JP2009098279A - 消耗品管理装置、プログラム及び消耗量推定方法 - Google Patents

消耗品管理装置、プログラム及び消耗量推定方法 Download PDF

Info

Publication number
JP2009098279A
JP2009098279A JP2007268039A JP2007268039A JP2009098279A JP 2009098279 A JP2009098279 A JP 2009098279A JP 2007268039 A JP2007268039 A JP 2007268039A JP 2007268039 A JP2007268039 A JP 2007268039A JP 2009098279 A JP2009098279 A JP 2009098279A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
image forming
forming apparatus
photoconductor
estimation
consumption amount
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP2007268039A
Other languages
English (en)
Inventor
Kaoru Yasukawa
薫 安川
Tetsukazu Satonaga
哲一 里永
Masayasu Takano
昌泰 高野
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Fujifilm Business Innovation Corp
Original Assignee
Fuji Xerox Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Fuji Xerox Co Ltd filed Critical Fuji Xerox Co Ltd
Priority to JP2007268039A priority Critical patent/JP2009098279A/ja
Publication of JP2009098279A publication Critical patent/JP2009098279A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Images

Landscapes

  • Control Or Security For Electrophotography (AREA)

Abstract

【課題】画像形成装置に装着されている感光体の消耗量を間接的に推定する場合の推定精度を向上させる。
【解決手段】画像形成装置から1種類以上の画像形成速度での形成画像数や複数種のセットアップ処理の実行回数、AC帯電時サイクル数、サイクルアップ回数から成る稼働情報を受信すると、機種及び稼働期間毎に導出・記憶している感光体の膜厚の推定演算式のうち、稼働情報送信元の画像形成装置の機種及び稼働期間に対応する推定演算式を読み出し(106)た後に、読み出した推定演算式に受信した稼働情報を代入して感光体の消耗量(膜厚減少量)を推定演算し(110)、感光体の交換要請日時を決定する(112)ことを、稼働情報送信元の画像形成装置の全ての画像形成部(の感光体)について各々行う。
【選択図】図3

Description

本発明は消耗品管理装置、プログラム及び消耗量推定方法に係り、特に、画像形成装置における感光体の消耗を管理する消耗品管理装置、該消耗品管理装置に適用可能な消耗量推定方法、及び、コンピュータを前記消耗品管理装置として機能させるための消耗品管理プログラムに関する。
画像形成装置に装着されている感光体の消耗量(膜厚の減少量)の管理に関する技術として、特許文献1には、複数の消耗パラメータとして、感光体の総回転時間、感光体の総帯電電流量、環境の温度を用いて感光体の消耗量を算定し、算定した消耗量に基づいて感光体が交換規定量に達する時期を予測し、予測した時期までに感光体を含むデバイスの交換を促す警告を出力する技術が開示されている。
また、特許文献2には、感光体に接触配置された帯電部材を介して感光体を帯電又は除電するにあたり、帯電部材を介して感光体を帯電又は除電する際に出力される電流を検知し、検知した電流の積分値を更新記憶し、更新記憶した電流の積分値と感光体の寿命に対応する電流の積分値を比較して感光体の寿命を予測する技術が開示されている。
また、特許文献3には、感光体ドラムの回転時間が所定時間を経過した場合はその回転時間に基づいて、また画像形成に使用した記録紙の枚数が所定枚数を超えた場合はその記録紙の枚数に基づいて感光体の寿命を予測し、使用者に対して感光体の交換時期を知らせる技術が開示されている。
更に、特許文献4には、感光体の表面を帯電する帯電手段にバイアス電圧を印加するバイアスオン時間を積算して検知し、検知したバイアスオン時間に基づいて感光体の寿命を予測して検知する技術が開示されている。
特開2005−283736号公報 特開平09−237018号公報 特開2002−072787号公報 特開2003−263079号公報
一般に、画像形成装置に装着されている感光体の消耗量を間接的に推定する場合の推定精度は低く、推定速度の向上が求められていた。
請求項1記載の発明に係る消耗品管理装置は、複数種の画像形成速度で画像形成が可能な画像形成装置における、複数種の画像形成速度のうちの少なくとも1つの画像形成速度での形成画像数及び複数種のセットアップ処理の実行回数を含む所定の稼働パラメータの値から、前記画像形成装置に装着されている感光体の消耗量を推定するための推定演算式を記憶する記憶手段と、前記画像形成装置における前記所定の稼働パラメータの値を取得する取得手段と、前記取得手段によって取得された前記所定の稼働パラメータの値を前記記憶手段に記憶されている前記推定演算式に代入して演算することで、前記感光体の消耗量を推定する推定手段と、を含んで構成されている。
請求項2記載の発明は、請求項1記載の発明において、前記所定の稼働パラメータに含まれる前記複数種のセットアップ処理の実行回数には、前記画像形成装置における色材の交換又は補給時に交換又は補給された色材を画像形成に使用可能に準備する色材セットアップ処理の実行回数、形成画像が一次転写される転写ベルトの歪みを検出し必要に応じて前記歪みを修正するベルトセットアップ処理の実行回数、パッチ画像を形成し当該パッチ画像の濃度又は形成位置の検出結果に応じて形成画像の濃度又は形成位置を調整する形成画像セットアップ処理の実行回数、前記感光体と常時接触している清掃部材の変形防止のために前記感光体に帯状に色材を付着させる清掃部材セットアップ処理の実行回数、前記転写ベルトに転写された形成画像をシート材に二次転写させる転写ローラを清掃する転写ローラセットアップ処理の実行回数、前記感光体を帯電させる帯電ローラを清掃する帯電ローラセットアップ処理の実行回数、のうちの2つ以上の回数が含まれていることを特徴としている。
請求項3記載の発明は、請求項1記載の発明において、前記所定の稼働パラメータには、前記画像形成装置における総サイクル数、AC帯電時のサイクル数又は画像形成開始時の感光体のサイクルアップ回数の少なくとも1つも含まれていることを特徴としている。
請求項4記載の発明は、請求項1記載の発明において、前記推定手段は、前記感光体の消耗量を推定した結果に基づいて、前記感光体の消耗量が所定値に達する時期を予測し、予測結果を出力することを特徴としている。
請求項5記載の発明は、請求項1〜請求項4の何れかに記載の発明において、前記消耗品管理装置は、複数台の画像形成装置と通信回線を介して接続されたコンピュータによって実現され、前記取得手段は、前記複数台の画像形成装置における前記所定の稼働パラメータの値を前記通信回線を介して各々取得し、前記推定手段は、前記感光体の消耗量の推定を、前記複数台の画像形成装置について各々行うことを特徴としている。
請求項6記載の発明は、請求項5記載の発明において、前記記憶手段には、前記画像形成装置の機種毎に前記推定演算式が記憶されており、前記演算手段は、前記記憶手段に記憶されている推定演算式のうち、推定対象の画像形成装置の機種に対応する推定演算式を用いて前記感光体の消耗量を推定することを特徴としている。
請求項7記載の発明は、請求項5記載の発明において、前記記憶手段には、画像形成装置が稼働を開始してからの期間を複数種の期間に分けたときの各期間毎に前記推定演算式が記憶されており、前記演算手段は、前記記憶手段に記憶されている推定演算式のうち、推定対象の画像形成装置における前記期間に対応する推定演算式を用いて前記感光体の消耗量を推定することを特徴としている。
請求項8記載の発明は、請求項5記載の発明において、前記複数台の画像形成装置のうちの何れか1つの画像形成装置から取り外された感光体に対して消耗量が計測され、前記感光体の消耗量の計測結果を表す消耗量データが入力手段を介して入力される毎に、入力された消耗量データを、前記画像形成装置から感光体が取り外された時点で前記取得手段によって取得された前記所定の稼働パラメータの値と対応付けて前記記憶手段に記憶させると共に、前記記憶手段に記憶された複数の消耗量データ及び個々の消耗量データに対応する前記所定の稼働パラメータの値から感光体の消耗量を推定する推定演算式を導出し、導出した推定演算式を前記記憶手段に記憶させる導出手段を更に備えたことを特徴としている。
請求項9記載の発明は、請求項8記載の発明において、前記導出手段は、前記複数の消耗量データ及び前記個々の消耗量データに対応する所定の稼働パラメータの値に基づいて、前記所定の稼働パラメータの値を説明変数、前記消耗量データが表す感光体の消耗量を目的変数とする重回帰分析を行うことで前記推定演算式を導出することを特徴としている。
請求項10記載の発明に係る消耗量推定方法は、複数種の画像形成速度で画像形成が可能な画像形成装置に装着されている感光体が前記画像形成装置から取り外されて消耗量が計測されることで得られた、前記感光体の消耗量の計測結果、及び、前記画像形成装置から前記感光体が取り外された時点での、前記画像形成装置における前記複数種の画像形成速度のうちの少なくとも1つの画像形成速度での形成画像数及び複数種のセットアップ処理の実行回数を含む所定の稼働パラメータの値に基づいて、前記所定の稼働パラメータの値から感光体の消耗量を推定する推定演算式を導出し、導出した推定演算式をコンピュータの記憶手段に記憶させておき、前記コンピュータにより、前記画像形成装置における前記所定の稼働パラメータの値を取得させ、前記取得させた前記所定の稼働パラメータの値を前記記憶手段に記憶されている前記推定演算式に代入して演算することで、前記感光体の消耗量を推定させる。
請求項11記載の発明消耗品管理プログラムは、複数種の画像形成速度で画像形成が可能な画像形成装置における、複数種の画像形成速度のうちの少なくとも1つの画像形成速度での形成画像数及び複数種のセットアップ処理の実行回数を含む所定の稼働パラメータの値から、前記画像形成装置に装着されている感光体の消耗量を推定するための推定演算式を記憶する記憶手段を備えたコンピュータを、前記画像形成装置における前記所定の稼働パラメータの値を取得する取得手段、及び、前記取得手段によって取得された前記所定の稼働パラメータの値を前記記憶手段に記憶されている前記推定演算式に代入して演算することで、前記感光体の消耗量を推定する推定手段として機能させる。
請求項1,10,11記載の発明は、感光体の消耗量の推定に用いる稼働パラメータとして、少なくとも1つの画像形成速度での形成画像数及び複数種のセットアップ処理の実行回数を用いない場合よりも、画像形成装置の感光体の消耗量の推定精度を向上させることができる、という優れた効果を有する。
また、請求項2記載の発明は、感光体の消耗量の推定に用いる稼働パラメータとしてのセットアップ処理の実行回数を、各種のセットアップ処理毎に分けない場合よりも、画像形成装置の感光体の消耗量の推定精度を向上させることができる、という効果を有する。
また、請求項3記載の発明は、感光体の消耗量の推定に用いる稼働パラメータに、画像形成装置における総サイクル数、AC帯電時のサイクル数又は画像形成開始時の感光体のサイクルアップ回数の少なくとも1つを含めない場合よりも、画像形成装置の感光体の消耗量の推定精度を向上させることができる、という効果を有する。
また、請求項4記載の発明は、感光体の消耗量が所定値に達する時期を利用者に認識させることができる、という効果を有する。
また、請求項5記載の発明は、複数台の画像形成装置の各々の構成を簡略化することができる、という効果を有する。
また、請求項6記載の発明は、画像形成装置の各機種に共通の推定演算式を用いる場合よりも、画像形成装置の感光体の消耗量の推定精度を向上させることができる、という効果を有する。
また、請求項7記載の発明は、画像形成装置が稼働を開始してからの期間に拘わらず共通の推定演算式を用いる場合よりも、画像形成装置の感光体の消耗量の推定精度を向上させることができる、という効果を有する。
また、請求項8記載の発明は、一定の推定演算式を継続して用いる場合よりも、画像形成装置の感光体の消耗量の推定精度を向上させることができる、という効果を有する。
また、請求項9記載の発明は、重回帰分析を行わない場合よりも、消耗量データ及び所定の稼働パラメータの値から感光体の消耗量を精度良く推定できる推定演算式を得ることができる、という効果を有する。
以下、図面を参照して本発明の実施形態の一例を詳細に説明する。なお、以下の実施形態では本発明に支障の無い数値を用いて説明しているが、本発明は以下の実施形態に記載した数値に限定されるものではない。
図1には本実施形態に係る画像形成装置管理システム86が示されている。この画像形成装置管理システム86は、管理サーバ90が接続されたネットワーク88に、複数台のカラー画像形成装置10が各々接続されて構成されている。なお、ネットワーク88としてはインターネットが好適であるが、他のネットワークであってもよく、例えばネットワーク88に接続されている複数台のカラー画像形成装置10が同一のLAN内に設けられている場合、ネットワーク88としては前記LANを適用してもよい。また、ネットワーク88に接続されている複数台のカラー画像形成装置10は、機種及び稼働期間(稼働を開始してからの経過期間)が不定とされ、複数台のカラー画像形成装置10の中には機種及び稼働期間の少なくとも一方が異なる画像形成装置が混在している。
以下、図2を参照してカラー画像形成装置10の典型的な構成を説明する。カラー画像形成装置10は、プラテンガラス14上の所定位置に載置された原稿16を露光走査し、読取センサ13によって原稿16の画像R,G,B各色成分に分解して読み取ってR,G,Bの画像信号を出力する原稿読取装置12と、原稿読取装置12が原稿16の画像を読み取ることで得られた画像信号に基づいて、用紙50上にフルカラーの画像を形成する画像形成装置18を備えている。原稿読取装置12(の読取センサ13)は、画像形成装置18の画像蓄積部82、制御部80に順に接続されている。
画像蓄積部82は、読取センサ13による読み取りによって得られたR,G,Bの画像信号を、Y,M,C,Kの各色材色毎の多値の画像データ(個々の画素のY,M,C,Kの各色材色毎の濃度を各々複数ビット(例えば8ビット)の多値データで表す画像データ)に変換して蓄積する。また制御部80は、図1に示すように、CPU80A、RAM等から成るメモリ80B、HDD(HardDiskDrive)やフラッシュメモリ等から成る不揮発性の記憶部80Cを含んで構成され、カラー画像形成装置10における処理全般を制御する。制御部80の記憶部80Cには、後述する稼働情報・収集通知処理を行うための稼働情報・収集通知プログラムが予め記憶されている。また、カラー画像形成装置10の上面には、LCD等から成り各種の情報を表示するためのディスプレイ及び各種の情報を入力可能なキーボードを含んで構成された表示操作部84が設けられており、表示操作部84は制御部80と接続されている(図示省略)。また、制御部80はネットワークI/F(インタフェース)部70を介してネットワーク88に接続されている。
また、画像形成装置18は駆動ローラ32、34、36、38に巻き掛けられた無端の中間転写ベルト30を備えている。中間転写ベルト30はトナー像を静電転写するためにカーボンにより体積抵抗が調整された誘電体であり、図示しないモータの駆動力が伝達されて回転駆動される駆動ローラ32〜38によって所定方向(駆動ローラ32、38間では図1の矢印B方向)に周回搬送される。なお、駆動ローラ32〜38及びこれらの駆動ローラを回転駆動する図示しないモータは転写ベルト回転駆動部56(図1参照)を構成している。転写ベルト回転駆動部56は制御部80に接続されており、制御部80からの指示に従って中間転写ベルト30を周回搬送させる。
また、画像形成装置18には転写ベルト蛇行矯正部58が設けられている。この転写ベルト蛇行矯正部58は、中間転写ベルト30の周回搬送路上の一定位置で中間転写ベルト30の幅方向一端部の位置(エッジ位置)を検出するエッジ検出センサと、駆動源としてのモータと、このモータの駆動力によって駆動ローラ32〜38の何れか1つ(移動対象の駆動ローラ)を軸線方向に移動させる移動機構を含んで構成されている。転写ベルト蛇行矯正部58は制御部80に接続されており、エッジ検出センサによるエッジ位置の検出結果を制御部80へ出力すると共に、制御部80からの指示に従って移動対象の駆動ローラを軸線方向に移動させることで、中間転写ベルト30の蛇行を矯正する。
中間転写ベルト30の上側には、図2の矢印B方向に沿って、中間転写ベルト30上にY色のトナー像を形成する画像形成部20、中間転写ベルト30上にM色のトナー像を形成する画像形成部22、中間転写ベルト30上にC色のトナー像を形成する画像形成部24、中間転写ベルト30上にK色のトナー像を形成する画像形成部26、及び、中間転写ベルト30上に形成された調整用画像パターン(パッチ画像)を検出するためのパターン検出部28が順に設けられている。なおパターン検出部28は、発光素子及び受光素子を備え中間転写ベルト30上に形成された調整用画像パターンを光学的に検出するための検出ユニットが、中間転写ベルト30の幅方向(主走査方向)に沿った複数箇所(後述するレジずれ検出用パターン画像中の各パターンに対応する箇所)に各々配設されて構成されている。パターン検出部28は制御部80に接続されており(図1参照)、パターン検出部28による調整用画像パターンの検出結果は制御部80へ出力される。
画像形成部20は、略円筒状で中間転写ベルト30に外周面が接するように配置された感光体20Cを備えている。なお、感光体20Cはカラー画像形成装置10本体に対して着脱可能とされている。感光体20Cは感光体回転駆動部66(図1参照)によって軸線を中心に図2の矢印A方向へ回転される。感光体回転駆動部66は制御部80に接続されており、制御部80からの指示に従って感光体20Cを回転させる。感光体20Cの外周には、感光体20Cの外周面に接触する帯電ローラと、帯電ローラの表面を清掃する清掃機構(図示省略)を備え、帯電ローラを介して感光体20Cの外周面を所定の電位に帯電させる帯電部20Dが設けられている。帯電部20Dは制御部80に接続されており(図1参照)、制御部80からの指示に従い、帯電ローラを介して感光体20Cを帯電させると共に、帯電ローラの表面を清掃機構によって清掃させる。
図2の矢印A方向に沿って帯電部20Dよりも下流側には走査露光部20Aが設けられている。図示は省略するが、走査露光部20Aは光源としてのレーザダイオード(LD)、LDから射出されたレーザビームを平行光束とするコリメータレンズ、コリメータレンズで平行光束とされたレーザビームを所定方向に沿って偏向させるポリゴンミラー等の偏向手段、該偏向手段のレーザビーム射出側に配置されたfθレンズを備えており、fθレンズを透過したレーザビームは、ミラー20Hで反射されて感光体20Cの周面上に照射され、感光体20Cの軸線に平行な方向に沿って感光体20Cの周面上を走査(主走査)される。走査露光部20Aは制御部80に接続されており(図1参照)、制御部80から供給された色材色Yの印刷用画像データ(二値の画像データ)に応じて、LDから射出されるレーザビームを変調する。また、このとき制御部80は感光体回転駆動部66によって感光体20Cを回転させる。この感光体20Cの回転によって副走査が成され、感光体20Cの周面上の帯電された部分に色材色Yの画像の静電潜像が形成される。
また、感光体20Cの外周面へのレーザビーム照射位置よりも図2の矢印A方向に沿って下流側には、現像部20B、転写装置20F及びクリーニング装置20Eが順に設けられている。現像部20B及び当該現像部20Bと連結されたトナー供給部20Gは制御部80に各々接続されており、トナー供給部20Gは制御部80からの指示に従って現像部20BへY色のトナーを供給し、現像部20Bは制御部80からの指示に従って、走査露光部20Aにより形成された静電潜像をY色のトナーによって現像しY色のトナー像を形成させる。また、転写装置20Fは中間転写ベルト30を挟んで感光体20Cの外周面と対向するように配置されており、感光体20Cの外周面に形成されたY色のトナー像を中間転写ベルト30の外周面に転写する。また、クリーニング装置20Eは感光体20Cの外周面に常時接触しているクリーニングブレードを備え、トナー像転写後に感光体20Cの外周面に残存しているトナーはクリーニング装置20Eのクリーニングブレードによって除去される。
なお、図2より明らかなように、画像形成部22、24、26の構成は画像形成部20の構成と同一である(但し、形成するトナー像の色材色は互いに異なる)ので説明を省略する(図1では図面の錯綜を避けるため、画像形成部20の走査露光部20A、現像部20B、帯電部20D及びトナー供給部20Gのみが制御部80に接続されているが、実際には、画像形成部22〜26の走査露光部、現像部、帯電部及びトナー供給部も制御部80に各々接続されている)。画像形成部20、22、24、26は、各々が形成した各色のトナー像が中間転写ベルト30の外周面上で互いに重なり合うようにトナー像を転写させる。これにより、中間転写ベルト30の外周面上にフルカラーのトナー像が形成される。また、中間転写ベルト30の周回路に沿って、画像形成部20よりも中間転写ベルト30の周回方向上流側には、中間転写ベルト30のトナーの吸着性を良好にするために中間転写ベルト30の表面電位を所定電位に維持する吸着ローラ40、中間転写ベルト30からトナーを除去するクリーニング装置42、中間転写ベルト30上の予め定められた基準位置(例えば光反射率の高いシール等から成るマークが付されている)を検出する基準位置検出センサ44が順に設けられている。
また、駆動ローラ36の配設位置の近傍には、中間転写ベルト30を挟んで駆動ローラ36と対向配置された転写ローラ60と、転写ローラ60の表面を清掃する清掃機構(図示省略)を備えた二次転写部68(図1参照)が設けられている。一方、中間転写ベルト30配設位置の下方には、多数枚の用紙50を積層状態で収容するトレイ54が設けられている。トレイ54に収容されている用紙50は、引出しローラ52の回転に伴ってトレイ54から引出され、搬送ローラ対55、56、58によって転写位置(駆動ローラ36及び転写ローラ60が配設されている位置)へ搬送され、転写ローラ60と中間転写ベルト30とに挟持されることで、中間転写ベルト30の外周面上に形成されたフルカラーのトナー像が転写される。トナー像が転写された用紙50は、搬送ローラ対62により定着装置46へ搬送され、定着装置46によって定着処理が施された後、用紙トレイ64へ排出される。また、前述の二次転写部68は制御部80に接続されており、制御部80からの指示に従い、転写ローラ60の表面を清掃機構によって清掃させる。
なお、図2に示すカラー画像形成装置10の構成は、Y,M,C,K各色毎に画像形成部(感光体)が設けられた所謂タンデム型の構成であるが、この構成に限定されるものではなく、例えば、単一の感光体上にY,M,C,K各色のトナー像を順次形成すると共に、形成した各色のトナー像を単一の中間転写ベルト上で順次重ね合わせることで、フルカラー画像を形成する構成であってもよい。
一方、管理サーバ90はサーバ・コンピュータ等から成り、CPU90A、メモリ90B、HDDやフラッシュメモリ等から成る不揮発性の記憶部90C、ネットワークI/F部90Dを備え、ネットワークI/F部90Dを介してネットワーク88に接続されている。また管理サーバ90には、LCDやCRT等から成るディスプレイ92と、キーボード94及びマウス96が各々接続されている。管理サーバ90の記憶部90Cには、後述する膜厚データ及び稼働情報を記憶するための膜厚・稼働情報DB(データベース)と、カラー画像形成装置10に装着されている感光体の消耗量を推定演算するための推定演算式が登録された演算式テーブルが各々記憶されており、更に、後述する寿命管理処理を実行するための寿命管理プログラム及び演算式導出プログラムが各々インストールされている。
管理サーバ90は、CPU90Aが寿命管理プログラム(及び演算式導出プログラム)を実行することで、本発明に係る消耗品管理装置(詳しくは請求項5に記載の消耗品管理装置)として機能する。このように、寿命管理プログラム(及び演算式導出プログラム)は本発明に係る消耗品管理プログラムに対応している。また、演算式テーブルを記憶する記憶部90Cは本発明に係る記憶手段に対応している。
次に本実施形態の作用として、まず、ネットワーク88に接続された個々のカラー画像形成装置10の制御部80において、CPU80Aによって稼働情報収集・通知プログラムが実行されることで各々行われる稼働情報収集・通知処理について説明する。本実施形態では、個々のカラー画像形成装置10に装着されている感光体の消耗量(感光体の最外周に形成されている感光層の膜厚の減少量)が管理サーバ90によって各々推定演算されるが、この感光体の消耗量の推定演算に用いる稼働情報(稼働パラメータ)として、各種の稼働情報の中から、「AC帯電時サイクル数」「サイクルアップ回数」「モノクロ208速時印刷数」「モノクロ165速時印刷数」「モノクロ104速時印刷数」「カラー165速時印刷数」「ベルトセットアップ回数」「モノクロ画像セットアップ回数」「カラー画像セットアップ回数」「清掃部材セットアップ回数」及び「転写ローラセットアップ回数」の合計11種類の稼働情報が予め選択されている。
制御部80の記憶部80Cに記憶されている稼働情報テーブルには、上記11種類の稼働情報を記憶するための記憶領域が各々設けられており、稼働情報収集・通知処理では、カラー画像形成装置10の稼働中、上記11種類の稼働情報のうちの何れかを更新すべき事象の発生を監視し、該当する事象が発生する毎に、稼働情報テーブルに記憶している11種類の稼働情報のうち発生した事項に対応する稼働情報を更新する。なお、稼働情報テーブルは、より詳しくは、11種類の稼働情報のうち「ベルトセットアップ回数」及び「転写ローラセットアップ回数」以外の8種類の稼働情報については、個々の画像形成部(の感光体)毎に記憶領域が設けられている。
稼働情報収集・通知処理による稼働情報の更新は、例えば以下のようにして行われる。すなわち、「AC帯電時サイクル数」は帯電部が帯電ローラを介して感光体にAC電圧を印加することで感光体の外周面を所定の電位に帯電させている期間における感光体の回転数を表しており、稼働情報収集・通知処理では、特定の画像形成部において、帯電部によって感光体の帯電が行われることを検知する毎に、帯電部によって感光体の帯電が行われている期間中の感光体の回転数を計数し、稼働情報テーブルに記憶されている特定の画像形成部の「AC帯電時サイクル数」に計数した回転数を加算することで、特定の画像形成部の「AC帯電時サイクル数」を更新する。
また「サイクルアップ回数」はサイクルアップ(待機状態から画像形成処理を開始する前に感光体を所定回回転させると共に画像形成のための準備を行う処理)が実行された回数を表しており、稼働情報収集・通知処理では、待機状態から特定の画像形成部で画像形成処理が開始されること、すなわち特定の画像形成部におけるサイクルアップの実行を検知する毎に、稼働情報テーブルに記憶されている特定の画像形成部の「サイクルアップ回数」を1だけインクリメントすることで、特定の画像形成部の「サイクルアップ回数」を更新する。
また本実施形態に係るカラー画像形成装置10は、モノクロ画像及びカラー画像を各々複数種の画像形成速度(プロセス速度)で形成可能とされており、一例として、モノクロ画像の画像形成速度は208mm/秒、165mm/秒、104mm/秒、52mm/秒の4種類の速度の中から選択され、カラー画像の画像形成速度は165mm/秒、104mm/秒、52mm/秒の3種類の速度の中から選択される。前述の「モノクロ208速時印刷数」は208mm/秒の画像形成速度で形成されたモノクロ画像の数、「モノクロ165速時印刷数」は165mm/秒の画像形成速度で形成されたモノクロ画像の数、「モノクロ104速時印刷数」は104mm/秒の画像形成速度で形成されたモノクロ画像の数、「カラー165速時印刷数」は165mm/秒の画像形成速度で形成されたカラー画像の数を各々表している。稼働情報収集・通知処理では、所定の画像形成速度でモノクロ画像又はカラー画像の形成が行われることを検知する毎に、形成された画像数を計数し、稼働情報テーブルに記憶されている、画像形成を行った画像形成部(形成画像がモノクロであればK色のトナー像を形成する画像形成部のみ、形成画像がカラーであれば全ての画像形成部)の「モノクロ208速時印刷数」「モノクロ165速時印刷数」「モノクロ104速時印刷数」「カラー165速時印刷数」のうちの対応する印刷数に計数した画像数を加算することで前記対応する印刷数を更新する。
また、本実施形態に係るカラー画像形成装置10の制御部80は、転写ベルト回転駆動部56によって中間転写ベルト30の回転駆動を開始させる際に、転写ベルト蛇行矯正部58のエッジ検出センサによって過去に検出された中間転写ベルト30のエッジ位置に基づき、転写ベルト蛇行矯正部58のモータを駆動して移動対象の駆動ローラを軸線方向に移動させる(例えば移動対象の駆動ローラを移動範囲内の左端迄一旦移動させた後に逆方向に移動させ、移動範囲内の右端から所定距離の位置で停止させる等)ことで、中間転写ベルト30の蛇行を矯正させる処理を行うと共に、エッジ検出センサによって中間転写ベルト30のエッジ位置を定期的に検出させる。そして、エッジ検出センサによって中間転写ベルト30のエッジ位置が検出される際には感光体も回転駆動される。「ベルトセットアップ回数」はエッジ検出センサによって中間転写ベルト30のエッジ位置が検出された回数を表しており、稼働情報収集・通知処理では、エッジ検出センサによって中間転写ベルト30のエッジ位置の検出が行われることを検知する毎に、稼働情報テーブルに記憶されている「ベルトセットアップ回数」を1だけインクリメントすることで「ベルトセットアップ回数」を更新する。
また本実施形態に係るカラー画像形成装置10の制御部80は、K色の調整用画像パターン(パッチ画像)を形成させて中間転写ベルト30に転写させ、中間転写ベルト30上のK色の調整用画像パターンの濃度をパターン検出部28によって検出させ、検出結果に基づいてモノクロ画像形成時の濃度を調整するモノクロ画像セットアップ処理を定期的に行う。「モノクロ画像セットアップ回数」は上記のモノクロ画像セットアップ処理が実行された回数を表しており、稼働情報収集・通知処理では、モノクロ画像セットアップ処理が実行されることを検知する毎に、稼働情報テーブルに記憶されているK色のトナー像を形成する画像形成部の「モノクロ画像セットアップ回数」を1だけインクリメントすることで、当該画像形成部の「モノクロ画像セットアップ回数」を更新する。
また本実施形態に係るカラー画像形成装置10の制御部80は、Y,M,C,K各色の調整用画像パターン(パッチ画像)を各々形成させて中間転写ベルト30に各々転写させ、中間転写ベルト30上の各色の調整用画像パターンの濃度及び形成位置のずれをパターン検出部28によって検出させ、検出結果に基づいてカラー画像形成時の濃度及び各色のトナー像の形成位置を調整するカラー画像セットアップ処理を定期的に行う。「カラー画像セットアップ回数」は上記のカラー画像セットアップ処理が実行された回数を表しており、稼働情報収集・通知処理では、カラー画像セットアップ処理が実行されることを検知する毎に、稼働情報テーブルに記憶されている個々の画像形成部の「カラー画像セットアップ回数」を各々1だけインクリメントすることで、個々の画像形成部の「カラー画像セットアップ回数」を更新する。
また本実施形態に係るカラー画像形成装置10の制御部80は、感光体20Cの外周面に常時接触しているクリーニング装置20Eのクリーニングブレードの変形(めり込み)を防止するために、感光体の外周面に、感光体の軸線を長手方向とする帯状にトナーを付着させるクリーニングブレード変形防止処理を定期的に行う。「清掃部材セットアップ回数」は上記のクリーニングブレード変形防止処理が実行された回数を表しており、稼働情報収集・通知処理では、特定の画像形成部でクリーニングブレード変形防止処理が実行されることを検知する毎に、稼働情報テーブルに記憶されている特定の画像形成部の「清掃部材セットアップ回数」を1だけインクリメントすることで、特定の画像形成部の「清掃部材セットアップ回数」を更新する。
また、本実施形態に係るカラー画像形成装置10の制御部80は、二次転写部68は清掃機構によって転写ローラ60の表面を清掃させる転写ローラ清掃処理を定期的に行う。「転写ローラセットアップ回数」は上記の転写ローラ清掃処理が実行された回数を表しており、稼働情報収集・通知処理では、転写ローラ清掃処理が実行されることを検知する毎に、稼働情報テーブルに記憶されている「転写ローラセットアップ回数」を1だけインクリメントすることで、「転写ローラセットアップ回数」を更新する。
また、稼働情報収集・通知処理は、カラー画像形成装置10の画像形成部20〜26の何れかに装着されている感光体が交換されたことを検知する毎に、稼働情報テーブルのうち、感光体が交換された画像形成部に対応する稼働情報を全て0にリセットする。これにより、稼働情報テーブルには、個々の画像形成部で最後に感光体が交換されてから現在迄の個々の画像形成部の(感光体の)稼働状態を表す稼働情報が保持されることになる。また稼働情報収集・通知処理では、稼働情報テーブルに保持されている稼働情報を定期的に全て読み出し、ネットワーク88経由で管理サーバ90へ送信する。稼働情報の送信タイミングは、毎日の電源投入時であってもよいし、電源切断時であってもよいし、電源オン状態の継続時間が一定値に達する毎でもよいし、稼働情報を前回送信してからの感光体の回転数が所定値に達する毎であってもよい。なお、この稼働情報の送信時には、ネットワーク88に接続された個々の画像形成装置10を識別するための装置IDも同時に送信される。また稼働情報収集・通知処理では、何れかの画像形成部の感光体が交換されたことを検知する毎に、感光体が交換されたことを表す情報を、感光体が交換された画像形成部を識別する情報と共に管理サーバ90へ送信する処理も行う。
管理サーバ90では、ネットワーク88に接続された何れかのカラー画像形成装置10から稼働情報を受信すると、CPU90Aによって寿命管理プログラムが実行されることで、図3に示す寿命管理処理を行う。この寿命管理処理では、まずステップ100で稼働情報を送信したカラー画像形成装置10の機種を認識し、次のステップ102において、稼働情報を送信したカラー画像形成装置10の稼働期間(稼働日数)を演算する。本実施形態では、管理サーバ90の記憶部90Cに、ネットワーク88に接続された個々のカラー画像形成装置10の機種及び稼働開始日付が、個々の個々のカラー画像形成装置10の装置IDを対応付けて予め各々記憶されており、ステップ100の処理は、カラー画像形成装置10から稼働情報と共に受信した装置IDと対応付けて記憶されている機種を記憶部90Cから読み出すことによって成され、ステップ102の処理は、前記装置IDと対応付けて記憶されている稼働開始日付を記憶部90Cから読み出し、読み出した稼働開始日付から現在の日付迄の経過日数を演算することによって成される。
次のステップ104では、カラー画像形成装置10から受信した稼働情報を、当該稼働情報と共に受信した装置ID、前記稼働情報を受信した日付(現在の日付)、ステップ100で認識した機種、ステップ102で演算した稼働期間と対応付け、記憶部90Cに記憶されている膜厚・稼働情報DBのうち、受信した稼働情報等を蓄積記憶するための稼働情報蓄積領域に登録する。なお、膜厚・稼働情報DBには、上記の稼働情報蓄積領域以外に、推定演算式の導出に用いる情報を蓄積記憶するための演算対象情報蓄積領域(後述)も設けられている。また、本実施形態において、管理サーバ90の記憶部90Cに記憶されている演算式テーブルには、稼働情報から感光体の膜厚を推定演算するための推定演算式が、カラー画像形成装置10の機種毎、及び、カラー画像形成装置10の稼働期間を複数種の期間に分けたときの各期間毎に各々予め導出されて登録されており(推定演算式の導出方法については後述)、ステップ106では、演算式テーブルに複数登録されている推定演算式のうち、ステップ100で認識した稼働情報送信元のカラー画像形成装置10の機種及びステップ102で演算した稼働情報送信元のカラー画像形成装置10の稼働期間に対応する推定演算式を演算式テーブルから読み出す。
なお、演算式テーブルに登録されている個々の推定演算式は、次の(1)式の重回帰式で表される。
膜厚=α1×AC帯電時サイクル数+α2×サイクルアップ回数+α3×モノクロ208速時印刷数+α4×モノクロ165速時印刷数+α5×モノクロ104速時印刷数+α6×カラー165速時印刷数+α7×ベルトセットアップ回数+α8×モノクロ画像セットアップ回数+α9×カラー画像セットアップ回数+α10×清掃部材セットアップ回数+α11×転写ローラセットアップ回数+β …(1)
但し、α1〜α11は回帰係数、βは定数である。演算式テーブルに登録されている機種毎及び稼働期間毎の推定演算式は、回帰係数α1〜α11及び定数βが互いに相違している。
次のステップ108では、カラー画像形成装置10より受信した稼働情報の中から、稼働情報送信元のカラー画像形成装置10における特定の画像形成部の感光体に対応する稼働情報を抽出する。これにより、特定の画像形成部の感光体に対応する稼働情報として、前述の11種類の稼働情報が抽出される。そしてステップ110では、抽出した稼働情報をステップ106で読み出した推定演算式(前出の(1)式)に代入して演算することで、特定の画像形成部の感光体の現在の膜厚を推定し、推定した現在の膜厚を未使用状態での感光体の膜厚を表す値から減ずることで、特定の画像形成部の感光体の現在の消耗量(摩耗量又は膜厚減少量ともいう)を推定する。
先の(1)式からも明らかなように、上記の推定演算式は、稼働パラメータとして、複数種の画像形成速度のうちの少なくとも1つの画像形成速度での形成画像数(「モノクロ208速時印刷数」「モノクロ165速時印刷数」「モノクロ104速時印刷数」及び「カラー165速時印刷数」)と、複数種のセットアップ処理の実行回数(「ベルトセットアップ回数」「モノクロ画像セットアップ回数」「カラー画像セットアップ回数」「清掃部材セットアップ回数」及び「転写ローラセットアップ回数」)を用い、更に、AC帯電時のサイクル数(「AC帯電時サイクル数」)及び画像形成開始時の感光体のサイクルアップ回数(「サイクルアップ回数」)を加え、これらの稼働パラメータの値から感光体の膜厚を推定演算する演算式であるので、従来のように感光体の総回転数から感光体の膜厚を推定する等の場合と比較して、感光体の膜厚を精度良く推定することができる。
次のステップ112では、ステップ110で推定した特定の画像形成部の感光体の現在の消耗量及び特定の画像形成部の感光体を前回交換してからの経過期間に基づき、特定の画像形成部の感光体の交換要請を出力する交換要請日時を決定する。交換要請日時の決定は、例えば図4にも示すように、感光体の消耗量を予め複数のレベル(L0,L1,L2,…,Lmax-1,Lmax)に分けておくと共に、感光体の寿命が尽きる最終レベルLmaxの1つ前のレベルLmax-1を、交換要請を出力する基準レベルとして設定しておき、特定の画像形成部の感光体の現在の消耗量を、前記感光体を前回交換してからの経過期間で除算することで、前記感光体を前回交換してからの前記感光体の消耗速度を求め、今後も同一の消耗速度で前記感光体の消耗量が増大すると仮定して、前記感光体の消耗量が前記基準レベルに達する日時を推定することで行うことができる。
次のステップ114では、稼働情報送信元のカラー画像形成装置10に設けられている画像形成部の中に、感光体の交換要請日時を未決定の画像形成部が存在しているか否か判定する。判定が肯定された場合はステップ108に戻り、ステップ114の判定が否定される迄、ステップ108〜ステップ114を繰り返す。これにより、稼働情報送信元のカラー画像形成装置10に設けられている全ての画像形成部に対し、感光体の交換要請日時が各々決定されることになる。全ての画像形成部に対して感光体の交換要請日時が各々決定されると、ステップ114の判定が否定されてステップ116へ移行し、上記処理で決定した各画像形成部の感光体の交換要請日時を稼働情報送信元のカラー画像形成装置10へ通知し、寿命管理処理を終了する。
また、上記の寿命管理処理で決定された感光体の交換要請日時は管理サーバ90の記憶部90Cにも記憶される。上記の寿命管理処理は、ネットワーク88に接続された個々のカラー画像形成装置10から稼働情報を受信する毎に実行されるので、管理サーバ90の記憶部90Cには、ネットワーク88に接続された全てのカラー画像形成装置10に装着されている全ての感光体の交換要請日時が各々記憶されることになる。また、記憶部90Cに記憶されている交換要請日時は、サービスエンジニアがキーボード94やマウス96を操作して交換要請日時の表示を指示すると、当該指示に従い記憶部90Cから読み出されてディスプレイ92に表示される。
サービスエンジニアはディスプレイ92に表示された全てのカラー画像形成装置10の全ての感光体の交換要請日時を参照し、近日中に交換要請日時が到来する感光体の数を把握することで、感光体の交換品を計画的に発注することが可能となる。またサービスエンジニアは、ディスプレイ92に表示された情報を参照し、近日中に感光体の交換要請日時が到来するカラー画像形成装置10の設置箇所を把握することで、カラー画像形成装置10が設置されている箇所へ出向いて感光体を交換する交換作業を、互いに異なる箇所に設置された複数台のカラー画像形成装置10に対して各々行う場合に、各箇所を効率良く巡回できるように作業計画を立てることも可能となる。
一方、カラー画像形成装置10では、感光体の交換要請日時を各画像形成部毎に制御部80の記憶部80Cに記憶しており、制御部80は、記憶部80Cに記憶されている各画像形成部毎の交換要請日時が到来したか否かを監視し、何れかの画像形成部の感光体の交換要請日時が到来したと判定する毎に、消耗品の交換を要請するメッセージを表示操作部84のディスプレイに表示させたり、ブザーを鳴動させる等により、ユーザやサービスエンジニアに対して消耗品の交換を要請する交換要請出力処理を行うが、カラー画像形成装置10の制御部80は、管理サーバ90へ稼働情報を送信し、管理サーバ90で前述の寿命管理処理が行われた後に、管理サーバ90から感光体の交換要請日時を新たに受信すると、受信した交換要請日時を、記憶部90Cに既に記憶されている交換要請日時に上書きして記憶させる。これにより、上記の交換要請出力処理をより適切なタイミングで行うことが可能となる。
ところで、交換要請日時が到来し、サービスエンジニアによって前述の交換作業が行われることでカラー画像形成装置10から取り外された感光体は、サービスエンジニアを経由して回収されるが、本実施形態では、回収された感光体(のユニット)に対し、感光体のユニットを分解して感光体を露出させ、当該感光体の膜厚を実際に測定し、その測定結果をキーボード94を介して管理サーバ90に入力する作業が行われる。なお、感光体の膜厚の測定結果(膜厚データ)が入力される際には、当該感光体が装着されていたカラー画像形成装置10の装置ID及び交換日付も同時に入力される。
管理サーバ90では、上記のように、感光体の膜厚の測定結果(膜厚データ)が装置IDや交換日付と共に入力されると、CPU90Aによって演算式導出プログラムが実行されることで、図5に示す演算式導出処理を行う。演算式導出処理では、まずステップ120において、膜厚データと同時に入力された装置ID及び交換日付をキーとして、膜厚・稼働情報DBの稼働情報蓄積領域を検索することで、入力された膜厚データに対応する稼働情報(感光体が交換された日付と同一日付におけるカラー画像形成装置の対応する画像形成部の(感光体の)稼働状態を表す稼働情報)を膜厚・稼働情報DBの稼働情報蓄積領域から抽出する。
次のステップ122では、入力された膜厚データをステップ120で抽出した稼働情報等と対応付けて、カラー画像形成装置10の機種及び稼働期間毎に膜厚・稼働情報DBに設けられた演算対象情報蓄積領域のうち、感光体の交換作業が行われたカラー画像形成装置10の機種及び稼働期間に対応する演算対象情報蓄積領域に記憶させる。このように、管理サーバ90に膜厚データが入力される毎に、入力された膜厚データ及び対応する稼働情報等が、カラー画像形成装置10の機種及び稼働期間毎に分けて膜厚・稼働情報DBの演算対象情報蓄積領域に記憶されることになる。
次のステップ124では、ステップ122で膜厚データ及び稼働情報等を記憶させた演算対象情報蓄積領域(感光体の交換作業が行われたカラー画像形成装置10の機種及び稼働期間に対応する演算対象情報蓄積領域)に記憶されている情報(膜厚データ及び対応する稼働情報等から成る一組の情報)の数が所定値以上か否か判定する。ステップ124の判定が否定された場合は処理を終了する。また、ステップ122で膜厚データ及び稼働情報等を記憶させたことに伴い、感光体の交換作業が行われたカラー画像形成装置10の機種及び稼働期間に対応する演算対象情報蓄積領域に記憶されている情報の数が所定値に達した場合は、ステップ124の判定が肯定されてステップ126へ移行し、演算対象情報蓄積領域に記憶されている情報のうち、所定数の膜厚データを目的変数とし、所定数の稼働情報の各パラメータを説明変数として重回帰分析を行い、感光体の膜厚を推定する前出の(1)式の推定演算式(における回帰係数α1〜α11及び定数β)を導出する。
ステップ128では、ステップ126で導出した推定演算式を、演算式テーブルのうち感光体の交換作業が行われたカラー画像形成装置10の機種及び稼働期間に対応する領域に記憶されている推定演算式に上書きして記憶させる。そしてステップ130では、感光体の交換作業が行われたカラー画像形成装置10の機種及び稼働期間に対応する演算対象情報蓄積領域に記憶されている情報(膜厚データ及び稼働情報)を消去し、演算式導出処理を終了する。
管理サーバ90に膜厚データが入力される毎に上記の演算式導出処理が行われることで、演算式テーブルに記憶されている機種及び稼働期間毎の推定演算式は、最新の情報(膜厚データ及び稼働情報)に基づいて各々定期的に更新されることになり、例えば感光体の交換品の若干の仕様変更等により、画像形成装置の稼働状態に応じた感光体の消耗の程度が変化した等の場合にも、推定演算式による感光体の膜厚の推定精度を一定以上の水準に維持させることができる。なお、上記の演算式導出処理において、ステップ130における情報の消去を省略し、過去に入力された膜厚データ及び対応する稼働情報を全て用いて推定演算式を導出するようにしてもよい。
なお、上記では本発明に係る取得手段及び推定手段に相当する機能を管理サーバ90に設け、感光体の消耗量の推定や交換要請日時の決定を管理サーバ90で行う態様を説明したが、本発明はこれに限定されるものではなく、取得手段及び推定手段に相当する機能を個々の画像形成装置に設け、感光体の消耗量の推定及び交換要請日時の決定を個々の画像形成装置で行うようにしてもよい。この場合、個々の画像形成装置は必ずしもネットワークを介して管理サーバに接続されていなくてもよい。本発明はこの態様も権利範囲に含むものである。但し、個々の画像形成装置における感光体交換の頻度は画像形成装置の稼働率にも依存するが平均して1年に数回程度であり、推定演算式の導出に用いる膜厚データが入力される頻度が非常に低くなるので、推定演算式の導出については管理サーバやそれに類する装置で行うことが望ましい。
また、本発明において、感光体の膜厚の推定演算に用いる稼働情報は(1)式に示した11種類の稼働情報に限られるものではなく、例えば「AC帯電時サイクル数」及び「サイクルアップ回数」の少なくとも一方に代えて「総サイクル数」を用いてもよいし、「モノクロ208速時印刷数」「モノクロ165速時印刷数」「モノクロ104速時印刷数」及び「カラー165速時印刷数」の少なくとも1つに代えて、他の画像形成速度での形成画像数を表す稼働情報(例えば後述する「モノクロ52速時印刷数」「カラー104速時印刷数」及び「カラー52速時印刷数」の少なくとも1つ)を用いてもよいし、「ベルトセットアップ回数」「モノクロ画像セットアップ回数」「カラー画像セットアップ回数」「清掃部材セットアップ回数」及び「転写ローラセットアップ回数」の少なくとも1つに代えて他のセットアップ回数(例えば後述する「トナーセットアップ回数」及び「帯電ローラセットアップ回数」の少なくとも一方)を用いてもよいし、感光体の膜厚の推定演算に用いる稼働情報として、後述する「連続印刷頁数分布1頁」「連続印刷頁数分布2〜3頁」「連続印刷頁数分布4〜5頁」「連続印刷頁数分布6〜15頁」及び「連続印刷頁数分布16頁〜」の少なくとも1つを更に加えてもよい。
また、上記では感光体の膜厚の推定演算に用いる(推定演算式における説明変数として用いる)稼働情報の種類が予め設定されている態様を説明したが、これに限定されるものではなく、膜厚の推定演算に用いる(推定演算式における説明変数として用いる)稼働情報の種類が互いに異なる複数の推定演算式を用意しておき、取得した稼働情報に応じて複数の推定演算式の中から適当な推定演算式を選択的に用いて感光体の膜厚を推定するようにしてもよい。例えば後述する実験結果によれば、各種の画像形成速度で形成されたカラー画像の数を表す「カラー165速時印刷数」「カラー104速時印刷数」「カラー52速時印刷数」は相関係数が高いので、形成されたカラー画像の数を表す稼働情報として、「カラー165速時印刷数」「カラー104速時印刷数」「カラー52速時印刷数」のうちの互いに異なる情報を説明変数として用いた推定演算式を各々導出しておき、取得した稼働情報における「カラー165速時印刷数」「カラー104速時印刷数」「カラー52速時印刷数」を比較し、感光体の膜厚の推定を行う画像形成装置において、カラー画像の形成時に多用されている画像形成速度に対応する稼働情報(例えば値が最大の稼働情報等)を説明変数として用いている推定演算式を複数の推定演算式の中から選択し、選択した推定演算式を用いて感光体の膜厚の推定を行うようにしてもよい。
更に、上記では感光体の膜厚を推定するための推定演算式を画像形成装置の機種及び稼働期間毎に導出して用いる態様を説明したが、これに限定されるものではなく、画像形成装置の稼働状態に応じた感光体の消耗の程度が、機種又は稼働期間が相違しても大きな差異が無い等の場合には、推定演算式を機種毎に分けずに導出したり、推定演算式を稼働期間毎に分けずに導出するようにしてもよい。
また、上記では本発明に係る画像形成装置としてカラー画像を形成可能な構成を例に説明したが、これに限定されるものではなく、モノクロ画像のみを形成可能な構成であってもよい。
また、上記では本発明に係る消耗品管理プログラムに対応する寿命管理プログラム(及び演算式導出プログラム)が管理サーバ90の記憶部90Cに予め記憶(インストール)されている態様を説明したが、本発明に係る消耗品管理プログラムは、CD−ROMやDVD−ROM等の記録媒体に記録されている形態で提供することも可能である。
次に、画像形成装置の各種の稼働情報(稼働パラメータ)の中から感光体の膜厚の推定演算に適した稼働パラメータを検討するために本願発明者が実施した実験について説明する。この実験では、まず、実際に動作している様々な状態にある多数台の画像形成装置から感光体ユニットをサンプルとして各々取り出し、取り出した感光体ユニットを分解して感光体を露出させ、当該感光体の膜厚(感光体摩耗量)を各々測定すると共に、個々の画像形成装置からの感光体ユニットの取り出し時に、個々の画像形成装置から各種の稼働パラメータを収集した。また、サンプルとしての感光体の数は、演算の関係上、稼働パラメータの種類数(当実験では23)よりも1つ以上多いことが必須であるが、当実験ではサンプルとしての感光体の数を稼働パラメータの種類数の10倍以上の数とした。
また当実験では、収集対象の稼働パラメータとして、「総サイクル数」「AC帯電時サイクル数」「サイクルアップ回数」「シャットダウン回数」「モノクロ208速時印刷数」「モノクロ165速時印刷数」「モノクロ104速時印刷数」「モノクロ52速時印刷数」「カラー165速時印刷数」「カラー104速時印刷数」「カラー52速時印刷数」「トナーセットアップ回数」「ベルトセットアップ回数」「モノクロ画像セットアップ回数」「カラー画像セットアップ回数」「清掃部材セットアップ回数」「転写ローラセットアップ回数」「帯電ローラセットアップ回数」「連続印刷頁数分布1頁」「連続印刷頁数分布2〜3頁」「連続印刷頁数分布4〜5頁」「連続印刷頁数分布6〜15頁」及び「連続印刷頁数分布16頁〜」の合計23種類の稼働パラメータを用いた。
このうち「総サイクル数」は感光体の総回転数を表し、「シャットダウン回数」はシャットダウン(画像形成処理終了後感光体を所定回回転させて待機状態へ移行する処理)が実行された回数を表し、「モノクロ52速時印刷数」は52mm/秒の画像形成速度で形成されたモノクロ画像の数、「カラー104速時印刷数」は104mm/秒の画像形成速度で形成されたカラー画像の数、「カラー52速時印刷数」は52mm/秒の画像形成速度で形成されたカラー画像の数を各々表している。また「トナーセットアップ回数」はトナーカートリッジの交換時に、新たに装填されたトナーカートリッジ内のトナーをトナー供給部が現像部へ送給するトナーセットアップ処理(このトナーセットアップ処理の実行中にも感光体は回転駆動される)が実行された回数を表し、「帯電ローラセットアップ回数」は制御部80からの指示に従い帯電部20Dの清掃機構が帯電ローラの表面を定期的に清掃する帯電ローラ清掃処理が実行された回数を表している。更に「連続印刷頁数分布1頁」は画像を1枚のみ形成した回数、「連続印刷頁数分布2〜3頁」は連続して2〜3枚の画像形成を行った回数、「連続印刷頁数分布4〜5頁」は連続して4〜5枚の画像形成を行った回数、「連続印刷頁数分布6〜15頁」は連続して6〜15枚の画像形成を行った回数、「連続印刷頁数分布16頁〜」は連続して16枚以上の画像形成を行った回数を各々表している。
続いて本願発明者は、収集した感光体摩耗量(膜厚)の測定結果及び23種類の稼働パラメータの値に基づき、目的変数としての感光体摩耗量(膜厚)を含めて、稼働パラメータの相関係数行列を計算によって求めた。結果を図6,7に示す。なお、この相関係数行列は対称行列になるので、図6,7では相関係数行列のうち対角線から下の部分のみ相関係数の値を示している。そして本願発明者は、得られた相関係数行列に基づき、感光体摩耗量(膜厚)の推定演算に適した稼働パラメータ(推定演算式における説明変数として好適な稼働パラメータ)の検討を行った。
23種類の稼働パラメータのうち、感光体摩耗量(膜厚)との相関係数の絶対値が比較的大きい(0.5以上)稼働パラメータについては図6にハッチングで示している。図6にハッチングで示している稼働パラメータは、感光体摩耗量(膜厚)との相関が比較的強いので、感光体摩耗量(膜厚)の推定演算に適した稼働パラメータの第1の候補となる。
また、推定演算式における説明変数として用いる複数の稼働パラメータの中に、稼働パラメータ同士の相関が強い稼働パラメータの対が含まれていると、予測誤差が大きくなる(回帰分析の計算で逆行列の計算が行われるがその逆行列の値の誤差が大きくなる)。このため、推定演算式における説明変数として用いる複数の稼働パラメータは、相互の相関が弱いことが望ましい。図6,7では、稼働パラメータ同士の相関を表す相関係数のうち、絶対値が比較的大きい(0.5以上)相関係数を網掛けで示している。例えば「モノクロ165速時印刷数」と「モノクロ208速時印刷数」の相関係数は-0.8542で絶対値が大きい。このため、推定演算式における説明変数として「モノクロ165速時印刷数」と「モノクロ208速時印刷数」を同時に用いることは、予測誤差の関係上望ましくない。このように、相互の相関が強い稼働パラメータの対は、一方が感光体摩耗量(膜厚)の推定演算から除外すべき稼働パラメータの候補となる。
但し、複数の説明変数の中に相互の相関が強い変数の対が含まれていたとしても、重回帰分析によって重回帰式を作成してみると決定係数等の値が良くなる場合もある。このため本願発明者は、重回帰分析を行い、予測誤差等に基づいて説明変数として用いた稼働パラメータの組み合わせを評価することを、前出の第1の候補としての複数の稼働パラメータをベースとして、説明変数として用いる稼働パラメータを少しずつ入れ替えながら試行錯誤的に繰り返した。その結果、感光体摩耗量(膜厚)を推定するための推定演算式における説明変数としては、先の(1)式で用いた11種類の稼働パラメータ(稼働情報)の組み合わせが最適であるとの結論に達した。
すなわち、図8には、(1)式を用いて算出した感光体の膜厚の推定値と、当該推定値と膜厚の実測値との残差の関係を示す。この残差は、絶対値が小さく、横軸上の位置(感光体の膜厚の大小)に拘わらず分布が一様であることが望ましい。図8からも明らかなように、サンプルとして用いた感光体の摩耗量の都合上、膜厚の推定値が2600〜2800(μm)の範囲内のデータが多いが、残差自体は膜厚の大小に拘わらずほぼ一様であり、残差=±50(μm)以内に全データの70%、±100(μm)以内に全データの95%が入っており、望ましい結果であると言える。
また、図9には、(1)式を用いて算出した感光体の膜厚の推定値と、膜厚の実測値との関係を示す。図9より明らかなように、データは全体的に傾き=1の直線上又はその近傍に分布しており、望ましい結果であると言える。また、当実験時において、前記11種類の稼働パラメータを説明変数として用いた(1)式の回帰係数を求める重回帰分析を行った際には、決定係数が約0.98と良好な値が得られた。以上の結果から、感光体摩耗量(膜厚)を推定するための推定演算式における説明変数として、先の11種類の稼働パラメータ(稼働情報)を用いれば、感光体摩耗量(膜厚)をより精度良く推定できる推定演算式が得られるとの知見が得られた。
本実施形態に係る画像形成装置管理システムの概略ブロック図である。 画像形成装置の概略構成図である。 管理サーバによって行われる寿命管理処理の内容を示すフローチャートである。 感光体の現在の消耗量の推定結果に基づく感光体の交換要請出力日時の決定を説明するための線図である。 演算式導出処理の内容を示すフローチャートである。 本願発明者が実施した実験の結果を示す線図である。 本願発明者が実施した実験の結果を示す線図である。 本願発明者が実施した実験における膜厚の推定値と実測値との残差の関係を示す線図である。 本願発明者が実施した実験における膜厚の推定値と実測値との関係を示す線図である。
符号の説明
10 カラー画像形成装置
20,22,24,26 画像形成部
20C,22C,24C,26C 感光体
80 制御部
86 画像形成装置管理システム
88 ネットワーク
90 管理サーバ
90C 記憶部

Claims (11)

  1. 複数種の画像形成速度で画像形成が可能な画像形成装置における、複数種の画像形成速度のうちの少なくとも1つの画像形成速度での形成画像数及び複数種のセットアップ処理の実行回数を含む所定の稼働パラメータの値から、前記画像形成装置に装着されている感光体の消耗量を推定するための推定演算式を記憶する記憶手段と、
    前記画像形成装置における前記所定の稼働パラメータの値を取得する取得手段と、
    前記取得手段によって取得された前記所定の稼働パラメータの値を前記記憶手段に記憶されている前記推定演算式に代入して演算することで、前記感光体の消耗量を推定する推定手段と、
    を含む消耗品管理装置。
  2. 前記所定の稼働パラメータに含まれる前記複数種のセットアップ処理の実行回数には、前記画像形成装置における色材の交換又は補給時に交換又は補給された色材を画像形成に使用可能に準備する色材セットアップ処理の実行回数、形成画像が一次転写される転写ベルトの歪みを検出し必要に応じて前記歪みを修正するベルトセットアップ処理の実行回数、パッチ画像を形成し当該パッチ画像の濃度又は形成位置の検出結果に応じて形成画像の濃度又は形成位置を調整する形成画像セットアップ処理の実行回数、前記感光体と常時接触している清掃部材の変形防止のために前記感光体に帯状に色材を付着させる清掃部材セットアップ処理の実行回数、前記転写ベルトに転写された形成画像をシート材に二次転写させる転写ローラを清掃する転写ローラセットアップ処理の実行回数、前記感光体を帯電させる帯電ローラを清掃する帯電ローラセットアップ処理の実行回数、のうちの2つ以上の回数が含まれていることを特徴とする請求項1記載の消耗品管理装置。
  3. 前記所定の稼働パラメータには、前記画像形成装置における総サイクル数、AC帯電時のサイクル数又は画像形成開始時の感光体のサイクルアップ回数の少なくとも1つも含まれていることを特徴とする請求項1記載の消耗品管理装置。
  4. 前記推定手段は、前記感光体の消耗量を推定した結果に基づいて、前記感光体の消耗量が所定値に達する時期を予測し、予測結果を出力することを特徴とする請求項1記載の消耗品管理装置。
  5. 前記消耗品管理装置は、複数台の画像形成装置と通信回線を介して接続されたコンピュータによって実現され、前記取得手段は、前記複数台の画像形成装置における前記所定の稼働パラメータの値を前記通信回線を介して各々取得し、前記推定手段は、前記感光体の消耗量の推定を、前記複数台の画像形成装置について各々行うことを特徴とする請求項1〜請求項4の何れか1項記載の消耗品管理装置。
  6. 前記記憶手段には、前記画像形成装置の機種毎に前記推定演算式が記憶されており、前記演算手段は、前記記憶手段に記憶されている推定演算式のうち、推定対象の画像形成装置の機種に対応する推定演算式を用いて前記感光体の消耗量を推定することを特徴とする請求項5記載の消耗品管理装置。
  7. 前記記憶手段には、画像形成装置が稼働を開始してからの期間を複数種の期間に分けたときの各期間毎に前記推定演算式が記憶されており、前記演算手段は、前記記憶手段に記憶されている推定演算式のうち、推定対象の画像形成装置における前記期間に対応する推定演算式を用いて前記感光体の消耗量を推定することを特徴とする請求項5記載の消耗品管理装置。
  8. 前記複数台の画像形成装置のうちの何れか1つの画像形成装置から取り外された感光体に対して消耗量が計測され、前記感光体の消耗量の計測結果を表す消耗量データが入力手段を介して入力される毎に、入力された消耗量データを、前記画像形成装置から感光体が取り外された時点で前記取得手段によって取得された前記所定の稼働パラメータの値と対応付けて前記記憶手段に記憶させると共に、前記記憶手段に記憶された複数の消耗量データ及び個々の消耗量データに対応する前記所定の稼働パラメータの値から感光体の消耗量を推定する推定演算式を導出し、導出した推定演算式を前記記憶手段に記憶させる導出手段を更に備えたことを特徴とする請求項5記載の消耗品管理装置。
  9. 前記導出手段は、前記複数の消耗量データ及び前記個々の消耗量データに対応する所定の稼働パラメータの値に基づいて、前記所定の稼働パラメータの値を説明変数、前記消耗量データが表す感光体の消耗量を目的変数とする重回帰分析を行うことで前記推定演算式を導出することを特徴とする請求項8記載の消耗品管理装置。
  10. 複数種の画像形成速度で画像形成が可能な画像形成装置に装着されている感光体が前記画像形成装置から取り外されて消耗量が計測されることで得られた、前記感光体の消耗量の計測結果、及び、前記画像形成装置から前記感光体が取り外された時点での、前記画像形成装置における前記複数種の画像形成速度のうちの少なくとも1つの画像形成速度での形成画像数及び複数種のセットアップ処理の実行回数を含む所定の稼働パラメータの値に基づいて、前記所定の稼働パラメータの値から感光体の消耗量を推定する推定演算式を導出し、
    導出した推定演算式をコンピュータの記憶手段に記憶させておき、
    前記コンピュータにより、
    前記画像形成装置における前記所定の稼働パラメータの値を取得させ、
    前記取得させた前記所定の稼働パラメータの値を前記記憶手段に記憶されている前記推定演算式に代入して演算することで、前記感光体の消耗量を推定させる消耗量推定方法。
  11. 複数種の画像形成速度で画像形成が可能な画像形成装置における、複数種の画像形成速度のうちの少なくとも1つの画像形成速度での形成画像数及び複数種のセットアップ処理の実行回数を含む所定の稼働パラメータの値から、前記画像形成装置に装着されている感光体の消耗量を推定するための推定演算式を記憶する記憶手段を備えたコンピュータを、
    前記画像形成装置における前記所定の稼働パラメータの値を取得する取得手段、
    及び、前記取得手段によって取得された前記所定の稼働パラメータの値を前記記憶手段に記憶されている前記推定演算式に代入して演算することで、前記感光体の消耗量を推定する推定手段
    として機能させるための消耗品管理プログラム。
JP2007268039A 2007-10-15 2007-10-15 消耗品管理装置、プログラム及び消耗量推定方法 Pending JP2009098279A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2007268039A JP2009098279A (ja) 2007-10-15 2007-10-15 消耗品管理装置、プログラム及び消耗量推定方法

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2007268039A JP2009098279A (ja) 2007-10-15 2007-10-15 消耗品管理装置、プログラム及び消耗量推定方法

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JP2009098279A true JP2009098279A (ja) 2009-05-07

Family

ID=40701375

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2007268039A Pending JP2009098279A (ja) 2007-10-15 2007-10-15 消耗品管理装置、プログラム及び消耗量推定方法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP2009098279A (ja)

Cited By (8)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2014149338A (ja) * 2013-01-31 2014-08-21 Fuji Xerox Co Ltd 画像形成装置、膜厚推定装置、膜厚推定方法、および膜厚推定プログラム
JP2015100929A (ja) * 2013-11-21 2015-06-04 キヤノン株式会社 画像処理装置及びその制御方法、並びにプログラム
JP2015114446A (ja) * 2013-12-11 2015-06-22 富士ゼロックス株式会社 画像形成装置およびプログラム
JP2015135469A (ja) * 2013-12-19 2015-07-27 キヤノン株式会社 画像形成装置及び画像形成システム
JP2016020035A (ja) * 2014-07-11 2016-02-04 キヤノン株式会社 印刷装置、その制御方法、及びプログラム
CN105874549A (zh) * 2013-12-27 2016-08-17 东洋铝株式会社 铝电解电容器用电极箔及其制造方法
CN109782555A (zh) * 2017-11-13 2019-05-21 株式会社理光 图像形成装置、图像形成方法、存储介质以及计算机装置
JP2019086697A (ja) * 2017-11-08 2019-06-06 コニカミノルタ株式会社 画像形成装置、プログラム、およびサーバー

Citations (6)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPH09179458A (ja) * 1995-12-25 1997-07-11 Minolta Co Ltd 画像形成装置
JP2003005591A (ja) * 2001-06-25 2003-01-08 Canon Inc 画像形成装置
JP2004101853A (ja) * 2002-09-09 2004-04-02 Fuji Xerox Co Ltd プロセスカートリッジ、および画像形成装置
JP2005283736A (ja) * 2004-03-29 2005-10-13 Canon Inc 感光体管理装置および感光体管理方法およびコンピュータが読み取り可能なプログラムを格納した記憶媒体およびプログラム
JP2006126606A (ja) * 2004-10-29 2006-05-18 Canon Inc 画像形成装置、その制御方法、制御プログラム及びカートリッジ
JP2007187734A (ja) * 2006-01-11 2007-07-26 Fuji Xerox Co Ltd 画像形成装置

Patent Citations (6)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPH09179458A (ja) * 1995-12-25 1997-07-11 Minolta Co Ltd 画像形成装置
JP2003005591A (ja) * 2001-06-25 2003-01-08 Canon Inc 画像形成装置
JP2004101853A (ja) * 2002-09-09 2004-04-02 Fuji Xerox Co Ltd プロセスカートリッジ、および画像形成装置
JP2005283736A (ja) * 2004-03-29 2005-10-13 Canon Inc 感光体管理装置および感光体管理方法およびコンピュータが読み取り可能なプログラムを格納した記憶媒体およびプログラム
JP2006126606A (ja) * 2004-10-29 2006-05-18 Canon Inc 画像形成装置、その制御方法、制御プログラム及びカートリッジ
JP2007187734A (ja) * 2006-01-11 2007-07-26 Fuji Xerox Co Ltd 画像形成装置

Cited By (13)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2014149338A (ja) * 2013-01-31 2014-08-21 Fuji Xerox Co Ltd 画像形成装置、膜厚推定装置、膜厚推定方法、および膜厚推定プログラム
US10412249B2 (en) 2013-11-21 2019-09-10 Canon Kabushiki Kaisha Image processing apparatus and control method therefor, and storage medium
US10136014B2 (en) 2013-11-21 2018-11-20 Canon Kabushiki Kaisha Image processing apparatus and control method therefor, and storage medium
JP2015100929A (ja) * 2013-11-21 2015-06-04 キヤノン株式会社 画像処理装置及びその制御方法、並びにプログラム
JP2015114446A (ja) * 2013-12-11 2015-06-22 富士ゼロックス株式会社 画像形成装置およびプログラム
JP2015135469A (ja) * 2013-12-19 2015-07-27 キヤノン株式会社 画像形成装置及び画像形成システム
CN105874549A (zh) * 2013-12-27 2016-08-17 东洋铝株式会社 铝电解电容器用电极箔及其制造方法
JP2016020035A (ja) * 2014-07-11 2016-02-04 キヤノン株式会社 印刷装置、その制御方法、及びプログラム
JP2019086697A (ja) * 2017-11-08 2019-06-06 コニカミノルタ株式会社 画像形成装置、プログラム、およびサーバー
JP7031235B2 (ja) 2017-11-08 2022-03-08 コニカミノルタ株式会社 画像形成装置、プログラム、および画像形成システム
CN109782555A (zh) * 2017-11-13 2019-05-21 株式会社理光 图像形成装置、图像形成方法、存储介质以及计算机装置
US10606202B2 (en) 2017-11-13 2020-03-31 Ricoh Company, Ltd. Image forming apparatus to calculate film thicknesses of a photoconductor film of a photoconductor, image forming method, and non-transitory recording medium storing image forming program
CN109782555B (zh) * 2017-11-13 2021-11-02 株式会社理光 图像形成装置、图像形成方法、存储介质以及计算机装置

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP4431415B2 (ja) 異常診断方法、状態判定装置及び画像形成装置
US7962054B2 (en) Image forming apparatus having a function of predicting device deterioration based on a plurality of types of operation control information
JP2009098279A (ja) 消耗品管理装置、プログラム及び消耗量推定方法
JP5511891B2 (ja) 画像形成装置
JP2009037141A (ja) 画像形成装置の管理装置及び管理システム
JP2008281759A (ja) カラー画像形成装置、カラー画像形成方法、カラー画像形成プログラム、及び記録媒体
JP2008076819A (ja) トナー消費量算出装置、画像形成装置及びトナー消費量算出方法
JP2006106556A (ja) 画像形成装置
JP2010128012A (ja) 感光体寿命判定装置及びこれを用いた画像形成装置
JP5777687B2 (ja) 画像形成装置
JP2013117622A (ja) 画像形成装置
US8041238B2 (en) Image forming apparatus, image forming method, and computer program product
JP2007127899A (ja) 画像形成装置システム
JP2008070800A (ja) 異常発生予測システム・画像形成装置
US9042744B2 (en) Image forming apparatus
JP4948100B2 (ja) トナー消費予測量算出方法、トナー消費予測量算出装置、および画像形成装置
JP5831804B2 (ja) 保守支援システム
JP2002244438A (ja) 現像装置、及び画像形成装置
JP2011113229A (ja) 状態判別装置及びこれを用いた状態管理システム
JP2005202045A (ja) 画像形成装置の保守料金管理システム及び該システムに用いる保守料金管理装置
JP2006267974A (ja) 画像形成装置
JP2014137536A (ja) 画像形成装置
US7058321B2 (en) Device and method of calculating toner consumption, and image forming apparatus using the same
JP2011166427A (ja) 画像形成装置の管理システム
JP2010175831A (ja) 画像形成装置、寿命判定方法、及び寿命判定制御プログラム

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20100922

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20120709

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20120717

A02 Decision of refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A02

Effective date: 20121113