JP2009085498A - 燃焼灰堆積防止装置およびこれを備えたダクト - Google Patents
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Abstract
【解決手段】 燃焼灰を含む燃焼ガスを導くための、燃焼ガス流れの後流側が高くなる勾配を有する傾斜ダクト1と、傾斜ダクト1の底部1aから立設された立設部2aと、この立設部2aに連通されて、傾斜ダクト1内を流れる燃焼ガスの下流側に向けて気体を吹き出す吹出部2bを有し、吹出部2bは、立設部2aの立設高さよりも低い位置に配置され、立設部2aと吹出部2bとの間には、立設部2aから折り返して吹出部2bに向かって傾斜ダクト1の底部1aに下降する下降部2cから構成される。この立設部2aの頂部は吹出部2bより高い位置とされている。
【選択図】図1
Description
この傾斜して延在する、いわゆる傾斜ダクトにおいては、ボイラから排出される燃焼灰を含む燃焼ガスを導く際に、燃焼灰が傾斜ダクト内に堆積してしまう不具合があった。特にボイラの負荷が低く、傾斜ダクト内の流速が遅くなる場合、あるいはボイラ停止時には燃焼灰の堆積が顕著である。
すなわち、本発明にかかる燃焼灰堆積防止装置は、燃焼灰を含む燃焼ガスを導くとともに傾斜して延在する傾斜ダクトに設けられ、前記傾斜ダクトの底部から該傾斜ダクト内に向けて立設する立設部、及び、該立設部に連通するとともに前記燃焼ガスの下流側に向けて気体を吹き出す吹出部を有するノズルと、前記立設部から前記吹出部へと流れるように前記気体を供給する気体供給手段と、を備えた燃焼灰堆積防止装置において、前記吹出部は、前記立設部の立設高さよりも低い位置に配置され、前記立設部と吹出部との間には、該立設部から折り返して前記吹出部に向かって前記傾斜ダクトの前記底部側に下降する下降部が設けられていることを特徴とする。
例えば、ノズルから気体を吹き出す場合、吹き出す力により蓋部材が開き、気体を吹き出さない時は閉じている状態であって、ノズルの外側からの力が加わっても開かない、いわゆる逆止蓋の構造となっており、この構造によれば、堆積した燃焼灰のノズル内部への入り込みを確実に防ぐことができる。したがって、燃焼灰によるノズルの閉塞防止をより一層高めることができる。
[第1実施形態]
本発明の第1実施形態について、図1を用いて説明する。
図1には、本発明の第1実施形態にかかる燃焼灰堆積防止装置のノズルの正面図が示されている。具体的には、発電用ボイラからの燃焼灰を含む燃焼ガスを導くための傾斜ダクト1が示されている。この傾斜ダクト1は、燃焼ガス流れの下流側が高くなる勾配を有するように配置されている。
傾斜ダクト1の底部1aには、ノズル2が設けられている。なお、同図では、ノズル2が1つのみ示されているが、図5を用いて後述するように、実際には傾斜ダクト1の長手方向にわたって複数設けられている。ノズル2は、傾斜ダクト1の底部1aから立設された立設部2aと、この立設部2aに連通されて傾斜ダクト1内を流れる燃焼ガスの下流側に向けて気体を吹き出す吹出部2bとを有している。吹出部2bは、立設部2aの立設高さよりも低い位置に配置されている。すなわち、この立設部2aの頂部は吹出部2bよりも高い位置とされている。立設部2aと吹出部2bとの間には、立設部2aから折り返して吹出部2bに向かって傾斜ダクト1の底部1aに下降する下降部2cが設けられている。
ノズル2は、円形断面を有し、立設部2aと下降部2cを連通する連通部分2dは、正面視した場合に円弧形状を形成した状態となっている(図1参照)。
このノズル2の下部には、気体供給管(図示なし)を介して気体供給手段(図示なし)が接続されている。気体供給管の中途位置には、ノズル2に供給される気体9の流量を調整するための流量制御弁(図示なし)が設けられている。傾斜ダクト1の下流側は、例えば、図示しない煙突や集塵装置に接続されている。
発電用ボイラ(図示なし)から排出された燃焼灰を含む燃焼ガスは、図1に示す矢印11の方向から傾斜ダクト1内に導かれる。
傾斜ダクト1内を流れた燃焼ガスは、傾斜ダクト1の下流側に接続されている煙突へ導かれて大気へ放出され、燃焼灰4は集塵装置に導かれることとなる。
このため、燃焼灰4が傾斜ダクト1の底部1aに堆積し、吹出部2bからノズル2内に入り込んできた場合であっても、堆積した燃焼灰4は吹出部2b部分にのみ止まることとなり、立設部2aまで燃焼灰4が到達することがないので、立設部2aの閉塞を防止することができる。したがって、気体供給手段から気体9を供給することによって吹出部2b内に堆積した燃焼灰4をノズル2外へと排出することができ、燃焼灰4によるノズル2の閉塞を防止して安定した気体9の吹き出しができる。
なお、ノズル2に供給される気体9の流量は、吹出部2bが燃焼灰4で閉塞された場合でも、既設置の送風機能力で燃焼灰を十分排出可能な流量を供給することができ、新たに容量の大きい送風機を用いる必要はない。
これにより、燃焼灰4が傾斜ダクト1の底部1aに堆積し、吹出部2bからノズル2内に入り込もうとしている場合であっても、蓋部材30により吹出部2bからの燃焼灰4の入り込みを防止することができる。
なお、蓋部材30は、例えば、ヒンジ部材により開閉される構造となっている。
傾斜ダクト1内を流れる燃焼灰を含む燃焼ガスにノズル2が長時間さらされていると磨耗してしまう不具合が発生する。特に、ノズル2は、矢印11に示す燃焼ガス流れの上流側の側面が影響をもっとも受けて磨耗しやすい。プロテクタ50を設けることにより、燃焼ガスにノズル2が長時間さらされている場合であっても磨耗を防止することができる。したがって、ノズル2の寿命を大幅に向上させることが可能となる。
これによれば、燃焼灰4が吹出部2bから入り込みにくくなるとともに、吹出部2bから吹き出される気体9の流速を高めることができる。
次に、本発明の第2実施形態について、図4を用いて説明する。
図4には、本発明の第2実施形態にかかる燃焼灰堆積防止装置のノズルの正面図が示されている。本実施形態のノズルは、パイプ形状とされた第1実施形態と異なり、箱形形状とされている。
同図には、発電用ボイラからの燃焼灰を含む燃焼ガスを導くための傾斜ダクト10が示されている。この傾斜ダクト10は、第1実施形態と同様に、燃焼ガス流れの下流側が高くなる勾配を有するように配置されている。傾斜ダクト10の底部10aには、ノズル20が設けられており、このノズル20は、傾斜ダクト10から立設された立設部20aと、この立設部20aに連通されて、傾斜ダクト10内を流れる燃焼ガスの下流側に向けて気体を吹き出す吹出部20bを有している。吹出部20bは、立設部20aの立設高さよりも低い位置に配置され、立設部20aと吹出部20bとの間には、立設部20aから折り返して吹出部20bに向かって傾斜ダクト10の底部10aに下降する下降部20cが設けられている。ノズル20は、矩形断面を有し、立設部20aの上流側側面と下降部下流側の側面が隣接されて形成されている。第1実施形態と同様に、この立設部20aの頂部は吹出部20bより高い位置とされている(図4参照)。
ノズル20への気体9の供給にかかる構成については、第1実施形態と同様であり、その説明を省略する。
上述した第1実施形態と同様に、傾斜ダクト10内においては、底部10aに燃焼灰40が徐々に堆積される。この堆積された燃焼灰40は、特にボイラの負荷が低く、傾斜ダクト10内の流速が遅くなる場合、あるいは、ボイラ停止時に、傾斜ダクト10の上流側へ雪崩のように崩れ落ちてくる。崩れ落ちた燃焼灰40は、図4に示すように、吹出部20bからノズル20内に入り込んでくる。
これに対して、本実施形態では、ノズル20の吹出部20bが立設部20aの立設高さよりも低い位置に配置されており、しかも、立設部20aと吹出部20bとの間に立設部20aから折り返して吹出部20bに向かって傾斜ダクト10の底部10a側に下降する下降部20cとが設けられている。
このため、燃焼灰40が傾斜ダクト10の底部10aに堆積し、吹出部20bからノズル20内に入り込んできた場合であっても、堆積した燃焼灰40は吹出部20b部分にのみ止まることとなり、立設部20aまで燃焼灰40が到達することがないので、立設部20aの閉塞を防止することができる。したがって、図示しない気体供給手段から気体9を供給することによって吹出部20b内に堆積した燃焼灰40をノズル20外へと排出することができ、燃焼灰40によるノズル20の閉塞を防止して安定した気体9の吹き出しができる。
次に、本発明の第3実施形態について、図5を用いて説明する。
図5には、本発明の第3実施形態にかかる燃焼灰堆積防止装置が設置されたダクトの概略図が示されている。
具体的には、発電用ボイラからの燃焼灰を含む燃焼ガスを導くための傾斜ダクト1と、水平ダクト8とが示されている。傾斜ダクト1は、燃焼ガス流れの後流側が高くなる勾配を有するように設置されている。水平ダクト8は、傾斜ダクト1の上流側に接続されている。傾斜ダクト1と水平ダクト8が接続される接続部の水平ダクト8側には、ホッパ3が設けられている。
傾斜ダクト1及び水平ダクト8の底部から、これらダクト1,8内に向けて設置された複数のノズル2が設けられている。各ノズル2は、ダクト1,8内に向けて立設された立設部2aと、この立設部2aに連通されて燃焼ガス流れの下流側に向けて気体を吹き出すための吹出部2bとを有している。
これら複数のノズル2の下部には、気体供給管5が接続されている。気体供給管5は流量制御弁6を介して気体供給手段である送風機7に接続されている(図5参照)。
ボイラから排出された燃焼灰を含む燃焼ガスは、図5に示す矢印11の方向から水平ダクト8内を通って傾斜ダクト1へと導かれる。
傾斜ダクト1内を流れた燃焼ガスは、傾斜ダクト1の下流側に接続されている煙突(図示なし)へ導かれて大気へ放出され、燃焼灰は集塵装置(図示なし)に導かれることとなる。
このため、傾斜ダクト1の底部1aに堆積された燃焼灰が崩れ落ちて、傾斜ダクト1と水平ダクト8の接続部に堆積しやすい状態であっても、接続部近傍の水平ダクト8側に設けられたホッパに導かれることとなり、さらに、ホッパの上流側に設けられたノズル2から気体を吹き出すことで、傾斜ダクト1と水平ダクト8の接続部に燃焼灰が堆積することがない。したがって、接続部近傍に設けられたノズル2であっても、燃焼灰により埋没して閉塞されることなく安定して気体を吹き出すことができる。
なお、ノズル2に供給される気体の流量は、第1実施形態と同様に、吹出部2bが燃焼灰4で閉塞された場合でも、既設置の送風機7の能力で燃焼灰を十分排出可能な流量を供給することができ、新たに容量の大きい送風機を用いる必要はない。
なお、送風機7の容量を考慮すれば、常にいずれか1つのノズルが気体を吹き出していればよく、全てのノズルから同時に吹き出させる必要はない。
2,20,102 ノズル
2a,20a,102a 立設部
2b,20b,102b 吹出部
3 ホッパ
4,40,104 燃焼灰
5 気体供給管
6 流量制御弁
7 送風機(気体供給手段)
8 水平ダクト
9 気体
30 蓋部材
50 プロテクタ
Claims (6)
- 燃焼灰を含む燃焼ガスを導くとともに傾斜して延在する傾斜ダクトに設けられ、
前記傾斜ダクトの底部から該傾斜ダクト内に向けて立設する立設部、及び、該立設部に連通するとともに前記燃焼ガスの下流側に向けて気体を吹き出す吹出部を有するノズルと、
前記立設部から前記吹出部へと流れるように前記気体を供給する気体供給手段と、
を備えた燃焼灰堆積防止装置において、
前記吹出部は、前記立設部の立設高さよりも低い位置に配置され、
前記立設部と吹出部との間には、該立設部から折り返して前記吹出部に向かって前記傾斜ダクトの前記底部側に下降する下降部が設けられていることを特徴とする燃焼灰堆積防止装置。 - 前記ノズルの前記吹出部に、前記傾斜ダクト内に対して開閉可能な蓋部材が設けられていることを特徴とする請求項1に記載の燃焼灰堆積防止装置。
- 前記ノズルは、前記燃焼灰を含む前記燃焼ガスの流れによる磨耗を防止するための磨耗防止手段が設けられていることを特徴とする請求項1または請求項2に記載の燃焼灰堆積防止装置。
- 前記傾斜ダクトの上流部は水平ダクトに接続され、該傾斜ダクトと該水平ダクトの接続部近傍に前記燃焼灰と前記燃焼ガスを分離するためのホッパが設けられ、該ホッパの上流には、該ホッパ側に気体を吹き出すノズルが設けられていることを特徴とする請求項1から請求項3のいずれかに記載の燃焼灰堆積装置。
- 前記ノズルから吹き出される前記気体は、前記燃焼ガスの一部が利用されることを特徴とする請求項1から請求項4のいずれかに記載の燃焼灰堆積防止装置。
- 燃焼灰を含む燃焼ガスを導くとともに傾斜して延在する傾斜ダクトと、該傾斜ダクトの燃焼ガス流れの上流部に接続される水平ダクトを備えたダクトにおいて、
請求項1から請求項5のいずれかに記載の燃焼灰堆積防止装置を備えていることを特徴とするダクト。
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