JP2009098973A - 乱数生成回路搭載集積回路の検査方法および乱数生成回路搭載集積回路 - Google Patents

乱数生成回路搭載集積回路の検査方法および乱数生成回路搭載集積回路 Download PDF

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Abstract

【課題】システムLSIに内蔵される乱数生成回路を低コストで効率よく評価し、初期不良の発生を防ぐ。
【解決手段】システムLSIに対するパワーオンリセットを予め設定された所定回数繰り返すことにより、最適化された制御パラメータが設定された乱数生成回路からパワーオンリセットの度にパワーオンリセット後の所定のタイミングで出力される乱数を所定個数取得し、該取得した所定個数の乱数の検査をシステムLSI内蔵のテスト回路を用いて行って、システムLSIに内蔵される乱数生成回路の良否を判定する。
【選択図】 図8

Description

本発明は、集積回路に内蔵される乱数生成回路を検査する乱数生成回路搭載集積回路の検査方法および乱数生成回路搭載集積回路に関するものである。
非特許文献1に記載のように、情報セキュリティという側面から、良質な乱数に対する需要が高まっている。通信や記録の際の暗号化、機器認証、個人認証あるいはアクセス制御などで、予測困難な乱数の生成が求められている。このような背景から、システムLSIでも、これまではソフトウエアで乱数を生成させていたが、それよりも乱数性の高さを求めて、ハードウエアによる乱数生成回路を搭載するケースが増加している。ソフトウエアによる乱数生成では、算術アルゴリズムに基礎をおくため、周期性が避けられず、また同一の初期値を与えると同一の乱数値の列が生成されるという再現性も避けられない。これに対して、原理的に物理現象を利用しようとするハードウエアによる乱数生成回路では、周期性がなく、また、初期値の設定が不要であり、パワーオンリセット後に生成される乱数値の列は、パワーオンリセットのたびに異なることが期待される。
特許文献1、2には、ハードウエアによって構成した乱数生成回路が示されている。例えば、特許文献1では、LFSR(Linear Feedback Shift Register)によって構成される乱数発生回路に対してリセットをかけないようにすることで、初期値を設定することなく、電源投入直後に乱数発生回路から出力される乱数値が常に同一とならないようにしている。また、特許文献2では、電源投入直後から動作する発振器から出力される高速クロックによって動作するカウンタの出力を、パワーオンリセット信号をトリガとしてラッチ回路でラッチし、このラッチ回路の出力を乱数発生回路の乱数シード値(初期値)として用いる乱数シード生成回路において、パワーオンリセット信号が、高速クロックよりも十分に遅く、またラッチ回路に入力される時期も、まちまちとなることを利用して、ラッチ回路にラッチされるカウント値(乱数シード値)を、電源が投入される度に異なるものとしている。
このようなハードウエアによる乱数生成回路は、設計段階で検討を重ねた上でシステムLSIに搭載される。しかし、その実装にアナログ回路的要素を排除することは完全にはできないため、乱数生成回路自体の出来具合によって乱数性が左右される可能性がある。このため、システムLSIを試作設計する段階では、SPICE(Simulation Program with Integrated Circuit Emphasis)などの回路シミュレータで動作を確認し、また、PLDやFPGAで動作の確認と乱数品質の評価を行い、かつシステムLSI製造後の段階でも、乱数品質を評価するというような慎重さが求められる。また、システムLSIは、製造後の乱数品質評価の結果をフィードバックして乱数生成回路を調整できるようにしておくことが望ましい。
乱数品質の評価は、基本的には、大量のデータを取得して、さまざまな角度から統計学的に検定することを求めるものである。たとえば、NIST(National Institute of Standards and Technology: 米国商務省標準局)がNIST Special Publication 800-22(以下、NIST SP 800-22という)で公開しているツールでは、モノビット検定、ポーカー検定など10種類以上の項目があり、いくつかの検定では、100万ビット以上の乱数データが必要とされる。
東芝レビューVol.58 No.8(2003)のpp.47-51 特開平11−312078号公報 特開2002−268874号公報
良質な乱数の生成を保証するためには、これらのNIST SP 800-22の全項目を検定する必要があるが、このような検定をシステムLSI製造後に行う場合、LSI評価ボードによる実機評価テストに委ねなければならない。もし、LSI評価ボードによる実機評価テストをシステムLSIの量産工程に新たに追加すると、そのテストコストは非常に大きく、非現実的である。このように、現状では、システムLSIに内蔵される乱数生成回路を量産段階で低コストで効率よく検査することが可能な手法が強く要望されている。このような要望に応えるためには、量産段階における既存の工程中に、既存の工程を邪魔することなく既存の工程に並行して乱数生成回路の検査が行えるようにすることが望ましい。
また、上記のとおり、ソフトウエアによる乱数生成では、パワーオンリセットのたびに初期値を与え、電源切断の際には最後に生成した乱数値を、次回パワーオンリセット時の初期値として記憶する必要がある。これに対して、ハードウエアによる乱数生成回路の場合には、通常、このような初期値に対する処置は不要とされる。これは、裏を返すと、乱数生成回路のパワーオンリセット直後に生成される乱数列の品質を調べる必要性が高いことを意味しており、パワーオンリセット直後の乱数列の品質に問題なければ、その後に続く乱数列の品質は或る程度補償されると考えられる。
本発明は、上記実情に鑑みてなされたものであって、集積回路に内蔵される乱数生成回路を低コストで効率よく評価し、初期不良の発生を防ぐことが可能な乱数生成回路搭載集積回路の検査方法および乱数生成回路搭載集積回路を提供することを目的とする。
上述した課題を解決し、目的を達成するために、本発明は、集積回路に内蔵される乱数生成回路を検査する乱数生成回路搭載集積回路の検査方法において、乱数生成回路の制御パラメータを調整しながら乱数生成回路から出力される乱数の検査を行って前記制御パラメータを最適化する第1の工程と、前記集積回路に対するパワーオンリセットを予め設定された所定回数繰り返すことにより、前記最適化された制御パラメータが設定された乱数生成回路からパワーオンリセットの度にパワーオンリセット後の所定のタイミングで出力される乱数を所定個数取得し、該取得した所定個数の乱数の検査を行って、集積回路に内蔵される乱数生成回路の良否を判定する第2の工程とを備えることを特徴としている。
また、本発明は、乱数生成回路が内蔵される乱数生成回路搭載集積回路において、集積回路を通常モードとテストモードとに切替えるための第1の端子と、前記テストモードの際に、前記乱数生成回路が生成した乱数を格納するためのメモリと、前記テストモードの際に前記乱数生成回路を制御して乱数値を生成させて上記メモリに格納させるための制御パラメータおよび生成された乱数の品質を検査するためのテストパラメータが入力される第2の端子と、前記テストモードの際に前記第2の端子から入力された制御パラメータに基づき前記乱数生成回路を制御するとともに、前記第2の端子から入力された前記テストパラメータに基づき上記乱数生成回路で生成された乱数値を上記メモリに格納させるための制御を行う制御部と、前記第2の端子から入力されたテストパラメータに基づき、メモリに格納された所定個数の乱数の検査を行って集積回路に内蔵される乱数生成回路の良否を判定する品質判定部と、前記品質判定部によって判定された良否の判定結果が出力される第3の端子とを備え、前記集積回路に対するパワーオンリセットを予め設定された所定回数繰り返すことにより、前記乱数生成回路からパワーオンリセットの度にパワーオンリセット後の所定のタイミングで出力される乱数を前記メモリに格納し、該格納した所定個
数の乱数の検査を前記品質判定部によって行うことを特徴としている。
本発明によれば、第1の工程で乱数制御回路の制御パラメータを最適化し、第2の工程でパワーオンリセットを予め設定された所定回数繰り返すことにより、最適化された制御パラメータが設定された乱数生成回路からパワーオンリセットの度にパワーオンリセット後の所定のタイミングで出力される乱数を所定個数取得し、該取得した所定個数の乱数の検査を行って、集積回路に内蔵される乱数生成回路の良否を判定するようにしたので、集積回路に内蔵される乱数生成回路を量産段階で低コストで効率よく検査することが可能となり、初期不良の発生を防ぐことが可能となる。
また、本発明によれば、パワーオンリセットの都度、パワーオンリセット後に集積回路内蔵の乱数生成回路で生成させた乱数値を、集積回路内蔵のテスト回路で検査して、その合否を判定し、合否の判定結果を端子出力しているので、量産段階における既存の工程への適用が容易となり、これにより、低コストで効率的に、集積回路内蔵の乱数生成回路を評価し、初期不良の発生を防ぐことが可能となる。
以下に添付図面を参照して、この発明にかかる乱数生成回路搭載集積回路の検査方法および乱数生成回路搭載集積回路の最良な実施の形態を詳細に説明する。
(第1の実施の形態)
図1は一般的なシステムLSIの製造工程を示すものである。試作段階(S1)では、集積回路としてのシステムLSIの制御パラメータを最適化する。量産段階(S2)では、最適化された制御パラメータのもとで各種の検査が実施され、これに合格した製品が出荷される。乱数生成回路が内蔵されたシステムLSIも、このような工程を経る。そこで、第1の実施の形態においては、試作段階(S1)では、乱数生成回路の制御パラメータを調整しながらシステムLSI内の乱数生成回路から出力される乱数の検査を行って制御パラメータを最適化し、量産段階(S2)では、システムLSIに対するパワーオンリセットを予め設定された所定回数mだけ繰り返すことにより、最適化された制御パラメータが設定された乱数生成回路からパワーオンリセットの度に出力されるパワーオンリセット直後の乱数ビット列を取得し、該取得した所定個数mのパワーオンリセット直後の乱数ビット列の検査を行って、システムLSIに内蔵される乱数生成回路の良否を判定する。
図2は、システムLSI内の乱数生成回路の制御パラメータの最適化手順の一例を示すものであり、この最適化手順は図1に示した試作段階(S1)で実行される。図2において、まず、パラメータ設定ステップ(S11)において、乱数生成回路の制御パラメータを最適と考えられる設定値に設定する。この設定後、LSI評価ボードによる実機評価テストで、例えば、NIST SP 800-22に規定されている手法(モノビット検定、ポーカー検定など10種類以上の項目)を用いた検定を実行する(C1)。具体的には、パワーオンリセット後、所定の回数だけ乱数を生成させ、この所定個数の時系列の乱数値の集合について、NIST SP800-22に規定されている手法を用いた検定を実行する。所定個数は、NIST SP800-22の検定結果が有意となるビット数(100万ビット)を最低限の目安とする。たとえば、192ビット乱数の場合、5,209個以上必要である。
ステップC1のNIST SP800-22の検定結果がNGならば、乱数生成回路の制御パラメータに変更の余地があるか否かを判定し(C3)、変更の余地がある場合は、乱数生成回路の制御パラメータを再設定する(S11)。また、ステップC1のNIST SP800-22の検定結果がOKである場合は、つぎに、パワーオンリセット直後の乱数品質評価(C2)を行う。このC2の評価では、パワーオンリセットを所定回数繰り返し、パワーオンリセットの
度にパワーオンリセット直後の乱数列を取得し、この乱数列について品質を評価する。このC2の評価結果がNGならば、乱数生成回路の制御パラメータに変更の余地があるか否かを判定し(C3)、変更の余地がある場合は、乱数生成回路の制御パラメータを再設定する(S11)。また、ステップC2の評価結果がOKである場合は、これで乱数生成回路の制御パラメータの最適化が完了する(S12)。なお、制御パラメータをどのように調整しても、検定C1や評価C2の結果がNGとなった場合は、システムLSI内蔵の乱数生成回路に不具合があると判断される(S13)。この場合は、乱数生成回路の設計内容を見直すことになる。なお、C1とC2は、その順番を入れ替えてもよい。
ステップC2におけるパワーオンリセット直後の乱数品質評価では、生成させた所定個数のパワーオンリセット直後の乱数列の集合について、たとえば、任意の2個の乱数列を各ビット位置(同じビット位置同士)で比較して一致したビット数(一致ビット数)を検出する処理を2個ずつの乱数列に対し総当たりで行い、一致ビット数の頻度分布を検査する。
図3は一致ビット数と頻度との関係である一致ビット数の頻度分布を示すものである。図3において、実線で示した完全な自然乱数の場合、その分布は理想曲線のように二項分布曲線となる。この曲線は、以下のような計算式に基づいている。各ビット位置の比較で一致と判定されるのは(0,0)と(1,1)の組み合わせで、不一致と判定されるのは(0,1)と(1,0)の組み合わせである。したがって、一致となる確率は1/2である。乱数のビット数がnで、一致ビット数がk個の確率は、
×(1/2)(1/2)n−k (1)
で計算される。
上記の所定個数(パワーオンリセットの繰り返し回数)をm個とすると、任意の2個の乱数列の組み合わせ数はであるので、その結果として、一致ビット数の理想的な頻度は、
×(1/2)× (2)
で計算される。
この二項分布曲線に対して、図3に点線で示したような実測曲線が得られた場合、乱数品質の判定基準としてはいくつか考えられるが、基本的に、一致ビット数が多い方の頻度の高さを問題とする。図3は192ビットの乱数列(n=192)で、m=8,000の場合であるが、
(a)第1の判断基準では、理想曲線で頻度が1未満となった一致ビット数(基準ビット数z)である134以上の領域で、実測曲線の理想曲線からのずれを検出し、ずれが大きいときに品質が悪いと判定する。たとえば、基準ビット数z以上の領域での実測曲線と理想曲線との差分(面積a)が予め定められたしきい値を超えたときに、乱数の品質が悪いと判断する。
(b)第2の判断基準では、基準ビット数z以上の一致ビット数の頻度が、予め定められた値を超えたときに、乱数の品質が悪いと判断する。
(c)さらに、第3の判断基準では、基準ビット数zよりも大きな所定のビット数をしきい値として、該しきい値よりも大きな一致ビット数の頻度が1以上であるときに、乱数の品質が悪いと判断する。
図4は、図2のステップC2で実行した一致ビット数による乱数品質評価手順をより詳細に示すものである。まず、乱数生成回路を動作させるための制御パラメータや、乱数生成回路を検査するためのテストパラメータ(検査パラメータ)などを設定する(S21)。つぎに、パワーオンリセットの繰り返し回数mを選定する。この繰り返し回数mは、基本的には、顧客要求品質(システムLSIを用いて実現されるアプリケーションによって要求される乱数の品質)に合わせて決めておく。たとえば、パワーオンリセットの回数を
1日20回として、400日間、同一値が出現しないことを基準にする場合は、m=8,000回である。この回数mだけ、パワーオンリセットを繰り返して乱数を生成させ、生成した乱数をシステムLSIに内蔵のメモリ(不揮発性メモリやSRAM)に格納する(S22)。このようにしてメモリに格納されたパワーオンリセット直後のm個の乱数値に対して、上記した一致ビット数検査(S23)を実施する。この検査に合格した場合は、良好な乱数品質と判断される(S24)。なお、ステップS22における乱数格納の所要時間は、たとえば、5秒間隔でパワーオンリセットをかけると、m=8,000の場合、40,000秒となる。
図5は、図2のステップC2で行ったパワーオンリセット直後の乱数品質評価の他の手法を示すものである。図5の場合は、図3などを用いて説明した一致ビット数検査に加えて、構成ビット検査を実行するようにしている(S25)。構成ビット検査では、パワーオンリセットをm回繰り返して取得したパワーオンリセット直後のm個の乱数値に対して、同一ビット位置に出現する“0”または“1”の個数を計数し、この計数値が所定の揺らぎの範囲α内にない場合に、乱数品質が悪いと判断する。すなわち、自然乱数であれば、“1”と“0”の出現確率はそれぞれ50%であるので、“0”または“1”の個数が、例えば、(m/2−α)以上、(m/2+α)以下の範囲にない場合に、乱数品質が悪いと判定する。例えば、検査ビットを奇数ビットとする場合は、奇数ビットのmビットの乱数ビットについて、“0”または“1”の個数をそれぞれ計数し、これらの計数値が(m/2−α)〜(m/2+α)の範囲内にない場合に、乱数品質が悪いと判定する。検査ビットとしては、全ビットを検査するようにしてもよいし、偶数ビットのみを検査するようにしてもよいし、もっと少ないビットのみを検査するようにしてもよい。
そして、図5のステップS24´においては、一致ビット検査および構成ビット検査の両検査結果に基づいて乱数生成回路の乱数品質を判定する。例えば、両検査に合格していないと、不良と判定する。図5では、一致ビット数検査および構成ビット検査を並行して実行しており、多方面から乱数品質を評価することができる。なお、図2のステップC2においては、一致ビット数検査および構成ビット検査のいずれか一方を行うようにしてもよい。
なお、上記では、図1の試作段階(S1)において、NIST SP800-22の検定(C1)と、パワーオンリセットをm回繰り返して取得したパワーオンリセット直後のm個の乱数値に対する一致ビット数検査及び/又は構成ビット検査を行うようにしたが、乱数生成回路の制御パラメータを最適化することができる検査、検定であれば、これに限らず他の任意の検査を行うようにしてもよい。
以上の説明は、図1の試作段階(S1)での乱数生成回路の制御パラメータの最適化手順に関するものであった。つぎに、図1の量産段階(S2)において、システムLSI内の乱数生成回路を評価するための手法とテスト回路について説明する。量産段階(S2)においては、最適化された制御パラメータが設定された乱数生成回路が内蔵されたシステムLSIに対し、図2のステップC2、図4または図5で説明したパワーオンリセット直後の乱数品質評価を実行する。すなわち、システムLSIに対するパワーオンリセットを予め設定された所定回数mだけ繰り返すことにより、最適化された制御パラメータが設定された乱数生成回路からパワーオンリセットの度に出力されるパワーオンリセット直後の乱数ビット列を取得し、該取得した所定個数mのパワーオンリセット直後の乱数ビット列について前述の一致ビット検査及び/又は構成ビット検査を行って、システムLSIに内蔵される乱数生成回路の良否を判定する。
図6に一般的な量産段階(S2)のLSI製造工程を示す。量産段階(S2)においては、ダイ製造(S31)、ダイ検査(S32)、パッケージアセンブリ(S33)、パッケ
ージバーンインテスト(S34)、パッケージファイナルテスト(S35)の5つの工程を経て、LSI出荷(S36)となる。量産段階(S2)での、乱数生成回路の検査では、上述したように、パワーオンリセットを所定回数mだけ繰り返して、その直後に生成された乱数を取得するので、それだけでも長時間を要する。したがって、現状でも長時間を要しているパッケージバーンインテスト工程へ乱数生成回路の検査を組み込めば、追加のテストコストを抑制しながら、乱数生成回路の評価も実施することができ、効率の良いシステムLSIの製造をなし得る。
図7は、一般的なパッケージバーンインテストの様子を示すものである。評価ボード200上には、複数個のパッケージアセンブリ済みのシステムLSIが搭載されており、評価装置210により、パッケージバーンインテストが制御される。図7の場合は、16個のシステムLSIL1〜L16が評価ボード200に搭載されている。パッケージバーンインテストは、複数個のシステムLSIL1〜L16を評価ボード上200に配置して、高温および高電圧を印加した環境で長時間動作させることによって、初期不良品を検出して出荷させないようにすることを目的としている。このように、バーンインテストでは、多数のLSIを同時にテストするので、評価装置210に接続できるLSI1個あたりの入出力端子数は制限される。
図8は、図5で説明した一致ビット数検査及び構成ビット検査を行うためのテスト回路を内蔵したシステムLSI100の内部回路構成例を示すものであり、図8では乱数生成回路1に関わる部分だけが図示されている。図8に示すシステムLSI100では、システムLSIに、乱数生成回路のテスト回路を内蔵させており、このようにすれば、試作段階(S1)で、様々な条件で、図2のフローに従って、乱数生成回路の制御パラメータを最適化することができるだけでなく、量産段階(S2)でも、乱数生成回路の完成度を評価してシステムLSIを選別することが可能となる。
図8において、乱数生成回路1は、パワーオンリセット解除後に動作開始して乱数を発生するものであり、パワーオンリセットの度に異なる乱数(乱数ビット列)を発生する。また、この場合、乱数生成回路1は、シード値を用いることなく乱数を発生させる。通常回路N1,N2は、システムLSI100における通常動作モードの際に動作するものである。したがって、図8においては、乱数生成回路1,通常回路N1,N2以外の回路構成が乱数生成回路のテストモードの際に動作する乱数生成回路用テスト回路として機能する。乱数生成回路用テスト回路は、不揮発性メモリ2、モード設定部3,テストモード制御部4,テストパラメータ管理部5,アドレス管理部6,ライト/リード管理部7,乱数データ格納部8,乱数ビット列一致検査部9,乱数構成ビット検査部10,乱数品質判定部11,第1の選択部12,第2の選択部13を備える。システムLSI100は、テストモードの際に利用する端子部t1,t2,t3を備える。
端子部t1からは、テストモードと通常動作モードとを切り替えるモード切替信号が入力される。端子部t1から入力されるモード切替信号はモード設定部3に入力される。モード設定部3の設定出力は、第1の選択部12及び第2の選択部13に入力される。第1の選択部12は、モード設定部3が通常動作モードに設定されたときは、通常回路N1の出力を選択して乱数生成回路1に入力し、モード設定部3がテストモードに設定されたときは、テストモード制御部4の出力を選択して乱数生成回路1に入力するような切替動作を実行する。第2の選択部13は、モード設定部3が通常動作モードに設定されたときは、乱数生成回路1の出力を通常回路N2に入力し、モード設定部3がテストモードに設定されたときは、乱数生成回路1の出力を不揮発性メモリ2に入力するような切替動作を実行する。なお、図8では図示していないが、モード設定部3の設定出力は、不揮発性メモリ2、テストモード制御部4,テストパラメータ管理部5,アドレス管理部6,ライト/リード管理部7,乱数データ格納部8,乱数ビット列一致検査部9,乱数構成ビット検査
部10,乱数品質判定部11に入力されており、これらの各回路は、モード設定部3の設定出力がテストモードになったときに、作動される。
端子部t2からは、乱数生成回路1の制御パラメータや乱数テストに用いるテストパラメータが入力される。これら制御パラメータやテストパラメータは、テストパラメータ管理部5に設定される。
図9は、端子部t2に入力される制御パラメータ、テストパラメータの一例を示すものである。この場合、端子部t2は、少なくとも36+1ビットを有し、制御パラメータ、テストパラメータを表現する36ビットとは別の1端子で、36ビットの制御パラメータ、テストパラメータの入力有効期間を示してシステムLSI100に入力させる。最上位ビット(MSB)側の4ビットで情報種別を設定し、下位の32ビットでパラメータを設定する。b1、b6〜b9で示すパラメータが上述のテストパラメータであり、b2〜b5で示すパラメータが上述の制御パラメータである。
たとえば、b1で示すように、MSB側の4ビットが16進表示でゼロ(4’h0)のとき、下位の32ビットでパワーオンリセットの繰り返し回数mと現在の繰り返し回数を示す。図9の場合は、繰り返し回数mは8,000回(16’h1F40)で、現在の回数は4,123回(16’h101B)である。
図9の場合、乱数生成回路1の制御パラメータは、4本の32ビットレジスタ分で表現され、これらはMSB側の4ビットが4’h1から4’h4に割り当てられている(b2〜b5)。このレジスタの本数は、乱数生成回路1の事情に応じて増減する。制御パラメータの数が32ビットレジスタ5本以上ならば、さらに割り当てが必要となる。少なければ、割り当てを削減してもよい。なお、これら制御パラメータは、前述したように、量産工程に入る前の試作段階での実機評価で最適値に選定しておく。システムLSIでは、通常、特定ビット幅(たとえば、32ビット幅)の制御レジスタが用意されているので、このビット幅で制御パラメータを表現する。
また、b6、b7で示すように、MSB側4ビットが4’h8のときの下位32ビットのパラメータで、乱数のどの部分を検査対象とするかを指定する。すなわち、乱数生成回路1が生成する乱数について全ビット検査するかそれとも部分的に検査するか、判断基準が分かれることがある。たとえば、160ビットの乱数が生成されるとき、乱数生成回路の構成として、乱数を部分的に検査しても理論的に問題がないならば、全160ビットを検査するのではなく、最下位の32ビットだけ検査することなどが考えられる。図9においては、たとえば、下位32ビットのフィールドの最上位ビットが”1”のときは、全ビットを検査対象とすることを指定している(b6)。このビットが”0”のときは、部分領域を検査対象とすることを指定し、下位6ビットの[5:0]フィールドで指定されるバイト位置から、下位6ビットに続く6ビットの[11:6]フィールドで指定されるバイト位置までの連続領域を検査対象としている。b7の例では、バイト0からバイト7の合計8バイト(64ビット)までが対象となっている。b6またはb7で指定されたビット数が比較対象ビット数nとなる。
また、b8に示すように、MSB側4ビットが4’h9のときの下位32ビットのパラメータには、図3を用いて説明した乱数ビット列一致検査における一致基準(第1〜第3の判断基準)を設定する。図9のb8の場合は、前述した第3の判断基準で用いるしきい値dが設定されている。第3の判断基準では、前述したように、基準ビット数zよりも大きな所定のビット数をしきい値dとして、該しきい値dよりも大きな一致ビット数の頻度が1以上であるときに、乱数の品質が悪いと判断するようにしており、図3に示した理想曲線によれば、たとえば、m=8000、n=192のとき、一致ビット数が134以上の
頻度はゼロであるので、b8のパラメータとして、134以上の所定値d=136(’h88)に設定している。
また、b9に示すように、MSB側4ビットが4’hAのときの下位32ビットのパラメータには、図5のS25で説明した乱数構成ビット検査における許容される揺らぎ幅(α)を設定する。すなわち、乱数ビット列における“0”(または“1”)の出現数が、(m/2-α)以上で(m/2+α)以下でない場合に、乱数の品質が悪いと判定される。図9の例では、αは100(’h64)に設定されている。
テストパラメータ管理部5には、端子部t2を介して、図9に示したような制御パラメータやテストパラメータが設定され、テストパラメータ管理部5は入力設定された制御パラメータやテストパラメータのうちb2〜b5の制御パラメータおよびb1、b6、b7のテストパラメータをテストモード制御部4に入力する。また、テストパラメータ管理部5は、b8の乱数ビット列一致検査における一致基準を乱数ビット列一致検査部9に入力する。また、テストパラメータ管理部5は、b1のパワーオンリセットの繰り返し回数mと、b9の乱数構成ビット検査における揺らぎ幅αを乱数構成ビット検査部10に入力する。
テストモード制御部4は、テストモードの際に、入力された制御パラメータ(図9のb2〜b5)を第1の選択部12を介して乱数生成回路1に入力し、乱数生成回路1の乱数生成動作を制御する。また、テストモード制御部4は、入力されたテストパラメータのうちの乱数検査対象のバイト数n(図9のb6,b7)と、パワーオンリセット回数m(図9のb1)とに基づいて、不揮発性メモリ2に対するライトアドレスおよびライトタイミングなどを決定し、決定したライトアドレスをアドレス管理部6に入力するとともに決定したライトタイミングをライト/リード管理部7に入力する。アドレス管理部6は、入力されたライトアドレスを用いて、不揮発性メモリ2に対して印加するライトまたはリード時のアドレス信号を決定する。ライト/リード管理部7は、入力されたライトタイミングを用いて不揮発性メモリ2に対して印加するライト信号およびリード信号のタイミングを決定する。
不揮発性メモリ2は、電源を切っても記憶内容を保持することができるメモリであり、第2の選択部13を介して入力される乱数生成回路1からのパワーオンリセット直後の度の乱数列をライト/リード管理部7からのライト信号およびアドレス管理部6からのアドレス信号に従って所定のメモリ領域に格納する。不揮発性メモリ2に格納された乱数列は、ライト/リード管理部7からのリード信号およびアドレス管理部6からのアドレス信号に従って読み出され、テストモード制御部4の制御によって乱数データ格納部8に格納される。不揮発性メモリ2から乱数データ格納部8への乱数列の格納は、m回のパワーオンリセットが終了してから行う。このように、乱数データ格納部8には、m回のパワーオンリセットによって得られたm個の乱数列が記憶される。
乱数ビット列一致検査部9は、前述したように、乱数データ格納部8から読み出されたm個のパワーオンリセット直後の乱数列の集合について、任意の2個の乱数列を各ビット位置(同じビット位置同士)で比較して一致したビット数(一致ビット数)を検出する処理を2個ずつの乱数列に対し総当たりで行い、一致ビット数の頻度分布を検査する。この場合は、端子部t2から一致基準パラメータb8として前述した第3の判断基準で用いるしきい値dが設定されており、乱数ビット列一致検査部9は、基準ビット数zよりも大きな所定のビット数をしきい値dとして、該しきい値dよりも大きな一致ビット数の頻度が1以上であるときに、乱数の品質が悪いと判断する。
乱数構成ビット検査部10は、図5のS25で説明した乱数構成ビット検査を実行する
。すなわち、パワーオンリセットをm回繰り返して取得したパワーオンリセット直後のm個の乱数値に対して、同一ビット位置に出現する“0”または“1”の個数を計数し、この計数値が所定の揺らぎの範囲α内にない場合に、乱数品質が悪いと判断する。
乱数品質判定部11は、乱数ビット列一致検査部9の検査結果および乱数構成ビット検査部10の検査結果に基づいて本システムLSIに内蔵されている乱数生成回路1の品質の合否を判定し、その合否の判定結果を1ビットの2値の出力として端子部t3から出力する。乱数品質判定部11は、乱数ビット列一致検査部9の検査結果および乱数構成ビット検査部10の検査結果が双方合格である場合に、本システムLSIに内蔵されている乱数生成回路1が合格であると判定し、そうでない場合に、不合格であると判定する。この端子部t3からの出力を適宜の表示器に接続すれば、当該乱数生成回路1の品質をOKまたはNGで表示させることができる。
つぎに、図7に示したバーンインテスト装置の評価ボード200に、図8に示したシステムLSI100を複数個載置して、バーンインテストと並行して乱数生成回路1の検査を行う際の動作について説明する。各システムLSI100の電源ラインは、評価装置210に接続されており、評価装置210の制御によって各システムLSI100は複数回のパワーオンリセットを実行する。また、各システムLSI100の端子部t1〜t3も、評価装置210に接続されており、各システムLSI100の端子部t1には各システムLSI100をテストモードに切り替えるモード切替信号が入力され、端子部t2には、試作段階で最適化された乱数生成回路1の制御パラメータや乱数テストに用いるテストパラメータが入力される。また、端子部t3から出力される各システムLSI100の合否の検査結果は、評価装置210の適宜の表示部に個別に表示される。
第1回目のパワーオンリセットが評価装置210によって実行されると、このパワーオンリセット後、テストモード制御部4が、テストパラメータ管理部5から受け取った制御パラメータ(図9のb2〜b5)を第1の選択部12を介して乱数生成回路1に入力し、これにより乱数生成回路1は入力された制御パラメータに従って起動し、乱数列を発生する。また、テストモード制御部4は、テストパラメータ管理部5から受け取った各種テストパラメータ(図9のb1、b6〜b9)を所要の回路部に入力する。乱数生成回路1から発生された乱数列は、アドレス管理部6およびライト/リード管理部7の制御によって第2の選択部13を介して不揮発性メモリ2に書き込まれる。第1回目のパワーオンリセットから所定の時間が経過すると、評価装置210によって第2回目のパワーオンリセットが実行され、前記と同様にして、乱数生成回路1から発生された乱数列は、不揮発性メモリ2に書き込まれる。このような処理が設定されたパワーオンリセット繰り返し回数mだけ繰り返されることにより、不揮発性メモリ2には、m個のパワーオンリセット直後の乱数列が格納される。
この後、不揮発性メモリ2に格納されたm個の乱数列は、乱数データ格納部8に格納される。乱数ビット列一致検査部9は、前述したように、乱数データ格納部8に格納されたm個の乱数列を用いて一致ビット数の頻度分布を求め、この頻度分布を用いて乱数生成回路1の合否を判定する。乱数構成ビット検査部10も、前述したように、乱数データ格納部8に格納されたm個の乱数列を用いて乱数構成ビット検査を行って、乱数生成回路1の合否を判定する。乱数品質判定部11は、乱数ビット列一致検査部9の検査結果および乱数構成ビット検査部10の検査結果に基づいて本システムLSI100に内蔵されている乱数生成回路1の品質の合否を判定し、その合否の判定結果を1ビットの2値の出力として端子部t3から出力する。このようにして評価ボード200上に並べられた複数のシステムLSI100の各端子部t3から乱数生成回路1の品質の合否の判定結果が出力され、これら判定結果は評価装置210の適宜の表示部に各システムLSI別に表示される。
このように第1の実施の形態によれば、試作段階(S1)では、乱数生成回路の制御パラメータを調整しながらシステムLSI100内の乱数生成回路1から出力される乱数の検査を行って制御パラメータを最適化し、量産段階(S2)では、システムLSI100に対するパワーオンリセットを予め設定された所定回数mだけ繰り返すことにより、最適化された制御パラメータが設定された乱数生成回路1からパワーオンリセットの度に出力されるパワーオンリセット直後の乱数ビット列を取得し、該取得した所定個数mのパワーオンリセット直後の乱数ビット列の検査を行って、システムLSIに内蔵される乱数生成回路の良否を判定するようにしているので、システムLSIに内蔵される乱数生成回路を量産段階で低コストで効率よく検査することが可能となり、初期不良の発生を防ぐことが可能となる。
また、第1の実施の形態によれば、パワーオンリセットの都度パワーオンリセット直後にシステムLSI内蔵の乱数生成回路で生成させた乱数値を、システムLSI内蔵のテスト回路で検査して、その合否を判定し、合否の判定結果を端子出力しているので、量産段階における既存のバーンイン工程などへの適用が容易となり、これにより、低コストで効率的に、システムLSI内蔵の乱数生成回路を評価し、初期不良の発生を防ぐことが可能となる。
また、図9にb1〜b6〜b9で示したテストパラメータをシステムLSIに外部端子から入力するようにしているので、乱数に対する要求品質に対応してこれらテストパラメータを変更するようにすれば、量産工程でのテストにおける検査基準、判断基準などを調整することが可能である。
なお、パワーオンリセット回数m以外のパラメータは、初回のパワーオンリセットのときにのみ与えることとし、この際、不揮発性メモリに格納させてもよい。その場合、2回目以降のパワーオンリセットでの乱数値取得では、不揮発性メモリに格納されたパラメータに基づき、乱数発生回路などを動作させる。
また、上記では、端子部t2は、37本で構成されることになる。これに対して、上記36ビットの情報を1端子でシリアルに入力し、これとは別の1端子で上記の情報の入力有効期間を示すというような2端子で端子部t2を構成してもよい。このようにシリアル入力にすれば、テストに必要な端子数を削減できるので、図7に示したようなパッケージバーンインテストのための評価ボードへのLSI搭載数を増加させることができる。これは、パッケージバーンインテスト時間を短縮できるメリットがある。
また、上記では、量産工程において、一致ビット検査及び構成ビット検査を行うようにしたが、これら2つのいずれか一方の検査を行うようにしてもよいし、さらに乱数の周期性を検査するような他の任意の検査を行うようにしてもよい。
(第2の実施の形態)
つぎに、本発明の第2の実施の形態を説明する。図10は、図8に示したシステムLSI100の他の構成例を示すものである。図10に示すシステムLSI100においては、図8に示した不揮発性メモリ2の代わりに、システムLSIに通常備えられている内蔵SRAM N6を用いるようにしている。この内蔵SRAM N6は、システムLSIの通常モードで使用されていて、乱数生成回路のテストにも流用する。
図10において、第3の選択部14は、モード設定部3が通常動作モードに設定されたときは、通常回路N3の出力を選択して内蔵SRAM N6に入力し、モード設定部3がテストモードに設定されたときは、アドレス管理部6の出力を選択して内蔵SRAM N6に入力するような切替動作を実行する。第4の選択部15は、モード設定部3が通常動
作モードに設定されたときは、通常回路N4の出力を選択して内蔵SRAM N6に入力し、モード設定部3がテストモードに設定されたときは、ライト/リード管理部7の出力を選択して内蔵SRAM N6に入力するような切替動作を実行する。第5の選択部16は、モード設定部3が通常動作モードに設定されたときは、内蔵SRAM N6の出力を通常回路N5に入力し、モード設定部3がテストモードに設定されたときは、内蔵SRAM N6の出力を乱数データ格納部8に入力するような切替動作を実行する。図10において、他の構成要素は図8に示したものと同じ機能を達成するので、重複する説明は省略する。
先の図8に示したシステムLSIでは、乱数生成回路テスト専用に不揮発性メモリ2を用意する必要があったが、図10に示したシステムLSIではそれを不要にすることができるというメリットがある。これは、LSIの製造工程の面で、たとえば、マスクROMを組み込むための製造工程の省略にもつながり、製造コストを低減させるというメリットもある。ただし、この内蔵SRAM N6の電源は他の回路とは別系統とし、独立させておく必要がある。それは、パワーオンリセットを繰り返しても、m個のパワーオンリセット直後の乱数をすべて内蔵SRAM N6に保持させるためであり、パワーオンリセットでSRAMの記憶内容が消えないようにするためである。このため、乱数生成回路のテスト期間中は、内蔵SRAM N6には常時電源を供給する。
ところで、上記第1、第2の実施の形態では、パワーオンリオセットをm回繰り返すことにより、m個のパワーオンリセット直後の乱数を取得し、これらm個のパワーオンリセット直後の乱数を用いて乱数検査を行うようにしたが、本発明では、パワーオンリセット後の所定のタイミングで発生する乱数を取得するようにしてもよい。例えば、乱数列が複数周期発生する乱数発生回路であれば、パワーオンリセット後、予め設定したi周期目に発生する乱数列をパワーオンリセットの度に取得するようにしてもよく、あるいはパワーオンリセット後、予め設定した所定クロック後から発生する乱数列をパワーオンリセットの度に取得するようにしてもよい。
一般的なLSI製造工程を示す図。 試作段階での乱数生成回路の制御パラメータの最適化手順を示すフローチャート。 乱数列の一致ビット数の頻度分布を示す図。 パワーオンリセット直後での乱数品質評価手順を示すフローチャート。 パワーオンリセット直後での他の乱数品質評価手順を示すフローチャート。 一般的な量産段階のLSI製造工程を示す図。 パッケージバーンインテストの様子を示す図。 テスト回路を内蔵したシステムLSIの第1の実施の形態での内部回路構成例を示すブロック図。 端子部に入力される制御パラメータ、テストパラメータのフォーマットを示す図。 テスト回路を内蔵したシステムLSIの第2の実施の形態での内部回路構成例を示すブロック図。
符号の説明
1 乱数生成回路
2 不揮発性メモリ
3 モード設定部
4 テストモード制御部
5 テストパラメータ管理部
6 アドレス管理部
7 ライト/リード管理部
8 乱数データ格納部
9 乱数ビット列一致検査部
10 乱数構成ビット検査部
11 乱数品質判定部
100 システムLSI
200 評価ボード
210 評価装置
N6 内蔵SRAM

Claims (5)

  1. 集積回路に内蔵される乱数生成回路を検査する乱数生成回路搭載集積回路の検査方法において、
    乱数生成回路の制御パラメータを調整しながら乱数生成回路から出力される乱数の検査を行って前記制御パラメータを最適化する第1の工程と、
    前記集積回路に対するパワーオンリセットを予め設定された所定回数繰り返すことにより、前記最適化された制御パラメータが設定された乱数生成回路からパワーオンリセットの度にパワーオンリセット後の所定のタイミングで出力される乱数を所定個数取得し、該取得した所定個数の乱数の検査を行って、集積回路に内蔵される乱数生成回路の良否を判定する第2の工程と、
    を備えることを特徴とする乱数生成回路搭載集積回路の検査方法。
  2. 前記第1の工程は、乱数生成回路が内蔵される集積回路の試作段階に行い、前記第2の工程は、乱数生成回路が内蔵される集積回路の量産段階におけるバーンインテストの際に実行することを特徴とする請求項1に記載の乱数生成回路搭載集積回路の検査方法。
  3. 前記第2の工程における乱数の検査は、
    前記取得した所定個数の乱数間の一致ビット数に基づく第1の検査と、前記所定個数の乱数における同一ビット位置に現れる0または1の個数に基づく第2の検査とのうちの少なくとも一方を実行することを特徴とする請求項1または2に記載の乱数生成回路搭載集積回路の検査方法。
  4. 乱数生成回路が内蔵される乱数生成回路搭載集積回路において、
    集積回路を通常モードとテストモードとに切替えるための第1の端子と、
    前記テストモードの際に、前記乱数生成回路が生成した乱数を格納するためのメモリと、
    前記テストモードの際に前記乱数生成回路を制御して乱数値を生成させて上記メモリに格納させるための制御パラメータおよび生成された乱数の品質を検査するためのテストパラメータが入力される第2の端子と、
    前記テストモードの際に前記第2の端子から入力された制御パラメータに基づき前記乱数生成回路を制御するとともに、前記第2の端子から入力された前記テストパラメータに基づき上記乱数生成回路で生成された乱数値を上記メモリに格納させるための制御を行う制御部と、
    前記第2の端子から入力されたテストパラメータに基づき、メモリに格納された所定個数の乱数の検査を行って集積回路に内蔵される乱数生成回路の良否を判定する品質判定部と、
    前記品質判定部によって判定された良否の判定結果が出力される第3の端子と、
    を備え、
    前記集積回路に対するパワーオンリセットを予め設定された所定回数繰り返すことにより、前記乱数生成回路からパワーオンリセットの度にパワーオンリセット後の所定のタイミングで出力される乱数を前記メモリに格納し、該格納した所定個数の乱数の検査を前記品質判定部によって行うことを特徴とする乱数生成回路搭載集積回路。
  5. 前記品質判定部は、前記所定個数の乱数間の一致ビット数に基づく検査を行う第1の検査部と、前記所定個数の乱数における同一ビット位置に現れる0または1の個数に基づく検査を行う第2の検査部と、これら第1および第2の検査部の検査結果に基づき集積回路に内蔵される乱数生成回路の良否を判定する判定部とを備えることを特徴とする請求項4に記載の乱数生成回路搭載集積回路。
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