JP2009093951A - 封着パネルの製造方法及びそれを用いたプラズマディスプレイパネルの製造方法 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】背面基板2の内面に、紫外線硬化性樹脂からなる封着材20を塗布する塗布工程と、封着材20の内部に未硬化部分を残しつつ封着材20の少なくとも表面を硬化させるアッシング工程(仮硬化工程)と、背面基板2の内面に前面基板1を貼り合わせる封着工程と、を備え、アッシング工程では、背面基板2の内面側にプラズマアッシングを行い、このプラズマアッシング時に放出される紫外線により封着材20の少なくとも表面を硬化させて仮硬化膜20aを形成することを特徴とする。
【選択図】図5
Description
PDPは、前面基板と背面基板とが封着材を介して貼り合わされ、内部に放電ガスが封入されたものである。PDPとして、前面基板に維持電極および走査電極が形成され、背面基板にアドレス電極が形成された3電極面放電型が主流となっている。走査電極とアドレス電極との間に電圧を印加して放電を発生させると、封入された放電ガスがプラズマ化して紫外線が放出される。この紫外線により、背面基板に形成された蛍光体が励起されて、可視光が放出されるようになっている。
一方、封着材として樹脂材料を採用すると、パネル封着時の加熱により、樹脂材料自体または樹脂材料に含まれる水分や不純物ガスが、パネル内部に放出される虞がある。
そこで、例えば特許文献1に示すように、各基板を封着する封着材として紫外線硬化性樹脂材料を用いる技術が提案されている。この構成によれば、紫外線照射によって両基板を封着することが可能になり、封着時の高温加熱が必要なくなるため、封着材からの水分や不純物ガスの放出を低減させた上で、パネルの製造時間を短縮することができるとされている。
この構成によれば、紫外線照射を行い封着材の少なくとも表面を硬化させることで、その内部に封着材の未硬化部分が閉じ込められることとなり、封着前に封着材自体または封着材中に含まれる水分や不純物ガスが放出されることを防ぐことができる。したがって、水分や不純物ガス等により室内や両基板が汚染されることを防ぐことができる。なお封着工程では、封着材の内部に閉じ込められた未硬化部分により第1基板と第2基板とを封着することができる。また上述したように、封着材に紫外線硬化性樹脂を用いることで、封着時の高温加熱が必要なくなるため、封着後のエージング時間を大幅に短縮することができる。したがって、スループット向上および省エネルギーを実現することができる。
この構成によれば、プラズマ処理時に放出される紫外線により、封着材の少なくとも表面を硬化させることで、その内部に封着材の未硬化部分が閉じ込められることとなり、封着前に封着材自体または封着材中に含まれる水分や不純物ガスが放出されることを防ぐことができる。したがって、水分や不純物ガス等により室内や両基板が汚染されることを防ぐことができる。なお封着工程では、封着材の内部に閉じ込められた未硬化部分により第1基板と第2基板とを封着することができる。また上述したように、封着材に紫外線硬化性樹脂を用いることで、封着時の高温加熱が必要なくなるため、封着後のエージング時間を大幅に短縮することができる。
加えて、第2基板をプラズマ処理するため、封着材の仮硬化前に封着材自体または封着材中に含まれる水分や不純物ガスが放出された場合であっても、その水分や不純物ガス等による室内や第2基板の汚染を同時に除去することができる。したがって、封着後のエージング時間を大幅に短縮することができるため、スループット向上および省エネルギーを実現することができる。
この構成によれば、プラズマ処理として酸素ガスを導入した酸素プラズマアッシングを行うことで、励起された酸素により封着材から放出される水分や不純物ガス等を酸化させ、例えば各基板上や室内の汚染を効率的に除去することができる。
この構成によれば、スループット向上および省エネルギーを実現した低コストなプラズマディスプレイパネルを製造することができる。
なお、本明細書において基板の「内面」とは、当該基板の両表面のうち、当該基板と対をなす基板との対向面をいうものとする。
(プラズマディスプレイパネル)
図1は、3電極AC型プラズマディスプレイパネルの分解斜視図である。このプラズマディスプレイパネル(以下「PDP」という。)100は、対向配置された背面基板2および前面基板1と、両基板1,2の間に形成された複数の放電室16とを備えている。
そのアドレス電極11を覆うように、誘電体層19が形成されている。また、隣接するアドレス電極11の間における誘電体層19の上面には、アドレス電極11と平行に隔壁(リブ)15が形成されている。さらに、隣接する隔壁15の間における誘電体層19の上面および隔壁15の側面に、蛍光体17が配設されている。この蛍光体17は、赤、緑、青の何れかの蛍光を発光するものである。
図2(b)は、図2(a)のA−A線における側面断面図である。図2(b)に示すように、前面基板1と背面基板2とが貼り合わされることにより、隣接する隔壁15の間に放電室16が形成されている。この放電室16の内部には、NeおよびXeの混合ガス等の放電ガスが封入されている。
上述した封着材20の材料として、水分や不純物ガスの放出が少なく、パネル貼り合わせ強度を確保することが可能な材料を採用する必要がある。このような材料として、本実施形態では封着時に加熱を必要とせず、常温下で紫外線を照射することにより粘度が向上して硬化する紫外線硬化性樹脂を用いている。この紫外線硬化性樹脂として、エポキシ材料等が好適に用いられる。
次に、本発明の封着パネルの製造方法として、PDPの製造方法について説明する。図3は、第1実施形態に係るPDPの製造方法のフローチャートである。PDPの製造工程は、パネル工程(S50)と、モジュール・セット工程(S52)との2つに大きく分けられる。そのパネル工程(S50)は、前面基板工程(S60)と、背面基板工程(S70)と、パネル化工程(S80)との3つに分けられる。
図5は、本実施形態の封着方法を示す工程図である。なお、図5においては、説明を分かり易くするため、各基板1,2上に形成される電極や保護膜等を省略し、各基板1,2と封着材20のみを示す。
まず、図5(a)に示すように、背面基板2の内面に封着材20を塗布する(塗布工程)。具体的には、ニードルディスペンス法やスクリーン印刷法等により、硬化前の紫外線硬化性樹脂を背面基板2の周縁部に連続的に塗布していく。
ここで、仮硬化膜20aは、少なくとも封着材20の表面全面が硬化して封着材20の液状体が溢れ出ない程度の厚さに形成することが好ましい。
プラズマアッシング後に、アッシング室78内を1×10−4Pa以下程度まで減圧して、アッシング室78内に残存する水分や不純物ガス等を除去する。
この時、図5(c)に示すように、両基板1,2を重ね合わせることで、上述した仮硬化膜20a内に閉じ込められた封着材20の液状体が、例えば仮硬化膜20aの縁から溢れ出る。溢れ出た封着材20の液状体は、まず背面基板2の内面の周縁部に濡れ広がり、前面基板1の周縁部に付着する。
なお、Vf1は第1セルの放電開始電圧であり、Vfnは最終セルの放電開始電圧である。また、Vs1は第1セルの放電維持電圧であり、Vsnは最終セルの放電維持電圧である。
これは、5時間の真空排気により封着材内から放出されて室内や背面基板に付着した水分や不純物ガス等が、酸素プラズマアッシングにより除去されたからであると考えられる。また、酸素プラズマアッシング時に放出される紫外線により封着材の表面が仮硬化され、封着材の液状体が仮硬化膜によって内部に閉じ込められたため、封着前における水分や不純物ガス等の放出が抑制されたからであると考えられる。
この構成によれば、仮硬化工程において、酸素プラズマアッシング時に放出される紫外線により、封着材20の少なくとも表面を硬化させて仮硬化膜20aを形成することで、その内部に封着材20の未硬化部分が液状体として閉じ込められることとなり、封着前に封着材20自体または封着材20中に含まれる水分や不純物ガスが放出されることを防ぐことができる。したがって、製造中に水分や不純物ガス等により室内や両基板1,2が汚染されることを防ぐことができる。なお封着工程では、仮硬化膜20aの内部に閉じ込められた封着材20の液状体が溢れ出すことにより前面基板1と背面基板2とを封着することができる。
また、封着材20に紫外線硬化性樹脂を用いることで、封着時の高温加熱が必要なくなるため、封着後のエージング時間を大幅に短縮することができる。
次に、本発明の第2実施形態について説明する。図9は、第2実施形態に係るPDPの製造方法のフローチャートである。
上述の第1実施形態においては、プラズマアッシング時に放出される紫外線により封着材の表面を仮硬化させたが、第2実施形態では、プラズマアッシングを行うことなく紫外線照射することにより封着材を仮硬化させる点で相違している。なお、第1実施形態と同様の部分については、その詳細な説明を省略する。
この構成によれば、上述の第1実施形態と同様の効果を奏することに加え、背面基板2を製造装置50に搬入する前に封着材20の表面を仮硬化させるため、封着材20の液状体が内部に閉じ込められた状態で背面基板2が製造装置50に搬入されることとなる。そのため、製造装置50の背面板仕込室76内で真空排気を行っても、封着材20自体または封着材20中に含まれる水分や不純物ガス等が、背面板仕込室76内に放出されることを防ぐことができる。したがって、水分や不純物ガス等により製造装置50の室内や両基板1,2が汚染されることを防ぐことができる。
Claims (4)
- 第1基板および第2基板が、封着材を介して貼り合わされた封着パネルの製造方法であって、
前記第2基板における前記第1基板との対向面に、紫外線硬化性樹脂からなる前記封着材を塗布する塗布工程と、
前記封着材の内部に未硬化部分を残しつつ、前記封着材の少なくとも表面を硬化させる仮硬化工程と、
前記第2基板の前記対向面に前記第1基板を貼り合わせる封着工程と、を備え、
前記仮硬化工程では、前記第2基板の前記対向面側から紫外線照射を行い前記封着材の少なくとも表面を硬化させることを特徴とする封着パネルの製造方法。 - 第1基板および第2基板が、封着材を介して貼り合わされた封着パネルの製造方法であって、
前記第2基板における前記第1基板との対向面に、紫外線硬化性樹脂からなる前記封着材を塗布する塗布工程と、
前記封着材の内部に未硬化部分を残しつつ、前記封着材の少なくとも表面を硬化させる仮硬化工程と、
前記第2基板の前記対向面に前記第1基板を貼り合わせる封着工程と、を備え、
前記仮硬化工程では、前記第2基板をプラズマ処理し、このプラズマ処理時に放出される紫外線により前記封着材の少なくとも表面を硬化させることを特徴とする封着パネルの製造方法。 - 前記プラズマ処理は、酸素ガスを導入して行う酸素プラズマアッシングであることを特徴とする請求項2記載の封着パネルの製造方法。
- 請求項1ないし請求項3のいずれか1項に記載の封着パネルの製造方法を用いたことを特徴とするプラズマディスプレイパネルの製造方法。
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