JP2007225020A - 自動変速機 - Google Patents

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Abstract

【課題】2つの変速段のそれぞれにおいて締結されるブレーキ要素B2を備えた自動変速機ATにおいて、高速段の締結時における制御油圧の制御レンジを拡大して、シフトクオリティを向上させる。
【解決手段】第1及び第2の変速段において締結されるブレーキ要素B2を押圧するブレーキピストン85に対して、ブレーキ受圧室88とは反対側に対抗室89を配置する。ブレーキ要素B2が第1の変速段において締結される時には、ブレーキ受圧室88に油圧が供給され、ブレーキ要素B2が第2の変速段において締結される時には、ブレーキ受圧室88及び対抗室89のそれぞれに油圧が供給される。
【選択図】図4

Description

本発明は、自動変速機に関する。
変速機構における入力軸から出力部までの動力伝達系路を摩擦締結要素(ブレーキ要素及びクラッチ要素)を選択的に作動させて切り換えることにより、変速段の切り換えを行う自動変速機においては、例えば特許文献1に記載されているように、所定のブレーキ要素が、互いに異なる2つの変速段のそれぞれにおいて締結される場合がある。
特開2003−49937号公報
ところで、上述の自動変速機においては、リニアソレノイドバルブやデューティーソレノイドバルブ等によって制御油圧を直接制御することにより、変速過渡時におけるブレーキ要素のトルク容量を調整し、シフトクオリティを高めるようにしている。制御油圧に対するトルク容量の特性(制御ゲイン)は、ブレーキ要素のトルク分担に基づいて予め設定されることになるが、例えばそのブレーキ要素が、トルク分担が互いに異なる2つの変速段のそれぞれにおいて締結される場合は、トルク分担の大きい低速段において要求されるトルク容量に合わせて制御ゲインが設定されることになる。
しかしながらその場合、トルク分担が小さく、従って要求されるトルク容量が小さい高速段の締結時においても、低速段において要求される大きいトルク容量に応じて設定された制御ゲインのまま油圧の制御を行わなければならない。このため、高速段の締結の際には、比較的低い制御油圧で要求されるトルク容量に達してしまうことになる。このことは、高速段の締結時における油圧の制御レンジが、低速段の締結時における制御レンジに比べて狭くなることと等価であり、高速段の締結時にはきめ細かな油圧制御ができなくなって、例えば変速ショックや変速の遅れ、又は吹き上がり等が発生し、シフトクオリティが低下してしまうという問題がある。
特に、上記特許文献1に開示されているように前進6速を実現する自動変速機においては、2速と6速とのそれぞれにおいて締結されるブレーキ要素が存在する場合があり、その場合、2つの変速段のそれぞれで要求されるトルク容量の差が大きい。そのため、6速の締結時における油圧の制御レンジはさらに狭くなり、シフトクオリティの悪化がより顕著になる。
本発明は、かかる点に鑑みてなされたものであり、その目的とするところは、2つの変速段のそれぞれにおいて締結されるブレーキ要素を備えた自動変速機において、高速段の締結時における制御油圧の制御レンジを拡大して、シフトクオリティを向上させることにある。
本発明の自動変速機は、第1の変速段及び該第1の変速段よりも高速ギヤ比である第2の変速段のそれぞれにおいて締結されるブレーキ要素と、上記ブレーキ要素を押圧することによって該ブレーキ要素を締結させるブレーキピストンと、制御油圧が供給されることによって上記ブレーキピストンの押圧力を発生させるブレーキ受圧室と、上記ブレーキピストンを挟んで上記ブレーキ受圧室とは反対側に配置され且つ、油圧が供給されることによって上記ブレーキピストンの押圧力を低減する対抗室と、を備える。
そして、上記ブレーキ要素が上記第1の変速段において締結される時には、上記ブレーキ受圧室に油圧が供給され、上記ブレーキ要素が上記第2の変速段において締結される時には、上記ブレーキ受圧室と対抗室とのそれぞれに油圧が供給される、とする。
この構成によると、ブレーキ要素は、第1の変速段及び第2の変速段のそれぞれにおいて締結される。第2の変速段は、第1の変速段よりも高速ギヤ比であるから、第1の変速段におけるトルク分担と第2の変速段におけるトルク分担とでは、第1の変速段におけるトルク分担の方が大きく、従って第1の変速段における締結時の方が、ブレーキ要素に要求されるトルク容量が大きい。
そして上記自動変速機においては、上記ブレーキ要素を押圧するブレーキピストンを挟んだ両側にブレーキ受圧室と対抗室とをそれぞれ配置し、第1の変速段においてブレーキ要素を締結する時には、ブレーキ受圧室に油圧を供給し、第2の変速段においてブレーキ要素を締結する時には、ブレーキ受圧室と対抗室との双方に油圧を供給する。
これにより、要求されるトルク容量が相対的に大きい第1の変速段においてブレーキ要素を締結する時には、上記ブレーキ受圧室にのみ油圧が供給されるため、その受圧室に供給された油圧に応じた押圧力でブレーキ要素が締結される。これに対し、要求されるトルク容量が相対的に小さい第2の変速段においてブレーキ要素を締結する時には、上記ブレーキ受圧室と対抗室との双方に油圧が供給されるため、その受圧室に供給された油圧に応じた押圧力から、対抗室に供給された油圧に応じた対抗力が差し引かれ、その差し引かれた押圧力でブレーキ要素が締結される。
従って、第2の変速段においてブレーキ要素を締結する時には、その対抗力の分だけ制御油圧に対するトルク容量のゲインが低下した状態となり、それによって第2の変速段における油圧の制御レンジは拡大する。
その結果、第1の変速段の変速過渡時は勿論のこと、第2の変速段の変速過渡時においてもきめ細かな油圧制御が可能になり、シフトクオリティを向上させることができる。
ここで、上記ブレーキピストンは、上記ブレーキ受圧室側の受圧面積が、上記対抗室側の受圧面積に比べて大に設定される、としてもよい。
こうすることで、第2の変速段における締結時に、ブレーキ受圧室と対抗室とに同じ油圧を供給することによって、ブレーキ受圧室と対抗室との受圧面積の差に応じた押圧力でブレーキ要素が締結される。ここで、ブレーキ受圧室と対抗室との受圧面積の差を、第1及び第2の変速段において要求されるトルク容量差に応じて設定しておくことにより、第2の変速段における制御レンジが、第1の変速段における制御レンジと同じ程度まで拡大する。つまり、ブレーキ受圧室側と対抗室側との受圧面積差を設けてブレーキ受圧室と対抗室との双方に同じ油圧を供給することを可能にすることによって、油圧回路の構成及びその制御が簡略化する。
上記自動変速機は、上記第2の変速段において締結されるクラッチ要素と、上記クラッチ要素を押圧することによって該クラッチ要素を締結させるクラッチピストンと、制御油圧が供給されることによって上記クラッチピストンの押圧力を発生させるクラッチ受圧室と、上記クラッチ受圧室に制御油圧を供給するクラッチ油路と、をさらに備え、上記対抗室は、上記クラッチ油路に連通している、としてもよい。
この構成では、第2の変速段においてクラッチ要素を締結すべく、クラッチ受圧室にクラッチ油路を介して制御油圧を供給することによって、そのクラッチ油路に連通する対抗室にも油圧が供給されることになる。
このように、対抗室に油圧を供給する経路を、クラッチ要素の油圧供給経路と共用化することによって、自動変速機の油圧回路が簡略化される。
また上記自動変速機は、少なくとも1のプラネタリギヤセットと、第1〜第3のクラッチと、第1及び第2のブレーキと、を有しかつ、上記第1〜第3のクラッチ並びに第1及び第2のブレーキを選択的に作動させることによって、少なくとも前進6速を得る変速機構をさらに備え、上記ブレーキ要素は、2速及び6速のそれぞれにおいて締結されるブレーキであり、上記クラッチ要素は、4速、5速及び6速のそれぞれにおいて締結されるクラッチである、としてもよい。
この構成によると、クラッチ要素は4速、5速及び6速で締結されるため、4速又は5速の状態で、対抗室内には油圧が供給された状態となっている。
このため、例えば5速から6速へ、又は4側から6速への変速に伴いブレーキ受圧室に制御油圧の供給を開始する時点では、対抗室内に既に油圧が供給されていることになるから、制御油圧の供給当初から制御ゲインを低下させた状態でブレーキ要素の締結が行われる。従って、変速に際し制御ゲインの変更が遅れることなく、シフトクオリティを向上させる上で有利である。
また、上記ブレーキ要素は、2速(第1の変速段に相当)及び6速(第2の変速段に相当)で締結されるブレーキであり、2速時に要求されるトルク容量と、6速時に要求されるトルク容量との差が大きいが、上述したように本発明は、制御ゲインを変更することによって、6速締結時の制御レンジの拡大が図られているため、特に有効である。
上記変速機構は、上記変速機構は、入力軸と、該入力軸に同軸に配置された出力部と、それぞれ上記入力軸の回転を常時減速して出力する第1及び第2の常時減速プラネタリギヤセットと、互いに連結されることによって合わせて第1〜第4の回転要素を有すると共に、その第1の回転要素が上記出力部に連結されている2組のプラネタリギヤセットと、を有する、としてもよい。
上記変速機構は、入力回転を常時減速する2組のプラネタリギヤセット(第1及び第2の常時減速プラネタリギヤセット)と、これに組み合わされる2組のプラネタリギヤセットの互いのキャリアとリングギヤとを連結したCR−CR型連結遊星歯車列とを備えており、3つのクラッチと2つのブレーキとを選択的に作動させることで、前進6速を得ることが可能なものである。従って、ダブルリングギヤタイプ等のプラネタリギヤセットを用いる必要がなくなり、これにより、ギヤノイズや振動が大きくなる虞れがなくなるとともに、構造が単純になって製造コストの低減も図れる。
また、入力回転を常時減速する2組のプラネタリギヤセットは、減速ギヤを介することなく常に入力トルクが直接入力されるので、トルク変動が小さくトルク負荷も極小化されるため、これら第1及び第2のプラネタリギヤセットを十分に小型化することができる。
上記ブレーキピストンは、上記変速機構を収容する変速機ケースの反エンジン側の側壁部に配置されている、としてもよい。
上述したように本発明においては、上記ブレーキピストンを挟んだ両側にブレーキ受圧室と対抗室とが配置され、その双方に油圧を供給する必要があるが、ブレーキピストンを反エンジン側の側壁部に配置することによって広いスペースが確保し易くなり、ブレーキ受圧室及び対抗室の双方に油圧を供給する油路をレイアウトする上で有利になる。
以上説明したように、本発明の自動変速機によると、ブレーキ要素を押圧するブレーキピストンを挟んだ両側にブレーキ受圧室と対抗室とをそれぞれ配置し、第2の変速段においてブレーキ要素を締結する時には、ブレーキ受圧室と対抗室との双方に油圧を供給することによって、第2の変速段においてブレーキ要素を締結する時には、対抗室に供給した油圧に相当する対抗力の分だけ制御油圧に対するトルク容量のゲインが低下した状態となり、第2の変速段における油圧の制御レンジが拡大する。その結果、第2の変速段の変速過渡時においてもきめ細かな油圧制御が可能になり、シフトクオリティを向上させることができる。
以下、本発明の実施形態を図面に基づいて詳細に説明する。尚、以下の好ましい実施形態の説明は、本質的に例示に過ぎず、本発明、その適用物或いはその用途を制限することを意図するものではない。
−全体構成−
図1は、本実施形態に係る自動変速機ATの全体構成を示しており、この構成は、自動変速機ATを車両に対し横置きに搭載されるFF車用のパワートレインに適用した場合を示している。
自動変速機ATは、主たる構成要素として、トルクコンバータ3と、変速歯車機構2と、差動歯車機構4と、を備えている。トルクコンバータ3は、図外のエンジンの出力軸から出力される回転駆動力を、車幅方向に配設された変速歯車機構2の入力軸Inputに伝達し、変速歯車機構2は、その回転駆動力を変速して上記入力軸Inputと同軸配置された出力ギヤ(出力部)Outputから出力する。出力ギヤOutputは、上記入力軸Inputに対して平行に配置されたカウンタ軸43のドリブンギヤ44と噛み合っており、該出力ギヤOutputの回転はドリブンギヤ44によってカウンタ軸43に伝達される。差動歯車機構4は、このカウンタ軸43上のファイナルギヤ45と差動歯車機構4のリングギヤ41との噛み合いによって減速された後の回転駆動力を、上記入力軸Inputに対して平行に配置されたドライブ軸42,42に伝達する。
上記トルクコンバータ3はトルクコンバータハウジング5内に、上記変速歯車機構2、差動歯車機構4、及びカウンタ軸43は変速機ケース1内に、それぞれ収容されている。上記トルクコンバータハウジング5は、変速機ケース1の一端側(エンジン側)を塞ぐように配設されている。上記変速機ケース1は、大別すると、変速歯車機構2を収容する変速歯車機構収容部12と、差動歯車機構4を収容する差動歯車機構収容部13と、上記変速歯車機構収容部12及び差動歯車機構収容部13の間に配置されたカウンタ軸43を収容するカウンタ軸収容部14と、を備えており、上記変速歯車機構収容部12の反トルクコンバータ側は、リヤカバー6により覆われるようになっている。
次に、図1,2を参照しながら、変速歯車機構2の構成について説明する。図2は、変速歯車機構2の構成を示す骨子線図(スケルトン図)である。
変速歯車機構2は、第1〜第4の4組のプラネタリギヤセットGS1,GS2,GS3,GS4と、第1〜第3の3つの湿式多板式のクラッチC1,C2,C3と、第1及び第2の2つの湿式多板式のブレーキB1,B2と、を備えている。尚、上記4組のプラネタリギヤセットGS1〜GS4の内、第1及び第2のプラネタリギヤセットGS1,GS2は、それぞれ第3及び第4のプラネタリギヤセットGS3,GS4よりも小型のものとされている。
ここで、変速機ケース1における変速歯車機構収容部12には、入力軸方向の略中間位置において該変速機ケース1の内周面から径方向内方に向かって突出するように支持壁15が形成されている。この支持壁15によって、上記変速歯車機構収容部12は、入力軸方向に、トルクコンバータ3に近い側(以下、トルクコンバータ側)の前室12aと、トルクコンバータ3から遠い側(以下、反トルクコンバータ側)の後室12bとの2つの室に分割されている。
そして、上記第1〜第4の4組のプラネタリギヤセットGS1〜GS4の内、第2、第3及び第4のプラネタリギヤセットGS2,GS3,GS4は、後室12b内に入力軸方向の反トルクコンバータ側からトルクコンバータ側に向かって順に配置されている一方、第1のプラネタリギヤセットGS1は、前室12a内に配置されている。これにより、第1及び第2のプラネタリギヤセットGS1,GS2は、第3及び第4のプラネタリギヤセットGS3,GS4を中間に挟むように入力軸方向の両側に位置付けられることになる。
−プラネタリギヤセットの構成−
第1のプラネタリギヤセットGS1は、第1サンギヤS1と、第1リングギヤR1と、該両ギヤS1,R1に噛み合う第1ピニオンP1を支持する第1キャリアPC1と、を有するシングルピニオンタイプのプラネタリギヤセットである。また、第2のプラネタリギヤセットGS2も、第2サンギヤS2と、第2リングギヤR2と、該両ギヤS2,R2に噛み合う第2ピニオンP2を支持する第2キャリアPC2と、を有するシングルピニオンタイプのプラネタリギヤセットである。尚、上記第1及び第2のプラネタリギヤセットGS1,GS2における入力回転の減速比(即ち、それぞれのリングギヤ及びサンギヤの歯数の比)は、変速機のギヤリングの適正化の観点から互いに同一にも、互いに異なる値にも設定することができる。
上記第1のプラネタリギヤセットGS1の第1サンギヤS1は、変速機ケース1に対して固定(常時固定)されていて、上記第2のプラネタリギヤセットGS2の第2サンギヤS2も、変速機ケース1に対して固定(常時固定)されている。
一方、上記第1のプラネタリギヤセットGS1の第1リングギヤR1は、そのボス部が入力軸Inputに溶接等により固定される第1連結メンバM1によって該入力軸Inputに連結(常時連結)されていて、上記第2のプラネタリギヤセットGS2の第2リングギヤR2は、そのボス部が入力軸Inputにスプライン嵌合等により固定される第2連結メンバM2によって該入力軸Inputに連結(常時連結)されている。
これにより、上記入力軸Inputの回転は、第1及び第2のプラネタリギヤセットGS1,GS2においてそれぞれ常時減速されて、第1及び第2キャリアPC1,PC2から出力される。また、上記第1及び第2のプラネタリギヤセットGS1,GS2には、それぞれ、第1及び第2リングギヤR1,R2を介して入力軸Inputから入力トルクがそのまま入力されるだけで、トルクが増大されることがなく、大きなトルク変動もないため、該第1及び第2のプラネタリギヤセットGS1,GS2を小型化することができる。
第3のプラネタリギヤセットGS3は、第3サンギヤS3と、第3リングギヤR3と、該両ギヤS3,R3に噛み合う第3ピニオンP3を支持する第3キャリアPC3と、を有するシングルピニオンタイプのプラネタリギヤセットである。また、第4のプラネタリギヤセットGS4も、第4サンギヤS4と、第4リングギヤR4と、該両ギヤS4,R4に噛み合う第4ピニオンP4を支持する第4キャリアPC4と、を有するシングルピニオンタイプのプラネタリギヤセットである。
そして、上記第3リングギヤR3と第4キャリアPC4とは、第3連結メンバM3により連結(常時連結)されており、これによって、該第3リングギヤR3及び第4キャリアPC4は一体回転するようになっている。また、上記第3キャリアPC3と第4リングギヤR4とは、上記第3のプラネタリギヤセットGS3の外周側を覆うように配置された第4連結メンバM4により連結(常時連結)されており、これによって、上記第3キャリアPC3及び第4リングギヤR4は互いに一体的に回転するようになっている。
つまり、第3及び第4のプラネタリギヤセットGS3,GS4は、第3及び第4連結メンバM3,M4によって互いに連結されることにより、合わせて4つの回転要素(第3サンギヤS3、第3キャリアPC3=第4リングギヤR4、第3リングギヤR3=第4キャリアPC4、第4サンギヤS4)を有するようになっており、これにより互いのキャリアとリングギヤとを連結したCR−CR型連結遊星歯車列を構成している。
出力ギヤOutputは、上記支持壁15に対しトルクコンバータ側で且つ該支持壁15に隣接するように配置されている。即ち、上記出力ギヤOutputは、トルクコンバータ3に対して第1のプラネタリギヤセットGS1を挟んだ反対側に位置付けられる。そして、上記支持壁15の内周部には、入力軸方向に延びるようにボス部が形成されているとともに、該ボス部にはベアリングが内嵌されて固定されており、上記出力ギヤOutputは、このベアリングによって回転可能に支持されている。また、上記出力ギヤOutputは、上記第4のプラネタリギヤセットGS4の第4キャリアPC4に連結されており、これによって、該第4キャリアPC4と一体回転するようになっている。
−クラッチ及びブレーキの構成−
上記変速歯車機構2は、上記第1〜第3の3つのクラッチC1〜C3と、第1及び第2の2つのブレーキB1,B2とを選択的に作動させて入力軸Inputから出力ギヤOutputまでの駆動力の伝達経路を切り換えることにより、前進6速及び後退速が得られるようになっている。
尚、図示しないが、上記第1〜第3のクラッチC1〜C3、第1及び第2のブレーキB1,B2には変速油圧制御装置が接続されており、この変速油圧制御装置が、図3の締結作動表に示すように、各変速段にて締結圧(●印)や解放圧(無印)を作り出すようになっている。このような変速油圧制御装置としては、例えば電子制御タイプを採用すればよい。尚、詳しくは後述するが、本実施形態では第2のブレーキB2と並列にワンウエイクラッチOWCが配置されており、この場合、前進1速では第2のブレーキB2は締結されず、例えばマニュアルモードやホールドモード等、エンジンブレーキの必要な場合にのみ、第2のブレーキB2は締結される(図3の締結作動表においては括弧を付して示す)。但し、ワンウエイクラッチOWCはなくてもよく、その場合は、前進1速で第2のブレーキB2が締結される。
第1のクラッチC1は、第4サンギヤS4と第1キャリアPC1とを選択的に断接するためのクラッチであって、上記図3の締結作動表に示すように、低速側の1〜4速にて締結されるクラッチである(以下、第1のクラッチをLowクラッチと呼ぶ)。
このLowクラッチC1は、図1に示すように、湿式多板式のクラッチであって、第1のプラネタリギヤセットGS1の外周側に配置されている。尚、この実施形態では、LowクラッチC1の回転に伴い、クラッチピストンを押圧する受圧室の作動油が遠心力を受け、制御油圧に対し上昇することを考慮して、受圧室と隣り合うように遠心バランス室を区画形成しており、この遠心バランス室の油圧が受圧室と同様に遠心力により上昇することで、遠心力による上昇油圧を相殺してクラッチ制御性を高めることができるようにしている。
第2のクラッチC2は、第3キャリアPC3と第1リングギヤR1(入力軸Input)とを選択的に断接するためのクラッチであって、図3の締結作動表に示すように、高速側の4〜6速にて締結されるクラッチである(以下、第2のクラッチをHighクラッチと呼ぶ)。
このHighクラッチC2は、図1に示すように、第1のプラネタリギヤセットGS1の外周側に配置されており、該HighクラッチC2とLowクラッチC1とは、該LowクラッチC1がトルクコンバータ3に近い側に、HighクラッチC2がトルクコンバータ3から遠い側に、入力軸方向に並んで配置されている。HighクラッチC2は、内周側のボス部が第1リングギヤR1に連結されるクラッチドラム61と、このクラッチドラム61の外周壁の内面から径方向内方に離間して配置されるクラッチハブ62と、これらクラッチドラム61及びクラッチハブ62の間に入力軸方向(図の左右方向)に交互に配設される複数のクラッチプレート63,64,…と、を備えている。上記クラッチハブ62は、その内周側のボス部が、入力軸Inputと出力ギヤOutputとの間を該入力軸Inputの軸方向に反トルクコンバータ側に延びて、第3のプラネタリギヤセットGS3の第3キャリアPC3に連結されている。
そして、第1リングギヤR1を入力軸Inputに連結する第1連結メンバM1との間に受圧室を区画するように、該第1連結メンバM1と入力軸方向に隣接した位置にクラッチピストン65が配設されている。該クラッチピストン65は、受圧室に供給される作動油圧に応じて、リターンスプリングの付勢力に抗して反トルクコンバータ側(図1の左方向)へ移動することにより、クラッチプレート63,64,…を押圧して、軸方向に隣接するクラッチプレート63,64,…同士を係合させるようになっている。また、上記クラッチピストン65の反受圧室側には、シーリングプレート66が配設されており、受圧室と隣り合うように遠心バランス室が区画形成されている。
このように、変速機ケース1の変速歯車機構収容部12における前室12aには、Low及びHighの2つのクラッチC1,C2が常時減速の第1のプラネタリギヤセットGS1とともに収容されていて、その前室12a内では、該Low及びHighクラッチC1,C2が第1のプラネタリギヤセットGS1の外周側に配置されているため、変速歯車機構2の全長を短縮することができ、自動変速機ATのコンパクト化を図れる。
また、上記第1のプラネタリギヤセットGS1を、前室12a内において軸方向の略中央位置に配置し、その第1のプラネタリギヤセットGS1を挟んだ軸方向両側のスペースにLow及びHighクラッチC1,C2のクラッチピストンをそれぞれ配置することで、第1のプラネタリギヤセットGS1、Low及びHighクラッチC1,C2を効率良く配置して、前室12aが径方向に大型化することが回避される。
加えて、第1のプラネタリギヤセットGS1の出力側に連結されるLowクラッチC1をトルクコンバータ3に近い側に、第1のプラネタリギヤセットGS1の入力側に連結されるHighクラッチC2をトルクコンバータ3から遠い側に、それぞれ配置することによって、Low及びHighクラッチC1,C2に対する入力・出力を行う部材の取り回しが短縮され、自動変速機ATのコンパクト化が実現する。
これに対し、変速機ケース1の変速歯車機構収容部12における後室12bには、第3のクラッチC3及び第1及び第2のブレーキB1,B2が第2〜4のプラネタリギヤセットGS2〜GS4とともに、それぞれ収容されている。
第3のクラッチC3は、第2のプラネタリギヤセットGS2の第2キャリアPC2と第3のプラネタリギヤセットGS3の第3サンギヤS3とを選択的に断接するためのクラッチであって、図3の締結作動表に示すように、3速、5速及び後退速にて締結されるクラッチである(以下、第3のクラッチを3/5/Rクラッチと呼ぶ)。
この3/5/RクラッチC3は、図1,4に示すように、第2のプラネタリギヤセットGS2の外周側に且つ該第2のプラネタリギヤセットGS2に軸方向にオーバーラップするように配置されている。そして、内周側のボス部が第2キャリアPC2に連結されるクラッチドラム71と、このクラッチドラム71の外周壁の内面から径方向内方に離間して配置され且つその内周側のボス部が第3サンギヤS3に連結されるクラッチハブ72と、これらクラッチドラム71及びクラッチハブ72の間に入力軸方向(図の左右方向)に交互に配設された複数のクラッチプレート73,74,…と、を備えている。
そして、上記クラッチドラム71内には、該クラッチドラム71との間に受圧室を区画するようにクラッチピストン75が配設されている。このクラッチピストン75は、受圧室に供給される作動油圧に応じて、リターンスプリング77の付勢力に抗してトルクコンバータ側(図4の右側)へ移動することにより、クラッチプレート73,74,…を押圧して、軸方向に隣接するクラッチプレート73,74,…同士を係合させるようになっている。また、上記クラッチピストン75の反受圧室側には、シーリングプレート76が配設されており、受圧室と隣り合うように遠心バランス室が区画形成されている。
従って、以上のような構成により、上記3/5/RクラッチC3を締結状態にすると、第2のプラネタリギヤセットGS2の第2キャリアPC2と第3のプラネタリギヤセットGS3の第3サンギヤS3とを一体的に回転させることになる。
第1のブレーキB1は、第3サンギヤS3を選択的に変速機ケース1に断接して、該第3サンギヤS3の回転を選択的に停止させるためのブレーキであり、図3の締結作動表に示すように、2速及び6速にて締結されるブレーキである(以下、この第1のブレーキを2/6ブレーキと呼ぶ)。
この2/6ブレーキB1は、図1,4に示すように、上記3/5/RクラッチC3よりもさらに外周側に位置し且つ該クラッチC3及び上記第2のプラネタリギヤセットGS2に軸方向にオーバーラップするように配置されている。また、上記2/6ブレーキB1は、変速機ケース1の内周面から径方向内方に離間して配置され且つその内周側のボス部が上記3/5/RクラッチC3のクラッチハブ72に連結されるブレーキハブ82と、変速機ケース1の内周面及びブレーキハブ82の間に入力軸方向に交互に配設された複数のブレーキプレート83,84,…と、を備えている。尚、上記ブレーキハブ82は、3/5/RクラッチC3のクラッチハブ72に連結されることから、このクラッチハブ72を介して第3サンギヤS3に連結されることになる。
そして、変速機ケース1のリヤカバー6には、凹部が形成されており、該凹部内にブレーキピストン85が内挿されて、該凹部とブレーキピストン85との間に受圧室88が区画形成されている。このブレーキピストン85は、受圧室88への油圧の供給に応じて、リターンスプリング87の付勢力に抗してトルクコンバータ側(図4の右側)へ移動することにより、軸方向に隣接するブレーキプレート83,84,…を押圧して、該ブレーキプレート83,84,…同士を係合させるようになっている。
また、上記ブレーキピストン85の反受圧室側には、リヤカバー6に固定されたシーリングプレート86が配置されており、これによって、ブレーキピストン85を挟んで受圧室88側とは反対側に、後述するように油圧が供給される対抗室89が区画形成される。尚、このシーリングプレート86はまた、上記リターンスプリング87の受けとしても機能する。
ここで、上記ブレーキピストン85における受圧室88側の受圧面積S1は、対抗室89側の受圧面積S2に比べて大に設定されており、後述するように、受圧室88と対抗室89との双方に同じ油圧が供給されたときには、その受圧面積の差(S1−S2)に相当する押圧力が発生して、2/6ブレーキを締結することになる。
また、上記ブレーキピストン85は、3/5/RクラッチC3のクラッチピストン75に対して軸方向にオーバーラップするように配置されている。
第2のブレーキB2は、第3キャリアPC3と第4リングギヤR4とを連結する第4連結メンバM4を、選択的に変速機ケース1に断接して、該第4連結メンバM4の回転を選択的に停止させるためのブレーキであり、図3の締結作動表に示すように、1速及び後退速にて締結されるブレーキである(以下、第2のブレーキをL/Rブレーキと呼ぶ)。但し、上述したように、このL/RブレーキB2はマニュアルモードやホールドモード等、エンジンブレーキを必要とする時にのみ締結される。
このL/RブレーキB2は、図1に示すように、湿式多板式のブレーキであって、2/6ブレーキB1よりもトルクコンバータ側で且つ第3及び第4のプラネタリギヤセットGS3,GS4の外周側に配置されている。
また、上記L/RブレーキB2よりも反トルクコンバータ側には、ワンウエイクラッチOWCが配設されている。このワンウエイクラッチOWCは、変速機ケース1と第4連結メンバM4との間で、該第4連結メンバM4の一方向回転を阻止するようになっている。
このように、変速機ケース1の変速歯車機構収容部12における後室12bにおいては、上述のように小型化された第2のプラネタリギヤセットGS2に対して、その外周側に、3/5/RクラッチC3及び2/6ブレーキB1を軸方向にオーバーラップするように配置されている。このことによって、変速機ATの全長を短くしてよりコンパクトに構成することができる。このとき、第2のプラネタリギヤセットGS2が小型化されていることで、第2のプラネタリギヤセットGS2の外周側位置にクラッチC3及びブレーキB1を配置しても、自動変速機ATの径方向への大型化は抑制される。これにより、リヤカバー6やケース1等の大型化も抑制されるため、それらの剛性も確保することができる。
特に、上記3/5/RクラッチC3のクラッチピストン75及び2/6ブレーキB1のブレーキピストン85を軸方向にオーバーラップするように配置することによって、それらのピストン75,85を軸方向によりコンパクトに配置することができ、自動変速機ATをよりコンパクトにすることができる。
さらに、第3及び第4のプラネタリギヤセットGS3,GS4の外周側に、L/RブレーキB2を配置することで、さらに軸方向長さを短くすることができ、自動変速機ATをさらにコンパクトにすることができる。
−ブレーキ油路及びクラッチ油路の構成−
上記変速機ケース1のリヤカバー6には、図1,4に示すように、2/6ブレーキB1の受圧室88に制御油圧を供給するためのブレーキ油路51が形成されていると共に、HighクラッチC2の受圧室(及び遠心バランス室)に制御油圧を供給するためのクラッチ油路の一部を構成する第1通路52が形成されている。
これらブレーキ油路51及び第1通路52はそれぞれ、図外の変速油圧制御装置に連通しており、変速油圧制御装置において作り出された制御油圧は、ブレーキ油路51及び第1通路52を介して、2/6ブレーキB1及びHighクラッチC2に供給される。
上記入力軸Inputの内部には、図1,5に示すように、軸線d1に沿って延びる孔53が形成されていると共に、孔53内には、その孔径よりも径が小さいパイプ54が内挿されている。これによって入力軸Inputの内部には、パイプ54内の通路と、パイプ54と孔の内周面との間の通路との、2つの通路が形成されている。
その2つの通路の内、径方向外側の通路は潤滑油供給通路55とされており、入力軸Inputには、この潤滑油供給通路55に連通すると共に径方向の外方に延びて入力軸Inputの外周面に開口する貫通孔55aが軸方向に所定の間隔を空けて複数形成されている。これによって、入力軸Inputの回転による遠心力で、潤滑油を貫通孔55aから径方向の外方に放射状に流出させて、変速歯車機構2の各部に潤滑油を供給するように構成されている。
また、上記2つの通路の内、径方向内側の通路は、入力軸Inputの反トルクコンバータ側の端部において、リヤカバー6に形成された第1通路52と連通しており、この径方向内側の通路はクラッチ油路の一部を構成する第2通路56とされている。
そして、上記入力軸Inputにおける軸方向の所定位置には、上記HighクラッチC2の受圧室に連通するように、上記第2通路56から径方向に延びる貫通孔56aが形成されており、HighクラッチC2の受圧室に対しては、リヤカバー6に形成した第1通路52、入力軸Input内部の第2通路56、及び貫通孔56aを介して制御油圧が供給される。尚、パイプ54の内径は、クラッチ締結の応答性を考慮して、比較的大径に設定することが好ましい。
そして、上記リヤカバー6には、第1通路52から分岐した分岐路57が形成されており、この分岐路57は、上記対抗室89内に連通している。これによって、上記HighクラッチC2を締結すべく、その受圧室に油圧を供給したときには、分岐路57を介して対抗室89にも油圧が供給されることになる。
本実施形態の自動変速機ATは、第1〜第4の4組のシングルピニオンタイプのシンプルプラネタリギヤセットGS1〜GS4を備え、第1〜第3の3つのクラッチC1〜C3と第1、第2の2つのブレーキB1,B2とを選択的に作動させて、前進6速と後退速とを得るようになっている。言い換えると、上記変速機ATは、ラビニヨタイプ等の複合型のプラネタリギヤセットを含まず、ダブルサンギヤタイプ、ダブルピニオンタイプ、ダブルリングギヤタイプのプラネタリギヤセットを必要としない上に、回転要素同士を断接するクラッチ、ブレーキ等の個数が5つ以下と比較的、少なくて済み、その分、コンパクト化、コスト及び重量の低減、騒音の低減等に有利である。
そして、上記自動変速機ATにおいては、2/6ブレーキB1が、2速と6速とのそれぞれにおいて、受圧室88に制御油圧が供給されることによって締結されるが、2速の締結時においては、受圧室88にのみ制御油圧が供給されて、ブレーキピストン85の押圧力が発生するのに対し、6速の締結時においては、HighクラッチC2が締結されることに伴い、受圧室88だけでなく、第1通路52及び分岐路57を介して対抗室89にも油圧が供給される。
これによって、受圧室88に供給された油圧に応じた押圧力から、対抗室89に供給された油圧に応じた対抗力が差し引かれ、ブレーキピストン85の押圧力は、その差し引かれた押圧力となる。
これによって、例えば図6に示すように、2/6ブレーキB1の制御ゲインは、2速において要求されるトルク容量に基づいて予め設定されているものの(同図の実線参照)、6速の締結時においては、ブレーキピストン85の押圧力が対抗力の分だけ低下することにより、制御油圧に対するトルク容量のゲインは低下する(同図の一点鎖線参照)。そのため、図6において実線で示す制御ゲインのままでは、6速の締結時に比較的低い制御油圧で要求されるトルク容量に到達してしまい、制御レンジが狭くなってしまう(同図の実線の矢印参照)ところを、制御ゲインが低下することによって6速の締結時の制御レンジが、2速の締結時の制御レンジと同等程度に拡大することになる(同図の一点鎖線の矢印参照)。
その結果、2速の変速過渡時は勿論のこと、6速の変速過渡時においてもきめ細かな油圧制御が可能になり、シフトクオリティを向上させることができる。
特に、2/6ブレーキB1は、2速時に要求されるトルク容量と、6速時に要求されるトルク容量との差が大きいが、2速時と6速時とのそれぞれにおいてほぼ同じ制御レンジを確保することができるため、2/6ブレーキB1は、本構成を適用するブレーキとして最適である。
また、上記構成では、ブレーキピストン85における、受圧室88側の受圧面積S1と対抗室89側の受圧面積S2との差に応じて、ブレーキピストン85の押圧力を低下させており、受圧室88と対抗室89とにはそれぞれ同じ油圧を供給すればよいため、油圧制御が簡略化する。尚、ブレーキピストン85における受圧室側の受圧面積S1と、対抗室側の受圧面積S2との差は、2速と6速とのトルク分担の差に応じて設定されることになるため、それを考慮して、ブレーキピストン85の形状を設定すればよい。
また、上記対抗室89への油圧の供給は、クラッチ油路を利用しているため、対抗室89への油圧の供給のために新たな油路を設ける必要はなく、油圧回路の構成が簡略化する。それと共に、そのクラッチ油路は、4速、5速及び6速のそれぞれにおいて締結されるHighクラッチC2用の油路であるため、例えば5速から6速への変速、又は4速から6速への変速においては、4速及び5速の状態で既に、対抗室89に油圧が供給されていることになる。
それによって、5速から6速への変速、又は4速から6速への変速に伴い、2/6ブレーキB1の受圧室88に制御油圧を供給する当初から、制御ゲインを低下させた状態で2/6ブレーキB1を締結することができ、変速に際し制御ゲインの変更が遅れることなく、シフトクオリティを向上させる上で有利である。
また、上記2/6ブレーキB1のブレーキピストン85が、リヤカバー6に配置されているため、比較的広いスペースが確保可能な反エンジン側において、ブレーキ油路51や第1通路52、分岐路57等を配置することができ、油路をレイアウトする上で有利になる。
(その他の実施形態)
本発明の具体的な構成は、上記実施形態の自動変速機ATに限定されず、それ以外の種々の構成を包含するものである。即ち、上記実施形態では、HighクラッチC2のクラッチ油路を、リヤカバー6に形成した第1通路52、入力軸に形成した第2通路56により構成し、制御油圧を反エンジン側からケース1内に導入しているが、例えば図7に示すように、制御油圧をエンジン側からケース1内に導入すべく、クラッチ油路を構成してもよい。
具体的には、変速油圧制御装置からの制御油圧は、トルクコンバータハウジング5と変速機ケース1との間から変速機ケース1内に導入される(図7の矢印参照)。変速機ケース1には、導入孔58が形成されており、その導入孔58が、入力軸Inputに形成した孔53と連通している。また、HighクラッチC2の受圧室に制御油圧を供給する貫通孔56aは、上記孔53と連通している。
そして、上記実施形態と同様に、入力軸Inputの孔53には、パイプ54が内挿されており、そのパイプ54内の通路(第2通路56)はリヤカバー6に形成された第1通路52と連通している。これにより、HighクラッチC2を締結すべく、その受圧室に油圧を供給したときには、第2通路56、第1通路52及び分岐路57を介して対抗室89にも油圧が供給されることになる。
この構成では、第2通路56がHighクラッチC2よりも制御油圧の供給方向の下流側になり、しかも対抗室89への油圧供給は応答性を確保する必要がない。このため、例えば入力軸Inputに内挿するパイプ54の内径を比較的小さくすることが可能であり、その分、潤滑油供給通路55の流路面積を拡大させることができる点で有利である。
また、図示は省略するが、対抗室89への油圧経路を、クラッチ油路と共用化しなくても、変速油圧制御装置から別途、対抗室89に油圧を供給する油路を形成してもよい。
また、本発明が適用可能な自動変速機(変速歯車機構2)は、上記の構成には限らず、また変速歯車機構は、前進6速を得る構成でなくてもよい。また、本発明を適用するブレーキ要素は、その変速歯車機構の構成に応じて適宜設定することが可能である。
また、上記実施形態では、自動変速機ATをFF車用の横置きパワートレインに適用した例を示したが、RR車用の横置きパワートレインに適用するようにしてもよい。
以上説明したように、本発明は、2つの変速段のそれぞれにおいて締結されるブレーキ要素を備えた自動変速機のシフトクオリティを向上させることができるから、例えば乗用車に搭載する自動変速機として特に有用である。
本発明の実施形態に係る自動変速機の構成を示す断面図である。 同自動変速機の概略構成を示す骨子線図である。 同自動変速機の締結作動表である。 同自動変速機の2/6ブレーキ部分を拡大して示す断面図である。 入力軸の断面図である。 2/6ブレーキの制御油圧に対するトルク容量特性を示す図である。 変形例に係る自動変速機の構成を示す断面図である。
符号の説明
1 変速機ケース
52 第1通路(クラッチ油路)
56 第2通路(クラッチ油路)
56a 貫通孔(クラッチ油路)
57 分岐路
61 クラッチドラム(クラッチ要素)
62 クラッチハブ(クラッチ要素)
63,64 クラッチプレート(クラッチ要素)
65 クラッチピストン
82 ブレーキハブ(ブレーキ要素)
83,84 ブレーキプレート(ブレーキ要素)
85 ブレーキピストン
88 ブレーキ受圧室
89 対抗室
B1 第1のブレーキ(2/6ブレーキ)
B2 第2のブレーキ(L/Rブレーキ)
C1 第1のクラッチ(Lowクラッチ)
C2 第2のクラッチ(Highクラッチ)
C3 第3のクラッチ(3/5/Rクラッチ)
GS1 第1の常時減速プラネタリギヤセット
GS2 第2の常時減速プラネタリギヤセット
GS3 プラネタリギヤセット(2組のプラネタリギヤセット)
GS4 プラネタリギヤセット(2組のプラネタリギヤセット)
Input 入力軸
Output 出力ギヤ(出力部)

Claims (6)

  1. 第1の変速段及び該第1の変速段よりも高速ギヤ比である第2の変速段のそれぞれにおいて締結されるブレーキ要素と、
    上記ブレーキ要素を押圧することによって該ブレーキ要素を締結させるブレーキピストンと、
    制御油圧が供給されることによってその制御油圧に応じた上記ブレーキピストンの押圧力を発生させるブレーキ受圧室と、
    上記ブレーキピストンを挟んで上記ブレーキ受圧室とは反対側に配置され且つ、油圧が供給されることによって上記ブレーキピストンの押圧力を低減させる対抗室と、を備え、
    上記ブレーキ要素が上記第1の変速段において締結される時には、上記ブレーキ受圧室に油圧が供給され、
    上記ブレーキ要素が上記第2の変速段において締結される時には、上記ブレーキ受圧室と対抗室とのそれぞれに油圧が供給される自動変速機。
  2. 請求項1に記載の自動変速機において、
    上記ブレーキピストンは、上記ブレーキ受圧室側の受圧面積が、上記対抗室側の受圧面積に比べて所定量だけ大に設定される自動変速機。
  3. 請求項1に記載の自動変速機において、
    上記第2の変速段において締結されるクラッチ要素と、
    上記クラッチ要素を押圧することによって該クラッチ要素を締結させるクラッチピストンと、
    制御油圧が供給されることによって上記クラッチピストンの押圧力を発生させるクラッチ受圧室と、
    上記クラッチ受圧室に制御油圧を供給するクラッチ油路と、をさらに備え、
    上記対抗室は、上記クラッチ油路に連通している自動変速機。
  4. 請求項3に記載の自動変速機において、
    少なくとも1のプラネタリギヤセットと、第1〜第3のクラッチと、第1及び第2のブレーキと、を有しかつ、上記第1〜第3のクラッチ並びに第1及び第2のブレーキを選択的に作動させることによって、少なくとも前進6速を得る変速機構をさらに備え、
    上記ブレーキ要素は、上記第1及び第2のブレーキの内の、2速及び6速のそれぞれにおいて締結されるブレーキであり、
    上記クラッチ要素は、上記第1〜第3のクラッチの内の、4速、5速及び6速のそれぞれにおいて締結されるクラッチである自動変速機。
  5. 請求項4に記載の自動変速機において、
    上記変速機構は、入力軸と、該入力軸に同軸に配置された出力部と、それぞれ上記入力軸の回転を常時減速して出力する第1及び第2の常時減速プラネタリギヤセットと、互いに連結されることによって合わせて第1〜第4の回転要素を有すると共に、その第1の回転要素が上記出力部に連結されている2組のプラネタリギヤセットと、を有する自動変速機。
  6. 請求項5に記載の自動変速機において、
    上記ブレーキピストンは、上記変速機構を収容する変速機ケースにおける反エンジン側の側壁部に配置されている自動変速機。
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