JP2009097357A - 密閉形スクロール圧縮機 - Google Patents

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Abstract

【課題】圧縮機運転時に固定スクロールの端板と旋回スクロールの端板との摺動面に潤滑油を供給するとともに、その摺動面に潤滑油を保持して、固定スクロールと旋回スクロールとの摺動面の潤滑性を良好にできる密閉形スクロール圧縮機を提供することを課題とする。
【解決手段】旋回スクロール11の端板31と固定スクロール17の端板19との摺動面における固定スクロール側の摺動面102に渦巻曲線の油溝109を形成し、該油溝109は固定スクロール17の渦巻き溝103の最外壁107の外側に該最外壁107の渦巻曲線に沿ってほぼ3/4周にわたり、さらに両端が閉塞し、一端側を吸入口27から隔てて位置して形成され、旋回スクロール11に設けられた給油口113から旋回運動に伴って油溝109内に間欠的に潤滑油を供給する。
【選択図】図3

Description

本発明は、密閉スクロール圧縮機に関し、特に、密閉ケース内に収容される密閉形スクロール圧縮機を構成する固定スクロールと旋回スクロールとの間の摺動面を潤滑する潤滑油の供給構造に関する。
スクロール圧縮機は、一般に、固定スクロールと旋回スクロールのそれぞれの端板に形成された固定スクロールの渦巻き溝と旋回スクロールの渦巻き翼とを互いに噛み合わせて複数の圧縮室を形成し、該旋回スクロールを駆動軸から軸心が偏心して形成されたクランク部によって旋回運動させられて前記圧縮室の容積が中心に向かうにつれて減少してガスを圧縮するように作動する。固定スクロールはフレームに固定され、固定スクロールに対して旋回スクロールは、前記の旋回運動をさせるために自転させないで公転させるように、固定スクロールと旋回スクロールとの間にオルダム継手が介在されている。
そして、この旋回スクロールは、圧縮室内の圧縮圧力によって固定スクロールから遠ざける方向に作用されるため、その旋回スクロールの移動に抗して旋回スクロールを固定スクロール側に押し付ける押付力を作用させている。このために、圧縮室によって圧縮された圧力を、旋回スクロールの端板の背面に導いている。
また、旋回スクロールの端板と固定スクロールの端板との摺動面には、高圧の潤滑油を供給して摺動部を潤滑することにより端板のかじりや焼付きを防止しており、この摺動面への潤滑油の供給に関しては種々の提案がされている。
例えば、旋回スクロールの端板面に設けた直線又は円弧状の油溝の一端または両端を吸入室や中間室に開放しているものや、旋回スクロールの端板面に設けた油溝の端部の一方から潤滑油を供給するものが知られている。
しかし、油溝の一端または両端が開放しているものは、開口部から油溝内に潤滑油が入りやすいがまた排出もされやすく、油溝内に潤滑油が保持されることがない。このため、停止後の再起動時や供給量が減少したときには給油不足となりやすい、また一端から供給する構成では、他端が開放している構造でも距離が長い場合には、他端まで行き着きにくく、他端部域の潤滑性が十分得られない問題を有している。
そこで、油溝の両端を閉塞して、旋回スクロールまたは固定スクロールの端板間に潤滑油を保持して潤滑性を向上しようとする技術が知られている。
例えば、旋回スクロールまたは固定スクロールの端板に両端を閉じた油溝を形成して、該油溝に、間欠的に潤滑油を供給する構造について、特開平6−307354号公報(特許文献1)に示されている。
この特許文献1は、横置きのスクロール圧縮機において、旋回スクロールと固定スクロールとを組み合わせ状態で、潤滑油が廻りにくい鉛直上部の摺動面に潤滑油を供給するために、図6に示すように水平横方向に伸びる旋回スクロールの回転主軸に対して上方側に位置する旋回スクロールの鏡板01に円弧状の油保持機構である油溝02が形成され、この油溝02に油通路03を介して潤滑油を間欠的に供給している。この間欠的な供給は、旋回スクロールの旋回運動に連動して油通路03への供給を制御することによって行っている。
また、間欠的に油溝に供給する技術としては特開昭59−110883号公報(特許文献2)が知られている。この特許文献2の明細書中に従来技術として記載されている技術には、図7で示すように固定スクロール010の鏡板011に設けられた油溝012に、旋回スクロール013に設けられた油穴014が、間欠的につながり、鏡板011に給油する構成が示されている。
特開平6−307354号公報 特開昭59−110883号公報(図1)
前記したように特許文献1、特許文献2には、それぞれ潤滑油を油溝に間欠的に供給する構成が示されているが、特許文献1については、横置きのスクロール圧縮機であり、横置きのために潤滑油が廻りにくい鉛直上部の摺動面に潤滑油を保持して潤滑性を向上する技術であり、縦置きのスクロール圧縮機における油溝形状および給油穴位置については示されてなく、この特許文献1の技術を縦置きのスクロール圧縮機に適用した場合には、保持される潤滑油で潤滑される面が片側に偏ってしまい、固定スクロールと旋回スクロールとの摺動性が悪化するおそれがある。
また、特許文献2に示されている技術は、旋回スクロールから固定スクロール10の油溝へつながる給油口を、旋回スクロールの旋回運動に伴って間欠的に繋げることが示されているが、油溝形状および油溝形状と給油口との位置関係等の具体的構成についてまでは記載されていない。
そこで、本発明は、このような背景に鑑みてなされたものであり、圧縮機運転時に固定スクロールの端板と旋回スクロールの端板との摺動面に潤滑油を供給するとともに、その摺動面に潤滑油を保持して、固定スクロールと旋回スクロールとの摺動面の潤滑性を良好にできる密閉形スクロール圧縮機を提供することを課題とする。
前記課題を解決するため、本発明は、密閉ケース内に端板上に設けた渦巻状の固定スクロール翼から形成される渦巻き溝を有する固定スクロールと、端板上に渦巻状の旋回スクロール翼としての渦巻き翼を有する旋回スクロールとを組み合わせて、前記旋回スクロールを固定スクロールに対して自転防止機構を介して旋回運動をなすことによって、前記固定スクロールの渦巻き溝と旋回スクロールの渦巻き翼とによって形成される圧縮室の容積を減少させてガスを圧縮して、該圧縮ガスを中心部から吐出するように構成した密閉形スクロール圧縮機において、前記旋回スクロールの端板と固定スクロールの端板との摺動面における前記固定スクロール側の摺動面に、渦巻曲線で形成される前記渦巻き溝の最外壁の外側に該最外壁の渦巻曲線に沿ってほぼ3/4周の油溝を形成し、該油溝は両端が閉塞し一端側を吸入口から隔てて位置し、そこから渦巻曲線に沿って内側に入った他端側を前記吸入口手前の近傍に位置し、前記油溝は前記旋回スクロールの端板によって常に覆われると共に、旋回スクロールに設けられた給油口から旋回運動に伴って前記油溝内に間欠的に潤滑油が供給されることを特徴とする。
かかる発明によれば、前記固定スクロール側の摺動面に、渦巻曲線に沿ってほぼ3/4周の油溝を形成するため、固定スクロールの摺動面の広い範囲に潤滑油を供給することができる。しかも、油溝の長さがほぼ3/4周と長いため、短い油溝に比べて間欠的な供給による潤滑油の保持効果が大きくなる。すなわち、長いとそれだけ吸入側となる低圧空間近傍まで延びた油溝端部まで潤滑油が行き渡るのに時間を要するために油溝内に滞留する時間が増えて短い油溝よりも多くの潤滑油を油溝内に保持することができ、間欠供給の保持効果を増大することができる。
さらに、この油溝は図3を用いて説明すると、油溝109の両端は閉塞し一端側を吸入口27から隔ててB部に位置させ、他端側を渦巻曲線の下流側、すなわち渦巻き中心に近い側を、吸入口27の近傍のC部に位置させている。
該油溝109の一端側のB部を吸入口27から隔てて、例えば、略1/4周隔てて位置し、他端側のC部を渦巻曲線の下流側における前記吸入口27の近傍に位置して設置されるため、吸入口27に近い位置から油溝を設置すると油溝109内に供給する高圧の潤滑油が低圧の圧縮室内に圧力差によって流出しやすく潤滑油が消費されやすいが、略1/4周離すことでこのような潤滑油の圧縮室内部への多量の流出を低減することができる。
以上のように、潤滑油の消費を抑えて潤滑油を摺動面に保持して広範囲に行きわたらせて良好な潤滑性を得ることができる。
また、好ましくは、前記油溝の内縁はほぼ固定スクロール翼の厚さの距離だけ前記渦巻き溝の最外壁から外側に位置して形成されることが望ましい。
かかる構成によれば、油溝がほぼ固定スクロール翼の厚の距離だけ渦巻き溝最外壁の外側に位置して形成されるため、潤滑性とシール性が向上する効果がある。
すなわち、圧縮ガスの漏れに対するシール性から言えば、最外壁の渦巻曲線に近いほどよいが、あまり近いと高圧の潤滑油が圧縮室内に流入して潤滑油が摺動面に保持され難くなる。また、逆に離れ過ぎて外側に配置されると旋回スクロール端板の外縁との距離が短くなるか、または旋回スクロール端板で覆われなくなり油溝の潤滑油が吸入空間に流出して油溝と渦巻き溝間の摺動面が潤滑不良を起こすことになる。このため、端板によって常に覆われずに開放されてしまうので旋回スクロールの端板の外径を大型化しなければならない。
また、好ましくは、前記給油口が前記油溝の全長の渦巻き中心に近い閉塞端からほぼ1/3の位置に設けられることが望ましい。
給油口から供給される潤滑油は高圧潤滑油であるので、吸入側ないしはそれに近い圧縮室側に設置されている油溝からは圧縮室へ漏れ出る量が多く、それより中央に移動して圧力が上昇した圧縮室側に近い油溝からは圧縮室へ漏れ出る量が少なくなる傾向にある。
従って、旋回スクロールの供給口の位置を油溝全長の低圧側に設定すると、低圧側の油溝に多く流れて、圧力が上昇する側には行き届かないおそれがある。
しかし、かかる発明によれば、給油口の位置を全長の圧力が上昇する側、すなわち渦巻き中心に近い閉塞端からほぼ1/3の位置に設けることによって、圧縮室内の圧力を考慮して油溝の両端部分まで均等にバランスよく潤滑油を供給できる。
また、好ましくは、前記油溝の断面形状は、矩形ないし半円弧形状であり、その幅と深さがほぼ同程度であることが望ましく、また、アンモニア冷媒を用いることが望ましい。
かかる構成によれば、油溝の幅と深さがほぼ同程度の矩形ないし半円弧状の断面形状のため、V字溝に比べて断面積を大きく取ることができ潤滑に十分な量の油を断面内部に保持しやすい。
さらに、アンモニア冷媒は、フロン冷媒に比べて、油への溶け込みが少なく潤滑油の粘度低下が生じにくく、フロン冷媒を用いるものに比べて油溝の内部に潤滑油が保持されやすい。このため、前記断面積を大きくとっても油溝内に潤滑油が保持されてシール性、摺動性が良好に保たれる。
本発明によれば、圧縮機運転時に固定スクロールの端板と旋回スクロールの端板との摺動面に潤滑油を供給するとともに、その摺動面に潤滑油を保持して、固定スクロールと旋回スクロールとの摺動面の潤滑性を良好に発揮できる密閉形スクロール圧縮機を得ることができる。
以下、図面を参照して本発明の好適な実施の形態を例示的に詳しく説明する。但しこの実施の形態に記載されている構成部品の寸法、材質、形状、その相対的配置等は特に特定的な記載がない限りは、この発明の範囲をそれに限定する趣旨ではなく、単なる説明例に過ぎない。
図1は、本発明にかかる密閉形スクロール圧縮機の実施形態を示す全体構成断面図であり、図2は図1の全体断面図のうちの上方の部分の拡大図である。図3は固定スクロールの底面視図であり、図4は図2のA部拡大図で、図5は固定スクロールと旋回スクロールの渦巻き部を噛み合わせた圧縮室を吸入状態から旋回角度を90°ピッチで軸を回転させた動作状態を上から見た図であり、(a)が旋回角度0°、(b)が旋回角度90°、(c)が旋回角度180°、(d)が旋回角度270°の状態を示している。
図1、図2を参照して密閉形スクロール圧縮機の全体構成について説明する。図1に示すように、密閉形スクロール圧縮機1を構成する縦長の円筒形状の密閉ケース2は、湾曲形状の下ケース3と湾曲形状の上ケース5と円筒状の中ケース6とがそれぞれ溶接接合されて形成されている。
密閉ケース2内の上方寄りに、密閉ケース2内を上下に仕切るようにフレーム部材7が中ケース6の内部に取付けられている。
そして、フレーム部材7の上方にはスクロール圧縮機構部(圧縮機構部)9が配置され、下方にはスクロール圧縮機構部9を構成する旋回スクロール11に旋回運動の回転力を与えるモータ13が配置されている。さらに、密閉ケース2の底部には潤滑油が収容されるようになっていて、底部に貯留された潤滑油を汲み上げる給油ポンプ15がモータ13の下方に配置されている。
図2に示すように、スクロール圧縮機構部9は、固定スクロール17と、この固定スクロール17の下方に配置された旋回スクロール11とによって構成されている。固定スクロール17は、円板状の端板19と、この端板19の一方の面の周縁部に突設された環状壁21と、この環状壁21で囲まれた部分に該環状壁21とほぼ等しい高さに突設された固定スクロール翼23ないしは凹状に掘り込まれた渦巻き溝103と、端板19の略中央部に設けられた吐出口25と、端板19の周縁部に設けられた吸入口27とで構成されている。そして、環状壁21の延長部分がボルト29でフレーム部材7に固定されている。
一方、旋回スクロール11は、前記環状壁21より大きい外径を有して円板状の旋回スクロール11の端板31と、この端板31の一方の面に前記渦巻き溝103と等しい高さに突設された旋回スクロール翼33と、他方の面の中央部には軸受ボス部35が突設されて構成されている。
また、旋回スクロール11の端板31に渦巻状に突設され上方向を向いた旋回スクロール翼33と、固定スクロール17の端板19に渦巻状に掘り込まれて下方に開口した渦巻き溝103とが噛合い、それぞれの壁の間に圧縮室37を形成している。
そして、固定スクロール17と旋回スクロール11との噛み合い状態を保持して旋回スクロール11を固定スクロール17に対して相対的に旋回運動させるために、旋回スクロール11の端板31とフレーム部材7との間にオルダム機構38が設けられている。
フレーム部材7には、旋回スクロール11の軸受ボス部35の軸心線に対して偏心した筒状空間39が上下方向に貫通して設けられており、この筒状空間39の下端部分にはモータ13の駆動軸41を回転自在に支持する主軸受43が設けられている。
駆動軸41の上端部には、駆動軸41の軸中心線と偏心した位置にクランク部45が形成され、該クランク部45が旋回スクロール11の軸受ボス部35に嵌入している。
また、図1に示すように、駆動軸41の下端部には、給油ポンプ15が接続されていて、この給油ポンプ15で潤滑油をパイプ47によって汲み上げて、駆動軸41の軸中心部を貫通して設けられた貫通油路49を介して前記クランク部45の上端から軸受ボス部35の上部に放出するようになっている。
なお、使用されるガスはアンモニア冷媒を用いており、吐出ガス温度の上昇を抑えるためにアンモニアの液冷媒を固定スクロール17の端板19に取付けられた液インジェクション配管57から圧縮室37内に噴射するようになっている。
図1に示すように、駆動軸41に対して偏心したクランク部45の回転に伴うアンバランスを打ち消すために、駆動軸41には、上から順に上バランサ59、中バランサ61、下バランサ63の3つのバランサが取り付けられている。
さらに、前記固定スクロール17の吸入口27には、吸入管65が上ケース5を貫通して設けられ、中ケース6にはケース内の高圧ガスを吐出する吐出管67が設けられている。
次に、以上のように構成された密閉形スクロール圧縮機において、前記スクロール圧縮機構部9による冷媒ガスの圧縮動作について説明する。
まず、モータ13に給電すると、駆動軸41が回転を開始する。そして、回転力が旋回スクロール11に伝えられる。
旋回スクロール11の軸受ボス部35は駆動軸41に対して、偏心したクランク部45と嵌合しており、しかもオルダム機構38によって支持されているため、この旋回スクロール11は自転の伴わない旋回運動を行う。
従って、旋回スクロール11に植設された旋回スクロール翼33も旋回運動を行い、この旋回運動に伴って、旋回スクロール翼33と固定スクロールの渦巻き溝103との間に形成された圧縮室37が周期的に小さくなり、吸入管65を介して吸入されたガスが圧縮されて吐出口25から吐出されて、密閉ケース2内の上方に吐出されてからフレーム部材7の周囲に形成された図示しない連通孔を通って下方側に流れて密閉ケース2内のフレーム部材7の下方の空間内に高圧ガスが貯留され、吐出管67から外部へ排出される。
次に、図3、4、5を参照して、旋回スクロール11の端板31の摺動面100と、固定スクロール17の端板19の摺動面102との摺動部の構造および潤滑油の供給について説明する。
図3は、固定スクロール17を下面、すなわち摺動面102側からの見た図面であり、固定スクロール翼23が渦巻曲線状に形成され、その渦巻形状の固定スクロールの翼23間には旋回スクロール翼33が嵌り合う渦巻状の渦巻き溝103が形成されている。
この渦巻き溝103の入口は吸入口27に繋がり、出口は吐出口25に繋がっている。
固定スクロール17の周縁部分には、固定スクロール17の端板19の延長部分をフレーム部材7に取り付けるボルト29の貫通穴105が形成されている。
また、渦巻き溝103の最外壁107の外側に渦巻き溝103の最外壁107の渦巻曲線に沿ってほぼ3/4周の油溝109が形成されている。
この油溝109は両端が閉塞し一端側を吸入口27から隔ててB部に位置させ、他端側を渦巻曲線の下流側、すなわち渦巻き中心に近い側を、吸入口27の近傍のC部に位置させている。
B部の位置は、例えばほぼ1/4周離れた位置にあり、またC部の位置は渦巻き溝の始端壁面から固定スクロール翼23の厚さtの1〜2倍離れて位置されている。
油溝109の全長は、図3に示すようにほぼ3/4周にわたって形成されているが、B部が吸入口27に近いと油溝109からの潤滑油が低圧の圧縮室内に流出しやすくなるのでほぼ1/4周離れ、またC部について、あまり吸入口27に近すぎると圧縮室は高圧側に位置しているが吸入口27の低圧の影響を受けて潤滑油が吸入口27に流出してしまうため固定スクロール翼23の厚さtの1〜2倍離れて位置されている。
この油溝109は、旋回スクロール11が旋回しても常に旋回スクロール11の端板31の摺動面100によって覆われ、外部に開放されることはない範囲に設定されている。
また、油溝109の内縁の形状は、ほぼ固定スクロール翼23の厚さtの距離だけ渦巻き溝103の最外壁107の渦巻曲線の外側に位置して形成されている。
さらに、油溝109の断面形状は、矩形ないし半円弧形状であり、その幅と深さがほぼ同程度に形成されている。
旋回スクロール11側の構造は、図4に示すように、旋回スクロール11の端板31の内部に、径方向に油溝109の断面積より大きな油路111が形成され、一端は軸受ボス部35内に開口し他端はプラグで封止されている。その中間部分が、端板31の摺動面100に形成された油溝109の断面積より大きな給油口113に連通している。
このように構成された油溝109に給油口113を設けた旋回スクロールの端版が被さって軸の回転に伴い動作する状態を図5に示す。なお、この図5は旋回スクロールの11の端板31の下から上方向を見たときの図であり、外径円は旋回スクロール11の端板31の外径を示し、ハッチングで示した渦巻きが、旋回スクロール11の旋回スクロール翼33を示している。
(a)図は旋回スクロール渦巻き外壁と固定スクロール渦巻き溝外壁間で形成される作動室が最大密閉空間を形成し、吸入が完了し圧縮行程開始の状態を示している。この状態から軸が90°ピッチで回転して圧縮動作が進む状態を順に(b)、(c)、(d)に示している。
油溝と給油口が連通している区間は(a)から(b)のおよそ90°の間である。また、旋回スクロール11の端板31が油溝109に最接近している(d)と吸入通路となる固定スクロール17の渦巻き溝103に最接近している(c)とでは、油溝109、渦巻き溝103それぞれと端板31の外径との距離をおよそ等しく一定値以上を保っている。
そして、旋回スクロール11の旋回運動に伴って油溝109内に間欠的に給油口113が通過するときに油溝109に連通して、潤滑油が油溝109に供給される。
この給油口113の旋回状態の軌跡は、図3のD矢印で示すように一定の周期で油溝109と交差するように旋回して、交差のときに潤滑油が供給される。
潤滑油の油溝109への供給は、下ケース3の底部に収容された潤滑油を給油ポンプ15によって汲み上げて、貫通油路49を介してクランク部45の上端から軸受ボス部35の内部に放出して、その放出された潤滑油の一部が油路111に入り、給油口113から油溝109へ放出され、残りはクランク部45と軸受ボス部35との摺動面を潤滑して下部へと流れて下ケース3の底部に戻っていく。
なお、密閉ケース2内は、圧縮機の圧縮ガスで充満されているため高圧化しているので、給油ポンプ15によって汲み上げて、貫通油路49を介してクランク部45の上端から軸受ボス部35の内部に放出される潤滑油も同様に圧縮圧力に高圧化されて、この高圧の潤滑油が給油口113から油溝109に供給される。
以上のように、本実施形態によれば、固定スクロール17の端板19の摺動面102において、渦巻く溝103の最外壁107の外側に該最外壁107の渦巻曲線に沿ってほぼ3/4周の油溝109を形成するため、固定スクロール17の摺動面の広い範囲に潤滑油を供給することができる。
しかも、油溝109の長さがほぼ3/4周と長いため、短い油溝に比べて間欠的な供給による潤滑油の保持効果が大きくなる。すなわち、長いとそれだけ吸入側となる低圧空間近傍まで延びた油溝端部まで潤滑油が行き渡るのに時間を要するために油溝内に滞留する時間が増えて短い油溝よりも多くの潤滑油を油溝内に保持することができ間欠供給の保持効果を増大することができる。
さらに、本実施形態によれば、油溝109は、その両端が閉塞し一端側を吸入口27から隔てて、例えば、略1/4周隔てて位置し、他端側を渦巻曲線の下流側における吸入口27の近傍に位置して設置するため、吸入口27に近い位置から油溝109を設置すると油溝109内に供給する高圧の潤滑油が低圧の圧縮室内に圧力差によって流入しやく潤滑油が消費されやすいが、それを回避することができる。その結果、潤滑油の消費を抑えて潤滑油を摺動面に保持して良好な潤滑性を得ることができる。
また、油溝109が、ほぼ固定スクロール翼の厚tの距離だけ渦巻き溝103最外壁107の渦巻曲線の外側に形成されるため、潤滑性とシール性が向上する効果がある。
すなわち、油溝109の内縁が渦巻き溝の最外壁107にあまりに近いと大半の潤滑油が圧縮室内に流入して油溝109より外側の摺動面が潤滑不良を起こすことになり、逆に離れ過ぎて外側に配置されると旋回スクロール端版の外縁との距離が短くなるか、旋回スクロール端版31の外縁からはみ出てしまい潤滑油が旋回スクロール端板31の外側空間に流出して油溝と渦巻き溝間の摺動面が潤滑不良を起こすことになる。このため、端板によって常に覆われずに開放されてしまうので旋回スクロールの端板の外径を大型化しなければならない。
従って、油溝の内縁を渦巻き溝から固定スクロール翼のおよそ厚t外側に離して設けることで、潤滑性とシール性がともに達成できる。
また、給油口113が油溝109の全長の渦巻き中心に近い閉塞端からほぼ1/3の位置に設けられているので、給油口113から供給される高圧の潤滑油は、油溝109の両端部へ均等に行き渡る。
すなわち、低圧縮室側に設置されている油溝109からは圧縮室へ漏れ出る量が多く、高圧縮室側に設置されている油溝109からは圧縮室へ漏れ出る量が少ない傾向があるので、旋回スクロールの供給口の位置を油溝全長の低圧側に設定すると、低圧側の油溝に多く流れて、高圧側には行き届かないおそれがあるが、本実施形態のように、給油口113の位置を全長の高圧側からほぼ1/3の位置に設けることによって、圧縮室内の圧縮圧力の高低差を考慮して油溝の両端部分まで均等にバランスよく潤滑油を供給できる。
また、油溝109の断面形状は、矩形ないし半円弧形状であり、その幅と深さがほぼ同程度に設定されているので、供給された潤滑油を断面内部に保持しやすく潤滑油の油溝109内への保持機能が発揮されて潤滑性が向上する。
さらに、圧縮ガスにアンモニア冷媒を用いるため、アンモニア冷媒は、フロン冷媒に比べて、油への溶け込みが少ないため潤滑油の粘度低下が生じにくく、フロン冷媒を用いるものに比べて油溝109内に潤滑油が保持されやすいため、シール性、摺動性が良好に保持される。
本発明によれば、本発明によれば、圧縮機運転時に固定スクロールの端板と旋回スクロールの端板との摺動面に潤滑油を供給するとともに、その摺動面に潤滑油を保持して、固定スクロールと旋回スクロールとの摺動面の潤滑性を良好に発揮できるので、冷凍空調用密閉形圧縮機を始めとして潤滑油を用いて摺動部を潤滑するカーエアコン用圧縮機、空気圧縮機及び真空ポンプ等を含むスクロール流体機械への適用が可能である。
本発明にかかる密閉形スクロール圧縮機の実施形態を示す全体構成断面図である。 図1の全体断面図のうちの上方の部分の拡大図である。 固定スクロールの端板の底面視図である。 図2のA部拡大図である。 圧縮室の作動状態説明図である。 従来技術の説明図である。 従来技術の説明図である。
符号の説明
1 密閉形スクロール圧縮機
2 密閉ケース
7 フレーム部材
9 スクロール圧縮機構部(圧縮機構部)
11 旋回スクロール
17 固定スクロール
19、31 端板
23 固定スクロール翼
33 旋回スクロール翼
103 渦巻き溝
107 最外壁
109 油溝
111 油路
113 供給口

Claims (5)

  1. 密閉ケース内に端板上に設けた渦巻状の固定スクロール翼から形成される渦巻き溝を有する固定スクロールと、端板上に渦巻状の旋回スクロール翼としての渦巻き翼を有する旋回スクロールとを組み合わせて、前記旋回スクロールを固定スクロールに対して自転防止機構を介して旋回運動をなすことによって、前記固定スクロールの渦巻き溝と旋回スクロールの渦巻き翼とによって形成される圧縮室の容積を減少させてガスを圧縮して、該圧縮ガスを中心部から吐出するように構成した密閉形スクロール圧縮機において、
    前記旋回スクロールの端板と固定スクロールの端板との摺動面における前記固定スクロール側の摺動面に、渦巻曲線で形成される前記渦巻き溝の最外壁の外側に該最外壁の渦巻曲線に沿ってほぼ3/4周の油溝を形成し、該油溝は両端が閉塞し一端側を吸入口から隔てて位置し、そこから渦巻曲線に沿って内側に入った他端側を前記吸入口手前の近傍に位置し、前記油溝は前記旋回スクロールの端板によって常に覆われると共に、旋回スクロールに設けられた給油口から旋回運動に伴って前記油溝内に間欠的に潤滑油が供給されることを特徴とする密閉形スクロール圧縮機。
  2. 前記油溝の内縁はほぼ固定スクロール翼の厚さの距離だけ前記渦巻き溝の最外壁から外側に位置して形成されることを特徴とする請求項1記載の密閉形スクロール圧縮機。
  3. 前記給油口が前記油溝の全長の渦巻き中心に近い閉塞端からほぼ1/3の位置に設けられることを特徴とする請求項1記載の密閉形スクロール圧縮機。
  4. 前記油溝の断面形状は、矩形ないし半円弧形状であり、その幅と深さがほぼ同程度であることを特徴とする請求項1記載の密閉形スクロール圧縮機。
  5. 前記圧縮ガスにアンモニア冷媒を用いることを特徴とする請求項1記載の密閉式スクロール圧縮機。
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