JP2004007243A - 携帯無線通信装置 - Google Patents

携帯無線通信装置 Download PDF

Info

Publication number
JP2004007243A
JP2004007243A JP2002160230A JP2002160230A JP2004007243A JP 2004007243 A JP2004007243 A JP 2004007243A JP 2002160230 A JP2002160230 A JP 2002160230A JP 2002160230 A JP2002160230 A JP 2002160230A JP 2004007243 A JP2004007243 A JP 2004007243A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
conductive
antenna
communication device
wireless communication
portable wireless
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP2002160230A
Other languages
English (en)
Inventor
Teruhiro Tsujimura
辻村 彰宏
Shuichi Sekine
関根 秀一
Kisho Odate
大舘 紀章
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Toshiba Corp
Original Assignee
Toshiba Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Toshiba Corp filed Critical Toshiba Corp
Priority to JP2002160230A priority Critical patent/JP2004007243A/ja
Publication of JP2004007243A publication Critical patent/JP2004007243A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Images

Abstract

【課題】電波に対して障害物が位置する方向にアンテナが指向性をできるだけ持たないようにしてアンテナ特性の劣化を防止し、より高い通信性能を維持できる携帯無線通信装置を提供する。
【解決手段】導電性基体11上のアンテナ給電点12にアンテナ13を接続し、導電性基体11の第1の面上にアンテナ給電点12から第1の面11aに平行な第1の方向を見た第1のインピーダンスを高くするように構成された高インピーダンス化素子14を配置し、導電性基体11の第2の面11b上にアンテナ給電点12から第1の方向と異なる第2の方向を見た第2のインピーダンスを第1のインピーダンスより低くするように構成された低インピーダンス化素子15を配置する。
【選択図】  図1

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、携帯情報端末や携帯電話機などの、アンテナを有する携帯無線通信装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
携帯情報端末(PDA)や携帯電話機などの携帯無線通信装置は、一般的に非金属で作られた外装ケースの内部に導電性基体が設けられ、この導電性基体を用いて無線機回路が実装されている。ここで、導電性基体とは絶縁基板上に導体配線及びグランド導体を印刷して作られた回路基板、あるいは該回路基板を内部に収納する金属製のシールドケースである。シールドケースを用いない場合は、回路基板は外装ケースの内部に直接保持される。さらに、携帯無線通信装置には無線機回路とは別に操作部、表示装置、スピーカ及びマイクロフォン等も備えられる。
【0003】
無線機回路の高周波入出力端は、導電性基体上に配置されたアンテナ給電点を介してアンテナに接続される。このような構造においては、回路基板のグランド導体またはシールドケースである導電性基体にも、アンテナ給電点を介して高周波電流が流れ込み、その結果としてアンテナのみではなく装置全体がアンテナとして動作する。
【0004】
この種の携帯無線通信装置においては、使用者が頭部を外装ケースの表面に振動面が配置されたスピーカ及びマイクロフォンに近づけた状態で通話を行う。このとき携帯無線通信装置から放射された電波は、アンテナにより空間中に放射されて基地局で受信され、基地局から放射された電波は、アンテナにより受信される。送信時に携帯無線通信装置から放射される電波のうち、人体頭部の方向に向かう電波は、頭部により遮蔽あるいは減衰されるため、この方向の電波は通信への寄与が少なく、結果的にアンテナ特性が劣化し、それに伴い通信性能が低下する。
【0005】
特開2001−308622には、アンテナ給電点のインピーダンスを無限大に近づけることにより、接地導体やシールドケースなどの導電性基体上への漏洩電流を抑制するアンテナ装置が開示されている。具体的には、アンテナ給電点の近傍に一端を配置し、他端を接地導体に短絡させたλ/4(λは使用周波数における波長)の長さの導電性平板を高インピーダンス化素子として用いることにより、アンテナ給電点のインピーダンスを無限大に近づけている。無線機回路で発生される高周波信号によりアンテナ給電点を介してアンテナが励振されるとき、アンテナ給電点が高インピーダンスであるために、アンテナからアンテナ給電点を介しての導電性基体上への漏洩電流が発生しにくくなる。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
特開2001−308622に記載された携帯無線通信装置用のアンテナ装置においては、アンテナ給電点のインピーダンスが非常に高くなるため、アンテナとアンテナ給電点とのインピーダンス整合が悪くなる。この結果、アンテナ上の電流が小さくなり、電波が放射されにくくなる。このときアンテナから放射されない電波は、高インピーダンス化のための導電性平板に向かい、アンテナ給電点からλ/4の位置の短絡端に集中する。この導電性平板上に流れる漏洩電流の振幅は、アンテナ上の電流振幅よりも極端に大きくなる。
【0007】
このように携帯無線通信装置のスピーカ側への漏洩電流を抑制することができないため、高インピーダンス化のための導電性平板がない場合と同様に、スピーカの方向にもアンテナが指向性を持つようになる。従って、人体頭部によるアンテナ特性の劣化を十分に防止することができず、良好な通信性能を維持することが難しいという問題がある。
【0008】
本発明は、電波に対して人体頭部のような障害物が位置する方向にアンテナが指向性をできるだけ持たないようにしてアンテナ特性の劣化を防止し、より高い通信性能を維持できる携帯無線通信装置を提供することを目的とする。
【0009】
【課題を解決するための手段】
上記の課題を解決するため、本発明に係る携帯無線通信装置は、少なくとも第1及び第2の面とアンテナ給電点を有する導電性基体と、アンテナ給電点に接続されたアンテナと、導電性基体の第1の面上に配置され、アンテナ給電点から該第1の面に平行な第1の方向を見た第1のインピーダンスを高くするように構成された少なくとも一つの高インピーダンス化素子と、導電性基体の第2の面上に配置され、アンテナ給電点から第1の方向と異なる第2の方向を見た第2のインピーダンスを第1のインピーダンスより低くするように構成された少なくとも一つの低インピーダンス化素子とを具備する。
【0010】
本発明に係る他の携帯無線通信装置は、携帯無線通信装置の動作周波数における波長をλとして、0.055λ以上の長さを持つ第1の開放端縁と該第1の開放端縁上またはその近傍に配置されたアンテナ給電点を有する少なくとも一つの第1の導電性平板と、アンテナ給電点に接続されたアンテナと、第1の導電性平板とほぼ平行に配置され、第2の開放端縁を有し、かつ該第2の開放端縁からほぼλ/4の距離離れた位置で第1の導電性平板と短絡された少なくとも一つの第2の導電性平板とを具備する。この場合は、第1及び第2の導電性平板がアンテナ給電点から第1及び第2の導電性平板に平行な第1の方向を見た第1のインピーダンスを高くする高インピーダンス化素子を形成し、第1の開放端縁がアンテナ給電点から第1の方向と異なる方向を見た第2のインピーダンスを第1のインピーダンスより低くする低インピーダンス化素子を形成する。
【0011】
このようにアンテナ給電点から第1の方向を見たインピーダンスを高インピーダンス化素子により高インピーダンス化すると共に、これと異なる第2の方向を見たインピーダンスを低インピーダンス化素子により低インピーダンス化することによって、アンテナとアンテナ給電点とのインピーダンス整合が良好となることにより、障害物側への漏洩電流を抑制して障害物の方向にアンテナが指向性をあまり持たないようにして、障害物によるアンテナ特性の劣化を防止することができる。
【0012】
【発明の実施の形態】
以下、図面を参照して本発明の実施の形態を説明する。
(第1の実施形態)
図1に、本発明の第1の実施形態に係る携帯無線通信装置の基本構成を示す。非金属(例えばプラスチック)によって作られた外装ケース10の内部に、導電性基体11が配置されると共に、無線通信を行うための図示しない無線機回路が導電性基体11を利用して実装されている。導電性基体11の所定位置、例えば導電性基体11の長手方向の一端部に給電点12が配置され、この給電点12にアンテナ13が接続されている。アンテナ13は、ここでは例えばロッドアンテナのような線状素子が用いられているが、その形式は特に限定されない。
【0013】
導電性基体11は、例えば図2(a)に示すような回路基板20あるいは図2(b)に示すようなシールドケース23に相当する。回路基板20は図2(a)に示されるように、裏面に接地導体層22を被着した絶縁体基板21の表面上に導体配線を形成し、かつ回路素子を実装することにより無線機回路を構成する。図2(b)の例では、図2(a)に示した回路基板20が金属製のシールドケース23内に配置されている。
【0014】
このような導電性基体11に近接して、高インピーダンス化素子14及び低インピーダンス化素子15が配置されている。この例では、高インピーダンス化素子14は導電性基体11の第1の面11a側に配置され、低インピーダンス化素子15は導電性基体11の第1の面11aと反対側の第2の面11b側に配置されている。ここで、第1の面11aは携帯無線通信装置の使用時に電波に対して障害物が位置する側の面であり、第2の面11bは第1の面11aに対してほぼ平行な面である。
【0015】
携帯電話機の場合を例にとり、携帯無線通信装置の動作の概要を説明する。まず、送信時には図示しない送話器を介して入力された利用者の音声が制御回路を介して無線機回路に供給され、所定周波数の高周波信号に変調及び電力増幅された後、アンテナ給電点12を介してアンテナ13に供給され、アンテナ13が励振されることによって電波が放射される。一方、受信時にはアンテナ13により受信された電波がアンテナ13から受信信号として取り出され、給電点12を介して無線機回路に入力される。無線機回路では受信信号が増幅され、中間周波数に変換された後、制御回路に供給され、受話器から音声として出力される。
【0016】
ここで、送信時においては導電性基体10の人体頭部のような障害物が位置する側に面した第1の面11a上に配置されている高インピーダンス化素子14により、アンテナ給電点12付近が第1の面11aの方向(図中、矢印Aで示す方向)に対して例えば無限大に近づく程度まで高インピーダンス化される。これによってアンテナ13からの漏洩電流は、導電性基体10の障害物側に発生しにくくなる。
【0017】
一方、導電性基体10の障害物と反対側に面した第2の面11b側には、アンテナ給電点12から図中、矢印Bの方向に見たインピーダンスが低くなるように構成された低インピーダンス化素子15が配置されている。従って、アンテナ給電点12から矢印Aの方向を見たインピーダンスが高インピーダンス化素子14の影響で無限大に近づいても、低インピーダンス化素子15によって無線機回路に接続されている図示しない給電線(通常は、インピーダンス50Ω前後)とアンテナ13とのインピーダンス整合が向上する結果、アンテナ13上に電流が流れやすくなる。
【0018】
前述したように、従来の技術ではアンテナとアンテナ給電点とのインピーダンス整合が悪く、アンテナ上の電流が小さくなって電波が放射されにくいため、アンテナから放射されない電波が高インピーダンス化のための導電性平板に向かってしまい、障害物側への漏洩電流を抑制することができない。このため障害物の方向にもアンテナが指向性を持つことにより、障害物によるアンテナ特性の劣化を十分に防止することができないという問題があった。
【0019】
これに対して、本実施形態の携帯無線通信装置では障害物側への漏洩電流が抑制され、アンテナ13上の電流がより大きくなって電波が放射されやすくなるため、障害物によるアンテナ特性の劣化が防止され、良好な通信性能を維持することが可能となる。
【0020】
さらに、携帯無線通信装置の仕様によっては、アンテナ特性の劣化が少なくなることにより電力増幅器の出力を抑制でき、携帯機器で重要な電池寿命を長くすることもできる。
【0021】
(第2の実施形態)
図3には、図1に示した第1の実施形態の構成を具体化した本発明の第2の実施形態に係る携帯無線通信装置を示す。本実施形態においては、図1における高インピーダンス化素子14及び低インピーダンス化素子15は、線状の第1の導体素子31及び第2の導体素子32によってそれぞれ構成される。
【0022】
携帯無線通信装置の使用周波数における波長をλとすると、第1の導体素子31の一端はアンテナ給電点12からほぼλ/4離れた位置で導電性基体11に電気的に接続、すなわち短絡された短絡端31aとなっており、他端はアンテナ給電点12の近傍に配置された開放端31bとなっている。一方、第2の導体素子32の一端はアンテナ給電点12の近傍に配置された短絡端32aとなっており、他端はアンテナ給電点12からほぼλ/4の距離に位置する開放端32bとなっている。
【0023】
このような構成により、図1に示した矢印Aの方向に対しては第1の導体素子31により例えば無限大に近づく程度まで高インピーダンスされ、矢印Bの方向に対しては第2の導体素子32により十分に低インピーダンス化される。
【0024】
さらに、本実施形態では導電性基体11の第1の導体素子31が配置された側の第1の面(図3中の上面)上に、スピーカ33が配置されている。ここで、人体頭部が障害物と想定される場合、スピーカ33側に配置された第1の導体素子31によりアンテナ給電点12の付近が高インピーダンス化されることにより、アンテナ13からの漏洩電流は導電性基体11のスピーカ33側に発生しにくくなる。一方、スピーカ33と反対側の第2の面(図3中の下面)においては、第2の導体素子32によってアンテナ給電点12から見たインピーダンスはより低くなる。
【0025】
従って、アンテナ給電点12から図1の矢印A方向を見たインピーダンスが第1の導体素子31の影響で無限大に近づいても、第2の導体素子32によって無線機回路に接続されている図示しない給電線とアンテナ13とのインピーダンス整合が向上し、アンテナ13上により電流が流れて電波が放射されやすくなるため、人体頭部によるアンテナ特性の劣化が防止される。
【0026】
このように本実施形態によれば、特に携帯電話機のようなスピーカ33を有する携帯無線通信装置において、通話・通信時にスピーカ33側の漏洩電流を抑制して人体頭部の方向にはアンテナ指向性を向けず、これと反対側の方向にアンテナ指向性を向けることにより、人体頭部によるアンテナ特性の劣化を防止し、より高い通信性能を維持することができる。
【0027】
(第3の実施形態)
図5に、図1に示した第1の実施形態の構成を具体化した本発明の第3の実施形態に係る携帯無線通信装置を示す。本実施形態は、携帯無線通信装置がPDA(Personal DigitalAssistant)のような携帯情報端末の場合に適している。本実施形態に係る携帯無線通信装置の基本構成は第2の実施形態と同様であり、高インピーダンス化素子として第1の導体素子31、低インピーダンス化素子として第2の導体素子32を用いている。
【0028】
携帯情報端末は、一般に机上、使用者の膝の上あるいは掌(手のひら)の上に置かれて使用される。そこで、本実施形態では机、膝あるいは掌を電波に対する障害物と想定し、図5に示すように導電性基体11の第2の導体素子32が配置された側の第2の面(図4中の上面)に、画像表示装置の表示面34を配置している。
【0029】
このようにすると、画像表示装置の表示面34と反対側に配置された第1の導体素子31によりアンテナ給電点12の付近が高インピーダンス化されることによって、アンテナ13からの漏洩電流は導電性基体11の机、膝あるいは掌などの障害物側に発生しにくくなる。一方、机、膝あるいは掌などの障害物が位置する側と反対側の第2の面(図4中の上面)においては、第2の導体素子32によってアンテナ給電点12から見たインピーダンスはより低くなる。
【0030】
従って、アンテナ給電点12から図1の矢印A方向を見たインピーダンスが第1の導体素子31の影響で無限大に近づいても、第2の導体素子32によって無線機回路に接続されている図示しない給電線とアンテナ13とのインピーダンス整合が向上し、アンテナ13上により電流が流れて電波が放射されやすくなるため、机、膝あるいは掌などの障害物によるアンテナ特性の劣化が防止される。
【0031】
このように本実施形態によれば、特に携帯情報端末のような画像表示装置を有する携帯無線通信装置において、データ通信時に画像表示装置の表示面34と反対側の漏洩電流を抑制して、机、膝、あるいは掌の方向にアンテナ指向性を向けず、表示面34の方向にアンテナ指向性を向けることにより、机、膝、あるいは掌等によるアンテナ特性の劣化を防止し、より高い通信性能を維持することが可能となる。
【0032】
(第4の実施形態)
図5(a)(b)(c)(d)(e)に、本発明の第4の実施形態として図1に示した高インピーダンス化素子あるいは低インピーダンス化素子を種々変形した実施形態に係る携帯無線通信装置を示す。
【0033】
図5(a)は、高インピーダンス化素子及び低インピーダンス化素子として、いずれも導電性平板40の長手方向に延びた板状の第1及び第2の導体素子41,42をそれぞれ用いた例である。第1の導体素子41は、一端がアンテナ給電点12からほぼλ/4離れた位置で導電性平板40に短絡され、他端がアンテナ給電点12の近傍で開放されている。一方、第2の導体素子42は一端がアンテナ給電点12の近傍で導電性平板40に短絡され、他端はアンテナ給電点12からほぼλ/4の距離の位置で開放されている。
【0034】
図5(b)は、高インピーダンス化素子として図5(a)と同様の板状の第1の導体素子41を用い、低インピーダンス化素子として導電性平板40の長手方向に延びた線状の第2の導体素子43を用いた例である。第2の導体素子43は、一端がアンテナ給電点12の近傍で導電性平板40に短絡され、他端はアンテナ給電点12からほぼλ/4の距離の位置で開放されている。
【0035】
図5(c)は、高インピーダンス化素子として図5(a)と同様の板状の第1の導体素子41を用い、低インピーダンス化素子として導電性平板40の短手方向に延びた線状の第2の導体素子44を用いた例であり、その一端はアンテナ給電点12の近傍で導電性平板40に短絡され、他端はアンテナ給電点12からほぼλ/4の距離の位置で開放されている。
【0036】
図5(d)は、線状の第2の導体素子45の形状、特にアンテナ給電点12の近傍の折り曲げ部の形状が異なる以外は、基本的に図5(b)と同様である。
【0037】
図5(e)は、高インピーダンス化素子及び低インピーダンス化素子として、いずれも導電性平板40の長手方向に延びた線状の第1及び第2の導体素子46,43をそれぞれ用いた例である。第1の導体素子46の一端はアンテナ給電点12からほぼλ/4離れた位置で導電性平板40に短絡され、他端はアンテナ給電点12の近傍で開放されている。第2の導体素子42の一端はアンテナ給電点12の近傍で導電性平板40に短絡され、他端はアンテナ給電点12からほぼλ/4の距離の位置で開放されている。
【0038】
このように高インピーダンス化素子及び低インピーダンス化素子を構成する第1及び第2の導体素子の形状については種々の変形が可能であり、いずれの形状であってもこれまでの実施形態と同様の効果を得ることができる。
【0039】
(第5の実施形態)
図6に、本発明の第5の実施形態に係る携帯無線通信装置の構成を示す。本実施形態の携帯無線通信装置は、導電性基体(筐体)50が第1及び第2の導電性平板51,52と板状の短絡導体53から構成される。第1の導電性平板51は、一端側が0.055λ以上の長さを持つ開放端縁(第1の開放端縁)51aとなっている。この開放端縁51aの長手方向一端の隅角部にアンテナ給電点12が配置されており、アンテナ給電点12にアンテナ13及び図示しない無線機回路が接続されている。開放端縁51aの長さを0.055λ以上とする理由については、後述する。
【0040】
一方、第2の導電性平板52は第1の導電性平板51とほぼ平行に配置され、一端側に開放端縁(第2の開放端縁)52aを有する。さらに、第2の導電性平板52は第2の開放端縁52aからほぼλ/4の距離離れた位置で、板状の短絡導体53により第1の導電性平板51と電気的に接続、すなわち短絡される。
【0041】
このような構成により、アンテナ給電点12から第1の導電性平板51に平行な方向(図6中、矢印Aの方向)を見たインピーダンスが高インピーダンス化される。すなわち、第1の導電性平板51の開放端縁51aから短絡導体53により第2の導電性平板52と短絡された位置までの部分は、第1〜第4の実施形態における第1の導体素子31,41,46と同様に高インピーダンス化素子として機能することにより、アンテナ13から第1及び第2の導電性平板51,52への漏洩電流を発生させにくくする作用を持つ。
【0042】
一方、アンテナ給電点12から第1の導電性平板51の開放端縁51aの長手方向(図6中、矢印Bの方向)を見たインピーダンスは、開放端縁51aによって低インピーダンス化される。さらに、本実施形態では第2の導電性平板52の第1の導電性平板51と反対側の面上に、携帯無線通信装置の送信時に電波に対して障害物となる人体頭部が位置する図示しないスピーカが配置される。
【0043】
この場合、上述したように第1の導電性平板51の開放端縁51aから短絡導体53により第2の導電性平板52と短絡された位置までの部分により、アンテナ給電点12の付近が高インピーダンス化されることにより、アンテナ13からの漏洩電流はスピーカ側に発生しにくくなる。一方、スピーカと反対側の第1の導電性平板51側においては、第1の導電性平板51の開放端縁51aによってアンテナ給電点12から見たインピーダンスはより低くなる。
【0044】
従って、アンテナ給電点12から矢印Aの方向を見たインピーダンスが高インピーダンス化により無限大に近づいても、図示しない無線機回路に接続されている図示しない給電線とアンテナ13とのインピーダンス整合が向上し、アンテナ13上により電流が流れて電波が放射されやすくなるため、人体頭部によるアンテナ特性の劣化が防止される。この場合、開放端縁51aの長さを0.055λ以上とすることにより、放射効率がより一層向上する。この効果は、後述するシミュレーション結果からも明らかである。
【0045】
また、第3の実施形態と同様に携帯情報端末のような、画像表示装置を有する携帯無線通信装置においては、第1の導電性平板51側に画像表示装置の表示面を配置するとにより、データ通信時に画像表示装置の表示面と反対側の漏洩電流を抑制して、障害物である机、膝、あるいは掌の方向にアンテナ指向性を向けず、表示面の方向にアンテナ指向性を向けることにより、机、膝、あるいは掌等によるアンテナ特性の劣化を防止し、より高い通信性能を維持することが可能となる。
【0046】
図7(a)(b)に、それぞれ従来例及び本実施形態に係る携帯無線通信装置のシミュレーションモデルを示す。これらの携帯無線通信装置は、導電性基体(金属筐体)とλ/4モノポールアンテナから構成される。図8は、従来例及び本実施形態に共通の携帯電話機モデルと人体の頭部モデルであり、いずれも非常に簡略的にモデル化している。頭部モデルは、直方体の損失性均一媒質とし、筐体からの距離を0.067λとしている。試験周波数は1.9GHzであり、アンテナ長をλ/4とし、頭部の媒質定数を比誘電率=42.0、導電率=1.2とした。
【0047】
携帯電話機、PHS端末及びW−CDMA端末に代表される携帯無線通信装置は、一般に使用周波数における波長λと変わらない程度に小型化される。そこで、図7(a)(b)では導電性基体50の幅Wを0〜0.2λの間で変化させ、導電性基体50の長さL=0.75λ、厚さD=0.03λ、アンテナ長La=λ/4とした。本実施形態に基づく携帯無線通信装置を示す図7(b)では、導電性基体50が第1及び第2の導電性平板51,52と短絡導体53から構成されるので、導電性基体50の幅Wを第1及び第2の導電性平板51,52の幅(特に、第1の導電性平板51の開放端縁51aの幅)で定義し、また新たなパラメータである短絡導体53の配置位置を、アンテナ給電点12からの距離Lgで0.25λ(λ/4)に設定している。導電性基体50の構成要素は、全て完全導体であるものとする。
【0048】
図9は、従来例と本実施形態に基づく携帯無線通信装置の導電性基体幅Wによる放射効率(Efficiency)の変化を示している。破線が従来例、実線が本実施形態である。従来例によると、Wが0から0.055λ未満の範囲内にあるとき高い放射効率が得られるが、Wが0.055λ以上になると本実施形態の方が従来例と比較して放射効率が良くなっていることがわかる。
【0049】
さらに、図10には従来例と本実施形態に基づく携帯無線通信装置のzy面の放射パターン(Eθ)のシミュレーション結果を示す。点線に示す従来例では、+y方向、−y方向共に同利得で電波を放射しているのに対し、実線に示す本実施形態では、−y方向、つまり送受話部であるスピーカのない側のみに電波を放射しており、本実施形態の方が好ましい放射パターンであることが分かる。
【0050】
このように本実施形態によれば、導電性基体50をほぼ平行に配置された二つの導電性平板51,52と短絡導体53により構成し、携帯無線通信装置の動作周波数における波長をλとしたとき、第1の導電性平板51に0.055λ以上の長さを持つ開放端縁51aを設け、第2の導電性平板52については開放端縁52aからほぼλ/4の距離離れた位置で第1の導電性平板51と短絡することによって、通信時において導電性基体50の片面側への漏洩電流を抑制して障害物、例えば人体頭部の方向にアンテナ指向性を向けず、反対方向にアンテナ指向性を向けることが可能となる。従って、アンテナ特性の劣化を防止し、より高い通信性能を維持することができる。
【0051】
さらに、アンテナ給電点12から見たインピーダンスが低くなるように構成される低インピーダンス化素子が第1の導電性平板51の幅により実現されるので、低インピーダンス化素子のために特別な素子を付加する必要がなく、より一層の小型・軽量化が可能となる。
【0052】
(第6の実施形態)
図11及び図12には、第5の実施形態を基本として一部変形を加えた本発明の第6の実施形態に係る携帯無線通信装置を示す。図11(a)(b)は、第1及び第2の導電性平板51,52の長さを異ならせた例である。図11(a)では、第1の導電性平板51の長さを第2の導電性平板52より短くし、図11(b)では逆に、第1の導電性平板51の長さを第2の導電性平板52より長くしている。
【0053】
アンテナ給電点12から見て、短絡導体53より遠い部分は高インピーダンス化素子や低インピーダンス化素子とは関係ないので、このように導電性平板51,52の長さは異なっていてもよく、第5の実施形態と同様の効果を得ることができる。これらの例では、短絡導体53は導電性平板51,52のうち短くした方の導電性平板の端部に形成されているが、この限りではない。図11(c)では、第1及び第2の導電性平板51,52の長さは同じであるが、途中で短絡導体53によって互いに接続されている。短絡導体53より遠い部分は高インピーダンス化素子や低インピーダンス化素子とは関係ないことから、この場合の効果も図11(a)(b)と同様である。
【0054】
図12(a)は、第1の導電性平板51が例えば材質の異なる二つの部分に分かれている例である。例えば、第1の導電性平板51の一方の部分の材質を誘電体材料、他方の部分の材質を銅とすることができる。
【0055】
図12(b)(c)は、第1及び第2の導電性平板51,52の幅を異ならせた例である。図12(b)では、第1の導電性平板51の幅Wを第2の導電性平板52より小さくし、図11(b)では逆に、第1の導電性平板51の幅Wを第2の導電性平板52より大きくしている。要するに第1の導電性平板51の幅Wが第5の実施形態で説明したように0.055λ以上であれば、このように導電性平板51,52の幅が異なっていても構わない。
【0056】
図12(d)は、第1の導電性平板51が二枚基板で構成され、ヒンジ部54を中心として折り畳みができるようにした例である。前述したように、第1及び第2の導電性平板51,52のアンテナ給電点12から見て短絡導体52より遠い部分は、高インピーダンス化素子及び低インピーダンス化素子とは関係ないので、このような構成でも第5の実施形態と同様の効果が得られる。
【0057】
(第7の実施形態)
図13には、本発明の第7の実施形態に係る携帯無線通信装置を示す。本実施形態は、基本的な構成については図6に示した第5の実施形態と同様であるが、第1の導電性平板51と第2の導電性平板52との間で、短絡導体53から開放端縁51a,52aまでの長さλ/4の領域に、ブロック状の誘電体55が配置されている点が第5の実施形態と異なる。
【0058】
ここで、誘電体55の比誘電率をεとすると、第1の導電性平板51の開放端縁(第1の開放端縁)51aの長さは、0.055λ×(1/ε1/2以上、すなわち0.055λに比誘電率εの逆数の平方根を乗じた値以上に設定される。このようにすると、第5及び第6の実施形態のように第1の開放端縁51aの長さを0.055λ以上にした場合と同様に、放射効率がより一層向上するという効果が得られる。
【0059】
さらに、本実施形態によると誘電体55を用いることにより、導電性平板51の実際の幅を誘電体55がない場合より小さくして同様の効果が得られるため、高インピーダンス化素子及び低インピーダンス化素子を構成する導電性平板51,52及び短絡導体53の部分を小型化することができるという利点もある。
【0060】
(第8の実施形態)
図14には、本発明の第8の実施形態に係る携帯無線通信装置を示す。本実施形態も基本的な構成は図6に示した第5の実施形態と同様であるが、第1の導電性平板51の開放端縁に凹部(切り込み)56を形成した点が第5の実施形態と異なる。この凹部56は、第1の導電性平板51の開放端縁上の高周波電流の分布を変更して、開放端縁の長さを大きく見せる効果を有する。従って、第1の導電性平板51の凹部56を含めた開放端縁の長さを0.055λ以上することによって、第5の実施形態と同様に放射効率がより一層向上するという効果が得られる。
【0061】
また、このように第1の導電性平板51の開放端縁に凹部56を形成すると、導電性平板51の実際の幅を誘電体55がない場合より小さくして同様の効果が得られるため、第7の実施形態と同様に高インピーダンス化素子及び低インピーダンス化素子を構成する導電性平板51,52及び短絡導体53の部分をより小型化することができるという効果も期待できる。
【0062】
(第9の実施形態)
図15(a)(b)(c)(d)に、本発明の第9の実施形態として第5〜第8の実施形態を種々変形したその他の実施形態に係る携帯無線通信装置を示す。
【0063】
第5〜第8の実施形態では、導電性平板51,52の形状をアンテナ13の長手方向に長い長方形としたが、図15(a)に示すようにアンテナ13の長手方向に短い長方形としてもよい。
【0064】
また、第5〜第8の実施形態では第1及び第2の導電性平板51,52のアンテナ13側の部分の長さ、すなわち短絡導体53から各々の開放端縁までの長さを同じとしたが、短絡導体53から第1及び第2の導電性平板51,52の各々の開放端縁までの長さをLg1,Lg2としたとき、図15(b)に示すようにLg1>Lg2としてもよいし、逆に図15(c)に示すようにLg1<Lg2としてもよい。
【0065】
さらに、第5〜第8の実施形態では、アンテナ給電点12を第1の導電性平板51の開放端縁の長手方向一端の隅角部に配置したが、図15(d)に示すように第1の導電性平板51の開放端縁の近傍であれば、どの位置に配置しても構わない。
【0066】
(第10の実施形態)
図16は、本発明の第10の実施形態に係る携帯無線通信装置の基本構成を示している。図1と相対応する要素に同一符号を付して説明すると、本実施形態ではそれぞれ複数個、この例ではそれぞれ2個の高インピーダンス化素子14A,14B及び低インピーダンス化素子15A,15Bが設けられている点が第1の実施形態と異なり、その他の点は第1の実施形態と同様である。
【0067】
本実施形態によると、導電性基体11の一方の面側に配置された高インピーダンス化素子14Aと低インピーダンス化素子15Aが同じ周波数で動作し、導電性基体11の他方の面側に配置された高インピーダンス化素子14Bと低インピーダンス化素子15bが別の同じ周波数で動作するようにすることにより、複数の異なる動作周波数の下で第1の実施形態と同様の効果を得ることができる。すなわち、本実施形態は携帯無線通信装置の使用周波数帯が複数である場合に有効である。
【0068】
(第11の実施形態)
図17には、図16に示した第10の実施形態を具体化した本発明の第11の実施形態に係る携帯無線通信装置を示す。本実施形態においては、アンテナ給電点12を介してアンテナ13と接続されている第1の導電性平板61の一方の面側に、複数(この例では2個)の第2の導電性平板62A,62Bが第1の導電性平板61と平行に配置される。第2の導電性平板62A,62Bの各々の一端は開放端となっており、各々の他端は短絡導体63A,63Bにより第1の導電性平板61と短絡されている。
【0069】
ただし、第2の導電性平板62A,62Bは、それぞれの動作周波数に対応して大きさ(特に、短絡導体63A,63Bから導電性平板62A,62Bの各々の開放端縁までの長さLg1,Lg2)を異ならせている。さらに、第2の導電性平板62A,62Bの第1の導電性平板61と反対側の面上に、携帯無線通信装置の送信時に電波に対して障害物となる人体頭部が位置する図示しないスピーカが配置される。
【0070】
本実施形態によると、第5の実施形態と同様に、アンテナ給電点12から第1の導電性平板61及び第2の導電性平板62A,62Bに平行な方向を見たインピーダンスが高インピーダンス化される。すなわち、第2の導電性平板62A,62Bの各々の開放端縁から短絡導体63A,63Bによって第1の導電性平板61と短絡された位置までの部分が高インピーダンス化素子として機能することにより、アンテナ13から第1及び第2の導電性平板61,62A,62Bへの漏洩電流を発生させにくくする作用を持つ。
【0071】
一方、アンテナ給電点12から導電性平板61,62A,62Bの幅方向を見たインピーダンスは、導電性平板61の開放端縁61aによって低インピーダンス化される。この場合、上述したように第2の導電性平板62A,62Bの開放端縁から短絡導体63により第1の導電性平板61と短絡された位置までの部分により、アンテナ給電点12の付近が高インピーダンス化されることにより、アンテナ13からの漏洩電流はスピーカ側に発生しにくくなる。スピーカと反対側の第1の導電性平板61側では、第1の導電性平板61の開放端縁61aによってアンテナ給電点12から見たインピーダンスはより低くなる。
【0072】
従って、アンテナ給電点12から第1及び第2の導電性平板61,62A,62Bに平行な方向を見たインピーダンスが高インピーダンス化により無限大に近づいても、図示しない無線機回路に接続されている図示しない給電線とアンテナ13とのインピーダンス整合が向上し、アンテナ13上により電流が流れて電波が放射されやすくなるため、人体頭部によるアンテナ特性の劣化が防止される。さらに、第1の導電性平板61の開放端縁61aの長さを0.055λ以上とすることにより、放射効率がより一層向上する。
【0073】
また、第3の実施形態と同様に携帯情報端末のような画像表示装置を有する携帯無線通信装置においては、データ通信時に画像表示装置の表示面と反対側の漏洩電流を抑制して、障害物である机、膝、あるいは掌の方向にアンテナ指向性を向けず、表示面の方向にアンテナ指向性を向けることにより、机、膝、あるいは掌等によるアンテナ特性の劣化を防止し、より高い通信性能を維持することが可能となる。
【0074】
(第12の実施形態)
図18に、図16に示した第10の実施形態を具体化したもう一つの実施形態である本発明の第12の実施形態に係る携帯無線通信装置を示す。本実施形態では、アンテナ給電点12を介してアンテナ13と接続されている2個の第1の導電性平板61A,61Bの一方の面側に、2個の第2の導電性平板62A,62Bが第1の導電性平板61A,61Bとそれぞれ平行に配置される。第1の導電性平板61A,61Bの他方の面側にも同様に、2個の第2の導電性平板62C,62Dが第1の導電性平板61A,61Bとそれぞれ平行に配置される。第1の導電性平板61A,61Bは、ヒンジ部(折り曲げ部)64を介して折り畳むことができるようになっている。
【0075】
導電性平板62A,62Bは、ヒンジ部64側の各々の一端が開放端となっており、各々の他端は短絡導体63A,63Bにより導電性平板61A,61Bと短絡される。一方、導電性平板62C,62Dは、ヒンジ部64と反対側の各々の一端が開放端となっており、各々の他端は短絡導体63C,63Dにより導電性平板61A,61Bと短絡されている。
【0076】
ただし、第2の導電性平板62A,62Bと導電性平板62C,62Dとは、それぞれの動作周波数に対応して大きさを異ならせている。すなわち、短絡導体63A,63Bから導電性平板62A,62Bの開放端縁までの長さと、短絡導体63C,63Dから導電性平板62C,62Dの開放端縁までの長さを異ならせている。さらに、第2の導電性平板62A〜62Dの第1の導電性平板61A,61Bと反対側の面上に、携帯無線通信装置の送信時に電波に対して障害物となる人体頭部が位置する図示しないスピーカが配置される。
【0077】
本実施形態においては、第5及び第6の実施形態と同様、アンテナ給電点12から第1及び第2の導電性平板61A,61B及び62A〜62Dに平行な方向を見たインピーダンスが高インピーダンス化され、アンテナ13から各々の導電性平板61A,61B及び62A〜62Dへの漏洩電流を発生させにくくすることができる。一方、アンテナ給電点12から導電性平板61A,61B及び62A〜62Dの幅方向を見たインピーダンスは、導電性平板61A,61B及び62A〜62Dの開放端縁によって低インピーダンス化される。
【0078】
この場合においても、第2の導電性平板62A,62Bの開放端縁から短絡導体63A,63Bにより第1の導電性平板61A,61Bと短絡された位置までの部分により、アンテナ給電点12の付近が高インピーダンス化されることにより、アンテナ13からの漏洩電流はスピーカ側に発生しにくくなる。一方、スピーカと反対側の第1の導電性平板61,61B側では、第1の導電性平板61A,61Bの開放端縁61aによってアンテナ給電点12から見たインピーダンスはより低くなる。
【0079】
従って、アンテナ給電点12から第1及び第2の導電性平板61A,61B,62A〜62Dに平行な方向を見たインピーダンスが高インピーダンス化により無限大に近づいても、図示しない無線機回路に接続されている図示しない給電線とアンテナ13とのインピーダンス整合が向上し、アンテナ13上により電流が流れて電波が放射されやすくなるため、人体頭部によるアンテナ特性の劣化が防止される。さらに、本実施形態においても第1の導電性平板61の開放端縁の長さを0.055λ以上とすることにより、放射効率がより一層向上する。
【0080】
また、携帯情報端末のような画像表示装置を有する携帯無線通信装置においても、データ通信時に画像表示装置の表示面と反対側の漏洩電流を抑制して、障害物である机、膝、あるいは掌の方向にアンテナ指向性を向けず、表示面の方向にアンテナ指向性を向けることにより、机、膝、あるいは掌等によるアンテナ特性の劣化を防止し、より高い通信性能を維持することが可能となる点は、これまでの実施形態と同様である。
【0081】
(第13の実施形態)
図19は、本発明の第13の実施形態に係る携帯無線通信装置であり、図18に示したと同様に2個の第1の導電性平板61A,61Bと4個の第2の導電性平板62A〜62D及び短絡導体63A〜63Dを有する携帯無線通信装置において、2個の給電点12A,12B及び二つのアンテナ13A,13Bを設けたものである。このように本発明は、複数個のアンテナを有する携帯無線通信装置にも適用が可能である。
【0082】
(その他の実施形態)
本発明は、上記実施形態に限定されるものではなく、次のように種々変形することができる。例えば、上記実施形態ではアンテナとしてモノポールアンテナを示したが、逆Fアンテナ、ホイップアンテナ及びループアンテナなどを用いることもでき、その形状や形式は特に限定されない。
また、上記実施形態における導電性基体に導電性平板を用いたが、液晶などの表示装置、電池、ダイヤル装置、誘電体基板の銅膜及び外装ケース上に塗布した導電性薄膜塗料等を導電性基体としてもよい。
【0083】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明によれば通信時にスピーカや机、膝、あるいは掌といった障害物の側への漏洩電流を抑制して、障害物側と反対方向にアンテナ指向性を向けることによりアンテナ特性の劣化を防止し、より高い通信性能を維持することが可能となる。さらに、無線機の仕様によっては、アンテナ特性の劣化が少なくなるので、電力増幅器の出力を抑制でき、携帯端末で重要な電池寿命を長くすることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施形態に係る携帯無線通信装置の概略構成をモデル的に示す図
【図2】同実施形態における導電性基体の具体例を示す断面図
【図3】本発明の第2の実施形態に係る携帯電話機に適した携帯無線通信装置の概略構成を示す斜視図
【図4】本発明の第3の実施形態に係る携帯情報端末に適した携帯無線通信装置の概略構成を示す斜視図
【図5】高インピーダンス化素子及び低インピーダンス化素子の形状を種々異ならせた本発明の第4の実施形態に係る携帯無線通信装置の概略構成を示す斜視図
【図6】本発明の第5の実施形態に係る携帯無線通信装置の概略構成を示す斜視図
【図7】同実施形態の作用について説明するための従来例及び同実施形態に基づく携帯無線通信装置のシミュレーションモデルを示す斜視図
【図8】携帯電話機と人体の頭部モデルを簡易的に示す図
【図9】従来例及び同実施形態に基づく携帯無線通信装置における導電性基体の幅の変化に対する放射効率の変化についてのシミュレーション結果を示す図
【図10】従来例及び同実施形態に基づく携帯無線通信装置におけるzy面の放射パターンのシミュレーション結果を示す図
【図11】第1及び第2の導電性平板の形状を種々異ならせた本発明の第6の実施形態に係る携帯無線通信装置の概略構成を示す斜視図
【図12】第1及び第2の導電性平板の形状を種々異ならせた本発明の第6の実施形態に係る携帯無線通信装置の概略構成を示す斜視図
【図13】本発明の第7の実施形態に係る携帯無線通信装置の概略構成を示す斜視図
【図14】本発明の第8の実施形態に係る携帯無線通信装置の概略構成を示す斜視図
【図15】本発明の第9の実施形態に係る携帯無線通信装置の概略構成を示す斜視図
【図16】本発明の第10の実施形態に係る携帯無線通信装置の概略構成をモデル的に示す図
【図17】本発明の第11の実施形態に係る携帯無線通信装置の概略構成を示す斜視図
【図18】本発明の第12の実施形態に係る携帯無線通信装置の概略構成を示す斜視図
【図19】本発明の第13の実施形態に係る携帯無線通信装置の概略構成を示す斜視図
【符号の説明】
10…外装ケース
11…導電性基体
11a…第1の面
11b…第2の面
12,12A,12B…アンテナ給電点
13,13A,13B…アンテナ
14,14A,14B…高インピーダンス化素子
15,15A,15B…高インピーダンス化素子
20…回路基板
31…第1の導体素子(高インピーダンス化素子)
32…第2の導体素子(低インピーダンス化素子)
33…スピーカ
34…画像表示装置の表示面
41…板状導体素子(高インピーダンス化素子)
42…板状導体素子(低インピーダンス化素子)
43,44,45…線状導体素子(低インピーダンス化素子)
46…線状導体素子(高インピーダンス化素子)
50…導電性基体
51,61,61A,61B…第1の導電性平板
52,62A〜62D…第2の導電性平板
53,63A〜63D…短絡導体
54…ヒンジ部
55…誘電体
56…切り込み部

Claims (11)

  1. 少なくとも第1及び第2の面とアンテナ給電点を有する導電性基体と、
    前記アンテナ給電点に接続されたアンテナと、
    前記導電性基体の前記第1の面上に配置され、前記アンテナ給電点から該第1の面に平行な第1の方向を見た第1のインピーダンスを高くするように構成された少なくとも一つの高インピーダンス化素子と、
    前記導電性基体の前記第2の面上に配置され、前記アンテナ給電点から前記第1の方向と異なる第2の方向を見た第2のインピーダンスを前記第1のインピーダンスより低くするように構成された少なくとも一つの低インピーダンス化素子と
    を具備する携帯無線通信装置。
  2. 前記第1の面は、前記携帯無線通信装置の使用時に電波に対して障害物が位置する側に面している請求項1に記載の携帯無線通信装置。
  3. 前記第1及び第2の面は、前記導電性基体の互いに対向する面である請求項1または2に記載の携帯無線通信装置。
  4. 前記導電性基体の前記第1の面上に配置されたスピーカをさらに具備する請求項1〜3のいずれか1項に記載の携帯無線通信装置。
  5. 前記導電性基体の前記第2の面上に配置された表示面を有する画像表示装置をさらに具備する請求項1〜4のいずれか1項に記載の携帯無線通信装置。
  6. 前記高インピーダンス化素子は、前記携帯無線通信装置の動作周波数における波長をλとして前記アンテナ給電点からほぼλ/4の距離離れた位置で前記導電性基体に接続された短絡端と、前記給電点の近傍に配置された開放端とを有する第1の導体素子であり、
    前記低インピーダンス化素子は、前記アンテナ給電点の近傍に配置され前記導電性基体に接続された短絡端と、前記アンテナ給電点から前記λ/4の距離に位置する開放端とを有する第2の導体素子である請求項1〜5のいずれか1項に記載の携帯無線通信装置。
  7. 携帯無線通信装置の動作周波数における波長をλとして、0.055λ以上の長さを持つ第1の開放端縁と該第1の開放端縁上またはその近傍に配置されたアンテナ給電点を有する少なくとも一つの第1の導電性平板と、
    前記アンテナ給電点に接続されたアンテナと、
    前記第1の導電性平板とほぼ平行に配置され、第2の開放端縁を有し、かつ該第2の開放端縁からほぼλ/4の距離離れた位置で前記第1の導電性平板と短絡された少なくとも一つの第2の導電性平板と
    を具備する携帯無線通信装置。
  8. 第1の開放端縁と該第1の開放端縁またはその近傍に配置されたアンテナ給電点を有する少なくとも一つの第1の導電性平板と、
    前記アンテナ給電点に接続されたアンテナと、
    前記第1の導電性平板とほぼ平行に配置され、第2の開放端縁を有し、かつ前記携帯無線通信装置の動作周波数における波長をλとして、該第2の開放端縁からほぼλ/4の距離離れた位置で前記第1の導電性平板と短絡された少なくとも一つの第2の導電性平板と、
    前記第1の導電性平板と前記第2の導電性平板との間に配置された所定の比誘電率の誘電体とを具備し、
    前記第1の開放端縁の長さは、0.055λに前記比誘電率の逆数の平方根を乗じた値以上である携帯無線通信装置。
  9. 前記第1の開放端縁は凹部を有する請求項7または8に記載の携帯無線通信装置。
  10. 前記第1及び第2の導電性平板は、前記アンテナ給電点から該第1及び第2の導電性平板に平行な第1の方向を見た第1のインピーダンスを高くする高インピーダンス化素子を形成し、
    前記第1の開放端縁は、前記アンテナ給電点から前記第1の方向と異なる方向を見た第2のインピーダンスを前記第1のインピーダンスより低くする低インピーダンス化素子を形成する請求項7〜9のいずれか1項に記載の携帯無線通信装置。
  11. 大きさの異なる複数の前記高インピーダンス化素子及び低インピーダンス化素子を具備する請求項1〜6、10のいずれか1項に記載の携帯無線通信装置。
JP2002160230A 2002-05-31 2002-05-31 携帯無線通信装置 Pending JP2004007243A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2002160230A JP2004007243A (ja) 2002-05-31 2002-05-31 携帯無線通信装置

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2002160230A JP2004007243A (ja) 2002-05-31 2002-05-31 携帯無線通信装置

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JP2004007243A true JP2004007243A (ja) 2004-01-08

Family

ID=30429718

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2002160230A Pending JP2004007243A (ja) 2002-05-31 2002-05-31 携帯無線通信装置

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP2004007243A (ja)

Cited By (11)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2005340887A (ja) * 2004-05-24 2005-12-08 Matsushita Electric Ind Co Ltd 折り畳み式携帯無線機
JP2006254092A (ja) * 2005-03-10 2006-09-21 Matsushita Electric Ind Co Ltd 折畳式携帯無線装置
JP2006270566A (ja) * 2005-03-24 2006-10-05 Sony Ericsson Mobilecommunications Japan Inc アンテナ装置及び無線通信装置
WO2007004499A1 (ja) * 2005-06-30 2007-01-11 Matsushita Electric Industrial Co., Ltd. 携帯無線機
JP2008017352A (ja) * 2006-07-07 2008-01-24 Toshiba Corp 無線モジュール
JP2008017485A (ja) * 2006-06-30 2008-01-24 Samsung Electronics Co Ltd 人体に放射される電磁波を減少させた移動通信端末および移動通信用アンテナ
JP2008199688A (ja) * 2008-05-26 2008-08-28 Toshiba Corp 無線モジュール
JP2009021857A (ja) * 2007-07-12 2009-01-29 Toshiba Corp 無線装置及びアンテナ装置
JP2009207076A (ja) * 2008-02-29 2009-09-10 Denso Corp 車載統合アンテナ
JP2009296447A (ja) * 2008-06-06 2009-12-17 Nippon Soken Inc 無線携帯端末装置
WO2017159184A1 (ja) * 2016-03-17 2017-09-21 パナソニックIpマネジメント株式会社 無線モジュールおよび画像表示装置

Cited By (17)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2005340887A (ja) * 2004-05-24 2005-12-08 Matsushita Electric Ind Co Ltd 折り畳み式携帯無線機
JP4572580B2 (ja) * 2004-05-24 2010-11-04 パナソニック株式会社 折り畳み式携帯無線機
JP2006254092A (ja) * 2005-03-10 2006-09-21 Matsushita Electric Ind Co Ltd 折畳式携帯無線装置
JP2006270566A (ja) * 2005-03-24 2006-10-05 Sony Ericsson Mobilecommunications Japan Inc アンテナ装置及び無線通信装置
JP4627092B2 (ja) * 2005-03-24 2011-02-09 ソニー・エリクソン・モバイルコミュニケーションズ株式会社 アンテナ装置及び無線通信装置
US7630743B2 (en) 2005-06-30 2009-12-08 Panasonic Corporation Portable wireless device
WO2007004499A1 (ja) * 2005-06-30 2007-01-11 Matsushita Electric Industrial Co., Ltd. 携帯無線機
JP2008017485A (ja) * 2006-06-30 2008-01-24 Samsung Electronics Co Ltd 人体に放射される電磁波を減少させた移動通信端末および移動通信用アンテナ
JP4703610B2 (ja) * 2006-06-30 2011-06-15 三星電子株式会社 人体に放射される電磁波を減少させた移動通信端末および移動通信用アンテナ
JP2008017352A (ja) * 2006-07-07 2008-01-24 Toshiba Corp 無線モジュール
US7825861B2 (en) 2006-07-07 2010-11-02 Kabushiki Kaisha Toshiba Radio module
JP2009021857A (ja) * 2007-07-12 2009-01-29 Toshiba Corp 無線装置及びアンテナ装置
JP2009207076A (ja) * 2008-02-29 2009-09-10 Denso Corp 車載統合アンテナ
JP2008199688A (ja) * 2008-05-26 2008-08-28 Toshiba Corp 無線モジュール
JP2009296447A (ja) * 2008-06-06 2009-12-17 Nippon Soken Inc 無線携帯端末装置
WO2017159184A1 (ja) * 2016-03-17 2017-09-21 パナソニックIpマネジメント株式会社 無線モジュールおよび画像表示装置
JPWO2017159184A1 (ja) * 2016-03-17 2019-01-24 パナソニックIpマネジメント株式会社 無線モジュールおよび画像表示装置

Similar Documents

Publication Publication Date Title
KR100631313B1 (ko) 채널링된 rf 전류들을 갖는 안테나 시스템
US5945954A (en) Antenna assembly for telecommunication devices
JP4358084B2 (ja) 折畳式携帯無線機
JP4132669B2 (ja) 無給電放射素子を有するデュアル・バンド・ダイバーシチ・アンテナ
KR101306383B1 (ko) 멀티밴드 안테나 및 전자 기기
EP1482646B1 (en) Portable terminal having tuner for changing radiation pattern
JP4850839B2 (ja) 携帯無線機
US7859468B2 (en) Mobile wireless communications device including a folded monopole multi-band antenna and related methods
JP4227141B2 (ja) アンテナ装置
US10490902B2 (en) Mobile device
US6909911B2 (en) Wireless terminal
JP2004166191A (ja) 折り畳み式携帯型無線機および当該無線機のシャーシ
JPWO2007043138A1 (ja) 折畳式携帯無線装置
JP4197684B2 (ja) 携帯無線機
JPH11317616A (ja) 移動電話用指向性アンテナ
US7187959B2 (en) Antenna structure for devices with conductive chassis
JP2882928B2 (ja) スロットアンテナ
JPH1131909A (ja) 移動体通信機
RU2193264C2 (ru) Радиотелефон
JP2004007243A (ja) 携帯無線通信装置
JP4413145B2 (ja) 携帯無線端末装置
WO2006022331A1 (ja) 折り畳み式携帯無線機
JP2000101333A (ja) アンテナ装置及び携帯無線装置
JP4189433B1 (ja) 携帯無線機
US7398113B2 (en) Portable wireless apparatus

Legal Events

Date Code Title Description
A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20050201

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20050208

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20050411

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20050913

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20051114

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20060221

A02 Decision of refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A02

Effective date: 20060620