JP2009096157A - 攪拌水槽機能付きコンクリートミキサ - Google Patents
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Abstract
このバッチミキサで、生コン関連の設備から発生する洗浄排水の処理できる機能をもたせ、コンクリートミキサの利用範囲を広めろことと、コンクリートミキサの付加価値を高めることにある。
【解決】 コンクリートミキサに洗浄排水を収納できる水槽を取り付け、インバータ制御装置でミキサ羽根の回転数を任意に調整ができ、又、間欠攪拌運転ができるようにし、従来になかった洗浄排水処理機能をもったコンクリートミキサにすることで、1台のコンクリートミキサが生コンの練混ぜと洗浄排水の処理との2つの機能をもたせることで、コンクリートミキサの利用範囲を広げるものである。
【選択図】図2
Description
このバッチミキサに別な用途としての攪拌水槽機能をもたせ、利用範囲を広め付加価値を高めることにある。
なお、バッチミキサとは一練り分ずつのコンクリート材料を練り混ぜるミキサを言う。
このコンクリートミキサのうちバッチミキサの活用範囲を広げ、練混ぜに関する性能をもった排水処理機としての利用方法を確立し、コンクリートミキサの有効利用となる産業に寄与したく、この発明をした。
コンクリートミキサのうちバッチミキサでパン形強制練りミキサを例にして説明をおこなう。
なお、スラリー状の残渣物とは、洗浄排水中に含まれる水、セメント、砂、砂利等が混ざり合った粥状の状態になった残渣物を言う。
パン形強制練りミキサの構造は、混合槽、混合装置、動力伝達装置、練上がりコンクリート排出装置10及び取り付けフレームからなる。
混合槽は、胴板2、底板3、着脱自在な内張り板4、カバーなどである。
混合装置は、回転軸5、アーム6、着脱自在な羽根7である。
動力伝達装置は、歯車12、ベルト13、チェーン、油圧装置などである。
このパン形強制練りミキサの混合槽の上に収納水槽8を取り付ける。
収納水槽8は攪拌水槽として利用できるように、円柱形又は円錐台形の形状の鋼材で嵩上げをしたものである。
例えば、生コン関連工場で発生する洗浄排水を1回当りに処理したい容量が1.0m3で、排水中から上澄み水を取り除いたスラリー状の残渣物量が1日当り0.2m3相当発生する場合、収納水槽8の容量は1.0m3以上もの大きさにし、パン形強制練りミキサの公称容量は、排水中から上澄み水を取り除いたスラリー状の残渣物量の2倍程度、0.5m3相当が必要になる。
攪拌水槽機能付きコンクリートミキサ1には、インバータ制御装置14により動力となる電動モータ9の周波数を変えることにより、混合装置の羽根7の回転を低速回転、高速回転と自在な回転数を得れるようにする。
なお、洗浄排水処理方法は、特許公開2006−123484 生コンクリート設備からの洗浄排水の利用方法、または、これに準じた方法でおこなうものである。
このバッチミキサで生コン関連工場から発生する設備の洗浄排水の処理がおこなえることである。
この攪拌水槽機能付きコンクリートミキサ1で、従来になかった洗浄排水処理兼用のバッチミキサとして、新たな活用と用途範囲が広がることである。
他のバッチミキサの傾胴形重力式ミキサや水平一軸形強制練りミキサ及び水平二軸形強制練りミキサにも攪拌水槽機能をもたせることは可能である。
費用対効果の面からパン形強制練りミキサを基本とした攪拌水槽機能付きコンクリートミキサ1の説明を行う。
周波数(Hz)を変えることで、攪拌運転のような低速回転から練混ぜ運転に必要な高速回転を自在に調整できる機能をもたせる。
間欠運転は、洗浄排水中のセメント成分が凝結しない範囲内での攪拌運転ができるとともに、寒冷地においては、冬季にスラリー状の残渣物が凍りつかないように凍結防止の役割を果たすものである。
排水バルブ11の取り付け位置は、洗浄排水中に含まれるスラリー状の残渣物量の最大値の1.5倍を確保できる位置に取り付けるの望ましい。
これは、沈降剤を用いた排水中のスラリー状の残渣物が凝集効果によるフロックした容積に対して、沈降剤を用いない場合と比べ、初期の段階で約1.2倍程度膨れあがる為である。
このパン形強制練りミキサ公称容量は、0.1m3の練混ぜ量であり、練混ぜ機能の他に攪拌水槽として利用できるように、収納水槽8を円錐台形の形状の鋼材で嵩上げをして0.5m3の容量を確保できる構造に改造したものである。
また、攪拌水槽機能付きコンリートミキサ1内の羽根7は、回転スピードを低速回転から高速回転できるようにインバータ制御装置14と一定時間に間欠運転ができるように、タイマー制御を取り付けたものに改造させた。
インバータ制御装置14による周波数は、60Hzで羽根7の回転数が練混ぜ時で必要な概ね80rpmになるようにし、攪拌運転時では、15Hzで20rpm位の回転が得られるようにした。
間欠運転は、10分間で15秒程度の攪拌運転ができるように調整を行った。
日々の製造での、コンクリート製品製造設備やプラントミキサからの洗浄排水は、1日当たり約500リットルの発生量であった。
この洗浄排水を攪拌水槽機能付きコンリートミキサ1で回収し、高分子凝集剤0.1%溶解液1,000mlを入れ攪拌させ、汚濁している洗浄排水を上澄水とスラリ−状の洗浄残渣物とに沈降分離させる。
上澄水は、排水バルブ11より上澄水貯水槽へ移し変え、コンクリ−ト用練り混ぜ水として再利用させる。
攪拌水槽機能付きコンリートミキサ1内に残っている、スラリ−状の残渣物は、約50リットルの容量である、この容量は、検尺スケ−ル等を用いて容積計算し、出来るだけ精度の高い方法で容積計算を行う。
次に予めに、洗浄排水中の材料分析を行う必要がある、これは、JIS規格のフレッシュコンクリ−トの洗い分析試験に準じた方法で、スラリ−の残渣物中の各材料別の単位容積当りの質量や各材料が占める容積比率及び、単位容積質量と単位水量との関係式を求めておく。
試験結果により、当工場からの洗浄排水中のスラリ−状の残渣物の各材料が占める容積比率は、概ねセメント分26%、砂分53%、砂利分21%であった。
また、単位容積質量と単位水量との関係式は、W=1597−0.60(x)となり、この分析結果から洗浄排水中のスラリ−状の残渣物量の推定分析に役立たせる。
スラリ−状の残渣物を1リットル採取して、計測したら1,837gであった、これを分析した容積比率や関係式から、50リットルのスラリ−状の残渣物中には、概ね水25kg、セメント分14kg、砂分39kg、砂利分15kgの材料が混ざり合っていることとなる。
続いて、攪拌水槽機能付きコンリートミキサ1内にあるスラリー状の残渣物中のセメント分が安定化する為に、推定セメント量の2%に相当する遅延剤280mlを入れ攪拌させ、翌日までセメント成分が凝結しないように、10分間隔で15秒間程度の間欠攪拌運転を行った。
翌日、スラリ−状の残渣物中の各々の材料推定量を基にして、このスラリ−状の残渣物を1バッチで消費してしまう配合修正を行う。
新たに追加するコンクリ−ト用材料は、推定式よりセメントは35kg、砂は19kg、砂利は61kgを計量して、0.09m3のフレッシュコンクリ−トを練り混ぜ、製品を製造した。
圧縮強度試験の結果は、材齢14日において、平均25.8N/mm2であった。
以上が、再利用としての実施例であるが、安定型産業廃棄物処理としても、攪拌水槽機能付きコンリートミキサ1で処理が可能である。
廃棄コンクリートの圧縮強度が8N/mm2であれば、安定型産業廃棄物としての処分ができることとなっている。
洗浄排水をに攪拌水槽機能付きコンリートミキサ1に回収し、再利用する方法と同様に上澄水を取り除き、スラリ−状の残渣物量の同等量の乾燥した砂を入れ、練混ぜをおこない型枠に入れ硬化させた。
50リットルのスラリ−状の残渣物に、50リットル相当の乾燥させた砂を攪拌水槽機能付きコンリートミキサ1に入れて練混ぜをおこない、型枠に入れ硬化の確認をした、材齢35日で9N/mm2位の圧縮強度であった。
この実施例は、安定型産業廃棄物処分としての例であり、スラリ−状の残渣物中に含まれるセメント量に大きく左右されるものである、乾燥した砂の量は、硬化するセメント量に見合った適正量でなければ所要の強度を満足できないものである。
所要の強度を満足させる場合は、新たなセメントの補充での対応で、可能なものである。
2 混合槽の胴板
3 混合槽の底板
4 混合槽の内張り板
5 混合装置の回転軸
6 混合装置のアーム
7 混合装置の羽根
8 収納水槽
9 電動モータ
10 コンクリート排出装置
11 排水バルブ
12 動力伝達装置の歯車
13 動力伝達装置のベルト
14 インバータ制御装置
Claims (3)
- 練混ぜに関する性能をもったコンクリートミキサの混合槽に、生コン関連設備から発生した洗浄排水を収納できる水槽を取り付け、攪拌水槽としての機能を持たせることを特徴とした攪拌水槽機能付きコンクリートミキサ。
- 請求の範囲 1の攪拌水槽機能付きコンクリートミキサにインバータ制御装置を取り付け、電動モータによって回転する混合装置の羽根を低速回転や高速回転に任意の回転スピードにコントロールすることが、できることを特徴とした攪拌水槽機能付きコンクリートミキサ。
- 請求の範囲 2の攪拌水槽機能付きコンクリートミキサに間欠タイマーを取り付け、一定時間に間欠運転ができることを特徴とした攪拌水槽機能付きコンクリートミキサ。
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