JP5149613B2 - 吸熱型ガス発生装置 - Google Patents

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Description

この発明は、熱処理用雰囲気ガスとして用いられる吸熱型ガスを生成する吸熱型ガス発
生装置に関する。
鋼材などの被処理物に、無酸化加熱処理,光輝加熱処理,浸炭処理などの熱処理を施す
熱処理炉においては、還元性(無酸化)雰囲気形成用のガスとして、一酸化炭素,水素及
び窒素を主成分とする吸熱型ガスが利用される。そしてこの吸熱型ガスを生成する装置と
しては、一般に炉体内に、触媒の充填されたレトルトと、このレトルトを加熱するヒータ
とを設け、プロパン,ブタン又は天然ガス等の炭化水素ガスと空気との混合ガスを上記レ
トルトに流通させて高温加熱することにより、吸熱型ガスを生成する吸熱型ガス発生装置
(変成炉ともいう)が用いられている(たとえば特許文献1〜3参照。)。
実公平8−982号公報 特許第2701334号公報 特開2002−356763号公報
ところが上記の吸熱型ガス発生装置においては、装置の長期間使用により、耐熱金属製
のレトルトに、レトルト内と炉体内とが連通する亀裂やピンホールなどの損傷が発生する
ことがある。このレトルトの損傷が発生すると、レトルト内のガスが炉体内へ漏出して燃
焼し、レトルト自身及び炉体の損傷が更に進行することになるが、従来はこのレトルトの
損傷発生は、雰囲気ガス発生装置の稼働中におけるヒータの断線や炉温過熱、炉体からの
火炎の噴出などの異常発生により検知していたので、レトルトの損傷発生からかなり時間
が経過してから損傷発生を検知することになり、装置各部の損傷拡大を防ぐことができな
かった。
この発明は上記従来の問題点を解決しようとするもので、装置の稼働状態においてレト
ルトの損傷発生を早期に検知することができる吸熱型ガス発生装置を提供することを目的
とする。
上記目的を達成するために発明者らは、吸熱型ガス発生装置の稼働中における炉体内の
雰囲気ガス成分が、レトルトの損傷発生によりどのように変動するかを、詳細に調査・分
析した結果、上記雰囲気ガス成分の変動に基づいてレトルトの損傷発生を検知できること
を見出した。具体的には、レトルトが損傷すると、レトルト内の生成ガス(吸熱型ガス)
が炉体内へ漏出して、その生成ガス中の一酸化炭素が高温の炉体内で炭酸ガスとなり、同
じく生成ガス中の水素が水蒸気となり、これらの酸化に伴って炉体内の酸素濃度が減少し
、さらに上記酸素濃度が減少すると生成ガス中の一酸化炭素の酸化不足により、未酸化状
態の一酸化炭素濃度が増加し、また損傷がレトルトの入口付近の場合には原料ガスである
炭化水素ガスの漏出により上記と同様な炭酸ガスの生成及び酸素濃度が減少するという現
象が発生する。これらの炉体内の雰囲気ガス成分の変動を検出することにより、レトルト
の損傷発生を検知できることを知見し、この知見に基づいてこの発明を完成するに至った
すなわち、請求項1記載の吸熱型ガス発生装置は、炉体内に炭化水素ガスと空気との混合ガスを流通させるレトルトと、該混合ガスを高温加熱するヒータをそなえた吸熱型ガス発生装置において、前記炉体内の雰囲気の炭酸ガス濃度を測定する炭酸ガス濃度測定装置と、前記炭酸ガス濃度測定装置による炭酸ガス濃度の測定値が設定値以上となった場合に前記レトルトの損傷有りと判定する判定装置とを、具備したことを特徴とする。
この発明(請求項1〜4記載の発明)において「ヒータ」とは、炉体内の雰囲気を変化
させるバーナ式のヒータを除外し、電熱式のヒータやラジアントチューブなどの輻射加熱
ヒータを指称するものとする。
請求項1記載の発明によれば、濃度測定対象である炭酸ガスは、レトルトの損傷がない
状態での稼働中の吸熱型ガス発生装置の炉体内には存在せず、レトルトの損傷によって前
記生成ガス中の一酸化炭素および原料ガス中の炭化水素の酸化によりはじめて発生するも
のであるので、測定した炭酸ガス濃度と零に近い小さい炭酸ガス濃度設定値との対比によ
り、精度よく早期にレトルトの損傷発生を検知することができる。
また請求項2記載の発明は、炉体内に炭化水素ガスと空気との混合ガスを流通させるレトルトと、該混合ガスを高温加熱するヒータをそなえた吸熱型ガス発生装置において、前記炉体内の雰囲気の酸素濃度を測定する酸素濃度測定装置と、前記酸素濃度測定装置による酸素濃度の測定値が設定値以下となった場合に前記レトルトの損傷有りと判定する判定装置とを、具備したことを特徴とする。
請求項2記載の発明によれば、濃度測定対象である酸素は、レトルトの損傷がない状態
での稼働中の吸熱型ガス発生装置の炉体内では、炉体周囲の大気の酸素濃度(21%)に
ほぼ等しい酸素濃度を有するものであり、レトルトの損傷によって前記生成ガス中の一酸
化炭素や水素の酸化及び原料ガス中の炭化水素の酸化に消費されることにより減少するも
のであるので、測定した酸素濃度と上記の大気の酸素濃度より所定量小さい酸素濃度設定
値との対比により、早期にレトルトの損傷発生を検知することができる。
また請求項3記載の吸熱型ガス発生装置は、炉体内に炭化水素ガスと空気との混合ガスを流通させるレトルトと、該混合ガスを高温加熱するヒータをそなえた吸熱型ガス発生装置において、前記炉体内の雰囲気の水分濃度の目安としての露点または水蒸気濃度を測定する水分濃度測定装置と、前記水分濃度測定装置による水分濃度の目安としての露点または水蒸気濃度の測定値が設定値以上となった場合に前記レトルトの損傷有りと判定する判定装置とを、具備したことを特徴とする。
請求項3記載の発明によれば、濃度測定対象である水分は、レトルトの損傷がない状態
での稼働中の吸熱型ガス発生装置の炉体内では、炉体周囲の大気の水分濃度にほぼ等しい
水分濃度を有するものであり、レトルトの損傷によって前記生成ガス中の水素の酸化によ
り増加するものであるので、測定した水分濃度(露点または水蒸気濃度)と上記の大気の水分濃度より所定量大きい水分濃度設定値との対比により、早期にレトルトの損傷発生を検知することができる。
また請求項4記載の吸熱型ガス発生装置は、炉体内にレトルトとヒータをそなえた吸熱
型ガス発生装置において、前記炉体内の雰囲気の一酸化炭素濃度を測定する一酸化炭素濃
度測定装置と、前記一酸化炭素濃度測定装置による一酸化炭素濃度の測定値が設定値以上
となった場合に前記レトルトの損傷有りと判定する判定装置とを、具備したことを特徴と
する。
請求項4記載の発明によれば、濃度測定対象である一酸化炭素は、レトルトの損傷がな
い状態での稼働中の吸熱型ガス発生装置の炉体内には存在せず、レトルトの損傷によって
前記生成ガス中の一酸化炭素や水素の酸化及び原料ガス中の炭化水素の酸化に消費される
ことにより酸素濃度が減少すると、未酸化分の一酸化炭素としてその濃度が増加するもの
であるので、測定した一酸化炭素濃度と零に近い小さい一酸化炭素濃度設定値との対比に
より、精度よく早期にレトルトの損傷発生を検知することができる。
以上説明したようにこの発明によれば、吸熱型ガス発生装置の稼働中において、レトル
トの損傷発生により変動する炉体内の雰囲気ガス成分の変動状況を検出することにより、
レトルトの損傷発生を早期に検知することができる。
また上記の効果に加えて、請求項1記載の発明によれば、レトルト損傷発生検知用の測
定・判定対象ガスとして、レトルト損傷なしの状態の炉体内及び炉体の周囲の大気中には
存在しない炭酸ガスを用いているので、濃度零に近い低濃度の設定値Uをもとに精度よ
くレトルト損傷発生を検出でき、特に早期にレトルトの損傷発生を検知することができる
以下図1〜図2に示す第1例により、請求項1記載の発明の実施の形態を説明する。図
1において1は吸熱型ガス発生装置で、2はその炉体であり、この炉体2内には内部に図
示しないニッケル触媒などを充填したU字形のレトルト3と、このレトルト加熱用の電熱
式のヒータ4とが設けられている。レトルト3は複数本並設されているが、1本のみを図
示してある。
5は原料ガス供給路で、炉体2の外部に突出したレトルト3の一端部に接続され、6は
生成ガス送出路で、同じくレトルト3の他端部に接続されている。原料ガス供給路5には
、下流部で合流した炭化水素ガス供給路7と空気供給路8とが、ルーツブロワ9を介して
接続されている。10,11は流量計、12は空気入口部のフィルタ、13は図示しない
炭化水素ガス供給装置から供給されるガス流量を調節して空気と炭化水素ガスの混合比を
調節するバルブである。また14は生成ガス送出路6に設けたガス冷却用のクーラで、生
成ガス送出路6の先端側は、開閉弁15を介して、図示しない雰囲気熱処理炉等の生成ガ
ス使用装置に接続されている。
一方20はレトルト損傷検出装置で、炉体2内の炭酸ガス濃度Uを測定する炭酸ガス濃
度測定装置21と、この測定装置による炭酸ガス濃度の測定値が設定値U以上となった
場合にレトルト3の損傷有りと判定する判定装置25とから成る。
炭酸ガス濃度測定装置21は、一端部が炉体2内に開口するサンプリング管22を、ガ
ス吸引用のポンプ23を介して炭酸ガス濃度を計測する炭酸ガス分析計24に接続して成
る。また判定装置25は、炭酸ガス濃度の設定値Uを設定するための設定器26と、上
記炭酸ガス分析計24の出力する炭酸ガス濃度測定値Uと上記設定値Uとを比較して、
炭酸ガス濃度測定値が設定値U以上となったとき、損傷検出信号Sを出力する比較器
27とから成り、この例では損傷検出信号Sは警報器28に入力される構成としてある
次に図2は、吸熱型ガス発生装置1の稼働中にレトルト3が損傷した場合の炉体2内の
炭酸ガス濃度の変化を略示する線図で、レトルト損傷なしの状態では炉体2内の炭酸ガス
濃度は零であるが、時点Tでレトルトの損傷が発生すると、この損傷部から炉体2内へ
漏出した生成ガス(吸熱型ガス)中の一酸化炭素及び原料ガス中の炭化水素が高温の炉体
内で酸化して炭酸ガスとなり、炉体2内の炭酸ガス濃度が図示のように増加する。そこで
炭酸ガス濃度の設定値として、濃度零に近い設定値Uを選定して設定器26の設定をお
こなっておく。
上記構成の装置において、原料ガス供給路5からレトルト3内に原料ガスを供給し、ヒ
ータ4により加熱したレトルト3内を流通させて吸熱型ガスの生成をおこなっている吸熱
型ガス発生装置1の稼働中には、レトルト損傷検出装置20も連続作動させて炉体2内の
雰囲気ガスの一部(少量)をポンプ23により連続吸引して炭酸ガス濃度の監視(炭酸ガ
ス分析計24による炭酸ガス濃度測定値Uと設定値Uとの比較器27における対比)を
常時おこなう。この状態で、時点Tでレトルト3に損傷が発生すると、前述のように炭
酸ガスが発生しその濃度が増加するので、炭酸ガス分析計24による炭酸ガス濃度の測定
値Uが設定値U以上となった時点Tで判定装置25がレトルト損傷を検知して損傷検
出信号Sを発し、警報器28の吹鳴によりレトルト損傷が報知される。
以上のように、炉体2内の雰囲気の炭酸ガス濃度が設定値以上となったことによりレト
ルト3の損傷発生を検出するようにしたので、損傷によりレトルト3内から漏出した生成
ガス及び原料ガスが炉体内に高濃度に充満して激しく燃焼するのに至る前の、一酸化炭素
及び炭化水素の燃焼による炭酸ガス発生の初期の段階、すなわちレトルト損傷発生後の早
期の時点で、レトルトの損傷発生を検知することができるのである。また特にこの例では
、測定・判定対象ガスである炭酸ガスは、レトルト損傷なしの状態の炉体内及び炉体の周
囲の大気中には存在しないので、ガスサンプリングに伴って炉体内に侵入する空気によっ
て影響を受けることもなく、濃度零に近い低濃度の設定値Uをもとに精度よくレトルト
損傷発生を検出でき、レトルト損傷発生後短時間で損傷発生を検知することができるので
ある。
次に図3〜図4に示す第2例により、請求項2記載の発明の実施の形態を説明する。こ
の例の装置は、前記第1例における炭酸ガス濃度を測定対象とするレトルト損傷検出装置
20のかわりに、酸素濃度を測定対象とするレトルト損傷検出装置30を用いたものであ
り、その他の構成は前記第1例の装置と同じであるので、図1と同一部分には図1と同一
符号を付して図示し、それらの部分の詳細な説明は省略する。
すなわち、レトルト損傷検出装置30は、炉体2内の酸素濃度を測定する酸素濃度測定
装置31と、この測定装置による酸素濃度の測定値が設定値以下となった場合にレトルト
3の損傷有りと判定する判定装置35とから成る。
酸素濃度測定装置31は、一端部が炉体2内に開口するサンプリング管32を、ガス吸
引用のポンプ33を介して酸素濃度を計測する酸素センサ34に接続して成る。また判定
装置35は、酸素濃度の設定値Vを設定するための設定器36と、上記酸素センサ34
の出力する酸素濃度測定値Vと上記設定値Vとを比較して、酸素濃度測定値が設定値V
以下となったとき、損傷検出信号Sを出力する比較器37とから成り、この例でも損
傷検出信号Sは警報器38に入力される構成としてある。
次に図4は、吸熱型ガス発生装置1の稼働中にレトルト3が損傷した場合の炉体2内の
酸素濃度の変化を略示する線図で、レトルト損傷なしの状態では炉体2内の酸素濃度は炉
体周囲の大気の酸素濃度Va(=21%)にほぼ等しい値を示すものであるが、時点T
でレトルトの損傷が発生すると、この損傷部から炉体2内へ漏出した生成ガス(吸熱型ガ
ス)中の一酸化炭素及び原料ガス中の炭化水素が高温の炉体内で酸化して炭酸ガスとなり
、同じく生成ガス中の水素が水蒸気となるのに伴って、炉体2内の酸素濃度が図示のよう
に減少する。そこで酸素濃度の設定値として、上記大気の酸素濃度Vaより所定量小さい
設定値Vを選定して設定器36の設定をおこなっておく。
上記構成の装置において、原料ガス供給路5からレトルト3内に原料ガスを供給し、ヒ
ータ4により加熱したレトルト3内を流通させて吸熱型ガスの生成をおこなっている吸熱
型ガス発生装置1の稼働中には、レトルト損傷検出装置30も連続作動させて炉体2内の
雰囲気ガスの一部(少量)をポンプ33により連続吸引して酸素濃度の監視(酸素センサ
34による酸素濃度測定値Vと設定値Vとの比較器37における対比)を常時おこなう
。この状態で、時点Tでレトルト3に損傷が発生すると、前述のように酸素濃度が減少
するので、酸素センサ34による酸素濃度の測定値Vが設定値V以下となった時点T
で判定装置35がレトルト損傷を検知して損傷検出信号Sを発し、警報器38の吹鳴に
よりレトルト損傷が報知される。
以上のように、炉体2内の雰囲気の酸素濃度が設定値以下となったことによりレトルト
3の損傷発生を検出するようにしたので、損傷によりレトルト3内から漏出した生成ガス
及び原料ガスが炉体内に高濃度に充満して激しく燃焼するのに至る前の、一酸化炭素及び
炭化水素及び水素の酸化による酸素濃度減少の初期の段階、すなわちレトルト損傷発生後
の早期の時点で、レトルトの損傷発生を検知することができるのである。
次に図5〜図6に示す第3例により、請求項3記載の発明の実施の形態を説明する。こ
の例の装置は、前記第1例における炭酸ガス濃度を測定対象とするレトルト損傷検出装置
20のかわりに、水分濃度を測定対象とするレトルト損傷検出装置40を用いたものであ
り、その他の構成は前記第1例の装置と同じであるので、図1と同一部分には図1と同一
符号を付して図示し、それらの部分の詳細な説明は省略する。
すなわち、レトルト損傷検出装置40は、炉体2内の水分濃度(この例では露点)を測
定する水分濃度測定装置41と、この測定装置による水分濃度の測定値が設定値以上とな
った場合にレトルト3の損傷有りと判定する判定装置45とから成る。
水分濃度測定装置41は、一端部が炉体2内に開口するサンプリング管42を、ガス吸
引用のポンプ43を介して水分濃度の目安となる露点を計測する露点計44に接続して成る。また判定装置45は、水分濃度(露点)の設定値Wを設定するための設定器46と、上記露点計44の出力する水分濃度(露点)測定値Wと上記設定値Wとを比較して、水分濃度(露点)測定値が設定値W以上となったとき、損傷検出信号Sを出力する比較器47とから成り、この例でも損傷検出信号Sは警報器48に入力される構成としてある。
次に図6は、吸熱型ガス発生装置1の稼働中にレトルト3が損傷した場合の炉体2内の水分濃度(露点)の変化を略示する線図で、レトルト損傷なしの状態では炉体2内の水分濃度(露点)は炉体周囲の大気の水分濃度(露点)Waにほぼ等しい値を示すものであるが、時点Tでレトルトの損傷が発生すると、この損傷部から炉体2内へ漏出した生成ガス(吸熱型ガス)中の水素が高温の炉体内で酸化して水蒸気となり、炉体2内の水分濃度(露点)が図示のように増加する。そこで水分濃度(露点)の設定値として、上記の大気の水分濃度(露点)Waより所定量大きい(高露点の)設定値Wを選定して設定器46の設定をおこなっておく。
上記構成の装置において、原料ガス供給路5からレトルト3内に原料ガスを供給し、ヒ
ータ4により加熱したレトルト3内を流通させて吸熱型ガスの生成をおこなっている吸熱
型ガス発生装置1の稼働中には、レトルト損傷検出装置40も連続作動させて炉体2内の
雰囲気ガスの一部(少量)をポンプ43により連続吸引して水分濃度の監視(露点計44
による水分濃度(露点)測定値Wと設定値Wとの比較器47における対比)を常時おこなう。この状態で、時点Tでレトルト3に損傷が発生すると、前述のように水分濃度が増加するので、露点計44による水分濃度(露点)の測定値Wが設定値W以上となった時点Tで判定装置45がレトルト損傷を検知して損傷検出信号Sを発し、警報器48の吹鳴によりレトルト損傷が報知される。
以上のように、炉体2内の雰囲気の水分濃度が設定値以上となったことによりレトルト
3の損傷発生を検出するようにしたので、損傷によりレトルト3内から漏出した生成ガス
及び原料ガスが炉体内に高濃度に充満して激しく燃焼するのに至る前の、生成ガス中の水
素の酸化による水蒸気発生の初期の段階、すなわちレトルト損傷発生後の早期の時点で、
レトルトの損傷発生を検知することができるのである。なお上記水分濃度は、露点として
測定・判定するかわりに水蒸気濃度として測定・判定するなどしてもよい。
次に図7〜図8に示す第4例により、請求項4記載の発明の実施の形態を説明する。こ
の例の装置は、前記第1例における炭酸ガス濃度を測定対象とするレトルト損傷検出装置
20のかわりに、一酸化炭素濃度を測定対象とするレトルト損傷検出装置50を用いたも
のであり、その他の構成は前記第1例の装置と同じであるので、図1と同一部分には図1
と同一符号を付して図示し、それらの部分の詳細な説明は省略する。
すなわち、レトルト損傷検出装置50は、炉体2内の一酸化炭素濃度を測定する一酸化
炭素濃度測定装置51と、この測定装置による一酸化炭素濃度の測定値が設定値以上とな
った場合にレトルト3の損傷有りと判定する判定装置55とから成る。
一酸化炭素濃度測定装置51は、一端部が炉体2内に開口するサンプリング管52を、
ガス吸引用のポンプ53を介して一酸化炭素濃度を計測するCOガス分析計54に接続し
て成る。また判定装置55は、一酸化炭素濃度の設定値Xを設定するための設定器56
と、上記COガス分析計54の出力する一酸化炭素濃度測定値Xと上記設定値Xとを比
較して、一酸化炭素濃度測定値が設定値X以上となったとき、損傷検出信号Sを出力
する比較器57とから成り、この例でも損傷検出信号Sは警報器58に入力される構成
としてある。
次に図8は、吸熱型ガス発生装置1の稼働中にレトルト3が損傷した場合の炉体2内の
一酸化炭素濃度の変化を略示する線図に、前記第2例の図4における酸素濃度の変化を破
線で併記した線図である。レトルト損傷なしの状態では炉体2内の一酸化炭素濃度は零で
あるが、時点Tでレトルトの損傷が発生すると、先ず前記第2例と同じくこの損傷部か
ら炉体2内へ漏出した生成ガス(吸熱型ガス)中の一酸化炭素及び原料ガス中の炭化水素
が酸化して炭酸ガスとなり、同じく生成ガス中の水素が高温の炉体内で酸化して水蒸気と
なることにより、炉体2内の酸素濃度が前記大気の酸素濃度Vaから図示のように減少す
るので、これに伴って未酸化の一酸化炭素の濃度が、上記酸化過程の進行により図示のよ
うに増加する。そこで一酸化炭素濃度の設定値として、濃度零に近い設定値Xを選定し
て設定器56の設定をおこなっておく。
上記構成の装置において、原料ガス供給路5からレトルト3内に原料ガスを供給し、ヒ
ータ4により加熱したレトルト3内を流通させて吸熱型ガスの生成をおこなっている吸熱
型ガス発生装置1の稼働中には、レトルト損傷検出装置50も連続作動させて炉体2内の
雰囲気ガスの一部(少量)をポンプ53により連続吸引して一酸化炭素濃度の監視(CO
ガス分析計54による一酸化炭素濃度測定値Xと設定値Xとの比較器57における対比
)を常時おこなう。この状態で、時点Tでレトルト3に損傷が発生後、前述のように一
酸化炭素濃度が零から増加するので、COガス分析計54による一酸化炭素濃度の測定値
Xが設定値X以上となった時点Tで判定装置55がレトルト損傷を検知して損傷検出
信号Sを発し、警報器58の吹鳴によりレトルト損傷が報知される。
以上のように、炉体2内の雰囲気の一酸化炭素濃度が設定値以上となったことによりレ
トルト3の損傷発生を検出するようにしたので、損傷によりレトルト3内から漏出した生
成ガス中の一酸化炭素が未酸化のまま炉体外へ流出して激しく燃焼するのに至る前の、炉
体内での一酸化炭素増加の初期の段階、すなわちレトルト損傷発生後の早期の時点で、レ
トルトの損傷発生を検知することができるのである。またこの例の測定・判定対象である
一酸化炭素は、レトルト損傷なしの炉体内及び炉体の周囲の大気中には存在しないので、
濃度零に近い低濃度の設定値Xをもとに精度よくレトルトの損傷発生を検出でき、レト
ルトの損傷発生を確実に検知することができるのである。
この発明は上記各例に限定されるものではなく、たとえば炭酸ガス濃度測定装置21,
酸素濃度測定装置31,水分濃度測定装置41,一酸化炭素濃度測定装置51等の具体的
構成は上記以外のものとしてもよく、同様に判定装置25,35,45,55の具体的構
成も上記以外のものとしてもよい。また判定装置25,35,45,55による損傷検出
信号S,S,S,Sは、上記の例の警報器に出力するほか、OK・NGを表示す
る表示灯に出力したり、吸熱型ガス発生装置の制御装置へ出力して、たとえば吸熱型ガス
発生装置の原料ガス供給路に設けた緊急時作動用の開閉弁などの動作制御用の原信号とし
て利用するようにしてもよい。
この発明の実施の形態の第1例を示す吸熱型ガス発生装置の機器系統図である。 図1の吸熱型ガス発生装置の炉体内における炭酸ガス濃度の変化を示す略示線図である。 この発明の実施の形態の第2例を示す図1相当図である。 図3の吸熱型ガス発生装置の炉体内における酸素濃度の変化を示す略示線図である。 この発明の実施の形態の第3例を示す図1相当図である。 図5の吸熱型ガス発生装置の炉体内における水分濃度の変化を示す略示線図である。 この発明の実施の形態の第4例を示す図1相当図である。 図7の吸熱型ガス発生装置の炉体内における一酸化炭素濃度の変化を示す略示線図である。
1…吸熱型ガス発生装置、2…炉体、3…レトルト、4…ヒータ、20…レトルト損傷
検出装置、21…炭酸ガス濃度測定装置、24…炭酸ガス分析計、25…判定装置、30
…レトルト損傷検出装置、31…酸素濃度測定装置、34…酸素センサ、35…判定装置
、40…レトルト損傷検出装置、41…水分濃度測定装置、44…露点計、45…判定装
置、50…レトルト損傷検出装置、51…一酸化炭素濃度測定装置、54…COガス分析
計、55…判定装置。

Claims (4)

  1. 炉体内に炭化水素ガスと空気との混合ガスを流通させるレトルトと、該混合ガスを高温加熱するヒータをそなえた吸熱型ガス発生装置において、前記炉体内の雰囲気の炭酸ガス濃度を測定する炭酸ガス濃度測定装置と、前記炭酸ガス濃度測定装置による炭酸ガス濃度の測定値が設定値以上となった場合に前記レトルトの損傷有りと判定する判定装置とを、具備したことを特徴とする吸熱型ガス発生装置。
  2. 炉体内に炭化水素ガスと空気との混合ガスを流通させるレトルトと、該混合ガスを高温加熱するヒータをそなえた吸熱型ガス発生装置において、前記炉体内の雰囲気の酸素濃度を測定する酸素濃度測定装置と、前記酸素濃度測定装置による酸素濃度の測定値が設定値以下となった場合に前記レトルトの損傷有りと判定する判定装置とを、具備したことを特徴とする吸熱型ガス発生装置。
  3. 炉体内に炭化水素ガスと空気との混合ガスを流通させるレトルトと、該混合ガスを高温加熱するヒータをそなえた吸熱型ガス発生装置において、前記炉体内の雰囲気の水分濃度の目安としての露点または水蒸気濃度を測定する水分濃度測定装置と、前記水分濃度測定装置による水分濃度の目安としての露点または水蒸気濃度の測定値が設定値以上となった場合に前記レトルトの損傷有りと判定する判定装置とを、具備したことを特徴とする吸熱型ガス発生装置。
  4. 炉体内に炭化水素ガスと空気との混合ガスを流通させるレトルトと、該混合ガスを高温加熱するヒータをそなえた吸熱型ガス発生装置において、前記炉体内の雰囲気の一酸化炭素濃度を測定する一酸化炭素濃度測定装置と、前記一酸化炭素濃度測定装置による一酸化炭素濃度の測定値が設定値以上となった場合に前記レトルトの損傷有りと判定する判定装置とを、具備したことを特徴とする吸熱型ガス発生装置。
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