JP2009096413A - 車両用懸架装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】本発明では、電動モータによって駆動される電磁サスペンションを備える車両用懸架装置において、運動制御モードと電力回生モードで異なる要求を、効率よく両立することができる車両用懸架装置を提供することを目的とする。
【解決手段】減速機構30は、電動モータMの出力軸に連結して、電動モータMの出力軸Maの回転を減速又は増速等してボールネジ機構50に伝達するように構成している。この減速機構30は、車両の運転状態等により減速比を自由に切替えることができるように構成している。
【選択図】図2

Description

この発明は、車両用懸架装置に関し、特に、電動モータによって駆動される電磁サスペンションを備える車両用懸架装置に関する。
従来より、車両の車高調整、姿勢制御等の制御を行なうことができるアクティブ式の電磁サスペンションが知られている。電磁サスペンションにおいては、車両のバネ上荷重を支持すると共にバネ下からの振動や衝撃が車体に伝わらないようにするコイルスプリングと、車両のバネ上とバネ上との間の減衰力を電動モータにより調整するショックアブソーバとを備えている。
例えば、下記特許文献1には、電動モータの出力軸とコイルスプリングを同軸上に配置する共に、電動モータのステータを回転可能に保持し、このステータの回転をオリフィスと小型コイルスプリングによって緩衝するように構成することで、電動モータが制御追従できない高周波入力があった場合でも電磁サスペンションがロックしないようにする車両懸架装置が開示されている。
特開2006−117209号公報
ところで、こうした電磁サスペンションでは、電動モータが車両側の要求等に応じてアクティブに回転してストローク量を変化させる運動制御モードと、路面からの外部荷重等によって電動モータがパッシブに回転させられて発電機として起電力を発生する電力回生モードを切換えて制御するように構成されている。
この運動制御モードと電力回生モードでは、電動モータ等に求められる要求がそれぞれ異なる。
具体的には、運動制御モードでは、電動モータが発生する駆動トルクを増大してストローク量を確実に増減することが求められるのに対して、電力回生モードでは、バネ下入力に対して電動モータの低イナーシャ化を図ることで回生電力を出来るだけ多く発生させることが求められるのである。
しかし、前述の特許文献1に開示された車両懸架装置においては、電動モータと車輪(バネ下)との間の動力伝達経路が常に一定であるため、この運動制御モードと電力回生モードとの要求の違いに対して、充分に応えることができないという問題があった。
そこで、本発明では、電動モータによって駆動される電磁サスペンションを備える車両用懸架装置において、運動制御モードと電力回生モードで異なる要求を、効率よく両立することができる車両用懸架装置を提供することを目的とする。
この発明の車両用懸架装置は、車体側に設置された電動モータと、該電動モータに連結されたネジ軸及び車輪側に連結されたネジナットからなるネジ機構と、前記電動モータとネジ軸との間に設置されて、電動モータとネジ軸間の減速比を変更して駆動伝達トルクを変更する減速機構と、車両の運転状態を検出する検出手段と、該検出手段で検出した車両の運転状態に応じて前記減速機構の減速比を切替える切替手段とを備えるものである。
上記構成によれば、切替手段によって、車両の運転状態に応じて電動モータとネジ軸間の減速比が変更されて、駆動伝達トルクが変更されることになる。
このため、車両の運転状態に応じて、モータと車輪との間の駆動伝達トルクが変化することになり、運動制御モードと電力回生モード等の異なる要求に電磁サスペンションを対応させることができる。
この発明の一実施態様においては、前記車両の運転状態が路面状況であり、前記検出手段で不整路面を検出した際に、前記切替手段で電動モータとネジ軸間の減速比を増速側に切替えるものである。
上記構成によれば、車両が走行する路面状況が不整路面(悪路)の場合には、電動モータとネジ軸との間の減速比が増速側に切替わることになる。
このため、不整路面の際には、電動モータを低イナーシャ化することになり、電動モータが回転しやすくなる。
よって、電磁サスペンションの電力回生モードによる回生電力を多く発生することができる。
この発明の一実施態様においては、前記車両の運転状態が車両の走行状態であり、前記検出手段でスポーツ走行を検出した際に、前記切替手段で電動モータとネジ軸間の減速比を減速側に切替えるものである。
上記構成によれば、車両走行がスポーツ走行の場合には、電動モータとネジ軸間の減速比が減速側に切替わることになる。
このため、スポーツ走行の際には、電動モータの発生する駆動トルクを増大することができる。
よって、電磁サスペンションの運動制御モードによるストローク量を確実に増減することができる。
この発明の一実施態様においては、前記電動モータとネジ軸との間にクラッチ機構を設置して、所定値以上の負荷トルクが作用した際には該クラッチ機構を開放する開放手段を備えるものである。
上記構成によれば、所定値以上の過大な負荷トルクが車輪側(バネ下側)から作用した場合には、開放手段により電動モータとネジ軸との間の動力伝達経路が開放される。
このため、過大な負荷トルクが電動モータ側に入力されることなく、電動モータやネジ機構に対する負荷を軽減することができる。
よって、高価な電動モータやネジ機構に生じる破損を防止することができる。
この発明の一実施態様においては、前記クラッチ機構が摩擦式タイプであり、該クラッチ機構を設定トルク以上で滑らせるように設定したものである。
上記構成によれば、設定トルク以上の過大な負荷トルクが車輪側から作用した場合には、クラッチ機構が滑ることにより、電動モータ側に過大な負荷トルクが作用しなくなる。
よって、機械的に簡易な構成によって、電動モータやネジ機構の破損を防止することができ、かつ、本来の機能を、即時に回復することができる。
この発明の一実施態様においては、前記クラッチ機構が電磁式タイプであり、バネ下加速度が所定値以上の際には開放制御するものである。前記クラッチ機構が電磁式タイプであり、バネ下加速度が所定値以上の際には開放制御するものである。
上記構成によれば、所定値以上の過大なバネ下加速度が車輪側から作用する場合には、開放制御されることにより、電動モータ側に過大な負荷トルクが作用しなくなる。
よって、正確な電気制御によって、電動モータやネジ機構の破損を防止することができる。
この発明の一実施態様においては、前記ネジ軸の表面に対してエアを吹きつけるエア吹付け手段を設けたものである。
上記構成によれば、エア吹付け手段によって、ゴミが付着し易いネジ軸の表面にエアが吹付けられることになる。
このため、ネジ軸の表面には、ゴミが付着しにくくなり、ネジ軸の清掃及び防塵を行なうことができる。
よって、ゴミの噛み込み等によってネジ機構の作動が不安定にならないため、電磁サスペンションの性能を安定させることができる。
この発明の一実施態様においては、前記エア吹付け手段のエアをネジ軸の伸縮移動により容積変化するシリンダー内から供給するものである。
上記構成によれば、清掃及び防塵を行なうエア吹付け手段のエアが、サスペンションのシリンダー内から供給されることになり、別途、エア吹付け手段のための加圧装置等を用いる必要がない。
よって、簡易な構成によって、ネジ軸の清掃及び防塵を行なうことができる。
この発明によれば、車両の運転状態に応じて、モータと車輪との間の駆動伝達トルクが変化することになり、運動制御モードと電力回生モード等の異なる要求に電磁サスペンションを対応させることができる。
よって、電動モータによって駆動される電磁サスペンションを備える車両用懸架装置において、運動制御モードと電力回生モードで異なる要求を、効率よく両立することができる。
以下、図面に基づいて本発明の実施形態を詳述する。
図1は本発明の第一実施形態の車両用懸架装置を採用した自動車の概略模式図、図2は車両用懸架装置の電磁サスペンションの構造を詳細に示す断面図、図3は電磁サスペンションの上部に設置される減速機構等のスケルトン図、図4は減速機構等の詳細断面図、図5は減速機構等の制御方法を説明するフローチャートである。
図1に示すように、自動車の車体1と各車輪2との間には、コイルスプリング10と電磁サスペンション20を備える懸架装置3を装着している。
コイルスプリング10は、「バネ下」である車輪2からの荷重が直接「バネ上」である車体1側に伝達されるのを防ぎ、バネ下とバネ上との間で弾性力を発生するように構成している。
電磁サスペンション20は、駆動部21と伸縮部22とを直列に配置して構成している。そして、駆動部21の電動モータMの回転駆動力により車両のバネ上とバネ下との間で減衰力を発生するように構成している。
なお、それぞれの詳細構造については、図2を利用して、後述する。
また、各車輪2の近傍には、車両の車高の検出する車高センサ4と、バネ上とバネ下の相対的な変位速度(ストローク速度)を検出するストロークセンサ5と、電動モータMの回転量を検出する回転角センサ6と、車輪2からの衝撃値を検出する車輪Gセンサ7と、を配置している。
これらの車輪側センサ(4,5,6,7)からは、各検出信号を車体1側に設置したECU(電子制御装置)8に送信している。
車体1側には車両の運転状態や各装置の動作状態を検出する複数の車体側センサ(11,12,13,14,15)を設置している。
具体的には、ステアリング装置の舵角量及び舵角速度を検出する舵角センサ11と、車両の速度を検出する車速センサ12と、車両に生じる前後加速度を検出するGセンサ13と、車両に生じる横加速度を検出する横Gセンサ14と、運転者のマニュアル操作による切替え操作を検出(出力)する切替スイッチ15とを設けている。
なお、この他にも、図示しないが、バッテリーの充電量を検出するバッテリーセンサや、アクセルペダルの踏み込み量や踏み込み速度を検出するアクセルセンサ、さらに変速機のシフト位置を検出するシフトセンサ等を設けている。
ECU8は、これらの各種センサからの検出信号を受けた上で、各車輪2の電磁サスペンション20の制御を行なう。具体的には、ECU8は、電磁サスペンション20の電動モータMに電力を供給するアンプ(図示せず)に電気的に接続しており、車高センサ4等の各種センサからの検出信号に基づいて、車両の状態を判定して、適切な減衰力を発揮するように電磁サスペンション20を制御する。
例えば、車両の走行状態に応じて電動モータMに給電して伸縮部22を積極的に上下動させる運動制御モードや、路面からの上下入力に対して電動モータMを受動的に発電機として使用して回生電力を得る電力回生モード等で制御するようにしている。
図2に示すように、懸架装置3は、電磁サスペンション20とコイルスプリング10を同芯円上に設置しており、電磁サスペンション20上部に設けた取付けプレート23を、車体1に締結固定することで、車輪2と車体1との間に装着している。
電磁サスペンション20は、上端部に略円柱形状の電動モータMを設けて、その下部に減速機構30とクラッチ機構40を上下方向に直列に設けて「駆動部」21を構成すると共に、さらにその下部にボールネジ機構50を上下方向に延びるように設けて「伸縮部」22を構成している。
電動モータMは、例えば、DCモータであり、バッテリー(図示せず)から電圧を供給することで左右いずれの方向にも自ら回転して、所定の位置に回転位置を調整できるサーボモータで構成している。
減速機構30は、電動モータMの出力軸Maに連結して、電動モータMの出力軸Maの回転を減速又は増速等してボールネジ機構50に伝達するように構成している。この減速機構30は、車両の運転状態等により減速比を自由に切替えることができるように構成している。詳細については後述する。
クラッチ機構40は、減速機構30の出力軸に連結しており、減速機構30とボールネジ機構50との間で、回転駆動力を伝達又は非伝達するように構成している。また、この詳細も後述する。
ボールネジ機構50は、上下方向に延びるネジ軸51と、このネジ軸51に螺合係合するネジナット52とを備えており、両者の間には循環する複数の金属ボール53…を介装している。
このように構成することで、ネジ軸51を回転させると、ネジナット52が上下方向に滑らかにスライド移動する。
また、ネジナット52の下部には、円筒筒状のシリンダー部材54を固定して、ネジナット52とともに、上下方向にストロークするように構成している。
ネジ軸51の下端部には、円筒ボス状のピストン(メタルブッシュ)55を固定している。このピストン55を設けることにより、ネジナット52のネジ軸51からの脱落を防ぐと共に、シリンダー部材54とネジ軸51との間のセンタリングを行なうようにしている。このピストン55は、焼結金属などの吸湿性材料によりオイルを浸透させている。なお、ピストン55は、高潤滑性樹脂に置き換えも可能である。
また、このピストン55を設けることで、シリンダー部材54内の空間Sを外部から密閉するように構成している。
シリンダー部材54の側面には、それぞれ外部のエアをシリンダー部材54内に取り込む吸入ワンウェイバルブ56と、シリンダー部材54内のエアを外部に排出する排出ワンウェイバルブ57を設けている。この排出ワンウェイバルブ57は、コイルスプリング10の上方より差込み固定されたエア吹出し管58に対してフレキシブルチューブ59等を介して連結している。
シリンダー部材54の下部には、車輪2を支持するロアアーム2aに連結固定される連結円筒部60を設けている。この連結円筒部60からシリンダー部材54に車輪2からの上下荷重が伝達されるように構成している。
また、クラッチ機構40とボールネジ機構50との間には、略円筒カップ形状のベース体61を設けている。このベース体61の上部フランジ部61aは、電動モータM等の「駆動部」21に固定しており、ベース体61の下部円筒部61bは、ネジ軸51をボールベアリング62を介して回動自在に支持している。
また、ベース体61の周囲には、環状のラバー部材63を組み付けて固定している。そして、この環状のラバー部材63で、前述の取付けプレート23を挟み込んで固定している。
このようにラバー部材63を、ベース体61と取付けプレート23との間に介装して構成することで、電磁サスペンション20と車体1との間の拗れを吸収するようにしている。
また、ベース体61の下部には、筒状のラバーによって構成したバンプストッパー63を設けている。そして、ピストン55とシリンダー部材54との間には、環状のラバーによって構成したリバウンドストッパー64を設けている。
前述のコイルスプリング10は、上下方向にコイル状に延びる金属製のバネ材によって構成している。そして、このコイルスプリング10は、ベース体61に設けた略環状のコイルサポートアッパ65とシリンダー部材54に設けた略環状のコイルサポートロア66との間に、上下方向に圧縮されて設置している。
このコイルスプリング10は、周知のように、車輪2であるバネ下からの衝撃を弾性力で緩和することで、バネ上である車体1に伝達しないようにしている。
前述の減速機構30とクラッチ機構40は、図3及び図4に示すように構成している。
まず、図3を利用して動力伝達経路について説明する。
減速機構30は、遊星歯車列によって構成しており、サンギア31入力、リングギア32出力、キャリア34制御となる動力伝達経路によって、電動モータMからの回転駆動力を変速(減速又は増速等)して、ボールネジ機構側に伝達するように構成している。
すなわち、遊星歯車列のサンギア31を電動モータMの出力軸Maに連結して、リングギア32をクラッチ機構40の入力軸41に連結することで、サンギア31から電動モータMからの駆動力が入力されて、リングギア32からその駆動力が出力されることになる。そして、ピニオンギア33を回動自在に支持するキャリア34を、ハウジング部材35に固定した変速制御モータ36によって、回転制御することで、減速比を変更することになる。
このように構成することで、まず、変速制御モータ36によって、キャリア34をサンギア31と同じ回転速度で回転させた場合には、サンギア31とリングギア32との回転速度も同じになるため、リングギア32から出力される回転速度は、変速されずそのままの回転速度で出力される。
しかし、キャリア34をサンギア31よりも低速回転で回転させた場合には、サンギア31の回転速度よりもリングギア32の回転速度が低下するため、リングギア32から出力される回転速度は減速されて出力される。
一方、キャリア34をサンギア31よりも高速回転で回転させた場合には、サンギア31の回転よりもリングギア32の回転速度が増速するため、リングギア32から出力される回転速度は増速されて出力される。
このように、変速制御モータ36によって、キャリア34の回転速度を変化させることで、サンギア31とリングギア32との間の減速比を変化させることができるため、この遊星歯車列によって、増減速を行なうことができる。
クラッチ機構40は、いわゆる摩擦多板クラッチ式のカップリング構造42によって構成している。このカップリング構造42では、減速機構30側の入力軸41を外筒43に固定して、ボールネジ機構側の出力軸44を外筒43の内方位置に配置している。
外筒43の内周面には、複数のドライブプレート45を軸方向に移動可能に設置して、出力軸44の外周面には、複数のドリブンプレート46を軸方向に移動可能に設置している。そして、これらのドライブプレート45とドリブンプレート46を軸方向に交互に配置して、摩擦接触するように設定することで、回転駆動力を伝達するように構成している。そして、外筒43の底端部に、この摩擦接触による伝達トルクを高めるために、皿バネ形状のプリロードスプリング47を設置している。
このため、この摩擦多板クラッチ式のカップリング構造42では、プリロードスプリング47によって、ある規定値までは、駆動トルクを伝達することができ、電動モータMの回転駆動力をボールネジ機構50に伝達することができる。
しかし、プリロードスプリング47の規定値以上の過大な負荷トルクが作用した場合には、ドライブプレート45とドリブンプレート46との間で滑りが生じて、回転駆動トルクが伝達されないことになり、電動モータMとボールネジ機構50との間で駆動トルクが伝達されないことになる。
よって、この摩擦多板クラッチ式のカップリング構造42では、過大な負荷トルクが作用した場合に、トルクを伝達しない、いわゆるトルクリミッターとして機能することになる。
図4では、減速機構30とクラッチ機構40との詳細構造について示している。なお、この図では、各機構の断面上半分のみを示している。
減速機構30もクラッチ機構40も、それぞれ、ハウジング部材35,48内に設置しており、電動モータMと同一軸線上に配置している。
減速機構30の入力軸37は、減速機構30のハウジング部材35に対して、第一ベアリング38を介して回転自在に軸支されている。また、減速機構30の出力軸であるクラッチ機構40の入力軸41も、それぞれのハウジング部材35,48に第二ベアリング39、第三ベアリング49Aを介して回動自在に軸支されている。さらに、クラッチ機構40の出力軸44も、クラッチ機構40のハウジング部材48に、第四ベアリング49Bを介して回動自在に軸支されている。
変速制御モータ36は、減速機構30のハウジング部材35の内側壁35aに固定されており、出力軸36aに設けた駆動ギア36bで、キャリア34の外周端面に形成したギア34aを回転駆動している。
キャリア34は、ピニオンギア33の軸方向の両側位置に位置する二つのプレート体34A,34Bを備えており、この二つのプレート体34A,34Bを軸方向に延びるピニオンシャフト34Cで連結することで構成している。
ピニオンギア33が噛合するリングギア32は、軸方向に延びる円筒部32Aと、径方向に延びる円盤部32Bとによって構成しており、円盤部32Bを減速機構30の出力軸であるクラッチ機構40の入力軸41に係合固定している。
次に、図5のフローチャートにより、本実施形態の減速機構30の制御方法について説明する。
まず、S1で、前述した各種のセンサから、各検出信号を読み込む。
次に、S2で、運転者が切替スイッチ15を操作して、電動モータMが積極的に動く、運転制御モードを選択しているか否かを判定する。ここで運動制御モードが選択されていると判断した場合(YES判定)には、S4に移行する。一方、S2で運動制御モードが選択されていない(電力回生モードである場合)と判断した場合(NO判定)には、S3に移行する。
S3では、車両の走行状態を判定する検出信号(舵角信号、車速信号等)によりスポーツ走行か否かを判定する。ここで、スポーツ走行であると判断した場合(YES判定)には、S4に移行する。一方、S3でスポーツ走行でないと判断した場合(NO判定)には、S5に移行する。
S4では、路面状態を検出する検出信号(車輪G信号等)により不整路面か否かを判定する。ここで、不整路面であると判断した場合(YES判定)には、S5に移行する。一方、S4で不整路面でないと判断した場合(NO判定)には、S6に移行する。
このようにして、移行したS5では、減速機構30を減速比を増速側に変速する増速制御で制御することになる。具体的には変速制御モータ36でキャリア34を高速で回転させることにより、リングギア32の回転(出力側の回転)をサンギア31の回転(電動モータMの回転)よりも増速回転させる。これにより、電動モータMの回転イナーシャが低下して、バネ下側(車輪2側)からの上下ストロークに対して、電動モータMが大きく回転しやすくなる。
したがって、電磁サスペンション20が電力回生モードの際には、大きな回生電力を得ることができる。
一方、S6では、減速機構30を減速比を減速側に変速する減速制御で制御することになる。この場合は、S5とは逆に変速制御モータ36でキャリア34を低速で回転させることにより、リングギア32の回転(出力側の回転)をサンギア31の回転(電動モータMの回転)よりも減速させる。これにより、電動モータMから出力される駆動トルクを増幅することができる。
したがって、電磁サスペンション20が運動制御モードの際には、大きくなった電動モータMの駆動トルクで、所望のストローク量を、確実に得ることができる。
以上のようにして、本実施形態の減速機構30は、車両の運転状態、具体的には運転者の要求、車両の走行状態及び路面状況等に応じて、減速比を変更するように制御することにより、電磁サスペンション20の運転制御モードと電力回生モードでの要求をそれぞれ満足させることができる。
なお、本実施形態では、減速と増速の二通りだけで減速比を切替えたが、車両の運転状態に応じて減速比をリニアに変更してもよい。
また、このようにして懸架装置が制御されることで、ボールネジ機構50のピストン55も上下方向にスライド移動するように制御されることになるが、本実施形態では、前述したように、シリンダー部材54内の空間Sに連結された排出ワンウェイバルブ57やエア吹出し管59等を設けている。
このため、シリンダー部材54内でピストン55が上下動すると、ポンプ作用によって、排出ワンウェイバルブ57からシリンダー部材54内のエアが排出されて、このエアがフレキシブルチューブ59を介してエア吹出し管58に導かれて、ボールネジ機構50のネジ軸51に吹付けられる(図2参照)。
よって、ボールネジ機構50のネジ軸51の周囲には、いわゆるエアカーテンのような「空気幕」が形成されることになり、ネジ軸51の防塵性を高めることができる。
次に、このように構成された本実施形態の作用効果について説明する。
この実施形態では、車体1側に設置された電動モータMと、電動モータMに連結されたネジ軸51及び車輪2側に連結されたネジナット52からなるボールネジ機構50と、電動モータMとネジ軸51との間に設置されて、電動モータMとネジ軸51間の減速比を変更して駆動伝達トルクを変更する減速機構30とを備えて、車両の運転状態、例えば、運転者が切替スイッチ15を操作して電磁サスペンション20の制御モードを変更したか否かを判定して、その判定状態に応じて、減速機構30の減速比を切替制御する。
これにより、車両の運転状態に応じて、電動モータMとネジ軸51間の減速比が変更されて、駆動伝達トルクが変更されることになる。
このため、車両の運転状態に応じて、電動モータMと車輪2との間の駆動伝達トルクが変化することになり、運動制御モードと電力回生モード等の異なる要求に対して、電磁サスペンション20を対応させることができる。
よって、電動モータMによって駆動される電磁サスペンション20を備える車両用懸架装置において、運動制御モードと電力回生モードで異なる要求、具体的には、運動制御モードでは電動モータMが発生する駆動トルクを増大してストローク量を確実に増減するという要求、電力回生モードではバネ下入力に対して電動モータMの低イナーシャ化を図ることで回生電力を出来るだけ多く発生させるという要求を、それぞれ効率よく両立することができる。
また、この実施形態では、不整路面を検出した際に、電動モータMとネジ軸51間の減速比を増速側に切替えるように制御している。
これにより、不整路面の際には、電動モータMを低イナーシャ化することになり、電動モータMが回転しやすくなる。
よって、電磁サスペンション20の電力回生モードによる回生電力を多く発生することができる。
また、この実施形態では、各種センサの検出信号から、スポーツ走行を検出した際に、電動モータMとネジ軸51間の減速比を減速側に切替えるように制御している。
このため、スポーツ走行の際には、電動モータMから発生する駆動トルクを増大することができる。
よって、電磁サスペンション20の運動制御モードによるストローク量を確実に増減することができる。
また、この実施形態では、電動モータMとネジ軸51との間にクラッチ機構40を設置して、規定値以上の負荷トルクが作用した際にはこのクラッチ機構40を開放するようにしている。
これにより、規定値以上の過大な負荷トルクが車輪2側(バネ下側)から作用した場合には、電動モータMとネジ軸51との間の動力伝達経路が開放されることになる。
このため、過大な負荷トルクが電動モータM側に入力されることなく、電動モータMやボールネジ機構50に対する負荷を軽減することができる。
よって、高価な電動モータMやボールネジ機構50に生じる破損を防止することができる。
特に、この実施形態では、クラッチ機構40が摩擦多板クラッチ式のカップリング構造42であり、プリロードスプリング47によって、規定値以上のトルクで滑らせるように設定している。
これにより、設定値以上の過大な負荷トルクが車輪2側から作用した場合には、クラッチ機構40が滑ることにより、電動モータM側に過大な負荷トルクが作用しなくなる。
よって、機械的に簡易な構成によって、電動モータMやボールネジ機構50の破損を防止することができる。
また、この実施形態では、ネジ軸51の表面にエアを吹きつけるエア吹出し管58を設けている。
これにより、ネジ軸51の表面には、ゴミが付着しにくくなり、ネジ軸51の清掃及び防塵を行なうことができる。
よって、ゴミの噛み込み等によってボールネジ機構50の作動が不安定にならないため、電磁サスペンション20の性能を安定させることができる。
特に、この実施形態では、エア吹出し管58のエアを、シリンダー部材54内から供給している。
これにより、清掃及び防塵を行なうエア吹出し管58のエアが、サスペンションのシリンダー部材54内から供給されることになり、別途、エア吹付けのための加圧装置等を設定する必要がない。
よって、簡易な構成によって、ネジ軸51の清掃及び防塵を行なうことができる。
次に、第二実施形態について、図6により説明する。図6は、第二実施形態の減速機構等の詳細断面図である。なお、第一実施形態と同一の構成要素については、同一の符号を付して説明を省略する。
この実施形態では、第一実施形態のプリロードスプリング47の代わりに、電磁ソレノイド147を設置して、この電磁ソレノイド147を通電、非通電することで、摩擦多板クラッチ(45,46)の締結状態と開放状態を切替えるように構成して、クラッチ機構140を電気的に制御するようにしたものである。
具体的には、電磁ソレノイド147に対して電流を供給する配線148を設定して、前述の車輪Gセンサ7が検出した衝撃値が、所定値以上となる場合には、この回路からの通電を遮断して、電磁ソレノイド147の磁力を解除するように構成している。
このように構成することで、大きな負荷トルクが車輪2側から作用した場合には、確実にクラッチ機構140の締結を遮断することができる。
よって、この実施形態によっても、所定値以上の過大なバネ下加速度が車輪2側から作用する場合には、電動モータM側に過大な負荷トルクが作用しなくなる。
特に、この実施形態によると、正確な電気制御によってクラッチ機構140を開放制御するため、より電動モータMやボールネジ機構50の破損を防止することができる。
なお、クラッチ機構については、この他にも、ドグクラッチのようなクラッチで構成してもよいし、また、流体クラッチで構成するようにしてもよい。
以上、この発明の構成と前述の実施形態との対応において、
この発明のネジ機構は、実施形態のボールネジ機構50に対応し、
以下、同様に、
検出手段は、切替スイッチ15、車輪Gセンサ7、舵角センサ11、車速センサ12、Gセンサ13、横Gセンサ14に対応し、
切替手段は、ECU8に対応し、
開放手段は、プリロードスプリング47、電磁ソレノイド147に対応し、
エア吹付け手段は、エア吹出し管58に対応するも
この発明は、前述の実施形態に限定されるものではなく、あらゆる車両用懸架装置に適用する実施形態を含むものである。
なお、減速機構については、前述の実施形態のように遊星歯車列に限定されるものではなく、例えば、複数のプーリーを利用して当接位置を変更することで減速比を変更するものや、複数の歯車を組み合わせて減速比を変更するようなものであってもよい。
第一実施形態の車両用懸架装置を採用した自動車の概略模式図。 車両用懸架装置の電磁サスペンションの構造を詳細に示す断面図。 電磁サスペンションの上部に設置される減速機構等のスケルトン図。 減速機構等の詳細断面図。 減速機構等の制御方法を説明するフローチャート。 第二実施形態の減速機構等の詳細断面図。
符号の説明
M…電動モータ
3…懸架装置
7…車輪Gセンサ
8…ECU
15…切替スイッチ
20…電磁サスペンション
30…減速機構
36…変速制御モータ
40…クラッチ機構
47…プリロードスプリング
50…ボールネジ機構
58…エア吹出し管
140…クラッチ機構
147…電磁ソレノイド

Claims (8)

  1. 車両用懸架装置であって、
    車体側に設置された電動モータと、
    該電動モータに連結されたネジ軸及び車輪側に連結されたネジナットからなるネジ機構と、
    前記電動モータとネジ軸との間に設置されて、電動モータとネジ軸間の減速比を変更して駆動伝達トルクを変更する減速機構と、
    車両の運転状態を検出する検出手段と、
    該検出手段で検出した車両の運転状態に応じて前記減速機構の減速比を切替える切替手段とを備える
    車両用懸架装置。
  2. 前記車両の運転状態が路面状況であり、
    前記検出手段で不整路面を検出した際に、前記切替手段で電動モータとネジ軸間の減速比を増速側に切替える
    請求項1記載の車両用懸架装置。
  3. 前記車両の運転状態が車両の走行状態であり、
    前記検出手段でスポーツ走行を検出した際に、前記切替手段で電動モータとネジ軸間の減速比を減速側に切替える
    請求項1記載の車両用懸架装置。
  4. 前記電動モータとネジ軸との間にクラッチ機構を設置して、
    所定値以上の負荷トルクが作用した際には該クラッチ機構を開放する開放手段を備える
    請求項1又は2記載の車両用懸架装置。
  5. 前記クラッチ機構が摩擦式タイプであり、該クラッチ機構を設定トルク以上で滑らせるように設定した
    請求項4記載の車両用懸架装置。
  6. 前記クラッチ機構が電磁式タイプであり、バネ下加速度が所定値以上の際には開放制御する
    請求項4記載の車両用懸架装置。
  7. 前記ネジ軸の表面に対してエアを吹きつけるエア吹付け手段を設けた
    請求項1〜6記載いずれか記載の車両用懸架装置。
  8. 前記エア吹付け手段のエアをネジ軸の伸縮移動により容積変化するシリンダー内から供給する
    請求項7記載の車両用懸架装置。




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