JP2009097342A - 内燃機関の制御装置 - Google Patents

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隆行 出村
Takahiro Uchida
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Abstract

【課題】パージバンクにおける各気筒間に生じる空燃比の差異を抑えることが可能な内燃機関の制御装置を提供する。
【解決手段】内燃機関の制御装置は、複数のバンクを有し、複数のバンクの夫々には、気筒毎に分岐した分岐通路を備えた吸気通路、各分岐通路に設けられたスロットル弁、スロットル弁よりも下流側の各分岐通路とスロットル弁よりも上流側の吸気通路とを結んでバイパス空気を各分岐通路へと導くバイパス通路を備え、一部のバンクには、燃料タンク内で生じた蒸発燃料を含むパージガスをバイパス通路へ導くパージ通路を備える内燃機関に適用される。内燃機関の制御装置は、パージガス中の蒸発燃料の濃度が上昇した場合において、一部のバンクにおける気筒に吸入される吸気ガス中の蒸発燃料の濃度の上昇を抑える。これにより、パージガスが注入されるバンクにおける各気筒間に空燃比の差異が生じるのを抑えることができる。
【選択図】図1

Description

本発明は、燃料タンク内で生じた蒸発燃料を処理する内燃機関の制御装置に関する。
従来より、燃料タンク内で生じた蒸発燃料を吸着するキャニスタを有し、キャニスタに吸着された蒸発燃料を吸気通路にパージする内燃機関が知られている。
例えば、特許文献1には、吸気系が一つで構成されたもので、パージ濃度が高いときはパージ流量を減量し、空燃比の安定を図る技術が記載されている。特許文献2には、複数のバンクを有するエンジンで、パージ供給口を各バンクの直前でかつ中央に配置し、パージ量の不均一を防ぎ、排気悪化や走行性悪化を減少させる技術が記載されている。特許文献3には、吸気系が一つで構成されたもので、成層燃焼時のパージ供給にはトルク変動が生じないようなガード値を設定し、その中でパージ量を制御する技術が記載されている。特許文献4には、吸気系が一つで構成されたもので、アイドル時に目標回転数となるようにフィードバック(F/B)制御するとともに、パージありのときはISC(Idle Speed Control)バルブ開度が下限値以内に収まるようにパージ量を制限する技術が記載されている。特許文献5には、アイドル時において、パージ影響が大きいと判断すると、アイドル目標回転数を増加させる技術が記載されている。
特開平8−4603号公報 特開2001−115904号公報 特開2002−47987号公報 特開平10−9068号公報 特開平11−159407号公報
ところで、左右の2つのバンクを有し、両バンクの夫々に、気筒毎に分岐した分岐通路を備えた吸気通路、各分岐通路に設けられて吸入空気流量を調整可能なスロットル弁、スロットル弁よりも下流側の各分岐通路とスロットル弁よりも上流側の吸気通路とを結んで吸入空気の一部をバイパス空気として連通部へと導くバイパス通路を備えるとともに、左右のバンクのうち、一方のバンクには、燃料タンク内で生じた蒸発燃料を含むパージガスをバイパス通路へ導くパージ通路を備えた内燃機関が知られている。
しかしながら、このような内燃機関では、パージガス中の蒸発燃料の濃度が比較的高い場合には、パージを行っているバンクにおける気筒間で空燃比の差異が生じることがある。このような各気筒間に空燃比の差異が生じることにより、エミッションの悪化、トルク差の発生によるアイドル安定性の悪化が発生する可能性があり、最悪の場合には、失火を起こす気筒も発生しうる。この点について、特許文献1〜5では何ら検討されていない。
本発明は、上記のような課題を解決するためになされたものであり、パージを行っているバンクにおける各気筒間に生じる空燃比の差異を抑えることが可能な内燃機関の制御装置を提供することを課題とする。
本発明の1つの観点では、複数のバンクを有し、前記複数のバンクの夫々には、気筒毎に分岐した分岐通路を備えた吸気通路、各分岐通路に設けられて吸入空気流量を調整可能なスロットル弁、前記スロットル弁よりも下流側の各分岐通路と前記スロットル弁よりも上流側の吸気通路とを結んで吸入空気の一部をバイパス空気として各分岐通路へと導くバイパス通路を備えるとともに、前記複数のバンクのうち、一部のバンクには、燃料タンク内で生じた蒸発燃料を含むパージガスを前記バイパス通路へと導くパージ通路を備えた内燃機関に適用される内燃機関の制御装置は、前記パージガス中の蒸発燃料の濃度を取得する蒸発燃料濃度取得手段と、アイドル時に、前記パージガス中の蒸発燃料の濃度が上昇した場合において、前記一部のバンクの気筒に吸入される吸気ガス中の蒸発燃料の濃度の上昇を抑える制御手段と、を備える。
上記の内燃機関の制御装置は、例えばV型エンジンなどの複数のバンクを備える内燃機関に適用される。内燃機関は、具体的には、複数のバンクを有し、前記複数のバンクの夫々には、気筒毎に分岐した分岐通路を備えた吸気通路、各分岐通路に設けられて吸入空気流量を調整可能なスロットル弁、前記スロットル弁よりも下流側の各分岐通路と前記スロットル弁よりも上流側の吸気通路とを結んで吸入空気の一部をバイパス空気として各分岐通路へと導くバイパス通路を備える。また、内燃機関は、前記複数のバンクのうち、一部のバンクには、燃料タンク内で生じた蒸発燃料を含むパージガスを前記バイパス通路へと導くパージ通路を備える。前記内燃機関の制御装置は、ベーパー濃度取得手段と、制御手段とを備える。前記蒸発燃料濃度取得手段は、前記パージガス中の蒸発燃料の濃度を取得する。前記制御手段は、アイドル時に、前記パージガス中の蒸発燃料の濃度が上昇した場合において、前記一部のバンクにおける気筒に吸入される吸気ガス中の蒸発燃料の濃度の上昇を抑える。前記蒸発燃料濃度取得手段及び制御手段は、例えばECU(Electronic Control Unit)により実現される。このようにすることで、パージガスが注入されるバンクにおける各気筒間に空燃比の差異が生じるのを抑えることができる。
上記の内燃機関の制御装置の他の一態様は、前記制御手段は、前記パージガス中の蒸発燃料の濃度が上昇するほど、前記一部のバンクにおけるバイパス空気の流量を増加させるとともに前記一部のバンク以外のバンクにおけるバイパス空気の流量を減少させる。これにより、アイドル時のエンジン回転数を保持しつつ、パージガスが注入されるバンクにおける各気筒間に空燃比の差異が生じるのを抑えることができる。
上記の内燃機関の制御装置の他の一態様は、前記制御手段は、前記パージガス中の蒸発燃料の濃度が上昇するほど、前記一部のバンクにおける前記吸気ガスの流量に対する前記パージガスの流量の割合を減少させる。このようにしても、パージガスが注入されるバンクにおける各気筒間に空燃比の差異が生じるのを抑えることができる。
上記の内燃機関の制御装置の他の一態様は、前記制御手段は、前記パージガス中の蒸発燃料の濃度が上昇するほど、アイドル時の目標エンジン回転数を増加させるとともに、アイドル時の目標エンジン回転数が増加するほど、前記複数のバンクにおけるバイパス空気の流量を増加させる。このようにしても、パージガスが注入されるバンクにおける各気筒間に空燃比の差異が生じるのを抑えることができる。
上記の内燃機関の制御装置の他の一態様は、前記制御手段は、前記パージガス中の蒸発燃料の濃度が上昇するほど、前記一部のバンクにおける点火時期の遅角量を増加させるとともに、前記遅角量が増加するほど、前記一部のバンクにおけるバイパス空気の流量を増加させる。これにより、パージガスが注入されるバンクとパージガスが注入されないバンクとの間にトルクの大きさの差異が生じるのを抑えつつ、パージガスが注入されるバンクにおける各気筒間に空燃比の差異が生じるのを抑えることができる。また、アイドル目標回転数を変化させる必要がなく、パージガスが注入されるバンクにのみバイパス空気の流量を増加させることができる。
以下、図面を参照して本発明の好適な実施の形態について説明する。
[全体構成]
図1は、本発明の各実施形態に係る内燃機関の構成を示す構成図である。図1に示すように、内燃機関100は、左右のバンク2a、2bを有している。バンク2aには4つの気筒3aが設けられており、バンク2bにも4つの気筒3bが設けられている。即ち、内燃機関100はV型8気筒の内燃機関として構成されている。
内燃機関100は、各気筒3aの吸気側に夫々接続される吸気通路4aを備えるとともに、各気筒3bの吸気側に夫々接続される吸気通路4bを備える。即ち、内燃機関100は、バンク毎に独立した吸気通路を有している。吸気通路4aは気筒3a毎に分岐された分岐通路4aaを有しており、分岐通路4aaに分岐する分岐位置よりも上流側の吸気通路4aにはエアフロメータ6aが取り付けられている。エアフロメータ6aは、吸気通路4aに吸入される吸入空気の流量を検出する。同様に、吸気通路4bも気筒3b毎に分岐された分岐通路4baを有しており、分岐通路4baに分岐する分岐位置よりも上流側の吸気通路4bにはエアフロメータ6bが取り付けられている。エアフロメータ6bは、吸気通路4bに吸入される吸入空気の流量を検出する。
各分岐通路4aaには、各分岐通路4aaに吸入される吸入空気の流量を調整できるように開度調整可能なスロットルバルブ5aが1つずつ設けられるとともに、スロットルバルブ5aの下流側に燃料を噴射するインジェクタ8aが1つずつ設けられる。各スロットルバルブ5aは各分岐通路4aaを貫くように延びる弁軸18aに取り付けられ、その弁軸18aはアクチュエータ19aにて回転駆動される。同様に、各分岐通路4baにも、各分岐通路4baに吸入される吸入空気の流量を調整できるようにスロットルバルブ5bが1つずつ設けられるとともに、スロットルバルブ5bの下流側にインジェクタ8bが1つずつ設けられる。各スロットルバルブ5bは各分岐通路4baを貫くように延びる弁軸18bに取り付けられ、その弁軸18bはアクチュエータ19bにて回転駆動される。なお、以下において、各分岐通路4aa、4baの夫々に吸入される吸入空気の流量を「吸入空気流量」と称することとする。
各スロットルバルブ5aの下流側には、各分岐通路4aa間の圧力差を緩和するため、各分岐通路4aaをスロットルバルブ5aの下流側の位置で互いに連通するバランス通路9aが設けられている。同様に、各スロットルバルブ5bの下流側にも、各分岐通路4ba間の圧力差を緩和するため、各分岐通路4baをスロットルバルブ5bの下流側の位置で互いに連通するバランス通路9bが設けられている。
吸気通路4aには、各スロットルバルブ5aの上流側の吸気通路4aと各スロットルバルブ5aの下流側の各分岐通路4aaとを接続するバイパス通路10aが設けられる。バイパス通路10aは、スロットルバルブ5aの下流側の位置で各分岐通路4aaを互いに連通する連通部11aを備え、連通部11aは、バランス通路9aに対向するようにして各分岐通路4aaと接続されている。バイパス通路10aには、ISC(Idle Speed Control)バルブ13aが設けられる。同様に、吸気通路4bにも、各スロットルバルブ5bの上流側の吸気通路4bと各スロットルバルブ5bの下流側の分岐通路4baとを接続するバイパス通路10bが設けられる。バイパス通路10bは、スロットルバルブ5bの下流側の位置で各分岐通路4baを互いに連通する連通部11bを備え、連通部11bは、バランス通路9bに対向するようにして各分岐通路4baと接続されている。バイパス通路10bには、ISCバルブ13bが設けられる。
吸気通路4a、4bにおけるスロットルバルブ5a、5bの上流側の吸入空気の一部(以下では「バイパス空気」と称す)は夫々、バイパス通路10a、10bを通過することにより各スロットルバルブ5a、5bをバイパスする。アイドル時には、ISCバルブ13a、13bの開度が制御されることにより、バイパス通路10a、10bを通過するバイパス空気の流量(バイパス空気流量)が制御され、エンジン回転数が制御される。
各気筒3a、3bの排気側には夫々、別々の排気通路(不図示)が設けられている。つまり、内燃機関100は、吸気通路4a、4bと同様、バンク毎に独立した排気通路を有している。従って、空燃比を検出するA/Fセンサ、排気ガス中の酸素濃度を検出する酸素濃度センサ、触媒も、バンク2a、2bの夫々の排気通路に設けられている。なお、クランク角センサは、バンク2a、2bの両方に共通のセンサとして設けられている。
バンク2a側のバイパス通路10aには、ISCバルブ13aの下流側に燃料タンク17にて発生したベーパー(蒸発燃料)を含むパージガスを導くためのパージ通路12が接続されている。パージ通路12は、蒸発燃料を吸着するキャニスタ16を介して燃料タンク17に接続される。キャニスタ16は大気に開放する空気導入管15にて空気を導入しつつ内蔵する活性炭で燃料タンク17から導かれた蒸発燃料を吸着する周知のものである。パージ通路12には、パージガスの流量を調整するためのパージVSV(Vacuum Switching Valve)14が設けられている。
パージVSV14の開度が制御されることにより、パージ通路12を通過するパージガスの流量(パージガス流量)が制御される。アイドル時には、パージVSV14が開く方向に制御されることによりパージ通路12は開通し、これにより、キャニスタ16に吸着されている蒸発燃料が、空気導入管15より導入された空気と混合してパージガスとしてバイパス通路10aにパージされる。
ECU(Electronic Control Unit)20は、図示しないCPU、ROM、RAM、A/D変換器及び入出力インターフェイスなどを有している。ECU20は、種々のセンサからの検出信号に基づいて、内燃機関100の制御を行う。
例えば、ECU20は、クランク角センサ32、及び、バンク2a、2bの排気通路の夫々に取り付けられたA/Fセンサ31から検出信号を取得する。ECU20は、クランク角センサ32からの検出信号に基づいて、点火時期の制御やエンジン回転数の制御を行う。また、ECU20は、バンク2a側のA/Fセンサ31からの検出信号より求められた空燃比に基づいて、例えば、特許文献3に記載された空燃比のフィードバック制御を行うことにより、パージガス中のベーパー濃度を取得する。
また、ECU20は、アクチュエータ19a、19bに対し制御信号S19a、S19bを夫々供給することにより、スロットルバルブ5a、5bの開度の制御を行い、ISCバルブ13a、13bに対し制御信号S13a、S13bを夫々供給することにより、ISCバルブ13a、13bの開度の制御を行う。また、ECU20は、パージVSV14に対し制御信号S14を供給することにより、パージVSV14の開度の制御を行う。他にも、ECU20は、例えば、インジェクタ8a、8bに対し制御信号を供給することにより、燃料噴射量の制御を行う。
ECU20は、アイドル時には、パージVSV14を開くことにより、パージガスをバイパス通路10aにパージする。バイパス通路10aにパージされたパージガスは、バイパス空気と混合して連通部11aより各分岐通路4aaに到達する。そして、パージガスとバイパス空気とが混合したガスは、各分岐通路4aaにおいて、各分岐通路4aaに吸入された吸入空気と更に混合して各気筒3aに吸入される。なお、以下では、各気筒3a、3bに吸入されるガスを吸気ガスと称する。即ち、バンク2a側では、吸気ガスは、各分岐通路4aaに吸入された吸入空気と、パージガスと、バイパス空気とが混合したものである。一方、バンク2b側では、パージ通路が設けられていないので、吸入ガスは、各分岐通路4baに吸入された吸入空気と、バイパス空気とが混合したものである。
ここで、パージを行っているバンク2aにおいて、パージガス中のベーパー濃度が比較的高い場合には、各気筒3a間に空燃比の差異が生じ、エミッションの悪化が発生したり、トルク差が生じてアイドル安定性の悪化が発生したりする可能性がある。この理由の1つとしては、バイパス通路10aに対し比較的近い気筒3aに吸入される吸気ガスの方が、バイパス通路10aに対し比較的遠い気筒3bに吸入される吸気ガスよりも、蒸発燃料の濃度が高くなるからである。
そこで、以下に述べる各実施形態では、ECU20は、アイドル時に、パージガス中のベーパー濃度が上昇した場合において、各気筒3aに吸入される吸気ガス中のベーパー濃度の上昇を抑えることとする。なお、ここで、パージガス中のベーパー濃度という場合には、いわゆるパージ濃度を示し、パージガス流量に対する蒸発燃料の割合を意味するものとする。一方、吸気ガス中のベーパー濃度という場合には、各気筒3aに吸入される吸気ガス(パージガス+バイパス空気+吸入空気)の流量に対する蒸発燃料の割合を意味するものとする。このようにすることで、各気筒3aの空燃比に対する蒸発燃料の影響を抑えることができ、パージガスが注入されるバンク2aにおける各気筒3a間に空燃比の差異が生じるのを抑えることができる。従って、ECU20は、本発明における内燃機関の制御装置として機能する。具体的には、ECU20は、蒸発燃料取得手段及び制御手段として機能する。以下の各実施形態で具体的に述べる。
[第1実施形態]
まず、第1実施形態に係る内燃機関の制御方法について説明する。第1実施形態では、ECU20は、アイドル時において、パージガス中のベーパー濃度に基づいて、ISCバルブ13a、13bの開度の制御を行うこととする。
図2は、第1実施形態に係るISCバルブの開度の補正値の変化を示す図である。図2では、横軸にパージガス中のベーパー濃度を示し、縦軸にISCバルブの開度の補正値を示している。グラフ41aはISCバルブ13aの開度の補正値を示すグラフであり、グラフ41bはISCバルブ13bの開度の補正値を示すグラフである。
図2のグラフ41aに示すように、ECU20は、アイドル時において、パージガス中のベーパー濃度が大きくなるほど、ISCバルブ13aの開度の補正値を0から大きくしていく。つまり、ECU20は、パージガス中のベーパー濃度が上昇した場合には、パージガス中のベーパー濃度が上昇しなかったとした場合のISCバルブ13aの開度と比較して、ISCバルブ13aの開度を大きくする制御を行い、パージガス中のベーパー濃度が上昇するほど、その開度の補正値の絶対値を大きくすることによりバイパス空気流量を増加させる。一方、グラフ41bに示すように、ECU20は、アイドル時において、パージガス中のベーパー濃度が上昇するほど、ISCバルブ13bの開度の補正値を0から小さくしていく。つまり、ECU20は、パージガス中のベーパー濃度が上昇した場合には、パージガス中のベーパー濃度が上昇しなかったとした場合のISCバルブ13bの開度と比較して、ISCバルブ13bの開度を小さくする制御を行い、パージガス中のベーパー濃度が上昇するほど、その開度の補正値の絶対値を大きくすることによりバイパス空気流量を減少させる。
つまり、第1実施形態に係る内燃機関の制御方法では、ECU20は、アイドル時において、パージガス中のベーパー濃度が上昇するほど、バイパス通路10aのバイパス空気流量を増加させる。これにより、蒸発燃料はバイパス空気で希釈され、吸気ガス中のベーパー濃度の上昇は抑えられ、各気筒3a間に空燃比の差異が生じるのを抑えることができる。しかしながら、バイパス通路10aのバイパス空気流量が増加することにより、アイドル時のエンジン回転数が増加してしまう。そこで、ECU20は、アイドル時において、パージガス中のベーパー濃度が上昇するほど、パージ通路が設けられていないバイパス通路10bのバイパス空気流量を減少させる。これにより、アイドル時のエンジン回転数の増加を抑えることができる。このようにすることで、アイドル時のエンジン回転数を保持しつつ、パージガスが注入されるバンクにおける各気筒間に空燃比の差異が生じるのを抑えることができる。
(第1実施形態に係る制御処理)
第1実施形態に係る制御処理について、図3に示すフローチャートを用いて説明する。
まず、ステップS101において、ECU20は、各種のセンサからの検出信号などを基に、内燃機関100の状態がアイドル状態にあるか否かを判定する。ECU20は、内燃機関100の状態がアイドル状態にないと判定した場合には(ステップS101:No)、本制御処理を終了する。一方、ECU20は、内燃機関100の状態がアイドル状態にあると判定した場合には(ステップS101:Yes)、ステップS102の処理へ進む。
ステップS102において、ECU20は、パージ実行中か否かを判定する。例えば、ECU20は、パージVSV14の開度に基づいて、具体的には、パージVSV14へ供給した制御信号に基づいて、パージ実行中か否かを判定することができる。ECU20は、パージ実行中でないと判定した場合には(ステップS102:No)、バンク2a、2bのISCバルブ13a、13bの開度の補正値を0とした後(ステップS106)、本制御処理を終了する。一方、ECU20は、パージ実行中であると判定した場合には(ステップS102:Yes)、ステップS103の処理へ進む。
ステップS103において、ECU20は、パージガス中のベーパー濃度を取得する。ECU20は、バンク2a側のA/Fセンサ31からの検出信号より求められた空燃比に基づいて、例えば、特許文献3に記載された空燃比のフィードバック制御を行うことにより、パージガス中のベーパー濃度を取得することができる。
次に、ステップS104において、ECU20は、パージガス中のベーパー濃度に基づいて、ISCバルブ13a、13bの夫々の開度の補正値を求める。具体的には、ECU20は、図2のグラフ41a、41bによって示される関係をマップとして予めRAMなどに記憶しており、パージガス中のベーパー濃度に基づいて、当該マップを用いてISCバルブ13a、13bの夫々の開度の補正値を求める。これにより、ISCバルブ13aの補正値は、パージガス中のベーパー濃度が上昇するほど、バイパス通路10aのバイパス空気流量が増加する値として求められ、ISCバルブ13bの補正値は、パージガス中のベーパー濃度が上昇するほど、バイパス通路10bのバイパス空気流量が減少する値として求められる。これにより、アイドル時のエンジン回転数を保持しつつ、パージガスが注入されるバンク2aにおける各気筒3a間に空燃比の差異が生じるのを抑えることが可能なISCバルブ13a、13bの夫々の開度の補正値を求めることができる。
ステップS105において、ECU20は、求められたISCバルブ13a、13bの開度の補正値を夫々、パージガス中のベーパー濃度が上昇しなかったとした場合のISCバルブ13a、13bの開度に加えることで、各バンクのISCバルブ13a、13bの補正後の開度を算出する。その後、ECU20は、当該補正後の開度となるように、各バンクのISCバルブ13a、13bを制御した後、本制御処理を終了する。このようにすることで、アイドル時のエンジン回転数を保持しつつ、パージガスが注入されるバンク2aにおける各気筒3a間に空燃比の差異が生じるのを抑えることができる。
以上に述べたように、第1実施形態に係る内燃機関の制御方法では、ECU20は、パージガス中のベーパー濃度が上昇するほど、パージガスが注入されるバンクにおけるバイパス空気の流量を増加させるとともに、パージガスが注入されないバンクにおけるバイパス空気の流量を減少させる。これにより、アイドル時のエンジン回転数を保持しつつ、パージガスが注入されるバンクにおける各気筒間に空燃比の差異が生じるのを抑えることができる。
[第2実施形態]
次に、第2実施形態に係る内燃機関の制御方法について説明する。第2実施形態では、ECU20は、アイドル時において、パージガス中のベーパー濃度に基づいて、パージVSV14の開度の制御を行うこととする。
図4に示すグラフは、第2実施形態に係るパージ率の変化を示すグラフである。図4(a)では、横軸にパージガス中のベーパー濃度を示し、縦軸にパージ率を示している。ここで、パージ率とは、吸気ガスの流量に対するパージガスの流量の割合である。即ち、パージ率とは、パージガス流量/(バイパス空気流量+吸入空気流量+パージガス流量)で示される値である。図4(b)に示すグラフは、第2実施形態に係るパージ率の補正値の変化を示すグラフである。図4(b)では、横軸にパージガス中のベーパー濃度を示し、縦軸にパージ率の補正値を示している。
図4(a)のグラフに示すように、ECU20は、アイドル時において、パージガス中のベーパー濃度が上昇するほど、パージ率を減少させる。つまり、ECU20は、アイドル時において、パージガス中のベーパー濃度が上昇するほど、パージVSV14の開度を制御することによりパージガス流量を減少させる。従って、図4(b)のグラフに示すように、パージガス中のベーパー濃度が上昇した場合には、パージ率の補正値は0から小さくされ、パージガス中のベーパー濃度が上昇するほど、その補正値の絶対値は大きくなる。このようにしても、アイドル時において、各気筒3aに吸入される吸気ガス中のベーパー濃度の上昇を抑えることができ、パージガスが注入されるバンクにおける各気筒間に空燃比の差異が生じるのを抑えることができる。
(第2実施形態に係る制御処理)
第2実施形態に係る制御処理について、図5に示すフローチャートを用いて説明する。
ステップS201において、ECU20は、パージ実行中か否かを判定する。例えば、ECU20は、パージVSV14の開度に基づいて、即ち、パージVSV14へ供給した制御信号に基づいて、パージ実行中か否かを判定することができる。ECU20は、パージ実行中でないと判定した場合には(ステップS201:No)、本制御処理を終了する。一方、ECU20は、パージ実行中であると判定した場合には(ステップS201:Yes)、ステップS202の処理へ進む。
ステップS202において、ECU20は、パージガス中のベーパー濃度を取得する。そして、ステップS203において、ECU20は、パージガス中のベーパー濃度に基づいて、パージ率の補正値を求める。具体的には、ECU20は、図4(b)のグラフによって示される関係をマップとして予めRAMなどに記憶している。ECU20は、パージガス中のベーパー濃度に基づいて、当該マップを用いてパージ率の補正値を求める。
次に、ステップS204において、ECU20は、求められたパージ率の補正値を、パージガス中のベーパー濃度が上昇しなかったとした場合のパージ率に加えることで、補正後のパージ率を求める。パージガス中のベーパー濃度と補正後のパージ率との関係が図4(a)のグラフに示した関係となる。ECU20は、補正後のパージ率となるようにパージVSV14の開度を制御した後、本制御処理を終了する。このようにすることで、パージガスを含む吸気ガス中のベーパー濃度の上昇を抑えることができ、パージガスが注入されるバンク2aにおける各気筒3a間に空燃比の差異が生じるのを抑えることができる。
以上に述べたように、第2実施形態に係る内燃機関の制御方法では、ECU20は、パージガス中の蒸発燃料の濃度が上昇するほど、パージガスが注入されるバンクにおける吸気ガスの流量に対するパージガスの流量の割合を減少させる。このようにすることで、パージガスを含む吸気ガス中のベーパー濃度の上昇を抑えることができ、パージガスが注入されるバンクにおける各気筒間に空燃比の差異が生じるのを抑えることができる。
[第3実施形態]
次に、第3実施形態に係る内燃機関の制御方法について説明する。第3実施形態では、ECU20は、パージガス中のベーパー濃度に基づいて、アイドル時の目標エンジン回転数(アイドル目標回転数)の制御を行うこととする。
図6に示すグラフは、第3実施形態に係るアイドル目標回転数の補正値を示すグラフである。図6では、横軸にパージガス中のベーパー濃度を示し、縦軸にアイドル目標回転数の補正値を示している。
図6のグラフに示すように、ECU20は、パージガス中のベーパー濃度が上昇するほど、アイドル目標回転数の補正値を0から増加させる。つまり、ECU20は、パージガス中のベーパー濃度が上昇するほど、アイドル目標回転数を増加させる。また、ECU20は、アイドル目標回転数に応じて、バイパス通路10a、10bのバイパス空気流量を制御する。具体的には、ECU20は、アイドル目標回転数が増加するほど、バイパス通路10a、10bのバイパス空気流量を増加させる。このように、パージガス中のベーパー濃度が上昇するほど、アイドル目標回転数を増加させるとすることで、パージガス中のベーパー濃度が上昇するほど、バイパス通路10aのバイパス空気流量は増加することとなる。このようにすることで、パージガスを含む吸気ガス中のベーパー濃度の上昇を抑えることができ、パージガスが注入されるバンク2aにおける各気筒3a間に空燃比の差異が生じるのを抑えることができる。
(第3実施形態に係る制御処理)
第3実施形態に係る制御処理について、図7に示すフローチャートを用いて説明する。
まず、ステップS301において、ECU20は、各種のセンサからの検出信号などを基に、内燃機関100の状態がアイドル状態にあるか否かを判定する。ECU20は、内燃機関100の状態がアイドル状態にないと判定した場合には(ステップS301:No)、本制御処理を終了する。一方、ECU20は、内燃機関100の状態がアイドル状態にあると判定した場合には(ステップS301:Yes)、ステップS302の処理へ進む。
ステップS302において、ECU20は、パージ実行中か否かを判定する。例えば、ECU20は、パージVSV14の開度に基づいて、即ち、パージVSV14へ供給した制御信号に基づいて、パージ実行中か否かを判定することができる。ECU20は、パージ実行中でないと判定した場合には(ステップS302:No)、アイドル目標回転数の補正値を0とした後(ステップS305)、本制御処理を終了する。一方、ECU20は、パージ実行中であると判定した場合には(ステップS302:Yes)、ステップS303の処理へ進む。
ステップS303において、ECU20は、パージガス中のベーパー濃度を取得する。そして、ステップS304において、ECU20は、パージガス中のベーパー濃度に基づいて、アイドル目標回転数の補正値を求める。具体的には、ECU20は、図6のグラフに示される関係をマップとして予めRAMなどに記憶しており、パージガス中のベーパー濃度に基づいて、当該マップを用いてアイドル目標回転数の補正値を求める。これにより、アイドル目標回転数の補正値は、パージガス中のベーパー濃度が上昇するほど、アイドル目標回転数が増加する値として求められる。
ステップS306において、ECU20は、求められたアイドル目標回転数の補正値を、パージガス中のベーパー濃度が上昇しなかったとした場合のアイドル目標回転数に加えることにより、補正後のアイドル目標回転数を求める。そして、続くステップS307において、ECU20は、補正後のアイドル目標回転数に応じて、ISCバルブ13a、13bを制御することにより、バイパス通路10a、10bのバイパス空気流量を調整する。このとき、補正後のアイドル目標回転数が増加するほど、バイパス通路10a、10bのバイパス空気流量を増加させる調整が行われる。その後、ECU20は本制御処理を終了する。このようにすることで、パージガス中のベーパー濃度が上昇するほど、バイパス通路10aのバイパス空気流量は増加することとなるので、パージガスを含む吸気ガス中のベーパー濃度を抑えることができ、パージガスが注入されるバンクにおける各気筒間に空燃比の差異が生じるのを抑えることができる。
以上に述べたように、第3実施形態に係る制御方法では、ECU20は、パージガス中の蒸発燃料の濃度が上昇するほど、アイドル時の目標エンジン回転数を増加させるとともに、アイドル時の目標エンジン回転数が増加するほど、バンク2a、2bにおけるバイパス空気の流量を増加させる。このようにしても、パージガスを含む吸気ガス中のベーパー濃度の上昇を抑えることができ、パージガスが注入されるバンクにおける各気筒間に空燃比の差異が生じるのを抑えることができる。
[第4実施形態]
次に、第4実施形態に係る内燃機関の制御方法について説明する。第4実施形態では、ECU20は、アイドル時において、パージガス中のベーパー濃度に基づいて、点火時期を遅角するとともに、点火時期の遅角量に基づいて、ISCバルブの開度の制御を行うこととする。
図8に示すグラフは、第4実施形態に係る点火時期の遅角量を示すグラフである。図8では、横軸にパージガス中のベーパー濃度を示し、縦軸にパージガスが注入されるバンク2aの点火時期の遅角量の変化を示している。図9に示すグラフは、第4実施形態に係るISCバルブの開度の補正値の変化を示す図である。図9では、横軸に点火時期の遅角量を示し、縦軸にバンク2aにおけるISCバルブ13aの開度の補正値を示している。
図8のグラフに示すように、ECU20は、アイドル時において、パージガス中のベーパー濃度が上昇するほど、パージガスが注入されるバンク2aの点火時期の遅角量を0から大きくしていく。また、ECU20は、このとき、点火時期の遅角量に基づいて、バンク2aにおけるISCバルブ13aの補正値を変化させることとする。具体的には、図9のグラフに示すように、ECU20は、点火時期の遅角量が大きくなるほど、バンク2aにおけるISCバルブ13aの補正値を0から大きくしていく。なお、このとき、ECU20は、パージガスが注入されないバンク2bの点火時期の遅角量については、パージガス中のベーパー濃度に応じて変化させない。従って、バンク2bにおけるISCバルブ13bの補正値も、パージガス中のベーパー濃度に応じては変化しない。
図10は、パージガスが注入されるバンク2aとパージガスが注入されないバンク2bの夫々について、アイドル時にパージガス中のベーパー濃度が上昇した場合における、点火時期及び吸入ガスの流量の変化を示す模式図である。図10(a)は、バンク2a、2bの夫々についての点火時期の変化を示し、図10(b)は、バンク2a、2bの夫々についての吸入ガスの流量における割合の変化を示している。図10(a)、(b)において、矢印はベーパー濃度が上昇したことを示している。
アイドル時においてパージガス中のベーパー濃度が上昇する前は、図10(a)に示すように、バンク2a、2bの点火時期は互いに同一であり、図10(b)に示すように、バンク2a、2bの吸気ガスの流量も互いに同一である。従って、アイドル時においてパージガス中のベーパー濃度が上昇する前は、バンク2a、2bのトルクは互いに同一である。
アイドル時においてパージガス中のベーパー濃度が上昇した場合には、図10(a)に示すように、バンク2aの点火時期は遅角されるので、バンク2aの点火時期は、バンク2bの点火時期よりも遅角量分だけ減少する一方、図10(b)に示すように、バンク2aの遅角量分だけISCバルブ13aの開度は大きく補正されるので、バイパス通路10aのバイパス空気流量は増加し、それによりバンク2aの吸入ガスの流量も増加する。
つまり、逆に言うと、第3実施形態では、パージガス中のベーパー濃度が上昇した場合において、バイパス通路10aのバイパス空気流量を増加させることで、吸入ガスの流量を増加させ、吸気ガス中のベーパー濃度の上昇を抑えることとする。これにより、パージガスが注入されるバンク2aにおける各気筒3a間に空燃比の差異が生じるのを抑えることができる。しかしながら、このままだと、吸入ガスの流量が増加した分だけ、バンク2aのトルクはバンク2bのトルクよりも大きくなり、バンク2a、2bの間にトルクの大きさの差異が生じる。そこで、第3実施形態では、さらに、バンク2aの点火時期を遅角することにより、バンク2aのトルクがバンク2bのトルクよりも大きくなるのを抑えることとする。これにより、バンク2a、2bの間にトルクの大きさの差異が生じるのを抑えることができる。この方法では、アイドル目標回転数を変化させる必要がないため、パージガスが注入されるバンク2aにのみバイパス空気流量を増加させることができる。
(第4実施形態に係る制御方法)
第4実施形態に係る制御処理について、図11に示すフローチャートを用いて説明する。
まず、ステップS401において、ECU20は、各種のセンサからの検出信号などを基に、内燃機関100の状態がアイドル状態にあるか否かを判定する。ECU20は、内燃機関100の状態がアイドル状態にないと判定した場合には(ステップS401:No)、本制御処理を終了する。一方、ECU20は、内燃機関100の状態がアイドル状態にあると判定した場合には(ステップS401:Yes)、ステップS402の処理へ進む。
ステップS402において、ECU20は、パージ実行中か否かを判定する。例えば、ECU20は、パージVSV14の開度に基づいて、即ち、パージVSV14へ供給した制御信号に基づいて、パージ実行中か否かを判定することができる。ECU20は、パージ実行中でないと判定した場合には(ステップS402:No)、通常の方法、例えばアイドル目標回転数に基づいて、バンク2a、2bにおける点火時期及びISCバルブ13a、13bの開度の補正値を求めた後(ステップS408)、本制御処理を終了する。一方、ECU20は、パージ実行中であると判定した場合には(ステップS402:Yes)、ステップS403の処理へ進む。
ステップS403において、ECU20は、パージガス中のベーパー濃度を取得する。そして、ステップS404において、ECU20は、制御を行うバンクが、パージガスが注入されるバンク(パージバンク)か否かについて判定し、パージガスが注入されないバンクであると判定した場合には(ステップS404:No)、即ち、バンク2bであると判定した場合には、ステップS408へ進み、通常の方法、例えばアイドル目標回転数に基づいて、バンク2bにおける点火時期及びISCバルブ13bの開度の補正値を求めた後、本制御処理を終了する。一方、ステップS404において、ECU20は、制御を行うバンクが、パージガスが注入されるバンクであると判定した場合には(ステップS404:Yes)、即ち、バンク2aであると判定した場合には、ステップS405の処理へ進む。
ステップS405において、ECU20は、パージガス中のベーパー濃度に基づいて、バンク2aにおける点火時期の遅角量を求める。具体的には、ECU20は、図8のグラフに示される関係をマップとして予めRAMなどに記憶しており、パージガス中のベーパー濃度に基づいて、当該マップを用いて点火時期の遅角量を求める。この求められた遅角量で点火時期を遅角することにより、バイパス通路10aにおけるバイパス空気流量が増加した場合であっても、バンク2a、2bの間にトルクの大きさの差異が生じるのを抑えることができる。
次に、ステップS406において、ECU20は、ステップS405で求められた点火時期の遅角量に基づいて、ISCバルブ13aの開度の補正値を求める。具体的には、ECU20は、図9のグラフに示される関係をマップとして予めRAMなどに記憶しており、求められた点火時期の遅角量に基づいて、当該マップを用いてISCバルブ13aの開度の補正値を求める。この求められた補正値でISCバルブ13aの開度を補正することにより、バイパス通路10aのバイパス空気流量を増加させることができ、吸気ガスの流量を増加させ、吸気ガス中のベーパー濃度の上昇を抑えることができる。これにより、パージガスが注入されるバンク2aにおける各気筒3a間に空燃比の差異が生じるのを抑えることができる。
次に、ステップS407において、ECU20は、パージガス中のベーパー濃度が上昇しなかったとした場合のバンク2aの点火時期から、ステップS405で求められた点火時期の遅角量を引くことで、補正後の点火時期を求め、バンク2aの点火時期が当該補正後の点火時期となるように制御する。また、ECU20は、パージガス中のベーパー濃度が上昇しなかったとした場合のISCバルブ13aの開度に、ステップS406で求められたISCバルブ13aの開度の補正値を加えることで、補正後のISCバルブ13aの開度を求め、当該補正後の開度となるように、ISCバルブ13aの開度を制御する。その後、ECU20は本制御処理を終了する。このようにすることで、バンク2a、2bの間にトルクの大きさの差異が生じるのを抑えつつ、パージガスが注入されるバンク2aにおける各気筒3a間に空燃比の差異が生じるのを抑えることができる。また、この方法では、アイドル目標回転数を変化させる必要がなく、パージガスが注入されるバンクにのみバイパス空気を増加させることができる。
以上に述べたように、第4実施形態に係る制御方法では、ECU20は、パージガス中の蒸発燃料の濃度が上昇するほど、パージガスが注入されるバンクにおける点火時期の遅角量を増加させるとともに、当該遅角量が増加するほど、パージガスが注入されるバンクにおけるバイパス空気の流量を増加させる。これにより、パージガスが注入されるバンクとパージガスが注入されないバンクとの間にトルクの大きさの差異が生じるのを抑えつつ、パージガスが注入されるバンクにおける各気筒間に空燃比の差異が生じるのを抑えることができる。また、アイドル目標回転数を変化させる必要がなく、パージガスが注入されるバンクにのみバイパス空気の流量を増加させることができる。
本発明の各実施形態に係る内燃機関の構成を示す構成図である。 第1実施形態に係るISCバルブの開度の補正値の変化を示すグラフである。 第1実施形態に係る制御処理を示すフローチャートである。 第2実施形態に係るパージ率の変化を示すグラフである。 第2実施形態に係る制御処理を示すフローチャートである。 第3実施形態に係るアイドル目標回転数の補正値を示すグラフである。 第3実施形態に係る制御処理を示すフローチャートである。 第4実施形態に係る点火時期の遅角量の変化を示すグラフである。 第4実施形態に係るISCバルブの開度の補正値の変化を示すグラフである。 第4実施形態における点火時期及び吸入ガス量の変化を示す模式図である。 第4実施形態に係る制御処理を示すフローチャートである。
符号の説明
2a、2b バンク
3a、3b 気筒
4a、4b 吸気通路
4aa、4ba 分岐通路
5a、5b スロットルバルブ
12 パージ通路
13a、13b ISCバルブ
14 パージVSV
100 内燃機関

Claims (5)

  1. 複数のバンクを有し、前記複数のバンクの夫々には、気筒毎に分岐した分岐通路を備えた吸気通路、各分岐通路に設けられて吸入空気流量を調整可能なスロットル弁、前記スロットル弁よりも下流側の各分岐通路と前記スロットル弁よりも上流側の吸気通路とを結んで吸入空気の一部をバイパス空気として各分岐通路へと導くバイパス通路を備えるとともに、前記複数のバンクのうち、一部のバンクには、燃料タンク内で生じた蒸発燃料を含むパージガスを前記バイパス通路へと導くパージ通路を備えた内燃機関に適用される内燃機関の制御装置であって、
    前記パージガス中の蒸発燃料の濃度を取得する蒸発燃料濃度取得手段と、
    アイドル時に、前記パージガス中の蒸発燃料の濃度が上昇した場合において、前記一部のバンクの気筒に吸入される吸気ガス中の蒸発燃料の濃度の上昇を抑える制御手段と、を備えることを特徴とする内燃機関の制御装置。
  2. 前記制御手段は、前記パージガス中の蒸発燃料の濃度が上昇するほど、前記一部のバンクにおけるバイパス空気の流量を増加させるとともに前記一部のバンク以外のバンクにおけるバイパス空気の流量を減少させることを特徴とする請求項1に記載の内燃機関の制御装置。
  3. 前記制御手段は、前記パージガス中の蒸発燃料の濃度が上昇するほど、前記一部のバンクにおける前記吸気ガスの流量に対する前記パージガスの流量の割合を減少させることを特徴とする請求項1に記載の内燃機関の制御装置。
  4. 前記制御手段は、前記パージガス中の蒸発燃料の濃度が上昇するほど、アイドル時の目標エンジン回転数を増加させるとともに、前記目標エンジン回転数が増加するほど、前記複数のバンクにおけるバイパス空気の流量を増加させることを特徴とする請求項1に記載の内燃機関の制御装置。
  5. 前記制御手段は、前記パージガス中の蒸発燃料の濃度が上昇するほど、前記一部のバンクにおける点火時期の遅角量を増加させるとともに、前記遅角量が増加するほど、前記一部のバンクにおけるバイパス空気の流量を増加させることを特徴とする請求項1に記載の内燃機関の制御装置。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2012067645A (ja) * 2010-09-22 2012-04-05 Keihin Corp 内燃機関の蒸発燃料制御装置

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