JP2009090104A - 超音波診断方法及び装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】高いスペックル低減効果を少ない解像度劣化で達成し、また振幅や形状では分離困難であったスペックルと他の信号とを分離する。
【解決手段】被検者に向けて超音波を送信すると共に、被検者から反射された超音波信号を受信することにより受信信号を出力する複数の素子が配列された超音波プローブと、前記被検者に向けて送信する超音波の実音速に対して予め設定された仮定音速を種々に変更して得られる超音波信号の振幅と位相の変化特性がスペックルとその他の信号とで異なることを利用してスペックルを低減するスペックル低減手段と、を有することを特徴とする。また、RFデータの距離方向の位相変化からスペックルとスペックル以外の信号とを分離する信号分離手段とを有することを特徴とする。
【選択図】図1

Description

本発明は、超音波診断方法及び装置に係り、特に、画像生成時の超音波の音速に依る位相変化特性に基づき、スペックルを低減し、またスペックルとスペックル以外の信号を分離する技術に関する。
従来より、超音波を用いて被検者の断層画像を取得し医療診断に供することが行われているが、超音波画像処理において、微小構造物、連続面、スペックルを検出して、それを強調又は抑制する技術が知られている。
例えば、被検体部位から発生するエコー信号の強度あるいは振幅情報の統計的性質を用いて特定の信号を抽出することで、微小構造物を抽出し、肝硬変や微小な異常病変を検出するもの(例えば、特許文献1等参照)や、注目座標で交差し三次元的に広がる複数の参照方向ごとにエコーデータの方向別分散値を求め、この複数の方向別分散置からさらに分散値を演算することにより境界値を求めることによって、組織の表面抽出を行うもの(例えば、特許文献2等参照)や、最終的な超音波画像を平滑化するために画像パラメータ・データをフィルタ処理する適応型空間フィルタを有する超音波イメージング・システム(例えば、特許文献3等参照)等の、振幅情報の値や形状の違いから、微小構造物や連続面あるいはスペックルを区別する技術が知られている。
また、超音波診断装置の超音波本体部のメモリ部から連続した複数フレームの画像データを並列に読み出し、これら複数の画像データを統計処理することにより、対象画像データがスペックルノイズであるか否かを判定するものが知られている(例えば、特許文献4等参照)。
またさらに、超音波イメージング・システムにおいて、受信ビーム形成するような時間遅延で位相整合加算した信号であるコヒーレント信号と、受信ビーム形成しないような時間遅延で位相整合加算した信号である非コヒーレント信号の類似性を、信号の比がある閾値以上か否かで判断し、類似すると判断された場合にコヒーレント信号を抑制することでスペックル低減するものが知られている(例えば、特許文献5等参照)。
また、超音波を用いて被検者の断層画像を取得し医療診断に供する際、スペックル等のノイズを低減する各種の手法が知られている。
例えば、複数方向ビームから得られた画像を平均化するもの、複数周波数の超音波から得られた画像を平均化する技術や受信ビームコンパウンドにおいて、輝度信号に変換する前の位相情報を有する受信ビーム同士を合成することでノイズを低減する技術が知られている(例えば、特許文献6等参照)。
また、平滑化フィルタを複数設けたり、像構造により適応的に変化させたり、多重解像度分解したり、モフォロジー処理したりなど、像構造に着目して単一フレーム画像にフィルタ適用する技術が知られている。
またその他、フレーム間でスペックルの変化がその他信号に比べて大きいことを利用して、複数フレームでの重み付け平均によりスペックル低減する技術なども知られている。
特開2003−61964号公報 特開平7−8487号公報 特開2000−300561号公報 特開平9−94248号公報 特表2002−534184号公報 特開2003−70786号公報
しかしながら、例えば上記振幅情報の値や形状の違いから区別するものでは、組織境界で反射されたエコーが弱くスペックルと干渉した結果、途切れ途切れになる場合や、微小構造物信号とスペックルとの振幅が同程度となる場合には区別できないという問題がある。また、上記フレーム間での振幅値の変化の仕方に着目するものでも、微小構造物や途切れ途切れの連続面の場合、フレーム間で連続して検出されないためにスペックルの変化の仕方との区別が難しいという問題がある。
さらに、上記コヒーレント・イメージング・システムに関するものでは、コヒーレント信号と非コヒーレント信号の区別は可能でも、コヒーレント信号の中で微小構造物信号と連続面信号の区別は困難であるという問題がある。
また、上記従来の複数方向ビームから得られた画像を平均化するもの、複数周波数の超音波から得られた画像を平均化する技術では、送信ビーム又は周波数を変えることによりフレームレートが低下し、受信ビーム又は周波数を変えることは信号を限定して利用することとなるため、分解能が劣化してしまうという問題がある。
また、上記像構造に着目して単一フレーム画像にフィルタ適用する技術では、面上の信号でも途切れ途切れになる場合や、点状の信号はスペックルとの区別がつかないという問題がある。
さらに、上記フレーム間でスペックルの変化がその他信号に比べて大きいことを利用してスペックル低減する技術では、上記信号はスペックルと似たようなフレーム変化となり、その結果十分な低減効果が得られないか、信号自体が低減されてしまうという問題がある。
本発明は、このような事情に鑑みてなされたもので、高いスペックル低減効果を少ない解像度劣化で達成し、また振幅や形状では分離困難であったスペックルと他の信号とを分離することのできる超音波診断方法及び装置を提供することを目的とする。
前記目的を達成するために、請求項1に記載の発明は、被検者に向けて超音波を送信すると共に、被検者から反射された超音波信号を受信することにより受信信号を出力する複数の素子が配列された超音波プローブと、前記被検者に向けて送信する超音波の実音速に対して予め設定された仮定音速を種々に変更して得られる超音波信号の振幅と位相の変化特性がスペックルとその他の信号とで異なることを利用してスペックルを低減するスペックル低減手段と、を有することを特徴とする超音波診断装置を提供する。
これにより、少ない解像度劣化で高いスペックル低減効果を達成することができる。
また、請求項2に示すように、前記スペックル低減手段は、前記仮定音速を種々に変更して得られるRFデータ又は振幅画像を重み付けして平均化することを特徴とする。
また、請求項3に示すように、前記スペックル低減手段は、前記仮定音速を種々に変更して得られるRFデータ又は振幅画像を標準画像から離れる程重み付けの値を小さくして重み付けすることを特徴とする。
また、請求項4に示すように、前記スペックル低減手段は、前記平均化に用いる前記仮定音速を種々に変更して得られるRFデータ又は振幅画像を、標準画像から離れる程少なくすることを特徴とする。
これらにより、従来区別しきれなかったスペックルとその他の信号とを区別することができ、少ない解像度劣化で高いスペックル低減効果を達成することができる。
また、請求項5に示すように、前記スペックル低減手段は、前記仮定音速を種々に変更して得られるRFデータ又は振幅画像の同一画素における信号変化の分散又は傾き又は最大値と最小値との差が所定値以上の信号をスペックルと判定して、低減することを特徴とする。
これによっても、従来区別しきれなかったスペックルとその他の信号とを区別することができ、少ない解像度劣化で高いスペックル低減効果を達成することができる。
また、請求項6に示すように、前記判定画像を生成する手段は、1回の送信から複数の前記仮定音速を変化させて生成した信号を利用することを特徴とする。
また、請求項7に示すように、請求項1〜6のいずれか1項に記載の超音波診断装置であって、さらに、前記スペックル低減手段で生成されたスペックル低減されたRFデータと、前記仮定音速を種々に変更して得られるRFデータから得られる振幅画像とを合成して表示する表示手段を有することを特徴とする。
また、請求項8に示すように、前記表示手段は、前記スペックル低減されたRFデータから生成される振幅画像をスペックル低減レベルに応じて単独で又は複数表示することを特徴とする。
また、請求項9に示すように、前記表示手段は、前記スペックル低減されたRFデータから生成される振幅画像をスペックル低減されない画像と色を変えることを含め重畳して又は並べて、スペックル低減レベルに応じて単独で又は複数表示することを特徴とする。
また、請求項10に示すように、前記表示手段は、スペックル低減されたRFデータ又は振幅画像によってスペックル低減されない画像の色・輝度変調してスペックル低減レベルに応じて単独で又は複数表示することを特徴とする。
また、請求項11に示すように、請求項7〜10に記載の超音波診断装置であって、さらに、前記表示画像の表示モードを、前記スペックル低減されたRFデータと前記仮定音速を種々に変更して得られるRFデータから得られる振幅画像とを合成した表示画像のみを表示する通常表示モードと、その他の表示モードとに切り替えるモード切替手段を有することを特徴とする。
これらのように、様々な方法で画像を表示することにより、スペックル低減効果をより高めることが可能となる。
また、同様に前記目的を達成するために、請求項12に記載の発明は、被検者に向けて超音波を送信すると共に、被検者から反射された超音波信号を受信することにより受信信号を出力する複数の素子が配列された超音波プローブと、前記受信信号から得られるRFデータの距離方向の位相変化からスペックルとスペックル以外の信号とを分離する信号分離手段と、を有することを特徴とする超音波診断装置を提供する。
これにより、従来振幅や形状では分離することが困難であったスペックルと他の信号とを分離することが可能となった。
また、請求項13に示すように、前記信号分離手段は、距離方向の位相変化が、距離方向、横方向の少なくとも一方向に一定の箇所をスペックル以外の信号であると判定することを特徴とする。
これにより、スペックルとスペックル以外の信号とを容易に分離することが可能となった。
また、請求項14に示すように、請求項12または13に記載の超音波診断装置であって、さらに、前記信号分離手段による信号分離結果が反映された画像を表示する表示手段を有することを特徴とする。
また、請求項15に示すように、前記表示手段は、前記信号分離手段による信号分離結果が反映された画像と振幅画像を色を変えることを含め重畳して又は並べて表示することを特徴とする。
また、請求項16に示すように、前記表示手段は、前記信号分離手段により信号分離結果によって振幅画像の輝度・色を変調して表示することを特徴とする。
また、請求項17に示すように、請求項12〜16に記載の超音波診断装置であって、さらに、前記信号分離手段による信号分離結果が反映された画像を表示する通常表示モードとその他の表示モードとを切り換えるモード切替手段を有することを特徴とする。
これらのように、様々な方法で画像を表示することにより、スペックルと他の信号との分離の効果をより高めることが可能となる。
また、同様に前記目的を達成するために、請求項18に記載の発明は、複数の素子が配列された超音波プローブから被検者に向けて超音波を送信すると共に、被検者から反射された超音波信号を受信し、前記被検者に向けて送信する超音波の実音速に対して予め設定された仮定音速を種々に変更して得られる前記超音波信号の振幅と位相の変化特性がスペックルとその他の信号とで異なることを利用してスペックルを低減することを特徴とする超音波診断方法を提供する。
また、請求項19に示すように、複数の素子が配列された超音波プローブから被検者に向けて超音波を送信すると共に、被検者から反射された超音波信号を受信し、前記仮定音速を種々に変更して得られるRFデータを重み付けして平均化することによりスペックルを低減することを特徴とする。
これにより、従来区別しきれなかったスペックルとその他の信号とを区別することができ、少ない解像度劣化で高いスペックル低減効果を達成することができる。
また、同様に前記目的を達成するために、請求項20に記載の発明は、複数の素子が配列された超音波プローブから被検者に向けて超音波を送信すると共に、被検者から反射された超音波信号を受信し、前記被検者に向けて送信する超音波の実音速に対して予め設定された仮定音速を種々に変更して得られるRFデータの距離方向の位相変化からスペックルとスペックル以外の信号とを分離することを特徴とする超音波診断方法を提供する。
また、請求項21に示すように、前記スペックルとスペックル以外の信号とを分離する際、距離方向の位相変化が一定の箇所をスペックル以外の信号であると判定することを特徴とする。
これにより、従来振幅や形状では分離することが困難であったスペックルと他の信号とを分離することが可能となった。
以上説明したように、本発明によれば、従来区別しきれなかったスペックルとその他の信号を区別することができ、従来のように余分な送波を必要とせず、また単一フレームのデータを利用する場合に画像間のずれが無く、さらに、従来の受信空間コンパウンドや周波数コンパウンドに比べ、多数の画像で平均化できるため、高いスペックル低減効果を、少ない解像度劣化で達成することができる。また、従来振幅や形状では分離することが困難であったスペックルと他の信号とを分離することができる。
以下、添付図面を参照して、本発明に係る超音波診断方法及び装置について詳細に説明する。
本発明は、本発明は、受信した超音波画像からスペックルを低減した画像を生成する際に設定する超音波の音速を変化させた時の位相変化特性がスペックルとその他の信号で異なることから、各超音波音速のRFデータ又は振幅画像を利用して、スペックルを低減し、また距離方向の位相変化からスペックルと他信号を分離するものである。
なお、設定する超音波音速を所定量ずつステップ刻みで複数変化させて判定画像を生成するに当たり、被検者に送信する実際の超音波音速(実音速)に対して、複数変化させて設定する超音波の音速を以下の実施形態では、設定音速または仮定音速と言う。
この仮定音速を変化させた場合の微小構造物信号、連続面・線信号及びスペックル信号の振幅・位相変化特性が異なることを用いてこれらの微小構造物、連続面・線、スペックルを判定することができる。
具体的にその振幅・位相変化特性とは、後で詳しく説明するが、簡単に言うと、以下のようなものである。
まず、微小構造物の場合、仮定音速が最適音速(実音速)より小さい(遅い)場合にはスキャン方向(超音波プローブの振動子の配列方向)に位相は上に凸(凸型)に変化し、その傾きは仮定音速が最適音速に近い程急峻となり、また、仮定音速が最適音速より大きい(速い)場合にはスキャン方向に位相は下に凸(凹型)に変化し、その傾きは最適音速に近い程急峻となる。また、振幅については、仮定音速が最適音速に近い程大きく、また形状は急峻となる。
連続面・線の場合、仮定音速に依らず位相は一様であり、振幅は最適音速に近い程大きくなる。
スペックルの場合、仮定音速に依って振幅も位相もランダムに変化する。
これらの事実に基づいて、まず微小構造物、連続面・線、スペックルの判定について説明する。
図1は、本発明に係る超音波診断装置の一実施形態の概略構成を示すシステム構成図である。
図1に示すように、超音波診断装置1は、超音波を用いて被検者の診断部位について超音波画像を撮影して表示するものであり、超音波プローブ10、送受信部12、走査制御部14、AD変換部16、画像生成部18、形状・性状判定画像生成部20、表示画像生成部22、モニタ24及びモード切替手段26を有して構成されている。
超音波プローブ10は、被検者の体内の診断部位に向けて超音波を送信するとともに体内で反射してきた超音波を受信するものである。本実施形態の超音波プローブ10は、1次元の超音波トランスデューサアレイを構成する複数の超音波トランスデューサを備えており、各超音波トランスデューサは、例えばPZT等の圧電素子の両端に電極を形成した振動子によって構成されている。この電極は信号線によって送受信部12と接続されている。各電極に電圧を印加すると振動子は超音波を発生する。また、振動子は反射してきた超音波を受信すると電気信号を発生し、これが受信信号として出力される。
送受信部12は、超音波プローブ10に超音波送信信号を与え振動子から超音波を発生させ、走査制御部14から与えられた遅延に基づいて送波する。そして、反射した超音波を受信して超音波プローブ10が出力した各素子の受信信号をそのまま(受波フォーカスをかけず)増幅する。
AD変換部16は、送受信部12から超音波受信信号を受け取りAD変換して画像生成部18に引き渡す。画像生成部18はAD変換部16から受け取った受信データを保存する。画像生成部18では、保存された各素子の受信データから、詳しくは後述するが、様々に設定される音速(これを上述したように被検者に送波する実際の音速(実音速)に対して仮定音速という。)に基づく遅延で受波フォーカスされ、各仮定音速に基づくRFデータが生成される。
形状・性状判定画像生成部20は、いろいろな音速(仮定音速)で生成された画像(RFデータ)から微小構造物、スペックル、境界を判定するための画像を生成するものである。
また、表示画像生成部22は、画像生成部18で生成された画像と、形状・性状判定画像生成部20で生成された判定画像による判定結果からモニタ24に表示するための表示画像を生成するものである。モード切替手段26は、モニタ24への画像の表示モードを切り替えるものである。
ここでは、受信データから画像を再構築する際、実際の音速に対する仮定音速を様々に変化させた時の位相変化特性を利用して微小構造物、連続面・線、スペックルを判定するが、上記超音波診断装置1の作用を説明する前に、仮定音速を変化させた時の位相変化特性について説明する。
図2〜9に、仮定音速を変化させた時の位相変化特性を表したグラフを示す。
各グラフは、それぞれ仮定音速を大体1400[m/s]から1620[m/s]まで40[m/s]あるいは20[m/s]刻みで変化させたときの位相変化特性を、横軸をスキャン方向(X位置)、縦軸を位相として表示したものである。
図2は、仮定音速1400[m/s]〜1500[m/s]における微小構造物信号の仮定音速に依る位相変化特性を示すグラフであり、図3は、仮定音速1500[m/s]〜1620[m/s]における微小構造物信号の仮定音速に依る位相変化特性を示すグラフである。
仮定音速1400[m/s]〜1500[m/s]の図2の場合には、X位置100〜120付近において、仮定音速1500[m/s]のグラフは正の傾きを有し、その他の、仮定音速が1500[m/s]より小の(すなわち仮定音速がより遅い)グラフはいずれも右下がりで、仮定音速が1500[m/s]に近い程その傾きが急峻であり、仮定音速が1500[m/s]より遅くなるにつれて傾きが緩やかになっている。
また、仮定音速1500[m/s]〜1620[m/s]の図3の場合には、X位置100〜120付近において、いずれも右上がりのグラフとなっている。そして、仮定音速が1500[m/s]のときが最も傾きが大きく、仮定音速が1500[m/s]より大きくなる程傾きが緩やかになっている。
図2及び図3のこのようなグラフの形状は、X位置100〜120付近に微小構造物が存在していることを示すものであると考えられる。
図4は、仮定音速1400[m/s]〜1480[m/s]における面信号の仮定音速に依る位相変化特性を示すグラフであり、図5は、仮定音速1540[m/s]〜1620[m/s]における面信号の仮定音速に依る位相変化特性を示すグラフである。
図4及び図5からわかるように、いずれもX位置100〜130及び150〜180付近において、仮定音速を変えても位相があまり変化していない。これはその部分に面(連続面)が存在することを示すものであると考えられる。
図6は、仮定音速1400[m/s]〜1480[m/s]におけるスペックルの仮定音速に依る位相変化特性を示すグラフであり、図7は、仮定音速1540[m/s]〜1620[m/s]におけるスペックルの仮定音速に依る位相変化特性を示すグラフである。図6及び図7に示すように、スペックルの場合は仮定音速を変えると位相はランダムに変化する。
また、図8は、仮定音速1400[m/s]〜1500[m/s]における微小構造物の仮定音速に依る振幅変化特性を示すグラフであり、図9は、仮定音速1500[m/s]〜1620[m/s]における微小構造物信号の仮定音速に依る振幅変化特性を示すグラフである。
図8及び図9からわかるように、微小構造物の振幅の変化を示すグラフは、いずれもX位置110付近に頂上(最大値)を有する山型(上に凸)のグラフで、仮定音速1500[m/s]のとき振幅値が最大で、仮定音速が1500[m/s]に近づく程最大振幅値が大きくなるとともに、形状も急峻となっている。
次に、仮定音速を変化させたときの微小構造物の位相変化が図2、図3にグラフで示したような特性を有する理由を説明する。
図10において、点A(0,z )から音速Vで反射した超音波を、超音波プローブ10における位置Xの素子(振動子)で、反射後の時刻tにおいて観測したとする。すると、この時刻tは次の(1)式のように算出される。
t=sqrt(z +X)/V ・・・(1)
なお、式(1)においてsqrt( )は( )内の値の平方根をとることを意味する。
また、図10において、点A’(x,z)から音速Vで反射した超音波を、同じく超音波プローブ10における位置Xの素子(振動子)で、反射後の時刻tにおいて観測したとする。上と同様にこの時刻tは、次の式(2)で表される。
t=sqrt{z+(X−x)}/V ・・・(2)
それぞれ式(1)と式(2)で与えられる曲線が(X,t)平面において接するときの点A’の軌跡は次の式(3)で与えられる。
=x×{V/(V −V)}+z /V ・・・(3)
点A’は、最適音速(実音速)に対して仮定音速Vとして位相を整合して加算した場合に信号が強くなる位置を示している。
式(3)より点A’(x,z)の軌跡は、V>Vのときは、原点を中心とした楕円となり、V<Vのときは、原点を中心とした双曲線となる。なお、Bモード画像においてはz軸の下方向を上としているので、V>Vの場合の原点を中心とした楕円の軌跡を凹型、V<Vの場合の原点を中心とした双曲線の軌跡を凸型とする。
なお、図11に、式(1)と式(2)で与えられる曲線が(X,t)平面において接している様子を示す。図11(a)はV<Vの場合であり、実線Jは点Aからの反射波を、破線H1は図10のようにz軸より右側にある場合の点A’からの反射波を表している。また、破線H2は図示は省略するが図10のz軸より左側にある点からの反射波を表している。いまV<Vの場合であるので、同じXの位置に対しては点A’からの反射波の方が時刻tが大きいため、破線H1(H2)が実線Jより上側に表れている。
また、図11(b)は、V=Vの場合でり、図11(c)はV>Vの場合である。VがVに近づく場合には破線Hは実線Jに近づき、V=Vの場合には、破線Hは実線Jと一致する。図11(c)の場合は、図11(a)とは逆で破線が実線よりも下側に表れる。
これらの図から、上記破線が上記実線に接するような点A’(x,z)の軌跡は上で述べたような傾向を有することが直感的に理解できる。
なお、ここで説明したモデルにおいては、観測された反射波を単純に線としたが、実際にはt方向に幅を持った波形である事や、X方向に強度差がある事なども考慮する必要がある。また、本モデルでは簡単のために、点Aと点A’からの反射を同時としたが、実際には、それぞれの点に超音波を送波してから反射する迄の時間も考慮する必要がある。
次に、図1の装置構成における画像生成部18の作用を図12のフローチャートに沿って説明する。
画像生成部18は、仮定音速を変化させていろいろな音速で得られたデータから画像を生成するものである。
まず図12のステップS100において、いろいろ変化させる仮定音速の初期値を設定する。この値は特に限定されるものではなく、適宜決めればよい。例えば、前述した図2等の例のように、1400[m/s]のように決めればよい。
そして設定された初期値により、走査制御部14によって制御された送受信部12から超音波プローブ10に信号が送られ、その仮定音速初期値によるデータが取得され画像生成部18に送られる。
次にステップS110において、仮定音速を所定量1ステップ変更し、変更された仮定音速による超音波データが取得される。この1ステップの所定量は、特に限定されず、例えば図2等の例のように40[m/s]でもよいし、10[m/s]でも、20[m/s]でもよく、所定量だけ仮定音速を変化させていく。
次にステップS120において、得られた各仮定音速によるデータを位相を整合して加算し、RF(Radio Frequency)データを生成する。このRFデータは、振幅情報と位相情報の両方を含むものである。このようにすべての仮定音速での画像でRFデータを作成する。
そしてステップS130において、画像生成が終了したか否か判断し、まだ終了していない場合にはステップS110に戻り、また仮定音速を1ステップ変更し画像生成を続行する。画像生成の終了は、すべての仮定音速についての処理が終了したか否かで判断する。それは例えば、仮定音速を何ステップ変更したら終了するかを予め決めておき、その回数をカウントして判断するようにすればよい。
次に、形状・性状判定画像生成部20の作用を説明する。
図13は、形状・性状判定画像生成部20における微小構造物の判定のための判定画像を生成する処理を示すフローチャートである。
まず図13のステップS200において、最適音速の値を設定する。この最適音速値の設定方法は、特に限定されるものではなく、例えば、画像生成部18で得られた画像のコントラストやシャープネス、空間周波数から判定する周知の方法(例えば、特開平8−317926号公報参照)でもよいし、ユーザが指定するようにしてもよい。
次にステップS210において、仮定音速の初期値を設定する。ただ、これはすでに画像生成部18における処理で得られているデータを用いればよい。次にステップS220において判定画像の各画素の値を0として初期化する。次にステップS230において仮定音速を1ステップ変更し、その音速でのデータを取得するが、これも画像生成部18における処理で得られているデータを使用すればよい。
次にステップS240において、その仮定音速でのデータから位相スキャン方向の2次微分値を算出する。スキャン方向とは、超音波プローブ10の振動子(素子)の配列方向と一致している。
次に、ステップS250において、所定サイズのカーネルで上記2次微分値を積分し、積分値を算出する。カーネルのサイズは、特に限定はされず、解像度に応じて、9×4や16×8等のものが用いられる。
そして、ステップS260において、仮定音速と最適音速を比較し、仮定音速の方が最適音速より大きい場合には、ステップS280に進み、その積分値をそのまま判定画像に加算する。また、ステップS260において、仮定音速の方が最適音速より大きくない場合には、次のステップS270において積分値の符号を反転してから、ステップS280において反転した積分値を判定画像に加算する。
そして、ステップS290において、すべての仮定音速についての処理が終了して判定画像の生成が終了したか否か判断し、まだ終了していない場合には、ステップS230に戻り次の仮定音速についてのデータの処理を行う。
このようにして、全ての仮定音速について2次微分値を積分した値を当初0に初期設定されていた判定画像に足し合わせて行くことにより判定画像が作成される。微小構造物の場合は、仮定音速が最適音速よりも速いときは2次微分値は正となり、仮定音速が最適音速よりも遅いときは2次微分値は負となるので、各仮定音速による2次微分値を所定のカーネルで積分すると微小構造物のところだけ信号が強くでる。従って、これらを加算して生成された判定画像は微小構造物のところだけ信号が強く出た画像となっており、これにより微小構造物であることが判定される。
図2〜9に示されるように、カーネル内でのスキャン方向位相2次微分値がスペックルの場合はランダムであり、連続面の場合は0、微小構造物の場合は、仮定音速が最適音速より大ならば正、仮定音速が最適音速より小ならば負の値を持つため、積分することにより微小構造物のみ値が大きくなる。
なお、上述した例では、仮定音速は複数いろいろに変化させたが、一種類のみの仮定音速の利用でもよい。
また、上の例では、仮定音速が最適音速より小の(遅い)場合、負の値となるので、符号を反転させていたが、符号を反転せずに、すなわち最適音速と仮定音速とを比較せずに、絶対値をとるようにしてもよい。
また、最適音速を設定せずに、所定値以上遅い、又は所定値以上速い仮定音速を利用するようにしてもよい。
さらに、最適音速付近では特徴的な位相変化を示す領域が小さくなり、仮定音速が最適音速より速いか遅いかの判断も不正確となる場合もある。そこで、最適音速を明示的に設定せずに、単に所定以上遅い仮定音速、または所定以上速い仮定音速のみを利用するようにしてもよい。また、上述したように最適音速付近では特徴的な位相変化を示す領域が小さくなるので、最適音速に近い程、積分に用いるカーネルのサイズを小さくするようにしてもよい。
上記図13に示したフローチャートにおいては、仮定音速が最適音速より速い場合には2次微分値が正で、スキャン方向の位相変化が凹型となり、仮定音速が最適音速より遅い場合には2次微分値が負で、スキャン方向の位相変化が凸型となることを考慮して、2次微分値が負の場合にはその符号を反転していたが、仮定音速が変化した場合の位相変化特性をより活用するために、例えば以下のような方法で得られる値を判定画像に加算するようにしてもよい。
図14に、微小構造物の判定において2次微分値の差分値を足し合わせる方法を示す。
図14において、上段は、仮定音速(1)、仮定音速(2−1)及び(2−2)のいずれも最適音速より速い場合であり、下段は、仮定音速(1)、仮定音速(2−1)及び(2−2)のいずれも最適音速より遅い場合である。
また特に図14の上段が示すように、仮定音速が最適音速より速い場合には、その音速が仮定音速(1)、(2−1)、(2−2)の順に遅くなるほど、スキャン方向の位相変化の形状は下に凸で急峻となり、その1次微分値のグラフの傾きも右上がりで急峻となり、その2次微分値の数値も正でより大きくなる。
また図14の下段が示すように、仮定音速が最適音速より遅い場合には、その音速が仮定音速(1)、(2−1)、(2−2)の順に速くなるほど、スキャン方向の位相変化の形状は上に凸で急峻となり、その1次微分値のグラフの傾きも右下がりで急峻となり、その2次微分値の数値も負でより小さく(絶対値が大きく)なる。
そして、ある仮定音速(1)が最適音速より速い場合、仮定音速(1)より遅く最適音速より速い仮定音速(2)(図14の仮定音速(2−1)あるいは(2−2))での位相スキャン方向2次微分値から仮定音速(1)の値を引いた値は正となる(図14の一番右側の図参照)。そこで、上記条件を満たす全ての仮定音速(2)について、仮定音速(1)との差分値を算出する。次に、それぞれの仮定音速(2)の差分値につき、所定サイズのカーネルでの積分値を算出する。
仮定音速(1)が最適音速より遅い場合は、仮定音速(1)より速く最適音速より遅いすべての仮定音速(2)での2次微分値を仮定音速(1)の値から引いた値をカーネルで積分する。
このようないろいろな仮定音速での2次微分値の差分値は、スペックルの場合にはランダムになり、連続面の場合は0となるため、微小構造物の場合のみ大きくなり、上記のように得られる判定画像から高SNの画像が得られることとなる。ここで最適音速付近では、位相凹凸変化のスキャン方向幅が小さくなるため、利用しなくても良いし、幅を限定して利用してもよい。
差分値は全て正の値になるので、その分SNが良くなる。また、絶対値を加算した上でさらに差分値を足していくことで検出能が向上する。これは、絶対値を加算するのは、位相変化特性が上に凸か、下に凸かという特性を考慮しているのに対して、差分値を足していくことは、それぞれ凸になっている中でも仮定音速が異なるとその凸形状乃至傾きが異なるという形状の情報が含まれることになるからである。
スペックルの場合の2次微分値はランダムであるが大きな値を取り得て、微小構造物の場合の2次微分値は傾向を持つ分、小さな値となる。このことから、スペックルの積分値が大きくなり得ることがわかる。そこで、符号のみの積分値としても良い。
上に示した例では、微小構造物に特徴的なスキャン方向位相凹凸変化及び仮定音速を変化させた時の位相変化を判定する方法としてスキャン方向2次微分値が連続的に正負の値をとることを利用したが、この他に、2次微分値の分散や傾き等、一様性を数値化する方法も可能である。
また、予め最適音速と仮定音速のずれに応じた凹凸形状フィルタを用意しておき、位相又は波形画像に対して相互相関をとって抽出する方法でもよい。
また、図8、図9に示すような振幅変化特性も合わせて利用することで、より高SNの画像を得ることができる。最適音速に近づくほど、凸形状が急峻になる振幅変化特性の利用方法として、位相と同様の方法を用いることができる。すなわち、ある仮定音速(1)が最適音速より速い場合、仮定音速(1)より遅く最適音速以上の仮定音速(2)での振幅スキャン方向2次微分値を仮定音速(1)から引いた値は正となるので、本条件を満たす全ての仮定音速(2)について仮定音速(1)との差分値を算出し、所定サイズのカーネルで積分値を算出する。仮定音速(1)が最適音速より遅い場合は、仮定音速(1)より速く最適音速以下のすべての仮定音速(2)での2次微分値を仮定音速(1)の値から引いた値をカーネルで積分する。
スペックルの仮定音速に依る振幅変化はランダムであり、また連続面の場合には凸形状とはならないため、微小構造物のみ値が大きくなり、加算された判定画像は、より高SNとなる。
振幅値が大きくなる特性の利用方法として、各仮定音速の振幅の差をとり、積分する方法が挙げられる。位相利用の場合と同様に、符号のみ積分するようにしても良い。
図15に、振幅画像と上で得た判定画像において微小構造物とスペックル標準偏差との比をSN比として比較した結果の例を示す。
図15において、横軸が超音波プローブの振動子配列方向である素子方向(スキャン方向)の画素数を表し、縦軸がSN比を表している。横軸の画素数が多いほどその横方向の分解能が高い。図15において、D1、D2は判定画像、A1、A2は振幅画像である。
振幅画像の場合、スキャン方向の分解能に依らず一定のSN比を示しているのに対し、判定画像はスキャン方向の分解能を増すほど、SN比が高くなり振幅画像の1.5倍程度になることがわかる。これは、例えば形状・性状判定画像生成部20においてスキャン方向に位相情報の分解能が素子間隔以上のデータを利用するように、スキャン方向に高分解能な位相情報を利用することで、微小構造物に特徴的な位相凹凸変化とスペックルのランダムな位相変化とをより正確に区別でき、振幅値より高いSN比が得られることを示している。
また、前述した例においては、単一フレームから判定画像を生成していたが、複数フレームを利用するようにしてもよい。
図16に、複数フレーム平均後の振幅画像と判定画像のSN比を比較したものを示す。
図16において、Dは判定画像、Aは振幅画像である。図16は、使用フレーム数±16枚(計32枚)での平均後のSN比を、フレーム間隔を変えるために間引いて走査した結果であり、横軸のフレーム間隔が広いほど間引き数が大きいことを示している。
図16のグラフよりフレーム間隔が広いと判定画像と振幅画像のSN比は同程度だが、狭いと差が大きくなり、1.3倍程度になることがわかる。つまり、微小構造物信号に対するスペックルの変化が振幅変化よりも大きいという特性があり、この特性から高いフレームレートの複数フレームを利用することで、振幅画像より高SNな判定画像が得られることを示している。
最近のソフトウエアベースの超音波装置は受信信号をデジタルデータとして持ち、例えば形状・性状判定画像生成部20において、同じ送信(1回の送信)から得られた受信データを利用して、種々の仮定音速で画像生成することが可能となってきている。また、アナログベースでも高性能な回路構成により同様のことが可能となってきている。
本実施形態における装置構成は、次の2点の理由から有用である。まず1点目は、種々の仮定音速でのRFデータをフレーム間ずれ無しに得られるため、特に微小構造物信号のグラフ(図2、3参照)に示される微妙な特徴の利用に悪影響を及ぼすことがないことである。また2点目は、上述した高フレームレートな条件下での複数フレーム利用が可能となることである。
複数フレーム利用方法として、単に複数フレームの判定画像の平均をとったり、複数フレームでの同位置カーネルでの積分値を判定画像に加算する方法以外に、積分値の複数フレームでの分散や変化の幅、傾きなど微小構造物信号とスペックルの変化の違いを評価するための種々の方法が考えられる。
ここでは、微小構造物の位相変化特性をスキャン方向の凹凸変化で表現しているが、同じ位置における仮定音速に依る位相変化としても表現でき、判定方法もどちらの特性を利用してもよい。
図17は、形状・性状判定画像生成部20におけるスペックルの判定のための判定画像を生成する処理を示すフローチャートである。
まずステップS300において、仮定音速の初期値を設定し、次のステップS310で判定画像を初期化する。次のステップS320において、仮定音速を1ステップ変更する。この辺は図13の最初のステップと同じである。
次にステップS330において、同一画素における1ステップ前の仮定音速の位相との差分の絶対値を算出する。
そして、ステップS340において、算出した値を判定画像に加算して行く。この操作を全ての仮定音速について行い、ステップS350で、判定画像生成が終了したと判断されたら処理を終了する。
これは、同一画素において隣り合う仮定音速の同一ピクセルにおける位相との差分値をとり、その絶対値を足し合わせて行くと、位相変化が小さい程それが小さくなるが、スペックルの場合には、それが各仮定音速間で同一ピクセル間で位相がランダムに変化するので、絶対値全部足し合わせると大きな値になってしまうので、それでスペックルを判定することができる。また、連続的な面の場合には、それがずっと一様に同じ値で続いているため、その差分をとると小さな値となる。
図2、3及び図4、5と図6、7とを比較するとわかる様に、微小構造物や連続面信号に比べ、スペックルの仮定音速を変化させた時の位相変化はランダムで大きい。従って、図17のフローチャートによる処理で得られる判定画像には微小構造物の中心や連続面は値が小さく、スペックルは値が大きく描出される。そこで、図13のフローチャートによる処理で得られる判定画像との差分をとれば連続面のみを抽出することができる。これにより、連続面を判定することができる。
また、位相の代わりにスキャン方向微分値としても同様の結果を得ることができる。
また、差分絶対値に限らず、分散や最大値と最小値の差、傾きなど一様性を評価可能な量であればいずれでもよい。
また、微小構造物判定の場合と同様に、微小構造物中心の信号や連続面信号に対するスペックルの仮定音速に依る位相一様性の変化は、振幅変化よりも大きい特性があり、高フレームレートな複数フレームを利用することにより、本特性を活かして振幅画像より高SNの判定画像を得ることができる。
図18は、表示画像生成部22における処理内容を示すフローチャートである。
まず、図18のステップS400において、最適音速における振幅画像を取得する。すなわち、画像生成部18で生成された複数の仮定音速でのRFデータを取得して、そこから振幅画像を生成する。RFデータから表示画像を生成する方法は、特に限定されるものではなく、例えば各 RFデータに対して一般的な包絡線検波を用いてもよいし、RFデータが振幅情報と位相情報とに分かれていたら、その振幅をとればよいし、あるいはRFデータがIQの形に分けられていたら、Iの二乗とQの二乗との和の平方根をとればよいし、そのデータ形式に応じた方法を用いればよい。
次に、ステップS410において、形状・性状判定画像生成部20から微小構造物、連続面、スペックルの判定画像を取得する。そして、次のステップS420において、判定画像に基づいて振幅画像の微小構造物、連続面を強調したり、スペックルを抑制したりする。
次に、ステップS430において、その結果を対数圧縮し、ゲイン/DR(ダイナミックレンジ)/STC(深さ重み付け)/グレーマップ調整し、さらにスキャンコンバートして表示画像を生成する。
なお、表示画像の表示モードは、このように振幅画像と判定画像を並べて表示するモードやその他の表示モードがあり、モード切替手段26によって切り替えられる。
モード切替手段26は、表示画像を、判定結果が反映された画像と、振幅画像とを色を変えて重ねて表示してもよいし、あるいはこれらを並べて表示したり、さらには単独で表示したり、または複数表示したりしてもよい。また、モード切替手段26は、判定結果によって振幅画像の輝度、色を変調して、単独でまたは複数を表示するようにしてもよい。
以上説明したように、本実施形態によれば、振幅が同程度で、また形状が似通っている場合、従来技術では区別しきれない微小構造物や連続面及びスペックルを区別することができ、その結果、従来技術よりも高SNに微小構造物抽出、組織境界や針などの抽出及びスペックルの低減を行うことができる。
以上説明した微小構造物、連続面・線、スペックルの判定においては、超音波プローブの振動子の配列が1次元の場合について説明したが、もちろんこれは2次元の場合にも適用可能である。2次元の場合、位相整合加算が振動子の2次元的な位置に基づいて行われるため、仮定音速に依って、微小構造物信号は傾きが変化する2次元の位相凹凸曲面を示し、連続面信号は2次元的に一様な位相の曲面を示し、連続線信号は線に沿う方向には一様な位相、線と直交する方向には位相凹凸変化を示し、さらにスペックルは2次元的にランダムな位相変化を示す。
また、上述した例では、超音波の送受信周波数が1種類のRFデータを利用する場合のみを挙げたが、基本波と高調波など、複数の異なる周波数のRFデータを利用するようにしてもよい。例えば、微小構造物信号は周波数が異なっても同様なスキャン方向の位相凹凸変化を示すが、スペックルは干渉の結果のため、周波数が異なるとスキャン方向の位相変化の仕方が異なるため、周波数が異なる判定画像を足し合わせることにより高SNの画像を得ることができる。
次に、仮定音速に依る振幅・位相変化特性がスペックルとその他信号で異なることを利用してスペックルを低減することについて説明する。
図19は、このスペックル低減を行う超音波診断装置の一実施形態の概略構成を示すシステム構成図である。
図19に示すように、超音波診断装置100は、超音波を用いて被検者の診断部位について超音波画像を撮影して表示するものであり、超音波プローブ110、送受信部112、走査制御部114、AD変換部116、画像生成部118、スペックル低減部120、表示画像生成部122、モニタ124及びモード切替手段126を有して構成されている。
超音波プローブ110は、被検者の体内の診断部位に向けて超音波を送信するとともに体内で反射してきた超音波を受信するものである。本実施形態の超音波プローブ110は、1次元の超音波トランスデューサアレイを構成する複数の超音波トランスデューサを備えており、各超音波トランスデューサは、例えばPZT等の圧電素子の両端に電極を形成した振動子によって構成されている。この電極は信号線によって送受信部112と接続されている。各電極に電圧を印加すると振動子は超音波を発生する。また、振動子は反射してきた超音波を受信すると電気信号を発生し、これが受信信号として出力される。
送受信部112は、超音波プローブ110に超音波送信信号を与え振動子から超音波を発生させ、走査制御部114から与えられた遅延に基づいて送波する。そして、反射した超音波を受信して超音波プローブ110が出力した各素子の受信信号をそのまま(受波フォーカスをかけず)増幅する。
AD変換部116は、送受信部112から超音波受信信号を受け取りAD変換して画像生成部118に引き渡す。画像生成部118はAD変換部116から受け取った受信データを保存する。画像生成部118では、保存された各素子の受信データから、詳しくは後述するが、様々に設定される音速(これを上述したように被検者に送波する実際の音速(実音速)に対して仮定音速という。)に基づく遅延で受波フォーカスされ、各仮定音速に基づくRFデータが生成される。
スペックル低減部120は、いろいろな音速(仮定音速)で生成された画像(RFデータ)からスペックルを低減した画像を生成するものである。
また、表示画像生成部122は、画像生成部118で生成された画像と、スペックル低減部120で生成された低減画像からモニタ124に表示するための表示画像を生成するものである。モード切替手段126は、モニタ124への画像の表示モードを切り替えるものである。
本実施形態は、受信データから画像を再構築する際、実際の音速に対する仮定音速を様々に変化させた時の位相変化特性を利用してスペックルを低減するものであるが、仮定音速を変化させた時、上で図2〜図9を用いて説明したような位相変化特性がある。
次に、スペックル低減部120の作用を説明する。
図20は、スペックル低減部120におけるスペックルを低減した低減画像を生成する処理を示すフローチャートである。
まず図20のステップS500において、仮定音速の初期値を設定する。これは画像生成部118における処理を示す図12のステップS100における処理で得られているデータを用いればよい。
次に、ステップS510において、スペックル低減画像を初期化して、これからデータを加算して作成していく低減画像の各画素の値を0として初期化しておく。
次に、ステップS520において、仮定音速を1ステップ変更し、その音速でのデータを取得するが、これも画像生成部118において図12のステップS110における処理で得られているデータを用いればよい。
次に、ステップS530において、各仮定音速でのRFデータを低減画像に足し合わせて平均化して行く。これは仮定音速を変化させたときスペックルのみがその位相がランダムに変化するため、このように波形の状態で足し合わせることにより打ち消しあって平均化され、スペックルが低減されるからである。
また、このとき重みを付けて足し合わせるようにしてもよい。この重みの付け方としては、例えば前述した図2、図3に示した例における1540m/sのような標準の音速から離れた画像程、重み付けの値を小さくしたり、足し合わせに用いる画像の枚数を少なくする等の方法が考えられる。
また、図20に示したフローチャートの処理のように複数の仮定音速でのRFデータを足し合わせることで平均値を算出するだけでなく、仮定音速に依る位相変化が一様な信号を抽出し、又はランダムで大きい信号を低減するため、分散や傾き、最大値と最小値との差を評価する方法でもよい。その場合、スペックル低減画像は位相変化が一様な信号程強調する画像となり、又はランダムで大きい信号程低減する処理を施した画像となる。
結局、スペックルの場合、複数仮定音速での位相変化がランダムであるのに対して、微小構造物や連続面は位相が一定であるので、単純に足し合わせていくとスペックルは低減され、微小構造物や連続面は残るが、そのような特性を利用して、分散や傾き、最大値と最小値との差を評価することにより、複数の仮定音速に対して同一画素における位相変化が一様な信号を抽出して、ランダムな信号を抑制するようにしてもスペックルを低減することができる。
また、図20に示すフローチャートの処理をRFデータの代わりに振幅画像に対して行うようにしても良い(この場合、画像生成部118で生成された各仮定音速のRFデータから振幅画像を事前に生成しておく。)
また、図20に示したフローチャートにおける処理では、1フレーム画像のみを使って低減画像を作成しているが、複数フレームを使うようにしてもよい。
最近のソフトウエアベースの超音波装置やアナログベースでも高性能な回路構成によって、同じ送信から得られた受信信号から種々の仮定音速で画像生成することが可能となってきている。本発明は、種々の仮定音速での画像をフレームずれ無しに得るために、本実施形態におけるような装置構成とすることが望ましい。
次に、表示画像生成部122は、画像生成部118で生成された(スペックル低減されていない)振幅画像、及びスペックル低減部120で生成されたRFデータからなるスペックル低減画像を用いて、これらを合成することにより表示画像を生成する。
すなわち表示画像生成部122は、スペックル低減画像に対して対数圧縮、ゲイン/DR(ダイナミックレンジ)/STC(深さ重み付け)/グレーマップ調整、スキャンコンバートを行い、表示画像を生成する。
表示画像はモニタ124に表示される。このとき、表示方法には様々なバリエーションがあり、これらの表示モードはモード切替手段126によって切り替えられる。
例えば、図21に示すように、モニタ124には、スペックル低減されたRFデータから生成される振幅画像のみを、そのスペックル低減レベルに応じて、単独であるいは複数表示してもよい。図21に示す例では、スペックル低減された振幅画像がそのスペックル低減レベル1から6まで並べてモニタ124に表示されている。
また例えば、図22に示すように、スペックル低減されたRFデータから生成される振幅画像を、そのスペックル低減レベルに応じて、単独で又は、スペックル低減されない画像と色を変えることを含めて重畳して又は並べて表示するようにしてもよい。
図22に示す例では、モニタ124画面の上にスペックル低減なしの画像が大きく表示され、その下にスペックル低減された画像がそのスペックル低減レベルに応じてレベル1から3まで表示されている。
さらに、例えば、図23に示すように、スペックル低減されたRFデータによってスペックル低減されない画像の色・輝度変調して、スペックル低減レベルに応じて単独で、又は複数表示するようにしてもよい。
以上説明したように、本実施形態によれば、従来の像構造に着目したフィルタ処理や、フレーム平均では区別しきれなかったスペックルとその他の信号を区別することができ、従来の送信空間コンパウンドや周波数コンパウンドのように余分な送波を必要とせず、また本実施形態において単一フレームのデータを利用する場合には画像間のずれが無く、さらに、従来の受信空間コンパウンドや周波数コンパウンドに比べ、多数の画像で平均化できるため、高いスペックル低減効果を、少ない解像度劣化で達成することができる。
以上説明した実施形態においては、超音波プローブの振動子の配列が1次元の場合について説明したが、もちろん本発明は2次元の場合にも適用可能である。2次元の場合、位相整合加算が振動子の2次元的な位置に基づいて行われるため、仮定音速に依って、微小構造物信号は傾きが変化する2次元の位相凹凸曲面を示し、連続面信号は2次元的に一様な位相の曲面を示し、連続線信号は線に沿う方向には一様な位相、線と直交する方向には
位相凹凸変化を示し、さらにスペックルは2次元的にランダムな位相変化を示す。
次に、距離方向の位相変化からスペックルとスペックル以外の信号を分離することについて説明する。
まずスペックルとスペックル以外の信号を分離する原理について説明する。
図24は、スペックルとその他の信号の距離方向の位相変化を示す概念図である。図24(a)はスペックル以外の信号を示し、図24(b)はスペックルを示している。
図面の左右方向が方位方向(スキャン方向)であり、図面の紙面に垂直な方向が厚さ方向(フレーム方向)であり、図面の上下方向が超音波の進行方向である距離方向(深さ方向)である(図24(a)中に矢印で示したが図24(b)についても同様である)。
スペックルは無数の散乱体からの反射が干渉した結果であるため、図24(b)に示すように、距離方向の位相変化が位置によって異なっている。
これに対して、スペックル以外の信号の場合には、送信した波がある反射点において反射し、それを受信した波であるため、送信波形が保たれている。従ってスペックル以外の信号の距離方向の位相変化は、図24(a)に示すように一定である。
また、スペックルは、分解能以下の無数の反射による干渉で起きるのに対して、スペックル以外の信号は、単一の反射点(孤立点)での反射、又は規則的な干渉(連続面)によって起きるため、少なくとも分解能程度の空間的な広がりを持っている。従って、スペックル以外の信号の場合、距離方向の位相変化が一定な領域が、少なくとも分解能程度の広がりを持っている。
このように、スペックル以外の信号の場合には波形が保たれており、スペックルの場合にはそれがあらゆるところで干渉したものであるから波形が保たれていないという違いがある。
そこで、この波形が保たれている部分を抽出することによって、スペックルとスペックル以外の信号を分離することが可能となる。
図25は、このスペックルとスペックル以外の信号の分離を行う超音波診断装置の一実施形態の概略構成を示すシステム構成図である。
図25に示すように、超音波診断装置200は、超音波を用いて被検者の診断部位について超音波画像を撮影して表示するものであり、超音波プローブ210、送受信部212、走査制御部214、AD変換部216、画像生成部218、信号分離手段220、表示画像生成部222、モニタ224及びモード切替手段226を有して構成されている。
ここで、信号分離手段220以外の構成要素については、図1あるいは図19で説明した超音波診断装置1あるいは100と同様であるので詳しい説明は省略する。
信号分離手段220は、いろいろな音速(仮定音速)で生成されたRFデータの距離方向の位相変化からスペックルとスペックル以外の信号を分離するものである。
次に、信号分離手段220の作用を説明する。
図26は、信号分離手段220におけるスペックルとスペックル以外の信号を分離する処理を示すフローチャートである。
まず図26のステップS600において、RFデータの距離方向の位相の差分を算出する。次に、ステップS610において、今算出した差分のさらに距離方向の差分(2次差分)を算出する。
そして、次のステップS620において、この2次差分値を所定サイズのカーネルで積分する。次のステップS630において、この積分値が所定の閾値以上の箇所をスペックルであると判定する。
このようにして、干渉の結果生じたスペックルであると判定された箇所と、それ以外のある反射点で反射されて帰ってきた信号とを分離する。表示画像生成部222は、その分離結果(判定結果)に基づいて、分離結果を反映させた表示画像を生成し、モニタ224に送り表示させる。分離結果を反映させた表示画像の作成方法は特に限定されるものではなく、例えば単純に上で分離されたスペックル以外の信号のみで(スペックル部分は適当に補間等して)表示画像を生成してもよいし、前述した例のようにスペックル部を低減して、上で分離されたスペックル以外の信号と合わせて表示画像を生成してもよいし、あるいはその他の方法でもよい。
また表示画像のモニタ224への表示方法も上述した例のように様々なバリエーションがあり、これらの表示モードはモード切替手段226によって切り替えられる。
例えば、分離結果が反映された画像と振幅画像を色を変えることを含め重畳したり並べたりして表示するようにしてもよい。また、分離結果によって振幅画像の輝度・色を変調して表示するようにしてもよい。
なお、上で述べた例では、距離方向の2次差分を算出したが、これに限定されるものではなく、横方向(方位方向または厚さ方向)の位相差の距離方向の差分を算出してもよいし、距離方向位相差の横方向の差分を算出して用いてもよい。
このように、距離方向の位相変化を用いてスペックルとスペックル以外の他の信号とを分離するようにしたため、従来、振幅や形状では分離することが困難であったスペックルと他の信号との分離が可能となった。
以上、本発明の超音波診断方法及び装置について詳細に説明したが、本発明は、以上の例には限定されず、本発明の要旨を逸脱しない範囲において、各種の改良や変形を行ってもよいのはもちろんである。
本発明に係る超音波診断装置の一実施形態の概略構成を示すシステム構成図である。 仮定音速1400[m/s]〜1500[m/s]における微小構造物信号の仮定音速に依る位相変化特性を示すグラフである。 仮定音速1500[m/s]〜1640[m/s]における微小構造物信号の仮定音速に依る位相変化特性を示すグラフである。 仮定音速1400[m/s]〜1480[m/s]における面信号の仮定音速に依る位相変化特性を示すグラフである。 仮定音速1520[m/s]〜1640[m/s]における面信号の仮定音速に依る位相変化特性を示すグラフである。 仮定音速1400[m/s]〜1480[m/s]におけるスペックルの仮定音速に依る位相変化特性を示すグラフである。 仮定音速1520[m/s]〜1640[m/s]におけるスペックルの仮定音速に依る位相変化特性を示すグラフである。 仮定音速1400[m/s]〜1500[m/s]における微小構造物の仮定音速に依る振幅変化特性を示すグラフである。 仮定音速1500[m/s]〜1640[m/s]における微小構造物信号の仮定音速に依る振幅変化特性を示すグラフである。 超音波信号受信状態を示す説明図である。 式(1)と式(2)で与えられる曲線が(X,t)平面において接している様子を示す説明図であり、(a)はV<Vの場合であり、(b)は、V=Vの場合でり、(c)はV>Vの場合である。 画像生成部の作用を示すフローチャートである。 形状・性状判定画像生成部における微小構造物の判定のための判定画像を生成する処理を示すフローチャートである。 微小構造物の判定において2次微分値の差分値を足し合わせる方法を示す説明図である。 振幅画像と判定画像において微小構造物とスペックル標準偏差との比をSN比として比較した結果の例を示す説明図である。 複数フレーム平均後の振幅画像と判定画像のSN比を比較したものを示す説明図である。 形状・性状判定画像生成部におけるスペックルの判定のための判定画像を生成する処理を示すフローチャートである。 表示画像生成部における処理内容を示すフローチャートである。 スペックル低減を行う超音波診断装置の一実施形態の概略構成を示すシステム構成図である。 スペックル低減部におけるスペックルを低減した低減画像を生成する処理を示すフローチャートである。 モニタへの表示画像の表示方法の一例を示す説明図である。 同じく、モニタへの表示画像の表示方法の一例を示す説明図である。 同じく、モニタへの表示画像の表示方法の一例を示す説明図である。 スペックルとその他の信号の距離方向の位相変化を示す概念図であり、(a)はスペックル以外の信号を示し、(b)はスペックルを示す。 スペックルとスペックル以外の信号の分離を行う超音波診断装置の一実施形態の概略構成を示すシステム構成図である。 信号分離手段におけるスペックルとスペックル以外の信号を分離する処理を示すフローチャートである。
符号の説明
1…超音波診断装置、10…超音波プローブ、12…送受信部、14…走査制御部、16…AD変換部、18…画像生成部、20…形状・性状判定画像生成部、22…表示画像生成部、24…モニタ、26…モード切替手段、120…スペックル低減部、220…信号分離手段

Claims (21)

  1. 被検者に向けて超音波を送信すると共に、被検者から反射された超音波信号を受信することにより受信信号を出力する複数の素子が配列された超音波プローブと、
    前記被検者に向けて送信する超音波の実音速に対して予め設定された仮定音速を種々に変更して得られる超音波信号の振幅と位相の変化特性がスペックルとその他の信号とで異なることを利用してスペックルを低減するスペックル低減手段と、
    を有することを特徴とする超音波診断装置。
  2. 前記スペックル低減手段は、前記仮定音速を種々に変更して得られるRFデータ又は振幅画像を重み付けして平均化することを特徴とする請求項1に記載の超音波診断装置。
  3. 前記スペックル低減手段は、前記仮定音速を種々に変更して得られるRFデータ又は振幅画像を標準画像から離れる程重み付けの値を小さくして重み付けすることを特徴とする請求項2に記載の超音波診断装置。
  4. 前記スペックル低減手段は、前記平均化に用いる前記仮定音速を種々に変更して得られるRFデータ又は振幅画像を、標準画像から離れる程少なくすることを特徴とする請求項1に記載の超音波診断装置。
  5. 前記スペックル低減手段は、前記仮定音速を種々に変更して得られるRFデータ又は振幅画像の同一画素における信号変化の分散又は傾き又は最大値と最小値との差が所定値以上の信号をスペックルと判定して、低減することを特徴とする請求項1に記載の超音波診断装置。
  6. 前記判定画像を生成する手段は、1回の送信から複数の前記仮定音速を変化させて生成した信号を利用することを特徴とする請求項1〜5のいずれかに記載の超音波診断装置。
  7. 請求項1〜6のいずれか1項に記載の超音波診断装置であって、さらに、前記スペックル低減手段で生成されたスペックル低減されたRFデータと、前記仮定音速を種々に変更して得られるRFデータから得られる振幅画像とを合成して表示する表示手段を有することを特徴とする超音波診断装置。
  8. 前記表示手段は、前記スペックル低減されたRFデータから生成される振幅画像をスペックル低減レベルに応じて単独で又は複数表示することを特徴とする請求項7に記載の超音波診断装置。
  9. 前記表示手段は、前記スペックル低減されたRFデータから生成される振幅画像をスペックル低減されない画像と色を変えることを含め重畳して又は並べて、スペックル低減レベルに応じて単独で又は複数表示することを特徴とする請求項7に記載の超音波診断装置。
  10. 前記表示手段は、スペックル低減されたRFデータ又は振幅画像によってスペックル低減されない画像の色・輝度変調してスペックル低減レベルに応じて単独で又は複数表示することを特徴とする請求項7に記載の超音波診断装置。
  11. 請求項7〜10に記載の超音波診断装置であって、さらに、前記表示画像の表示モードを、前記スペックル低減されたRFデータと前記仮定音速を種々に変更して得られるRFデータから得られる振幅画像とを合成した表示画像のみを表示する通常表示モードと、その他の表示モードとに切り替えるモード切替手段を有することを特徴とする超音波診断装置。
  12. 被検者に向けて超音波を送信すると共に、被検者から反射された超音波信号を受信することにより受信信号を出力する複数の素子が配列された超音波プローブと、
    前記受信信号から得られるRFデータの距離方向の位相変化からスペックルとスペックル以外の信号とを分離する信号分離手段と、
    を有することを特徴とする超音波診断装置。
  13. 前記信号分離手段は、距離方向の位相変化が、距離方向、横方向の少なくとも一方向に一定の箇所をスペックル以外の信号であると判定することを特徴とする請求項12に記載の超音波診断装置。
  14. 請求項12または13に記載の超音波診断装置であって、さらに、前記信号分離手段による信号分離結果が反映された画像を表示する表示手段を有することを特徴とする超音波診断装置。
  15. 前記表示手段は、前記信号分離手段による信号分離結果が反映された画像と振幅画像を色を変えることを含め重畳して又は並べて表示することを特徴とする請求項14に記載の超音波診断装置。
  16. 前記表示手段は、前記信号分離手段により信号分離結果によって振幅画像の輝度・色を変調して表示することを特徴とする請求項15に記載の超音波診断装置。
  17. 請求項12〜16に記載の超音波診断装置であって、さらに、前記信号分離手段による信号分離結果が反映された画像を表示する通常表示モードとその他の表示モードとを切り換えるモード切替手段を有することを特徴とする超音波診断装置。
  18. 複数の素子が配列された超音波プローブから被検者に向けて超音波を送信すると共に、被検者から反射された超音波信号を受信し、
    前記被検者に向けて送信する超音波の実音速に対して予め設定された仮定音速を種々に変更して得られる前記超音波信号の振幅と位相の変化特性がスペックルとその他の信号とで異なることを利用してスペックルを低減する
    ことを特徴とする超音波診断方法。
  19. 複数の素子が配列された超音波プローブから被検者に向けて超音波を送信すると共に、被検者から反射された超音波信号を受信し、前記仮定音速を種々に変更して得られるRFデータを重み付けして平均化することによりスペックルを低減することを特徴とする請求項18に記載の超音波診断方法。
  20. 複数の素子が配列された超音波プローブから被検者に向けて超音波を送信すると共に、被検者から反射された超音波信号を受信し、
    前記被検者に向けて送信する超音波の実音速に対して予め設定された仮定音速を種々に変更して得られるRFデータの距離方向の位相変化からスペックルとスペックル以外の信号とを分離することを特徴とする超音波診断方法。
  21. 前記スペックルとスペックル以外の信号とを分離する際、距離方向の位相変化が一定の箇所をスペックル以外の信号であると判定することを特徴とする請求項20に記載の超音波診断方法。
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