JP2009097000A - 透明フィルムの鹸化方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】 キズの成長を抑制し、白色化を抑制し、かつ、密着性を向上させる透明フィルムの鹸化方法を提供。
【解決手段】本発明の透明フィルムの鹸化方法は、透明フィルムに鹸化液を塗布する透明フィルムの鹸化方法であって、該鹸化液が、少なくとも、アルカリ剤、水溶性有機溶媒及び界面活性剤を含み、該鹸化液を塗布する際の該透明フィルムの表面温度T(℃)、
該鹸化液と該透明フィルムとの接触時間t(sec)、及び、該鹸化液のアルカリ濃度C(mol/kg)が、関係式(1)、(2)及び(3)を満たすことを特徴とする。
T<−0.6t−2.8C+47 ・・・・・(1)
T<40 ・・・・・(2)
C>0.99 ・・・・・(3)
【選択図】なし

Description

本発明は、透明フィルムの鹸化方法に関する。
液晶表示装置には、視野角を拡大する等の目的で、光学補償フィルムが用いられている。この光学補償フィルムは、液晶性化合物等からなる光学異方性層を、トリアセチルセルロース等からなる透明フィルム(支持体)上に積層したものからなる。該光学異方性層は、通常、配向膜を介して透明フィルム上に積層される。
前記透明フィルム上に光学異方性層等の他の層を形成する際、通常、透明フィルムの表面に鹸化処理が施される。鹸化処理すると、透明フィルムの表面の親水性が増し、透明フィルムと、配向膜との密着性が良くなる。
また、液晶表示装置には、偏光板が用いられており、液晶表示装置用の偏光板としては、ヨウ素で染色されたポリビニルアルコール系フィルムを延伸した偏光膜にポリビニルアルコール等の接着剤を用いて、透明フィルムを貼り合わせたものを用いることが一般的であり、偏光板の薄型化や貼り合わせ工程数削減のために光学補償機能を有する透明フィルムを貼り合わせたものを用いることもある。前記偏光膜と透明フィルムを貼り合わせる際、通常、透明フィルムの表面に鹸化処理が施される。鹸化処理すると、透明フィルムの表面の親水性が増し、透明フィルムと接着剤との親和性が良くなる。
ところで、前記透明フィルムは、その製膜工程や他の層を形成する際等に生じた、微細なキズ(例えば、数十nm以下)を有することがある。
このようなキズのある透明フィルムに、鹸化処理を行うと、キズが深さ方向に成長し、キズが目立つようになり、問題となることがある。鹸化処理を行う前、表示品位に影響を与えない程度の大きさのキズであっても、鹸化処理の条件によっては、表示品位に影響を与える程、大きくなることがあり、問題となっている。
また、鹸化処理の条件によっては、透明フィルムが白色化し、濁りが発生することがある。この濁りは、透明フィルムのキズから滲み出した成分等が変質して不溶化し透明フィルムの表面に残存して発生するものと推測される。濁りが発生した透明フィルムは、透過率等が著しく低下し、問題であった。
以上の事情等により、キズの成長、及び白色化を抑制し、かつ、密着性を向上させる透明フィルムの鹸化方法が望まれている(例えば、特許文献1〜3参照)。
特開2005−115341号公報 特開2006−176638号公報 特開2005−274943号公報
本発明は、従来における前記問題を解決し、以下の目的を達成することを課題とする。
即ち、本発明は、キズの成長、及び白色化を抑制し、かつ、密着性を向上させる透明フィルムの鹸化方法、を提供することを目的とする。
前記課題を解決するための手段は、以下の通りである。即ち、
<1>鹸化液を塗布して透明フィルムを鹸化する透明フィルムの鹸化方法であって、該鹸化液が、少なくとも、アルカリ剤、水溶性有機溶媒及び界面活性剤を含み、
該鹸化液を塗布する際の該透明フィルムの表面温度T(℃)、
該鹸化液と該透明フィルムとの接触時間t(sec)、及び、
該鹸化液のアルカリ濃度C(mol/kg)が、関係式(1)、(2)及び(3)を満たすことを特徴とする透明フィルムの鹸化方法である。
T<−0.6t−2.8C+47 ・・・・・(1)
T<40 ・・・・・(2)
C>0.99 ・・・・・(3)
<2>水溶性有機溶媒が、アルコールである前記<1>に記載の透明フィルムの鹸化方法である。
<3>アルコールが、イソプロピルアルコールである前記<2>に記載の透明フィルムの鹸化方法である。
<4>界面活性剤が、非イオン性界面活性剤である前記<1>から<3>のいずれかに記載の透明フィルムの鹸化方法である。
<5>界面活性剤が、エチレンオキサイド型である前記<4>に記載の透明フィルムの鹸化方法である。
<6>透明フィルムが、セルロースアシレートフィルムを含む前記<1>から<5>のいずれかに記載の透明フィルムの鹸化方法である。
<7>セルロースアシレートフィルムがセルロースアセテートフィルムからなる前記<6>に記載の透明フィルムの鹸化方法である。
<8>前記<1>から<7>のいずれかに記載の透明フィルムの鹸化方法で処理された透明フィルムに、光学異方性層を形成した光学フィルムである。
<9>前記<1>から<7>のいずれかに記載の透明フィルムの鹸化方法で処理された透明フィルム、又は前記<8>に記載の光学フィルムを備える偏光板である。
<10>鹸化液に透明フィルムを浸漬して、透明フィルムを鹸化する透明フィルムの鹸化方法であって、
該鹸化液が、少なくとも、アルカリ剤、水溶性有機溶媒及び界面活性剤を含み、
該鹸化液を浸漬する際の該透明フィルムの表面温度T(℃)、
該鹸化液と該透明フィルムとの接触時間t(sec)、及び、
該鹸化液のアルカリ濃度C(mol/kg)が、関係式(4)及び(5)を満たすことを特徴とする透明フィルムの鹸化方法である。
T>−0.1t−10C+72 ・・・・・(4)
50<T<80 ・・・・・(5)
<11>水溶性有機溶媒が、アルコールである前記<10>に記載の透明フィルムの鹸化方法である。
<12>アルコールが、イソプロピルアルコールである前記<11>に記載の透明フィルムの鹸化方法である。
<13>界面活性剤が、非イオン性界面活性剤である前記<10>から<12>のいずれかに記載の透明フィルムの鹸化方法である。
<14>界面活性剤が、エチレンオキサイド型である前記<13>に記載の透明フィルムの鹸化方法である。
<15>透明フィルムが、セルロースアシレートフィルムを含む前記<10>から<14>のいずれかに記載の透明フィルムの鹸化方法である。
<16>セルロースアシレートフィルムがセルロースアセテートフィルムからなる前記<15>に記載の透明フィルムの鹸化方法である。
<17>前記<10>から<16>のいずれかに記載の透明フィルムの鹸化方法で処理された透明フィルムに、光学異方性層を形成した光学補償フィルムである。
<18>前記<10>から<16>のいずれかに記載の透明フィルムの鹸化方法で処理された透明フィルム、又は前記<17>に記載の光学補償フィルムを備える偏光板である。
本発明によると、従来における問題を解決することができ、キズの成長が抑制され、白色化を抑制し、かつ、密着性を向上させる透明フィルムの鹸化方法を提供できる。
〔第1実施形態〕
本実施形態の透明フィルムの鹸化方法は、鹸化液を透明フィルムに塗布する透明フィルムの鹸化方法であって、該鹸化液が、少なくとも、アルカリ剤、水溶性有機溶媒及び界面活性剤を含み、該鹸化液を塗布する際の該透明フィルムの表面温度T(℃)、該鹸化液と該透明フィルムとの接触時間t(sec)、及び、該鹸化液のアルカリ濃度C(mol/kg)が、関係式(1)、(2)及び(3)を満たすことを特徴とする。
T<−0.6t−2.8C+47 ・・・・・(1)
T<40 ・・・・・(2)
C>0.99 ・・・・・(3)
(透明フィルム)
前記透明フィルムは、透明なポリマーフィルムからなり、光透過率が80%以上であることが好ましい。該透明フィルムとしては、例えば、液晶表示装置の光学補償フィルムに用いられるが、他の用途に用いられるフィルムであってもよい。
前記ポリマーは、エステル結合、アミド結合等の加水分解可能な結合(鹸化処理の対象となる結合)を含む。とりわけエステル結合を含むのが好ましく、エステル結合がポリマーの側鎖に存在していることがさらに好ましい。エステル結合が側鎖に存在しているポリマーとしては、セルロースエステル(以下、セルロースアシレートとも呼ぶ)が最も好ましい。
以下、セルロースアシレートについて詳しく説明する。原料のセルロースとしては、綿花リンターや木材パルプなどがあるが、何れの原料セルロースから得られるセルロースアシレートでも使用でき、混合して使用してもよい。
これらのセルロースから得られるセルロースアシレートは、セルロースの低級脂肪酸エステルが好ましく、セルロースアセテートがさらに好ましく、酢化度が59.0〜61.5%であるセルロースアセテートが最も好ましい。
酢化度とは、セルロース単位重量当たりの結合酢酸量を意味する。酢化度は、ASTM:D−817−91(セルロースアセテート等の試験方法)におけるアセチル化度の測定および計算に従う。
前記セルロースアシレートの炭素数3〜22のアシル基としては、脂肪族基でもアリール基でもよく特に限定されない。セルロースアシレートは、例えばセルロースのアルキルカルボニルエステル、アルケニルカルボニルエステルあるいは芳香族カルボニルエステル、芳香族アルキルカルボニルエステル等であり、それぞれさらに置換された基を有していてもよい。具体的には、発明協会公開技報(公開番号2001−1745、2001年3月15日発行、発明協会)の8〜9頁に記載のアシル基等が挙げられる。
前記セルロースアシレートの重合度(粘度平均)は200〜700が好ましく、特に250〜550のものが好ましい。
セルロースアシレートフィルム等のポリマーフィルムは、使用する目的や用途によって、上記のセルロースアシレートと共に、他の化合物を含有しても良い。
ポリマーフィルムには、機械的物性を改良するため、または乾燥速度を向上させる等の目的で、可塑剤が添加されてもよい。可塑剤としては、例えば、リン酸エステル又はカルボン酸エステルが用いられる。具体的には、前記の公技番号2001−1745の16頁に詳細の化合物等が挙げられる。可塑剤の添加量は、セルロースエステルの量の0.1〜25重量%であることが好ましく、1〜20重量%であることがさらに好ましく、3〜15重量%であることが最も好ましい。
ポリマーフィルムを光学補償フィルムに用いる場合、ポリマーフィルムは、所定のレターデーション値を有することが望まれる。
ポリマーフィルムのレターデーションを調整するために、光学異方性を調節するためのレターデーション上昇剤を添加してもよい。
セルロースアシレートフイルムのレターデーションを調整するには、芳香族環を少なくとも二つ有する芳香族化合物をレターデーション上昇剤として使用することが好ましい。
芳香族化合物は、セルロースアシレート100質量部に対して、0.01〜20質量部の範囲で使用することが好ましい。また、二種類以上の芳香族化合物を併用してもよい。
芳香族化合物の芳香族環には、芳香族炭化水素環に加えて、芳香族性ヘテロ環を含む。例えば、欧州特許0911656A2号明細書、特開2000−111914号、同2000−275434号公報等記載の化合物が挙げられる。
更に、ポリマーフィルムには、用途に応じた種々の添加剤(例えば、可塑剤、紫外線防止剤、劣化防止剤(例:酸化防止剤、過酸化物分解剤、ラジカル禁止剤、金属不活性化剤、酸捕獲剤、アミン)、微粒子、剥離剤、赤外吸収剤、帯電防止剤等)が添加されてもよい。
また、多層のポリマーフィルムを用いる場合、各層の添加物の種類、添加量が異なってもよい。これらの詳細は、発明協会公開技報(公技番号2001−1745、2001年3月15日発行、発明協会)の17頁〜22頁に詳細に記載されている素材が好ましく用いられる。これらの添加剤の使用量は、各素材の添加量は機能が発現する限りにおいて特に限定されないが、セルロールアシレート全組成物中、0.001〜20質量%の範囲で適宜用いられることが好ましい。
前記セルロースアシレートフィルムは、ソルベントキャスト法で製膜することが好ましい。ソルベントキャスト法では、ポリマー材料を有機溶媒に溶解した溶液(ドープ)を用いてフィルムを製造する。
この方法では、ドラムに巻きつけられた平滑なバンド上にドープを流延し、溶媒を蒸発させてフィルムを形成する。該流延工程では1種類のセルロースアシレート溶液を単層流延してもよいし、2種類以上のセルロースアシレート溶液を同時及び又は逐次共流延してもよい。具体的には、前記の公技番号2001−1745の22頁〜30頁に詳細に記載された内容が挙げられる。
セルロースアシレートフィルムは、さらに延伸処理によりレターデーションを調整することができる。延伸倍率は、3〜100%であることが好ましい。
セルロースアシレートフィルムの厚さは、15μm〜500μmであることが好ましく、20μm〜200μmであることがさらに好ましい。
(鹸化液)
前記鹸化液(アルカリ溶液)は、少なくとも、アルカリ剤、水溶性有機溶媒及び界面活性剤を含む。
前記アルカリ剤としては、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、水酸化リチウム、水酸化アンモニウム等の公知の無機アルカリ剤を用いることができる。
また、モノメチルアミン、ジメチルアミン、トリメチルアミン、モノエチルアミン、ジエチルアミン、トリエチルアミン、モノイソプロピルアミン、ジイソプロピルアミン、トリイソプロピルアミン、n−ブチルアミン、モノエタノールアミン、ジエタノールアミン、トリエタノールアミン、モノイソプロパノールアミン、ジイソプロパノールアミン、エチレンイミン、エチレンジアミン、ピリジン、DBU(1,8−ジアザビシクロ[5,4,0]−7−ウンデセン)、DBN(1,5−ジアザビシクロ[4,3,0]−5−ノネン)、テトラメチルアンモニウムヒドロキシド、テトラエチルアンモニウムヒドロキシド、テトラプロピルアンモニウムヒドロキシド、テトラブチルアンモニウムヒドロキシド、トリエチルブチルアンモニウムヒドロキシド等の公知の有機アルカリ剤も用いることが出来る。
これらのアルカリ剤は、単独又は二種以上を組み合せて用いることができる。アルカリ剤の一部を、ハロゲン化した形(塩)で添加してもよい。
これらのアルカリ剤のうち、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム等のアルカリ金属の水酸化物が好ましい。これらは、添加量を調整することにより、広いpH領域でのpH調整が可能である。
本実施形態の鹸化液のアルカリ濃度C(mol/kg)は、上記関係式(3)式より、0.99を超える必要がある。アルカリ濃度Cが0.99以下であると、鹸化が不十分であり、透明フィルムの他の部材との密着性が悪くなる。
(水溶性有機溶媒)
前記鹸化液の溶媒として、水溶性有機溶媒が用いられる。該水溶性有機溶媒は、水と混合して、水混合溶液として用いてもよい。
具体的には、メタノール、エタノール、n−プロパノール、イソプロパノール、ブタノール、ペンタノール、ヘキサノール等のアルコール類、脂環式アルカノール(例、シクロヘキサノール、メチルシクロヘキサノール、メトキシシクロヘキサノール、シクロヘキシルメタノール、シクロヘキシルエタノール、シクロヘキシルプロパノール等)、フェニルアルカノール(例、ベンジルアルコール、フェニルエタノール、フェニルプロパノール、フェノキシエタノール、メトキシベンジルアルコール、ベンジルオキシエタノール等)、複素環式アルカノール類(フルフリルアルコール、テトラヒドロフルフリルアルコール等)、グリコール化合物のモノエーテル類(メチルセルソルブ、エチルセルソルブ、プロピルセルソルブ、メトキシメトキシエタノール、ブチルセルソルブ、ヘキシルセルソルブ、メチルカルビトール、エチルカルビトール、プロピルカルビトール、ブチルカルビトール、メトキシトリグリコール、エトキシトリグリコール、プロピレングリコールモノメチルエーテル、プロピレングリコールモノエチルエーテル、プロピレングリコールモノプロピルエーテル等)ケトン類(例、アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン等)、アミド類(例、N,N−ジメチルホルムアミド、ジメチルホルムアミド、N―メチルー2−ピロリドン、1,3ジメチルイミダゾリジノン等)、スルホキシド類(例、ジメチルスルホキシド)及びエーテル類(例、テトラヒドロフラン、ピラン、ジオキサン、トリオキサン、ジメチルセルソルブ、ジエチルセルソルブ、ジプロピルセルソルブ、メチルエチルセルソルブ、ジメチルカルビトール、ジメチルカルビトール、メチルエチルカルビトール等)等が挙げられる。該水溶性有機溶媒は、単独で又は2種以上を混合して用いることができる。
前記水溶性有機溶媒としては、メタノール、エタノール、n−プロパノール、イソプロパノール(イソプロピルアルコール)、ブタノール、ペンタノール、ヘキサノール等のアルコール類が好ましく、特に、イソプロパノールが好ましい。
(界面活性剤)
前記界面活性剤としては、ノニオン界面活性剤、アニオン界面活性剤、カチオン界面活性剤、フッ素系界面活性剤等の公知の界面活性剤を用いることが出来るが、本実施形態においては、ノニオン界面活性剤が好ましく、特に、エチレンオキサイド型のノニオン界面活性剤が好ましい。
<ノニオン性界面活性剤>
ノニオン性界面活性剤(非イオン性界面活性剤)としては、例えば、ポリオキシエチレンアルキルエーテル類、ポリオキシエチレンアルキルフェニルエーテル類、ポリオキシエチレンポリスチリルフェニルエーテル類、ポリオキシエチレンポリオキシプロピレンアルキルエーテル類、ポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸部分エステル類、ポリオキシエチレンソルビトール脂肪酸部分エステル類、ポリオキシエチレン化ひまし油類、ポリオキシエチレングリセリン脂肪酸部分エステル類、ポリオキシエチレンアルキルアミン(以上、エチレンオキサイド型)、グリセリン脂肪酸部分エステル類、ソルビタン脂肪酸部分エステル類、ペンタエリスリトール脂肪酸部分エステル類、プロピレングリコールモノ脂肪酸エステル類、ショ糖脂肪酸部分エステル類、ポリエチレングリコール脂肪酸エステル類、ポリグリセリン脂肪酸部分エステル類、脂肪酸ジエタノールアミド類、N,N−ビス−2−ヒドロキシアルキルアミン類、トリエタノールアミン脂肪酸エステル、トリアルキルアミンオキシド等が挙げられる。
<アニオン界面活性剤>
アニオン界面活性剤としては、例えば、脂肪酸塩類、アビエチン酸塩類、ヒドロキシアルカンスルホン酸塩類、アルカンスルホン酸塩類、ジアルキルスルホ琥珀酸エステル塩類、αオレフィンスルホン酸塩類、直鎖アルキルベンゼンスルホン酸塩類、分岐鎖アルキルベンゼンスルホン酸塩類、アルキルナフタレンスルホン酸塩類、アルキルフェノキシポリオキシエチレンプロピルスルホン酸塩類、ポリオキシエチレンアルキルスルホフェニルエーテル塩類、N−メチル−N−オレイルタウリンナトリウム塩、N−アルキルスルホ琥珀酸モノアミド二ナトリウム塩、石油スルホン酸塩類、硫酸化牛脂油、脂肪酸アルキルエステルの硫酸エステル塩類、アルキル硫酸エステル塩類、ポリオキシエチレンアルキルエーテル硫酸エステル塩類、脂肪酸モノグリセリド硫酸エステル塩類、ポリオキシエチレンアルキルフェニルエーテル硫酸エステル塩類、ポリオキシエチレンスチリルフェニルエーテル硫酸エステル塩類、アルキルリン酸エステル塩類、ポリオキシエチレンアルキルエーテルリン酸エステル塩類、ポリオキシエチレンアルキルフェニルエーテルリン酸エステル塩類、スチレン/無水マレイン酸共重合物の部分鹸化物類、オレフィン/無水マレイン酸共重合物の部分鹸化物類、ナフタレンスルホン酸塩ホルマリン縮合物類等が好適に挙げられる。
<カチオン界面活性剤>
カチオン界面活性剤としては、例えば、アルキルアミン塩類、テトラブチルアンモニウムブロミド等の第四級アンモニウム塩類、ポリオキシエチレンアルキルアミン塩類、ポリエチレンポリアミン誘導体等が挙げられる。
該界面活性剤の鹸化液中の濃度は、0.1〜10質量%であることが好ましい。
該鹸化液は、本発明の効果を損なわない限り、消泡剤、防黴剤、防菌剤等の他の添加剤を含んでもよい。前記消泡剤としては、ヒマシ油、亜麻仁油等の油脂系、ステアリン酸、オレイン酸等の脂肪酸系、天然ワックス等の脂肪酸エステル系、ポリオキシアルキレンモノハイドリックアルコール等のアルコール系、ジ−t−アミルフェノキシエタノール、ヘプチルセロソルブ、ノニルセロソルブ、3−ヘプチルカルビトール等のエーテル系、トリブチルフォスフェート、トリス(ブトキシエチル)フォスフェート等の燐酸エステル系、ジアミルアミン等のアミン系、ポリアルキレンアミド、アシレートポリアミド等のアミド系、ステアリン酸アルミニウム、ステアリン酸カルシウム、オレイン酸カリウム、羊毛オレイン酸のカルシウム塩等の金属石鹸系、ラウリル硫酸エステルナトリウム等の硫酸エステル系、ジメチルポリシロキサン、メチルフェニルポリシロキサン、メチル水素ポリシロキサン、フロロポリシロキサン、ジメチルポリシロキサンとポリアルキレンオキサイドとの共重合体等のシリコーンオイル、及びその溶液型、エマルジョン型、ペースト型シリコーンオイル等のシリコーン系の消泡剤が挙げられる。
該防黴剤及び防菌剤としては、例えば、チアゾリルベンズイミダゾール系化合物、イソチアゾロン系化合物、クロロフェノール系化合物、ブロモフェノール系化合物、チオシアン酸やイソチアン酸系化合物、酸アジド系化合物、ダイアジンやトリアジン系化合物、チオ尿素系化合物、アルキルグアニジン化合物、4級アンモニウム塩、有機スズや有機亜鉛化合物、シクロヘキシルフェノール系化合物、イミダゾール及びベンズイミダゾール系化合物、スルファミド系化合物、塩素化イソシアヌル酸ナトリウムなどの活性ハロゲン系化合物、キレート剤、亜硫酸化合物、ペニシリンに代表される抗生物質など種々の防バクテリア剤や防黴剤などがある。
(塗布)
本実施形態の鹸化方法は、塗布手段によって、鹸化液を透明フィルムに塗布する。該塗布手段としては、ダイコーター(エクストルージョンコーター、スライドコーター)、ロールコーター(順転ロールコーター、逆転ロールコーター、グラビアコーター)、ロッド(細い金属線を巻いたロッド)コーター等の公知の塗布手段を用いることができる。
鹸化液を透明フィルムに塗布する際、透明フィルムの表面温度T(℃)が、40℃未満である必要がある(上記関係式(2)参照)。
鹸化液を塗布する前に、透明フィルムを、加熱ロール等の公知の加熱手段も用いて加熱してもよい。
該鹸化液の温度は、透明フィルムの表面温度T(℃)が、40℃以上とならないように、適宜、設定される。
該鹸化液は、透明フィルムの表面上に、所定の塗布量で塗布される。その後、透明フィルムと、鹸化液とをt(sec)時間、接触させる。t(sec)時間を超えたら、鹸化反応を停止させる。
鹸化反応の停止には、塗布された鹸化液を希釈してアルカリ濃度を下げ、反応速度を低下させる方法、鹸化液が塗布された透明フィルムの温度を下げて、反応速度を低下させる方法、酸性液によって中和する方法等の公知の方法を用いることができる。鹸化反応停止後、透明フィルムは、水洗されることが好ましい。
本実施形態の鹸化方法においては、上記接触時間t(sec)と、透明フィルムの表面温度T(℃)と、鹸化液のアルカリ濃度C(mol/kg)との間において、以下の関係式(1)が成立する場合、鹸化による透明フィルムのキズの成長が抑制され、かつ、鹸化による透明フィルムの白色化が抑制される。なお、この関係式が成立する場合、鹸化された透明フィルムの他の部材に対する密着性も良くなる。
但し、上記の通り、透明フィルムの表面温度T(℃)は、T<40(関係式(2))であり、かつ、鹸化液のアルカリ濃度C(mol/kg)は、C<0.99(関係式(3))である必要がある。
つまり、本実施形態の鹸化方法は、少なくとも、アルカリ剤、水溶性有機溶媒及び界面活性剤を含む鹸化液を、上記関係式(1)〜(3)を満たすように、透明フィルムに塗布することによって、透明フィルムの密着性を低下させることなく、キズの成長を抑制し、かつ、白色化を抑制するものである。
〔第2実施形態〕
本実施形態の透明フィルムの鹸化方法は、鹸化液に透明フィルムを浸漬して、透明フィルムを鹸化する透明フィルムの鹸化方法であって、該鹸化液が、少なくとも、アルカリ剤、水溶性有機溶媒及び界面活性剤を含み、該鹸化液を浸漬する際の該透明フィルムの表面温度T(℃)、該鹸化液と該透明フィルムとの接触時間t(sec)、及び、該鹸化液のアルカリ濃度C(mol/kg)が、関係式(4)及び(5)を満たすことを特徴とする。
T>−0.1t−10C+72 ・・・・・(4)
50<T<80 ・・・・・(5)
前記透明フィルム、鹸化液は、前記第1実施形態と同じものを用いることができる。
(浸漬)
第2実施形態の鹸化方法では、浸漬手段を用いて、透明フィルムを鹸化液に浸漬する。該浸漬手段としては、公知の浸漬手段を用いることができる。
鹸化液を透明フィルムに浸漬する際、透明フィルムの表面温度T(℃)が、50℃よりも高く、かつ、80℃未満であることが必要である(関係式(5)参照)。
該鹸化液に浸漬する前に、透明フィルムを、加熱ロール等の公知の加熱手段も用いて加熱してもよい。
該鹸化液の温度は、透明フィルムの表面温度T(℃)が、50℃以下、又は80℃以上とならないように、適宜、設定される。
透明フィルムは、該鹸化液に、t(sec)時間、接触するように浸漬される。t(sec)時間を超えたら、透明フィルムを鹸化液から引き上げ、水洗等を行って鹸化液を除去する。
本実施形態の鹸化方法においては、上記接触時間t(sec)と、透明フィルムの表面温度T(℃)と、鹸化液のアルカリ濃度C(mol/kg)との間において、以下の関係式(4)が成立する場合、鹸化による透明フィルムのキズの成長が抑制され、かつ、鹸化による透明フィルムの白色化が抑制される。なお、この関係式が成立する場合、鹸化された透明フィルムの他の部材に対する密着性も良くなる。
但し、上記の通り、透明フィルムの表面温度T(℃)は、50<T<80(関係式(5))である必要がある。
つまり、本実施形態の鹸化方法は、少なくとも、アルカリ剤、水溶性有機溶媒及び界面活性剤を含む鹸化液中に、上記関係式(4)及び(5)を満たすように、透明フィルムを浸漬することによって、透明フィルムの密着性を低下させることなく、キズの成長を抑制し、かつ、白色化を抑制するものである。
なお、第2実施形態の浸漬による鹸化方法は、上記第1実施形態の塗布による鹸化方法よりも、透明フィルムのキズの成長を抑制する効果が大きい。
〔鹸化後の透明フィルムの用途〕
以上のようにして、鹸化された透明フィルムは、特に、光学補償フィルム、保護フィルムとして、偏光板に用いることが好ましい。
偏光板用フィルムとして用いる場合、偏光板の作製方法は特に限定されず、一般的な方法で偏光板を作製することができる。
例えば、鹸化後のセルロースアシレートフィルムを、ポリビニルアルコールフィルムをヨウ素溶液中に浸漬延伸して作製した偏光子(変更膜)の両面に、貼り合わせる方法が挙げられる。偏光子を貼り合わせるのに使用される接着剤としては、例えば、ポリビニルアルコール、ポリビニルブチラール等のポリビニルアルコール系接着剤、ブチルアクリレート等のビニル系ラテックス等が挙げられる。
本発明の鹸化方法によって鹸化された透明フィルムを、光学補償フィルムとして用いる場合、この光学補償フィルムは、TN(Twisted Nematic)、IPS(In−Plane Switching)、FLC(Ferroelectric Liquid Crystal)、AFLC(Anti−ferroelectric Liquid Crystal)、OCB(Optically Compensatory Bend)、STN(Supper Twisted Nematic)、VA(Vertically Aligned)及びHAN(Hybrid Aligned Nematic)等の種々の表示モードの液晶セルに用いることができる。
以下、本発明の実施例について説明するが、本発明は下記実施例に何ら限定されるものではない。
〔実施例1〜10及び比較例1〜10〕
<透明フィルムの作製>
〔透明支持体の作製〕
下記の組成物をミキシングタンクに投入し、30℃に加熱しながら攪拌して、各成分を溶解し、セルロースアセテート溶液を調製した。
セルロースアセテート溶液組成 (内層) (外層)
酢化度60.9%のセルロースアセテート 100質量部 100質量部
トリフェニルホスフェート(可塑剤) 7.8質量部 7.8質量部
ビフェニルジフェニルホスフェート(可塑剤) 3.9質量部 3.9質量部
メチレンクロライド(第1溶媒) 293質量部 314質量部
メタノール(第2溶媒) 71質量部 76質量部
1−ブタノール(第3溶媒) 1.5質量部 1.6質量部
シリカ微粒子(AEROSIL R972、日本アエロジル(株)製)
0質量部 0.8質量部
下記レターデーション上昇剤 1.7質量部 0質量部
得られた内層用ドープ及び外層用ドープを、三層共流延ダイを用いて、0℃に冷却したドラム上に流延した。残留溶剤量が70質量%のフィルムをドラムから剥ぎ取り、両端をピンテンターにて固定して搬送方向のドロー比を110%として搬送しながら80℃で乾燥させ、残留溶剤量が10%となったところで、110℃で乾燥させた。その後、140℃の温度で30分乾燥し、残留溶剤が0.3質量%の透明フィルム((CA−1)外層:3μm、内層:74μm、外層:3μm)を作製した。
作製した透明フィルム(CA−1)について、レターデーションを測定したところ、厚み方向のレターデーションRthは90nm、面内のレターデーションReは7nmであった。
なお、本実施例等のレターデーション値は、KOBRA 21ADH(王子計測機器(株)製)を用いて測定した。
[透明フィルムへのキズ形成]
得られた透明フィルム(CA−1)の表面に引掻強度試験機(新東科学(株)製TYPE−HEIDON・18)を用いて、2.5g重の固定荷重がかかった針径0.01mmのダイヤモンド針を一定速度で走査し、キズを有する透明フィルム(CAK−1)を作製した。キズの形状を三次元非接触型表面形状計測システムであるマイクロマップ(Micromap社製SXM520N−AS150)で測定し、キズが形成されていない地点とキズの最も深い地点の高低差をキズ深さとしたところキズ深さは70nmであった。
[アルカリ鹸化処理]
キズを形成した透明フィルム(CAK−1)のキズが形成された片面について以下のアルカリ鹸化処理を行った。
すなわち、フィルム(CAK−1)のキズが形成された面の上に、温度60℃の誘電式加熱ロールを通過させ、フィルム表面温度を40℃に昇温した後に、下記に示す組成のアルカリ溶液(S−1)を、ロッドコーターを用いて塗布量10cc/m、塗布速度40/分で塗布し、110℃に加熱した(株)ノリタケカンパニーリミテド製のスチーム式遠赤外ヒーターの下に、10秒間(鹸化時間)滞留させた。続いて、同じくロッドコーターを用いて、純水を3cc/m塗布した。この時のフィルム温度は30℃であった。次いで、ファウンテンコーターによる水洗とエアナイフによる水切りを3回繰り返した後に、70℃の乾燥ゾーンに5秒間滞留させて乾燥し、鹸化処理した透明フィルムSE−1を作製した。
{アルカリ溶液(S−1)組成}
水酸化カリウム 9.4質量部
水 10.6質量部
イソプロパノール 64.8質量部
界面活性剤 1.0質量部
SF−1:C1429O(CH2CH2O)20
プロピレングリコール 14.9質量部
次に、アルカリ鹸化処理時のアルカリ溶液中の水溶性有機溶媒の種類と添加量、界面活性剤の種類と添加量、アルカリ濃度、フィルム表面温度および鹸化時間を表1および表2に示す条件に変える以外は、SE−1作製時と同様にキズを形成した透明フィルム(CAK−1)にアルカリ処理鹸化をおこない、鹸化処理フィルム(SE−2〜10およびSC−1〜10)を作製した。
[鹸化処理後のフィルムの特性]
作製した各フィルムについて下記の特性をそれぞれ測定した。その結果を表3に示す。
(鹸化処理後のキズ深さ)
鹸化処理前と同様にマイクロマップにて測定した。
(表面の面状:キズ)
アルカリ鹸化処理後の透明フィルムをシャウカステン上で光を透過させながら目視及びルーペでキズ部の目立ち方を観察し、以下の基準を用いて評価した。
◎:SC−5よりもキズが格段に認識されにくくなった(10人で評価し、10人ともキズが認識されにくくなったと判断するレベル)。
○:SC−5よりもキズが認識されにくくなった(10人で評価し、7〜9人が、キズが認識されにくくなったと判断するレベル)。
×:SC−1同等(10人で評価し、4〜6人が、キズが認識されにくくなったと判断するレベル)。
××:FR−1よりもキズが認識されやすくなった(10人で評価し、7人以上が、キズが認識されやすくなったと判断するレベル)。
表2に示す結果から明らかなように、キズ深さが小さいほどキズが目立たないことが判る。
(表面の面状:濁り)
アルカリ鹸化処理後の透明フィルムをシャウカステン上で光を透過させながら目視及びルーペで濁り(白化)の有無を観察し、以下の基準を用いて評価した。
◎:濁りの発生が全く認められない(10人で評価し、一人も認識できないレベル)。
○:濁りの発生がほとんど認められない(10人で評価し、1〜3人が認識するレベル)。
×:濁りが弱く発生する(10人で評価し、4〜6人が認識するレベル)。
××:濁りが強く発生する(10人で評価し、7人以上が認識するレベル)。
表3に示す結果から明らかなように、本発明の鹸化処理条件が満たされるとき、すなわち、水溶性有機溶媒および界面活性剤を含み、かつ鹸化温度が式(1)および(2)の条件を満たし、さらにアルカリ濃度が式(3)を満たすとき、キズが目立たずかつ白化が抑えられ、さらに後述の密着性が確保される優れた鹸化処理フィルムが得られることが判る。
[配向膜の形成]
前記のようにしてアルカリ鹸化処理した各透明フィルムのアルカリ鹸化処理面の上に、下記の組成の配向膜形成用組成物塗布液(O−1)を、ロッドコーターで28mL/mの塗布量で塗布した。60℃の温風で60秒、さらに90℃の温風で150秒乾燥した。乾燥後の塗布面のpHを測定したところ、その値は4.1であった。また、塗布幅方向での中央と左右両端の位置のpH値は4.00〜4.20の範囲であった。
次に、アルカリ鹸化処理した各透明フィルムの長手方向にラビング処理を実施した。
{配向膜形成用組成物塗布液(O−1)組成}
下記化2に示す変性ポリビニルアルコール 20質量部
下記化1に示すカルボン酸化合物(A−1) 0.25質量部
グルタルアルデヒド 1.6質量部
水 360質量部
メタノール 60質量部
[配向膜の密着性の評価法]
配向膜層表面に、JIS K5400の碁盤目テープ法に準拠し、規定のカッターナイフ、カッターガイドを用いて1mm×1mmのクロスハッチ(升目)を100個入れ、温度25℃、湿度60%RHの条件で2時間放置した後、規定のセロハン粘着テープをはりつけ消しゴムでこすって塗膜に付着する。テープを付着後2分後に塗面に直角方向に引き剥がしたときに配向膜が透明支持体から剥がれた升目の数を計測することで評価した。
○:100升において剥がれが全く認められなかったもの。
×:100升において剥がれが認められたものが10升をこえたもの。
[光学異方性層の形成=光学補償シートの作製]
下記の組成のディスコティック液晶を含む光学異方性層形成用組成物の塗布液(DA−1)を、#4のワイヤーバーコーターを用いて、各透明フィルム上に形成された配向膜の上に塗布し、125℃の高温槽中で3分間加熱し、ディスコティック液晶を配向させた後、高圧水銀灯を用いてUVを500mJ/cm照射し、室温まで放冷して、表4に記載の各光学補償シートを作製した。
{光学異方性層形成用組成物塗布液(DA−1)}
下記化3に示すディスコティック液晶DLC−A 9.1質量部
エチレンオキシド変性トリメチロールプロパンアクリレート
{“V#360”大阪有機化学(株)製} 0.9質量部
セルロースアセテートブチレート 0.2質量部
{“CAB551−0.2”イーストマンケミカル社製}
セルロースアセテートブチレート 0.05質量部
{“CAB531−1”イーストマンケミカル社製}
光重合開始剤 3.0質量部
「イルガキュア907」{チバ・スペシャルティ・ケミカルズ(株)製}
光増感剤 1.0質量部
「カヤキュアーDETX」{日本化薬(株)製}
界面活性剤 0.4質量部
「メガファック F780」{大日本インキ化学工業(株)製}
メチルエチルケトン 25.9質量部
各フィルムの光学異方性層の厚さは、各々1.7μmであった。
[光学補償シートの性能評価法]
(透過光ムラ)
各光学補償シートを、クロスニコルス配置した2枚の偏光板の間に挟み、キズ周辺の透過光のムラを目視で観察し官能評価を行った。
◎:CC−5よりもが格段に認識されにくくなった(10人で評価し、10人ともキズが認識されにくくなったと判断するレベル)。
○:CC−5よりも認識されにくくなった(10人で評価し、7〜9人が認識されにくくなったと判断するレベル)。
△:CC−5同等(10人で評価し、4〜6人が、キズが認識されにくくなったと判断するレベル)。
×:CC−5よりもキズが認識されやすくなった(10人で評価し、7人以上が、キズが認識されやすくなったと判断するレベル)。
これらの評価結果を表4に示す。表4に示す結果から明らかなように、鹸化処理フィルムのキズの目立ちにくさと透過光ムラの目立ちにくさはよい対応を示し、本発明の光学補償フィルム(CE−1〜10)はキズ周辺の透過光ムラが見られない極めて良好なものであった。
<偏光板の作製>
〔偏光膜(HF−01)の作製〕
平均重合度4000、鹸化度99.8モル%のPVAを水に溶解し、4.0%の水溶液を得た。この溶液をテーパーの付いたダイを用いてバンド流延して乾燥し、延伸前の幅が110mmで厚みは左端が120μm、右端が135μmになるように製膜して、フィルムを得た。得られたフィルムをバンドから剥ぎ取り、ドライ状態で45゜方向に斜め延伸して、そのままヨウ素0.5g/L、ヨウ化カリウム50g/Lの水溶液中に30℃で1分間浸漬し、次いでホウ酸100g/L、ヨウ化カリウム60g/Lの水溶液中に70℃で5分間浸漬し、さらに水洗槽で、20℃で10秒間水洗したのち、80℃で5分間乾燥してヨウ素系偏光膜(P−01)を得た。偏光膜は、幅660mm、厚みは左右とも20μmであった。
〔偏光板の作製〕
前記の各光学補償フィルムのセルロースアシレートフィルム(CA−1)面(光学異方性層の設けられていない側の面)を、実施例1と同様にして鹸化処理を行い、それら鹸化処理面を、ポリビニルアルコール系接着剤を用いて、偏光膜(P−01)の一方の側に貼り付けた。また、厚さ80μmのセルローストリアセテートフィルム「フジタックTD−80UF」{富士写真フィルム(株)製}の片面を、実施例1と同様にして鹸化処理を行い、これを透明保護膜としてポリビニルアルコール系接着剤を用いて、偏光膜(P−01)の他方の側に貼り付けた。
このとき、偏光膜(P−01)の透過軸とセルロースアシレートフィルム(CA−1)の遅相軸とは、平行になるように配置した。偏光膜(P−01)の透過軸と上記セルローストリアセテートフィルムの遅相軸とは、直交するように配置した。このようにして偏光板(PE―1〜10およびPC−1〜10)を作製した。得られた偏光板の構成を表5に示す。
<液晶表示装置>
TN型液晶セルを使用した液晶表示装置“6E−A3”{シャープ(株)製}に設けられている一対の偏光板を剥がし、代わりに上記に作製した各偏光板を、比較例1で作製した光学補償シートが液晶セル側となるように粘着剤を介して、観察者側及びバックライト側に一枚ずつ貼り付けた。観察者側の偏光板の透過軸と、バックライト側の偏光板の透過軸とは、Oモードとなるように配置した。
[描画画像のムラ評価]
このようにして作製した液晶表示装置について、測定機“EZ−Contrast
160D”(ELDIM社製)を用いて、黒表示(L1)時のキズ周辺の輝度欠陥を目視で観察した。測定結果を表5に示す。
◎:PC−5よりもが格段に認識されにくくなった(10人で評価し、10人ともキズが認識されにくくなったと判断するレベル)。
○:PC−5よりも認識されにくくなった(10人で評価し、7〜9人が認識されにくくなったと判断するレベル)。
×:PC−5同等(10人で評価し、4〜6人がキズが認識されにくくなったと判断するレベル)。
××:PC−5よりもキズが認識されやすくなった(10人で評価し、7人以上がキズが認識されやすくなったと判断するレベル)。
表5に示す結果から、上記の本発明の鹸化処理フィルム(SE−1〜10)を用いた偏光板(PE−1〜10)を設置した液晶表示装置は、偏光板を設置したものよりもキズ周辺での輝度欠陥の少ない画像が得られた。一方、比較例として示した鹸化処理フィルム(SC−1〜10)を用いたものは、キズ周辺で輝度欠陥の多いものであった。
以上の目視観察結果より、本発明の鹸化条件でアルカリ鹸化処理した透明フィルムを用いた本発明の偏光板は、良好な表示品位を有することが判る。
〔実施例11〜17および比較例11〜17〕
[アルカリ鹸化処理]
キズを形成した透明フィルム(CAK−1)について以下のアルカリ鹸化処理を行った。すなわち、透明フィルム(CAK−1)を1.5規定の水酸化ナトリウム水溶液中に、該溶液の液温55℃で、浸漬時間が120秒間になるように浸漬させた後、室温の水洗浴槽中で水に浸漬させてアルカリ溶液を十分に洗い流した。ついで、0.1規定の硫酸水溶液に10秒間浸漬させた後、再度室温の水洗浴槽中で水に浸漬させて十分に洗浄した。更に、このフィルムを100℃の温風で乾燥させ、アルカリ鹸化処理した透明フィルムSC−12を得た。
次に、アルカリ鹸化処理時のアルカリ溶液中の水溶性有機溶媒の種類と添加量、界面活性剤の種類と添加量、アルカリ溶液の液温および鹸化時間を表6に示す条件に変える以外は、SC−12作製時と同様にキズを有する透明フィルム(CAK−1)にアルカリ処理鹸化をおこない、処理フィルム(SE−11〜17、SC−11および13〜17)を作製した。
[鹸化処理後のフィルムの特性]
作製した各フィルムについて下記の特性をそれぞれ測定した。その結果を表7に示す。
(鹸化処理後のキズ深さ)
鹸化処理前と同様にマイクロマップにて測定した。
(表面の面状:キズ)
アルカリ鹸化処理後の透明フィルムをシャウカステン上で光を透過させながら目視及びルーペでキズ部の目立ち方を観察し、以下の基準を用いて評価した。
◎:CAK−1よりもキズが格段に認識されにくくなった(10人で評価し、10人ともキズが認識されにくくなったと判断するレベル)。
○:CAK−1よりもキズが認識されにくくなった(10人で評価し、7〜9人が、キズが認識されにくくなったと判断するレベル)。
×:CAK−1同等(10人で評価し、4〜6人がキズが認識されにくくなったと判断するレベル)。
××:CAK−1よりもキズが認識されやすくなった(10人で評価し、7人以上が、キズが認識されやすくなったと判断するレベル)。
表7に示す結果から明らかなように、キズ深さが小さいほどキズが目立たないことが判る。
(表面の面状:濁り)
アルカリ鹸化処理後の透明フィルムをシャウカステン上で光を透過させながら目視及びルーペで濁り(白化)の有無を観察し、以下の基準を用いて評価した。
◎:濁りの発生が全く認められない(10人で評価し、一人も認識できないレベル)。
○:濁りの発生がほとんど認められない(10人で評価し、1〜3人が認識するレベル)。
×:濁りが弱く発生する(10人で評価し、4〜6人が認識するレベル)。
××:濁りが強く発生する(10人で評価し、7人以上が認識するレベル)。
表7に示す結果から明らかなように、本発明の鹸化処理条件が満たされるとき、すなわち、水溶性有機溶媒および界面活性剤を含み、かつ鹸化温度が式(4)および(5)の条件を満たすとき、キズが目立たずかつ白化が抑えられ、さらに後述の密着性が確保される優れた鹸化処理フィルムが得られることが判る。
〔偏光板の作製〕
各透明フィルム(SE−11〜17およびSC−11〜17)をポリビニルアルコール系接着剤を用いて、実施例1と同様にして偏光板を作製した。得られた偏光板の構成を表8に示す。
さらに、得られた偏光板を60℃95%RHで1000時間維持させた後の偏光膜とキズを形成した透明フィルム(CAL−1)の剥離の有無を確認した。結果を表7に示す。
○:剥離なし
×:剥離あり
本発明の鹸化処理フィルム(SE−11〜17)を用いた偏光板(PE−11〜17)は、60℃95%RHで1000時間維持した後に鹸化処理フィルムと偏光膜の剥離が見られず、密着性に優れていた。
<液晶表示装置>
TN型液晶セルを使用した液晶表示装置“6E−A3”{シャープ(株)製}に設けられている一対の偏光板を剥がし、代わりに上記に作製した各偏光板を、透明フィルムが液晶セル側となるように粘着剤を介して、観察者側及びバックライト側に一枚ずつ貼り付けた。観察者側の偏光板の透過軸と、バックライト側の偏光板の透過軸とは、Oモードとなるように配置した。
[描画画像のムラ評価]
このようにして作製した液晶表示装置について、測定機“EZ−Contrast
160D”(ELDIM社製)を用いて、黒表示(L1)時のキズ周辺の輝度欠陥を目視で観察した。測定結果を表8に示す。
◎:PC−12よりもが格段に認識されにくくなった(10人で評価し、10人ともキズが認識されにくくなったと判断するレベル)。
○:PC−12よりも認識されにくくなった(10人で評価し、7〜9人が認識されにくくなったと判断するレベル)。
×:PC−12同等(10人で評価し、4〜6人がキズが認識されにくくなったと判断するレベル)。
××:PC−12よりもキズが認識されやすくなった(10人で評価し、7人以上が、キズが認識されやすくなったと判断するレベル)。
表8に示す結果から、本発明の鹸化処理フィルム(SE−11〜17)を用いた偏光板(PE−11〜17)を設置した液晶表示装置は、偏光板PC−12を設置したものよりもキズ周辺での輝度欠陥の少ない画像が得られた。一方、比較例として示した鹸化処理フィルム(SC−11、13およびSC−17)を用いたものは、キズ周辺で輝度欠陥の多いものであった。
以上の目視観察結果より、本発明の偏光板は良好な密着特性および表示品位を有することが判る。
〔実施例18〕
実施例1で作製した光学補償フィルム(CE−1)のセルロースアシレートフィルム(CA−1)面(光学異方性層の設けられていない側の面)に、実施例1と同様にキズを形成し、キズを有する光学補償フィルム(CEK−1)を得た。キズを形成した透明フィルム(CAK−1)の代わりにキズを有する光学補償フィルム(CEK−1)を用いる以外は、実施例11と同様の鹸化条件で鹸化処理をおこない、鹸化処理した光学補償フィルム(CSE−18)を作製した。実施例11と同様の方法でキズ深さの測定およびキズと濁り(白化)の評価をおこなった。結果を表9に示す。
表9に示す結果から明らかなように、本発明の鹸化処理した光学補償フィルム(CSE−18)は鹸化処理フィルム(SE−11)同様のキズ深さでキズが目立たず、白化も認められなかったことが判る。
次に、鹸化処理フィルム(SE−11)を光学補償フィルム(CSE−18)に代える以外は実施例11と同様に、偏光板作製および評価を行った。本発明の偏光板(PE−18)は密着性に優れていた。
さらに、偏光板(PE−11)を偏光板(PE−18)に代える以外は実施例11と同様にして液晶表示装置の作製および描画画像のムラ評価をおこなった。結果を表10に示す。
本発明の偏光板(PE−18)を設置した液晶表示装置は、キズ周辺での輝度欠陥の少ない画像が得られた。本発明の偏光板は、良好な表示品位を有することが判る。
〔実施例19〕
実施例18のラビング処理面に、光学異方性層形成用組成物の塗布液(DA−1)の代わりに下記表に示した組成の塗布液(DA−2)を#1.6のワイヤーバーで塗布した。その後、120℃の恒温槽中で90秒間加熱し、ディスコティック液晶化合物を配向させた。次に、80℃で160W/cm高圧水銀灯を用いて、1分間紫外線照射し架橋反応を進行させて、ディスコティック液晶化合物を重合させた。その後、室温まで放冷した。得られた光学異方性層の、波長550nmで測定したReレターデーション値は28nmであった。膜厚は0.5μmであった。このようにして光学補償フィルム(CE−19)を作製した。
(成分)
メチルエチルケトン 270.0質量部
下記構造式のディスコティック化合物1 90.0質量部
下記構造式のディスコティック化合物2 10.0質量部
下記構造式の空気界面配向制御剤 1.0質量部
光開始剤「イルガキュア907」チバガイギー社製 3.0質量部
増感剤「カヤキュアーDETX」日本化薬製 1.0質量部
光学補償フィルム(CE−19)のセルロースアシレートフィルム(CA−1)面(光学異方性層の設けられていない側の面)に、実施例1と同様にキズを形成し、キズを有する光学補償フィルム(CEK−19)を得た。キズを形成した透明フィルム(CAK−1)の代わりにキズを有する光学補償フィルム(CEK−19)を用いる以外は、実施例11と同様の鹸化条件で鹸化処理をおこない、鹸化処理した光学補償フィルム(CSE−19)を作製した。実施例11と同様の方法でキズ深さの測定およびキズと濁り(白化)の評価をおこなった。結果を表11に示す。
表11に示す結果から明らかなように、本発明の鹸化処理した光学補償フィルム(CSE−19)は鹸化処理フィルム(SE−11)同様のキズ深さでキズが目立たず、白化も認められなかったことが判る。
次に、鹸化処理フィルム(SE−11)を光学補償フィルム(CSE−19)に代える以外は実施例11と同様に、偏光板作製および評価をおこなった。本発明の偏光板(PE−19)は密着性に優れていた。
さらに、偏光板(PE−11)を偏光板(PE−19)に代える以外は実施例11と同様にして液晶表示装置の作製および描画画像のムラ評価をおこなった。結果を表12に示す。
本発明の偏光板(PE−19)を設置した液晶表示装置は、キズ周辺での輝度欠陥の少ない画像が得られた。本発明の偏光板は、良好な表示品位を有することが判る。
〔実施例20〜25〕
実施例18のラビング処理面に、光学異方性層形成用組成物の塗布液(DA−1)の代わりに下記表に示した組成の塗布液(DA−3〜8)を#1.6のワイヤーバーで塗布した。その後、120℃の恒温槽中で90秒間加熱し、ディスコティック液晶化合物を配向させた。次に、80℃で160W/cm高圧水銀灯を用いて、1分間紫外線照射し架橋反応を進行させて、ディスコティック液晶化合物を重合させた。その後、室温まで放冷した。得られた光学異方性層の、波長550nmで測定したReレターデーション値は約28nmであった。膜厚は0.5μmであった。このようにして光学補償フィルム(CE−20〜25)を作製した。
{光学異方性層形成用組成物塗布液(DA−3〜8)}
メチルエチルケトン 270.0質量部
下表13に示すディスコティック化合物A 90.0質量部
下表13に示すディスコティック化合物B 10.0質量部
前記化6に示す空気界面配向制御剤 1.0質量部
光開始剤「イルガキュア907」チバガイギー社製 3.0質量部
増感剤「カヤキュアーDETX」日本化薬製 1.0質量部
光学補償フィルム(CE−20〜25)のセルロースアシレートフィルム(CA−1)面(光学異方性層の設けられていない側の面)に、実施例1と同様にキズを形成し、キズを有する光学補償フィルム(CEK−20〜25)を得た。キズを形成した透明フィルム(CAK−1)の代わりにキズを有する光学補償フィルム(CEK−20〜25)を用いる以外は、実施例11と同様の鹸化条件で鹸化処理をおこない、鹸化処理した光学補償フィルム(CSE−20〜25)を作製した。実施例11と同様の方法でキズ深さの測定およびキズと濁り(白化)の評価をおこなった。結果を表14に示す。
表14に示す結果から明らかなように、本発明の鹸化処理した光学補償フィルム(CSE−20〜25)は鹸化処理フィルム(SE−11)同様のキズ深さでキズが目立たず、白化も認められなかったことが判る。
次に、鹸化処理フィルム(SE−11)を光学補償フィルム(CSE−20〜25)に代える以外は実施例11と同様に、偏光板作製および評価をおこなった。本発明の偏光板(PE−20〜25)は密着性に優れていた。
さらに、偏光板(PE−11)を偏光板(PE−20〜25)に代えること以外は実施例11と同様にして液晶表示装置の作製および描画画像のムラ評価をおこなった。結果を表15に示す。
本発明の偏光板(PE−20〜25)を設置した液晶表示装置は、キズ周辺での輝度欠陥の少ない画像が得られた。本発明の偏光板は、良好な表示品位を有することが判る。

Claims (18)

  1. 鹸化液を塗布して透明フィルムを鹸化する透明フィルムの鹸化方法であって、
    該鹸化液が、少なくとも、アルカリ剤、水溶性有機溶媒及び界面活性剤を含み、
    該鹸化液を塗布する際の該透明フィルムの表面温度T(℃)、
    該鹸化液と該透明フィルムとの接触時間t(sec)、及び、
    該鹸化液のアルカリ濃度C(mol/kg)が、関係式(1)、(2)及び(3)を満たすことを特徴とする透明フィルムの鹸化方法。
    T<−0.6t−2.8C+47 ・・・・・(1)
    T<40 ・・・・・(2)
    C>0.99 ・・・・・(3)
  2. 水溶性有機溶媒が、アルコールである請求項1に記載の透明フィルムの鹸化方法。
  3. アルコールが、イソプロピルアルコールである請求項2に記載の透明フィルムの鹸化方法。
  4. 界面活性剤が、非イオン性界面活性剤である請求項1から3のいずれかに記載の透明フィルムの鹸化方法。
  5. 界面活性剤が、エチレンオキサイド型である請求項4に記載の透明フィルムの鹸化方法。
  6. 透明フィルムが、セルロースアシレートフィルムを含む請求項1から5のいずれかに記載の透明フィルムの鹸化方法。
  7. セルロースアシレートフィルムがセルロースアセテートフィルムからなる請求項6に記載の透明フィルムの鹸化方法。
  8. 請求項1から7のいずれかに記載の透明フィルムの鹸化方法で処理された透明フィルムに、光学異方性層を形成した光学補償フィルム。
  9. 請求項1から7のいずれかに記載の透明フィルムの鹸化方法で処理された透明フィルム、又は請求項8に記載の光学補償フィルムを備える偏光板。
  10. 鹸化液に透明フィルムを浸漬して、透明フィルムを鹸化する透明フィルムの鹸化方法であって、
    該鹸化液が、少なくとも、アルカリ剤、水溶性有機溶媒及び界面活性剤を含み、
    該鹸化液を浸漬する際の該透明フィルムの表面温度T(℃)、
    該鹸化液と該透明フィルムとの接触時間t(sec)、及び、
    該鹸化液のアルカリ濃度C(mol/kg)が、関係式(4)及び(5)を満たすことを特徴とする透明フィルムの鹸化方法。
    T>−0.1t−10C+72 ・・・・・(4)
    50<T<80 ・・・・・(5)
  11. 水溶性有機溶媒が、アルコールである請求項10に記載の透明フィルムの鹸化方法。
  12. アルコールが、イソプロピルアルコールである請求項11に記載の透明フィルムの鹸化方法。
  13. 界面活性剤が、非イオン性界面活性剤である請求項10から12のいずれかに記載の透明フィルムの鹸化方法。
  14. 界面活性剤が、エチレンオキサイド型である請求項13に記載の透明フィルムの鹸化方法。
  15. 透明フィルムが、セルロースアシレートフィルムを含む請求項10から14のいずれかに記載の透明フィルムの鹸化方法。
  16. セルロースアシレートフィルムがセルロースアセテートフィルムからなる請求項15に記載の透明フィルムの鹸化方法。
  17. 請求項10から16のいずれかに記載の透明フィルムの鹸化方法で処理された透明フィルムに、光学異方性層を形成した光学補償フィルム。
  18. 請求項10から16のいずれかに記載の透明フィルムの鹸化方法で処理された透明フィルム、又は請求項17に記載の光学補償フィルムを備える偏光板。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2014071203A (ja) * 2012-09-28 2014-04-21 Fujifilm Corp セルロースアシレートフィルム、偏光板および液晶表示装置

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