JP2009099349A - フレキシブルフラットケーブル及びその製造方法 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】長尺状の第一平角導体2の横断面方向からみた周囲に絶縁層3が配されてなる絶縁導体4、長尺状の第二平角導体5からなる接地用導体6、及び樹脂テープ9と、金属テープ8と、導電性接着剤7とを順に重ねて配した絶縁テープ10、を備え、絶縁導体4と接地用導体6とが、その幅方向に所定間隔で並べて配置され、導電性接着剤7を内側とした絶縁テープ10により、その厚み方向から挟まれラミネートされており、第一平角導体2及び第二平角導体5の長手方向端部は、所定の長さが前記絶縁テープの外部に露呈している。
【選択図】図1
Description
また、図5に示すようなフレキシブルフラットケーブルは、接地導体204上に平角導体2本204aを沿わせて折り返す際に、該平角導体の2本204aをずれが無く沿わせて製作することが困難であった。また、フレキシブルフラットケーブル作製後に電磁シールドフィルム209をラミネートする工程が必要となるため、工程が複雑になり工数が余計にかかっていた。
しかしながら、絶縁導体305の外周部にしか接着剤304が塗布された領域が存在しないため、フレキシブルフラットケーブル301の密着性がやや劣る虞があった。
また、本発明は、工程を簡略化して作業性を向上させるとともに、工数やコストを削減し、シールド性及び密着性の向上を図ったフレキシブルフラットケーブルの製造方法を提供することを第二の目的とする。
かかる構成によれば、導体(接地導体及び絶縁導体)は絶縁テープ間の導電性接着剤中に配していることから、絶縁テープと導電性接着剤、及び導体と導電性接着剤の接着面積が大きくなり絶縁テープの貼り付け強度が向上する。また、該電導性接着剤は可撓性を有しているので、ケーブルに湾曲等が生じた場合、導電性接着剤も同様に湾曲し、導電性接着材と絶縁テープ(金属テープ)、及び絶縁テープと導電性接着剤とが湾曲等により剥離することが抑制できる。更に、導体の凹凸部や導体間の離間部に該導電性接着剤が容易に入り込み、導体と絶縁テープとを確実に接着することが可能となる。ゆえに、ケーブルの屈曲等の変形に対して剥離が生じ難く、長期間安定したフレキシブルフラットケーブルを得ることが可能となる。
また、導体のサイズや形状、ピッチが異なっていても、導電性接着剤が該導体の凹凸部や導体間の離間部に容易に入り込みその表面を平坦とすることから、そのような導体を備えた場合においても優れた密着性を有し、設計自由度の高いフレキシブルフラットケーブルを得ることが可能となる。
また、接着剤が導電性を有することから、樹脂テープに接着した金属テープと該導電性接着剤が接地導体と導通することでシールド層の役割を果たす。従って、簡単な構成でシールド性に優れたフレキシブルフラットケーブルを得ることが可能となる。
かかる構成によれば、絶縁テープの一面全面に導電性接着剤を塗布して導体をラミネートすることから、絶縁テープの貼り付け強度の向上が図れ、密着性に優れたフレキシブルフラットケーブルを得ることが可能となる。
また、絶縁導体と接地導体とを、シールド層の機能を備えた絶縁テープにより挟んでラミネートする。従って、ケーブルの作製と外部シールドと接地導体との接続が一工程で可能であり、導体の位置合わせや接地用導体と外部シールドとの導通を得るための後加工(絶縁層の切開や、導体の折り返し等)が不要となる。
これにより、本発明では、工程を簡略化して作業性を向上させるとともに、工数やコストを削減しつつ、シールド性及び密着性に優れたフレキシブルフラットケーブルを製造することが可能となる。
以下、それぞれについて説明する。
絶縁層3の材料としては、絶縁性を具備するものであれば特に限定されるものではないが、例えば、エナメル、UV樹脂、ポリエチレン樹脂等の絶縁性を有する樹脂が挙げられる。
導電性接着剤7の材料としては、特に限定されるものではないが、例えば、ホットメルト、接着剤、溶剤等の接着効果を有する材料に、銅フィラー等の導電性材料を混合したものが挙げられ、その厚みは15〜100μmである。
導電性を有する接着剤を用いることで、接地用導体が該導電性接着剤を介して金属テープと導通がとれるようになる。従来では接地用導体の外周囲全面に接着剤を塗布することができなかったが、本発明では導電性の接着剤を用いているため、接地用導体6の外周面全面に塗布することが可能となり、フレキシブルフラットケーブル1の密着性の向上を図ることができる。
金属テープ8の材料としては、特に限定されるものではないが、例えば銅やアルミニウム等の遮蔽効果を有する金属材料が挙げられる。
樹脂テープ9の材料としては、特に限定されるものではないが、例えばポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリエチレンナフタレート等の飽和ポリエステル、ポリイミド、ポリフェニレンスルフィド、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリアミド等のプラスチックからなる厚み10〜200μmのフィルムが挙げられる。そのうち、電気的特性、機械的特性、コスト等の点から、ポリエチレンテレフタレートが好ましい。
また、導電性接着剤7が絶縁導体4及び接地導体6を覆うように配し、絶縁導体4と接地導体6をラミネートする絶縁テープ10の面全体に塗布されているため、向かい合う絶縁テープ10と導体(絶縁導体4及び接地導体6)とがより強固に接着され、貼り付け強度の向上が図れる。従って、フレキシブルフラットケーブル1の密着性が向上し、ケーブルの屈曲等の変形に対して剥離等が生じ難く、より長期にわたって安定して使用可能なフレキシブルフラットケーブル1を得ることが可能となる。
また、導体(第一平角導体2及び/又は第二平角導体5)のサイズや形状、ピッチが異なっていても、導電性接着剤7が該導体の凹凸部や導体間の離間部に容易に入り込みその表面を平坦とすることから、そのような導体を備えた場合においても優れた密着性を有し、設計自由度の高いフレキシブルフラットケーブル1を得ることが可能となる。
本発明のフレキシブルフラットケーブルの製造方法は、長尺状の第一平角導体2の横断面方向からみた周囲に絶縁層3を形成して絶縁導体4とする工程、金属テープ8と樹脂テープ9を貼り合わせて絶縁テープ10をする工程、絶縁テープ10の金属テープ8側に導電性接着剤7を塗布する工程、絶縁導体4と長尺状の第二平角導体5からなる接地導体6とを、その幅方向に所定間隔で並べて配置し、絶縁導体4及び接地用導体6の長手方向端部の所定の長さを残して、絶縁テープ10の導電性接着剤7が形成された側を内側とした絶縁テープ10により、その厚み方向から挟んでラミネートする工程、及び、絶縁導体4の長手方向端部において、絶縁テープ4で挟まれていない部分の絶縁層3を除去して第一平角導体2を露呈させる工程、を少なくとも備えることを特徴とする。
以下、各工程について説明する。
この、絶縁層3の形成方法としては、特に限定されるものではないが、押し出し被覆による塗布方法が、効率が良いため望ましい。
なお、接地用導体6としては、加工を施さない裸の平角導体(第二平角導体5)を用意して用いる。
なお、図2(e)、(f)は、図1(a)において点線αで囲んだ部分を示す拡大斜視図である。
絶縁層3の除去は、例えば手作業等により行うことができる。
これにより、図1に示すようなフレキシブルフラットケーブル1が作製される。
また、絶縁導体4と接地導体6とを、シールド層の機能を備えた絶縁テープ10により挟んでラミネートする。従って、フレキシブルフラットケーブルの作製と外部シールドのラミネートが一工程で可能であり、従来、必要とされた工程である導体の位置合わせや接地用導体と外部シールドとの導通を得るための後加工(絶縁層の切開や、導体の折り返し等)が不要となる。
これにより、本発明では、工程を簡略化して作業性を向上させるとともに、工数やコストを削減しつつ、シールド性及び密着性に優れたフレキシブルフラットケーブル1を製造することが可能となる。
また、図4(a)に示すフレキシブルフラットケーブルを実験例2として、図5(a)に示すフレキシブルフラットケーブルを実験例3として、図6に示す、本発明者が先に提案した発明であるフレキシブルフラットケーブルを実験例4として、その構造の簡便さ、シールド性、及び密着性について実験例1と同様に評価を行った。その結果を表1に示す。
なお、構造の簡便さに関しては、フレキシブルフラットケーブルの製造に当たって、1工程でシールド層もラミネートできる場合を○、2工程以上必要である場合を×として示した。
シールド性に関しては、近磁界プローブ法により検討し、十分なシールド性を有する場合は○、シールド性が弱い場合を△、シールド性を有さない場合を×として示した。
密着性に関しては、剥離強度試験を実施し、十分な密着性を有する場合を○、やや弱いが、十分な密着性を有する場合を△、密着性が弱い場合を×として示した。
図5に示す実験例3のフレキシブルフラットケーブルにおいては、十分な密着性が観察されたが、接地用導体とシールド層との電気的接続が接触によりなされるため、そのシールド性は接続信頼性にやや欠けることが観察された。また、導体をラミネートしたテープの外周部にシールドテープを配する必要があり、その構造の複雑化が観察された。
図6に示す実験例3のフレキシブルフラットケーブルにおいては、ラミネートテープ(絶縁テープ)がシールド層の機能を有するため、導体をラミネートテープで挟み込む際に、同時にシールド層も形成することができる。従って、簡便な構造で、かつ接地導体の外周部全面にシールド層が配することから、十分なシールド性を有することが観察された。しかしながら、接着剤は絶縁導体の周囲にのみ配されているため、やや密着性の低下が観察された。
一方、本発明のフレキシブルフラットケーブルである実験例1においては、実験例4と同様にラミネートテープ(絶縁テープ)がシールド層の機能を有するため、導電性接着剤を用いて導体をラミネートテープで挟み込む際に、同時にシールド層を形成することができる。従って、簡便な構造で、かつ接地導体の外周部全面にシールド層が配することから、十分なシールド性を有することが観察された。また、接着剤(導電性接着剤)は絶縁テープの接着する全面に塗布されているため、ラミネートテープの貼り付け強度が増加し、十分な密着性が観察された。
以上より、本発明は、構造が簡便で、シールド性及び密着性に優れたフレキシブルフラットケーブルであることが確認された。
Claims (2)
- 長尺状の第一平角導体の横断面方向からみた周囲に絶縁層が配されてなる絶縁導体、長尺状の第二平角導体からなる接地用導体、及び樹脂テープと、金属テープと、導電性接着剤とを順に重ねて配した絶縁テープ、を備え、
前記絶縁導体と前記接地用導体とが、その幅方向に所定間隔で並べて配置され、前記導電性接着剤を内側とした前記絶縁テープにより、その厚み方向から挟まれラミネートされており、前記第一平角導体及び前記第二平角導体の長手方向端部は、所定の長さが前記絶縁テープの外部に露呈していることを特徴とするフレキシブルフラットケーブル。 - 長尺状の第一平角導体の横断面方向からみた周囲に絶縁層を形成して絶縁導体とする工程、
樹脂テープと金属テープと導電性接着剤とを順に重ねて絶縁テープを形成する工程、
前記絶縁導体と長尺状の第二平角導体からなる接地導体とを、その幅方向に所定間隔で並べて配置し、前記絶縁導体及び前記接地用導体の長手方向端部の所定の長さを残して、前記導電性接着剤を内側とした前記絶縁テープにより、その厚み方向から挟んでラミネートする工程、及び、
前記絶縁導体の長手方向端部において、前記絶縁テープで挟まれていない部分の絶縁層を除去して前記第一平角導体を露呈させる工程、を少なくとも備えることを特徴とするフレキシブルフラットケーブルの製造方法。
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