JP2006156079A - フレキシブルフラットケーブル - Google Patents

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Abstract

【課題】フレキシブルフラットケーブル伝送信号から輻射される妨害成分を低減し、逆に近接する他回路やデバイス等から同伝送信号が受ける妨害成分を抑制する。
【解決手段】フレキシブルフラットケーブルを形成する平角導体のうち、差動信号対やディジタル信号対等の伝送信号対をツイストペア化し、コモンモードフィルタを形成することによりこれら伝送信号から輻射される妨害成分を低減するとともに、逆に外界から妨害を受けるアナログ映像信号、音声信号等と併走GND信号等とをツイストペア化し、また導体を固定する2枚の絶縁フィルムの外層に金属シールド導体層を接着させ、この金属シールド導体層は両端部でGND信号線に接着され、フレキシブルフラットケーブル全体をシールドする構造をもつ。
【選択図】図5

Description

本発明は、フレキシブルフラットケーブルに関するものである。さらに詳しくは、フレキシブルフラットケーブルの隣接する複数本の導体をツイストペア化し、全体をシールドする構造をもつツイストペア混在シールドフレキシブルフラットケーブルに関するものである。
フレキシブルフラットケーブルは、配線部品の省スペース化と簡便な接続を目的として、各種電気電子機器のプリント基板間の配線等に使用されている。2枚の絶縁フィルム間に複数本の平角導体を一定間隔で並列に配置し、この導体両端部の片面を一定長露出させ、他面に補強用フィルムを接着させる構造となっており、このフレキシブルフラットケーブルとそれを挿入するプリント基板側に装着された挿入型コネクタを組み合わせた配線方式が普及している。
特開2001−93344号公報
電気電子機器内で扱われる信号の高速化および高周波化に伴い、これら機器内のプリント基板間配線におけるEMI対策、不要輻射対策が必要とされてきている。また機器の小型化に伴い、プリント基板間配線にも薄型化および省スペース化が要求されてきている。
従来のワイヤーケーブルによるツイストペアケーブルでは、円筒型ケーブルをツイストすることにより導体ケーブルおよび被覆絶縁体の厚みが薄型化を妨げる要因となっていた。
また個々のケーブルをシールドする目的の同軸ケーブルでも同様の課題があった。
本発明は、フレキシブルフラットケーブルの平角導体組の折り重ねで構成されるツイストペアの構成を用いることで、これら導体ケーブルおよび被覆絶縁体の厚みの課題を解決する。
また、円筒型ワイヤーケーブルによるツイストペアケーブルおよびツイストペア化されないケーブルが混在するプリント基板間接続においてそれら全体をシールドする場合には、ツイストペア化された部分とツイストペア化されない部分との厚み差絶対値が大きくなる課題があり、これら全体をシールドする場合には厚みの厚くなるツイストペア化された円筒型ワイヤーケーブル部に合わせるために全体の厚みを増す結果となり、薄型化および省スペース化を満足できない形態となっていた。
本発明は、導体厚が薄く、ツイストペアにより重ね合わされたところと重ね合わされない導体との厚みの差の絶対値を小さく抑えられる、フレキシブルフラットケーブルの特徴を用いることにより、ツイストペア平角導体組とツイストペア化されない平角導体とを併せて1枚の金属シールド導体層でシールドすることにより、フレキシブルフラットケーブル全体厚を増すことなくシールド構造を実現できる。
また、円筒型ワイヤーケーブルを用いる場合には、任意の部位での折り曲げの際、曲げ部のくせ付けには不適で別途固定用の部品が必要であったが、導体として平角導体のみを用いる本発明では、曲げ部のくせ付けがそれ自体で可能であり、固定用部品が不要である。
本発明は、フレキシブルフラットケーブルを形成する平角導体のうち、隣接する任意の2本以上の平角導体組を折り重ね、ツイストペアを形成し、これらツイストペア導体組はツイストペア化されない平角導体とともに並列配置され、これら導体を固定する2枚の絶縁フィルムの外層に金属シールド導体層を接着させ、この金属シールド導体層は、接続先のプリント基板でGND電位となる任意の平角導体に接着され、これらツイストペア平角導体組とツイストペア化されない平角導体と金属シールド導体層とを1枚のツイストペア混在シールドフレキシブルフラットケーブルの形状で提供することを主要な特徴とするものである。
本発明のシールドフレキシブルフラットケーブルは、EMIの抑制に優れ、外界妨害源から受ける妨害抑制に対しても効果を有し、従来プリント基板間接続で別途必要とされていたEMI対策部品であるフィルタやフェライトコアを不要とし、さらに従来のケーブルまたは同軸ケーブル等によるものより安価であり、また任意の型取りおよび曲げ部のくせ付けが可能であるという利点を有すものである。
以下、本発明の内容を、図に示す実施の形態により詳細に説明する。
図1は本発明のツイストペア混在フレキシブルフラットケーブルの外観を示す概略図である。
図2は本発明のツイストペア混在フレキシブルフラットケーブルの実施形態のうち、平角導体のツイストペアを示す概略図である。
図3は本発明のツイストペア混在フレキシブルフラットケーブルの実施形態のうち、平角導体と垂直方向の断面を示す概略図である。
図4は本発明のツイストペア混在フレキシブルフラットケーブルの実施形態のうち、図3と異なる箇所での、平角導体と垂直方向の断面を示す概略図である。
図5は本発明のツイストペア混在シールドフレキシブルフラットケーブルの外観を示す概略図である。
図6は本発明のツイストペア混在シールドフレキシブルフラットケーブルの実施形態のうち、平角導体のツイストペアを示す概略図である。
図7は本発明のツイストペア混在シールドフレキシブルフラットケーブルの実施形態のうち、任意の平角導体をシールド層と接続させる構造を示す概略図である。
図8は本発明のツイストペア混在シールドフレキシブルフラットケーブルの実施形態のうち、平角導体と平行方向の断面を示す概略図である。
図9は本発明のツイストペア混在シールドフレキシブルフラットケーブルの実施形態のうち、平角導体と垂直方向の端部付近の断面を示す概略図である。
図10は本発明のツイストペア混在シールドフレキシブルフラットケーブルの実施形態のうち、図9と異なる箇所での、平角導体と垂直方向の断面を示す概略図である。なお、図1〜図2、図5〜図8ではツイストペア混在シールドフレキシブルフラットケーブルの一方の端部付近のみを図示しており、他方は図示された構造と折り返し対称の構造となる。
これらの図において、1は平角導体、2は平角導体用絶縁フィルム、3は固定用絶縁フィルム、4はシールドテープ、5はシールドテープ用絶縁フィルム、6は銅テープ、7は補強用フィルム、8は接続用導体、9は保護テープ、10はツイストペア混在フレキシブルフラットケーブル、11はツイストペア混在シールドフレキシブルフラットケーブルを示す。
(実施の形態1)
本発明のツイストペアが混在するフレキシブルフラットケーブルについて、図1および図2を用いて説明する。なお図2は平角導体のツイスト構造を示すため片面の固定用絶縁フィルム3を外した場合の外観を図示している。
本発明に用いる平角導体1としては、「厚み0.035mm×幅0.3mm」の錫めっき軟銅箔平角導体を用いた。また補強用フィルム7としては、厚み0.3mmのポリエステルを用いた。さらに、ツイストペアを形成する平角導体1を覆う平角導体用絶縁フィルム2としては厚0.025mmのポリエステルを用いた。
各フィルムの内側面にポリエステル系接着剤を塗布した平角導体用絶縁フィルム2で挟まれた平角導体を2本以上の複数本、固定用絶縁フィルム3上に配置した際の配列が両端で同順となるよう、交互に折り重ねることでツイストペア化された平角導体組として予め形成しておく。
前記複数本の平角導体1とツイストペア化された平角導体組とを各フィルムの内側面にポリエステル系接着剤を塗布した2枚の固定用絶縁フィルム3間に0.5mmピッチで並列に配置し、これら平角導体の端部を一定長で露出させる。この露出両端部の片面側にはポリエステルの補強用フィルム7が接着され、ツイストペア混在フレキシブルフラットケーブルを形成した。
本発明のツイストペア混在フレキシブルフラットケーブルの平角導体と垂直方向の断面を図示する図3および図4を用いてその構造を説明する。
図3および図4は平角導体と垂直方向の断面を図示している。ツイストペアを形成する平角導体の各々は、平角導体用絶縁フィルム2で挟まれる。ツイストペアを形成する平角導体組は断面位置により図4に示されるように互いに重なり合う配置であったり、図3に示されるように互いに並び合う配置であったりする。
(実施の形態2)
本発明のツイストペア混在シールドフレキシブルフラットケーブルについて、図5、図6、図7、および図8を用いて説明する。なお図6は平角導体のツイスト構造を示すため片面の固定用絶縁フィルム3、シールドテープ4、およびシールドテープ用絶縁フィルム5等を外した場合の外観を図示している。
本発明に用いる平角導体1としては、「厚み0.035mm×幅0.3mm」の錫めっき軟銅箔平角導体を用いた。また補強用フィルム7としては、厚み0.3mmのポリエステルを用いた。ツイストペアを形成する平角導体用絶縁フィルム2としては厚み0.025mmのポリエステルを用いた。
各フィルムの内側面にポリエステル系接着剤を塗布した平角導体用絶縁フィルム2で挟まれた平角導体を2本以上の複数本、固定用絶縁フィルム3上に配置した際の配列が両端で同順となるよう、交互に折り重ねることでツイストペア化された平角導体組として予め形成しておく。前記複数本の平角導体1とツイストペア化された平角導体組とを各フィルムの内側面にポリエステル系接着剤を塗布した2枚の固定用絶縁フィルム3間に0.5mmピッチで並列に配置し、これら平角導体の端部を一定長で露出させる。この露出両端部の片面側にはポリエステルの補強用フィルム7が接着される。またこの露出両端部の他面側には銅テープ6が貼付され、GND電位として外層シールドテープと接続される任意の端子と厚0.035mm×幅0.3mmの接続用平角導体8を介して接続される。
この接続用平角導体8と銅テープ6の接続部を含む全体を、内側が銀コート銅層のシールドテープ4、外側がポリエチレンテレフタレート層のシールドテープ用絶縁フィルム5で覆うことにより、シールドテープ4が銅テープ6および接続用平角導体8を介してGND電位として接続される平角導体端子に接続される。この接続用平角導体8で接続される銅テープ6および平角導体1との接続箇所を覆うように内側に接着剤が塗布されたポリイミド保護テープ9を貼付し、ツイストペア混在シールドフレキシブルフラットケーブルを形成した。
本発明のツイストペア混在シールドフレキシブルフラットケーブルの平角導体と垂直方向の断面を図示する図9および図10を用いてその構造を説明する。図9は平角導体と垂直方向の断面のうち端部付近の断面を図示している。ツイストペアを形成する平角導体の各々は、平角導体用絶縁フィルム2で挟まれる。また平角導体とそれと接続されシールドテープと接続される接続用平角導体8とが接続される。図10は図9と異なる箇所での、平角導体と垂直方向の断面を示す概略図である。ツイストペアを形成する平角導体組は断面位置により図10に示されるように互いに重なり合う配置であったり、図9に示されるように互いに並び合う配置であったりする。
本発明のツイストペア混在シールドフレキシブルフラットケーブルは、近年データの差動信号や高速制御信号およびアナログ映像信号、音声信号等、種々の伝送信号が混在し多用されている電気電子機器等の基板間接続等の用途に適用できる。特に薄型化が要求されるプラズマディスプレイデバイスや液晶デバイス等の基板間接続等の用途に有用であり、種々の伝送信号が混在し多用されているこれら表示デバイス機器において、1枚でそれら種々の信号伝送を実現でき、そのEMI対策を容易に実現でき、アナログ映像信号、音声信号が外来から受ける妨害を抑制することができる。また端部は従来のフラットケーブルと同様の形態を有しており、挿入される基板側コネクタの変更なしに適用できる。
本発明の一例であるフレキシブルフラットケーブルの外観を示す概略図 同フレキシブルフラットケーブルの平角導体のツイストペアを示す概略図 同フレキシブルフラットケーブルの一断面を示す概略図 同フレキシブルフラットケーブルの他の断面を示す概略図 本発明の一例であるフレキシブルフラットケーブルの外観を示す概略図 同フレキシブルフラットケーブルの平角導体のツイストペアを示す概略図 同フレキシブルフラットケーブルの一断面を示す概略図 同フレキシブルフラットケーブルの一断面を示す概略図 同フレキシブルフラットケーブルの実施形態のうち平角導体と垂直方向の端部付近の断面を示す概略図 同フレキシブルフラットケーブルの実施形態のうち他の箇所での平角導体と垂直方向の断面を示す概略図
符号の説明
1 平角導体
2 平角導体用絶縁フィルム
3 固定用絶縁フィルム
4 シールドテープ
5 シールドテープ用絶縁フィルム
6 銅テープ
7 補強用フィルム
8 接続用平角導体
9 保護テープ
10 ツイストペア混在フレキシブルフラットケーブル
11 ツイストペア混在シールドフレキシブルフラットケーブル

Claims (2)

  1. 絶縁層に覆われた隣接する任意の2本以上の平角導体組を折り重ねてツイストペアを形成し、外層絶縁フィルム上にツイストペア化されない平角導体とともに等間隔に並列配置され、これら各々の導体が両端の導体露出部に他端と同順に配置されたフレキシブルフラットケーブル。
  2. 前記フレキシブルフラットケーブルの導体を固定する2枚の絶縁フィルムの外層に金属シールド導体層を接着させ、前記金属シールド導体層は両端部で任意の平角導体に接続用導体および銅テープにより接着され、前記平角導体は接続される両端のプリント基板で各々GNDに接地されることを特徴とする請求項1記載のフレキシブルフラットケーブル。
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