実施の形態2に係る無線モジュール101との相違点を主に説明する。なお、実施の形態2に示した無線モジュール101が備える構成要素と実質的に同じ構成要素については、その構成要素と同じ符号を付与して、その説明を省略または簡略化する。
[5−1.構成]
まず、本実施の形態に係る無線モジュール801の構成について図面を用いて説明する。
図15Aは、実施の形態5における無線モジュール801の外観の一例を模式的に示す上面図である。
図15Bは、実施の形態5における無線モジュール801の外観の一例を模式的に示す側面図である。
図15Aに示されるように、無線モジュール801は、基板810と、グランドパターン120と、IC26と、シールドケース28と、第一アンテナ830と、第二アンテナ840と、第一マッチング回路881と、第二マッチング回路882と、スペーサ29と、を備える。また、図15Bに示されるように、無線モジュール801は、地板850と、導電性ビス70と、熱伝導部材60と、をさらに備える。
基板810は、図15Bに示されるように、第一アンテナ830および第二アンテナ840が形成される第一主面811と、第一主面811に背向する第二主面812と、を備える。また、図示はしないが、実施の形態2に示した無線モジュール101の基板110と同様に、基板810には、グランドパターン120の露出部121の中央に対応する位置に、貫通孔が形成されている。
第一アンテナ830は、グランドパターン120に接続される第一接地部832、および、第一信号が供給される第一給電部834、を備える。第一アンテナ830の形状は、実施の形態2に係る第一アンテナ130と相違する。第一アンテナ830は、デュアルバンドに対応する形状を有する。つまり、第一アンテナ830は、第一周波数帯域に対応する第一帯域部836と、第一周波数帯域より低い周波数帯域である第二周波数帯域に対応する第二帯域部838と、を備える。これにより、第一アンテナ830は、二つの周波数帯域に対応することができる。第一周波数帯域は、例えば5GHz帯であり、第二周波数帯域は、例えば2.4GHz帯である。なお、本実施の形態では、第一アンテナ830が、上述の二つの周波数帯域に対応する構成例を示すが、第一アンテナ830の構成はこれに限定されない。第一アンテナ830は、三つ以上の周波数帯域に対応する構成を備えてもよい。
第一マッチング回路881は、実施の形態2に係る第一マッチング回路181と類似する回路である。しかし、第一マッチング回路881は、IC26から出力される第一周波数帯域および第二周波数帯域の二つの周波数帯域の信号の第一アンテナ830における反射を抑制する点が、第一マッチング回路181と相違する。
第二アンテナ840の形状は、実施の形態2に係る第二アンテナ40と相違する。第二アンテナ840は、デュアルバンドに対応する形状を有する。つまり、第二アンテナ840は、第一周波数帯域に対応する第一帯域部846と、第一周波数帯域より低い周波数帯域である第二周波数帯域に対応する第二帯域部848と、を備える。これにより、第二アンテナ840は、二つの周波数帯域に対応することができる。
第二マッチング回路882は、実施の形態2に係る第二マッチング回路82と類似する回路である。しかし、第二マッチング回路882は、IC26から出力される第一周波数帯域および第二周波数帯域の二つの周波数帯域の信号の第二アンテナ840における反射を抑制する点が、第二マッチング回路82と相違する。
地板850は、実施の形態2に示した地板150と同様に、第一対向部851と、第二対向部852と、第三対向部853と、第一間隙形成部856と、第二間隙形成部857と、を有する(図15B参照)。また、地板850は、第三対向部853に、地板850とグランドパターン120とを短絡する短絡点を有する。この短絡点は、第三対向部853における、第二対向部852よりも第一対向部851に近い位置、に配置される。
また、地板850は、図15Bに示されるように、単数または複数の突起部854を有する。そして、突起部854は、実施の形態2に示した無線モジュール101と同様に、基板810の第二主面812に設けられた露出部(図示せず)と接するように設けられている。また、地板850には、導電性ビス70を通すために基板810に設けられた貫通孔(図示せず)に対応する位置にねじ穴(図示せず)が設けられている。そして、基板810の第一主面811側から貫通孔を貫通した導電性ビス70のねじ部が、当該ねじ穴に捻じ込まれる。これにより、地板850は、基板810に固定され、導電性ビス70を介してグランドパターン120の露出部121と短絡され、また、基板810の第二主面812に設けられた露出部と突起部854とが短絡される。これにより、本実施の形態に係る無線モジュール801では、地板850の突起部854およびねじ穴が、地板850とグランドパターン120とを短絡する短絡点を構成する。
また、無線モジュール801の地板850においても、実施の形態2に係る地板150と同様に、第一アンテナ830と第二アンテナ840との間のアイソレーションを向上できる構成を備える。地板850は、例えば、第一アンテナ830が対応する二つの周波数帯域のうち、第二アンテナ840との干渉が、より大きくなり得る方の共振周波数に対するアイソレーションを向上できる構成を備える。つまり、地板850は、地板850とグランドパターン120とを短絡する短絡点から、地板850の当該短絡点に最も近い頂点までの電気長が、当該共振周波数に対応する共振波長の略1/4となるように構成されている。また、地板850は、地板850の、第三対向部853の第二対向部852側の端から、第二対向部852の第三対向部853と反対側の端までの電気長が、当該共振波長の略1/4となるように、構成されている。
これらの構成により、無線モジュール801では、両アンテナ間(第一アンテナ830と第二アンテナ840との間)のアイソレーションを向上できる。
[5−2.効果等]
以上のように、本実施の形態における無線モジュールは、実施の形態2に示した無線モジュールと実質的に同じ構成を有し、実質的に同じ効果を得ることができる。
なお、無線モジュール801は無線モジュールの一例である。基板810は基板の一例である。第一アンテナ830は第一アンテナの一例である。第二アンテナ840は第二アンテナの一例である。地板850は地板の一例である。第一接地部832は接地部の一例である。第一給電部834は第一給電部の一例である。第二給電部844は第二給電部の一例である。第一対向部851は第一対向部の一例である。第二対向部852は第二対向部の一例である。第三対向部853は第三対向部の一例である。
また、無線モジュールにおいて、第一アンテナは、デュアルバンドに対応する形状を有してもよい。
例えば、実施の形態5に示した例では、無線モジュール801において、第一アンテナ830は、デュアルバンドに対応する形状を有する。
これにより、無線モジュール801は、対応できる周波数帯域を増大でき、かつ、第一アンテナ830と第二アンテナ840との間のアイソレーションを向上できる。
ここで、本実施の形態に係る無線モジュール801の効果を説明する。ここでは、無線モジュール801に相当するモデルにおける数値解析の結果について、図面を用いて説明する。
図16は、実施の形態5における無線モジュール801に相当するモデルの数値解析の結果の一例を示す電流強度分布図である。
図16の(a)に示す電流強度分布図は、第一アンテナ830に第一信号を供給する場合に、第一アンテナ830、第二アンテナ840、およびグランドパターン120に流れる電流の強度分布を示す。図16の(b)に示す電流強度分布図は、第一アンテナ830に第一信号を供給する場合に、地板850に流れる電流の強度分布を示す。
図16の(a)および(b)に示されるように、第一アンテナ830、および、地板850の第一対向部851付近における電流強度は、比較的大きいが、第二アンテナ840における電流強度は、アイソレーションを確保できる程度に十分小さい。このように、本実施の形態に係る無線モジュール801では、第一アンテナ830と第二アンテナ840との間のアイソレーションを向上できる。
(実施の形態5の変形例1)
次に、実施の形態5の変形例1に係る無線モジュール901について説明する。
本変形例に係る無線モジュール901は、実施の形態5で説明した無線モジュール801と実質的に同じ構成である。ただし、本変形例に示す無線モジュール901は、第二アンテナがPIFAである点が、実施の形態5に係る無線モジュール801と相違する。以下では、本変形例に係る無線モジュール901について、実施の形態1〜5で説明した事項については適宜説明を省略し、実施の形態5に係る無線モジュール801との相違点を主に説明する。なお、実施の形態5に示した無線モジュール801が備える構成要素と実質的に同じ構成要素については、その構成要素と同じ符号を付与して、その説明を省略または簡略化する。
[5A−1.構成]
まず、本変形例に係る無線モジュール901の構成について図面を用いて説明する。
図17Aは、実施の形態5の変形例1における無線モジュール901の外観の一例を模式的に示す上面図である。
図17Bは、実施の形態5の変形例1における無線モジュール901の外観の一例を模式的に示す側面図である。
図17Aに示されるように、無線モジュール901は、基板910と、グランドパターン120と、IC26と、シールドケース28と、第一アンテナ830と、第二アンテナ940と、第一マッチング回路881と、第二マッチング回路982と、スペーサ29と、を備える。また、図17Bに示されるように、無線モジュール901は、地板850と、導電性ビス70と、熱伝導部材60と、をさらに備える。本変形例に係る無線モジュール901は、主に第二アンテナ940の構成が、実施の形態5に係る無線モジュール801と相違する。
基板910は、図17Bに示されるように、第一アンテナ830および第二アンテナ940が形成される第一主面911と、第一主面911に背向する第二主面912と、を備える。また、図示はしないが、実施の形態5に示した無線モジュール801の基板810と同様に、基板910には、グランドパターン120の露出部121の中央に対応する位置に、貫通孔が形成されている。
第二アンテナ940は、図17Aに示されるように、グランドパターン120に接続される第二接地部942、および、第二信号が供給される第二給電部944を備えるPIFAである。第二アンテナ940は、第一アンテナ830と同様に、デュアルバンドに対応するアンテナである。第二アンテナ940は、第一周波数帯域に対応する第一帯域部946と、第一周波数帯域より低い周波数帯域である第二周波数帯域に対応する第二帯域部948と、を備える。
第二マッチング回路982は、第二マッチング回路882と同様に、第二信号に含まれる二つの周波数帯域の信号の、第二アンテナ940における反射を抑制する回路である。
[5A−2.効果等]
以上のように、本変形例における無線モジュールは、実施の形態5に示した無線モジュールと実質的に同じ構成を有し、実質的に同じ効果を得ることができる。
なお、無線モジュール901は無線モジュールの一例である。基板910は基板の一例である。第二アンテナ940は第二アンテナの一例である。第二給電部944は第二給電部の一例である。
また、実施の形態5の変形例1に示した例では、無線モジュール901において、第二アンテナ940は、PIFAである。
本変形例に係る無線モジュール901においても、図16に示されたように、第二アンテナ940付近に流れる電流強度が十分抑制されるため、第一アンテナ830と第二アンテナ940との間のアイソレーションを向上できる。
(実施の形態6)
次に、実施の形態6に係る無線モジュール1001について説明する。
本実施の形態に係る無線モジュール1001は、実施の形態5の変形例1で説明した無線モジュール901と実質的に同じ構成である。ただし、本実施の形態に示す無線モジュール1001は、地板1050がデュアルバンドに対応するアイソレーション効果を有する点が、実施の形態5の変形例1に係る無線モジュール901と相違する。以下では、本実施の形態に係る無線モジュール1001について、実施の形態1〜5および実施の形態5の変形例1で説明した事項については適宜説明を省略し、実施の形態5の変形例1に係る無線モジュール901との相違点を主に説明する。なお、実施の形態5の変形例1に示した無線モジュール901が備える構成要素と実質的に同じ構成要素については、その構成要素と同じ符号を付与して、その説明を省略または簡略化する。
[6−1.構成]
まず、本実施の形態に係る無線モジュール1001の構成について図面を用いて説明する。
図18Aは、実施の形態6における無線モジュール1001の外観の一例を模式的に示す上面図である。
図18Bは、実施の形態6における無線モジュール1001の外観の一例を模式的に示す側面図である。
図19は、実施の形態6における無線モジュール1001の地板1050の外観の一例を模式的に示す底面図である。
図18Aに示されるように、無線モジュール1001は、基板910と、グランドパターン120と、IC26と、シールドケース28と、第一アンテナ830と、第二アンテナ940と、第一マッチング回路881と、第二マッチング回路982と、スペーサ29と、を備える。また、図18Bに示されるように、無線モジュール1001は、地板1050と、導電性ビス70と、熱伝導部材60と、をさらに備える。本実施の形態に係る無線モジュール1001は、地板1050の構成が、実施の形態5の変形例1に係る無線モジュール901の地板850と相違する。
地板1050は、実施の形態5の変形例1に示した地板850と同様に、第一対向部1051と、第二対向部1052と、第三対向部1053と、第一間隙形成部1056と、第二間隙形成部1057と、を有する(図18B参照)。また、地板1050は、第三対向部1053に、地板1050とグランドパターン120とを短絡する短絡点を有する。この短絡点は、第三対向部1053における、第二対向部1052よりも第一対向部1051に近い位置、に配置される。
また、地板1050は、図18Bおよび図19に示されるように、単数または複数(例えば、4つ)の突起部1054を有する。そして、突起部1054は、実施の形態2に示した無線モジュール101と同様に、基板910の第二主面912に設けられた露出部(図示せず)と接するように設けられている。また、図19に示されるように、地板1050には、導電性ビス70を通すために基板910に設けられた貫通孔(図示せず)に対応する位置にねじ穴1055が設けられている。そして、基板910の第一主面911側から貫通孔を貫通した導電性ビス70のねじ部が、ねじ穴1055に捻じ込まれる。これにより、地板1050は、基板910に固定され、導電性ビス70を介してグランドパターン120の露出部121と短絡され、また、基板910の第二主面912に設けられた露出部と突起部1054とが短絡される。これにより、本実施の形態に係る無線モジュール1001では、地板1050の突起部1054およびねじ穴1055が、地板1050とグランドパターン120とを短絡する短絡点を構成する。
また、本実施の形態に係る無線モジュール1001が有する地板1050は、デュアルバンドに対応するアイソレーション効果を奏するための構成を備える。具体的には、図19に示されるように、地板1050の第一対向部1051には、略L字型の第一切り込み部1058が形成されている。また、地板1050の第二対向部1052にも、略L字型の第二切り込み部1059が形成されている。
地板1050では、第一切り込み部1058は、地板1050の頂点を形成する。つまり、図19に示される頂点1051tだけでなく、第一切り込み部1058により形成された頂点1058tも、地板1050の短絡部に最も近い頂点として機能する。
そこで、本実施の形態に係る無線モジュール1001では、短絡点から頂点1051tまでの電気長が、第一アンテナ830の二つの共振波長のうちの、波長が長い方の共振波長の略1/4となるように、地板1050が形成される。さらに、短絡点から頂点1058tまでの電気長が、第一アンテナ830の二つの共振波長のうちの、波長が短い方の共振波長の略1/4となるように、地板1050が形成される。地板1050がこのような構成を備えることにより、本実施の形態に係る無線モジュール1001は、デュアルバンドに対応するアイソレーション効果を有する。
具体的には、無線モジュール1001では、短絡点から、当該短絡点に最も近い地板1050の端縁への当該短絡点からの垂線の足に対応する点までの距離(図19の矢印891で示される距離)と、当該点から頂点1051tまでの地板1050の端縁の長さ(図18Bの矢印892で示される長さおよび矢印893で示される長さの和)との和が、第一アンテナ830の二つの共振波長のうちの波長が長い方の共振波長の略1/4となるように、地板1050が形成される。また、短絡点から、当該短絡点に最も近い地板1050の端縁への当該短絡点からの垂線の足に対応する点までの距離(図19の矢印1091で示される距離)と、当該点から頂点1058tまでの地板1050の端縁の長さ(図18Bの矢印892で示される長さおよび図19の矢印1093で示される長さの和)との和が、第一アンテナ830の二つの共振波長のうちの波長が短い方の共振波長の略1/4となるように、地板1050が形成される。
また、地板1050では、第二切り込み部1059も、地板1050の頂点を形成する。つまり、図19に示される、第二切り込み部1059による頂点1059tも、地板1050の頂点として機能する。
そこで、本実施の形態に係る無線モジュール1001では、地板1050の、第三対向部1053の第二対向部1052側の端から、第二対向部1052の第三対向部1053と反対側の端までの電気長が、第一アンテナ830の二つの共振波長のうちの波長が長い方の共振波長の略1/4となるように、地板1050が形成される。さらに、地板1050の、第三対向部1053の第二対向部1052側の端から、第二対向部1052の頂点1059tまでの電気長が、第一アンテナ830の二つの共振波長のうちの波長が短い方の共振波長の略1/4となるように、地板1050が形成される。地板1050がこのような構成を備えることにより、本実施の形態に係る無線モジュール1001は、デュアルバンドに対応するアイソレーション効果を有する。
具体的には、無線モジュール1001では、図18Bの矢印994で示される第二間隙形成部1057の端縁の長さと、図19の矢印995で示される第二対向部1052の第三対向部1053側の端縁から第三対向部1053と反対側の端縁までの長さとの和が、第一アンテナ830の二つの共振波長のうちの波長が長い方の共振波長の略1/4となるように、地板1050が形成される。また、図18Bの矢印994で示される第二間隙形成部1057の端縁の長さと、図19の矢印1095で示される頂点1059tから第二対向部1052の第三対向部1053側の端縁までの長さとの和が、第一アンテナ830の二つの共振波長のうちの波長が短い方の共振波長の略1/4となるように、地板1050が形成される。
[6−2.効果等]
以上のように、本実施の形態における無線モジュールは、実施の形態5の変形例1に示した無線モジュールと実質的に同じ構成を有し、実質的に同じ効果を得ることができる。
なお、無線モジュール1001は無線モジュールの一例である。地板1050は地板の一例である。第一対向部1051は第一対向部の一例である。第二対向部1052は第二対向部の一例である。第三対向部1053は第三対向部の一例である。
また、無線モジュールにおいて、第一アンテナは、デュアルバンドに対応する形状を有してもよく、第一対向部には、第一切り込み部が形成されてもよい。短絡点から第一切り込み部(第一切り込み部により形成された頂点)までの電気長は、第一アンテナの二つの共振波長のうちの波長が短い方の共振波長の略1/4であってもよい。
なお、第一切り込み部1058は第一切り込み部の一例である。頂点1058tは、第一切り込み部により形成された頂点の一例である。
例えば、実施の形態6に示した例では、無線モジュール1001において、第一対向部1051には、第一切り込み部1058が形成されており、短絡点から第一切り込み部1058(第一切り込み部1058により形成された頂点1058t)までの電気長は、第一アンテナ830の二つの共振波長のうちの波長が短い方の共振波長の略1/4である。
これにより、無線モジュール1001は、第一アンテナ830と第二アンテナ940との間において、デュアルバンドに対応するアイソレーション効果を有する。
また、無線モジュールにおいて、第二対向部に、第二切り込み部が形成されてもよい。第三対向部の第二対向部側の端から第二切り込み部(第二切り込み部により形成された頂点)までの電気長は、第一アンテナの二つの共振波長のうちの波長が短い方の共振波長の略1/4であってもよい。
なお、第二切り込み部1059は第二切り込み部の一例である。頂点1059tは、第二切り込み部により形成された頂点の一例である。
例えば、実施の形態6に示した例では、無線モジュール1001において、第二対向部1052には、第二切り込み部1059が形成されており、第三対向部1053の第二対向部1052側の端から第二切り込み部1059(第二切り込み部1059により形成された頂点1059t)までの電気長は、第一アンテナ830の二つの共振波長のうちの波長が短い方の共振波長の略1/4である。
これにより、無線モジュール1001は、第一アンテナ830と第二アンテナ940との間において、デュアルバンドに対応するアイソレーション効果を有する。
(実施の形態7)
次に、実施の形態7に係る無線モジュール1101および無線モジュール1101を備える画像表示装置1190について説明する。本実施の形態に係る無線モジュール1101は、実施の形態1で説明した無線モジュール1と実質的に同じ構成である。ただし、実施の形態7に示す無線モジュール1101は、実施の形態1に係る無線モジュール1と、地板の形状が相違し、その他の構成は実質的に一致する。以下、本実施の形態に係る無線モジュール1101と無線モジュール1101を備える画像表示装置1190について、図面を用いて説明する。なお、実施の形態1に示した無線モジュール1が備える構成要素と実質的に同じ構成要素については、その構成要素と同じ符号を付与して、その説明を省略または簡略化する。また、実施の形態1〜6で説明した事項については適宜説明を省略する。
[7−1.構成]
図20は、実施の形態7における無線モジュール1101を備える画像表示装置1190の外観の一例を模式的に示す背面図である。
図21は、実施の形態7の画像表示装置1190における無線モジュール1101が取り付けられた部分を拡大して示す上面図である。
図22は、実施の形態7の画像表示装置1190における無線モジュール1101が取り付けられた部分を拡大して示す側面図である。
なお、図21および図22では、無線モジュール1101が取り付けられたシャーシ1192の断面形状を説明するために、シャーシ1192の断面図が示されている。
なお、図20〜図22では、鉛直方向であって、無線モジュール1101の長手方向でもある方向をx軸方向とし、鉛直方向上向きをx軸方向の正の向きとしている。また、x軸方向に垂直であって、画像表示装置1190の前面(つまり、表示画面が配置された面)および背面(つまり、表示画面の裏側面)に垂直な方向をz軸方向とし、x軸方向およびz軸方向に垂直な方向をy軸方向としている。
図20〜図21に示される画像表示装置1190は、例えば、テレビジョン受像機である。画像表示装置1190は、無線モジュール1101と、無線モジュール1101が取り付けられるシャーシ1192と、画像が表示される表示部1195と、を備える。表示部1195は、画像表示装置1190の前面側に配置される。
図20に示されるように、無線モジュール1101は、画像表示装置1190の背面側に配置された金属製のシャーシ1192のy軸方向端部付近に配置される。これにより、無線モジュール1101を画像表示装置1190の前面側から見えない位置に配置できる。さらに、本実施の形態では、無線モジュール1101がシャーシ1192の端部付近に配置されることにより、無線モジュール1101から放射される電磁波のうち、シャーシ1192の端部において画像表示装置1190の背面側から前面側に向けて回折する成分を増大させることができる。なお、無線モジュール1101は、例えば、画像表示装置1190のシャーシ1192のx軸方向端部付近に配置されてもよい。
図20および図21に示されるように、無線モジュール1101の地板1150は、実施の形態1に示した地板50に、さらに、無線モジュール1101をシャーシ1192に取り付けるための取付部1159を備える。取付部1159には、二つの貫通孔(図示せず)が形成され、当該二つの貫通孔にそれぞれビス76が挿入される。二つのビス76が、取付部1159を介して、シャーシ1192に形成された二つのねじ穴(図示せず)にそれぞれ捻じ込まれることによって、地板1150がシャーシ1192に固定される。これにより、無線モジュール1101がシャーシ1192に取り付けられる。
画像表示装置1190では、図21、図22に示すように、無線モジュール1101の第一アンテナ30および第二アンテナ40が、シャーシ1192に対して傾斜するように配置されている。すなわち、無線モジュール1101において、地板1150は、取付部1159がシャーシ1192に取り付けられたときに、第一アンテナ30および第二アンテナ40(すなわち、基板10)が、シャーシ1192における取付部1159が取り付けられた面に対して傾斜するように形成されている。言い換えると、地板1150では、取付部1159が、第三対向部53(図1A、図1C参照)に対して傾斜している。
これにより、画像表示装置1190では、無線モジュール1101から放射された電磁波のうち、画像表示装置1190の背面側から、前面側に向けて伝播する成分を増大させることができる。
なお、画像表示装置1190では、シャーシ1192における無線モジュール1101が取り付けられる部分の形状は、必ずしも平坦ではなく、画像表示装置1190の構造に応じて様々な形状となる場合がある。具体的には、図21に例示されるように、シャーシ1192が、無線モジュール1101付近において様々な形状の凹凸部1193を備える場合がある。しかしながら、本実施の形態では、無線モジュール1101の地板1150は、第一アンテナ30および第二アンテナ40が設けられた基板10とシャーシ1192との間に配置される。そのため、シャーシ1192に最も近接する金属は、地板1150となる。このことから、シャーシ1192が凹凸部1193を備えるような場合においても、無線モジュール1101では、凹凸部1193の形状による電磁波の放射特性への影響が抑制され、第一アンテナ30および第二アンテナ40において常に安定した放射特性を得ることができる。
なお、図20に示される画像表示装置1190では、背面においてシャーシ1192が露出しているが、画像表示装置1190はシャーシ1192および無線モジュール1101を覆う背面カバーを備えてもよい。その場合、当該背面カバーは、電磁波を透過する構成を有する。例えば、当該背面カバーは絶縁材料で形成される。
なお、本実施の形態では、無線モジュール1101が固定される対象である画像表示装置1190の一例としてテレビジョン受像機を示したが、画像表示装置1190はテレビジョン受像機に限定されない。例えば、画像表示装置1190は、パソコン用ディスプレイ装置等でもよい。
なお、本実施の形態では、無線モジュール1101は、地板1150が取付部1159を備える点を除き、実施の形態1で説明した無線モジュール1と実質的に同じ構成であるものとした。しかし、実施の形態7に示す無線モジュール1101は、実施の形態2〜6の各実施の形態に示したいずれかの無線モジュールに取付部1159を備える構成であってもよい。
[7−2.効果等]
以上のように、本実施の形態において、画像表示装置は、無線モジュールと、当該無線モジュールが取り付けられるシャーシと、画像が表示される表示部と、を備え、当該無線モジュールの地板は、基板とシャーシとの間に配置される。
なお、画像表示装置1190は画像表示装置の一例である。無線モジュール1101は無線モジュールの一例である。シャーシ1192はシャーシの一例である。表示部1195は表示部の一例である。地板1150は地板の一例である。基板10は基板の一例である。
例えば、実施の形態7に示した例では、画像表示装置1190は、無線モジュール1101と、無線モジュール1101が取り付けられるシャーシ1192と、画像が表示される表示部1195と、を備え、地板1150は、基板10とシャーシ1192との間に配置される。
以上のように構成された画像表示装置1190は、第一アンテナ30の第一接地部32からグランドパターン20に流れる電流の一部が地板1150に流れる。このように、第一アンテナ30からグランドパターン20に流れる電流が低減されることにより、無線モジュール1101では、グランドパターン20の第二アンテナ40付近まで流れる電流が低減される。このため、無線モジュール1101では、第一アンテナ30と第二アンテナ40との間のアイソレーションを向上できる。
(他の実施の形態)
以上のように、本出願において開示する技術の例示として、実施の形態1〜7および変形例を説明した。しかしながら、本開示における技術は、これに限定されず、変更、置き換え、付加、省略等を行った実施の形態にも適用できる。また、上記実施の形態1〜7または各変形例で説明した構成要素を組み合わせて、新たな実施の形態とすることも可能である。
そこで、以下、他の実施の形態を例示する。
上記の各実施の形態および各変形例では、無線モジュールにおいて、第一アンテナおよび第二アンテナが基板の第一主面側に形成される構成例を説明した。しかし、本開示は、この構成例に限定されない。例えば、無線モジュールにおいて、第一アンテナおよび第二アンテナは、基板の第二主面側に形成されてもよい。
上記の各実施の形態および各変形例では、無線モジュールにおいて、第一アンテナおよび第二アンテナがレジストで覆われず露出した構成例を説明した。しかし、本開示は、この構成例に限定されない。例えば、無線モジュールにおいて、第一アンテナおよび第二アンテナはレジストによって覆われていてもよい。この構成では、第一アンテナおよび第二アンテナをレジストで保護することができる。
上記の各実施の形態および各変形例では、無線モジュールにおいて、導電性ビスを用いて地板を基板に固定することにより、基板の第一主面側のグランドパターンと地板との導通をより安定化させる構成例を説明した。しかし、本開示は、この構成例に限定されない。例えば、無線モジュールにおいて、導電性でないビスが用いられてもよい。本開示に示す無線モジュールでは、導電性でないビスが用いられたとしても、基板の第一主面側のグランドパターンと地板とを、貫通孔やビア電極等と第二主面側のグランドパターンとを介して導通させることができる。
上記の各実施の形態および各変形例では、無線モジュールにおいて、発熱部品と地板との間に熱伝導部材を備える構成例を説明した。しかし、本開示は、この構成例に限定されない。無線モジュールにおいて、熱伝導部材は必須ではない。例えば、地板と基板のレジストとが直接接していてもよい。
以上のように、本開示における技術の例示として、各実施の形態および各変形例を説明した。そのために、添付図面および詳細な説明を提供した。
したがって、添付図面および詳細な説明に記載された構成要素の中には、課題解決のために必須な構成要素だけでなく、上記技術を例示するために、課題解決のためには必須でない構成要素も含まれ得る。そのため、それらの必須ではない構成要素が添付図面や詳細な説明に記載されていることをもって、直ちに、それらの必須ではない構成要素が必須であるとの認定をするべきではない。
また、上述の実施の形態は、本開示における技術を例示するためのものであるから、特許請求の範囲またはその均等の範囲において種々の変更、置き換え、付加、省略などを行うことができる。また、上記実施の形態1〜7及び各変形例で説明した各構成要素を組み合わせて、新たな実施の形態とすることも可能である。