JP2009096330A - 車体前部構造 - Google Patents

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英治 八田
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Abstract

【課題】フロントバンパの地上高が異なる車両同士が衝突した場合に、衝突エネルギーを車体前部で吸収する。
【解決手段】フロントピラー21は下の垂直部21Lと上の傾斜部21Uとからなる。車体11はフロントサイドフレーム22よりも車幅方向外側に位置した上部パイプ部材40と下部パイプ部材50を備える。上部パイプ部材は傾斜部の下部から前下方にホイールハウス24に沿って湾曲しながら延び、前端部42がヘッドライト16より下位で且つフロントサイドフレームの前端部22aより上位で車幅方向内側へ延び、延長端部43がフロントバルクヘッド23に連結される。下部パイプ部材は垂直部の下部から前上方へ延び、ホイールハウスに沿って湾曲しながら前下方へ延び、前端部52がフロントサイドフレームの前端部の近傍で車幅方向内側へ延び、延長端部53がフロントサイドフレームに連結される。
【選択図】図1

Description

本発明は、乗用車等の車両における車体の前部構造に関する。なお、本発明において、「車体の前部」とは、車体においてフロントピラー(Aピラー)から前の部分のことを言う。
一般的な車体の前部は、車体の左右両側で起立した左右のフロントピラーと、左右のフロントサイドフレームと、左右のアッパメンバと、フロントバルクヘッドとを主要な構成要素としたものである。左右のフロントサイドフレームは、車体前部の左右両側の位置で車体前後に延びている。左右のアッパメンバは、左右のフロントサイドフレームの車幅方向外側で且つ上側の位置で左右のフロントピラーから前方へ延びている。フロントバルクヘッドは、各フロントサイドフレームの前端と各アッパメンバの前端に接合された、正面視矩形状の枠である。
これらの各構成部材は、板材を矩形断面に成形したプレス成形品を組み合わせた構成から成る。ところで、近年、各構成部材の一部をパイプ材によって構成する技術の開発が進められている(例えば、特許文献1参照。)。
特開2005−343454公報
特許文献1で知られている車体前部は、上述の一般的な車体前部におけるフロントサイドフレームとアッパメンバとフロントバルクヘッドを廃止し、これをハイドロフォーミングされたパイプ材に置換したというものである。
概要を説明すると、特許文献1で知られている車体前部は、左右のフロントピラーの中間部から前方へ左右のサイド・チューブ構造体を延ばし、それらの前端を下方へ延ばし、更にそれらの下端の間に1本のラジエーター支持チューブ構造体を掛け渡した構成である。各サイド・チューブ構造体は、上下2列に配列されたアッパー・チューブとロア・チューブの組み合わせ構造からなる。アッパー・チューブとロア・チューブとラジエーター支持チューブ構造体は、角パイプから成る。
ところで、車種によって車体の大きさが異なるので、車体前部に備えているフロントバンパの地上高も大きく異なる。互いにフロントバンパの地上高が大きく異なる車両同士が衝突した場合には、フロントバンパ同士が当たらない。このため、相手車両から自車へ作用した衝突エネルギーを、車体前部によって十分に吸収するには改良の余地がある。
本発明は、構成部材の一部をパイプ材によって構成した車体前部構造において、互いにフロントバンパの地上高が大きく異なる車両同士が衝突した場合に、衝突エネルギーを車体前部によって十分に吸収することができる技術を提供することを課題とする。
請求項1に係る発明は、車体前部の左右両側で起立した左右のフロントピラーと、前記車体前部の左右両側で車体前後に延びた左右のフロントサイドフレームと、前記左右のフロントサイドフレームの前端部に接合されたフロントバルクヘッドと、前記左右のフロントサイドフレームに接合された左右のホイールハウスとからなり、
前記左右のフロントピラーは、フロントドアを支持するための下半分の垂直部と、前記垂直部の上端から後上方へ延びてフロントガラスの側部を支持するための傾斜部とからなる、車体前部構造において、
それぞれパイプ材から成り、前記左右のフロントサイドフレームよりも車幅方向外側に位置した、左右の上部パイプ部材と左右の下部パイプ部材を備え、
前記左右の上部パイプ部材は、前記左右の傾斜部の下部から前下方へ前記左右のホイールハウスに沿うように湾曲しながら延び、その前端部が、車体前部における左右のコーナに配置された左右のヘッドライトよりも下位で且つ前記左右のフロントサイドフレームの前端部よりも上位において車幅方向内側へ延び、その延長端部が、前記フロントバルクヘッドに連結された構成であり、
前記左右の下部パイプ部材は、前記左右の垂直部の下部から前上方へ延び、前記左右のホイールハウスに沿うように湾曲しながら前下方へ延び、その前端部が、前記左右のフロントサイドフレームの前端の近傍で車幅方向内側へ延び、その延長端部が、前記左右のフロントサイドフレームの前端部に連結された構成であることを特徴とする。
請求項2に係る発明では、請求項1において、前記左右の上部パイプ部材と前記左右の下部パイプ部材は、予め設定された所定位置にそれぞれ脆弱部を有しており、
前記各脆弱部は、曲げ成形された前記左右の上部及び下部パイプ部材に焼き入れ処理が施されたときに、局部的に焼き入れの度合いが低減された部分であることを特徴とする。
請求項1に係る発明では、一般的な車体前部における矩形断面のアッパメンバを廃止して、これを上下一対のパイプ材に置換した構成である。つまり、従来のアッパメンバの代わりに、それぞれパイプ材から成る上部パイプ部材と下部パイプ部材を設けた。上部及び下部パイプ部材は、フロントサイドフレームよりも車幅方向外側に位置する。当然のことながら、左右のフロントサイドフレームの前端部の間にはフロントバンパが掛け渡される。
上部パイプ部材の前端部は、ヘッドライトよりも下位で且つフロントサイドフレームの前端部よりも上位において、車幅方向内側へ延び、その延長端部がフロントバルクヘッドに連結されている。上部パイプ部材の前端において、車幅方向内側へ延びた部分(上の内側延長部)はフロントバンパよりも上位に位置する。上の内側延長部は、フロントサイドフレームよりも車幅方向外側へ張り出しており、上部の補助的なフロントバンパの役割を果たすことができる。
一方、下部パイプ部材の前端部は、フロントサイドフレームの前端部の近傍で車幅方向内側へ延び、その延長端部がフロントサイドフレームの前端部に連結されている。下部パイプ部材の前端において、車幅方向内側へ延びた部分(下の内側延長部)はフロントバンパと同じ高さに位置する。下の内側延長部は、フロントサイドフレームよりも車幅方向外側へ張り出しており、下部の補助的なフロントバンパの役割を果たすことができる。
ところで、上の内側延長部をヘッドライトと同じ高さに配置したのでは、ヘッドライトの邪魔になる。また、フロントサイドフレームの前端部の近傍には下の内側延長部が位置する。このため、ヘッドライトよりも下位で且つフロントサイドフレームの前端部よりも上位に、上の内側延長部を配置している。
自車のフロントバンパの地上高に対し、相手車両のフロントバンパの地上高が高い場合において、車両同士が正面衝突またはオフセット衝突(車幅中心から偏心した位置に衝突)をした場合に、フロントバンパ同士は当たらない。しかし、相手車両の前面が上の内側延長部に当たる。このため、相手車両から自車へ作用した衝突エネルギーは、上の内側延長部から上部パイプ部材を介してフロントピラーの傾斜部の下部へ伝わる。上部パイプ部材が塑性変形することによって、衝突エネルギーを十分に吸収することができる。
また、フロントバンパの地上高が同じである車両同士が正面衝突をした場合には、フロントバンパ同士が当たる。このため、相手車両から自車へ作用した衝突エネルギーは、フロントサイドフレームが塑性変形することによって、衝突エネルギーを十分に吸収することができる。
また、フロントバンパの地上高が同じである車両同士がオフセット衝突をした場合には、相手車両の前面が下の内側延長部に当たる。このため、相手車両から自車へ作用した衝突エネルギーは、下の内側延長部から下部パイプ部材を介してフロントピラーの垂直部の下部へ伝わる。下部パイプ部材が塑性変形することによって、衝突エネルギーを十分に吸収することができる。
このように、請求項1に係る発明では、相手車両の前面が当たることが可能な、上の内側延長部と下の内側延長部を設けた。このため、互いにフロントバンパの地上高が大きく異なる車両同士が、正面衝突またはオフセット衝突をした場合であっても、上の内側延長部や下の内側延長部によって衝突エネルギーを効率良く受けることができる。従って、上部パイプ部材や下部パイプ部材によって衝突エネルギーを十分に吸収することができる。
さらに、請求項1に係る発明では、上部パイプ部材と下部パイプ部材という2つのパイプ部材の組み合わせ構成によって、一般的な車体前部におけるアッパメンバの代わりをなしている。2つのパイプ部材やアッパメンバの座屈強さは、各部材の実質的な断面積に応じて決まる。アッパメンバの矩形断面における実質的な断面積に対して、2つのパイプ部材を組み合わせた実質的な断面積を、同一としたときに、アッパメンバの外径に対して2つのパイプ部材を組み合わせた全体の外径は小さくてすむ。つまり、2つのパイプ部材の組み合わせからなる構成は、一般的な車体前部における矩形断面のアッパメンバと同等の強度を有するのに、小さくてよいので、いわゆる、断面効率が良いといえる。このため、車体の前部における左右の空きスペースに余裕ができるので、車両のデザインの自由度が高まる。
請求項2に係る発明では、上部及び下部パイプ部材は、パイプ材を曲げ成形した後に焼き入れ処理が施された構成である。さらに、上部及び下部パイプ部材は、予め設定された所定位置における焼き入れの度合いが局部的に低減することによって、所定位置に脆弱部が設けられている。つまり、脆弱部の硬度は、他の部分の硬度よりも低く設定される。例えば、所定位置には焼き入れ処理を施さない。硬度が小さい脆弱部は、硬度が大きい他の部分に比べて、小さい衝突エネルギーによる座屈や曲げが生じ易い。この結果、衝突の初期段階において脆弱部に座屈や曲げが生じる。
このように、焼き入れの度合いを局部的に変えるだけで、上部及び下部パイプ部材において、脆弱部と他の部分とで強度差を設定することができる。従って、上部及び下部パイプ部材が塑性変形し易い位置(座屈ポイント、折れ曲がりポイント)を最適なものに容易に設定することができる。
本発明を実施するための最良の形態を添付図に基づいて以下に説明する。なお、「前」、「後」、「左」、「右」、「上」、「下」は運転者から見た方向に従い、Frは前側、Rrは後側、Leは左側、Riは右側、CLは車幅中心(車体中心)を示す。
図1は本発明に係る車体前部の斜視図である。図2は図1に示す車体前部の分解図である。図3は図1の3−3線断面図である。図4(a)は図1に示す車体前部の側面構成を示し、図4(b)は比較例の車体前部の側面構成を示している。図5は図1に示す車体前部の正面図である。図6は図1に示す車両と相手車両の関係を示す説明図である。
図1に示すように、車両10は、モノコックボディから成る車体11(すなわち、車体フレーム11)を、図示せぬダッシュボードによって前部のエンジンルーム12と後部の車室13とに仕切った自動車である。以下、車体11の前部の構成について以下に説明する。ここで、「車体11の前部」とは、車体11においてフロントピラー21,21(Aピラー)から前の部分のことを言う。
図1〜図4(a)及び図5に示すように、車体11の前部は、左右のフロントピラー21,21と左右のフロントサイドフレーム22,22とフロントバルクヘッド23と左右のホイールハウス24,24とを主要な構成部材としている。このような車両10は、フロントサイドフレーム22,22の車幅方向外側に左右の前輪(図示せず)が配置される。
左右のフロントピラー21,21は車体前部の左右両側、つまり、ダッシュボードの近傍でフロントガラス14と左右のフロントドア15,15(左だけを示す。以下、同じ。)との間で起立した部材である。このフロントピラー21は、フロントドア15を支持するための下半分の垂直部21Lと、フロントガラス14の側部を支持するための傾斜部21Uとからなる。垂直部21L(ピラー下半部21L)は、サイドシル25,25の前端から起立している。傾斜部21U(ピラー上半部21U)は、垂直部21Lの上端から後上方へ延びてルーフ26の前端に連なる。
左右のフロントサイドフレーム22,22は、車体11前部の左右両側で車体11の前後に延びた部材であり、後端にサイドアウトリガー27,27が接合されている。当然のことながら、左右のフロントサイドフレーム22,22の前端部の間にはフロントバンパ28(図4(a)参照)が掛け渡される。
フロントバルクヘッド23は、全体形状が正面視で略矩形状に形成された部材であり、左右のフロントサイドフレーム22,22の前端部22a,22aに接合されている。詳しく説明するとフロントバルクヘッド23は、前部上部で車幅方向に延びたアッパクロスメンバ31と、前部下部で車幅方向に延びたロアクロスメンバ32と、左右の上部サイドステー33,33と、左右の下部サイドステー34,34とからなる。
左右のホイールハウス24,24は、左右のフロントサイドフレーム22,22に接合され、前輪の上部を覆うように車体中心CL側へ膨出した部材であって、フロントダンパハウジング29,29が接合されている。さらに、左右のホイールハウス24,24の後部は、左右のフロントピラー21,21から前方へ延びたアッパステー37,37の前端部に接合されている。
さらに、本実施例における車体11の前部は、図4(b)に示す一般的な車体100の前部における矩形断面のアッパメンバ101を廃止して、これを図4(a)に示す上下一対のパイプ材40,40,50,50に置換した構成である。つまり、本発明では、従来のアッパメンバ101の代わりに、それぞれパイプ材から成る上部パイプ部材40,40と下部パイプ部材50,50を設けた。上部パイプ部材40,40と下部パイプ部材50,50は、角パイプ等のパイプ材から成り、フロントサイドフレーム22,22よりも車幅方向外側に位置する。以下、上部パイプ部材40,40と下部パイプ部材50,50について、図1〜図4(a)及び図5に基づき詳しく説明する。
左右の上部パイプ部材40,40は、後端部41,41が左右の傾斜部21U,21Uの下部にボルト止め、リベット止め、溶接等によって接合され、後端部41,41から前下方へ左右のホイールハウス24,24に沿うように湾曲しながら延び、その前端部42,42が、車体11の前部における左右のコーナに配置された左右のヘッドライト16,16よりも下位で且つ左右のフロントサイドフレーム22,22の前端部22a,22aよりも上位において車幅方向内側(車幅中心CL方向)へ湾曲しながら延び、その延長端部43,43が、フロントバルクヘッド23にボルト止め、リベット止め、溶接等の接合によって連結された構成である。
言い換えると、上部パイプ部材40,40の前端部42,42は、ヘッドライト16,16よりも下位で且つフロントサイドフレーム22,22の前端部22a,22aよりも上位において、車幅方向内側へ延び、その延長端部43,43がフロントバルクヘッド23に連結されている。上部パイプ部材40,40の前端において、車幅方向内側へ延びた部分44,44(上の内側延長部44,44)はフロントバンパ28(図4(a)参照)よりも上位に位置する。上の内側延長部44,44は、フロントサイドフレーム22,22よりも車幅方向外側へ張り出しており、上部の補助的なフロントバンパの役割を果たすことができる。
なお、本実施例においては、延長端部43,43は、ステー45,45によってアッパクロスメンバ31に取り付けられている。
左右の下部パイプ部材50,50は、後端部51,51が左右の垂直部21L,21Lの下部にボルト止め、リベット止め、溶接等によって接合され、後端部51,51から前上方へ延び、左右のホイールハウス24,24に沿うように湾曲しながら前下方へ延び、その前端部52,52が、左右のフロントサイドフレーム22,22の前端部22a,22aの近傍で車幅方向内側(車幅中心CL方向)へ湾曲しながら延び、その延長端部53,53が、左右のフロントサイドフレーム22,22の前端部22a,22aにボルト止め、リベット止め、溶接等の接合によって連結された構成である。
言い換えると、下部パイプ部材50,50の前端部52,52は、フロントサイドフレーム22,22の前端部22a,22aの近傍で車幅方向内側へ延び、その延長端部53,53がフロントサイドフレーム22,22の前端部22a,22aに連結されている。下部パイプ部材50,50の前端において、車幅方向内側へ延びた部分54,54(下の内側延長部54,54)はフロントバンパ28(図4(a)参照)と同じ高さに位置する。下の内側延長部54,54は、フロントサイドフレーム22,22よりも車幅方向外側へ張り出しており、下部の補助的なフロントバンパの役割を果たすことができる。
ところで、上の内側延長部44,44をヘッドライト16,16と同じ高さに配置したのでは、ヘッドライト16,16の邪魔になる。また、フロントサイドフレーム22,22の前端部22a,22aの近傍には下の内側延長部54,54が位置する。このため、ヘッドライト16,16よりも下位で且つフロントサイドフレーム22,22の前端部22a,22aよりも上位に、上の内側延長部44,44を配置している。
図1〜図4(a)に示すように、上部及び下部パイプ部材40,50は、ホイールハウス24に沿うように湾曲しながら互いに上下に重ね合わせられ、この重ね合わせられた部分が接合されることにより一体化されている。さらに、上部及び下部パイプ部材40,50は、ホイールハウス24及びアッパステー37に接合されている。
図3に示すように、上部及び下部パイプ部材40,50は、幅Wi、高さHi、板厚Thの正方形の角断面に形成されている。幅Wiに対して高さHiは同一である。上下に重ね合わせられた状態の上部及び下部パイプ部材40,50の全体形状は、正面視略「日」の字状を呈している。
図6に示すように、自分の車両10(自車10)におけるフロントバンパ28の地上高に対し、相手車両200のフロントバンパ201の地上高が高い場合において、車両10,200同士が正面衝突またはオフセット衝突(車幅中心CLから偏心した位置に衝突)をした場合に、フロントバンパ28,201同士は当たらない。しかし、相手車両200の前面が図1に示す上の内側延長部44,44に当たる。このため、相手車両200から自車10へ作用した衝突エネルギーは、上の内側延長部44,44から上部パイプ部材40,40を介してフロントピラー21,21の傾斜部21U,21Uの下部へ伝わる。上部パイプ部材40,40が塑性変形することによって、衝突エネルギーを十分に吸収することができる。
また、図6において、フロントバンパ28,201の地上高が同じである車両10,200同士が正面衝突をした場合には、フロントバンパ28,201同士が当たる。このため、相手車両200から図1に示す自車10へ作用した衝突エネルギーは、フロントサイドフレーム22,22が塑性変形することによって、衝突エネルギーを十分に吸収することができる。
また、図6において、フロントバンパ28,201の地上高が同じである車両10,200同士がオフセット衝突をした場合には、相手車両200の前面が図1に示す下の内側延長部54,54に当たる。このため、相手車両200から自車10へ作用した衝突エネルギーは、下の内側延長部54,54から下部パイプ部材50,50を介してフロントピラー21,21の垂直部21L,21Lの下部へ伝わる。下部パイプ部材50,50が塑性変形することによって、衝突エネルギーを十分に吸収することができる。
このように、相手車両200の前面が当たることが可能な、上の内側延長部44,44と下の内側延長部54,54を設けた。このため、互いにフロントバンパ28,201の地上高が大きく異なる車両10,200同士が、正面衝突またはオフセット衝突をした場合であっても、上の内側延長部44,44や下の内側延長部54,54によって衝突エネルギーを効率良く受けることができる。従って、上部パイプ部材40,40や下部パイプ部材50,50によって衝突エネルギーを十分に吸収することができる。
ここで、上部及び下部パイプ部材40,50の座屈強さについて考える。
図3及び図4(a)に示すように、上部及び下部パイプ部材40,50は、互いに上下重ねて一体化されている。つまり、図4(a)に示す上部パイプ部材40と下部パイプ部材50という2つのパイプ部材の組み合わせ構成によって、図4(b)に示す一般的な車体100の前部におけるアッパメンバ101の代わりをなしている。
上述のように、上部及び下部パイプ部材40,50は、幅Wi、高さHi、板厚Thの正方形の角断面に形成されている。幅Wiに対して高さHiは同一である。
これに対して、図4(b)に示す一般的なアッパメンバ101は正方形の角断面に形成されている。例えば、アッパメンバ101の高さを、上部及び下部パイプ部材40,50を重ねた高さ(2×Hi)とする。アッパメンバ101の板厚を、上部及び下部パイプ部材40,50と同じThとする。
2つのパイプ部材40,50の組み合わせによる座屈強さや、アッパメンバ101の座屈強さは、各部材の実質的な断面積に応じて決まる。
ここで、アッパメンバ101の矩形断面における実質的な断面積に対して、2つのパイプ部材40,50を組み合わせた実質的な断面積を、同一として考える。このため、両者の座屈強さは同一である。このときに、アッパメンバ101の外径(幅)に対して2つのパイプ部材40,50を組み合わせた全体の外径(幅Wi)は小さくてすむ。
つまり、2つのパイプ部材40,50の組み合わせからなる構成は、一般的な車体100の前部における矩形断面のアッパメンバ101と同等の強度を有するのに、小さくてよいので、いわゆる、断面効率が良いといえる。このため、車体11の前部における左右の空きスペースに余裕ができるので、車両10のデザインの自由度が高まる。
ところで、図4(a)に示すように、左右の上部パイプ部材40,40と左右の下部パイプ部材50,50は、予め設定された前後2つの所定位置X1,X2にそれぞれ脆弱部61,62を有している。これらの脆弱部61,62は、図4(b)に示す一般的な車体100においてアッパメンバ101に設けられた脆弱部161,162に相当する。
但し、本発明において、図4(a)に示す各脆弱部61,62は、曲げ成形された左右の上部・下部パイプ部材40,40,50,50に焼き入れ処理が施されたときに、局部的に焼き入れの度合いが低減された部分である。
言い換えると、上部及び下部パイプ部材40,50は、パイプ材を曲げ成形した後に焼き入れ処理が施された構成である。さらに、上部及び下部パイプ部材40,50は、予め設定された所定位置X1,X2における焼き入れの度合いが局部的に低減することによって、所定位置X1,X2に脆弱部61,62が設けられている。つまり、脆弱部61,62の硬度は、他の部分63の硬度よりも低く設定される。例えば、所定位置X1,X2には焼き入れ処理を施さない。硬度が小さい脆弱部61,62は、硬度が大きい他の部分63に比べて、小さい衝突エネルギーによる座屈や曲げが生じ易い。この結果、衝突の初期段階において脆弱部61,62に座屈や曲げが生じる。
このように、焼き入れの度合いを局部的に変えるだけで、上部及び下部パイプ部材40,50において、脆弱部61,62と他の部分63とで強度差を設定することができる。従って、上部及び下部パイプ部材40,50が塑性変形し易い位置(座屈ポイント、折れ曲がりポイント)を最適なものに容易に設定することができる。
本発明の車体前部構造は、乗用車等の車両における車体に用いるのに好適である。
本発明に係る車体前部の斜視図である。 図1に示す車体前部の分解図である。 図1の3−3線断面図である。 図1に示す車体前部と比較例の車体前部の各側面構成を示す図である。 図1に示す車体前部の正面図である。 図1に示す車両と相手車両の関係を示す説明図である。
符号の説明
10…車両、11…車体、14…フロントガラス、15…フロントドア、16…ヘッドライト、21…フロントピラー、21L…垂直部、21U…傾斜部、22…フロントサイドフレーム、22a…フロントサイドフレームの前端部、23…フロントバルクヘッド、24…ホイールハウス、40…上部パイプ部材、42…前端部、43…延長端部、50…下部パイプ部材、52…前端部、53…延長端部、61,62…脆弱部。

Claims (2)

  1. 車体前部の左右両側で起立した左右のフロントピラーと、前記車体前部の左右両側で車体前後に延びた左右のフロントサイドフレームと、前記左右のフロントサイドフレームの前端部に接合されたフロントバルクヘッドと、前記左右のフロントサイドフレームに接合された左右のホイールハウスとからなり、
    前記左右のフロントピラーは、フロントドアを支持するための下半分の垂直部と、前記垂直部の上端から後上方へ延びてフロントガラスの側部を支持するための傾斜部とからなる、車体前部構造において、
    それぞれパイプ材から成り、前記左右のフロントサイドフレームよりも車幅方向外側に位置した、左右の上部パイプ部材と左右の下部パイプ部材を備え、
    前記左右の上部パイプ部材は、前記左右の傾斜部の下部から前下方へ前記左右のホイールハウスに沿うように湾曲しながら延び、その前端部が、車体前部における左右のコーナに配置された左右のヘッドライトよりも下位で且つ前記左右のフロントサイドフレームの前端部よりも上位において車幅方向内側へ延び、その延長端部が、前記フロントバルクヘッドに連結された構成であり、
    前記左右の下部パイプ部材は、前記左右の垂直部の下部から前上方へ延び、前記左右のホイールハウスに沿うように湾曲しながら前下方へ延び、その前端部が、前記左右のフロントサイドフレームの前端の近傍で車幅方向内側へ延び、その延長端部が、前記左右のフロントサイドフレームの前端部に連結された構成であることを特徴とした車体前部構造。
  2. 前記左右の上部パイプ部材と前記左右の下部パイプ部材は、予め設定された所定位置にそれぞれ脆弱部を有しており、
    前記各脆弱部は、曲げ成形された前記左右の上部及び下部パイプ部材に焼き入れ処理が施されたときに、局部的に焼き入れの度合いが低減された部分であることを特徴とした請求項1記載の車体前部構造。
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