JP2009095597A - 車両用シートのサイドサポート - Google Patents

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Abstract

【課題】サイドサポートの支持性能を向上させるとともに、その内部を有効利用することにある。
【解決手段】車両用シート2のサイドサポート20は、可撓性を有する板状部材で構成されており、曲折状とされて車両用シート2側部のシートフレーム10に着脱自在に取付け可能であり、サイドサポート20一端を、シートフレーム10前部側に取付けるための第一取付け部24と、サイドサポート2一端側を着座面(ネット体60にて構成)に対して膨出状としたのち、サイドサポート20を途中で曲折可能なヒンジ部26と、一端側とは異なるサイドサポート2他端を、前記前部側とは異なるシートフレーム10後部側に取付けるための第二取付け部28とを備える。
【選択図】図2

Description

本発明は、乗員の着座面をネット体で構成した車両用シート(ネットシートとも呼ぶ)のサイドサポートに関する。
この種のネットシートとして、特許文献1に記載のネットシートが公知である。このネットシートは、乗員の着座面を構成するネット体(典型的には織物製)が横断面凹曲面状とされて、シート骨格をなすシートフレームを覆う構成である。
そしてネットシートのシートバック中央部(ネット体を凹状に張設)が乗員の着座面とされる一方、シートバックの車両幅方向の側部(ネット体を凸状に張設)が乗員を側方から支持するサイドサポートとして機能する。
上述のサイドサポート(シートバック側部)は、その骨格をなして車両前側に張り出す一対の平板状のバックフレームと、このバックフレームに横断面山形状に張設されて着座面に対して膨出するネット体とを有する。そしてサイドサポートは、バックフレームとネット体の間に隙間を設けることで、ネット体に乗員を接触させる一方、バックフレームに乗員を接触させない構成である(特許文献1の明細書の段落[0024]を参照)。
すなわち上述のサイドサポートは、バックフレームの感触によって乗員の違和感が生じないよう、ネット体の伸び(張力)によって乗員を支持するものである。
特開2002−28044号公報
しかしながら上述のサイドサポートは、上述のように乗員の乗り心地を優先した結果、バックフレームによって乗員を直接支持しない(支持性能が比較的劣る)ため、例えば車両走行時における乗員の横滑りを満足に支持できないものであった。
ところで一般的な車両用シートのサイドサポートでは、乗員の安全確保のためにエアバック等のアタッチメントを設けることがある。しかし一般的なネットシートは、サイドサポート表面がネット体で構成されているため、エアバック等の取付け作業が煩雑となりがちである。例えば特許文献1のサイドサポートにエアバックを配設するには、サイドサポート表面のネット体をウレタンパッド材で被覆したのち、このウレタンパッド材に凹部を設けてエアバックを収納する必要がある。
本発明は上述の点に鑑みて創案されたものであり、本発明が解決しようとする課題は、サイドサポートの支持性能を向上させるとともに、その内部を有効利用することにある。
上記課題を解決するための手段として、第1発明の車両用シートのサイドサポートは、可撓性を有する板状部材で構成されており、後述の通り、曲折状とされて車両用シート側部のシートフレーム(バックフレーム)に着脱自在に取付け可能である。このサイドサポートは、乗員の着座面を構成するネット体とは異なる板状部材で構成されているため、ネット体の伸び(張力)に頼ることなく乗員を側方から支持することができる。
そして本発明のサイドサポート(可撓性を有する板状部材)は、その一端に設けた第一取付け部と、サイドサポート一端側を着座面に対して膨出状としたのち、サイドサポートを途中で曲折可能なヒンジ部と、前記一端側とは異なる他端に設けた第二取付け部とを備える。このサイドサポートの一端を、第一取付け部によってシートフレーム前部側(着座面が構成される側)に取付ける。そして一端側のサイドサポートを湾曲させて(又は折曲げて)着座面に対して膨出状としたのち、サイドサポート途中のヒンジ部で曲折して、第二取付け部によってサイドサポートの他端をシートフレーム後部側に取付ける。
上述のように本発明のサイドサポートは、曲折状とされてシートフレームに着脱自在に取付けることができるので、サイドサポートの取付け作業が容易である。またサイドサポートをシートフレームに取付けるだけで、サイドサポート裏面とシートフレームの間にアタッチメント(例えばエアバック)を収納可能な空間が自然に形成される(サイドサポート内を収納空間として有効利用できる)。
そして第2発明の車両用シートのサイドサポートは、第1発明に記載の車両用シートのサイドサポートであって、曲折状のサイドサポート内(サイドサポートとシートフレームの間の空間内)にエアバックを収納したものである。このエアバックは予めシートフレームに取付けてあることが好ましい。そうするとサイドサポートをシートフレームに取付けることで、同時にサイドサポート内にエアバックを収納できる。
そして本発明のサイドサポートは、例えば車両衝突(側突)時にエアバックが膨張することで、サイドサポートの膨出状部位がその裂割溝より裂け割れして、サイドサポートの膨出方向(サイドサポートの着座面側)にエアバックが飛び出す構成である。
そして第3発明の車両用シートのサイドサポートは、第1発明又は第2発明に記載の車両用シートのサイドサポートであって、膨出状部位(専ら乗員が接触する部位)が、乗員の当接圧力により弾性変形可能な柔軟性を備えるエラストマで構成されているため触り心地が良いものとなる。
一方、膨出状部位とは異なるサイドサポートの部位(例えばサイドサポート他端側の第二取付け部)はエラストマよりも硬い樹脂で構成されているため丈夫なものとなる。さらに、第二取付け部(樹脂製)が適度な硬さを有することで、ボルト止め等の物理的固定手段によってサイドサポート他端側をシートフレームに安定して取付けることができる。
本発明の第1発明のサイドサポートは、優れた支持性能を有し、その内部を有効利用することができる。そして第2発明のサイドサポートは、エアバックを簡単に取付けることができて、高い安全性を有する。そして第3発明のサイドサポートは、優れた感触を有し、且つ高い取付け強度を有する。
以下、本発明を実施するための最良の形態を、図1〜図5を参照しつつ説明する。図1及び図2は実施例1であり、図3は実施例2であり、図4及び図5は実施例3である。なお図2、3及び5では、前後方向を分かりやすくするため、ネットシート前方に符号Fを付すとともに、ネットシート後方に符号Bを付す。
[実施例1]
本実施例の車両用シート(以下、ネットシート2と呼ぶ)は、図1を参照して、シートクッション4とシートバック6とシートヘッドレスト8を備えており、これら構成部材の乗員着座面がネット体60で構成されている。このネット体60(典型的には網目状の織物)は、ネットシート2の骨格をなすシートフレームに固定されている。例えばシートバック6のネット体60は、シートバック6の骨格をなす後述のバックフレーム10に固定されている。
そしてネットシート2は、後述するバックフレーム10に着脱自在に取付けられたサイドサポート20によって、ネット体60の伸び(張力)に頼ることなく、乗員の腰部や肩部を側方から支持する構成である。以下、各構成要素について説明する。
(バックフレーム)
シートバック6の骨格をなすシートフレーム(典型的にはマグネシウム等の金属製枠体)両側部は、図1を参照して、シート前方に張り出す一対の板状フレーム体(バックフレーム10)で構成されている。
本実施例のバックフレーム10は、図2を参照して横断面が略逆S字状である。すなわち前方F側(着座面側)のバックフレーム10前端が、シート側方(外向き)に向けて折返されている(第一折返し部12が形成されている)。この第一折返し部12に、上述のネット体60側縁が曲折状に固定されている。一方、後方B側のバックフレーム10後端は、シート内方(内向き)に向けて若干大きく湾曲して折返されている(第二折返し部16が形成されている)。
そしてバックフレーム10は、第一折返し部12と第二折返し部16とを横断面ほぼ平面状の側部面14でもって連結する構成である。この側部面14後側には、後述するようにサイドサポート20を取付けるための第一ボルト孔18が設けてある。
(サイドサポート)
本実施例のサイドサポート20本体は、図2(破線で示す状態)を参照して、可撓性を有する板状部材(後述するようにエラストマと樹脂の二色成形品)で構成されている。
そしてサイドサポート20は、その一端に設けた第一係合部24(「第一取付け部」に相当)と、サイドサポート20を途中で曲折可能なヒンジ部26と、前記一端側とは異なる他端に設けた屈曲部28(「第二取付け部」の一例)とを備える。
本実施例の第一係合部24は、サイドサポート20の一端を外向きに折返して構成されている。この第一係合部24は、後述の通りサイドサポート20を内向きに湾曲させることで上記第一折返し部12(バックフレーム10前端)に係合可能である。
一方、屈曲部28は、サイドサポート20他端を角度θ(ほぼ90°)で内折りして形成されている。この屈曲部28は、後述するようにサイドサポート20を曲折状させたときに、バックフレーム10の側部面14(「バックフレーム後部側」の一例)に面接触することができる。そして屈曲部28には、側部面14との面接触時において、丁度側部面14の第一ボルト孔18と重なるような配置位置に第二ボルト孔29が設けてある。
そしてサイドサポート20一端の第一係合部24(折返し端)を、バックフレーム10の第一折返し部12(凹状部分)に嵌込み係り合わせて、バックフレーム10前部側に取付ける。そしてサイドサポート20一端側を湾曲させて着座面に対して膨出状とした(膨出状部位22を形成した)のち、サイドサポート20途中のヒンジ部26で曲折させる。なお本実施例では、サイドサポート20一端側が途中で若干内向きに湾曲しており、膨出状にさせやすい形状となっている。
つぎにサイドサポート20他端をバックフレーム10後部側に取付ける。本実施例では、サイドサポート20の屈曲部28とバックフレーム10の側部面14を面接触させて、両部材のボルト孔18,29にボルト32を挿通する。このボルト32をナット(図示しない)で締め付けることで、サイドサポート20を引き締めて外形形状を整えつつ、サイドサポート20他端をバックフレーム10後部側に取付ける。
このようにサイドサポート20は、曲折状とされてバックフレーム10に着脱自在に取付けることができるので、サイドサポート20の取付け作業が容易である。またサイドサポート20によれば、サイドサポート20裏面とバックフレーム10の間にアタッチメント(例えば実施例3のエアバック)を収納可能な空間部25が自然に形成される。
(サイドサポートの材質)
そしてサイドサポート20は、上述の通りエラストマと樹脂の二色成形品である。
本実施例では、一端側のサイドサポート20部分(例えば膨出状部位22)が、乗員の当接圧力により弾性変形可能な柔軟性を備えるエラストマで構成されている。そして、膨出状部位22(専ら乗員が接触する部位)をエラストマ製とすることで、サイドサポート20の触り心地が良いものとなる。
一方、ヒンジ部26より他端側のサイドサポート20部分(膨出状部位22とは異なるサイドサポート20の部位)は、上述のエラストマよりも硬い樹脂で構成されており丈夫である。そして樹脂製の屈曲部28(ボルト止め部位)が適度な硬さを有することで、上述のボルト止めによって、サイドサポート20他端側をバックフレーム10に安定して取付けることができる。
さらに二色成形品のサイドサポート20は、例えば成形時においてシボ加工を施す等により所望の意匠性を付与することができるため、特に意匠性向上のための表皮材で覆う必要がない。すなわち、エラストマと樹脂にて構成のサイドサポート20は、表皮材を使用しないため軽量であるとともに、例えば生分解性のエラストマや樹脂を用いることでリサイクル性に優れたものとなる。
ところで「エラストマ」とは、ゴム弾性を有する高分子であって、乗員の当接圧力により弾性変形可能な柔軟性を備えておればよい。このようなエラストマとして、例えば、スチレン系エラストマ(SBC),オレフィン系エラストマ(TPO),ポリ塩化ビニル系エラストマ(TPVC),ウレタン系エラストマ(TPU),ポリエステル系エラストマ(TPEE),ポリアミド系エラストマ(TPAE)を例示できる。上述のエラストマのうち生分解性を備えるエラストマ(例えば、ウレタン系エラストマやポリエステル系エラストマ)がサイドサポート20の材質として好ましい。
一方「樹脂」は、上述のエラストマよりも硬い樹脂であればよく、好ましくはボルト止め可能な硬度を有する樹脂である。このような樹脂として、例えば、エポキシ樹脂,フェノール樹脂,メラミン樹脂,ユリア樹脂,不飽和ポリエステル樹脂,アルキド樹脂,ポリウレタン樹脂,熱硬化性ポリイミド樹脂等の「熱硬化性樹脂」や、ポリエチレン樹脂,ポリプロピレン樹脂,ナイロン樹脂,ポレプチレンテレフタレート樹脂,ポリミクロ息しレンジメチレンテレフタレート樹脂,ポリオキシレン樹脂,液晶ポリエステル樹脂,ポリフェニルスルフィド樹脂,ポリエーテルエーテルケトン樹脂等の「熱可塑性樹脂」を例示できる。上記樹脂のうち、例えば、ポリ乳酸樹脂,ポリカプロラクトン又はポリブチレンサクシネート等の生分解性樹脂がサイドサポート20の材質として好ましい。
以上説明したとおり、本実施例のネットシート2は、サイドサポート20がネット体60とは異なる別部材で構成されているため、ネット体60の伸び(張力)に頼ることなく、サイドサポート20の膨出状部位22(エラストマ製)で乗員を側方から支持することができる。
また取付け時のサイドサポート20の空間部25は、収納部としての機能するとともに、いわゆる側突時における乗員の押圧によって潰れて、そのまま側突時の乗員の横移動を許容する移動空間となる。このためサイドサポート20は、側突時の衝撃による乗員の横移動を許容して側突衝撃を緩和する点で安全性がより高められた構造でもある。
[実施例2]
実施例2のネットシート2A及びサイドサポート20Aの基本構造は、実施例1とほぼ同一であるため、共通の構造等については対応する符号を付すことで詳細な説明を省略する。
そして本実施例のサイドサポート20Aは、図3を参照して、より取付け作業の容易な構成を備える。すなわちサイドサポート20Aは、第二係合部30(「第二取付け部」の他例)と、リブ片40,42を備える点に特徴を有する。
本実施例の第二係合部30は、サイドサポート20A他端を内向きに曲折して構成されている。そして第二係合部30の先端には、上記第二折返し部16(「シートフレーム後部側」の他例)に係合可能な鉤状の係合爪31が設けてある。
(リブ片)
サイドサポート20A裏面には、二種類のリブ片40,42がヒンジ部26を挟んで立設して配設されている。これら両リブ片40,42は、各々、車両高さ方向(図1で見て上下方向)に並列して複数配設されている。
そして本実施例のリブ片40,42は、曲折状のサイドサポート20Aを横断する大きさ設定とされて、後述するとおりサイドサポート20Aの外形形状を内部から支持する部材である。そして前方F側に設けたリブ片40は、サイドサポート20Aの膨出状部位22を支持するものであり、後方B側に設けたリブ片42よりも車両前後方向に比較的幅広な形状とされている。
なおリブ片40,42の形状は適宜変更することができる。例えばリブ片40,42は、サイドサポート20Aの空間部25にアタッチメントが収納される場合、このアタッチメントとぶつからないよう適宜一部を切欠いた切欠き形状とされる(図5を参照)。
そしてサイドサポート20A一端の第一係合部24を、バックフレームの第一折返し部12に嵌め込み係り合わせてバックフレーム10前部側に取付ける。そしてサイドサポート20A一端側を湾曲させて着座面に対して膨出状としたのち(膨出状部位22を形成したのち)、サイドサポート20途中のヒンジ部26で曲折させる。
つぎにサイドサポート20A他端をバックフレーム10後部側に取付けるのであるが、本実施例では、第二係合部30の係合爪31を第二折返し部16の裏側に係り止めることで、サイドサポート20A他端側をバックフレーム10後部側に取付ける。このとき、サイドサポート20A裏面に立設したリブ片40,42が、バックフレーム10の側部面14に当接してサイドサポート20A外形形状を支持する。このためサイドサポート20Aによれば、特にボルト止めなどでサイドサポート20Aを引き締めなくとも、サイドサポート20Aを安定した外形形状とすることができる。
このように本実施例のサイドサポート20Aは、第一係合部24と第二係合部30の係り止めによってバックフレーム10に取付けることができるため、ボルト止めする必要がなく取付け作業がより容易である。
そして本実施例のリブ片40,42は、サイドサポート20Aの外形形状を支持するとともに、側突時の乗員にかかる衝撃荷重を支持してその衝突エネルギを吸収する機能を備える。このため本実施例のサイドサポート20Aにおいても、側突時の衝撃を積極的にリブ片40,42によって吸収する点で安全性がより高められている。
[実施例3]
実施例3のネットシート2B及びサイドサポート20Bの基本構造は、実施例1又は2とほぼ同一であるため、共通の構造等については対応する符号を付すことで詳細な説明を省略する。
そして本実施例のサイドサポート20Bは、図4及び図5を参照して、エアバック50を装備することにより、さらに安全性を高めた構成を備える。なおサイドサポート20B裏面後側にはリブ片44が設けてあるが、後述するエアバック50の収納を邪魔しないよう、リブ片44一部を切欠いてエアバック50に干渉しないような切欠き形状としてある。そしてサイドサポート20Bの膨出状部位22前側には、後述のエアバック50の膨張圧力により裂け割れする裂割溝36が設けてある。
(エアバック)
そして本実施例のエアバック50(通常時は萎縮状態)は、図4を参照して、バックフレーム10にブラケット52でもって予め取付けてある。このため上述のようにサイドサポート20Bをバックフレーム10に取付けるだけで、サイドサポート20B内(空間部25)にエアバック50を収納することができる。
なおエアバック50は、ネットシート2Bに設けた図示しないエア供給手段に通じており、車両衝突時の衝撃を図示しないセンサが感知するとエア供給手段のエアによって膨張する構成である。
そして実施例のサイドサポート20Bでは、図5(二点破線状態)を参照して、車両衝突時等の衝撃によりエアバック50が膨張すると、サイドサポート20Bの膨出状部位22に設けてある裂割溝36が裂割れして、サイドサポート20B前方(サイドサポート20Bの膨出方向)に向けてエアバック50が膨出する。本実施例では、裂割溝36で裂け割れした一端側のサイドサポート20B部分がヒンジ部26を回動中心として外方に向けて回転し、サイドサポート20B内のエアバック50がよりスムーズに外部に膨出する。
このように本実施例のサイドサポート20Bによれば、膨出したエアバック50によって、側突時の衝撃をより積極的に弾性吸収するので安全性がさらに高められる。
本実施形態のネットシート及びサイドサポートは、上述した実施例に限定されるものではなく、その他各種の実施形態を取り得る。
(1)すなわち本実施例2では、サイドサポート内部にリブ片を設けた例を説明した。これとは異なり、各実施例において、リブ片の代わりに(又はリブ片とともに)パッド材をサイドサポート内に設けてその外形形状をより確実に支持する構成としてもよい。
(2)また本実施例では、専らシートバックの幅方向両側に設けられて、専ら着座者の腰部を側方から支持する腰部用のサイドサポートを例示して説明した。これとは異なり、シートクッションの幅方向両側に設けられて、着座者の大腿部を側方から支持可能な大腿部用のサイドサポートであっても本実施例の構成を適用できるものである。
(3)また本実施例では、横断面略S字状のバックフレームに取付けるサイドサポートの例を説明した。本実施例のサイドサポートは、各種形状のバックフレームに取付け可能なものである。すなわちバックフレームの形状に併せて、第一係合部、屈曲部及び第二係合部などの各種取付け部を適宜選択してサイドサポートに設けることができる。
(4)また本実施例では、一端側のサイドサポートを湾曲させて膨出状部位を形成した例を説明した。これとは異なり、一端側のサイドサポートを折曲げて着座面に対して膨出状として、角部を備える膨出状部位を形成してもよい。
(5)また本実施例では、バックフレームに対する第二取付け部(樹脂製)の固定手段としてボルト止めを例示したが、その他にビス止めやクリップ止めなどの各種物理的固定手段を使用することが可能である。
(6)また本実施例のネット体は、少なくとも乗員の着座面がネット素材で形成されていればよい。すなわちネット体の着座面以外の部分は、ネット素材で構成されていてもよく、ネット素材とは異なる素材の表皮材で構成されていてもよい。
実施例1の車両用シートの斜視図である。 図1のII−II線横断面図である。 実施例2の一部横断面図である。 実施例3の車両用シートの一部分解斜視図である。 図4のV−V線横断面図である。
符号の説明
2 ネットシート
4 シートバック
10 バックフレーム
12 第一折返し部(シートフレーム前部側)
14 側部面(シートフレーム後部側の一例)
16 第二折返し部(シートフレーム後部側の他例)
20 サイドサポート
22 膨出状部位
24 第一係合部(第一取付け部)
25 空間部
26 ヒンジ部
28 屈曲部(第二取付け部の一例)
30 第二係合部(第二取付け部の他例)
36 裂割溝
50 エアバック
52 ブラケット
60 ネット体

Claims (3)

  1. 乗員の着座面をネット体で構成した車両用シートに設けられて、前記乗員を側方から支持するサイドサポートであって、
    前記サイドサポートは、可撓性を有する板状部材で構成されており、曲折状とされて前記車両用シート側部のシートフレームに着脱自在に取付け可能であり、
    前記サイドサポート一端を、前記シートフレーム前部側に取付けるための第一取付け部と、
    前記サイドサポート一端側を前記着座面に対して膨出状としたのち、前記サイドサポートの途中で曲折可能なヒンジ部と、
    前記一端側とは異なる前記サイドサポート他端を、前記前部側とは異なるシートフレーム後部側に取付けるための第二取付け部とを備える車両用シートのサイドサポート。
  2. 前記曲折状のサイドサポート内にエアバックが収納されており、前記エアバックの膨張によって前記サイドサポートの膨出状部位が、その裂割溝から裂け割れする構成である請求項1に記載の車両用シートのサイドサポート。
  3. 前記膨出状部位は、乗員の当接圧力により弾性変形可能な柔軟性を備えるエラストマで構成されており、
    前記膨出状部位とは異なるサイドサポートの部位は、前記エラストマよりも硬い樹脂で構成されている請求項1又は請求項2に記載の車両用シートのサイドサポート。
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