JP2009092263A - バーナ及び耐火物構造体の内壁加熱方法 - Google Patents

バーナ及び耐火物構造体の内壁加熱方法 Download PDF

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Yoshihiko Otani
吉彦 大谷
Kenichi Akaha
健一 赤羽
Atsushi Kurosawa
淳志 黒澤
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Abstract

【課題】バーナ内に挿入した熱電対で正確な温度測定が行えるようにする。
【解決手段】耐火物構造体の内壁を加熱するバーナ1である。バーナ先端部における燃料ガス又は燃焼用空気の通過部で、火炎と接触しない位置の内壁に、ガイドパイプ5を取り付ける。このガイドパイプ5内に、燃料ガスと燃焼用空気の混合部に先端部が位置するように熱電対6を通して固定する。熱電対6をガイドパイプ5で固定した状態でバーナ1を燃焼させて加熱する。
【効果】ガイドパイプを設けて熱電対をバーナに固定することで、熱電対をより安定させた状態で温度測定することが可能となるので、より確実で迅速に燃焼中の失火を検知することができる。
【選択図】図1

Description

本発明は、耐火物構造体の内壁を加熱するバーナ、及びこのバーナを用いて耐火物構造体の内壁を加熱する方法に関するものである。
例えば耐火物構造体の内壁を加熱するバーナのように、その燃焼状態を直接的に監視できない場合、火炎近傍の温度を監視することで、火炎の燃焼状態を監視している(例えば特許文献1)。
特開平6−42742号公報
この火炎近傍の温度を監視する手段として、特許文献2では、バーナの燃焼により高温とはならない位置、例えばバーナ挿入位置の炉壁に熱電対を固定している。
特開平8−285275号公報
しかしながら、特許文献2で開示された技術は、先端部が炉壁に挿入されて固定されるようなバーナが対象で、対象物の内部にまで挿入して加熱を行うようなバーナには適用できない。
対象物の内部にまで挿入して加熱を行うようなバーナを対象とする場合、バーナ内部に熱電対を挿入して測温すれば良いが、挿入した熱電対がバーナの内壁や燃焼用空気の配管等に接触した場合には、正確な温度測定が行えない。
本発明が解決しようとする問題点は、先端部が炉壁に挿入されて固定されるようなバーナが対象の特許文献2で開示された技術は、対象物の内部にまで挿入して加熱を行うようなバーナには適用できないという点である。一方、バーナ内部に熱電対を挿入して測温する場合、挿入した熱電対がバーナの内壁や燃焼用空気の配管等に接触すると、正確な温度測定が行えないという点である。
本発明のバーナは、
耐火物構造体の内壁を加熱するバーナにおいて、バーナ内に挿入する熱電対で正確な温度測定が行えるようにするために、
バーナ先端部における燃料ガス又は燃焼用空気の通過部で、火炎と接触しない位置の内壁に、ガイドパイプを取り付け、
このガイドパイプ内に、燃料ガスと燃焼用空気の混合部に先端部が位置するように熱電対を通して固定したことを最も主要な特徴としている。
本発明のバーナを用いて耐火物構造体の内壁を加熱するに際しては、前記熱電対を前記ガイドパイプで固定した状態でバーナを燃焼させて加熱する。
これが、本発明の耐火物構造体の内壁加熱方法である。
この本発明方法によって耐火物構造体の内壁を加熱する場合、
前記熱電対は、
先端部が、バーナによる加熱中の温度安定状態で、300〜600℃の範囲内に収まる位置に設置することが望ましい。
本発明によれば、ガイドパイプを設けてバーナ内に熱電対を固定することで、熱電対をより安定させた状態で温度測定することが可能となるので、より確実で迅速に、燃焼中の失火を検知することができる。
以下、本発明を実施するための最良の形態について、添付図面を用いて詳細に説明する。
図1は本発明のバーナを説明する概略図、図2は本発明のバーナにおけるガイドパイプの設置状態を具体的に示した図である。
図1において、1は本発明のバーナであり、例えばバーナ本体2の長手方向の中心部に燃料ガスの供給通路3を形成し、この燃料ガスの供給通路3の外周部とバーナ本体2の内周部で形成される環状空間を燃焼用空気の通路4としている。
5はその内部に熱電対6を通すための、例えばステンレス製のガイドパイプで、前記バーナ1の先端部における燃料ガス又は燃焼用空気の通過部の内壁で、かつ火炎と接触しない位置に取り付けられる。
このガイドパイプ5の設置位置は、バーナ1の形状により若干異なってくるが、前記のように燃料ガス又は燃焼用空気の通過部の内壁で、かつ火炎と接触しない位置であれば良い。
但し、このガイドパイプ5内を通して先端がぶれないように固定した熱電対6で、火炎の燃焼状態を判断できるだけの温度勾配が確認できる位置に設置することはいうまでもない。
よって、熱電対6の耐久性、例えば失火時の温度差確保を考えれば、温度の定常状態時に熱電対6の先端が300℃〜600℃となるような、燃料ガスと燃焼用空気の混合部に設置することが望ましい。
本発明のバーナ1は、先端部における燃料ガス又は燃焼用空気の通過部の内壁で、かつ火炎と接触しない位置にガイドパイプ5を取り付け、燃焼時の温度勾配を確認できて火炎の燃焼状態を判断できるように、ガイドパイプ5内に熱電対6を通して熱電対6の先端がぶれないように固定することを特徴とするものである。
従って、ガイドパイプ5及び熱電対6を取り付けるバーナ自体は図1に示す構造に限らないことは言うまでもない。
例えば図2(a)に示す予熱専用バーナのように、燃焼用空気の通路4である環状空間に旋回羽根7を設けたものでも良い。また、図2(b)に示す多目的バーナのように、バーナ本体2の長手方向の中心部を酸素とパウダーを供給する通路8となし、この通路8の外周部に、燃料ガスの供給通路3、燃焼用空気の通路4を形成したものでも良い。
このような構成の本発明のバーナ1を用いて耐火物構造体の内壁を加熱するに際しては、前記熱電対6をガイドパイプ5で固定した状態でバーナを燃焼させて加熱すればよい。これが、本発明の耐火物構造体の内壁加熱方法である。このような本発明方法によれば、熱電対6が周囲の配管やバーナ本体2に接して誤検知するということを防止できる。
次に、本発明の効果を確認するために行った、RH真空脱ガス装置下部槽を加熱した際の失火検知試験の結果について説明する。
試験は、図2(b)に示す熱電対の先端をガイドパイプにより固定した多目的バーナを、図3に示すシステム構成としたものを用いて行った。なお、図3中の9は変換器、10はシーケンサである。
試験方法は、RH真空脱ガス装置下部槽を加熱中にコークス炉ガスの流量を0(Nm3/hr)にすることで失火状態と判断し、そのときの温度変化を確認し、失火検知の機能を確認した。また、途中で流量を変化させることで誤検知が生じるかどうかも併せて検討した。
図4〜図9に熱電対先端をガイドパイプにより固定した状態での失火試験結果を示す。なお、図4〜図9におけるグラフ内の数値はコークス炉ガスの流量(Nm3/hr)である。
図4〜図9より、本発明のように熱電対の先端が確実に固定された状態であれば、燃料ガス(コークス炉ガス)流量が一定の時は温度のブレが生じないことが分かる。また、途中で燃料ガスの流量を変化させても、温度変化時間Δtを予め調節することでより確実な失火検知が行えることも分かる。なお、失火か否かの判断は、特許文献1より、この熱電対の温度の変化量を監視することで行える。
比較として、図10〜12に熱電対を固定していない状態での失火試験結果を示す。
試験方法は図4〜図9に示す本発明例と同様、RH真空脱ガス装置下部槽の加熱中にコークス炉ガスの流量を0(Nm3/hr)にすることで失火状態と判断し、そのときの温度変化を確認し、失火検知の機能を確認した。
図10〜図12より、コークス炉ガスの流量が0(Nm3/hr)となった直後、バーナは失火すると同時に熱電対温度は急激に下降し、失火後60(sec)程経過すると200℃以下まで低下した。
しかしながら、熱電対を固定しない状態では、燃料ガス(コークス炉ガス)と燃焼用空気の流量が一定の定常部でも、大きく温度変化が発生している箇所があった(図10、図12のD部参照)。これは燃料ガスと燃焼用空気によって熱電対が煽られて周囲のバーナ本体等に接触することで温度が変化した結果と考えられる。
本発明は上記の例に限らず、各請求項に記載された技術的思想の範疇であれば、適宜実施の形態を変更しても良いことは言うまでもない。
例えば、本発明のバーナは、RH真空脱ガス装置下部槽の加熱バーナに限らず、受鋼鍋の予熱バーナや加熱炉内のパイロットバーナなど、どのようなバーナに適用しても良い。同様にバーナに使用する燃料ガスは、コークス炉ガスに限らず、他の燃料ガスを使用するものでも良い。
また、本発明方法も、RH真空脱ガス装置下部槽を加熱する場合に限らず、受鋼鍋を予熱する場合や加熱炉を予熱する場合等にも適用可能である。
本発明のバーナを説明する概略図である。 本発明のバーナにおけるガイドパイプの設置状態を具体的示した図で、(a)は予熱専用バーナに適用した場合、(b)は多目的バーナに適用した場合である。 失火検知試験に用いたバーナのシステム構成図である。 本発明のバーナを用いた失火検知試験結果の第1の例を示したグラフである。 図4のA部の拡大図である。 図4のB部の拡大図である。 図4のC部の拡大図である。 本発明のバーナを用いた失火検知試験結果の第2の例を示したグラフである。 図8のC部の拡大図である。 熱電対を固定しない従来のバーナを用いた失火検知試験結果の第1の例を示したグラフである。 熱電対を固定しない従来のバーナを用いた失火検知試験結果の第2の例を示したグラフである。 熱電対を固定しない従来のバーナを用いた失火検知試験結果の第3の例を示したグラフである。
符号の説明
1 バーナ
2 バーナ本体
3 燃料ガスの通路
4 燃焼用空気の通路
5 ガイドパイプ
6 熱電対

Claims (3)

  1. 耐火物構造体の内壁を加熱するバーナであって、
    バーナ先端部における燃料ガス又は燃焼用空気の通過部で、火炎と接触しない位置の内壁に、ガイドパイプを取り付け、
    このガイドパイプ内に、燃料ガスと燃焼用空気の混合部に先端部が位置するように熱電対を通して固定したことを特徴とするバーナ。
  2. 請求項1に記載したバーナを用いて耐火物構造体の内壁を加熱する方法であって、
    前記熱電対を前記ガイドパイプで固定した状態でバーナを燃焼させて加熱することを特徴とする耐火物構造体の内壁加熱方法。
  3. 前記熱電対は、
    先端部が、バーナによる加熱中の温度安定状態で、300〜600℃の範囲内に収まる位置に設置することを特徴とする請求項2に記載の耐火物構造体の内壁加熱方法。
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