JP2009085356A - 自動変速機 - Google Patents

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Tatsuhiko Iwasaki
龍彦 岩▲崎▼
Shinya Kamata
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Abstract

【課題】2つの油圧室を有するブレーキ要素が備えられた自動変速機において、該ブレーキ要素の油圧サーボ機構を軸方向にコンパクトに構成する。
【解決手段】変速機ケース101に固定されたピストンシリンダ72を備え、該ピストンシリンダ72にピストン77を摺動可能に収納すると共に、前記ピストンシリンダ72を、内周面部72aと、外周面部72bと、両周面部間を内外に仕切る中間周面部72cとにより、断面形状がリヤ側に開放された略E字状とすると共に、前記ピストン77を、ピストンシリンダ72の内周面部72aと中間周面72cとの間の空間に嵌合される内周部77aと、ピストンシリンダ72の外周面部72bと中間周面部72cとの間の空間に嵌合される外周部77bとにより、断面形状がフロント側に開放された略コ字状とし、これらにより、軸方向の同一部位で半径方向の内外に重なる内側油圧室78と、外側油圧室78とを形成する。
【選択図】図4

Description

本発明は、自動車に搭載される自動変速機、特にその変速機構の構造に関し、自動車用変速機の技術分野に属する。
自動車に搭載される自動変速機は、トルクコンバータを介してエンジン出力回転が入力される変速機構の動力伝達経路を複数の摩擦要素の選択的締結によって切り換えることにより、減速比の異なる複数の変速段を達成するように構成されたものであるが、近年、前記摩擦要素のレイアウト性の向上や締結時の制御性の向上等を目的として、特定の摩擦要素について、締結用油圧が供給される油圧室を複数備えることが提案されている。その一例として、特許文献1には、2速及び6速で締結される2・6ブレーキについて、サーボピストンの受圧面を段付き状に形成し、その背部に2つの部屋に区画された油圧室を設けた構成が開示されている。
特開2003−278797号公報
ところで、前記特許文献1に開示された構成では、サーボピストンの受圧面を段付き状に形成することによって2つの油圧室を形成しているので、これらの油圧室が軸方向に並ぶことになり、また、該ピストンの摩擦板を押圧する部分が受圧面と反対側へ軸方向に延設した形状とされているため、該ピストン及び油圧室でなる油圧サーボ機構の軸方向長が著しく長い構造となっている。
そこで、本発明は、2つの油圧室を備えた摩擦要素の油圧サーボ機構を軸方向にコンパクトに構成し、ひいては自動変速機の軸方向寸法の短縮に寄与することを課題とする。
前記課題を解決するため、本発明は次のように構成したことを特徴とする。
まず、本願の請求項1に記載の発明は、内周面にスプライン溝が形成されたドラムと、該ドラムの内側に配設され、外周面にスプライン溝が形成されたハブと、該ドラムとハブとの間に配設され、該ドラムとハブのスプライン溝に交互に係合された複数の摩擦板と、該摩擦板の軸方向一方側に配設され、これらの摩擦板を締結するピストンと、該ピストンを押圧する油圧が供給される油圧室とを有するブレーキ要素が備えられた自動変速機において、変速機ケースに固定されたピストンシリンダが備えられ、該ピストンシリンダに前記ピストンが摺動可能に収納されていると共に、前記ピストンシリンダは、内周面部と、外周面部と、両周面部間を内外に仕切る中間周面部とにより、断面形状が軸方向他方側に開放された略E字状とされており、前記ピストンは、ピストンシリンダの内周面部と中間周面部との間の空間に嵌合される内周部と、ピストンシリンダの外周面部と中間周面部との間の空間に嵌合される外周部とにより、断面形状が軸方向一方側に開放された略コ字状とされ、前記油圧室として、ピストンシリンダの内周面部及び中間周面部とピストンの内周部とにより構成される内側油圧室と、ピストンシリンダの外周面部及び中間周面部とピストンの外周部とにより構成される外側油圧室とが形成されていることを特徴とする。
また、請求項2に記載の発明は、前記請求項1に記載の自動変速機において、前記ピストンシリンダは、前記ドラムの軸方向一方側に一体的に設けられていることを特徴とする。
さらに、請求項3に記載の発明は、前記請求項2に記載の発明において、前記変速機ケースは、本体ケースと該本体ケースの軸方向他方側の端部の開口部を閉塞するエンドカバーとで構成され、前記ピストンシリンダは、エンドカバーに取り付けられていることを特徴とする。
そして、請求項4に記載の発明は、前記請求項3に記載の発明において、前記ブレーキ要素の軸方向他方側に他のブレーキ要素が並設され、該他のブレーキ要素が、前記エンドカバーと該カバーに取り付けられた前記ブレーキ要素のピストンシリンダとの間に保持されていることを特徴とする。
以上のように構成したことにより、本願各請求項の発明によれば、次の効果が得られる。
まず、請求項1に記載の発明によれば、ドラムとハブのスプライン溝に交互に係合された複数の摩擦板を、油圧室に供給される油圧によって押圧されるピストンにより締結する構成のブレーキ要素において、前記油圧室として2つの油圧室が設けられているので、例えば当該ブレーキ要素の締結動作時には一方の油圧室のみに油圧を供給することにより、その供給状態の緻密な制御を可能とすると共に、締結後には両油圧室に油圧を供給して、所要のトルク容量を確保するといった制御が可能となる。
そして、特にこの発明によれば、前記ピストンが、内周部と外周部とを有するコ字状とされ、この内周部と外周部とが、断面略E字状のピストンシリンダの内周面部と中間周面部との間の空間、及び外周面部と中間周面部との間の空間にそれぞれオーバラップして嵌合されることにより、半径方向の内周側と外周側とに重なって内側油圧室と外側油圧室とが形成されることになる。そして、前記ピストンの開放側と反対側の端面が摩擦板に隣接するので、該ピストン、ピストンシリンダ及びこれらで構成される2つの油圧室でなる油圧サーボ機構が軸方向にコンパクトに構成されることになり、自動変速機の軸方向寸法の短縮に寄与する。
また、請求項2の発明によれば、前記ピストンシリンダが、当該ブレーキ要素を構成するドラムの軸方向一方側に一体的に設けられるので、これらが単一の部品として構成されると共に、ピストンシリンダにピストンを組み込んだ後、ドラムに複数の摩擦板を組み込むことにより、当該ブレーキ要素を変速機ケースの外部で仮アッセンブリして、ユニット化しておくことが可能となり、これにより当該自動変速機の組立作業性が向上することになる。
そして、請求項3に記載の発明によれば、ピストンシリンダは、変速機ケースを構成する本体ケースの端部の開口部を閉塞するエンドカバーに取り付けられるので、前記のようにして仮アッセンブリしたブレーキ要素のユニットをエンドカバーに予め組み付けた後、該エンドカバーを本体ケースに取り付けることにより、該ブレーキ要素が変速機ケースに組み込まれることになり、これにより、当該自動変速機の組立作業性がさらに向上することになる。
さらに、請求項4に記載の発明によれば、前記ブレーキ要素のエンドカバー側に他のブレーキ要素が軸方向に並設される場合に、当該ブレーキ要素のピストンシリンダをエンドカバーに取り付けることにより、前記他のブレーキ要素が該ピストンシリンダとエンドカバーとの間に保持されることになり、両ブレーキ要素が個々に変速機ケースの本体ケースややエンドカバーに設けられる場合に比較して、両ブレーキ要素が変速機ケース内にコンパクトに収納されると共に、これらの組立性が向上することになる。
以下、本発明の実施の形態について説明する。
図1は本発明の実施の形態に係る自動変速機の構成を示す骨子図であって、この自動変速機1は、フロントエンジンフロントドライブ車等のエンジン横置き式自動車に適用されるもので、主たる構成要素として、エンジン出力軸2に取り付けられたトルクコンバータ3と、該トルクコンバータ3の出力回転が入力軸4を介して入力される変速機構5とを有し、該変速機構5が入力軸4の軸心上に配置された状態で、変速機ケース6に収納されている。
そして、該変速機構5の出力回転が、同じく入力軸4の軸心上において該入力軸4の中間部に配置された出力ギヤ7からカウンタドライブ機構8を介して差動装置9に伝達され、左右の車軸9a、9bが駆動されるようになっている。
前記トルクコンバータ3は、エンジン出力軸2に連結されたケース3aと、該ケース3a内に固設されたポンプ3bと、該ポンプ3bに対向配置されて該ポンプ3bにより作動油を介して駆動されるタービン3cと、該ポンプ3bとタービン3cとの間に介設され、かつ、前記変速機ケース6にワンウェイクラッチ3dを介して支持されてトルク増大作用を行うステータ3eと、前記ケース3aとタービン3cとの間に設けられ、該ケース3aを介してエンジン出力軸2とタービン3cとを直結するロックアップクラッチ3fとで構成されている。そして、タービン3cの回転が前記入力軸4を介して変速機構5に伝達されるようになっている。
一方、変速機構5は、第1、第2、第3プラネタリギヤセット(以下、単に「第1、第2、第3ギヤセット」という)10、20、30を有し、これらが変速機ケース6内における前記出力ギヤ7の反トルクコンバータ側(請求項における「軸方向他方側」であって、以下「リヤ側」という)において、トルクコンバータ側(請求項における「軸方向一方側」であって、以下「フロント側」という)から順に配置されている。
また、変速機構5を構成する摩擦要素として、前記出力ギヤ7のフロント側に、第1クラッチ40及び第2クラッチ50が配置されていると共に、出力ギヤ7のリヤ側には、第1ブレーキ60、第2ブレーキ70(請求項における「ブレーキ要素」)及び第3ブレーキ80(請求項における「他のブレーキ要素」)がフロント側から順に配置されており、さらに、第1ブレーキ60に並列にワンウェイクラッチ90が配置されている。
前記第1、第2、第3ギヤセット10、20、30は、いずれもシングルピニオン型のプラネタリギヤセットであって、サンギヤ11、21、31と、これらのサンギヤ11、21、31にそれぞれ噛み合った各複数のピニオン12、22、32と、これらのピニオン12、22、32をそれぞれ支持するキャリヤ13、23、33と、ピニオン12、22、32にそれぞれ噛み合ったリングギヤ14、24、34とで構成されている。
そして、前記入力軸4が第3ギヤセット30のサンギヤ31に連結されていると共に、第1ギヤセット10のサンギヤ11と第2ギヤセット20のサンギヤ21、第1ギヤセット10のリングギヤ14と第2ギヤセット20のキャリヤ23、第2ギヤセット20のリングギヤ24と第3ギヤセット30のキャリヤ33が、それぞれ連結されている。そして、第1ギヤセット10のキャリヤ13に前記出力ギヤ7が連結されている。
また、第1ギヤセット10のサンギヤ11及び第2ギヤセット20のサンギヤ21は、前記第1クラッチ40を介して入力軸4に断接可能に連結されており、第2ギヤセット20のキャリヤ23は、前記第2クラッチ50を介して入力軸4に断接可能に連結されている。
さらに、第1ギヤセット10のリングギヤ14及び第2ギヤセット20のキャリヤ23は、並列に配置された前記第1ブレーキ60及びワンウェイクラッチ90を介して変速機ケース6に断接可能に連結されており、第2ギヤセット20のリングギヤ24及び第3ギヤセット30のキャリヤ33は、前記第2ブレーキ70を介して変速機ケース6に断接可能に連結されており、さらに、第3ギヤセット30のリングギヤ34は、前記第3ブレーキ80を介して変速機ケース6に断接可能に連結されている。
以上の構成により、この変速機構5によれば、第1、第2クラッチ40、50及び第1、第2、第3ブレーキ60、70、80の締結状態の組み合わせにより、前進6速と後退速とが得られるようになっており、その組み合わせと変速段の関係を図2の締結表に示す。
即ち、1速では、第1クラッチ40と第1ブレーキ60とが締結され、入力軸4の回転は、第1ギヤセット10のサンギヤ11に入力され、該第1ギヤセット10により大きな減速比で減速されて該第1ギヤセット10のキャリヤ13から出力ギヤ7に出力される。なお、第1ブレーキ60はエンジンブレーキを作動させる1速でのみ締結され、エンジンブレーキを作動させない1速では、ワンウェイクラッチ90がロックすることにより1速を形成する。
2速では、第1クラッチ40と第2ブレーキ70とが締結され、入力軸4の回転は、第1ギヤセット10のサンギヤ11に入力されると同時に、第2ギヤセット20を介して該第1ギヤセット10のリングギヤ14にも入力され、入力軸4の回転は前記1速よりも小さな減速比で減速されて、第1ギヤセット10のキャリヤ13から出力ギヤ7に出力される。
3速では、第1クラッチ40と第3ブレーキ80とが締結され、入力軸4の回転は、第1ギヤセット10のサンギヤ11に入力されると同時に、第3ギヤセット30及び第2ギヤセット20を介して該第1ギヤセット10のリングギヤ14にも入力され、入力軸4の回転は前記2速よりもさらに小さな減速比で減速されて、第1ギヤセット10のキャリヤ13から出力ギヤ7に出力される。
4速では、第1クラッチ40と第2クラッチ50とが締結され、入力軸4の回転は、第1ギヤセット10のサンギヤ11に入力されると同時に、第2ギヤセット20を経由してそのまま第1ギヤセット10のリングギヤ14にも入力される。これにより、第1ギヤセット10の全体が入力軸4と一体的に回転し、キャリヤ13から減速比1の回転が出力ギヤ7に出力される。
5速では、第2クラッチ50と第3ブレーキ80とが締結され、入力軸4の回転は、第2ギヤセット20を経由してそのまま第1ギヤセット10のリングギヤ14に入力されると同時に、第3ギヤセット30及び第2ギヤセット20を介して該第1ギヤセット10のサンギヤ11にも入力され、入力軸4の回転は増速されて、第1ギヤセット10のキャリヤ13から出力ギヤ7に出力される。
6速では、第2クラッチ50と第2ブレーキ70とが締結され、入力軸4の回転は、第2ギヤセット20を経由してそのまま第1ギヤセット10のリングギヤ14に入力されると同時に、第2ギヤセット20を介して該第1ギヤセット10のサンギヤ11にも入力され、入力軸4の回転は、前記5速よりも大きな増速比で増速されて、第1ギヤセット10のキャリヤ13から出力ギヤ7に出力される。
そして、後退速では、第1ブレーキ60と第3ブレーキ80とが締結され、入力軸4の回転は、第3ギヤセット30及び第2ギヤセット20を介して第1ギヤセット10のサンギヤ11に入力される。このとき、第2ギヤセット20において回転方向が逆転されることにより、第1ギヤセット10のキャリヤ13から出力ギヤ7に入力軸4の回転方向と反対方向の回転が出力される。
以上のように、この実施の形態によれば、変速機構5が、3つのシングルピニオン型プラネタリギヤセット10、20、30と、5つの摩擦要素40、50、60、70、80とを用いて構成され、これにより、前進6速及び後退速が可能な自動変速機が実現される。
次に、図3〜図5により、本発明の特徴部である変速機構5のリヤ側に配置された第2ブレーキ70及びその周辺の具体的構成について説明する。なお、図3、図4、図5は、変速機構5の軸方向の同一部位を周方向の異なる断面で切断した状態を示すものである。
図3に示すように、前記変速機ケース6は、変速機構5を収納した本体ケース101と、該本体ケース101のリヤ側端面の開口部を閉塞するエンドカバー102とで構成され、本体ケース101の後端開口部周囲のフランジ部とエンドカバー102の周縁部とがボルト103によって締結されている。
そして、該本体ケース101のリヤ側部分とエンドカバー102とで構成される空間に、前記第2ギヤセット20及び第3ギヤセット30が収納されていると共に、これらの外周側に、前記第2ブレーキ70及び第3ブレーキ80が収納されている。
これらのうち、第2ブレーキ70は、前記本体ケース101及びエンドカバー102とは別体のブレーキハウジング110を用いて構成されている。このブレーキハウジング110は、第2ブレーキ70を構成するリヤ側のドラム71とフロント側のピストンシリンダ72とを一体化した構成で、前記エンドカバー102に設けられたフロント側へ延びる筒状延長部102aに、ボルト111を用いて固着されている。
そして、図4に示すように、このブレーキハウジング110を構成するドラム71の内周面と、前記第2ギヤセット20のリングギヤ24及び第3ギヤセット30のキャリヤ33に一体のハブ73の外周面との間に、該ドラム71及びハブ73にそれぞれ形成されたスプライン溝に交互に係合された複数の摩擦板74…74が配設されていると共に、これらの摩擦板74…74の列のリヤ側の端部にはリテーニングプレート75が配置され、フロント側の端部にはバネ受けプレート76が配置されている。
また、前記ブレーキハウジング110を構成するピストンシリンダ72は、内周面部72aと、外周面部72bと、両周面部72a、72b間を内外に仕切る中間周面部72cと、これらの周面部72a〜72cを連結するフロント側の端面部72dとを有し、これら各部により、断面形状がリヤ側に開放された略E字状とされている。そして、外周面部72bのリヤ側の端部が拡径され、さらにリヤ側に延びて前記ドラム71を形成している。
また、このピストンシリンダ72の開放されたリヤ側にはピストン77が配設されている。このピストン77は、内周部77aと、外周部77bと、これら両部77a、77bを連結するリヤ側の端面部77cとを有し、これら各部により、断面形状がフロント側に開放された略コ字状とされている。
そして、該ピストン77の内周部77aは、前記ピストンシリンダ72の内周面部72aと中間周面部72cとの間の空間に嵌合されて、内側油圧室78を形成し、該ピストン77の外周部77bは、前記ピストンシリンダ72の外周面部72bと中間周面部72cとの間の空間に嵌合されて、外側油圧室78を形成している。そして、両油圧室78、78にそれぞれ油圧を供給して摩擦板74…74を締結する油路78a、78aがブレーキハウジング110に設けられている。
また、前記ピストン77の端面部77cは、前記摩擦板74…74の列のフロント側の端部に配置されたバネ受けプレート76に直接対接している。このバネ受けプレート76は、図5に示すように、周方向の複数個所に半径方向外方へ延びる延長部76aを有し、該延長部76aが前記ブレーキハウジング110におけるドラム71の内周面の周方向複数個所に設けられたバネ室110a内に挿入され、その延長部76aとバネ室110aのリヤ側の内端面との間に、前記ピストン77をフロント側、即ち前記油圧室78、78に供給される油圧の作用方向と反対方向に付勢するリターンスプリング79が装着されている。
一方、第3ブレーキ80は、図4に示すように、前記第3ギヤセット30のリングギヤ34に一体のハブ81と、該ハブ81の外周面と前記エンドカバー102の筒状延長部102aの内周面との間に配置されて、該ハブ81と筒状延長部102aに形成されたスプライン溝に交互に係合された複数の摩擦板82…82とを有し、これらの摩擦板82…82の列のフロント側の端部には、前記第2ブレーキ70のリテーニングプレート75と対接するようにリテーニングプレート83が配置され、リヤ側の端部にはバネ受けプレート84が配置されている。
さらに、該バネ受けプレート84のリヤ側には、摩擦板82…82を締結させるピストン85が配置され、油圧の供給時に該ピストン85を締結方向に作動させる油圧室86と、該油圧室86に油圧を供給する油路86aとが前記エンドカバー102に設けられている。
そして、図5に示すように、前記バネ受けプレート84は、周方向の複数個所に半径方向外方に延びる延長部84aを有し、該延長部84aが前記エンドカバー102の筒状延長部102aの内周面の周方向複数個所に設けられたバネ室102b内に挿入され、その延長部84aと前記第2ブレーキ70のブレーキハウジング110のリヤ側端面との間に、前記ピストン85をリヤ側、即ち前記油圧室86に供給される油圧の作用方向と反対方向に付勢するリターンスプリング87が装着されている。
上記の構成によれば、第2ブレーキ70は、油圧室として、内側油圧室78と、外側油圧室78とを有するので、2速と6速への変速時において該第2ブレーキ70が締結されるときに、締結動作完了後には両油圧室78、78に油圧を供給することにより所要のトルク伝達容量を確保しながら、締結動作中は、例えば内側油圧室78のみに油圧を供給することにより、締結動作の微妙な制御が可能となる。これにより、伝達トルクの差が大きい2速と6速のいずれの変速段への変速時にも、良好な変速動作が実現されることになる。
そして、特にこの2つの油圧室78、78は、断面略E字状のピストンシリンダ72と、断面略コ字状のピストン77とを、両者の開放側を対向させて、ピストン77の内周部77aをピストンシリンダ72の内周面部72aと中間周面部72cとの間の空間に、ピストン77の外周部77bをピストンシリンダ72の外周面部72bと中間周面部72cとの間の空間に、それぞれ嵌合されることにより形成されているので、両油圧室78、78は、軸方向の同一位置で径方向の内外に重なって位置することになる。したがって、2つの油圧室78、78が、軸方向寸法の増大を極力抑制しながらコンパクトに配設されることになる。
また、断面コ字状の前記ピストン77のリヤ側の端面部77cが、摩擦板75…75の列のフロント側端部に配置されたバネ受けプレート76に直接対接しているので、該ピストン77と、前記両油圧室78、78とでなる油圧サーボ機構の軸方向寸法が短く、該機構が軸方向にコンパクトに構成されている。
さらに、この実施の形態においては、前記ピストンシリンダ72がドラム71のフロント側に一体的に設けられ、単一の部品としてのブレーキハウジング110を構成しているので、ピストンシリンダ72にピストン77を組み込み、ドラム71に、バネ受プレート76、複数の摩擦板75…75、及びリテーニングプレート75を組み込み、さらに該ブレーキハウジング110に設けられたバネ室110aにリターンスプリング79を組み込むことにより、図6に示すように、第2ブレーキ70のハブ73を除く部品が、変速機ケース6の外部で仮アッセンブリしてユニット化することが可能となる。これにより、当該自動変速機の組立作業性が向上することになる。
また、前記ブレーキハウジング110は、変速機ケース6を構成する本体ケース101のリヤ側の端部の開口部を閉塞するエンドカバー102に取り付けられるので、前記のようにして仮アッセンブリした第2ブレーキ70のユニットをエンドカバー102に予め組み付けてくおくことが可能となり、これにより、当該自動変速機の組立作業性がさらに向上することになる。
その場合に、図7に示すように、エンドプレート102における筒状延長部102aの内側に、第3ブレーキ80のピストン85、バネ受けプレート84、複数の摩擦板82…82、リテーニングプレート83、ハブ81及びリターンスプリング87等を組み付けておき、さらに、第2、第3ギヤセット20、30の所定の部品を組み付けた状態で、ユニット化された前記第2ブレーキ70のブレーキハウジング110をボルト111によってエンドカバー102に取り付ければ、第2、第3ブレーキ70、80がエンドカバー102に組み付けられることになる。したがって、このエンドカバー102をボルト103により本体ケース101に組み付ければ、該第2、第3ブレーキ70、80が同時に変速機ケース6内に組み付けられることになり、当該自動変速機の組立作業性がさらに向上することになる。
以上のように、本発明に係る自動変速機は、2つの油圧室を有するブレーキ要素が備えられる場合に、該ブレーキ要素の油圧サーボ機構が軸方向にコンパクトに構成されることになり、ひいては自動変速機の軸方向寸法が短縮され、自動車への搭載性が向上することになる。したがって、自動車用自動変速機の製造産業分野において、好適に利用される可能性がある。
本発明の実施の形態に係る自動変速機の骨子図である。 摩擦要素の締結の組み合わせと変速段との関係を示す表である。 前記自動変速機の要部の断面図である。 他の切断面による断面図である。 さらに他の切断面による断面図である。 第2ブレーキの仮アッセンブリ状態を示す要部断面図である。 第2、第3ブレーキをエンドカバーに組み付けた状態の要部断面図である。
符号の説明
1 自動変速機
6 変速機ケース
70 第2ブレーキ(ブレーキ要素)
71 ドラム
72 ピストンシリンダ
72a 内周面部
72b 外周面部
72a 中間周面部
73 ハブ
77 ピストン
77a 内周部
77b 外周部
78、78 油圧室
80 第3ブレーキ(他のブレーキ要素)
101 本体ケース
102 エンドカバー
110 ブレーキハウジング

Claims (4)

  1. 内周面にスプライン溝が形成されたドラムと、該ドラムの内側に配設され、外周面にスプライン溝が形成されたハブと、該ドラムとハブとの間に配設され、該ドラムとハブのスプライン溝に交互に係合された複数の摩擦板と、該摩擦板の軸方向一方側に配設され、これらの摩擦板を締結するピストンと、該ピストンを押圧する油圧が供給される油圧室とを有するブレーキ要素が備えられた自動変速機において、
    変速機ケースに固定されたピストンシリンダが備えられ、該ピストンシリンダに前記ピストンが摺動可能に収納されていると共に、
    前記ピストンシリンダは、内周面部と、外周面部と、両周面部間を内外に仕切る中間周面部とにより、断面形状が軸方向他方側に開放された略E字状とされており、
    前記ピストンは、ピストンシリンダの内周面部と中間周面部との間の空間に嵌合される内周部と、ピストンシリンダの外周面部と中間周面部との間の空間に嵌合される外周部とにより、断面形状が軸方向一方側に開放された略コ字状とされ、
    前記油圧室として、ピストンシリンダの内周面部及び中間周面部とピストンの内周部とにより構成される内側油圧室と、ピストンシリンダの外周面部及び中間周面部とピストンの外周部とにより構成される外側油圧室とが形成されていることを特徴とする自動変速機。
  2. 前記請求項1に記載の自動変速機において、
    前記ピストンシリンダは、前記ドラムの軸方向一方側に一体的に設けられていることを特徴とする自動変速機。
  3. 前記請求項2に記載の自動変速機において、
    前記変速機ケースは、本体ケースと該本体ケースの軸方向他方側の端部の開口部を閉塞するエンドカバーとで構成され、
    前記ピストンシリンダは、エンドカバーに取り付けられていることを特徴とする自動変速機。
  4. 前記請求項3に記載の自動変速機において、
    前記ブレーキ要素の軸方向他方側に他のブレーキ要素が並設され、該他のブレーキ要素が、前記エンドカバーと該カバーに取り付けられた前記ブレーキ要素のピストンシリンダとの間に保持されていることを特徴とする自動変速機。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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JPS60263730A (ja) * 1984-06-13 1985-12-27 Toyota Motor Corp 摩擦係合装置の作動油圧制御装置
JP2003278797A (ja) * 2002-03-26 2003-10-02 Jatco Ltd 自動変速機の変速用ブレーキ装置

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