JP2009096075A - 変性エチレン−ビニルアルコール共重合体からなる表面層を有する多層構造体及びその製造方法 - Google Patents

変性エチレン−ビニルアルコール共重合体からなる表面層を有する多層構造体及びその製造方法 Download PDF

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Abstract

【課題】ガスバリア性、フレーバー成分の非吸着性、低温でのヒートシール性及び耐溶剤性に優れる多層構造体を提供する。
【解決手段】変性エチレン−ビニルアルコール系共重合体(C)からなる表面層を有する多層構造体であって、変性エチレン−ビニルアルコール系共重合体(C)は、未変性のエチレン−ビニルアルコール系共重合体(A)を、二重結合を有するエポキシ化合物(B)及び二重結合を有しないエポキシ化合物(E)で変性して得られたものであり、前記(B)による変性量がエチレン−ビニルアルコール系共重合体(A)のモノマー単位に対して0.1〜10モル%であり、前記(E)による変性量がエチレン−ビニルアルコール系共重合体(A)のモノマー単位に対して0.1〜30モル%であり、変性エチレン−ビニルアルコール系共重合体(C)の少なくとも一部が架橋されていて、表面層のゲル分率が3質量%以上である多層構造体である。
【選択図】なし

Description

本発明は、エチレン−ビニルアルコール系共重合体(以下EVOHと略記することがある)からなる表面層を有する多層構造体、詳しくは、変性エチレン−ビニルアルコール共重合体の少なくとも一部が架橋されてなる表面層を有する多層構造体に関する。かかる多層構造体は、該表面層が内容物に接触する側に配置されてヒートシールされてなる包装容器に特に適する。
従来、エチレン−ビニルアルコール共重合体はその優れたガスバリア性により広く使用されてはいるが、包装材料の中間層か最外層に使用される場合が多い。EVOHが最内層として使われない主たる理由は、ヒートシール温度が低密度ポリエチレンなどのように低くないことから高速製袋性に欠けるため、外層フィルムの熱変形により外観を損じて商品イメージを著しく低下せしめるため、及び、ヒートシール強度が低密度ポリエチレン程には大きくないためであった。
したがって、最外層としては二軸延伸ポリプロピレン、二軸延伸ナイロン、二軸延伸ポリエチレンテレフタレート、あるいは二軸延伸EVOHなどのフィルムが、中間層としては二軸延伸あるいは無延伸のEVOHなどのフィルムが、また最内層としては低密度ポリエチレン、エチレン−酢酸ビニル共重合体、アイオノマー、直鎖状低密度ポリエチレン、あるいは無延伸ポリプロピレンなどのフィルムが採用された多層フィルムが使用されることが多かった。用途によっては上記多層フィルムを蓋材とし、最外層に無延伸ポリプロピレン、無延伸ナイロン、無延伸ポリ塩化ビニル、無延伸ポリエチレンテレフタレート、あるいは無延伸ポリスチレンなどのフィルムあるいはシートを、中間層としては無延伸EVOHなどのフィルムを、また最内層には低密度ポリエチレン、エチレン−酢酸ビニル共重合体、直鎖状低密度ポリエチレン、アイオノマー、無延伸ポリ塩化ビニル、無延伸ポリスチレン、無延伸ポリエチレンテレフタレート、あるいは無延伸ポリプロピレンなどのフィルムあるいはシートを複合し、深絞り成型された容器を底材とする多層包装材料が採用されていた。
しかしながら、これらの多層包装材料は、他の素材のものに比べてガスバリア性は優れてはいるものの高価であり、安価な一般包装材料としては使いづらいという欠点があった。また最内層がポリオレフィンであるため、内容物、例えば食品、飲料水(ジュースなど)中のフレーバーの非吸着性が十分でなかった。したがって、ガスバリア性の良好なEVOHにヒートシール性を付与し最内層として使用可能にする事は、包装材料のコスト低下の点からも重要であり非常に切望されている。
特許文献1には、最内層にエチレン含有量25〜60モル%、ケン化度96モル%以上のEVOH層及び最外層に、該最内層同士を圧力0.5kgf/cm、時間2秒の条件下でヒートシールした時に300gf/15mmの剥離強度の出る接着温度より10℃以上高い熱変形温度を有する熱可塑性樹脂層を設けた積層フィルムからなり、かつ該最内層同士をヒートシールしてなる包装袋が記載されている。
特許文献2には、エチレン含有率が20〜90モル%でありかつケン化度が95モル%以上であるEVOH100質量部に対して0.01〜0.8質量部の多価のエポキシ化合物を反応させることを特徴とする、成形加工性の改良されたEVOH変性物の製造方法が開示されている。当該公報には、このようなEVOH変性物を未変性のEVOHやポリオレフィンなどの他の樹脂と混合することができることも記載されている。また、ポリオレフィンフィルムなどの基材上に上記EVOH変性物を溶融押出ラミネートする方法も記載されている。
特許文献3及び4には、下記構造単位(I)を0.3〜40モル%含有するエチレン含有量5〜55モル%の変性エチレン−ビニルアルコール共重合体が記載されている。特に、特許文献3には、当該変性エチレン−ビニルアルコール共重合体からなる表面層を有することを特徴とする、ガスバリア性、フレーバー成分の非吸着性及び低温でのヒートシール性に優れる多層構造体が記載されている。当該公報には、このような多層構造体の表面層を他の部材に融着させるヒートシール方法も記載されている。また、このような多層構造体の表面層が内容物に接触する側に配置されてヒートシールされてなる包装容器も記載されている。
Figure 2009096075
しかしながら、特許文献1に記載された包装体では、低温でのヒートシール性とガスバリア性とを両立させることは困難であった。また、特許文献2に記載されている、多価のエポキシ化合物を特定量反応させたEVOHやそれを含む樹脂組成物では、低温でのヒートシール性が不十分である。また、特許文献3に記載されている、変性エチレン−ビニルアルコール共重合体からなる表面層を有する多層構造体では低温ヒートシール性と耐溶剤性を両立させることは困難であった。
特公昭61−58307号公報 特開昭50−12186号公報 特開2004−160755号公報 WO02/092643号
本発明は、上記課題を解決するためになされたものであり、エチレン−ビニルアルコール共重合体本来の特徴である酸素ガスなどのガスのバリア性及びフレーバー成分の非吸着性に優れ、かつ、低温でのヒートシール性及び耐溶剤性にも優れる、架橋された変性エチレン−ビニルアルコール共重合体からなる表面層を有する多層構造体を提供することを目的とするものである。また、該多層構造体の表面層を他の部材に融着させるヒートシール方法を提供するものである。さらに、該多層構造体の表面層が内容物に接触する側に配置されてヒートシールされてなる包装容器をも提供することを目的とするものである。さらにまた、そのような多層構造体の好適な製造方法を提供することを目的とするものである。
上記課題は、変性エチレン−ビニルアルコール系共重合体(C)からなる表面層を有する多層構造体であって、変性エチレン−ビニルアルコール系共重合体(C)は、未変性のエチレン−ビニルアルコール系共重合体(A)を、二重結合を有するエポキシ化合物(B)及び二重結合を有しないエポキシ化合物(E)で変性して得られたものであり、二重結合を有するエポキシ化合物(B)による変性量が未変性のエチレン−ビニルアルコール系共重合体(A)のモノマー単位に対して0.1〜10モル%であり、二重結合を有しないエポキシ化合物(E)による変性量が未変性のエチレン−ビニルアルコール系共重合体(A)のモノマー単位に対して0.1〜30モル%であり、変性エチレン−ビニルアルコール系共重合体(C)の少なくとも一部が架橋されていて、かつ、表面層のゲル分率が3質量%以上であることを特徴とする多層構造体を提供することによって解決される。
また、上記課題は、変性エチレン−ビニルアルコール系共重合体(C)及び未変性のエチレン−ビニルアルコール系共重合体(D)を含有する樹脂組成物からなる表面層を有する多層構造体であって、変性エチレン−ビニルアルコール系共重合体(C)は、未変性のエチレン−ビニルアルコール系共重合体(A)を、二重結合を有するエポキシ化合物(B)及び二重結合を有しないエポキシ化合物(E)で変性して得られたものであり、二重結合を有するエポキシ化合物(B)による変性量が未変性のエチレン−ビニルアルコール系共重合体(A)のモノマー単位に対して0.1〜10モル%であり、二重結合を有しないエポキシ化合物(E)による変性量が未変性のエチレン−ビニルアルコール系共重合体(A)のモノマー単位に対して0.1〜30モル%であり、変性エチレン−ビニルアルコール系共重合体(C)の少なくとも一部が架橋されていて、かつ、表面層のゲル分率が3質量%以上であることを特徴とする多層構造体を提供することによっても解決される。
上記いずれの多層構造体においても、未変性のエチレン−ビニルアルコール系共重合体(A)のエチレン含有量が5〜55モル%であり、かつケン化度が90モル%以上であることが好適である。また、二重結合を有するエポキシ化合物(B)が分子量500以下の一価エポキシ化合物、特にアリルグリシジルエーテルであることも好適である。また、前記表面層以外に、20℃、65%RH下での酸素透過量が10cc・20μm/m・atm・day以下のガスバリア性樹脂からなる層を有する多層構造体であることが好適な実施態様である。
上記課題は、上記多層構造体の表面層を他の部材に融着させるヒートシール方法を提供することによっても解決される。また、上記多層構造体の表面層が内容物に接触する側に配置されてヒートシールされてなる包装容器を提供することによっても解決される。
上記課題は、変性エチレン−ビニルアルコール系共重合体(C)からなる表面層を有する多層構造体の製造方法であって、未変性のエチレン−ビニルアルコール系共重合体(A)を、二重結合を有するエポキシ化合物(B)及び二重結合を有しないエポキシ化合物(E)で変性して変性エチレン−ビニルアルコール系共重合体(C)を製造し、変性エチレン−ビニルアルコール系共重合体(C)からなる表面層を有する多層構造体を成形してから、変性エチレン−ビニルアルコール系共重合体(C)の少なくとも一部を架橋させて、かつ、表面層のゲル分率を3質量%以上にすることを特徴とする多層構造体の製造方法を提供することによっても解決される。
また、上記課題は、変性エチレン−ビニルアルコール系共重合体(C)及び未変性のエチレン−ビニルアルコール系共重合体(D)を含有する樹脂組成物からなる表面層を有する多層構造体の製造方法であって、未変性のエチレン−ビニルアルコール系共重合体(A)を、二重結合を有するエポキシ化合物(B)及び二重結合を有しないエポキシ化合物(E)で変性して変性エチレン−ビニルアルコール系共重合体(C)を製造し、変性エチレン−ビニルアルコール系共重合体(C)及び未変性のエチレン−ビニルアルコール系共重合体(D)を混合して樹脂組成物を製造し、該樹脂組成物からなる表面層を有する多層構造体を成形してから、変性エチレン−ビニルアルコール系共重合体(C)の少なくとも一部を架橋させて、かつ、表面層のゲル分率を3質量%以上にすることを特徴とする多層構造体の製造方法を提供することによっても解決される。
これらの製造方法において、電子線、X線、γ線、紫外線及び可視光線からなる群から選択される少なくとも1種を照射するか、加熱することにより変性エチレン−ビニルアルコール系共重合体(C)の少なくとも一部を架橋させることが好適である。
本発明の多層構造体は、架橋された変性EVOH(C)からなる表面層を有しており、ガスバリア性、フレーバー成分の非吸着性、低温でのヒートシール性及び耐溶剤性に優れる。したがって、該表面層が内容物に接触する側に配置されてヒートシールされてなる包装容器として好適に使用できる。
本発明に用いる変性EVOH(C)は、未変性のEVOH(A)の水酸基に、二重結合を有するエポキシ化合物(B)及び二重結合を有しないエポキシ化合物(E)を反応させて得られたものである。このように製造された本発明に用いる変性EVOH(C)により、EVOH本来の特徴である酸素ガスなどのガスのバリア性及びフレーバー成分の非吸着性の低下を最小限に抑えながら、かつ、結晶性を低下させることができるため、低温でのヒートシール性、耐溶剤性、延伸性、熱成形性、柔軟性等の性能を改善することができる。
本発明に用いる未変性のEVOH(A)のエチレン含有量は5〜55モル%であることが好ましく、より好適には20〜55モル%、更に好適には25〜50モル%である。エチレン含有量が5モル%より小さい場合は耐水性に劣り、60モル%より大きい場合はガスバリア性に劣る。得られる変性EVOH(C)のエチレン含有量は、原料の未変性のEVOH(A)のエチレン含有量と同じである。
未変性のEVOH(A)のケン化度は90モル%以上が好ましく、好適には98モル%以上、更に好適には99モル%以上である。ケン化度が90モル%より小さい場合はガスバリア性及び熱安定性に劣る。
また、後述する通り、本発明の変性EVOH(C)は、好適には未変性のEVOH(A)と二重結合を有するエポキシ化合物(B)及び二重結合を有しないエポキシ化合物(E)との反応を、押出機内で行わせることによって得られるが、その際に、EVOHは加熱条件下に晒される。この時に、未変性のEVOH(A)が過剰にアルカリ金属塩及び/又はアルカリ土類金属塩を含有していると、得られる変性EVOH(C)に着色が生じるおそれがある。また、変性EVOH(C)の粘度低下等の問題が生じ、成形性が低下するおそれがある。また、後述のように触媒を使用する場合には、触媒を失活させるため、それらの添加量はできるだけ少ないことが好ましい。
上記の問題を回避するためには、未変性のEVOH(A)が含有するアルカリ金属塩が金属元素換算値で50ppm以下であることが好ましい。より好ましい実施態様では、未変性のEVOH(A)が含有するアルカリ金属塩が金属元素換算値で30ppm以下であり、更に好ましくは20ppm以下である。また、同様な観点から、未変性のEVOH(A)が含有するアルカリ土類金属塩が金属元素換算値で20ppm以下であることが好ましく、10ppm以下であることがより好ましく、5ppm以下であることが更に好ましく、未変性のEVOH(A)にアルカリ土類金属塩が実質的に含まれていないことが最も好ましい。
本発明に用いる未変性のEVOH(A)の好適なメルトフローレート(MFR)(190℃、2160g荷重下)は0.1〜100g/10分であり、好適には0.3〜30g/10分、更に好適には0.5〜20g/10分である。但し、融点が190℃付近あるいは190℃を超えるものは2160g荷重下、融点以上の複数の温度で測定し、片対数グラフで絶対温度の逆数を横軸、MFRの対数を縦軸にプロットし、190℃に外挿した値で示す。MFRの異なる2種以上の未変性のEVOH(A)を混合して用いることもできる。
本発明に用いる二重結合を有するエポキシ化合物(B)及び二重結合を有しないエポキシ化合物(E)(以下、「二重結合を有するエポキシ化合物(B)及び二重結合を有しないエポキシ化合物(E)」を「エポキシ化合物(B)及び(E)」と略すことがある)は分子中にエポキシ基を1個及び二重結合1個又は複数個存在するものが好ましい。すなわち、一価エポキシ化合物であることが好ましい。また、分子量は500以下であることが好ましい。エポキシ基を複数個有するものは変性の際に架橋する問題がある。また、エポキシ化合物(B)及び(E)として、過剰に添加したものを容易にEVOHから除去できるものが好ましい。その除去方法としては、押出機のベントから揮発させて除去することが現実的である。したがって、沸点が250℃以下であることが好適であり、200℃以下であることがより好適である。
本発明に用いる二重結合を有するエポキシ化合物(B)における二重結合の種類としては特に好適には1置換オレフィンであるビニル基であり、次に好適には2置換オレフィンであるビニレン基あるいはビニリデン基である。次に好適には3置換オレフィンである。4置換オレフィンは反応性に乏しいため、本発明の目的には適していない。また、二重結合を有するエポキシ化合物(B)の炭素数が4〜10であることが好ましい。このような二重結合を有するエポキシ化合物の具体例としては、1,2−エポキシ−3−ブテン、1,2−エポキシ−4−ペンテン、1,2−エポキシ−5−ヘキセン、1,2−エポキシ−4−ビニルシクロヘキサン、アリルグリシジルエーテル、メタアリルグリシジルエーテル、エチレングリコールアリルグリシジルエーテル等が挙げられ、特に好ましくはアリルグリシジルエーテルが挙げられる。また、押出機のベントから水洗除去することも可能であり、この場合、二重結合を有するエポキシ化合物(B)が水に可溶であることも好ましい。
本発明に用いる二重結合を有しないエポキシ化合物(E)の具体例は特許文献4(WO02/092643号)に記載されているが、このなかでも、性能面から、エポキシエタン(エチレンオキサイド)、1,2−エポキシプロパン(プロピレンオキサイド)、1,2−エポキシブタン、グリシドール等の分子量500以下の一価エポキシ化合物が好ましい。二重結合を有しないエポキシ化合物(E)の炭素数は2〜8であることが好ましい。
エポキシ化合物(B)及び(E)と未変性のEVOH(A)の反応の条件は特に制限されないが、特許文献4(WO02/092643号)に記載の方法と同様に、押出機中で未変性のEVOH(A)にエポキシ化合物(B)及び(E)を反応させることが好ましい。このとき、触媒を添加することが好ましく、その場合、反応後に失活剤としてカルボン酸塩を添加することが好ましい。押出機内で溶融状態の未変性のEVOH(A)に対して、エポキシ化合物(B)及び(E)を添加することが、エポキシ化合物(B)及び(E)の揮散を防止できるとともに、反応量を制御しやすく、好ましい。過剰に添加したエポキシ化合物(B)及び(E)は押出機のベントから除去可能である。更に、得られたペレットを温水で洗浄することにより、残存するエポキシ化合物(B)及び(E)の除去が可能であると同時に、残存触媒も除去可能である。
本発明で使用される触媒は、周期律表第3〜12族に属する金属のイオンを含むものであることが好ましい。触媒に使用される金属イオンとして最も重要なことは適度のルイス酸性を有することであり、この点から周期律表第3〜12族に属する金属のイオンが使用される。これらの中でも、周期律表第3族又は第12族に属する金属のイオンが適度なルイス酸性を有していて好適であり、亜鉛、イットリウム及びガドリニウムのイオンがより好適なものとして挙げられる。中でも、亜鉛のイオンを含む触媒が、触媒活性が極めて高く、かつ得られる変性EVOH(C)の熱安定性が優れていて、最適である。
周期律表第3〜12族に属する金属のイオンの添加量は未変性のEVOH(A)の質量に対する金属イオンのモル数で0.1〜20μmol/gであることが好適である。多すぎる場合には、溶融混練中にEVOHがゲル化するおそれがあり、より好適には10μmol/g以下である。一方、少なすぎる場合には、触媒の添加効果が十分に奏されないおそれがあり、より好適には0.5μmol/g以上である。なお、周期律表第3〜12族に属する金属のイオンの好適な添加量は、使用する金属の種類や後述のアニオンの種類によっても変動するので、それらの点も考慮した上で、適宜調整されるべきものである。
周期律表第3〜12族に属する金属のイオンを含む触媒のアニオン種は特に限定されないが、その共役酸が硫酸と同等以上の強酸である1価のアニオンを含むことが好ましい。共役酸が強酸であるアニオンは、通常求核性が低いのでエポキシ化合物と反応しにくく、求核反応によってアニオン種が消費されて、触媒活性が失われることを防止できるからである。また、そのようなアニオンを対イオンに有することで、触媒のルイス酸性が向上して触媒活性が向上するからである。
共役酸が硫酸と同等以上の強酸である1価のアニオンとしては、メタンスルホン酸イオン、エタンスルホン酸イオン、トリフルオロメタンスルホン酸イオン、ベンゼンスルホン酸イオン、トルエンスルホン酸イオン等のスルホン酸イオン;塩素イオン、臭素イオン、ヨウ素イオン等のハロゲンイオン;過塩素酸イオン;テトラフルオロボレートイオン(BF )、ヘキサフルオロホスフェートイオン(PF )、ヘキサフルオロアルシネートイオン(AsF )、ヘキサフルオロアンチモネートイオン等の4個以上のフッ素原子を持つアニオン;テトラキス(ペンタフルオロフェニル)ボレートイオン等のテトラフェニルボレート誘導体イオン;テトラキス(3,5−ビス(トリフルオロメチル)フェニル)ボレート、ビス(ウンデカハイドライド−7,8−ジカルバウンデカボレート)コバルト(III)イオン、ビス(ウンデカハイドライド−7,8−ジカルバウンデカボレート)鉄(III)イオン等のカルボラン誘導体イオンなどが例示される。これらの中でもスルホン酸イオンが好ましく、トリフルオロメタンスルホン酸イオンが特に好ましい。
上述のように、本発明で使用される触媒はその共役酸が硫酸と同等以上の強酸である1価のアニオンを含むものであることが好適であるが、触媒中の全てのアニオン種が同一のアニオン種である必要はない。むしろ、その共役酸が弱酸であるアニオンを同時に含有するものであることが好ましい。
共役酸が弱酸であるアニオンの例としては、アルキルアニオン、アリールアニオン、アルコキシド、アリールオキシアニオン、カルボキシレート並びにアセチルアセトナート及びその誘導体が例示される。中でもアルコキシド、カルボキシレート並びにアセチルアセトナート及びその誘導体が好適に使用される。
触媒中の金属イオンのモル数に対する、共役酸が硫酸と同等以上の強酸であるアニオンのモル数は、0.2〜1.5倍であることが好ましい。上記モル比が0.2倍未満である場合には触媒活性が不十分となるおそれがあり、より好適には0.3倍以上であり、更に好適には0.4倍以上である。一方、上記モル比が1.5倍を超えるとEVOHがゲル化するおそれがあり、より好適には1.2倍以下である。前記モル比は最適には1倍である。なお、原料の未変性のEVOH(A)が酢酸ナトリウムなどのアルカリ金属塩を含む場合には、それと中和されて消費される分だけ、共役酸が硫酸と同等以上の強酸であるアニオンのモル数を増やしておくことができる。
触媒の調製方法は特に限定されるものではないが、好適な方法として、周期律表第3〜12族に属する金属の化合物を溶媒に溶解又は分散させ、得られた溶液又は懸濁液に、共役酸が硫酸と同等以上のスルホン酸等の強酸を添加する方法が挙げられる。原料として用いる周期律表第3〜12族に属する金属の化合物としては、アルキル金属、アリール金属、金属アルコキシド、金属アリールオキシド、金属カルボキシレート、金属アセチルアセトナート等が挙げられる。ここで、かかる金属化合物の溶液又は懸濁液に、強酸を加える際には、少量ずつ添加することが好ましい。こうして得られた触媒を含有する溶液は押出機に直接導入することができる。
前記した金属化合物を溶解又は分散させる溶媒としては有機溶媒、特にエーテル系溶媒が好ましい。押出機内の温度でも反応しにくく、金属化合物の溶解性も良好だからである。エーテル系溶媒の例としては、ジメチルエーテル、ジエチルエーテル、テトラヒドロフラン、ジオキサン、1,2−ジメトキシエタン、ジエトキシエタン、ジエチレングリコールジメチルエーテル、トリエチレングリコールジメチルエーテル等が例示される。使用される溶媒としては、金属化合物の溶解性に優れ、沸点が比較的低くて押出機のベントでほぼ完全に除去可能なものが好ましい。その点においてジエチレングリコールジメチルエーテル、1,2−ジメトキシエタン及びテトラヒドロフランが特に好ましい。
また、上述の触媒の調整方法において、添加する強酸の代わりに強酸のエステル、例えばスルホン酸エステル等を用いても良い。強酸のエステルは、通常強酸そのものより反応性が低いために、常温では金属化合物と反応しないことがあるが、200℃前後に保った高温の押出機内に投入することにより、押出機内において活性を有する触媒を生成することができる。
触媒の調製方法としては、以下に説明する別法も採用可能である。まず、水溶性の前記した金属化合物と、共役酸が硫酸と同等以上のスルホン酸等の強酸とを、水溶液中で混合して触媒水溶液を調製する。なおこのとき、当該水溶液が適量のアルコールを含んでいても構わない。得られた触媒水溶液を未変性のEVOH(A)と接触させた後、乾燥することによって触媒が配合された未変性のEVOH(A)を得ることができる。具体的には、未変性のEVOH(A)のペレット、特に多孔質の含水ペレットを前記触媒水溶液に浸漬する方法が好適なものとして挙げられる。この場合には、このようにして得られた乾燥ペレットを押出機に導入することができる。
使用される触媒失活剤は、触媒のルイス酸としての働きを低下させるものであればよく、その種類は特に限定されない。好適にはアルカリ金属塩が使用される。その共役酸が硫酸と同等以上の強酸である1価のアニオンを含む触媒を失活させるには、当該アニオンの共役酸よりも弱い酸のアニオンのアルカリ金属塩を使用することが必要である。こうすることによって、触媒を構成する周期律表第3〜12族に属する金属のイオンの対イオンが弱い酸のアニオンに交換され、結果として触媒のルイス酸性が低下するからである。触媒失活剤に使用されるアルカリ金属塩のカチオン種は特に限定されず、ナトリウム塩、カリウム塩及びリチウム塩が好適なものとして例示される。またアニオン種も特に限定されず、カルボン酸塩、リン酸塩及びホスホン酸塩が好適なものとして例示される。
触媒失活剤として、例えば酢酸ナトリウムやリン酸一水素二カリウムのような塩を使用しても熱安定性はかなり改善されるが、用途によっては未だ不十分である場合がある。この原因は、周期律表第3〜12族に属する金属のイオンにルイス酸としての働きがある程度残存しているため、変性EVOHの分解及びゲル化に対して触媒として働くためであると考えられる。この点を更に改善する方法として、周期律表第3〜12族に属する金属のイオンに強く配位するキレート化剤を添加することが好ましい。このようなキレート化剤は当該金属のイオンに強く配位できる結果、そのルイス酸性をほぼ完全に失わせることができ、熱安定性に優れた変性EVOH(C)を与えることができる。また、当該キレート化剤がアルカリ金属塩であることによって、前述のように触媒に含まれるアニオンの共役酸である強酸を中和することもできる。
触媒失活剤として使用されるキレート化剤として、好適なものとしては、オキシカルボン酸塩、アミノカルボン酸塩、アミノホスホン酸塩などが挙げられる。具体的には、オキシカルボン酸塩としては、クエン酸二ナトリウム、酒石酸二ナトリウム、リンゴ酸二ナトリウム等が例示される。アミノカルボン酸塩としては、ニトリロ三酢酸三ナトリウム、エチレンジアミン四酢酸二ナトリウム、エチレンジアミン四酢酸三ナトリウム、エチレンジアミン四酢酸三カリウム、ジエチレントリアミン五酢酸三ナトリウム、1,2−シクロヘキサンジアミン四酢酸三ナトリウム、エチレンジアミン二酢酸一ナトリウム、N−(ヒドロキシエチル)イミノ二酢酸一ナトリウム等が例示される。アミノホスホン酸塩としては、ニトリロトリスメチレンホスホン酸六ナトリウム、エチレンジアミンテトラ(メチレンホスホン酸)八ナトリウム等が例示される。中でもポリアミノポリカルボン酸が好適であり、性能やコストの面からエチレンジアミン四酢酸のアルカリ金属塩が最適である。
触媒失活剤の添加量は特に限定されず、触媒に含まれる金属イオンの種類や、キレート剤の配位座の数等により適宜調整されるが、触媒に含まれる金属イオンのモル数に対する触媒失活剤のモル数の比が0.2〜10となるようにすることが好適である。比が0.2未満の場合には、触媒が十分に失活されないおそれがあり、より好適には0.5以上、更に好適には1以上である。一方、比が10を超える場合には、得られる変性EVOH(C)が着色するおそれがあるとともに、製造コストが上昇するおそれがあり、より好適には5以下であり、更に好適には3以下である。
触媒失活剤を押出機へ導入する方法は特に限定されないが、均一に分散させるためには、溶融状態の変性EVOHに対して、触媒失活剤の溶液として導入することが好ましい。触媒失活剤の溶解性や、周辺環境への影響などを考慮すれば、水溶液として添加することが好ましい。
触媒失活剤の押出機への添加位置は、未変性のEVOH(A)とエポキシ化合物(B)及び(E)とを、触媒の存在下に溶融混練した後であればよい。しかしながら、EVOH(A)とエポキシ化合物(B)及び(E)とを、触媒の存在下に溶融混練し、未反応のエポキシ化合物(B)及び(E)を除去した後に触媒失活剤を添加することが好ましい。前述のように、触媒失活剤を水溶液として添加する場合には、未反応のエポキシ化合物(B)及び(E)を除去する前に触媒失活剤を添加したのでは、ベント等で除去して回収使用するエポキシ化合物(B)及び(E)の中に水が混入することになり、分離操作に手間がかかるからである。なお、触媒失活剤の水溶液を添加した後で、ベント等によって水分を除去することも好ましい。
二重結合を有するエポキシ化合物(B)と二重結合を有しないエポキシ化合物(E)を添加するタイミングは特に限定されない。しかしながら、生産効率面からは、未変性のEVOH(A)、二重結合を有するエポキシ化合物(B)及び二重結合を有しないエポキシ化合物(E)を同時に存在させて変性することが好ましい。具体的には、二重結合を有するエポキシ化合物(B)と二重結合を有しないエポキシ化合物(E)の混合物を添加する方法が好適な方法として例示される。このとき、触媒も同時に添加することがより好ましい。
本発明の製造方法において、触媒失活剤を使用する場合の好適な製造プロセスとしては、
(1)未変性のEVOH(A)の溶融工程;
(2)エポキシ化合物(B)及び(E)と触媒の混合物の添加工程;
(3)未反応のエポキシ化合物(B)及び(E)の除去工程;
(4)触媒失活剤水溶液の添加工程;
(5)水分の減圧除去工程;
の各工程からなるものが例示される。
反応を円滑に行う観点からは、系内から水分及び酸素を除去することが好適である。このため、押出機内へエポキシ化合物(B)及び(E)を添加するより前に、ベント等を用いて水分及び酸素を除去しても良い。
二重結合を有するエポキシ化合物(B)による変性EVOH(C)の変性量としては、未変性のEVOH(A)のモノマー単位に対して0.1〜10モル%の範囲であり、より好適には0.3〜5モル%の範囲であり、更に好適には0.5〜3モル%の範囲である。変性量が0.1モル%以下の場合、変性の効果が小さく、また、10モル%を超える場合、ガスバリア性及び熱安定性が低下するという欠点がある。
二重結合を有しないエポキシ化合物(E)による変性量は未変性のEVOH(A)のモノマー単位に対して0.1モル%以上30モル%以下の範囲であることが好適である。二重結合を有しないエポキシ化合物(E)による変性量は、より好ましくは20モル%以下であり、更に好ましくは15モル%以下である。二重結合を有しないエポキシ化合物(E)による変性量が大きくなるとガスバリア性の低下が大きくなる問題がある。また、延伸性、熱成形性、柔軟性等の改善効果の面からは、二重結合を有しないエポキシ化合物(E)による変性量は、より好ましくは0.5モル%以上であり、更に好ましくは1モル%以上である。
変性EVOH(C)の好適なメルトフローレート(MFR)(190℃、2160g荷重下)は0.1〜100g/10分であり、好適には0.3〜30g/10分、更に好適には0.5〜20g/10分である。但し、融点が190℃付近あるいは190℃を超えるものは2160g荷重下、融点以上の複数の温度で測定し、片対数グラフで絶対温度の逆数を横軸、MFRの対数を縦軸にプロットし、190℃に外挿した値で示す。
こうして得られた変性EVOH(C)の融点は160℃以下であることが好ましい。これによって、低温での良好なヒートシール性が確保される。より好適には150℃以下であり、さらに好適には140℃以下である。また、これによって低温で溶融成形することも可能である。
本発明の多層構造体において、変性EVOH(C)からなる表面層は、変性EVOH(C)と、変性EVOH以外の熱可塑性樹脂(T1)との混合物からなるものであってもよい。ここで、変性EVOH(C)と配合される熱可塑性樹脂(T1)は特に限定されず、未変性のEVOH(D)、ポリオレフィン、ポリアミド、ポリエステル、ポリスチレン、ポリ塩化ビニル、ポリ(メタ)アクリル酸エステル、ポリ塩化ビニリデン、ポリアセタール、ポリカーボネート、ポリ酢酸ビニル、ポリウレタン、ポリアクリロニトリル、ポリケトンなどが挙げられる。また、各種の共重合体を使用することもできる。
熱可塑性樹脂(T1)の20℃、65%RH下での酸素透過量が1000cc・20μm/m・atm・day以下であることが好ましい。これは、20℃、相対湿度65%の環境下で測定したときに、1気圧の酸素の差圧がある状態で、面積1m、20μm厚のフィルムを1日に透過する酸素の体積が、1000cc以下であることを意味する。変性EVOHを配合することで、本来バリア性の良好な熱可塑性樹脂(T1)の低温でのヒートシール性を改善できる。20℃、65%RH下での酸素透過量が1000cc・20μm/m・atm・day以下である熱可塑性樹脂(T1)としては、未変性のEVOH(D)、ポリアミド、ポリエステル、ポリ塩化ビニル、ポリ塩化ビニリデン、ポリアクリロニトリルなどが挙げられる。より好適な酸素透過量は100cc・20μm/m・atm・day以下であり、さらに好適な酸素透過量は10cc・20μm/m・atm・day以下である。
このとき、変性EVOH(C)と、変性EVOH(C)以外の熱可塑性樹脂(T1)とからなる樹脂組成物は、好適には、変性EVOH(C)1〜100質量%と熱可塑性樹脂(T1)0〜99質量%とからなるものである。
また、変性EVOH(C)と、変性EVOH(C)以外の熱可塑性樹脂(T1)との混合物中の二重結合を有するエポキシ化合物(B)による変性量としては、0.1モル%以上10モル%以下の範囲であり、より好適には0.3モル%以上5モル%以下の範囲であり、さらに好適には0.5モル%以上3モル%以下の範囲、そして、二重結合を有しないエポキシ化合物(E)による変性量としては、未変性のEVOH(A)のモノマー単位に対して0.1モル%以上30モル%以下の範囲であり、より好適には0.5モル%以上20モル%以下であり、さらに好適には1モル%以上15モル%以下である。
なかでも、熱可塑性樹脂(T1)として、エチレン含有量5〜55モル%の未変性のEVOH(D)を使用することが好ましい。未変性のEVOH(D)が有するガスバリア性、フレーバー成分の非吸着性あるいは透明性を大きく低下させることなく、低温でのヒートシール性を大きく改善することが可能だからである。未変性のEVOH(D)としては、変性EVOH(C)の原料として使用される前述のEVOH(A)と同じものが使用できるが、配合する変性EVOHの組成や、多層構造体の用途によって適宜選択される。
例えば、熱安定性及び低温でのヒートシール性の観点からは未変性のEVOH(D)のエチレン含有量は20モル%以上であることが好ましく、25モル%以上であることがより好ましく、27モル%以上であることがさらに好ましい。ガスバリア性やフレーバー成分の非吸着性の観点からは、50モル%以下であることが好ましく、45モル%以下であることがより好ましく、38モル%以下であることがさらに好ましい。また、未変性のEVOH(D)のケン化度は99モル%以上であることが好ましく、99.5モル%以上であることがより好ましい。
変性EVOH(C)と未変性のEVOH(D)のそれぞれのエチレン含有量の組み合わせは、目的に対応して調整される。
こうして得られた変性EVOH(C)を成形して本発明に用いられる成形品が製造される。このとき、変性EVOH(C)以外の樹脂や各種添加物を配合しても構わない。なかでも、変性EVOH(C)に未変性のEVOH(D)を配合した樹脂組成物を成形することが、特に好適な実施態様である。一般に変性EVOH(C)の製造コストは、未変性のEVOH(D)よりも高いので、二重結合濃度の高い変性EVOH(C)と未変性のEVOH(D)とを混合して所望の二重結合濃度を有する樹脂組成物を製造することが経済的である。前述のような方法によって押出機内で反応させることによって、変性量の大きい変性EVOH(C)を容易に製造できるから、このような樹脂組成物が容易に得られる。また、樹脂組成物の二重結合濃度を、用途に応じて調整することも容易である。未変性のEVOH(D)としては、既に説明した未変性のEVOH(A)と同様のものを使用することができる。
変性EVOH(C)と未変性のEVOH(D)を含有する樹脂組成物における配合重量比(C/D)は特に限定されない。樹脂組成物の二重結合濃度を所望の範囲にして耐熱水性に優れた成形品を得るためには、比(C/D)の下限値は2/98であることが好ましく、5/95であることがより好ましく、15/85以上であることが更に好ましく、20/80以上であることが特に好ましい。一方、製造コスト及びバリア性の面からは、比(C/D)の上限値は60/40であることが好ましく、40/60であることがより好ましい。
変性EVOH(C)と未変性のEVOH(D)を配合する方法は特に限定されない。溶融混練して配合しても構わないし、溶液中で配合しても構わない。生産性の観点からは溶融混練することが好ましく、例えば変性EVOH(C)と未変性のEVOH(D)のペレットを用いて溶融混練することが好適な態様である。
変性EVOH(C)と未変性のEVOH(D)を含有する樹脂組成物における、エポキシ化合物(B)による変性量は、未変性のEVOH(A)のモノマー単位と未変性のEVOH(D)のモノマー単位の合計量に対して、好適には0.1〜10モル%の範囲であり、より好適には0.3〜5モル%の範囲であり、更に好適には0.5〜3モル%の範囲である。
本発明で使用する変性EVOH(C)には必要に応じて各種添加剤を配合することもできる。このような添加剤の例としては、増感剤、硬化剤、硬化促進剤、酸化防止剤、可塑剤、熱安定剤、紫外線吸収剤、帯電防止剤、滑剤、着色剤あるいはフィラーを挙げることができ、これらを本発明の作用効果が阻害されない範囲でブレンドすることができる。添加剤の具体例としては次のようなものが挙げられる。
増感剤:ベンゾイン、ベンゾインメチルエーテル、ベンゾインエチルエーテル、ベンゾインプロピルエーテル、ベンジルジフェニルジスルフィド、テトラメチルチウラムモノサルファイド、アゾビスブチロニトリル、ジベンジル、ジアセチル、アセトフェノン、2,2−ジエトキシアセトフェノン、ベンゾフェノン、2−クロロチオキサントン、2−メチルチオキサントン等。
硬化剤:メチルエチルケトンパーオキサイド、シクロヘキサンパーオキサイド、クメンパーオキサイド、ベンゾイルパーオキサイド、ジクミルパーオキサイド、t−ブチルパーベンゾエート等。
硬化促進剤:2−エチルヘキサン酸コバルト、ナフテン酸コバルト、2−エチルヘキサン酸マンガン、ナフテン酸マンガン等の金属石鹸や、メチルアニリン、ジメチルアニリン、ジエチルアニリン、メチル−p−トルイジン、ジメチル−p−トルイジン、メチル−2−ヒドロキシエチルアニリン、ジ−2−ヒドロキシエチル−p−トルイジンなどのアミン又はその塩酸、酢酸、硫酸、リン酸などの塩。
酸化防止剤:2,5−ジブチル−t−ブチルハイドロキノン、2,6−ジ−t−ブチル−p−クレゾール、4,4’−チオビス−(6−t−ブチルフェノール)、2,2’−メチレン−ビス−(4−メチル−6−ブチルフェノール)、オクタデシル−3−(3’,5’−ジ−t−ブチル−4’−ヒドロキシフェニル)プロピロネート、4,4’−チオビス−(6−t−ブチルフェノール)等。
可塑剤:フタル酸ジメチル、フタル酸ジエチル、フタル酸ジブチル、ワックス、流動パラフィン、リン酸エステル等。
紫外線吸収剤:エチレン−2−シアノ−3,3’−ジフェニルアクリレート、2−(2’−ヒドロキシ−5’−メチルフェニル)ベンゾトリアゾール、2−(2’−ヒドロキシ−3’−t−ブチル−5’−メチルフェニル)5−クロロトリアゾール、2−ヒドロキシ−4−メトキシベンゾフェノン、(2,2’−ジヒドロキシ−4−メトキシベンゾフェノン等。
帯電防止剤:ペンタエリスリトールモノステアレート、ソルビタンモノパルミテート、硫酸化オレイン酸、ポリエチレンオキシド、カーボワックス等。
着色剤:カーボンブラック、フタロシアニン、キナクリドン、アゾ系顔料、酸化チタン、ベンガラ等。
充填剤:グラスファイバー、マイカ、セライト、ケイ酸カルシウム、ケイ酸アルミニウム、炭酸カルシウム、酸化ケイ素、モンモリロナイト等。
本発明で使用する樹脂組成物を得るために、変性EVOH(C)と熱可塑性樹脂(T1)とをブレンドする方法は、特に限定されるものではない。樹脂ペレットをドライブレンドしてそのまま溶融成形に供することもできるし、より好適にはバンバリーミキサー、単軸又は二軸押出機などで溶融混練し、ペレット化してから溶融成形に供することもできる。ブレンド操作時に樹脂の劣化が進行するのを防止するためには、ホッパー口を窒素シールし、低温で押出すことが望ましい。また、混練度の高い押出機を使用し、分散状態を細かく均一なものとすることが、バリア性、透明性を良好にすると共に、ゲル、ブツの発生や混入を防止できる点で好ましい。
樹脂組成物中の各樹脂成分が良好に分散されるために、本発明における混練操作は重要である。高度な分散を有する組成物を得るための混練機としては、連続式インテンシブミキサー、ニーディングタイプ二軸押出機(同方向、あるいは異方向)などの連続型混練機が最適であるが、バンバリーミキサー、インテンシブミキサー、加圧ニーダーなどのバッチ型混練機を用いることもできる。また別の連続混練装置としては石臼のような摩砕機構を有する回転円板を使用したもの、たとえば(株)KCK製のKCK混練押出機を用いることもできる。混練機として通常に使用されるもののなかには、一軸押出機に混練部(ダルメージ、CTM等)を設けたもの、あるいはブラベンダーミキサーなどの簡易型の混練機もあげることができる。
この中で、本発明の目的に最も好ましいものとしては連続式インテンシブミキサーを挙げることができる。市販されている機種としてはFarrel社製FCM、(株)日本製鋼所製CIMあるいは(株)神戸製鋼所製KCM、LCMあるいはACM等がある。実際にはこれらの混練機の下に一軸押出機を有する、混練と押出ペレット化を同時に実施する装置を採用するのが好ましい。また、ニーディングディスクあるいは混練用ローターを有する二軸混練押出機、例えば(株)日本製鋼所製のTEX、Werner&Pfleiderer社のZSK、東芝機械(株)製のTEM、池貝鉄工(株)製のPCM等も本発明の混練の目的に用いられる。
これらの連続型混練機を用いるにあたっては、ローター、ディスクの形状が重要な役割を果たす。特にミキシングチャンバとローターチップあるいはディスクチップとの隙間(チップクリアランス)は重要で狭すぎても広すぎても良好な分散性を有する樹脂組成物は得られない。チップクリアランスとしては1〜5mmが最適である。
また、混練機のローターの回転数は100〜1200rpm、望ましくは150〜1000rpm、さらに望ましくは200〜800rpmの範囲が採用される。混練機チャンバー内径(D)は30mm以上、望ましくは50〜400mmの範囲のものが挙げられる。混練機のチャンバー長さ(L)との比L/Dは4〜30が好適である。また混練機はひとつでもよいし、また2以上を連結して用いることもできる。混練時間は長い方が良い結果を得られるが、樹脂の劣化防止あるいは経済性の点から10〜600秒、好適には15〜200秒の範囲であり、最適には15〜150秒である。
本発明の多層構造体は、変性EVOH(C)からなる表面層を有することを特徴とする多層構造体である。変性EVOH(C)層を表面に配置することによって、例えば、容器として使用する場合に、変性EVOH(C)からなる表面層に内容物が直接接触するようにすることができる。したがって、例えば内容物がフレーバー成分を含有するようなものである場合に、ポリオレフィンなどに比べてフレーバー成分が吸着されにくくなる。また、この表面層を他の部材に融着させてヒートシールすることもできる。さらに、この表面層は耐溶剤性を有する。
本発明の多層構造体は、変性EVOH(C)層と、変性EVOH(C)層以外の材料の層から構成される。変性EVOH(C)層以外の材料は、特に限定されるものではなく、熱可塑性を有しない樹脂、紙あるいは金属箔なども使用することができるが、熱可塑性樹脂(T2)であることが好適である。また、熱可塑性樹脂(T2)と、熱可塑性を有しない樹脂、紙あるいは金属箔などの両方を複合させて使用することも好ましい。これらの層構成は、用途に応じて適宜設定される。
ここで、変性EVOH(C)層と積層される熱可塑性樹脂(T2)は特に限定されず、未変性のEVOH(F)、ポリオレフィン、ポリアミド、ポリエステル、ポリスチレン、ポリ塩化ビニル、ポリ(メタ)アクリル酸エステル、ポリ塩化ビニリデン、ポリアセタール、ポリカーボネート、ポリ酢酸ビニル、ポリウレタン、ポリアクリロニトリル、ポリケトンなどが挙げられる。また、各種の共重合体を使用することもできる。変性EVOH(C)をヒートシール層として使用することを考慮すれば、変性EVOH(C)よりも高い融点又は軟化点を有する樹脂を使用することが好ましい。
熱可塑性樹脂(T2)が、20℃、65%RH下での酸素透過量が10cc・20μm/m・atm・day以下のガスバリア性樹脂であることが好ましい。これによって、多層構造体全体としての高度なガスバリア性が発揮される。20℃、65%RH下での酸素透過量が10cc・20μm/m・atm・day以下のガスバリア性樹脂としては、未変性のEVOH(F)、ポリ塩化ビニリデン、ポリアクリロニトリルなどが挙げられる。
なかでも、熱可塑性樹脂(T2)が、未変性のEVOH(F)であることが、特に好ましい。未変性のEVOH(F)としては、既に説明した未変性のEVOH(A)と同様のものを使用することができる。未変性のEVOH(F)はガスバリア性に優れるし、変性EVOH(C)と未変性のEVOH(F)とは、相互に良好に接着されるからである。したがって、ガスバリア性と低温でのヒートシール性の両立した多層構造体を提供することができる。
本発明の多層構造体の層構成は、変性EVOH(C)からなる層が表面層として配置されていればよく、特に限定されるものではない。(C)/(T2)、(C)/(T2)/(C)、(C)/(T2)/(C)/(T2)、(C)/(T2)/(C)/(T2)/(C)などの構成が例示される。このとき、(T2)が複数の層から構成されていてもよく、その場合には例えばガスバリア性に優れる層(例えばEVOH(F)層)と基材からなる層(例えばポリオレフィン層)との組み合わせなどが例示される。また、これらの層構成において熱可塑性を有しない樹脂、紙あるいは金属箔を加えた構成としてもよい。
変性EVOH(C)層の厚さは1μm以上であることが好ましく、より好適には5μm以上である。変性EVOH(C)層の厚さが1μm未満の場合には、ヒートシール強度が不十分になるおそれがある。一方、変性EVOH(C)層の厚さは100μm以下であることが好ましく、より好適には50μm以下である。100μmを越えるとコストが高くなるだけでなく、屈曲によってピンホールが発生しやすくなる。
本発明の多層構造体を製造する方法は特に限定されない。共押出法、ドライラミネート法、又は押出コーティング法などにより得ることができる。変性EVOH(C)層を溶融成形して形成する場合には、未変性のEVOH(F)に比べると低い温度での成形が可能であり、この点も本発明の有利な点である。なお、変性EVOH(C)層あるいは熱可塑性樹脂(T2)層は、一軸延伸操作又は二軸延伸操作により配向していてもよい。
具体的には、(C)層及び(T2)層を共押出する方法;(T2)層からなるフィルム、アルミニウム箔あるいは板紙上に、(C)層を押出コーティングする方法;(T2)層からなるフィルム、アルミニウム箔あるいは板紙上に、(C)層及び(T2)層からなる溶融多層体を共押出コーティングする方法;(C)層からなるフィルムと、(T2)層からなるフィルム、アルミニウム箔あるいは板紙とをドライラミネートする方法;(C)層及び(T2)層からなる多層フィルムと、(T2)層からなるフィルム、アルミニウム箔あるいは板紙とをドライラミネートする方法などが例示される。積層する際に、必要に応じて接着剤を使用することもできる。
変性EVOH(C)層と積層される熱可塑性樹脂(T2)フィルムとしては、プロピレンのホモポリマーを主成分とする二軸延伸フィルム;ε−カプロラクタムのホモポリマー及びヘキサメチレンジアミンやメタキシリレンジアミン等のジアミン成分とアジピン酸を主原料として得られるナイロンを主成分とする二軸延伸フィルム;エチレングリコールとテレフタール酸やナフタリンジカルボン酸を主原料として得られるポリエステルの二軸延伸フィルム;ビスフェノール−Aとホスゲン等炭酸誘導体を主原料として得られるポリカーボネートよりなるフィルム;塩化ビニルを主原料とし酢酸ビニル等を共重合させたポリ塩化ビニルよりなるフィルム;塩化ビニリデンを主原料とし、塩化ビニル、アクリロニトリル、(メタ)アクリル酸エステル等を共重合させたポリ塩化ビニリデンよりなる二軸延伸フィルム;スチレンのホモポリマー又はスチレンを主原料としブタジエン、アクリロニトリル等を共重合させたポリスチレンよりなるポリスチレンの二軸延伸フィルム;圧延又は二軸延伸高密度ポリエチレンフィルムなどが、好適なものとして挙げられる。
さらに、変性EVOH(C)とともに共押出成形される熱可塑性樹脂(T2)としては、未変性のEVOH(F);ヘキサメチレンジアミン、ピペラジン、テトラメチレンジアミン、エチレンジアミン、メタキシリレンジアミン等のジアミン成分と、δ−バレロラクタム、ε−カプロラクタム、ω−ラウロラクタム、ω−アミノウンデカン酸、ω−アミノドデカン酸等のアミノカルボン酸成分と、各種ナフタリンジカルボン酸、テレフタール酸、イソフタール酸、アゼライン酸、セバシン酸、ピメリン酸、アジピン酸、グルタル酸、コハク酸等の多価カルボン酸成分を原料として得られるポリアミド;エチレングリコール、ジエチレングリコール、トリメチレングリコール、プロピレングリコール、1,4−ブタンジオール、ネオペンチルグリコール、1,4−シクロヘキサンジメタノール、4,4’−ジヒドロキシジフェニル−2,2−プロパン、グリセリン、ペンタエリスリトール等の多価アルコール成分と、パラヒドロキシ安息香酸、δ−バレロラクトン、ε−カプロラクトン等のヒドロキシカルボン酸成分と、テレフタール酸、イソフタール酸、各種ナフタリンジカルボン酸、アゼライン酸、セバシン酸、ピメリン酸、アジピン酸、グルタル酸、コハク酸等の多価カルボン酸及びそのエステル成分を原料として得られるポリエステル;ビスフェノールAとホスゲン等炭酸誘導体を主原料として得られるポリカーボネート;プロピレンのホモポリマー、及びプロピレンを主成分とする、エチレン、ブテン−1、5−メチレン−2−ノルボルネン、5−エチリデン−2−ノルボルネン、ヘキサ−1,3−ジエン等とのブロックコポリマー及びランダムコポリマー、更には無水マレイン酸等のカルボン酸でグラフト変性されたそれらのグラフト変性物;エチレンのホモポリマーである高密度ポリエチレン、中密度ポリエチレン、低密度ポリエチレン、及びエチレンを主成分とする、プロピレン、ブテン−1、ブタ−1,3−ジエン、4−メチルペンテン−1、ヘキセン−1、オクテン−1、ノルボルネン、5−メチレン−2−ノルボルネン、5−エチリデン−2−ノルボルネン、酢酸ビニル、酢酸ブチル、アクリル酸メチル、アクリル酸エチル、アクリル酸、メタクリル酸メチル、メタクリル酸エチル、メタクリル酸等との共重合体(このとき、アクリル酸やメタクリル酸との共重合体においては、ナトリウム、亜鉛、アルミニウム等で架橋されていても良い。また、酢酸ビニルとの共重合体においては、酢酸ビニル成分の一部又は全てがケン化されていても良い。また、ポリエチレンは、マレイン酸、無水マレイン酸、イタコン酸、無水イタコン酸等のカルボン酸でグラフト変性されていても良い。);塩化ビニルを主原料とし、酢酸ビニル等を共重合させたポリ塩化ビニル;塩化ビニリデンを主原料とし、塩化ビニル、アクリロニトリル、(メタ)アクリル酸エステル等を共重合させたポリ塩化ビニリデン;スチレンのホモポリマー及びスチレンを主原料とし、(メタ)アクリル酸エステル、ブタジエン、アクリロニトリル等を共重合させたポリスチレン;アクリロニトリルを主成分とした、スチレンとの共重合体や、アクリロニトリルを主成分とした、(メタ)アクリル酸エステル等の共重合成分とブタジエンの弾性体より構成されている、いわゆるグラフト共重合体であるポリアクリロニトリルなどが好適なものとして挙げられる。特に、未変性のEVOH(F)が好適である。
本発明の多層構造体の表面層は、変性EVOH(C)の少なくとも一部が架橋されていて、表面層のゲル分率が3質量%以上となっているものである。前述のようにして得られた多層構造体の表面層中の変性EVOH(C)の少なくとも一部を架橋させることにより製造することができる。上記した架橋前の多層構造体の表面層は、空気中長時間放置することにより架橋させることが可能であるが、通常、電子線、X線、γ線、紫外線及び可視光線からなる群より選ばれる少なくとも1種を照射するか、加熱することにより、架橋を行うことが望ましい。
電子線、X線又はγ線を用いる場合、吸収線量が1kGy以上であることが好ましい。より好適には1kGy〜1MGyであり、更に好適には5kGy〜500kGyであり、特に好適には10kGy〜200kGyである。吸収線量が1MGyより大きい場合EVOHの分解が生じることに伴い、フィルム強度の大幅低下、着色等の問題が生じるため好ましくない。また吸収線量が1kGyより小さい場合ゲル分率が向上せず、耐溶剤性等の目的の性能が得られない。
紫外線及び可視光線等の光による照射の場合、照射時間は成形品の厚さ、光源の種類、その他の諸条件に影響されるが、高圧水銀灯、低圧水銀灯、カーボンアーク灯、キセノン灯、メタルハライドランプ、LED等を用い、長くて数分、通常1分以内、場合によっては1秒以下でも良い。
本発明の多層構造体がポリオレフィン樹脂層を有する熱収縮フィルムである場合、延伸前に電子線架橋が行われると変性EVOH(C)のみならずポリオレフィン樹脂も架橋される。しかる後に延伸を行うと延伸成形性、熱収縮特性、機械強度等がより改善されるので好適である。
このようにして得られた多層構造体において、変性EVOH(C)又はそれを含む樹脂組成物からなる表面層の水−フェノール混合溶媒の不溶解率、すなわちゲル分率が3質量%以上であることが重要である。この不溶解率が3質量%未満の場合、本発明の目的である耐溶剤性等の効果が小さくなる。不溶解率は、好適には5質量%、更に好適には10質量%以上である。ここで、水−フェノール混合溶媒の不溶解率とは水(15質量%)−フェノール(85質量%)の混合溶剤100質量部に、該表面層を1質量部入れ、60℃、12時間加熱溶解した後、濾過し、濾液を蒸発乾固して算出される。なおここで濾過は溶解した未架橋のEVOHが実質的に100%透過する濾過器材(濾紙、濾布、メンブラン)が使用される。なお、本発明の多層構造体の表面層中にフィラーが含まれる場合、ゲル分率は上記溶媒の不溶分を500℃、1時間加熱した後に残る残渣の質量を減じて算出する。また、該表面層が未変性のEVOH(F)層と隣接している場合は、変性EVOH(C)層および未変性のEVOH(F)層を加えたものを加熱溶解した結果から未変性のEVOH(F)層の質量分を減じて算出する。
得られた多層構造体を用い、変性EVOH(C)からなる多層構造体の表面層を他の部材に融着させるヒートシール方法が好適な実施態様である。前述のように本発明で使用する変性EVOH(C)は低温でのヒートシール性が良好であることから、積層される熱可塑性樹脂(T2)の融点や軟化点が低いものであってもヒートシールすることが可能である。
また、このような多層構造体の表面層が内容物に接触する側に配置されてヒートシールされてなる包装容器が、本発明の好適な実施態様である。具体的には、本発明の多層構造体(フィルム、シート、ボトル又はチューブなど)を、変性EVOH(C)層が最内層となるようにヒートシールしてパウチ、トレーなどの多層包装体を得ることができる。さらに本発明の多層構造体を蓋材とし、また別途製造した本発明の多層構造体を深絞り成形して底材とし、変性EVOH(C)層が最内層となるようにヒートシールして多層包装体としても良い。さらに本発明の多層構造体を、変性EVOH(C)層が最内層となるようにヒートシールしてツーピースチューブの胴部とし、これを用いて多層包装体とすることもできる。さらにまた、本発明の多層構造体を蓋材とし、これを変性EVOH(C)層を最内層とするダイレクト又はインジェクションブローボトルやワンピースチューブの口部に、変性EVOH(C)層同士をヒートシールして多層包装体とすることもできる。
以下、実施例にて本発明をさらに詳しく説明するが、これらの実施例によって本発明は何ら限定されるものではない。なお評価は以下の方法によって行った。
(1)EVOHのエチレン含有量および変性EVOHの変性度
測定に用いる試料を粉砕し、アセトンにより低分子量成分を抽出した後、120℃、12時間で乾燥させた。この試料をDMSO−dを溶媒としてH−NMR測定(日本電子社製「JNM−GX−500型」を使用)し、得られたスペクトルの内、二重結合を有するエポキシ化合物が反応した変性EVOHの二重結合のメチン位のピーク(5.9ppm)又は二重結合のメチレン位のピーク(5.2ppm)とEVOHのモノマー単位に相当するエチレン部分のピーク(1.4ppm)との面積比より算出した。また、エポキシプロパンの変性量は、エポキシプロパンの開環反応により生じたメチル基のピーク(1.0〜1.1ppm)と上記したEVOHのエチレン部分のピークとの面積比により算出した。
(2)EVOHおよび変性EVOHのメルトフローレート(MFR)
メルトインデクサL260(テクノ・セブン社製)を用い、荷重2.16kg、温度190℃で樹脂の流出速度(g/10分)を測定した。
(3)最低ヒートシール温度
各実施例および比較例で得られた多層フィルムを長さ100mm、幅17mmに切断し、安田精機製「YAAヒートシーラー」を用いてプレス圧1kgf/cm、プレス時間1秒の条件で、シール温度を変化させてヒートシールを行った。このフィルムを幅15mmに切断し、島津製作所製「オートグラフ」を用いてT型剥離強度を23℃、50%RHの条件下、引張速度250mm/分にて測定した。剥離強度を温度に対してプロットしたグラフを作成し、400gf/15mmとなる温度を最低ヒートシール温度とした。
(4)耐溶剤性
各実施例および比較例で得られた多層フィルムをエタノールに浸漬し、40℃で10日間保存後の多層フィルム断面を光学顕微鏡を用いて観察し、次のように評価した。
○・・・・変性EVOH層が保持している
×・・・・変性EVOH層が消失している
合成例1
亜鉛アセチルアセトナート一水和物28質量部を1,2−ジメトキシエタン957質量部と混合し、混合液を得た。得られた前記混合液に攪拌しながらトリフルオロメタンスルホン酸15質量部を添加し、触媒溶液を得た。
東芝機械社製TEM−35BS押出機(37mmφ、L/D=52.5)を使用し、スクリュー、3つのベント及び3つの圧入口を設置した。樹脂フィード口を水冷し、スクリュー回転部分の温度を200℃に設定し、スクリュー回転数300rpmで運転した。樹脂フィード口からEVOH(エチレン含有量32モル%、MFR6.0g/10分、カリウム含有量8ppm、リン酸根含有量20ppm、ケン化度99モル%以上)を15kg/hrの割合で添加し、第1圧入口からアリルグリシジルエーテルを0.88kg/hr、エポキシプロパンを2.69kg/hr、上記触媒溶液を0.33kg/hrの割合で添加した。第2圧入口から酢酸ナトリウム0.82%水溶液を0.2kg/hrの割合で添加した。第1ベントから減圧で過剰のアリルグリシジルエーテルおよびエポキシプロパンを除去し、第3圧入口から水を1kg/hrの割合で添加し、第2および第3ベントから減圧で水、アリルグリシジルエーテルおよびエポキシプロパンを除去した。これによりアリルグリシジルエーテル変性量0.8モル%、エポキシプロパン変性量8モル%、MFR5.0g/10分の変性EVOH(C)を得た。
実施例1
65φ押出機により合成例1で得られた変性EVOH(C)を、また50φ押出機により未変性のEVOH(F)(エチレン含有量35モル%、ケン化度99モル%以上、MFR9.3g/10分)を、アンカーコート剤を塗布したポリエチレンテレフタレート(PET(U))フィルム上に共押出コーティングすることにより3層フィルム(PET(U)層/EVOH(F)層/変性EVOH(C)層)を作成した。各層の厚みは、PET(U)層/EVOH(F)層/変性EVOH(C)層=16μm/5μm/8μmである。この多層フィルムを電子線照射装置(キュアトロン:NHVコーポレーション製)に導入して、変性EVOH(C)層側から100KGy(加速電圧150kV)の電子線を照射して変性EVOH(C)層を架橋させた。また、水とフェノールの質量比(水/フェノール)が15/85である混合溶媒を用いて、60℃、12時間加熱溶解試験を行った際の変性EVOH(C)層の不溶解分の含量、即ち、ゲル分率は91.3%であった。該照射多層フィルムの20℃、85%RH下での酸素透過量を測定した結果、16cc・20μm/m・day・atmであった。また、以下の方法にしたがって、最低シール温度を測定したところ90℃であった。また、上記方法にしたがって、耐溶剤性を評価したところ高い耐溶剤性を示した。評価結果を表1にまとめて示す。
実施例2〜6
表1に記載された層構成となるように実施例1と同様な条件で多層フィルムを作成した。該多層フィルムに対して、電子線照射量が表1に記載された値となるように実施例1と同様にして電子線を照射し、架橋させた。実施例1と同様にして該照射多層フィルムの酸素透過量を測定し、最低ヒートシール温度及び耐溶剤性を評価した。その結果を表1にまとめて示す。
比較例1
65φ押出機により合成例1で得られた変性EVOH(C)を、また50φ押出機により未変性のEVOH(F)(エチレン含有量35モル%、ケン化度99モル%以上、MFR9.3g/10分)を、アンカーコート剤を塗布したポリエチレンテレフタレート(PET(U))フィルム上に共押出コーティングすることにより3層フィルム(PET(U)層/EVOH(F)層/変性EVOH(C)層)を作成した。各層の厚みは、PET(U)層/EVOH(F)層/変性EVOH(C)層=16μm/5μm/8μmである。得られた多層フィルムを用いて電子線を照射しなかったこと以外は実施例1と同様に酸素透過量を測定し、最低ヒートシール温度及び耐溶剤性を評価した。その結果を表1にまとめて示す。
比較例2
表1に記載された層構成となるように実施例1と同様な条件で多層フィルムを作成した。得られた多層フィルムを用いて電子線を照射しなかったこと以外は実施例1と同様に酸素透過量を測定し、最低ヒートシール温度及び耐溶剤性を評価した。その結果を表1にまとめて示す。
比較例3
65φ押出機により未変性のEVOH(A)(エチレン含有量32モル%、ケン化度99モル%以上、MFR6.0g/10分)をエポキシプロパンにて8モル%変性した変性EVOH(G)を、また、50φ押出機により未変性のEVOH(F)(エチレン含有量35モル%、ケン化度99モル%以上、MFR9.3g/10分)を、アンカーコート剤を塗布したポリエチレンテレフタレート(PET(U))フィルム上に共押出コーティングすることにより3層フィルム(PET(U)層/EVOH(F)層/変性EVOH(G)層)を作成した。各層の厚みは、PET(U)層/EVOH(F)層/変性EVOH(G)層=16μm/12μm/18μmである。得られた多層フィルムを用いて電子線を照射しなかったこと以外は実施例1と同様に酸素透過量を測定し、最低ヒートシール温度及び耐溶剤性を評価した。その結果を表1にまとめて示す。
比較例4
表1に記載された層構成となるように比較例3と同様な条件で多層フィルムを作成した。得られた多層フィルムを用いて電子線を照射しなかったこと以外は実施例1と同様に酸素透過量を測定し、最低ヒートシール温度及び耐溶剤性を評価した。その結果を表1にまとめて示す。
Figure 2009096075
表1に示されるように、変性EVOH(C)からなる層を表面層として有し、電子線照射処理を行った実施例1〜6の多層構造体は、低温でのヒートシール性が良好であり、ガスバリア性に優れる。さらに、実施例1〜6の多層構造体は、変性EVOH(C)からなる層を表面層として有し電子線照射処理を行っていない比較例1及び2の多層多層構造体、及び変性EVOH(G)からなる層を表面層として有し電子線照射処理を行っていない比較例3及び4の多層構造体に比べて、耐溶剤性にも優れている。

Claims (11)

  1. 変性エチレン−ビニルアルコール系共重合体(C)からなる表面層を有する多層構造体であって、変性エチレン−ビニルアルコール系共重合体(C)は、未変性のエチレン−ビニルアルコール系共重合体(A)を、二重結合を有するエポキシ化合物(B)及び二重結合を有しないエポキシ化合物(E)で変性して得られたものであり、二重結合を有するエポキシ化合物(B)による変性量が未変性のエチレン−ビニルアルコール系共重合体(A)のモノマー単位に対して0.1〜10モル%であり、二重結合を有しないエポキシ化合物(E)による変性量が未変性のエチレン−ビニルアルコール系共重合体(A)のモノマー単位に対して0.1〜30モル%であり、変性エチレン−ビニルアルコール系共重合体(C)の少なくとも一部が架橋されていて、かつ、表面層のゲル分率が3質量%以上であることを特徴とする多層構造体。
  2. 変性エチレン−ビニルアルコール系共重合体(C)及び未変性のエチレン−ビニルアルコール系共重合体(D)を含有する樹脂組成物からなる表面層を有する多層構造体であって、変性エチレン−ビニルアルコール系共重合体(C)は、未変性のエチレン−ビニルアルコール系共重合体(A)を、二重結合を有するエポキシ化合物(B)及び二重結合を有しないエポキシ化合物(E)で変性して得られたものであり、二重結合を有するエポキシ化合物(B)による変性量が未変性のエチレン−ビニルアルコール系共重合体(A)のモノマー単位に対して0.1〜10モル%であり、二重結合を有しないエポキシ化合物(E)による変性量が未変性のエチレン−ビニルアルコール系共重合体(A)のモノマー単位に対して0.1〜30モル%であり、変性エチレン−ビニルアルコール系共重合体(C)の少なくとも一部が架橋されていて、かつ、表面層のゲル分率が3質量%以上であることを特徴とする多層構造体。
  3. 未変性のエチレン−ビニルアルコール系共重合体(A)のエチレン含有量が5〜55モル%であり、かつケン化度が90モル%以上である請求項1又は2に記載の多層構造体。
  4. 二重結合を有するエポキシ化合物(B)が分子量500以下の一価エポキシ化合物である請求項1〜3のいずれかに記載の多層構造体。
  5. 二重結合を有するエポキシ化合物(B)がアリルグリシジルエーテルである請求項4に記載の多層構造体。
  6. 前記表面層以外に、20℃、65%RH下での酸素透過量が10cc・20μm/m・atm・day以下のガスバリア性樹脂からなる層を有する請求項1〜5のいずれかに記載の多層構造体。
  7. 請求項1〜6のいずれかに記載の多層構造体の表面層を他の部材に融着させるヒートシール方法。
  8. 請求項1〜6のいずれかに記載の多層構造体の表面層が内容物に接触する側に配置されてヒートシールされてなる包装容器。
  9. 変性エチレン−ビニルアルコール系共重合体(C)からなる表面層を有する多層構造体の製造方法であって、未変性のエチレン−ビニルアルコール系共重合体(A)を、二重結合を有するエポキシ化合物(B)及び二重結合を有しないエポキシ化合物(E)で変性して変性エチレン−ビニルアルコール系共重合体(C)を製造し、変性エチレン−ビニルアルコール系共重合体(C)からなる表面層を有する多層構造体を成形してから、変性エチレン−ビニルアルコール系共重合体(C)の少なくとも一部を架橋させて、かつ、表面層のゲル分率を3質量%以上にすることを特徴とする多層構造体の製造方法。
  10. 変性エチレン−ビニルアルコール系共重合体(C)及び未変性のエチレン−ビニルアルコール系共重合体(D)を含有する樹脂組成物からなる表面層を有する多層構造体の製造方法であって、未変性のエチレン−ビニルアルコール系共重合体(A)を、二重結合を有するエポキシ化合物(B)及び二重結合を有しないエポキシ化合物(E)で変性して変性エチレン−ビニルアルコール系共重合体(C)を製造し、変性エチレン−ビニルアルコール系共重合体(C)及び未変性のエチレン−ビニルアルコール系共重合体(D)を混合して樹脂組成物を製造し、該樹脂組成物からなる表面層を有する多層構造体を成形してから、変性エチレン−ビニルアルコール系共重合体(C)の少なくとも一部を架橋させて、かつ、表面層のゲル分率を3質量%以上にすることを特徴とする多層構造体の製造方法。
  11. 電子線、X線、γ線、紫外線及び可視光線からなる群から選択される少なくとも1種を照射するか、加熱することにより変性エチレン−ビニルアルコール系共重合体(C)の少なくとも一部を架橋させる請求項9又は10に記載の多層構造体の製造方法。
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