JP2009090319A - 連続鋳造用ノズル - Google Patents

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Abstract

【課題】内孔側耐火物層と外周側耐火物層の2層構造を備える管状耐火物構造体からなる連続鋳造用ノズルにおいて、軸方向の縦割れや横割れなどの損傷を防止すること。
【解決手段】内孔に面する内孔側耐火物層2とこの内孔側耐火物層の外周側に位置する外周側耐火物層1とを備える連続鋳造用ノズルにおいて、内孔側耐火物層2と外周側耐火物層1との間に、各耐火物層1,2の破壊強度を超えない剪断応力以下で各耐火物層1,2が相互に滑ることができる固体潤滑機能を有する潤滑層3と、内孔が溶融金属温度レベルの熱間で各耐火物層1,2が密着して厚みがゼロとなり、かつ内孔側耐火物層2の熱膨張による外周側耐火物層1への発生応力を外周側耐火物層1の破壊強度未満にするために必要な常温での厚みを有する空間層4とを設けた。また、内孔側耐火物層2と外周側耐火物層1との間に、潤滑層3と空間層4の機能を兼ね備える可縮性潤滑層5を設けた。
【選択図】図1

Description

本発明は、溶鋼等の溶融金属が通過する内孔を軸方向に有する管状耐火物構造体からなる連続鋳造用ノズルの損傷防止技術に関する。なお、本発明において「管状」とは、その軸方向に直角な方向の断面は円形状に限らず、楕円、多角形等を含む。
取鍋からタンディッシュに溶鋼を排出するロングノズルやタンディッシュから連続鋳造用モールドに溶融金属を注入する浸漬ノズルなどの連続鋳造用ノズルは、その軸方向中央付近に溶鋼が通過する内孔を有する管状耐火物構造体から構成されており、溶鋼が内孔を通過する際には内孔側と外周側で温度勾配が生じる。とくに溶鋼の排出・通過開始時には、内孔側又は外周側が急激に昇温されるので、その現象は顕著になる。
このような温度勾配は、管状耐火物構造体を構成する耐火物が単層であるか複数層であるかにかかわらず耐火物の内部に応力の歪みを生じさせ、外周面部分の割れ等の破壊を生じる原因の一つになっており、温度勾配が大きいほどその危険性は高い。
このような熱応力に起因する破壊の対策としては、従来、連続鋳造用ノズル(管状耐火物構造体)を構成する耐火物に黒鉛を多量に含有させたり、熱膨張量の小さい溶融シリカなどを添加したりすることによって、耐火物の高熱伝導率化、低膨張化、かつ低弾性率化を図ることにより熱応力破壊を防止することが一般的である。しかし、一方で黒鉛や溶融シリカの増量は耐酸化性の低下や溶鋼成分との反応性が増すため、耐食性や耐摩耗性等の低下による耐用性低下を招く弊害がある。そこで、これまでは、耐熱衝撃性に優れた材質の耐火物を管状耐火物構造体の基礎部分とし、流速や乱れの大きい溶鋼流と接触することで摩耗等の影響が大きい内孔側には耐摩耗性の高い材質を必要最低限の厚みで設置し、溶鋼への浸漬部分などのスラグ等との化学的侵蝕の影響の大きい部位には耐食性に優れる材質を設置する等、部位毎の損傷形態に応じた適正材質をモザイク状に配設することで連続鋳造用ノズルの寿命延長を図ってきた。
しかし、近年の連続鋳造用ノズルへの高耐用化や安定鋳造、さらには溶鋼の清浄度の向上等の要求が高まる中で、これらの要求に応じる形で、とくに連続鋳造用ノズルの内孔側に関しては外周側の耐火物よりもさらなる低炭素化や高機能化が進められている。最近では、黒鉛を全く含まない材質や成分的に耐摩耗性、耐溶損性、又は内孔面へのアルミナ等の介在物の付着抑制機能に優れる塩基性成分を含む材質を内孔側に適用することも珍しくなく、内孔側にCaO成分、MgO成分、ZrO成分を含有する耐火物層を内装した浸漬ノズルなどの適用が増える傾向にある。
ところが、これらの高耐用化や安定化に関わる内孔側耐火物層の材質に係る技術の方向は、上述したように低カーボン化(Al成分の高含有化)、塩基性化等であるために高熱膨張化を伴う。したがって、これらの材質を外周側耐火物層の強化層として内孔側に設置した場合は、外周側耐火物層は、とくに鋳造初期に、管状耐火物構造体の半径方向の温度差により生じる熱膨張差に起因する熱応力に加えて、熱膨張性の大きい内孔側耐火物層の膨張に伴う、内孔側耐火物層からの押し割り(半径方向の圧縮応力)を受けることになる。その結果、外周側耐火物層に縦方向や横方向の亀裂の発生ないし破壊が生じやすくなる。
これに対して例えば特許文献1には、高耐食性等を指向しつつ熱応力による破壊を防止するために、内孔側にのみカーボンを含まない高熱膨脹性、高耐食性の耐火物層を設置し、それ以外の外周側にはカーボン含有の耐スポーリング性に優れる耐火物層を設置して2層構造とし、この2層構造の耐火物層間の接触面の少なくとも80%以上を、ポリプロピレン、ナイロン等の可燃物を成形時にセットしそれを焼失させて形成される分離層によって分離した鋳造用ノズルが開示されている。
しかし、この特許文献1の鋳造用ノズルでは、耐火物層間の接触面の20%未満が接着されている。仮に僅かな接着部分であっても、この接着部分を介して内孔側耐火物層から外周側耐火物層へと押し割り応力の伝達が行われるため割れ現象の基点となってしまう。また、接着部分が0%の場合は、内孔側耐火物層を構造体として保持できなくなる基本的な問題が生じる。さらに、分離層には溶鋼が容易に浸入し、温度変化を受けた際に溶鋼の凝固収縮や加熱時の鋼の膨張により耐火物に亀裂が発生したり、内孔側耐火物層が外周側耐火物層と接着していないために剥落するといった問題が発生する。
一方、特許文献2には、介在物の付着抑制を目的にCaOを70wt%以上含有し見掛け気孔率が50%以下のCaOノズルを浸漬ノズルに内装し、このCaOノズルと母材ノズルとの間にCaOノズルの熱膨張量に応じた間隙を設けることが開示されている。また、必要に応じて、CaOノズルの端部と母材ノズルとの間に薄いセラミックファイバーもしくは少量のモルタルを詰め込んでCaOノズルを固定することも開示されている。
しかしながら、このように内孔側のCaOノズル(内孔側耐火物層)と外周側の母材ノズル(外周側耐火物層)との間にCaOノズルの熱膨張代に相当した間隙を設けた構造では、高膨張なCaOノズルによる外周側の母材ノズルの押し割り現象は抑制できるものの、特許文献2の段落0022に予熱時にCaOノズル外径の3%以上の間隙を設けることが好ましいと記述されているように、内孔側のCaOノズルと外周側の母材ノズルとは熱間では密着していないと考えられる(CaO系の材料の熱膨張率は、約1500℃でほぼCaOのみにより成る熱膨張率が最高レベルの材質でも約2%以下である。)。熱間すなわちノズル使用時にCaOノズルと母材ノズルとが密着していないと、内装ノズルが、使用時に受ける圧縮応力により、ずれたり、脱落したりする危険がある。また、CaOノズルとノズル母材との間隙に溶鋼が容易に浸入するため、温度変化を受けた場合、溶鋼の凝固収縮や鋼の熱膨張によりCaOノズルや外周側のノズル母材を破損する危険性を伴う。
このように、特許文献1の分離層や特許文献2の間隙といった、内孔側耐火物層と外周側耐火物層との間の目地部の設計が広すぎる場合には、目地部への溶鋼浸入による内孔側耐火物層の剥落や損傷、外周側耐火物層の損傷に繋がる危険性がある。また狭すぎる場合には、内孔側耐火物層の熱膨張により外周側耐火物層で円周方向に働く引張り応力により管状耐火物構造体の軸方向に縦割れが発生したり、横方向の割れ損傷(軸方向に対し角度を有する方向の割れ、いわゆる折れ等)が発生しやすくなる。
このように内孔側耐火物層を外周側耐火物層に内装した2層構造の管状耐火物構造体の場合には、外周側耐火物層が内孔側耐火物層からの応力の影響を強く受けるようになるため、目地構造の設計は非常に重要な技術になってきているが、管状耐火物構造体の破損防止のための詳細な目地設計その他の対策は殆どなされていない。
特開昭60−152362号公報 特開平7−232249号公報
本発明が解決しようとする課題は、内孔側耐火物層と外周側耐火物層の2層構造を備える管状耐火物構造体からなる連続鋳造用ノズルにおいて、軸方向の縦割れや横割れなどの損傷を防止することにある。
本発明者は、上記課題を解決するために、管状耐火物構造体の損傷は、その周方向を主とする応力と、軸方向を主とする応力の2つの異なる方向性を有する応力を主たる要素として、それぞれに異なる損傷形態があることに着目した。
耐火物の熱膨張は、一部のジルコニア質を除いて、ほぼ温度の上昇に伴って大きくなる。したがって、本発明が対象とする管状耐火物構造体からなる連続鋳造用ノズルでは、内孔側が外周側よりも高温になることから、同じ均一な材質の単層からなる場合であっても内孔側の熱膨張が外周側の熱膨張よりも大きくなる。その傾向は、複数の異なる耐火物層からなる構造で、内孔側に外周側よりも相対的に熱膨脹率が大きい材質の層を設置する場合により顕著になる。
周方向の応力は、内孔側が高温度になるためその熱膨脹により外周側が半径方向に圧縮され、それが外周側の周方向の引張り応力に転換することにより生じ、主として軸方向の縦割れを生じさせる。
一方、溶鋼の通過等により内孔の温度が上昇するのに伴って管状耐火物構造体は軸方向にも膨脹するが、内孔側耐火物層の熱膨張率が外周側耐火物層の熱膨張率よりも大きい場合は、内孔側耐火物層には軸方向に強い圧縮応力が生じる。その圧縮応力が外周側耐火物層に軸方向の剪断応力として作用し、外周側耐火物層内部の引張り応力に転換して外周側耐火物層を軸方向に引き裂く。すなわち、軸方向の応力は、主として横方向の亀裂や割れ、折れ等の横割れを顕著に生じさせる。従来、これらの軸方向の圧縮応力及び引張り応力と横割れ等についてはほとんど論じられていない。
先に背景技術の欄で述べたように、近年、外周側耐火物層よりも高熱膨張性の内孔側耐火物層を内装した連続鋳造用ノズルの適用が進められており、とくに鋳造初期の外周側耐火物層は、その材料内部の温度差に伴う熱応力に加えて、上述のように高熱膨張性の内孔側耐火物層の熱膨張に伴う、周方向の引張り応力と軸方向の剪断応力の両方を顕著に受けることになる。このため、内孔側に外周側よりも相対的に高熱膨脹性の層を有する場合は、これらの応力に起因するそれぞれの耐火物層の歪み量の差が破壊を誘引し、それが顕著になる。なお、外周側耐火物層にはこれら周方向の引張り応力と軸方向の剪断応力が影響し合って斜め方向の割れなども発生する。
本発明者は、上述のような管状耐火物構造体からなる連続鋳造用ノズルにおいては、次の条件を満たすことで周方向の引張り応力と軸方向の剪断応力を低減でき、連続鋳造用ノズルの損傷を防止することができることを見出した。
(条件1)
内孔側耐火物層による外周側耐火物層への圧縮応力を抑制すること。すなわち、予熱や鋳造途中に外周側耐火物層の内部に発生し、主に縦割れを発生させる周方向の引張り応力が、外周側耐火物層の破壊強度未満となるように、内孔側耐火物層と外周側耐火物層との間に適度な厚みの空間層を設けること。
(条件2)
鋳造時の熱間においては、内孔側耐火物層を外周側耐火物層に保持し、前記条件1の空間層へ溶鋼が浸入することを防止するために、内孔側耐火物層と外周側耐火物層との間は空間が存在しない密着状態とすること。
(条件3)
内孔側耐火物層と外周側耐火物層との間が、各耐火物層の破壊(引張り)強度を超えない程度以下の剪断応力で滑り、軸方向に相対的にずれることにより、外周側耐火物層に発生する軸方向の剪断応力を緩和すること。
これらの各条件は次のような作用効果をもたらす。
(条件1)
内孔側耐火物層の熱膨脹が空間層により吸収され、内孔側耐火物層が外周側耐火物層に及ぼす半径方向の圧縮応力が抑制され、その半径方向の圧縮応力が外周側耐火物層内部で転換して生じる周方向の引張り応力が外周側耐火物層の破壊(引張り)強度未満に抑制され、外周側耐火物層内部に生じる周方向の引張り応力に起因する、外周側耐火物層の縦方向の破壊が防止される。
(条件2)
熱間において内孔側耐火物層と外周側耐火物層の間に隙間がなく密着した状態にあることで、内孔側耐火物層は外周側耐火物層に対して圧縮応力が均等に分布されるように適正な位置に配置及び固定される。このような配置及び固定により、鋳造時の溶鋼通過等に起因する振動その他の原因によって内孔側耐火物層の一部が外周側耐火物層の一部に局部的に接触し、その局部に圧縮応力が集中することが防止される。さらには、管状耐火物構造体の押し割れ等の原因となる溶鋼等の耐火物層間への侵入が防止される。
(条件3)
予熱時や鋳造時などに急激な温度変化が加わって、内周側耐火物層と外周側耐火物層との間の接触面(境界部分)で、不均一かつ局部的な圧縮応力の分布が生じることがあっても、また内周側耐火物層と外周側耐火物層との間の接触面で凹凸等の摩擦抵抗を上昇させるような要因が存在していても、内孔側耐火物層と外周側耐火物層との間に、外周側耐火物層の破壊(引張り)強度未満の剪断応力で滑ることができる潤滑機能を有することで、内孔側耐火物層が外周側耐火物層に対して独立して軸方向にスムーズに伸縮し移動することが可能となる。このように内孔側耐火物層と外周側耐火物層との挙動が分離されることにより、外周側耐火物層内部に生じる軸方向の引張り応力が、外周側耐火物層の破壊(引張り)強度未満に抑制され、外周側耐火物層内部に生じる軸方向の引張り応力に起因する外周側耐火物層の横方向の破壊が防止される。
ここで、上記条件1については、背景技術の欄で述べたとおり、従来から耐火物層間に空間を設置することが開示されている。しかし、条件2及び条件3についてはこれまで開示も示唆もされていない。
すなわち、本発明は、上記条件1〜条件3のすべてを満足するように構成されたもので、具体的には、溶融金属が通過する内孔を軸方向に有する管状耐火物構造体からなり、この管状耐火物構造体の一部又は全部の領域が、内孔に面する内孔側耐火物層とこの内孔側耐火物層の外周側に位置する外周側耐火物層とを備え、内孔側耐火物層の熱膨張率が外周側耐火物層の熱膨張率よりも大きい連続鋳造用ノズルにおいて、内孔側耐火物層と外周側耐火物層との間に、前記各耐火物層の破壊強度を超えない剪断応力以下で前記各耐火物層が相互に滑ることができる固体潤滑機能を有する潤滑層と、内孔が溶融金属温度レベルの熱間で前記各耐火物層が密着して厚みがゼロとなり、かつ内孔側耐火物層の熱膨張による外周側耐火物層への発生応力を外周側耐火物層の破壊強度未満にするために必要な常温での厚みを有する空間層とを設けていることを特徴とするものである。
本発明においては、内孔側耐火物層と外周側耐火物層との間に空間層を設ける代わりに、空間層と同様の可縮性と潤滑層と同様の固体潤滑機能とを兼ね備えた可縮性潤滑層を設けてもよい。具体的には、内孔側耐火物層と外周側耐火物層との間に、前記各耐火物層の破壊強度を超えない剪断応力以下で前記各耐火物層が相互に滑ることができる固体潤滑機能と、内孔側耐火物層の熱膨張による外周側耐火物層への発生応力を外周側耐火物層の破壊強度未満にするために必要な可縮性とを兼ね備えた可縮性潤滑層を設ける。
また、内孔側耐火物層と外周側耐火物層との間は、上述の潤滑層と空間層とを設けた領域、あるいは上述の可縮性潤滑層を設けた領域のみで構成してもよいし、これらの領域を複合して構成してもよい。
本発明により、連続鋳造用ノズルを構成する管状耐火物構造体の損傷や破壊を防止することができる。とくに、潤滑層がなく内孔側耐火物層と外周側耐火物層が一体的に接着して成形されている場合や、空目地といわれる単純な空間層を内孔側耐火物層と外周側耐火物層との間に形成している場合又は耐火性骨材を主体としたモルタルなどで内孔側耐火物層が外周側耐火物層に接着して内装セットされている場合などでは解決できなかった、横方向の亀裂や割れによる損傷や破壊をも防止することができる。
まず、上記の条件1〜条件3について詳しく説明する。
連続鋳造用ノズルの予熱時及び鋳造時の温度分布を考慮すると、上記の条件1及び条件2を満たすための空間層の常温での厚みt(mm)は次式(1)で表すことができる。
(D/2)×(Δα/100−σ/E) < t <(D/2)×α/100 …(1)
ここで、αは1500℃での内孔側耐火物層の非酸化雰囲気中でのJIS R 2207に準じた測定・評価方法による熱膨張率(線膨張率)(%)、Δαは1500℃での内孔側耐火物層と外周側耐火物層との熱膨張率差(%)、Dは内孔側耐火物層の外径(mm)、σは外周側耐火物層の特許第3459029号の測定方法による引張り強度(MPa)、Eは内孔側耐火物層の圧縮弾性率(MPa)を表す。
前記の「圧縮弾性率E」は、材料試験機を用いて、例えばφ30×H100mmの試験片を常温にてクロスヘッド移動速度0.001〜0.01mm/secの範囲で圧縮して、その荷重P(N)と変位を測定し、次式(a)により算出することができる。または、前記の試験片の側面に歪みゲージを貼付しておき、その試験片を前記と同様の材料試験機を用いて、前記と同様に圧縮して得たその歪ゲージの歪み測定値を使用して算出することもできる。
E=−((P1−P2)/S)/((L1−L2)/L1) …(a)
ここで、Sは圧縮前の試験片の断面積(m)、L1は圧縮前の試験片の高さ(m)、L2は圧縮後の試験片の高さ(m)、P1は初期荷重(N)、P2は印加状態の荷重値(N)を表す。
上記式(1)で規定される空間層の厚みtの上限値は、連続鋳造中の温度に相当する約1500℃での内孔側耐火物層の熱膨張代(半径方向長さ変化)の値に等しい。
空間層の厚みtの下限値は、下記式(b)及び(c)の関係式から導くことができる。すなわち、式(b)左辺は、内孔側耐火物層に歪みを与えた場合の発生応力値を示しており、式(b)はこの発生応力値が外周側耐火物層の引張り強度値を超えない条件を示す。一方、内孔側耐火物層の歪みεは、1500℃での内孔側耐火物層と外周側耐火物層との熱膨張差から、式(c)で表すことができる。
E・ε < σ …(b)
ε=((D/2)×Δα/100−t)/(D/2) …(c)
ここで、εは内孔側耐火物層の歪みである。
式(b)及び式(c)より下記式(d)のとおり、上記式(1)で規定される空間層の厚みtの下限値を得ることができる。
(D/2)×(Δα/100−σ/E) < t …(d)
また、空間層に代えて可縮性潤滑層を設置する場合、上記の条件1及び条件2を満たすための、次式(3)で表される可縮代tg(mm)は、空間層の厚みと同様の考え方により次式(4)で表すことができる。
tg = W × K/100 …(3)
K:可縮性潤滑層の可縮率(%)
(1000℃還元焼成後の試料の常温又は1000℃の熱間での測定値)
W:内孔側耐火物層と外周側耐火物層との常温での間隙(mm)
(Wは、基本的には可縮性潤滑層の初期厚みであるが、さらに空間が併存する場合を含む。)
(D/2)×(Δα/100−σ/E) < tg < (D/2)×α/100 …(4)
次に上記条件3を満たすために、本発明では内孔側耐火物層と外周側耐火物層との間に潤滑層を設置する。すなわち、この潤滑層により、内孔側耐火物層と外周側耐火物層との間で相対的に「滑り」を生じさせることができるようにし、各耐火物層の軸方向の熱膨脹差に伴い管状耐火物構造体の内部に生じる応力の緩和及び耐火物の破壊の防止を図る。
より詳しく説明すると、潤滑層が存在することで、高温となって膨脹し軸方向に伸びた内孔側耐火物層は、その内孔側耐火物層よりも伸び代の小さい外周側耐火物層とは独立して軸方向に伸びることができる。すなわち、外周側耐火物層の破壊(引張り)強度を超える引張り応力を外周側耐火物層に発生させることなく、内孔側耐火物層内部の圧縮応力を低減しつつ、外周側耐火物層の軸方向の引張り応力の発生を著しく抑制することができる。
さらに本発明者は、この潤滑層に必要な潤滑機能の程度を表す指標として、潤滑層を介して存在する各耐火物層間の熱間1500℃における圧縮剪断強度shと外周側耐火物層の割れ現象との関係を実験的に調査した結果、上記の圧縮剪断強度Sh(MPa)が次式(2)を満足した場合に外周側耐火物層に割れ現象が発生しないことを見いだした。なお、この圧縮剪断強度Sh(MPa)は、言い換えると、熱間1500℃における内孔側耐火物層と外周側耐火物層との間の潤滑層を介した滑り特性を表している。
0 < Sh ≦ 1.5 …(2)
上記式(2)に表されているように、熱間1500℃において1.5MPa以下の圧縮剪断応力で内孔側耐火物層と外周側耐火物層との間とで滑りが発生するような固体潤滑機構を有する潤滑層を設けることで、予熱時や鋳造時等の温度変化により内孔側耐火物層が軸方向に容易に膨張、収縮することが可能となるため軸方向の応力が緩和され、また、外周側耐火物層に局所的な応力集中も起こり難くなって外周側耐火物層の破断を実質的に皆無にできる。
この熱間での圧縮剪断強度Sh(MPa)は、例えば図6に示すように外周側耐火物層1に潤滑層3を介して内孔側耐火物層が内装された構造を持つ管状耐火物構造体の供試料を用い、この供試料全体を炉内にて1500℃まで加熱して温度が安定するまで保持し、この状態でクロスヘッドHにて内孔側耐火物層2のみを移動速度0.001〜0.01mm/secの範囲で圧縮し、その最大荷重P(N)と変位を測定し、次式(e)により求めることができる。
Sh=P/A …(e)
ここで、Aは内孔側耐火物層と外周側耐火物層との接触部分の面積(m)を表す。
この圧縮剪断強度の測定において供試料の形状についてはとくに限定はなく、製品(実形状)から切り出して得ることも、専用に製作することも可能である。なお、接触部分の面積Aが大きい方が測定誤差は小さくなる傾向となるが、最大荷重も大きくなるため、供試料の高さは約100mm程度以内でもよい。また、測定雰囲気は非酸化雰囲気が好ましいが、酸化防止剤を供試料表面に塗布することにより、酸化雰囲気での測定も可能である。
次に、本発明の連続鋳造用ノズルの具体的構成と製造方法について説明する。
図1は、本発明の連続鋳造用ノズルの一例を示し、(a)はその全体の断面図、(b)〜(f)は外周側耐火物層と内孔側耐火物層との間の構成例を示す拡大断面図である。
図1に示す連続鋳造用ノズルは、外周側耐火物層1の一部に内孔側耐火物層2を内装した管状耐火物構造体からなる。外周側耐火物層1と内孔側耐火物層2との間には、図1(b)〜(e)の例では潤滑層3及び空間層4が設置され、図1(f)の例では可縮性潤滑層5が設置されている。
潤滑層3は、先に説明したとおり、外周側耐火物層1及び内孔側耐火物層2の破壊強度を超えない剪断応力以下で各耐火物層1,2が相互に滑ることができる固体潤滑機能を有する。
この潤滑層3は、より具体的には、一部又は全部が潤滑機能を有する材料で構成された耐火物の層であって、各耐火物層1,2の軸方向(長手方向)のずり応力に対して、その内部又は外面で塑性変形か弾性変形かを問わず「滑り」や「ずれ(剪断)」を生じる機能を有する層である。
このような潤滑層は、鱗状黒鉛、窒化硼素、滑石、マイカ等のように層状又は平板状の形状を有し、それ自体が固体潤滑機能を有する原料(固体潤滑性原料)を主体にした耐火材により構成することが好ましい。
これらの固体潤滑性原料は、高温度下においても安定して固体潤滑機能を維持するためには、その摩擦係数が小さい方が、また管状耐火物構造体の温度分布の均一化すなわち発生応力の抑制等のためには、その熱伝導率は高い方が好ましい。この点から、黒鉛原料がとくに好ましい。具体的には、炭素の純度が80%以上の土状黒鉛、鱗状黒鉛、膨張黒鉛、人造黒鉛、カーボンブラック、結晶化カーボンブラックなどが使用可能である。とくに純度90%以上の鱗状黒鉛は熱伝導率がより高く、潤滑性もより高いため最も好ましい。また、窒化硼素粉末や滑石、マイカなども潤滑性骨材として使用可能である。
これらの固体潤滑性原料は1種又は複数種を任意の割合で混合して使用することができる。これらの固体潤滑性原料の含有割合は高い方がよいが、潤滑層として高温下の密着状態においてもその表面の固体潤滑性を安定的に維持し又は向上させるためには、70質量%以上であればよく、90質量%以上がより好ましい。固体潤滑性原料が70質量%未満の場合は、熱間での潤滑性が十分でなく上記式(2)を満足する潤滑性が得られないことがある。
固体潤滑性原料以外の残部には、バインダー成分や金属粉末、金属酸化物などのうちの1種以上を含有することができる。
バインダー成分としては、アクリル系樹脂、酢酸ビニール系樹脂、フェノール樹脂、ピッチ、タール系などの有機系結合材が使用可能であり、水ガラス等の珪酸塩溶液、金属成分含有のコロイダルバインダー、燐酸アルミニウム、金属アルコラート等の無機系、あるいは無機系成分を含む結合材の使用や有機バインダーとの併用もできる。
ただし、構成原料の潤滑性能を低下させないためにはこれらバインダーの添加量は必要最小限にすべきであり、潤滑機能を有する原料が多い場合はバインダー成分が無くても潤滑層の形成は可能である(例えば鱗状黒鉛のみでも、一定の条件の下で加圧成形することで原料粒相互の絡み合い等により保形性等を得ることが可能である。)。
なお、潤滑層を管状耐火物構造体に設置するには、後述するように、バインダー成分が潤滑層に保形性を付与するに必要な程度の熱処理又は乾燥処理を経さえすればよく、管状耐火物構造体とともに例えば1000℃程度の熱処理を行ってもよい。したがって、潤滑層内におけるこれらのバインダー成分は、各バインダー毎にそれらが変化する熱処理時の温度等の条件により異なるが、潤滑層を低温度で熱処理した場合は、硬化した状態での原料段階の成分をほぼ維持して存在し、高温度で熱処理した場合には、一部又は全部が、無定形炭素を中心とする炭素、金属炭化物や金属酸化物等の化合物として存在する。
潤滑層部分の耐食性や耐酸化性能を高めるためには、Al、MgO、SiO等の金属酸化物粉末や、Al、Mg、Si、Ti、B成分の一種以上からなる金属粉末を添加することができる。金属粉末は、耐酸化性や、鋳造後の外周側耐火物層による内孔側耐火物層の保持強度を向上させるが、過剰な添加は潤滑性能を低下させるので好ましくなく、10質量%未満での添加が好ましい。
管状耐火物構造体の内孔側耐火物層と外周側耐火物層の間に潤滑層を形成するには、予め固体潤滑性原料を70質量%以上含む粉末原料をバインダー成分と混合してシート状に成形した後、管状耐火物構造体の各耐火物層を構成する耐火物の成形時に、前記シート状の潤滑層をパイプ形状にして外周側耐火物層と内孔側耐火物層との間に配置し、同時に加圧して一体的に成形し、熱処理する方法を採ることができる。
さらに予め固体潤滑性原料を70質量%以上含む粉末原料をバインダー成分と混合したはい土をシート状に成形せずに、管状耐火物構造体の各耐火物層を構成する耐火物の成形時に、はい土のまま外周側耐火物層と内孔側耐火物層との間に充填し、同時に加圧して一体的に成形し、熱処理する方法を採ることもできる。
上記のほか、内孔側耐火物層、外周側耐火物層及び潤滑層を別々に成形し、焼成、加工を経た各層を、空間を形成させつつ、一部をモルタル等の接着材で固定する等により、管状耐火物構造体を形成することも可能である。
潤滑層の厚みは、内孔側耐火物層又は外周側耐火物層の成形時の充填性に起因する凹凸(圧縮による寸法変化の程度が部位により異なるために生じる凹凸)や各耐火物層中の原料形状等による凹凸の影響を考慮すると、0.3mm以上とすることが好ましい。
ただし、潤滑層は、例えば連続鋳造用ノズルの製造工程での半径方向の貫通孔形成のための加工等又は意図的な設計による構造等により、製品状態(全ての製造工程を経た最終的な形態)として、溶鋼と接触する面において外部に開放して存在する可能性もあることから、広すぎると溶鋼の侵入ないしはその侵入した鋼の膨脹による外周側耐火物層の破壊等の原因になったりするため、必要最小限の厚さとすべきである。また、限られた管状耐火物構造体の外径、内径の中では、潤滑層の厚みを増すと内孔側耐火物層や外周側耐火物層の肉厚を小さくせざるを得なくなる。そのため、内孔側耐火物層の侵食や摩耗に伴う耐用性の低下、外周側耐火物層の構造体としての強度(断面係数)の低下、また酸化による潤滑層自体の劣化等を抑制する等の観点から、潤滑層の半径方向の厚みは、3mm以下であることが好ましい。
ここで、内孔側耐火物層と外周側耐火物層の熱膨張による伸び代の差が大きい場合は、これらの軸方向両端部を固定するとその固定部分付近に応力が集中して管状耐火物構造体(とくに外周側耐火物層)が破壊する危険が高まる。したがって、内孔側耐火物層と外周側耐火物層とは、少なくとも一方の軸方向端部においては相互に強固に固定しないような構造とし、熱膨張代の大きい内孔側耐火物層が熱膨張の小さい外周側耐火物層を軸方向に圧縮する応力を生じさせないか緩和する構造にすることが好ましい。
具体的には、図1に示すように内孔側耐火物層が非拘束状態であるものの一方の端部が外周側耐火物層と連続する組織に当接する場合に他の一方の端部(ここでは上端部)に空間(又は空間に相当する可縮代を得ることができる可縮性の材料等)を設置する構造や、図2に示すような以下の構造である。
(1)熱膨張による伸び代の小さい外周側層耐火物層1を熱膨張による伸び代の大きい内孔耐火物層1の少なくとも一方の端部の軸方向延長線上に設置しない(図2(a))
(2)熱膨張による伸び代の小さい外周側層耐火物層1を熱膨張による伸び代の大きい内孔耐火物層1の軸方向延長線上にも設置する場合には、その両者の間に伸び代の差に相当する空間6を設ける(図2(b))。この空間6は、溶鋼が浸入しにくい部位に設けることが好ましい。
(3)上記(2)の構造において、空間6の代わりに、各耐火物層1,2の伸び代の差に相当する収縮代を得ることができるだけの可縮能を有する耐火物7等を設置する(図2(c))。
また、図3に示すように、各耐火物層1,2の軸方向の一方の端部を固定し(以下この端部を「固定側端部」という。)、他方の端部を相互に強固に固定しない(以下この端部を「開放側端部」という。)場合は、熱膨張による伸び代の小さい外周側耐火物層1の内径と熱膨張による伸び代の大きい内孔側耐火物層2の外径とは、固定側端部から開放側端部に向かって拡径するか又は直線状(軸方向に平行な方向)の形状とし、熱膨張による伸び代の大きい内孔側耐火物層2の熱膨張による伸びが、熱膨張による伸び代の外周側耐火物層1に引張り応力を生じさせないようにすることが好ましい。
次に、図1に示した空間層4について詳しく説明する。
空間層4は常温で上記式(1)を満足する厚みを有するように設置するが、具体的には図1(b)〜(d)に示すように、管状耐火物構造体の製品状態としての常温で、潤滑層3と外周側耐火物層1との間、潤滑層3と内孔側耐火物層2との間、又は潤滑層3の両側あるいは潤滑層3どうしの間のいずれかの形態で存在していればよい。なお、図1(d)に示すように空間層4を複数設ける場合、これらの空間層の合計の厚みが上記式(1)を満足するようにする。
このような空間層を形成する方法としては、以下の方法を採用できる。
(1)上述したシート状の潤滑層をパイプ形状にして外周側耐火物層と内孔側耐火物層との間に配置して同時に一体的に成形する際に、空間層を設置する領域のパイプ形状の潤滑層又は内孔側耐火物層若しくは外周側耐火物層表面に、焼成工程(約1000℃程度まで)の温度において消失するような可燃性又は揮発性の物質(例えば紙やパラフィン等の有機系素材のシート)を、上記式(1)を満足する厚さで貼り付けて成形し、その後の管状耐火物構造体の熱処理工程により可燃性又は揮発性の物質を消失させて、潤滑層と空間層を形成する。
(2)潤滑層をパイプ形状にしないで、はい土として同時に一体的に成形する際に、上述と同様に潤滑層と内孔側耐火物層、又は潤滑層と外周側耐火物層の間にシート状の可燃性又は揮発性の物質を配置して成形し、その後の管状耐火物構造体の熱処理工程により可燃性又は揮発性の物質を消失させて、潤滑層と空間層を形成する。
(3)内孔側耐火物層、外周側耐火物層及び潤滑層を別々に成形し、焼成、加工を経た各層を組み合わせて管状耐火物構造体を形成する方法において、上述と同様に潤滑層と内孔側耐火物層、又は潤滑層と外周側耐火物層の間にシート状又は液状若しくは粉体状の可燃性又は揮発性の物質を貼り付け、塗布等の方法で配置しておき、管状耐火物構造体の熱処理工程にて可燃性又は揮発性の物質を消失させて空間層を形成する。すなわち、外周側耐火物層、内孔側耐火物層、潤滑層をそれぞれ別々の「部品」として準備し、空間層を形成する材料と共にモルタルや接着材で組み立てる。
なお、空間層を形成するための消失するような材料は、管状耐火物構造体の製造における熱処理工程により消失させる代わりに、管状耐火物構造体の製品としての使用前の予熱において消失させることも可能である。この場合は熱応力が高まり始める約800℃程度までの温度以下で消失させることが好ましく、約500℃程度の温度以下で消失させることがさらに好ましい。
次に、図1(f)に示した可縮性潤滑層5について詳しく説明する。
可縮性潤滑層5は、各耐火物層1,2の破壊強度を超えない剪断応力以下で各耐火物層1,2が相互に滑ることができる固体潤滑機能と、熱間で内孔側耐火物層2の熱膨張による外周側耐火物層1への発生応力を外周側耐火物層1の破壊強度未満にするために必要な可縮性とを兼ね備えており、その1000℃での可縮代は上記式(4)を満足する。すなわち、可縮性潤滑層5は、上述の潤滑層3と空間層4の両方の機能を兼ね備えたものであり、約1500℃の溶鋼通過時を含む1000℃以上の熱間において、内孔側耐火物層と外周側耐火物層の間の密着性を維持しつつ、外周側耐火物層にその破壊強度を超える応力を発生させない機能を得ることができる。
このような可縮性潤滑層を形成するには、まず、上述の潤滑層を形成する際に使用するものと同じ固体潤滑性原料を70質量%以上含む粉末原料に、熱処理により消失するポリエチレンやポリプロピレンなどの有機系粉末を必要量添加して混合する。次に、ミキサーにてこの混合粉末にバインダーを添加し、混練−造粒−整粒化を行って顆粒状の二次粒子を得る。そして、この二次粒子からなるはい土を管状耐火物構造体の成形時に内孔側耐火物層と外周側耐火物層との間に充填して成形し、その後所定の熱処理を行う。これによって、上述の有機系粉末が消失し、その消失した部分の空気相が内部に分散して存在することになり、上記式(4)を満たす可縮性と上記式(2)を満たす潤滑性を兼ね備えた可縮性潤滑層が得られる。
この場合の熱処理温度は、それぞれの具体的な製品に応じて設定される温度でよいが、少なくとも上述の有機系粉末が消失する温度以上であることが必要である。また、この有機系粉末の配合量を調整することで、可縮性潤滑層中の空気相の体積割合を調整することができ、これによって可縮性潤滑層が上記式(4)を満たす可縮性(可縮代tg)を持つように調整することができる。
上記式(4)における可縮代tgは、上記式(3)に示すとおり可縮性潤滑層の可縮率Kを測定することにより求めることができる。
この可縮率Kを測定するには、温度、雰囲気を制御することができる材料試験機を用いて予め所定の成形圧力でシート状に形成された可縮性潤滑層を、例えばφ20×50mmLの耐火物片の端面に貼り付け、シート状の可縮性潤滑層の表面にさらにφ20×50mmLの耐火物試験片(同形状の耐火物片)をのせて、可縮性潤滑層を耐火物片の間に挟み込んだ測定用試験片を作製する。そして、無加重の状態で初期の可縮性潤滑層の厚みtg0(mm)を測定する。
この試験片を常温又は所定の温度(1000℃)に保持した後に、クロスヘッド移動速度0.001〜0.01mm/secの範囲で上下方向から圧縮して所定圧力(管状構造体の形状、各層の熱膨張特性等により適宜設定する)まで加圧した際の試験片変位量h1(mm)を測定する。
同材質耐火物片の同荷重、同温度でのブランク値を測定するために、可縮性潤滑層を挟まない状態で同条件にて加圧し、変位量h2(mm)を測定する。
可縮性潤滑層の可縮率K(%)は、次式(e)で得られる。
K = (h1−h2)/tg0×100 …(e)
[実施例A]
図4に示すようなフランジ部を持つロングノズルA(外径300mm、内径210mm、長さ1200mm)において、外周側耐火物層1をAl−C質(Al=69質量%、炭素=31質量%、1500℃における熱膨張率α=0.65%)とし、内孔側耐火物層2を耐食性に強く熱膨張率が大きなMgO−C質(MgO=77%、FC=23%、1500℃における熱膨張率α=1.1%)とし、このロングノズルの内孔側に上記の内孔側耐火物層2を厚さ15mmで内孔面の軸方向全面に内装した。
潤滑層としては黒鉛シート(0.4mm厚さ、炭素成分99質量%)を用意し、この表面に厚さが異なる数種類の可燃性シート(0.2mm、0.5mm、0.7mm、1.0mm、1.2mm、1.3mm)を貼り付け、それぞれのシートを円筒状に加工した。この円筒状に加工した黒鉛シート及び可燃性シートを、成形用のラバーモールド中のAl−C質の外周側耐火物層のはい土とMgO−C質の内孔側耐火物のはい土との間に挿入した後に、CIP(Cold Isostatic Pressing=冷間等方圧加工法)により成形し、熱処理後、上記各可燃性シート厚に応じた厚みの空間層を形成した。
比較のため、黒鉛シートを内装せず、上記と同厚みの可燃性シートのみを同様の方法で内装し、成形−熱処理後に同様の厚みの空間層を形成した。
ここで、本実施例のロングノズルAにおいては、1500℃での内孔側耐火物層2の熱膨張率α=1.1%、1500℃での外周側耐火物層1と内孔側耐火物層2との熱膨張率差Δα=0.45%、内孔側耐火物層2の外径D=240mm、外周側耐火物層1の引張り強度σ=5(MPa)、内孔側耐火物層2の常温での圧縮弾性率E=3.0GPaであるから、上記式(1)に示した空間層の厚みtの範囲は、0.3〜1.3mmとなる。すなわち、本実施例のロングノズルAにおいて、内孔の温度が1500℃以上の熱間では各耐火物層1,2が密着して厚みがゼロとなり、かつ内孔側耐火物層2の熱膨張による外周側耐火物層3への発生応力を外周側耐火物層2の破壊強度未満にするために必要な常温での厚みは0.3〜1.3mmの範囲にあり、これが本実施例における本発明の空間層の範囲である。
このように作製した実施例及び比較例の各ロングノズルについて、図5に模式的に示す試験装置を用い、1500℃の溶融した銑鉄を各例のロングノズルAに注入し、熱衝撃を与えた後にロングノズルAを溶銑から引き上げ、常温まで冷却後、同様の注湯試験を繰り返す方法で、内孔側耐火物層の耐久性、外周側耐火物層の亀裂等破壊の有無を調査した。
また、これらのロングノズルから切り出した高さ100mmの試料にて、先に図6で説明した方法により熱間1500℃での圧縮剪断強度Shを測定した。この圧縮剪断強度Shは、潤滑層が各耐火物層の破壊強度を超えない剪断応力以下で各耐火物層が相互に滑ることができる固体潤滑機能を提供できるかどうかの判断指標になるのもので、上記式(2)を満たすこと、すなわち0<Sh≦1.5であることが本実施例における本発明の剪断応力の範囲である。
結果を表1に示す。
Figure 2009090319
表1において、実施例1〜5は空間層の厚み及び圧縮剪断強度Shともに本発明の範囲内にあり、3回の注湯試験で亀裂の発生もなく良好な結果を得た。
これに対して、比較例1では、空間厚みが1.4mmと内孔側耐火物層が外周側耐火物層と密着しない状態であり、初回使用では問題がなかったものの、2回目鋳造テストで目地部に浸入していたメタルが原因で欠損に至った。また、比較例2〜7では、適正な空間層の厚みは確保されているものの、横亀裂を伴う亀裂が発生した。これは、1.8MPa以上の圧縮剪断強度値が示すように、内孔側耐火物層が自由に伸縮できず、内孔側耐火物層と外周側耐火物層との摩擦力が局所的に大きくなったために発生したと考えられる。
また、潤滑層として黒鉛シートを設置した実施例1〜5と、同じ空間層の厚みで黒鉛シートを設置していない比較例2〜6とを比較すると、黒鉛シートの設置により圧縮剪断強度Shが低下しており、実施例1〜5では黒鉛シートの設置により十分な固体潤滑機能が得られている。
一方、潤滑層として黒鉛シートを設置しているが上記式(2)の条件を満たしていない比較例8では、2回目の鋳造で空間層に浸入した溶銑の影響と思われる、内孔側耐火物層の欠損現象が発生した。この比較例8の圧縮剪断強度Shの測定値はゼロであったが、これは空間層の厚みが大きすぎて本発明の範囲外にあり、熱間1500℃において内孔側耐火物層と外周側耐火物層とが密着状態に無いことが原因と推定される。
また、比較例9では、空間層の厚み小さすぎるため、潤滑層の存在下でも圧縮剪断強度Shが1.7MPaとなり、外周側耐火物層に1回目の鋳造後で縦亀裂が発生した。
なお、外径が130mm、内径が80mmの円筒状の耐火物についても上記と同様の試験を行ったが、同様の結果が得られ本発明の妥当性を確認することができた。
[実施例B]
潤滑層における黒鉛含有量と圧縮剪断強度Shの関係を調査する目的で、表2の実施例6〜10及び比較例10に示した割合で0.4mm厚さの黒鉛シートを成形した。
これらの黒鉛シートを実施例Aと同様に、同形状のロングノズルの外周側耐火物層と内孔側耐火物層間に配置し、空間層の厚みが0.6mmとなるようにして同時成形した。その後、焼成したロングノズルから、高さ100mmで切り出した試料を用いて圧縮剪断強度Shを測定した。
実施例6〜10では圧縮剪断強度Shが1.5MPa以内で本発明の範囲内にあり、良好な固体潤滑機能が得られた。一方、比較例10は黒鉛量を65質量%と減じた黒鉛シートを使用したものであり、成形段階での円筒状加工の際に黒鉛シートを円筒状にするための可撓性が十分でなく、亀裂が入りやすく、結果として圧縮剪断強度Shが1.5MPaを超え、本発明の範囲外となった。
Figure 2009090319
[実施例C]
本実施例では、上述の潤滑層と空間層の機能を兼ね備えた可縮性潤滑層を設置した。
まず、固体潤滑性を示す鱗状黒鉛、熱処理により消失して空間を形成する有機系粉末(ポリプロピレン粉末)、耐火性粉末(Al粉末)及び熱間で結合力を発現する金属粉末(Al−Mg合金粉末)、常温から高温度域までの保形性及び結合力を付与するバインダーとしてのフェノール樹脂からなる原料を表3に示す割合で配合し、ハイスピードミキサーにて混練及び造粒を行って二次粒子(以下、この二次粒子を「可縮性二次粒子」という。)を得た。
Figure 2009090319
各原料粒子の比重より計算した可縮性二次粒子の還元焼成後の可縮率は、最密充填下での有機系粉末の体積割合が60vol%であることから、計算上は20%である。
この可縮性二次粒子を実製品用に成形する条件と同じ成形圧力(50MPa程度)でシート状に成形して還元焼成を行った試料の可縮率Kを、上記式(e)により実測値に基づき求めたところ18%となり、計算により設定した目標値(20%)とほぼ同じ可縮率が得られた。
この可縮率18%の可縮性二次粒子のはい土を、2重円筒を用いて外周側耐火物層用はい土と内孔側耐火物層用はい土の間に焼成後の厚みが3mmとなるように配置し、CIPにより一体成形した。そして、成形体を乾燥させ、還元雰囲気下で熱処理した。
このようにして、外周側耐火物層と内孔側耐火物層との間に潤滑性と可縮性を兼ね備えた3mmの可縮性潤滑層を有する連続鋳造用ノズルを得た。すなわち、この可縮性潤滑層の可縮代tgは上記式(4)を満たし、この可縮性潤滑層を設置した連続鋳造用ノズルは上記式(2)を満たした。
得られた連続鋳造用ノズルを実施例Aと同様の方法で、3回の注湯試験に供したところ、亀裂、剥落、メタル浸入等の問題は発生せず良好な結果が得られた。
本発明の連続鋳造用ノズルの一例を示し、(a)はその全体の断面図、(b)〜(f)は外周側耐火物層と内孔側耐火物層との間の構成例を示す拡大断面図である。 本発明における外周側耐火物層と内孔側耐火物層との好ましい配置例を示す断面図である。 本発明における外周側耐火物層と内孔側耐火物層との好ましい他の配置例を示す断面図である。 本発明の連続鋳造用ノズルの実施例を示す断面図である。 連続鋳造用ノズル(ロングノズル)による注湯試験装置を示す模式図である。 内孔側耐火物層と外周側耐火物層との間の圧縮剪断強度を測定する装置を示す模式図である。
符号の説明
1 外周側耐火物層
2 内孔側耐火物層
3 潤滑層
4 空間層
5 可縮性潤滑層
6 空間
7 可縮能を有する耐火物

Claims (11)

  1. 溶融金属が通過する内孔を軸方向に有する管状耐火物構造体からなり、この管状耐火物構造体の一部又は全部の領域が、内孔に面する内孔側耐火物層とこの内孔側耐火物層の外周側に位置する外周側耐火物層とを備え、内孔側耐火物層の熱膨張率が外周側耐火物層の熱膨張率よりも大きい連続鋳造用ノズルにおいて、
    内孔側耐火物層と外周側耐火物層との間に、前記各耐火物層の破壊強度を超えない剪断応力以下で前記各耐火物層が相互に滑ることができる固体潤滑機能を有する潤滑層と、内孔が溶融金属温度レベルの熱間で前記各耐火物層が密着して厚みがゼロとなり、かつ内孔側耐火物層の熱膨張による外周側耐火物層への発生応力を外周側耐火物層の破壊強度未満にするために必要な常温での厚みを有する空間層とを設けていることを特徴とする連続鋳造用ノズル。
  2. 前記空間層の常温での厚みt(mm)が、次式(1)を満足する請求項1に記載の連続鋳造用ノズル。
    (D/2)×(Δα/100−σ/E) < t <(D/2)×α/100 …(1)
    α:1500℃での内孔側耐火物層の熱膨張率(%)
    Δα:1500℃での内孔側耐火物層と外周側耐火物層との熱膨張率差(%)
    D:内孔側耐火物層の外径(mm)
    σ:外周側耐火物層の引張り強度(MPa)
    E:内孔側耐火物層の圧縮弾性率(MPa)
  3. 1500℃における内孔側耐火物層と外周側耐火物層との間の圧縮剪断強度Sh(MPa)が、次式(2)を満足する請求項1又は請求項2に記載の連続鋳造用ノズル。
    0 < Sh ≦ 1.5 …(2)
  4. 前記潤滑層が、黒鉛、窒化硼素、滑石及びマイカの群から選択される一種以上を合計で70質量%以上含有し、残部がバインダー成分、金属粉末及び金属酸化物粉末の群から選択される一種以上並びに不可避成分からなる請求項1から請求項3のいずれかに記載の連続鋳造用ノズル。
  5. 溶融金属が通過する内孔を軸方向に有する管状耐火物構造体からなり、この管状耐火物構造体の一部又は全部の領域が、内孔に面する内孔側耐火物層とこの内孔側耐火物層の外周側に位置する外周側耐火物層とを備え、内孔側耐火物層の熱膨張率が外周側耐火物層の熱膨張率よりも大きい連続鋳造用ノズルにおいて、
    内孔側耐火物層と外周側耐火物層との間に、前記各耐火物層の破壊強度を超えない剪断応力以下で前記各耐火物層が相互に滑ることができる固体潤滑機能と、内孔側耐火物層の熱膨張による外周側耐火物層への発生応力を外周側耐火物層の破壊強度未満にするために必要な可縮性とを兼ね備えた可縮性潤滑層を設けていることを特徴とする連続鋳造用ノズル。
  6. 次式(3)で表される可縮性潤滑層の可縮代tg(mm)が、次式(4)を満足する請求項5に記載の連続鋳造用ノズル。
    tg = W × K/100 …(3)
    K:可縮性潤滑層の可縮率(%)
    (1000℃還元焼成後の試料の常温又は1000℃の熱間での測定値)
    W:内孔側耐火物層と外周側耐火物層との常温での間隙(mm)

    (D/2)×(Δα/100−σ/E) < tg < (D/2)×α/100 …(4)
    α:1500℃での内孔側耐火物層の熱膨張率(%)
    Δα:熱間1500℃での外周側耐火物層と内孔側耐火物層の熱膨張率差(%)
    D:内孔側耐火物層の外径(mm)
    σ:外周側耐火物層の引張り強度(MPa)
    E:内孔側耐火物層の圧縮弾性率(MPa)
  7. 1500℃における内孔側耐火物層と外周側耐火物層との間の圧縮剪断強度Sh(MPa)が、次式(2)を満足することを特徴とする請求項5又は請求項6に記載の連続鋳造用ノズル。
    0 < Sh ≦ 1.5 …(2)
  8. 前記可縮性潤滑層が、黒鉛、窒化硼素、滑石及びマイカの群から選択される一種以上を合計で70質量%以上含有し、残部がバインダー成分、金属粉末及び金属酸化物粉末の群から選択される一種以上並びに不可避成分からなる請求項5から請求項7のいずれかに記載の連続鋳造用ノズル。
  9. 溶融金属が通過する内孔を軸方向に有する管状耐火物構造体からなり、この管状耐火物構造体の一部又は全部の領域が、内孔に面する内孔側耐火物層とこの内孔側耐火物層の外周側に位置する外周側耐火物層とを備え、内孔側耐火物層の熱膨張率が外周側耐火物層の熱膨張率よりも大きい連続鋳造用ノズルにおいて、
    内孔側耐火物層と外周側耐火物層との間が、前記各耐火物層の破壊強度を超えない剪断応力以下で前記各耐火物層が相互に滑ることができる固体潤滑機能を有する潤滑層と、内孔の温度が1500℃以上の熱間では前記各耐火物層が密着して厚みがゼロとなり、かつ内孔側耐火物層の熱膨張による外周側耐火物層への発生応力を外周側耐火物層の破壊強度未満にするために必要な常温での厚みを有する空間層とを設けた領域、及び/又は、前記各耐火物層の破壊強度を超えない剪断応力以下で前記各耐火物層が相互に滑ることができる固体潤滑機能と、内孔の温度が1500℃以上の熱間で内孔側耐火物層の熱膨張による外周側耐火物層への発生応力を外周側耐火物層の破壊強度未満にするために必要な可縮性とを兼ね備えた可縮性潤滑層を設けた領域からなることを特徴とする連続鋳造用ノズル。
  10. 前記内孔側耐火物層の少なくとも一方の軸方向端部が、前記外周側耐火物層に対して軸方向に非拘束状態である請求項1から請求項9のいずれかに記載の連続鋳造用ノズル。
  11. 外周側耐火物層及び内孔側耐火物層の軸方向の一方の端部は固定され、他方の端部は相互に固定されておらず、外周側耐火物層の内径及び内孔側耐火物層の外径が、前記一方の端部から他方の端部に向かって拡径するか又は軸方向に平行に形成されている請求項10に記載の熱膨張に連続鋳造用ノズル。
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