JP2009091594A - カチオン電着塗装方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】鋼板などの導電性被塗物上に形成された未硬化の電着塗膜を加熱硬化させる工程において必要とされる時間が短縮された、カチオン電着塗装方法を提供する。
【解決手段】導電性被塗物にカチオン電着塗料組成物を電着塗装する電着塗装工程、および、電着塗膜硬化工程を包含するカチオン電着塗装方法であって、加熱装置1Aは、電磁誘導を利用して導電性被塗物100を加熱する誘導加熱装置であり、加熱装置1Aは、導電性被塗物100を加熱する誘導加熱手段であるコイル2と、誘導加熱手段に電力を出力する電力出力手段と出力される電力の強さを制御可能な電力制御手段とを備えている電源装置5からなり、この電力制御手段は、電力出力手段に、導電性被塗物の加熱が可能な第1加熱電力を所定間隔で間欠的に出力させる電力制御手段であるカチオン電着塗装方法。
【選択図】図1

Description

本発明は、導電性被塗物のカチオン電着塗装方法、およびこの電着塗装方法により得られる硬化電着塗膜を有する塗装物に関する。
電着塗装は、複雑な形状を有する被塗物であっても細部にまで塗装を施すことができ、自動的かつ連続的に塗装することができるので、特に自動車車体等の大型で複雑な形状を有する被塗物の下塗り塗装方法として広く実用化されている。電着塗装は、電着塗料組成物中に被塗物を電極として浸漬させ、電圧を印加することにより行われる。この電圧の印加によって、被塗物上に未硬化の電着塗膜が析出する。そして析出した未硬化の電着塗膜は、加熱して硬化させる必要がある。未硬化の電着塗膜の硬化は、一般に、熱風加熱方式による熱風加熱炉が用いられており、熱風加熱炉中において未硬化の電着塗膜を有する被塗物全体を加熱硬化する方法が行われている。
しかしながらこのような熱風加熱炉は、鋼板のように熱容量の大きい被塗物を加熱硬化する場合には、塗膜の加熱硬化に必要とされる温度に加熱する昇温に長時間を要するという問題がある。昇温に長時間を要することの問題点として、塗装工程における昇温時間が損失時間となって塗装工程のサイクルタイムを長くしてしまい、これにより塗装効率を低下させてしまうことが挙げられる。例えば鋼板上に析出した未硬化の電着塗膜を加熱硬化する工程においては、熱風加熱炉中で鋼板を硬化温度まで昇温するのに約10〜20分、加熱硬化するのに約10〜30分、および冷却する冷却工程に約10〜20分の時間がかかり、塗装後から冷却まで約30〜70分の時間を要している。このように電着塗膜の焼き付けにおいては、被塗物を硬化温度まで昇温するために多くの時間が必要とされており、この時間の短縮化が望まれている。
このような熱風加熱炉はまた、熱風加熱炉の炉温または熱風温度を塗膜の焼付け温度以上に保持する必要があるため、被塗物の一部分が過剰加熱によって塗膜劣化を生じるおそれもある。また、このような熱風加熱炉においては、熱風循環時に、ゴミまたはチリが炉内で舞い上がり、その結果、乾燥過程の塗膜上に、舞い上がったゴミまたはチリが付着し、塗膜外観が悪化するおそれもある。さらに、このようなゴミまたはチリの舞い上がりなどを防止するために熱風加熱炉内の清潔状態を確保すると共に、かつ地球環境に配慮するためには、大容量の高温排気熱風をフィルター等により濾過する必要があり、これはメンテナンス費用およびランニング費用を高くするという不利益がある。
これに対して、未硬化(未乾燥)の塗料組成物を有する被塗物を硬化(乾燥)可能な温度に短時間で加熱させる方法として、誘導加熱を利用した加熱装置が提案されている。例えば特開平7−124512号公報(特許文献1)には、短時間の加熱と同時に加熱対象である部品全体を均一に加熱するために、部品の形状に応じ、加熱する面に沿うように変形が可能な螺旋状誘導コイルを有する誘導加熱装置が開示されている。
特許文献1に開示される誘導加熱装置は、加熱対象の部品全体を均一に加熱するために、螺旋状誘導コイルが加熱対象の形状に応じて変形可能となっている。しかしながら、この特許文献1の装置では加熱対象の形状が変わるたびに螺旋状誘導コイルの調整が必要になるため、加熱開始までに時間や手間がかかるという問題もある。また、様々な形状の構造物の加熱に対応できないという問題がある。
さらに、このような誘導加熱装置においては、加熱対象物の温度を短時間で急速に高温域へ上昇させる手段であるが故に、緩やかな昇温、または昇温後に一定温度を維持することは、このような誘導加熱装置だけでは困難であるという問題がある。そのため、誘導加熱による加熱装置においては、特開平8−290111号公報(特許文献2)に記載されるように、急激な温度上昇用の誘導加熱装置と温度一定保持用の温風炉とを組み合わせて用いることが一般的であった。
しかしながら特許文献2に記載される加熱装置においては、急激な温度上昇用の誘導加熱装置と温度一定保持用の温風炉とを組み合わせているため、加熱装置の容積が大きくなるという問題がある。また加熱対象物を装置間で移動する必要が生じるため、加熱工程が煩雑なものとなり、さらに設備コスト面においても不利であるという問題がある。
特開2004−2965号公報(特許文献3)には、金属製の立体的被塗物、特に金属とプラスチックを一体化した立体的被塗物に、電着塗装を行って得られた塗膜を、複数の誘導加熱装置により選択的に加熱乾燥することを特徴とする電着塗膜形成方法が記載されている。しかしながらこの特許文献3は、ごく一般的な誘導加熱装置について記載しているにすぎない点において、本発明とは異なるものである。
特開平7−124512号公報 特開平8−290111号公報 特開2004−2965号公報
本発明は上記従来の問題を解決するものであり、その目的とするところは、鋼板などの導電性被塗物上に形成された未硬化の電着塗膜を加熱硬化させる工程において必要とされる時間が短縮された、カチオン電着塗装方法を提供することにある。
本発明は、
導電性被塗物にカチオン電着塗料組成物を電着塗装して未硬化の電着塗膜を形成する電着塗装工程、および
得られた未硬化の電着塗膜を、加熱装置中で加熱硬化させて硬化電着塗膜を得る、電着塗膜硬化工程、
を包含する、カチオン電着塗装方法であって、
この加熱装置は、電磁誘導を利用して導電性被塗物を加熱する誘導加熱装置であり、
この加熱装置は、
導電性被塗物を加熱する誘導加熱手段と、
この誘導加熱手段に電力を出力する電力出力手段と、
この電力出力手段により出力される電力の強さを制御可能な電力制御手段と、
を備えており、
この電力制御手段は、この電力出力手段に、導電性被塗物の加熱が可能な第1加熱電力を所定間隔で間欠的に出力させる電力制御手段であり、および
このカチオン電着塗料組成物が、カチオン性エポキシ樹脂およびブロックイソシアネート硬化剤を含むカチオン電着塗料組成物である、
カチオン電着塗装方法、を提供するものであり、これにより上記目的が達成される。
上記電力制御手段は、導電性被塗物の加熱が可能な第1加熱電力と、この第1加熱電力よりも弱い電力である第2加熱電力とを周期的に繰り返して電力を出力することによって、電力出力手段に導電性被塗物の加熱が可能な第1加熱電力を所定間隔で間欠的に出力させる電力制御手段であるのが好ましい。
また上記電力制御手段は、上記第1加熱電力と上記第2加熱電力とが交互に繰り返されるよう電力を出力することによって、電力出力手段に導電性被塗物の加熱が可能な第1加熱電力を所定間隔で間欠的に出力させる電力制御手段であるのが好ましい。
上記誘導加熱手段の一例として、導電性被塗物を囲むよう螺旋状に形成されている態様が挙げられる。
上記誘導加熱手段の他の一例として、略平面状に巻回されるように形成されると共に、所定の面が上記導電性被塗物に対向するよう配置される態様が挙げられる。
本発明はまた、上記カチオン電着塗装方法により得られる、硬化電着塗膜を有する塗装物も提供する。
本発明の方法によって、硬化電着塗膜を有する塗装物を、より短時間で加熱硬化することができる。より具体的には、本発明の方法は、電着塗膜硬化工程における被塗物の昇温時間を短縮することができ、このため電着塗装後の焼付工程を短縮することができる。本発明においては、導電性被塗物の加熱が可能な第1加熱電力を所定間隔で間欠的に電力出力手段に出力させる電力制御手段を有する特定の誘導加熱装置を、被塗物上に形成された未硬化の電着塗膜の加熱硬化に用いることによって、加熱対象物を均一に加熱することが可能となる。これにより、塗膜の急激な加熱に伴う塗膜外観の不良といった不具合を伴うことなく、短時間で均一に加熱硬化することができるという利点がある。本発明はさらに、被塗物を均一に加熱することができるため、本発明で用いるカチオン電着塗料組成物に含まれるブロックイソシアネート硬化剤より生成するブロック剤等に由来するヤニの発生を防止することができ、そしてオーバーベーキングによるヤニの発生を防止することができる。つまり本発明は、このようなヤニの発生要因となるブロックイソシアネート硬化剤を含むカチオン電着塗料組成物による電着塗装において、特に好適に用いることができる加熱装置を用いた方法に関する発明であるということができる。
さらに、本発明において誘導加熱手段を有する特定の加熱装置を用いることによって、塗装および焼き付け硬化工程を全て電力設備で統一的に管理することができるという利点がある。電着塗装は、電圧を印加することによって被塗物上に塗膜が形成される塗装方法であり、塗装工程において被塗物への通電が必要とされる塗装方法である。一方、硬化工程で一般に用いられる熱風加熱炉は、エネルギー効率などの関係からガス設備であることが多い。本発明によって、塗膜加熱硬化において誘導加熱手段を有する加熱装置を用いて、良好な塗膜を形成することが可能となる。そしてこれにより塗装工程および加熱硬化工程において、通電設備の一元管理を図ることができ、塗装管理の利便性が向上するという利点がある。また、本発明において誘導加熱手段を有する特定の加熱装置を用いることによって、熱風加熱炉において発生し得る輻射熱および燃焼ガスの発生を抑えることができるという利点もあり、さらに熱風循環時におけるゴミまたはチリの舞い上がりによる焼き付け硬化塗膜上へのゴミ等の付着を防止することができるという利点もある。
本発明におけるカチオン電着塗装方法は、カチオン性エポキシ樹脂およびブロックイソシアネート硬化剤を含むカチオン電着塗料組成物を用いた電着塗装方法であって、下記工程:
導電性被塗物にカチオン電着塗料組成物を電着塗装して未硬化の電着塗膜を形成する電着塗装工程、および
得られた未硬化の電着塗膜を、加熱装置中で加熱硬化させて硬化電着塗膜を得る、電着塗膜硬化工程、
を包含する。この電着塗膜硬化工程で用いられる加熱装置は、電磁誘導を利用して導電性被塗物を加熱する誘導加熱装置である。そしてこの加熱装置は、導電性被塗物を加熱する誘導加熱手段と;この誘導加熱手段に電力を出力する電力出力手段と;この電力出力手段により出力される電力の強さを制御可能な電力制御手段と;を備えている。ここで電力制御手段は、導電性被塗物の加熱が可能な第1加熱電力を所定間隔で間欠的に電力出力手段に出力させる手段である。以下、本発明において用いられるカチオン電着塗料組成物、加熱装置および本発明の方法について記載する。
導電性被塗物
本発明のカチオン電着塗装方法において電着塗装される被塗物は、導電性を有するものであれば特に限定されるものではない。導電性被塗物として、例えば、各種鋼材が挙げられる。使用できる鋼材として例えば、冷延鋼板、熱延鋼板、ステンレス、電気亜鉛めっき鋼板、溶融亜鉛めっき鋼板、亜鉛−アルミニウム合金系めっき鋼板、亜鉛−鉄合金系めっき鋼板、亜鉛−マグネシウム合金系めっき鋼板、亜鉛−アルミニウム−マグネシウム合金系めっき鋼板、アルミニウム系めっき鋼板、アルミニウム−シリコン合金系めっき鋼板、錫系めっき鋼板、鉛−錫合金系めっき鋼板、クロム系めっき鋼板などの鋼材などが挙げられる。これらの鋼材は、鋼材表面上にめっき処理または化成処理などが施されていてもよく、施されていない無処理の鋼材であってもよい。鋼板に施すことができる化成処理として、リン酸塩系処理剤(リン酸亜鉛処理剤、リン酸鉄処理剤、リン酸マンガン処理剤など)、リン酸アルコール系処理剤、リン酸クロム酸系処理剤、炭酸ナトリウム系処理剤、クロメート系処理剤(クロム酸、重クロム酸塩など)、ノンクロメート系処理剤(例えば、シランカップリング剤、ジルコニウム化合物などを含むジルコニウム−シランカップリング剤含有処理剤など。特開2001−316845号などに記載されており公知の処理剤である。)、チタン系処理剤、フッ素系処理剤などによる化成処理が挙げられる。
カチオン電着塗料組成物
本発明において、カチオン性エポキシ樹脂およびブロックイソシアネート硬化剤を含むカチオン電着塗料組成物が用いられる。すなわち、このカチオン電着塗料組成物としては、水性溶媒、水性溶媒中に分散するか又は溶解した、カチオン性エポキシ樹脂及びブロックイソシアネート硬化剤からなるバインダー樹脂、さらに、中和酸、有機溶媒を含むものが好ましい。カチオン電着塗料組成物はさらに、必要に応じて顔料、触媒、添加剤などを含んでもよい。
カチオン性エポキシ樹脂
カチオン性エポキシ樹脂には、アミンで変性されたエポキシ樹脂が含まれる。カチオン性エポキシ樹脂は、典型的には、ビスフェノール型エポキシ樹脂のエポキシ環の全部をカチオン性基を導入し得る活性水素化合物で開環するか、または一部のエポキシ環を他の活性水素化合物で開環し、残りのエポキシ環を、カチオン性基を導入し得る活性水素化合物で開環して製造される。
ビスフェノール型エポキシ樹脂の典型例はビスフェノールA型エポキシ樹脂またはビスフェノールF型エポキシ樹脂である。前者の市販品としてはエピコート828(油化シェルエポキシ社製、エポキシ当量180〜190)、エピコート1001(同、エポキシ当量450〜500)、エピコート1010(同、エポキシ当量3000〜4000)などがあり、後者の市販品としてはエピコート807(同、エポキシ当量170)などがある。
これらのエポキシ樹脂は、ポリエステルポリオール、ポリエーテルポリオール、および単官能性のアルキルフェノールのような適当な樹脂で変性しても良い。また、エポキシ樹脂はエポキシ基とジオール又はジカルボン酸との反応を利用して鎖延長することができる。
これらのエポキシ樹脂は、開環後0.3〜4.0meq/gのアミン当量となるように、より好ましくはそのうちの5〜50%が1級アミノ基が占めるように活性水素化合物で開環するのが望ましい。
カチオン性基を導入し得る活性水素化合物としては1級アミン、2級アミン、3級アミンの酸塩、スルフィド及び酸混合物がある。活性水素化合物としてアミンを用いる場合、エポキシ樹脂と2級アミンとを反応させると、3級アミノ基を有するアミン変性エポキシ樹脂が得られる。また、エポキシ樹脂と1級アミンとを反応させると、2級アミノ基を有するアミン変性エポキシ樹脂が得られる。さらに、1級アミノ基および2級アミノ基を有する化合物を用いることにより、1級アミノ基を有するアミン変性エポキシ樹脂を調製することができる。ここで、1級アミノ基および2級アミノ基を有する化合物を用いて、1級アミノ基を有するアミン変性エポキシ樹脂を調製する場合は、エポキシ樹脂と反応させる前に、化合物の1級アミノ基をケトンでブロック化してケチミンにしておいて、これをエポキシ樹脂に導入した後に脱ブロック化することによって調製することができる。
1級アミン、2級アミンおよびケチミンの具体例としては、例えば、ブチルアミン、オクチルアミン、ジエチルアミン、ジブチルアミン、メチルブチルアミン、モノエタノールアミン、ジエタノールアミン、N−メチルエタノールアミン、トリエチルアミン塩酸塩、N,N−ジメチルエタノールアミン酢酸塩、ジエチルジスルフィド・酢酸混合物などがある。さらに、アミノエチルエタノールアミンのケチミン、ジエチレントリアミンのジケチミンなどの、ブロックされた1級アミンを有する2級アミン、がある。これらのアミン類等は2種以上を併用して用いてもよい。
カチオン性エポキシ樹脂として、特開平5−306327号公報に記載され公知である、オキサゾリドン環含有エポキシ樹脂を用いてもよい。エポキシ樹脂にオキサゾリドン環を導入する方法としては、例えば、メタノールのような低級アルコールでブロックされたブロックイソシアネート硬化剤とポリエポキシドを塩基性触媒の存在下で加熱保温し、副生する低級アルコールを系内より留去することで得ることができる。このオキサゾリドン環含有エポキシ樹脂の具体例及び製造方法は、例えば、特開2000−128959号公報第0012〜0047段落に記載されており、公知である。
ブロックイソシアネート硬化剤
ブロックイソシアネート硬化剤の調製にはポリイソシアネートが使用される。このポリイソシアネートとは、1分子中にイソシアネート基を2個以上有する化合物をいう。ポリイソシアネートとしては、例えば、脂肪族系、脂環式系、芳香族系および芳香族−脂肪族系等のうちのいずれであってもよい。
ポリイソシアネートの具体例には、トリレンジイソシアネート(TDI)、ジフェニルメタンジイソシアネート(MDI)、p−フェニレンジイソシアネート、及びナフタレンジイソシアネート等のような芳香族ジイソシアネート;ヘキサメチレンジイソシアネート(HDI)、2,2,4−トリメチルヘキサンジイソシアネート、及びリジンジイソシアネート等のような炭素数3〜12の脂肪族ジイソシアネート;1,4−シクロヘキサンジイソシアネート(CDI)、イソホロンジイソシアネート(IPDI)、4,4’−ジシクロヘキシルメタンジイソシアネート(水添MDI)、メチルシクロヘキサンジイソシアネート、イソプロピリデンジシクロヘキシル−4,4’−ジイソシアネート、及び1,3−ジイソシアナトメチルシクロヘキサン(水添XDI)、水添TDI、2,5−もしくは2,6−ビス(イソシアナートメチル)−ビシクロ[2.2.1]ヘプタン(ノルボルナンジイソシアネートとも称される。)等のような炭素数5〜18の脂環式ジイソシアネート;キシリレンジイソシアネート(XDI)、及びテトラメチルキシリレンジイソシアネート(TMXDI)等のような芳香環を有する脂肪族ジイソシアネート;これらのジイソシアネートの変性物(ウレタン化物、カルボジイミド、ウレトジオン、ウレトンイミン、ビューレット及び/又はイソシアヌレート変性物);等があげられる。これらは、単独で、または2種以上併用することができる。
ポリイソシアネートをエチレングリコール、プロピレングリコール、トリメチロールプロパン、ヘキサントリオールなどの多価アルコールとNCO/OH比2以上で反応させて得られる付加体ないしプレポリマーもブロックイソシアネート硬化剤に使用してよい。
ブロック剤は、ポリイソシアネート基に付加し、常温では安定であるが解離温度以上に加熱すると遊離のイソシアネート基を再生し得るものである。
顔料
本発明の方法に用いられるカチオン電着塗料組成物は、さらに顔料を含んでもよい。使用できる顔料の例としては、通常使用される無機顔料、例えば、チタンホワイト、カーボンブラック及びベンガラのような着色顔料;カオリン、タルク、ケイ酸アルミニウム、炭酸カルシウム、マイカおよびクレーのような体質顔料;リン酸亜鉛、リン酸鉄、リン酸アルミニウム、リン酸カルシウム、亜リン酸亜鉛、シアン化亜鉛、酸化亜鉛、トリポリリン酸アルミニウム、モリブデン酸亜鉛、モリブデン酸アルミニウム、モリブデン酸カルシウム及びリンモリブデン酸アルミニウム、リンモリブデン酸アルミニウム亜鉛のような防錆顔料等、が挙げられる。
顔料を電着電着塗料組成物の成分として用いる場合、一般に顔料を予め高濃度で水性溶媒に分散させてペースト状(顔料分散ペースト)にする。顔料は粉体状であるため、電着塗料組成物で用いる低濃度均一状態に一工程で分散させるのは困難だからである。一般にこのようなペーストを顔料分散ペーストという。
顔料分散ペーストは、顔料を顔料分散樹脂と共に水性溶媒中に分散させて調製する。顔料分散樹脂としては、一般に、カチオン性又はノニオン性の低分子量界面活性剤や4級アンモニウム基及び/又は3級スルホニウム基を有する変性エポキシ樹脂等のようなカチオン性重合体を用いる。水性溶媒としてはイオン交換水や少量のアルコール類を含む水等を用いる。一般に、顔料分散樹脂は、顔料100質量部に対して固形分比20〜100質量部の量で用いる。顔料分散樹脂と顔料とを混合した後、その混合物中の顔料の粒径が所定の均一な粒径となるまで、ボールミルやサンドグラインドミル等の通常の分散装置を用いて分散させて、顔料分散ペーストを得ることができる。
顔料は、一般に、カチオン電着塗料組成物の全固形分に対して下限1質量%、上限60質量%を占める量でカチオン電着塗料組成物に含有される。上記上限は30質量%であるのが好ましい。
他の成分
上記カチオン電着塗料組成物は、上記成分の他に、上記ブロックイソシアネート硬化剤のブロック剤解離のために解離触媒を含む場合は、ジブチル錫ラウレート、ジブチル錫オキシド、ジオクチル錫オキシドなどの有機錫化合物や、N−メチルモルホリンなどのアミン類、ストロンチウム、コバルト、銅などの金属塩が使用できる。解離触媒の濃度は、カチオン電着塗料組成物中のカチオン性エポキシ樹脂とブロックイソシアネート硬化剤合計の100固形分質量部に対し0.1〜6質量部である。
カチオン電着塗料組成物の調製
本発明で用いられるカチオン電着塗料組成物は、上に述べたカチオン性エポキシ樹脂そしてブロックイソシアネート硬化剤を必須成分とし、さらに顔料分散ペーストを水性溶媒中に分散することによって調製される。また、通常、水性溶媒にはカチオン性エポキシ樹脂を中和して、バインダー樹脂エマルションの分散性を向上させるために中和酸を含有させる。中和酸は塩酸、硝酸、リン酸、ギ酸、酢酸、乳酸のような無機酸または有機酸である。
使用される中和酸の量は、カチオン性エポキシ樹脂及びブロックイソシアネート硬化剤を含むバインダー樹脂固形分100gに対して、10〜25mg当量の範囲であるのが好ましい。上記下限は15mg当量であるのがより好ましく、上記上限は20mg当量であるのがより好ましい。中和酸の量が10mg当量未満であると水への親和性が十分でなく水への分散ができないか、安定性に欠ける状態となるおそれがある。また25mg当量を越えると析出に要する電気量が増加し、電着塗料組成物固形分の析出性が低下し、つきまわり性が劣るおそれがある。
ブロックイソシアネート硬化剤の量は、硬化時にカチオン性エポキシ樹脂中の1級、2級アミノ基、水酸基、等の活性水素含有官能基と反応して良好な硬化塗膜を与えるのに十分な量が必要とされる。好ましいブロックイソシアネート硬化剤の量は、カチオン性エポキシ樹脂とブロックイソシアネート硬化剤との固形分質量比(カチオン性エポキシ樹脂/硬化剤)で表して90/10〜50/50、より好ましくは80/20〜65/35の範囲である。カチオン性エポキシ樹脂とブロックイソシアネート硬化剤との固形分量比の調整により、造膜時の塗膜(析出膜)の流動性および硬化速度が改良され、塗膜の平滑性が向上する。
カチオン電着塗料組成物に通常含まれる有機溶媒としては、エチレングリコールモノブチルエーテル、エチレングリコールモノヘキシルエーテル、エチレングリコールモノエチルヘキシルエーテル、プロピレングリコールモノブチルエーテル、ジプロピレングリコールモノブチルエーテル、プロピレングリコールモノフェニルエーテル等が挙げられる。
カチオン電着塗料組成物は、上記のほかに、可塑剤、界面活性剤、酸化防止剤、及び紫外線吸収剤などの常用の電着塗料組成物用添加剤を含むことができる。アミノ基含有アクリル樹脂、アミノ基含有ポリエステル樹脂等を含んでもよい。
電着塗装工程
電着塗装は、導電性被塗物を陰極として陽極との間に、通常、50〜450Vの電圧を印加して行う。印加電圧が50V未満であると電着が不充分となるおそれがあり、450Vを超えると、塗膜が破壊され異常外観となるおそれがある。電着塗装時、電着塗料組成物の浴液温度は、通常10〜45℃に調節される。
電着塗装工程は、上記カチオン電着塗料組成物に導電性被塗物を浸漬する過程、及び、上記導電性被塗物を陰極として陽極との間に電圧を印加し、被膜を析出させる過程、から構成される。また、電圧を印加する時間は、電着条件によって異なるが、一般には、2〜4分とすることができる。こうして、導電性被塗物に未硬化の電着塗膜が形成される。
電着塗膜の膜厚は、乾燥膜厚として5〜50μmであるのが好ましく、より好ましくは10〜40μmである。膜厚が5μm未満であると、防錆性が不充分となるおそれがある。
なお必要に応じて、電着塗装した後、加熱硬化させる前に、未硬化の電着塗膜を有する導電性被塗物を水洗してもよい。水洗することによって、導電性被塗物上に単に付着した過剰の電着塗料組成物を除去し、得られる硬化電着塗膜の外観を向上させることができる。
電着塗膜硬化工程
上記電着塗装工程によって導電性被塗物上に形成される未硬化の電着塗膜を、誘導加熱装置中で加熱硬化させることによって、硬化電着塗膜を有する塗装物が得られることとなる。本発明において、この電着塗膜硬化工程で用いられる誘導加熱装置は、電磁誘導を利用して導電性被塗物を加熱する誘導加熱装置である。そしてこの加熱装置は、導電性被塗物を加熱する誘導加熱手段と;この誘導加熱手段に電力を出力する電力出力手段と;この電力出力手段により出力される電力の強さを制御可能な電力制御手段と;を備えている。ここで電力制御手段は、導電性被塗物の加熱が可能な第1加熱電力を所定間隔で間欠的に電力出力手段に出力させる手段であることを特徴とする。
誘導加熱装置(1A)
本発明で用いられる誘導加熱装置の一例を図1に示す。図1に示される誘導加熱装置1Aは、その表面に未硬化の電着塗膜110を有する導電性被塗物100の外周を巻回するように形成される誘導加熱手段であるコイル2と、コイル2を形成する電線20に電力を出力(電力出力手段)する電源装置5と、電源装置5に内蔵されこの電源装置5から出力される電力の強さを制御可能な電力制御手段である不図示の電力制御部と、を備える。図中において、電着塗膜110を有する導電性被塗物100をまとめて、加熱対象物10として示す。加熱対象物10の未硬化の電着塗膜110が誘導加熱により加熱され硬化することによって、硬化電着塗膜を有する塗装物が得られることとなる。
誘導加熱手段であるコイル2は、所定の電線20を螺旋状に巻回するようにして形成される。好ましくは、コイル2は、加熱対象物10の形状や大きさに応じて、その巻回数や形状が調整される。ここで、電線20として、導水用の中空部が形成された中空状の銅線を例示できる。
本態様において電源装置5は、電線20を介してコイル2に電力を出力する(電力出力手段)と共に、この電源装置5に内蔵される不図示の電力制御部によりコイル2に出力される電力の強さや出力パターンを制御する(電力制御手段)。具体的には、図3及び図4に示されるように、不図示の電力制御部は、電源装置5から所定の出力パターンで電力を出力させる。
図2(a)(b)に示すように、加熱対象物10は、コイル2により誘導加熱される。図2(a)に示すように、加熱対象物10は、コイル2に近い位置である幅方向における両端側から加熱される。そして、加熱により生じた熱は、矢印H1、H2で示されるように幅方向における中心へ熱伝導する。また、図2(b)に示すように、加熱対象物10は、長手方向における中心側から加熱される。そして、加熱により生じた熱は、矢印H3、H4の長手方向における両端側へ熱伝導する。
このような誘導加熱装置1Aにおいて、コイル2に所定の出力パターン、例えば、図3及び図4に示すような出力パターンで電力を出力することによって、加熱と熱伝導とのバランスをとりながら、加熱対象物10を短時間で所定温度に全体を均一に加熱することができる。
図3及び図4により、電源装置5からコイル2に出力される電力の出力パターンについて説明する。
図3は、所定強さの第1加熱電力が、間欠的に出力される場合における電力の出力パターンの一例を説明する図である。第1電力の出力の変化は、所定強さの電流と図3に示される電圧の変化により示される。具体的には、加熱対象物10を誘導加熱可能な第1加熱電力をt1a時間出力する第1加熱電力出力域51と、電力をt1b時間出力しない非電力出力域52と、を交互に繰り返すように電力を出力する。言い換えると、第1加熱電力をt1a時間出力する第1加熱電力出力域51と、電力をt1b時間出力しない非電力出力域52とを1周期(t2時間)として、これを連続的に繰りかえすよう電力を出力する。
第1加熱電力が出力される第1加熱電力出力域51において、図1及び図2におけるコイル2は、加熱対象物10を加熱する。第1加熱電力が出力されない非電力出力域52においては、コイル2は、加熱対象物10を加熱しない。この非電力出力域52では、図2に示すように、第1加熱電力出力域51で加熱された熱が隣接する部位に熱伝導(拡散)する。
このように、第1加熱電力出力域51における加熱と、非電力出力域52における非加熱及び熱伝導とにより、加熱対象物10である表面に電着塗料組成物110が電着塗装された金属板100は、短時間で全体が均一に加熱される。
図4は、所定強さの第1加熱電力が間欠的に出力される場合における電力の出力パターンの他の一例を説明する図である。この例においては、所定強さの第1加熱電力と、第1加熱電力に連続して出力されこの第1加熱電力よりも弱い電力である第2加熱電力とが交互に出力される。第1電力及び第2電力の出力の変化は、所定強さの電流と図4に示される電圧の変化により示される。具体的には、加熱対象物10を誘導加熱可能な第1加熱電力をt1a時間出力する第1加熱電力出力域53と、加熱対象物10を実質的に加熱しないか又は弱く加熱する第2加熱電力をt1b時間出力する第2加熱電力出力域54と、を交互に繰り返すように出力される電力である。
言い換えると、第1加熱電力をt1a時間出力する第1加熱電力出力域53と、第2加熱電力をt1b時間出力する第2加熱電力出力域54とを1周期(t2時間)として、これを連続的に繰りかえすよう電力を出力する。
第1加熱電力が出力される第1加熱電力出力域53において、図1及び図2におけるコイル2は、加熱対象物10を加熱する。第2加熱電力が出力される第2加熱電力出力域54においては、コイル2は、加熱対象物10を実質的に加熱しないか、又は弱く加熱する。この第2加熱電力出力域54では、図2に示すように、第1加熱電力出力域51で加熱された熱が隣接する部位に伝導(拡散)する。ここで、加熱対象物10を弱く加熱する場合における第2加熱電力は、例えば、コイル2により、加熱対象物10からの放熱による温度降下や伝熱による温度降下を補うような加熱が可能な電力である。
このように、第1加熱電力出力域53における加熱と、第2加熱電力出力域54における熱伝導により、加熱対象物10である表面に電着塗料組成物110が電着塗装された金属板100は、短時間で全体が均一に加熱される。また、第2加熱電力により放熱による熱のロス等を補うように加熱することで、加熱対象物10を全体的に均一に加熱すると共に、より短時間で所定温度に加熱することができる。
図5に示すように、図1及び図2における加熱対象物10を、図3のように第1加熱電力を間欠的に出力して加熱した場合(A)と、第1加熱電力を連続的に出力して加熱した場合(B)とでは、第1加熱電力を連続的に出力して加熱した場合(B)の方が短時間で所定温度(例えば、170℃)に昇温される。
しかし、第1加熱電力を連続的に出力して対象物を短時間で昇温させた場合には、表面に形成された未硬化の電着塗膜の加熱硬化は不均一となり、得られる硬化電着塗膜の品質が劣ることとなる。これに対して、第1加熱電力を間欠的に出力して加熱した場合においては、表面に形成された未硬化の電着塗膜の加熱硬化の均一性は向上し、これにより硬化電着塗膜の品質が向上することとなる。
具体的には、第1加熱電力を連続的に出力して加熱した場合、加熱対象物10における所定位置のみの温度が急上昇し、加熱対象物が全体として不均一に加熱されるため、未硬化の電着塗膜の加熱硬化もまた不均一なものとなり、得られる硬化電着塗膜の品質が劣ることとなる。これに対して、第1加熱電力を間欠的に出力して加熱した場合、加熱対象物10は全体的に均一に加熱されるため、電着塗膜の加熱硬化の均一性は向上し、これにより硬化電着塗膜の品質が向上することとなる。
誘導加熱装置(1B)
本発明で用いられる誘導加熱装置の他の一例を図6に示す。図6に示される誘導加熱装置1Bは、表面に電着塗料組成物110が電着塗装された金属板100である加熱対象物10の下側に配置され、略平板状に巻回される板状コイル3と、板状コイル3を形成する電線20に電力を出力する(電力出力手段)電源装置5と、電源装置5に内蔵され該電源装置5から出力される電力の強さを制御可能な電力制御手段である不図示の電力制御部と、を備える。加熱対象物10に電着塗装された電着塗料組成物が焼き付けにより硬化され、表面に硬化電着塗膜が形成された塗装物が得られることとなる。
誘導加熱手段である板状コイル3は、所定の電線20を略板状に巻回するようにして形成される。好ましくは、板状コイル3は、加熱対象物10の形状や大きさに応じて、その巻回数や大きさが調整される。ここで、電線20として導水用の中空部が形成された中空状の銅線を例示できる。
電源装置5は、電線20を介して板状コイル3に電力を出力する(電力出力手段)と共に、該電源装置5に内蔵される不図示の電力制御部により板状コイル3に出力される電力の強さや出力パターンを制御する(電力制御手段)。具体的には、図3及び図4に示されるように、不図示の電力制御部は、電源装置5から所定の出力パターンで電力を出力させる。
本実施形態における誘導加熱装置1Bは、第1実施形態における誘導加熱装置1Aと同様に、板状コイル3に所定の出力パターン、例えば、図3及び図4に示すような出力パターンで電力を出力することで、加熱と熱伝導とのバランスをとり、加熱対象物10を短時間で所定温度に加熱すると共に全体を均一に加熱する。
電力出力等の加熱条件
本発明における誘導加熱装置に供給される加熱電力の強さや出力パターンは、例えば、加熱対象物10の大きさ、形状及び材質、そして誘導加熱手段の形状、大きさ及び加熱対象物10との距離等により決定される。また、誘導加熱手段による加熱能力は、例えば、電圧、電流、周波数、出力時間等により調整される。
例えば、長さ150mm、幅70mm、厚さ0.8mmの鋼板に電着塗膜を形成し焼き付けする場合においては、誘導加熱手段で用いられる電圧は、40Vから300Vであることが好ましい。電圧が40V以下の場合には、目標とする温度に到達できないおそれがある。また、電圧が300V以上の場合には、極めて短時間に目標温度に到達し、更にこの目標温度を超えてしまい、目標温度で加熱対象物全体を均一に保持することが困難となるおそれがある。
誘導加熱手段で用いられる電流は、5Aから50Aであることが好ましい。電流が5A以下の場合には、目標とする温度に到達できないおそれがある。また、電流が50A以上の場合には、極めて短時間に目標温度に到達し、更にこの目標温度を超えてしまい、目標温度で加熱対象物全体を均一に保持することが困難となるおそれがある。
誘導加熱手段で用いられる周波数は、5KHzから100KHzであることが好ましい。周波数が5KHz以下の場合には、目標とする温度の到達できないおそれがある。また、周波数が100KHz以上の場合には、極めて短時間に目標温度に到達し、更にこの目標温度を超えてしまい、目標温度で加熱対象物全体を均一に保持することが困難となるおそれがある。
上記出力時間t1aは、0.1から5秒であることが好ましい。また、出力周期t2に対する出力時間t1aである断続比率(t1a/t2)は、0.05から0.5であることが好ましい。また、昇温時間は、80秒から210秒であることが好ましい。昇温及び保持における温度差は、12℃以下、好ましくは5℃以下である場合が好ましい。
なお上記数値は、例えば、被塗物の大きさ、形状、材質に応じて適宜変更することができる。例えば、被塗物である鋼板の面積がより大きい場合においは、それに応じて電圧、電流、周波数等を大きくすることができる。この場合においては、上記した好適な数値範囲もまた変化する可能性がある。同様に、被塗物である鋼板の厚さがより大きい場合は、それに応じて電圧、電流、周波数、出力時間t1a、出力周期t2に対する出力時間t1aを大きくすることができる。この場合においてもまた、上記した好適な数値範囲は変化する可能性がある。
また、上記数値範囲は、誘導加熱手段と被塗物との距離によっても変化しうる。例えば、図1に示されるコイル3と加熱対象物10との距離が長くなると同じ条件でも緩やかな昇温となる。一方、コイル3と加熱対象物10との距離が短くなると同じ条件でも急な昇温となり、特定の温度に昇温するまでの時間が短くなる。
上記のような誘導加熱装置を上記条件で用いることによって、未硬化の電着塗膜が加熱硬化し、硬化電着塗膜が得られることとなる。電着塗膜硬化工程における加熱条件として、例えば、導電性被塗物の温度を120〜200℃まで昇温する昇温時間1.5〜10分、好ましくは1.5〜6分、さらに好ましくは1.5〜3分、および未硬化の電着塗膜の加熱硬化時間5〜30分、という条件が挙げられる。
図7から図9に、第2実施形態における誘導加熱装置1Bにより、図3に示す電力出力パターンで、図6における電源装置5から第1加熱電力が間欠的に出力される場合における加熱対象物10の温度変化を示す。
図7から図9は、図6の加熱対象物10における点a、点b、点cそれぞれの温度変化を示すグラフである。各図における△tは、各時間における点a、点b、点cの最も高い温度と最も低い温度との差を示す。
図7は、図3における第1加熱電力を出力する出力時間t1aと、第1加熱電力を出力しない出力時間t1bとの関係が好適である場合の温度変化グラフである。つまり、所定位置の加熱と熱伝導のバランスが良く、全体的に均一に加熱されている場合の温度変化グラフである。図7で示されるような温度変化で昇温される場合、加熱対象物10が全体的に均一に加熱されることから、品質の高い塗膜が形成される。
図8は、図3における第1加熱電力を出力する出力時間t1aが、第1加熱電力を出力しない出力時間t1bに対して長すぎる場合の温度変化グラフである。つまり、加熱時間が熱伝導に必要な所定時間よりも長いため、加熱される所定位置から他の位置に熱が伝導して全体の温度が均一化される前に更に加熱されるため、加熱対象物10の温度が不均一になるおそれがある。更に、加熱対象物10の昇温が急すぎるため、ワキ等が生じて形成される塗膜の品質が低くなる場合がある。第1加熱電力を出力する出力時間t1aが、第1加熱電力を出力しない出力時間t1bに対して長すぎる場合として、例えば断続比率t1a/t2が0.5以上である場合が挙げられる。
図9は、第1加熱電力を出力しない出力時間t1bの時間が長すぎるため、加熱時間全体が長くなった場合の温度変化グラフである。図7に示される温度変化で加熱された場合と比べると、塗膜の品質は同等であるが、未硬化の電着塗膜の焼き付け時間が長くなる。つまり、図7に示される温度変化で加熱された場合と比べて、誘導加熱による昇温時間の短縮というメリットが少なくなる。このような事例として、例えば断続比率t1a/t2が0.05未満である場合が挙げられる。
本発明の方法によって、均一に熱硬化された硬化電着塗膜を有する導電性被塗物を、加熱硬化温度までより短時間で昇温することができる。これにより、より短い時間で均一に硬化電着塗膜を形成することが可能となる。
また本発明の方法は、硬化工程における導電性被塗物の昇温時間が短縮されたことから電着塗膜の硬化工程における熱効率が高くなっており、エネルギー費用の低減を図ることができる。また熱風を用いる必要がないため、排気フィルター設置および交換などといった排気整備コストの低減も図ることができる。
本発明においては、導電性被塗物の加熱が可能な第1加熱電力を所定間隔で間欠的に電力出力手段に出力させる電力制御手段を有する特定の誘導加熱装置を、被塗物上に形成された未硬化の電着塗膜の加熱硬化に用いることによって、加熱対象物を均一に加熱することが可能となる。これにより、塗膜の急激な加熱に伴う塗膜外観の不良といった不具合を伴うことなく、短時間で均一に加熱硬化することができるという利点がある。つまり本発明は、導電性被塗物の電着塗装に特に好適に用いることができる加熱装置を用いた方法に関する発明であるということができる。
また、本発明においては、導電性被塗物の加熱に適した特定の誘導加熱装置を用いるため、導電性被塗物全体を均一に加熱することができるという利点がある。従来の熱風加熱装置においては、未硬化塗膜の発生を防止するため、一般に、設定される焼付温度を焼付下限温度として、その温度を超える温度で加熱硬化を行っていた。特に、被塗物の形状に依存して被塗物自体の厚み(肉厚)に差がある場合は、肉厚が厚い部分の温度が十分に昇温しないことによってその部分の電着塗膜が未硬化状態とならないように、設定される焼付温度を大きく超えた温度まで、装置温度を上昇させる必要があった。しかしながらこのような熱風加熱方法においては、導電性被塗物の肉厚の薄い部分または他の部分が、設定される焼付温度以上に過剰に加熱されてしまう、すなわちオーバーベークが生じてしまう、という問題があった。このオーバーベークは、カチオン電着塗料組成物中に含まれるブロックイソシアネート硬化剤に由来するヤニの発生を伴うという問題がある。そして本発明の方法によって、このようなオーバーベークの問題は解決され、そして余分なヤニの発生を防止することが可能となった。本発明においてはさらに、熱風加熱炉において熱風を循環させる際に舞い上がるゴミまたはチリが硬化電着塗膜に付着し塗膜外観が悪化するという不具合を伴わないという利点もある。
さらに、本発明において誘導加熱手段を有する特定の加熱装置を用いることによって、塗装および焼き付け硬化工程を全て電力設備で統一的に管理することができるという利点がある。電着塗装は、電圧を印加することによって被塗物上に塗膜が形成される塗装方法であり、塗装工程において通電が必要とされる塗装方法である。一方、硬化工程で一般に用いられる熱風加熱炉は、エネルギー効率などの関係からガス設備であることが多い。本発明によって、塗膜加熱硬化において誘導加熱手段を有する加熱装置を用いて、良好な塗膜を形成することが可能となる。そしてこれにより塗装工程および加熱硬化工程において、通電設備の一元管理を図ることができ、塗装管理の利便性が向上するという利点がある。また、本発明において誘導加熱手段を有する特定の加熱装置を用いることによって、熱風加熱炉において発生し得る輻射熱および燃焼ガスの発生を抑えることができるという利点もある。さらに、熱風加熱炉を設置する必要がないことから、炉内におけるヤニおよびススの発生に基づく塗膜外観低下の不具合の発生頻度を低減することができる。特に上述のヤニの発生防止効果も含めて、これらのヤニおよびススの除去清掃の手間も低減することができる。
以下の実施例により本発明をさらに具体的に説明するが、本発明はこれらに限定されない。実施例中、「部」および「%」は、ことわりのない限り、質量基準による。
カチオン電着塗料組成物の調製
製造例1 アミン変性エポキシ樹脂の製造
攪拌機、冷却管、窒素導入管、温度計および滴下漏斗を装備したフラスコに、2,4−/2,6−トリレンジイソシアネート(質量比=8/2)92部、メチルイソブチルケトン(以下、MIBKと略す)95部およびジブチル錫ジラウレート0.5部を仕込んだ。反応混合物を攪拌下、メタノール21部を滴下した。反応は、室温から始め、発熱により60℃まで昇温した。その後、30分間反応を継続した後、エチレングリコールモノ−2−エチルヘキシルエーテル50部を滴下漏斗より滴下した。更に、反応混合物に、ビスフェノールA−プロピレンオキシド5モル付加体53部を添加した。反応は主に、60〜65℃の範囲で行い、IRスペクトルの測定において、イソシアネート基に基づく吸収が消失するまで継続した。
次に、ビスフェノールAとエピクロルヒドリンから既知の方法で合成したエポキシ当量188のエポキシ樹脂365部を反応混合物に加えて、125℃まで昇温した。その後、ベンジルジメチルアミン1.0部を添加し、エポキシ当量410になるまで130℃で反応させた。
続いて、ビスフェノールA61部およびオクチル酸33部を加えて120℃で反応させたところ、エポキシ当量は1190となった。その後、反応混合物を冷却し、ジエタノールアミン11部、N−エチルエタノールアミン24部およびアミノエチルエタノールアミンのケチミン化物の79質量%MIBK溶液25部を加え、110℃で2時間反応させた。その後、MIBKで不揮発分80%となるまで希釈し、アミン変性エポキシ樹脂(樹脂固形分80%)を得た。
製造例2 ブロックイソシアネート硬化剤の製造
ジフェニルメタンジイソシアナート1250部およびMIBK266.4部を反応容器に仕込み、これを80℃まで加熱した後、ジブチル錫ジラウレート2.5部を加えた。ここに、ε−カプロラクタム226部をブチルセロソルブ944部に溶解させたものを80℃で2時間かけて滴下した。さらに100℃で4時間加熱した後、IRスペクトルの測定において、イソシアネート基に基づく吸収が消失したことを確認し、放冷後、MIBK336.1部を加えてブロックイソシアネート硬化剤を得た。
製造例3 顔料分散樹脂の製造
まず、攪拌装置、冷却管、窒素導入管および温度計を装備した反応容器に、イソホロンジイソシアネート(以下、IPDIと略す)222.0部を入れ、MIBK39.1部で希釈した後、ここヘジブチル錫ジラウレート0.2部を加えた。その後、これを50℃に昇温した後、2−エチルヘキサノール131.5部を攪拌下、乾燥窒素雰囲気中で2時間かけて滴下した。適宜、冷却することにより、反応温度を50℃に維持した。その結果、2−エチルヘキサノールハーフブロック化IPDI(樹脂固形分90.0%)が得られた。
次いで、適当な反応容器に、ジメチルエタノールアミン87.2部、75%乳酸水溶液117.6部およびエチレングリコールモノブチルエーテル39.2部を順に加え、65℃で約半時間攪拌して、4級化剤を調製した。
次に、エポン(EPON)829(シェル・ケミカル・カンパニー社製ビスフェノールA型エポキシ樹脂、エポキシ当量193〜203)710.0部とビスフェノールA289.6部とを適当な反応容器に仕込み、窒素雰囲気下、150〜160℃に加熱したところ、初期発熱反応が生じた。反応混合物を150〜160℃で約1時間反応させ、次いで、120℃に冷却した後、先に調製した2−エチルヘキサノールハーフブロック化IPDI(MIBK溶液)498.8部を加えた。
反応混合物を110〜120℃に約1時間保ち、次いで、エチレングリコールモノブチルエーテル463.4部を加え、混合物を85〜95℃に冷却し、均一化した後、先に調製した4級化剤196.7部を添加した。酸価が1となるまで反応混合物を85〜95℃に保持した後、脱イオン水964部を加えて、エポキシ−ビスフェノールA樹脂において4級化を終了させ、4級アンモニウム塩部分を有する顔料分散用樹脂を得た(樹脂固形分50%)。
製造例4 顔料分散ペーストの製造
サンドグラインドミルに製造例3で得た顔料分散用樹脂を120部、カーボンブラック2.0部、カオリン100.0部、二酸化チタン80.0部、リンモリブデン酸アルミニウム18.0部およびイオン交換水221.7部を入れ、粒度10μm以下になるまで分散して、顔料分散ペーストを得た(固形分48%)。
製造例5 カチオン電着塗料組成物の製造
製造例1で得られたアミン変性エポキシ樹脂と製造例2で得られたブロックイソシアネート硬化剤とを固形分比で80/20で均一になるよう混合した。これに樹脂固形分100g当たり酸のミリグラム当量(MEQ(A))が30になるよう氷酢酸を添加し、さらにイオン交換水をゆっくりと加えて希釈した。減圧下でMIBKを除去することにより、固形分が36%のエマルションを得た。
このエマルション1500部および製造例4で得られた顔料分散ペースト540部と、イオン交換水1920部と10%酢酸セリウム水溶液40部およびジブチル錫オキサイド10部とを混合して、固形分20質量%のカチオン電着塗料組成物を得た。
実施例1〜4
リン酸亜鉛処理した溶融亜鉛めっき鋼板(JIS G3302規格品、150×70×0.8mm)に、製造例5より得られたカチオン電着塗料組成物を、乾燥膜厚が17μmとなるように電着塗装し、未硬化の電着塗膜を得た。次いで、図1に示される誘導加熱装置1Aを用いて、表1に示される条件において未硬化の電着塗膜を焼き付け硬化し、硬化電着塗膜を得た。この誘導加熱装置1Aによる加熱中における溶融亜鉛めっき鋼板(加熱対象物10)の温度を測定して昇温状況及び温度保持状況を観察した。また、各実施例および比較例で形成された硬化電着塗膜を下記評価基準により評価した。それらの結果を表1に示す。
実施例1〜4の各条件等を以下に説明する。
Figure 2009091594
<塗膜評価基準>
下記5段階で塗膜を評価した。
◎塗膜異常(ワキ、ピン、ヘコミ)が全く見当たらない
○塗膜異常と判断されるものがφ10mm範囲に1個ある
△塗膜異常と判断されるものがφ10mm範囲に2個から5個ある
×塗膜異常と判断されるものがφ10mm範囲に5個より多くある
××塗膜異常が多発と判断される
Figure 2009091594
実施例1〜4においては、加熱硬化温度到達時間が何れも200秒以内となっている。電着塗膜の硬化に用いられる一般的な熱風加熱炉においては、加熱硬化温度到達時間は約5分ほどの時間が必要とされる。本実施例においてはいずれも、熱風加熱炉において必要とされる加熱硬化温度到達時間の半分ほどの時間で、良好な硬化電着塗膜が得られることが確認できた。特に、実施例3においては、加熱硬化温度到達時間が140秒と非常に短いことに加えて、優れた硬化電着塗膜が得られることが確認できる。この実施例3は、出力時間t1a、断続比率(t1a/t2)そして供給電圧などのバランスが非常に良好であるためと考えられる。さらに実施例3においては、温度差もまた、他の実施例に比べて小さいことがわかる。このため得られた塗膜の塗膜評価は好適な評価となっていると考えられる。
本発明の方法によって、硬化電着塗膜を有する塗装物を、より短時間で加熱硬化することができ、電着塗装後の焼付工程を短縮することができる。また本発明においては、導電性被塗物の加熱が可能な第1加熱電力を所定間隔で間欠的に電力出力手段に出力させる電力制御手段を有する特定の誘導加熱装置を、被塗物上に形成された未硬化の電着塗膜の加熱硬化に用いることによって、加熱対象物を均一に加熱することができる。これにより、塗膜の急激な加熱に伴う塗膜外観の不良といった不具合を伴うことなく、短時間で均一に加熱硬化することができるという利点がある。また本発明においては、熱風を用いる必要がないため、排気フィルター設置および交換などといった排気整備コストの低減も図ることができる。また本発明の方法においては、塗装および焼き付け硬化工程を全て電力設備で統一的に管理することができ、塗装工程および加熱硬化工程において通電設備の一元管理を図ることができるという利点もある。
本発明の第1実施形態における誘導加熱装置を説明する斜視図である。 図1における誘導加熱装置に加熱される金属板の配置及び熱伝導を示す図である。 図1におけるコイル2に出力される電力の第1パターンを示す図である。 図1におけるコイル2に出力される電力の第2パターンを示す図である。 第1実施形態における誘導加熱装置に電力が第1パターンで出力された場合の温度上昇と、電力が連続的に出力された場合の温度上昇を示す図である。 本発明の第2実施形態における誘導加熱装置を示す図である。 第2実施形態における誘導加熱装置による第1加熱例を示すグラフである。 第2実施形態における誘導加熱装置による第2加熱例を示すグラフである。 第2実施形態における誘導加熱装置による第3加熱例を示すグラフである。
符号の説明
1A…誘導加熱装置、
1B…誘導加熱装置、
2…コイル、
3…コイル、
5…電源装置、
10…加熱対象物、
20…電線、
100…導電性被塗物、
110…電着塗料組成物。

Claims (6)

  1. 導電性被塗物にカチオン電着塗料組成物を電着塗装して未硬化の電着塗膜を形成する電着塗装工程、および
    得られた未硬化の電着塗膜を、加熱装置中で加熱硬化させて硬化電着塗膜を得る、電着塗膜硬化工程、
    を包含する、カチオン電着塗装方法であって、
    該加熱装置は、電磁誘導を利用して導電性被塗物を加熱する誘導加熱装置であり、
    該加熱装置は、
    導電性被塗物を加熱する誘導加熱手段と、
    該誘導加熱手段に電力を出力する電力出力手段と、
    該電力出力手段により出力される電力の強さを制御可能な電力制御手段と、
    を備えており、
    該電力制御手段は、該電力出力手段に、導電性被塗物の加熱が可能な第1加熱電力を所定間隔で間欠的に出力させる電力制御手段であり、および
    該カチオン電着塗料組成物が、カチオン性エポキシ樹脂およびブロックイソシアネート硬化剤を含むカチオン電着塗料組成物である、
    カチオン電着塗装方法。
  2. 前記電力制御手段は、導電性被塗物の加熱が可能な第1加熱電力と、該第1加熱電力よりも弱い電力である第2加熱電力とを周期的に繰り返して電力を出力することによって、電力出力手段に導電性被塗物の加熱が可能な第1加熱電力を所定間隔で間欠的に出力させる電力制御手段である、請求項1記載のカチオン電着塗装方法。
  3. 前記電力制御手段は、前記第1加熱電力と前記第2加熱電力とが交互に繰り返されるよう電力を出力することによって、電力出力手段に導電性被塗物の加熱が可能な第1加熱電力を所定間隔で間欠的に出力させる電力制御手段である、請求項1または2記載のカチオン電着塗装方法。
  4. 前記誘導加熱手段は、導電性被塗物を囲むよう螺旋状に形成されている、請求項1〜3いずれかに記載のカチオン電着塗装方法。
  5. 前記誘導加熱手段は、略平面状に巻回されるように形成されると共に、所定の面が前記導電性被塗物に対向するよう配置される、請求項1〜3いずれかに記載のカチオン電着塗装方法。
  6. 請求項1〜5いずれかに記載のカチオン電着塗装方法により得られる、硬化電着塗膜を有する塗装物。
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