JP2009095710A - 含水溶剤の脱水精製方法および水相液の浄化方法 - Google Patents

含水溶剤の脱水精製方法および水相液の浄化方法 Download PDF

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Abstract

【課題】第1に含水溶剤の高脱水を低ランニングコストで実現し、第2に該脱水により生じた水相液を浄化する。
【解決手段】含水溶剤の蒸気を分離膜10の高圧側に供給するとともに、水と相分離するパージ用物質の蒸気を分離膜10の低圧側に供給して、分離膜10の高圧側に存在する水蒸気を選択的に分離膜10の低圧側に透過させ、分離膜10の低圧側に透過した透過蒸気および分離膜10の低圧側に供給されたパージ用物質蒸気の混合蒸気を凝縮し、この凝縮液を水相および油相に分離して、油相液をパージ用物質としてリサイクル使用するものとする。該分離処理により生じた水相液の蒸気を分離膜10の高圧側に供給する一方で、分離膜10の低圧側を減圧手段により減圧して、分離膜10の高圧側に存在する水蒸気を選択的に分離膜10の低圧側に透過させ、透過蒸気を凝縮することで浄化された水を得る。
【選択図】図1

Description

本発明は、分離膜を用いて含水溶剤を脱水濃縮する含水溶剤の脱水精製方法およびその脱水精製方法により生じた水相液の浄化方法に関するものである。
従来、溶剤中の水分を分離除去する方法として、最も一般的な方法は蒸留法である。よく使用されている溶剤は、水と共沸混合物を作るものが多い。例えば、エタノール、プロパノール、酢酸エチル、メチルエチルケトンなどである。これらの共沸混合物の蒸留には、第三成分を添加した抽出蒸留法が適用されるが、装置が増え、分離に要するエネルギも増加するという欠点がある。
そこで、近年、装置構成の簡素化および省エネルギ化を図ることのできる分離法として、分離膜を用いた分離法が注目されている(例えば、非特許文献1参照。)。非特許文献1には、蒸発器と分離膜の組み合わせ装置でイソプロピルアルコール(以下、「IPA」という。)を脱水濃縮した例が記載されており、この例では98〜99wt%のIPAが得られる。また、同文献中には分離膜の低圧側へ透過した水分を製品蒸気(水分が殆どない)あるいは不活性ガスでパージすると、溶剤中の水分を0.1wt%以下にすることが可能であると記載されている。
「化学装置」、1992年、9月号、p.65−68
しかしながら、分離膜透過水分を製品蒸気でパージする方法では、分離膜透過液中に溶剤成分が多量に混ざるため、この溶液に対して特別の分離操作とその分離のためのエネルギが必要となり、ランニングコストが嵩むという問題点がある。また、分離膜透過水分を不活性ガスでパージする方法では、分離膜の低圧側に供給される不活性ガスがその後回収されることなく消費される一方であり、また分離膜の低圧側に供給された不活性ガスを積極的に系外に抜き出して分離膜の低圧側を所定の真空度に保つためのエネルギが別途必要となるから、やはりランニングコストが嵩むという問題点がある。
本発明は、このような問題点に鑑みてなされたもので、第1に、含水溶剤の高脱水を低ランニングコストで実現することのできる含水溶剤の脱水精製方法を提供し、第2に、該脱水精製方法により生じた水相液を浄化することのできる水相液の浄化方法を提供することを目的とするものである。
前記第1の目的を達成するために、第1発明による含水溶剤の脱水精製方法は、
含水溶剤を蒸発させて含水溶剤蒸気を発生させる含水溶剤蒸発処理と、
水と相分離するパージ用物質を蒸発させてパージ用物質蒸気を発生させるパージ用物質蒸発処理と、
前記含水溶剤蒸発処理によって発生された含水溶剤蒸気を分離膜の高圧側に供給するとともに、前記パージ用物質蒸発処理によって発生されたパージ用物質蒸気を分離膜の低圧側に供給して、分離膜の高圧側に存在する水蒸気を選択的に分離膜の低圧側に透過させる脱水処理と、
前記分離膜の低圧側に透過した透過蒸気および前記分離膜の低圧側に供給されたパージ用物質蒸気の混合蒸気を凝縮する分離膜低圧側蒸気凝縮処理と、
前記分離膜低圧側蒸気凝縮処理によって得られた凝縮液を水相および油相に分離する水相・油相分離処理と
を含むことを特徴とするものである。
第1発明において、前記含水溶剤蒸発処理によって発生された含水溶剤蒸気を分離膜の高圧側に供給する前にその含水溶剤蒸気を過熱する含水溶剤蒸気過熱処理と、前記パージ用物質蒸発処理によって発生されたパージ用物質蒸気を分離膜の低圧側に供給する前にそのパージ用物質蒸気を過熱するパージ用物質蒸気過熱処理とが含まれるのが好ましい(第2発明)。
第1発明または第2発明において、前記含水溶剤が、イソプロピルアルコール水溶液、1−プロピルアルコール水溶液、エタノール水溶液、アセトン水溶液およびメチルエチルケトン水溶液からなる群より選択される一の有機物水溶液であり、前記パージ用物質が、ヘキサン、シクロヘキサン、ヘプタンおよびイソオクタンからなる群より選択される一の炭化水素系物質であるのが好ましい(第3発明)。
次に、前記第2の目的を達成するために、第4発明による水相液の浄化方法は、
第1発明〜第3発明のいずれかの発明に係る含水溶剤の脱水精製方法により生じた水相液を浄化する水相液の浄化方法であって、
該水相液を蒸発させて水相液蒸気を発生させる水相液蒸発処理と、
前記水相液蒸発処理によって発生された水相液蒸気を分離膜の高圧側に供給する一方で、分離膜の低圧側を減圧手段により減圧して、分離膜の高圧側に存在する水蒸気を選択的に分離膜の低圧側に透過させる脱水処理と、
前記分離膜の低圧側に透過した透過蒸気を凝縮する分離膜低圧側蒸気凝縮処理と
を含むことを特徴とするものである。
第1発明によれば、分離膜の低圧側にパージ用物質が供給されて分離膜の低圧側の水蒸気分圧が低められるので、分離膜の高圧側に存在する水蒸気が高効率で分離膜の低圧側に透過され、分離膜の高圧側に高脱水された溶剤蒸気を得ることができる。また、水と相分離する物質がパージ用物質として用いられているので、分離膜低圧側蒸気の凝縮液を水相および油相に分離する水相・油相分離が特別の分離操作や分離のためのエネルギを要することなく自然に進行し、パージ用物質を油相液として容易かつ省エネルギ的に回収することができ、この回収パージ用物質を、分離膜の低圧側に供給するためのパージ用物質としてリサイクル使用することが可能であるから、ランニングコストを低減することができる。したがって、含水溶剤の高脱水を低ランニングコストで実現することができるという効果がある。
また、第2発明の構成を採用することにより、分離膜の膜濡れが確実に防止されるので、脱水処理がよりスムーズに行われるとともに、分離膜の寿命を延ばすことができる。
ここで、水と相分離するパージ用物質としては、例えば、ヘキサン、シクロヘキサン、ヘプタン、イソオクタン等の炭化水素類、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン等のケトン類、ベンゼン、トルエン等の芳香族類などが挙げられるが、これらの中で炭化水素類は水と親和力がなく、相分離し易い物質であるため、使用済みのパージ用物質を油相液として回収する上で、ヘキサン、シクロヘキサン、ヘプタン、イソオクタンからなる群より選択される一の炭化水素系物質を、分離膜の低圧側に供給するパージ用物質として用いることにより、回収パージ用物質をより容易に得ることができる。
ところで、含水溶剤の脱水処理の際、分離膜の高圧側に存在する水蒸気以外に溶剤蒸気も微量ではあるが分離膜を透過し、分離膜の低圧側に供給されたパージ用物質中に溶剤が若干溶解する。溶剤が、水に対する溶解性が大きいイソプロピルアルコール、1−プロピルアルコール、エタノール、アセトン、メチルエチルケトンの場合には、パージ用物質をリサイクル使用しても、これらの溶剤成分がパージ用物質中に蓄積することはない。その理由は、脱水処理時に分離膜を透過してくる水分によってパージ用物質中の溶剤成分が抽出されるためである。
したがって、第3発明の構成を採用することにより、回収パージ用物質をより容易に得ることができるとともに、回収パージ用物質を何回もリサイクル使用することができるので、ランニングコストをより低減することができる。
第4発明においては、第1発明〜第3発明のいずれかの発明に係る含水溶剤の脱水精製方法における水相・油相分離処理によって得られた水相液を蒸発させ、この水相液蒸気を分離膜の高圧側に供給する一方で、分離膜の低圧側を減圧手段により減圧して、分離膜の高圧側に存在する水蒸気を選択的に分離膜の低圧側に透過させることにより、溶剤やパージ用物質を殆ど含まない水が分離膜の低圧側に得られるので、該脱水精製方法により生じた水相液を浄化することができる。こうして浄化された水は、廃水規制値をクリアした水として系外へ捨てることが可能となる。
次に、本発明による含水溶剤の脱水精製方法および水相液の浄化方法の具体的な実施の形態について、図面を参照しつつ説明する。
図1には、本発明の一実施形態に係る含水溶剤の脱水精製システムの概略構成図が示されている。
図1に示される含水溶剤の脱水精製システム1は、スチームまたは熱媒で含水溶剤を間接加熱して含水溶剤蒸気を発生させる含水溶剤蒸発器2と、脱水処理を行うための膜分離装置3と、スチームまたは熱媒でパージ用物質を間接加熱してパージ用物質蒸気を発生させるパージ用物質蒸発器4と、脱水処理後の溶剤を溜めるための溶剤タンク5と、水相・油相分離処理を行うための受器6とを備えている。
膜分離装置3は、水を選択的に透過させる分離膜10と、この分離膜10によって仕切られる分離膜高圧側室11および分離膜低圧側室12とを備えて構成されている。分離膜高圧側室11において、その上流側は配管13を介して含水溶剤蒸発器2に接続され、その下流側は配管14を介して溶剤タンク5に接続されている。一方、分離膜低圧側室12において、その上流側は配管15を介してパージ用物質蒸発器4に接続され、その下流側は配管16を介して受器6に接続されている。
分離膜高圧側室11と含水溶剤蒸発器2とを繋ぐ配管13には、その配管13内を流れる含水溶剤蒸気を過熱する含水溶剤蒸気過熱器20が設置されている。また、分離膜低圧側室12とパージ用物質蒸発器4とを繋ぐ配管15には、その配管15内を流れるパージ用物質蒸気を過熱するパージ用物質蒸気過熱器21が設置されている。こうして、含水溶剤蒸発器2からの含水溶剤蒸気が分離膜10の高圧側に供給される前にその含水溶剤蒸気が含水溶剤蒸気過熱器20によって過熱されるとともに、パージ用物質蒸発器4からのパージ用物質蒸気が分離膜10の低圧側に供給される前にそのパージ用物質蒸気がパージ用物質蒸気過熱器21によって過熱されることにより、分離膜10の膜濡れが確実に防止されるので、脱水処理がよりスムーズに行われるとともに、分離膜10の寿命を延ばすことができる。
分離膜高圧側室11と溶剤タンク5と繋ぐ配管14には、分離膜高圧側室11からの分離膜高圧側蒸気を凝縮する分離膜高圧側蒸気凝縮器22が設置されている。また、分離膜低圧側室12と受器6とを繋ぐ配管16には、分離膜低圧側室12からの分離膜低圧側蒸気を凝縮する分離膜低圧側蒸気凝縮器23が設置されている。
受器6において、その頂部には配管24を介して真空ポンプ25が接続され、その中間部には配管26を介して油相液抜出用ポンプ27が接続され、その底部には配管28を介して水相液抜出用ポンプ29が接続されている。
本実施形態において用いられる含水溶剤としては、例えば、イソプロピルアルコール水溶液、1−プロピルアルコール水溶液、エタノール水溶液、アセトン水溶液、メチルエチルケトン水溶液、酢酸エチル水溶液などが挙げられるが、パージ用物質のリサイクル使用時におけるパージ用物質中の溶剤成分の蓄積を回避する観点から、特にイソプロピルアルコール水溶液、1−プロピルアルコール水溶液、エタノール水溶液、アセトン水溶液、メチルエチルケトン水溶液が好ましい。
また、本実施形態において用いられるパージ用物質としては、室温で液体、沸点が60〜110℃で、かつ水と相分離する物質が好ましく、例えば、ヘキサン、シクロヘキサン、ヘプタン、イソオクタン等の炭化水素類、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン等のケトン類、ベンゼン、トルエン等の芳香族類などが挙げられる。これらの中で炭化水素類は水と親和力がなく、相分離し易い物質であるため、使用済みのパージ用物質を油相液として回収する上で、ヘキサン、シクロヘキサン、ヘプタン、イソオクタンからなる群より選択される一の炭化水素系物質を、分離膜10の低圧側に供給するパージ用物質として用いることにより、回収パージ用物質をより容易に得ることができる。
以上に述べたような含水溶剤の脱水精製システム1において、含水溶剤蒸発器2に含水溶剤が供給されると、含水溶剤がスチームまたは熱媒で間接加熱され、溶剤蒸気および水蒸気の混合蒸気(含水溶剤蒸気)が発生される。含水溶剤蒸発器2で発生された含水溶剤蒸気は、含水溶剤蒸気過熱器20によってスーパーヒートされた後に、分離膜高圧側室11に供給される。一方、パージ用物質蒸発器4にパージ用物質が供給されると、パージ用物質がスチームまたは熱媒で間接加熱され、パージ用物質蒸気が発生される。パージ用物質蒸発器4で発生されたパージ用物質蒸気は、パージ用物質蒸気過熱器21によってスーパーヒートされた後に、分離膜低圧側室12に供給される。こうして、膜分離装置3においては、含水溶剤蒸発器2で発生された含水溶剤蒸気が分離膜高圧側室11に供給されるとともに、パージ用物質蒸発器4で発生されたパージ用物質蒸気が分離膜低圧側室12に供給され、分離膜10の高圧側に存在する水蒸気を選択的に分離膜10の低圧側に透過させる脱水処理が行われる。
分離膜10の低圧側に透過しなかった非透過蒸気は、分離膜高圧側室11から分離膜高圧側蒸気凝縮器22へと導かれて凝縮され、この凝縮によって得られた凝縮液、つまり製品溶剤は溶剤タンク5に貯留される。一方、分離膜10の低圧側に透過した透過蒸気および分離膜低圧側室12に供給されたパージ用物質蒸気の混合蒸気は、分離膜低圧側室12から分離膜低圧側蒸気凝縮器23へと導かれて凝縮され、この凝縮によって得られた凝縮液は、受器6に導入されてその受器6内で水相および油相の2相に分離される。受器6内の油相液は、その殆どがパージ用物質であり、油相液抜出用ポンプ27によって系外に抜き出されて回収され、再度、パージ用物質蒸発器4に供給される。一方、受器6内の水相液は、水相液抜出用ポンプ29によって系外に抜き出され、必要に応じて後述する水相液の浄化処理に供される。
なお、本実施形態においては、分離膜低圧側蒸気凝縮器23による凝縮作用と真空ポンプ25の稼働によって分離膜低圧側室12が減圧に保たれるようにされているが、分離膜低圧側蒸気凝縮器23による凝縮作用によって分離膜低圧側室12を所定の真空度(60〜100Torr)に保つことが可能であるので、真空ポンプ25は運転開始時や系内圧力が上昇した時などに一時的に作動させるだけでよく、真空ポンプ25の稼働は極僅かで済む。また、分離膜高圧側室11と分離膜低圧側室12との圧力差が大きい程、少ない膜面積で目的とする分離が実現できるので、含水溶剤蒸発器2を常時加圧状態で運転するのが好ましい。
膜分離装置3での脱水処理においては、分離膜低圧側室12にパージ用物質が供給されて分離膜10の低圧側の水蒸気分圧が低められるので、分離膜10の高圧側に存在する水蒸気が高効率で分離膜10の低圧側に透過され、分離膜10の高圧側に高脱水された溶剤蒸気が得られる。分離膜低圧側室12へのパージ用物質の供給量を増やせば増やすほど、分離膜10の低圧側の水蒸気分圧を低くすることができるから、回収した溶剤中水分濃度を0.1wt%以下にすることができる。
膜分離装置3での脱水処理の際、分離膜10の高圧側に存在する水蒸気以外に溶剤蒸気も微量ではあるが分離膜を透過し、分離膜10の低圧側に供給されたパージ用物質中に溶剤が若干溶解する。このため、受器6において油相液として回収されるパージ用物質を何回もリサイクル使用することが可能であるか否かを検討した。溶剤が、水に対する溶解性が大きいイソプロピルアルコール、1−プロピルアルコール、エタノール、アセトン、メチルエチルケトンなどの場合には、パージ用物質をリサイクル使用しても、これらの溶剤成分がパージ用物質中に蓄積することはなかった。これは、脱水処理時に分離膜10を透過してくる水分によってパージ用物質中の溶剤成分が抽出されるためであると考えられる。これに対し、溶剤が、水に対する溶解性が小さい酢酸エチルの場合には、パージ用物質をリサイクル使用すると、パージ用物質中に酢酸エチルが蓄積する。それゆえ、回収パージ用物質中の酢酸エチル濃度をチェックし、許容濃度以上となれば、蒸留処理にて酢酸エチルを分離除去する必要がある。なお、注意的に述べておくが、溶剤が酢酸エチルの場合には、パージ用物質を1回もリサイクル使用することができないということではない。溶剤がイソプロピルアルコール、1−プロピルアルコール、エタノール、アセトン、メチルエチルケトンなどの場合におけるパージ用物質のリサイクル回数と比べて、溶剤が酢酸エチルの場合におけるパージ用物質のリサイクル回数が少ないということである。
前述したように、膜分離装置3での脱水処理の際、分離膜10の高圧側に存在する水蒸気以外に溶剤蒸気も微量ではあるが分離膜10を透過するため、受器6内の水相液中には溶剤が微量存在する。また、含水溶剤を高脱水濃縮するために、分離膜10の低圧側にパージ用物質を供給しているが、このパージ用物質はその殆どが受器6内の油相液中に存在するものの、当然水相液中にも微量存在する。水相液中に存在する溶剤成分およびパージ用物質のために廃水規制値をクリアできない場合には、この水相液を集めておき、次に述べる水相液の浄化処理を施す。
図2には、図1に示される脱水精製システムによって分離された水相液の浄化処理の説明図が示されている。以下に述べる水相液の浄化処理は、先に述べた含水溶剤の脱水精製システム1を利用して行われるものである。
図2において、予め集めておいた水相液が含水溶剤蒸発器2に供給されると、水相液がスチームまたは熱媒で間接加熱され、溶剤蒸気、水蒸気およびパージ用物質の混合蒸気(水相液蒸気)が発生される。含水溶剤蒸発器2で発生された混合蒸気は、含水溶剤蒸気過熱器20によってスーパーヒートされた後に、分離膜高圧側室11に供給される。一方、分離膜低圧側室12は、分離膜低圧側蒸気凝縮器23の凝縮作用および/または真空ポンプ25の稼働によって減圧される。こうして、膜分離装置3においては、分離膜10の高圧側に存在する水蒸気を選択的に分離膜10の低圧側に透過させる脱水処理が行われ、これにより、溶剤およびパージ用物質を殆ど含まない水が分離膜10の低圧側に得られる一方、ある程度の溶剤、微量のパージ用物質および水を含んだ液が分離膜10の高圧側に得られる。
分離膜10の低圧側に得られた、溶剤およびパージ用物質を殆ど含まない水は、一旦受器6に溜められ後、水相液抜出用ポンプ29によって系外に抜き出され、廃水規制値をクリアした水として廃棄される。一方、分離膜10の高圧側に得られた、ある程度の溶剤、微量のパージ用物質および水を含んだ液は、水分濃度が10〜50wt%になるまで上述の脱水処理と同様の脱水処理で脱水濃縮する。その時に得られる透過水については廃水規制値をクリアしているか否かをチェックし、規制値をクリアした水は系外へ捨てる一方、規制値をクリアできなかった水については、含水溶剤の脱水濃縮時に得られた透過水と同様に取り扱う。なお、非透過側の液中には水以外に溶剤とパージ用物質が存在するが、これら物質は蒸留処理で分離する。
本実施形態によれば、分離膜10の低圧側にパージ用物質が供給されて分離膜10の低圧側の水蒸気分圧が低められるので、分離膜10の高圧側に存在する水蒸気が高効率で分離膜10の低圧側に透過され、分離膜10の高圧側に高脱水された溶剤蒸気を得ることができる。また、水と相分離する物質がパージ用物質として用いられているので、受器6での水相・油相分離が特別の分離操作や分離ためのエネルギを要することなく自然に進行し、パージ用物質を油相液として容易かつ省エネルギ的に回収することができ、この回収パージ用物質を、分離膜10の低圧側に供給するためのパージ用物質としてリサイクル使用することが可能であるから、ランニングコストを低減することができる。したがって、含水溶剤の高脱水を低ランニングコストで実現することができるという効果がある。
また、含水溶剤の脱水精製システム1を利用した水相液の浄化処理によって、含水溶剤の脱水精製処理の際に生じた水相液を浄化するようにされているので、水相液の浄化を安価に行うことができる。
ところで、「燃料協会誌」、1988年、第67巻、第12号、p.1038−1051には、30〜94wt%エタノール蒸気、言い換えれば6〜70wt%水蒸気含有原料をポリイミド膜モジュールに供給してエタノール99wt%以上の脱水製品を得るようにした分離技術が記載されている。この文献に記載のポリイミド膜を用いた分離技術では、液を気化するエネルギは必要であるが、それ以後、膜の高圧側の水蒸気分圧と低圧側の水蒸気分圧の差がある限り水の分離が可能であり、分離のためのエネルギとしては低圧を保持するための真空ポンプのエネルギのみである。このようにポリイミド膜は、多量の水分を省エネルギ的に分離することができるとともに広範囲の水分濃度に対応でき、かつ耐熱性を有しているから、ポリイミド膜を用いた分離処理では、蒸気圧を上げ、膜分離温度を上げることが可能で、使用する膜モジュールの本数を少なくすることができる。また、ポリイミド膜はその分離機構が溶解・拡散過程で進むのに対してゼオライト膜の分離機構は吸着・拡散過程で進むと言われている。不純物に対する耐久性として、ポリイミド膜では膜表面に溶解しなかった場合は溶剤製品側へ同伴し、溶解した場合は透過側へ同伴する。一方、ゼオライト膜では不純物が吸着すると、膜寿命の低下につながる。上記実施形態において、分離膜10としては、有機物のポリイミド膜(芳香族ポリイミド)および無機物のゼオライト膜のいずれを採用してもよいが、以上に述べたようなことからポリイミド膜を採用するのが好ましい。
次に、本発明による含水溶剤の脱水精製方法および水相液の浄化方法の具体的な実施例について、図1および図2を適宜参照しつつ説明する。
(実施例1:図1参照)
膜分離装置3として、断面積2mのポリイミド製分離膜モジュールを装備したものを用いた。含水IPA溶剤(IPA(イソプロピルアルコール)=85wt%、HO=15wt%)を含水溶剤蒸発器2に3.23kg/hの速度で供給し、IPAおよび水の混合蒸気を発生させ、この混合蒸気を更に含水溶剤蒸気過熱器20でスーパーヒートした後、膜モジュールの一方の側(高圧側)へ供給した。ここで、膜モジュールの供給側圧力は0.18MPaG、供給温度120℃である。一方、純粋なヘプタンをパージ用物質蒸発器4に0.450kg/hの速度で供給してヘプタン蒸気を発生させ、パージ用物質蒸気過熱器21でスーパーヒートした後、膜モジュールの他方の側(低圧側)の端から供給し、膜を透過した水分を希釈して低圧側の水蒸気分圧を小さくし、高圧側の水蒸気をより一層、透過し易くした。パージ用物質蒸気として強制的に供給したヘプタン蒸気および膜を透過した水蒸気を分離膜低圧側蒸気凝縮器23で凝縮し、得られた凝縮液を受器6に導き、油相と水相の2相に分離した後、油相液は油相液抜出用ポンプ27で抜き出し、水相液は水相液抜出用ポンプ29で抜き出し、別々のタンクに貯蔵した。透過側の圧力は真空ポンプ25と分離膜低圧側蒸気凝縮器23の凝縮作用によって13.3kPaに保持した。膜を通過しなかった分離膜高圧側蒸気(非透過蒸気)は、分離膜高圧側蒸気凝縮器22で凝縮し、流量を測定した後、溶剤タンク5に貯蔵した。非透過液の流量は2.74kg/hで、水分濃度は860ppm(重量基準)であった。なお、受器6から抜き出したヘプタンおよび透過水はタンクレベルからその流量を推定したところ、ヘプタン流量0.455kg/h、透過水流量0.486kg/hであった。また、受器6から抜き出したヘプタン中には0.21wt%のIPAが含有され、透過水中には1.1wt%のIPAが含有されていた。
(実施例2)
実施例1と同様の条件で含水IPA溶剤を99.9wt%以上に脱水した。但し、パージ用物質として、純粋なヘプタンではなく実施例1で回収された回収ヘプタンを使用した。
(実施例3)
実施例1と同様の条件で含水IPA溶剤を99.9wt%以上に脱水した。但し、パージ用物質として、純粋なヘプタンではなく実施例2で回収された回収ヘプタンを使用した。
(比較例1)
膜モジュールの低圧側においてヘプタンによる強制パージを行わず、透過側の圧を100Torrに保持した。それ以外は実施例1と同条件で運転した。非透過液2.79kg/hで、水分濃度は1.83wt%であった。透過水の速度は0.44kg/hで、1.31wt%のIPAを含んでいた。
実施例1〜3および比較例1に係る含水IPA溶剤の脱水実験の操作条件と結果が表1−1および表1−2に示されている。
Figure 2009095710
上記の表に示される結果から明らかなように、膜モジュールの低圧側においてヘプタンによる強制パージを行っている実施例1〜3では、含水IPA溶剤の高脱水(水分濃度:860〜900ppm)が達成されているのに対し、膜モジュールの低圧側においてヘプタンによる強制パージを行っていない比較例1では、製品IPA中の水分濃度が高い(水分濃度:18300ppm)。また、パージ用物質のリサイクル使用1回目の実施例2においてはパージ用物質中のIPA濃度が0.21wt%、水分濃度が0.16wt%であり、パージ用物質のリサイクル使用2回目の実施例3においてはパージ用物質中のIPA濃度が0.23wt%、水分濃度が0.16wt%であり、リサイクル回数が増えてもパージ用物質(ヘプタン)中に溶剤(IPA)および水が殆ど蓄積しない。これは、溶剤が、水に対する溶解性が大きいイソプロピルアルコールの場合には、パージ用物質を何回でもリサイクル使用することができることを示している。
(実施例4:図2参照)
実施例1と同様の方法で含水溶剤中の水分を透過させて、1.3〜1.5wt%IPAを含有する透過水(水相液)を多量に準備した。本液中には110ppmのヘプタンが存在した。本液を8.44kg/hの速度で含水溶剤蒸発器2に供給した後、含水溶剤蒸気過熱器20でスーパーヒートして断面積2mのポリイミド製分離膜モジュールに供給した。ここで、膜モジュールの高圧側入口圧力0.18MPaG、供給温度140℃である。一方、膜モジュールの他方の側(低圧側)を真空ポンプ25および分離膜低圧側蒸気凝縮器23を用いて13.3kPaに保持し、透過水を7.48kg/hの速度で得た。高圧側の非透過蒸気は分離膜高圧側蒸気凝縮器22で凝縮し、IPAを11.7wt%、ヘプタンを0.1wt%含有する水溶液を0.96kg/hの速度で得た。なお、透過水中の有機物は7ppmであり、廃水基準100ppmをクリアしていた。したがって、廃水規制値をクリアした水として系外に廃棄することができる。
(実施例5)
実施例4で得られた非透過液は、IPA11.7wt%、ヘプタン0.1wt%、水分88.2wt%とまだかなりの水分が存在する。そこで、この非透過液を8.69kg/hの速度で含水溶剤蒸発器2に供給した後、含水溶剤蒸気過熱器20でスーパーヒートして断面積2mのポリイミド製分離膜モジュールに供給した。膜モジュールの操作条件は実施例4と同じである。透過水を6.95kg/hの速度で、また、非透過液を1.74kg/hの速度で得た。透過水中の有機物濃度は80ppmであり、廃水基準100ppmをクリアしていた。したがって、廃水規制値をクリアした水として系外に廃棄することができる。
(実施例6)
実施例1と同様に膜モジュールの供給圧力0.18MPaG、供給温度120℃、低圧側圧力13.3kPaに保持し、含水IPA溶剤に代えて、含水エタノール溶剤(EtOH=85wt%、HO=15wt%)を含水溶剤蒸発器2に2.78kg/hの速度で供給し、エタノールおよび水の混合蒸気を発生させ、この混合蒸気を更に含水溶剤蒸気過熱器20でスーパーヒートした後、膜モジュールの一方の側(高圧側)へ供給した。一方、純粋なヘプタンをパージ用物質蒸発器4に0.448kg/hの速度で供給してヘプタン蒸気を発生させ、パージ用物質蒸気過熱器21でスーパーヒートした後、膜モジュールの他方の側(低圧側)の端から供給し、膜を透過した水分を希釈して低圧側の水蒸気分圧を小さくし、高圧側の水蒸気をより一層、透過し易くした。
(実施例7)
実施例6と同様の条件で含水エタノール溶剤を脱水濃縮した。但し、パージ用物質として、純粋なヘプタンではなく実施例6で回収された回収ヘプタンを使用した。
(実施例8)
実施例6と同様の条件で含水エタノール溶剤を脱水濃縮した。但し、パージ用物質として、純粋なヘプタンではなく実施例7で回収された回収ヘプタンを使用した。
実施例6〜8に係る含水エタノール溶剤の脱水実験の操作条件と結果が表2−1および表2−2に示されている。
Figure 2009095710
上記の表に示される結果から明らかなように、パージ用物質のリサイクル使用1回目の実施例7においてはパージ用物質中のEtOH濃度が1.1wt%、水分濃度が0.2wt%であり、パージ用物質のリサイクル使用2回目の実施例8においてはパージ用物質中のEtOH濃度が1.1wt%、水分濃度が0.2wt%であり、リサイクル回数が増えてもパージ用物質(ヘプタン)中に溶剤(EtOH)および水が殆ど蓄積しない。これは、溶剤が、水に対する溶解性が大きいエタノールの場合には、パージ用物質を何回でもリサイクル使用することができることを示している。
(実施例9、実施例10、実施例11)
実施例6〜8は、実施例1〜3の各実施例における含水IPA溶剤に代えて含水EtOH溶剤を用いて脱水実験を行ったものであるが、これと同様の趣旨で、実施例1〜3の各実施例における含水IPA溶剤に代えて含水アセトン溶剤を用いて脱水実験を行い、それぞれ実施例9、実施例10、実施例11とした。
実施例9〜11に係る含水アセトン溶剤の脱水実験の操作条件と結果が表3−1および表3−2に示されている。
Figure 2009095710
上記の表に示される結果から明らかなように、パージ用物質のリサイクル使用1回目の実施例10においてはパージ用物質中のアセトン濃度が0.2wt%、水分濃度が0.2wt%であり、パージ用物質のリサイクル使用2回目の実施例11においてはパージ用物質中のアセトン濃度が0.2wt%、水分濃度が0.2wt%であり、リサイクル回数が増えてもパージ用物質(ヘプタン)中に溶剤(アセトン)および水が殆ど蓄積しない。これは、溶剤が、水に対する溶解性が大きいアセトンの場合には、パージ用物質を何回でもリサイクル使用することができることを示している。
(実施例12、実施例13、実施例14)
実施例6〜8は、実施例1〜3の各実施例における含水IPA溶剤に代えて含水EtOH溶剤を用いて脱水実験を行ったものであるが、これと同様の趣旨で、実施例1〜3の各実施例における含水IPA溶剤に代えて含水メチルエチルケトン溶剤を用いて脱水実験を行い、それぞれ実施例12、実施例13、実施例14とした。なお、以下において、メチルエチルケトンを「MEK」と称する。
実施例12〜14に係る含水MEK溶剤の脱水実験の操作条件と結果が表4−1および表4−2に示されている。
Figure 2009095710
上記の表に示される結果から明らかなように、パージ用物質のリサイクル使用1回目の実施例13においてはパージ用物質中のMEK濃度が0.6wt%、水分濃度が0wt%であり、パージ用物質のリサイクル使用2回目の実施例14においてはパージ用物質中のMEK濃度が0.6wt%、水分濃度が0wt%であり、リサイクル回数が増えてもパージ用物質(ヘプタン)中に溶剤(MEK)および水が殆ど蓄積しない。これは、溶剤が、水に対する溶解性が大きいMEKの場合には、パージ用物質を何回でもリサイクル使用することができることを示している。
(比較例2、比較例3、比較例4)
実施例6〜8は、実施例1〜3の各実施例における含水IPA溶剤に代えて含水EtOH溶剤を用いて脱水実験を行ったものであるが、これと同様の趣旨で、実施例1〜3の各実施例における含水IPA溶剤に代えて酢酸エチルを用いて脱水実験を行い、それぞれ比較例2、比較例3、比較例4とした。
比較例2〜4に係る含水酢酸エチル溶剤の脱水実験の操作条件と結果が表5−1および表5−2に示されている。
Figure 2009095710
上記の表に示される結果から明らかなように、膜モジュールの低圧側においてヘプタンによる強制パージを行っているため、含水酢酸エチル溶剤の試薬グレードへの高脱水濃縮は可能である(表5−1中の製品酢酸エチル欄を参照:水分濃度1000ppm以下)。しかしながら、パージ用物質のリサイクル使用1回目の比較例3においてはパージ用物質中の酢酸エチル濃度が1.9wt%であるのに対し、パージ用物質のリサイクル使用2回目の比較例4においてはパージ用物質中の酢酸エチル濃度が3.8wt%であり、リサイクル回数が増えるとパージ用物質(ヘプタン)中に溶剤(酢酸エチル)が蓄積する。これは、溶剤が、水に対する溶解性が小さい酢酸エチルの場合には、パージ用物質をある程度リサイクル使用すると、蒸留分離等により酢酸エチルを分離する必要があることを示している。
以上、本発明の含水溶剤の脱水精製方法および水相液の浄化方法について、一実施形態および複数の実施例に基づいて説明したが、本発明は上記実施形態および実施例に記載した構成に限定されるものではなく、その趣旨を逸脱しない範囲において適宜その構成を変更することができるものである。
本発明の一実施形態に係る含水溶剤の脱水精製システムの概略構成図 水相液の浄化処理の説明図
符号の説明
1 脱水精製システム
2 含水溶剤蒸発器
3 膜分離装置
4 パージ用物質蒸発器
5 溶剤タンク
6 受器
10 分離膜
11 分離膜高圧側室
12 分離膜低圧側室
20 含水溶剤蒸気過熱器
21 パージ用物質蒸気過熱器
22 分離膜高圧側蒸気凝縮器
23 分離膜低圧側蒸気凝縮器
25 真空ポンプ
27 油相液抜出用ポンプ
29 水相液抜出用ポンプ

Claims (4)

  1. 含水溶剤を蒸発させて含水溶剤蒸気を発生させる含水溶剤蒸発処理と、
    水と相分離するパージ用物質を蒸発させてパージ用物質蒸気を発生させるパージ用物質蒸発処理と、
    前記含水溶剤蒸発処理によって発生された含水溶剤蒸気を分離膜の高圧側に供給するとともに、前記パージ用物質蒸発処理によって発生されたパージ用物質蒸気を分離膜の低圧側に供給して、分離膜の高圧側に存在する水蒸気を選択的に分離膜の低圧側に透過させる脱水処理と、
    前記分離膜の低圧側に透過した透過蒸気および前記分離膜の低圧側に供給されたパージ用物質蒸気の混合蒸気を凝縮する分離膜低圧側蒸気凝縮処理と、
    前記分離膜低圧側蒸気凝縮処理によって得られた凝縮液を水相および油相に分離する水相・油相分離処理と
    を含むことを特徴とする含水溶剤の脱水精製方法。
  2. 前記含水溶剤蒸発処理によって発生された含水溶剤蒸気を分離膜の高圧側に供給する前にその含水溶剤蒸気を過熱する含水溶剤蒸気過熱処理と、前記パージ用物質蒸発処理によって発生されたパージ用物質蒸気を分離膜の低圧側に供給する前にそのパージ用物質蒸気を過熱するパージ用物質蒸気過熱処理とが含まれる請求項1に記載の含水溶剤の脱水精製方法。
  3. 前記含水溶剤が、イソプロピルアルコール水溶液、1−プロピルアルコール水溶液、エタノール水溶液、アセトン水溶液およびメチルエチルケトン水溶液からなる群より選択される一の有機物水溶液であり、前記パージ用物質が、ヘキサン、シクロヘキサン、ヘプタンおよびイソオクタンからなる群より選択される一の炭化水素系物質である請求項1または2に記載の含水溶剤の脱水精製方法。
  4. 請求項1〜3のいずれかに記載の含水溶剤の脱水精製方法により生じた水相液を浄化する水相液の浄化方法であって、
    該水相液を蒸発させて水相液蒸気を発生させる水相液蒸発処理と、
    前記水相液蒸発処理によって発生された水相液蒸気を分離膜の高圧側に供給する一方で、分離膜の低圧側を減圧手段により減圧して、分離膜の高圧側に存在する水蒸気を選択的に分離膜の低圧側に透過させる脱水処理と、
    前記分離膜の低圧側に透過した透過蒸気を凝縮する分離膜低圧側蒸気凝縮処理と
    を含むことを特徴とする水相液の浄化方法。
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