JP2009085118A - ディーゼルエンジンの制御装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】低負荷側で予混合燃焼が主体の低温燃焼を行うようにしたディーゼルエンジン1において、その排気通路15にNOx吸蔵還元触媒を配設する場合に、この触媒をリフレッシュする際の燃費の悪化を軽減する。
【解決手段】触媒のNOx吸蔵量が設定量以上になれば、予混合燃焼領域(P)における高負荷側の特定領域、即ち、自動車等で使用頻度の高い低中負荷域における空気過剰率λの目標値をλ=1に補正する。特定領域における空気過剰率λの目標値は元々低めに設定されているので、これをλ=1に補正してもエンジン出力の変動や燃費の大幅な悪化は生じず、煤の増大も阻止できる。よって、エンジン1の運転中に触媒のリフレッシュを促進し、浄化性能を安定的に確保することができる。
【選択図】 図9

Description

本発明は、ディーゼルエンジンの制御装置に関し、特に、低負荷側でEGR量を多くして、予混合燃焼が主体の燃焼状態とするようにしたものに係る。
従来より一般的な直噴式ディーゼルエンジンでは、気筒の圧縮上死点近傍で高温高圧の燃焼室に燃料を噴射して、自着火により燃焼させるようにしており、こうして噴射された燃料は初期の予混合燃焼に続いて拡散燃焼が主体の所謂ディーゼル燃焼の状態になる。
これに対し近年、例えば特許文献1に開示されるように、多量のEGRによって燃料の着火遅れ時間を長くして或る程度以上、空気と混合した後に着火させることにより、予混合燃焼が主体の燃焼状態とすることが提案されている。このような予混合燃焼が主体の燃焼状態では、混合気中に局所的に等量比の高い部分ができにくく、煤の生成が抑えられるとともに、低温燃焼になるためNOxの生成も抑制される。
そのような低温予混合燃焼としては、燃料をより早期に噴射して吸気と十分に予混合するHCCI、圧縮行程の中期から後期にかけて噴射するPCCIの他、主にTDC後に噴射するMK燃焼等、燃料噴射時期の異なる種々の手法が知られているが、これらはいずれも多量のEGRを必要とすることから高負荷には対応できず、低負荷側でのみ実行される。よって、低負荷側では前記のような燃焼とされる一方、高負荷側では従来一般的なディーゼル燃焼が行われることになる。
特開2005−76506号公報
ところで、前記の特許文献1にも記載されているように、ディーゼルエンジンは通常、その全運転域において空気過剰率λの高い(λ>1)状態で運転されるので、燃料成分に対して酸素濃度の高い酸素過剰雰囲気となる排気中においてもNOxを浄化できるように、所謂NOx吸蔵還元触媒を用いることが提案されている。
ところが、NOx吸蔵還元触媒は、前記のように酸素の過剰な(例えば酸素濃度が4%以上の)雰囲気下ではNOxを吸蔵して排気から取り除くものなので、その吸蔵量が増えるに従いNOxの浄化性能が低下することになり、それが許容最大量に達すれば強制的にNOxを放出させて還元させる(所謂リフレッシュ)必要がある。
そうして触媒をリフレッシュするためには、排気中の酸素濃度を前記所定値未満になるまで低下させなくてはならず、そのために燃焼室の空気過剰率λをλ≦1に制御するとすれば、折角、全域で空気過剰率λの高い(λ>1)状態、即ち吸気損失の少ない状態で運転できるディーゼルエンジンの特性を活かしきれず、燃費の低減という観点からは好ましくない。
特に、自動車等において使用される頻度の高い低負荷乃至中負荷域では、燃料噴射量が少ないことから、通常の所謂ディーゼル燃焼であれば空気過剰率はかなり高くなるので、これを短時間であってもλ≦1とするのは甚だ好ましくなく、そればかりか、エンジンの運転中に空気過剰率が急変されることによって出力変動が生じ、乗員に違和感を与えるおそれもある。
この点、通常の所謂ディーゼル燃焼であっても比較的空気過剰率の小さくなる全負荷近傍でのみ、λ≦1とすれば問題はないが、自動車等の場合はエンジンが全負荷になることは少なく、このような運転状態でしか触媒のリフレッシュを行えないとすれば、実効性に欠けるものと言わざるを得ない。
本発明は、斯かる点に鑑みてなされたものであり、その目的とするところは、低負荷側で予混合燃焼が主体の低温燃焼を行うようにしたディーゼルエンジンにおいて、その排気通路にNOx吸蔵還元触媒を配設する場合に、この触媒をリフレッシュする手法に工夫を凝らして、その際の燃費の悪化を軽減することにある。
前記の目的を達成するために本発明では、低温予混合燃焼とする低負荷側の運転領域における高負荷側の特定の領域、換言すれば、自動車等にて使用頻度の高い低中負荷域においては元々、燃焼室の空気過剰率が低くなることに着目し、この特定領域において空気過剰率λをλ=1近傍乃至λ<1に制御して、触媒のリフレッシュを図るようにした。
具体的に、請求項1の発明に係るディーゼルエンジンの制御装置は、低負荷側の第1運転領域において相対的にEGR量を多くして、予混合燃焼が主体の第1の燃焼状態とする一方、高負荷側の第2運転領域では相対的にEGR量を少なくして、拡散燃焼が主体の第2の燃焼状態とするようにしたものが対象である。
そして、エンジンの排気通路には、排気中の酸素濃度が所定値以上の酸素過剰雰囲気下でNOxを吸蔵する一方、酸素濃度の低下に伴いNOxを放出し還元浄化するNOx吸蔵還元触媒が配設されている場合に、前記第1及び第2運転領域の双方において前記燃焼室への空気充填量及び燃料噴射量を互いに対応付けて調整し、当該燃焼室の空気過剰率λをλ>1となるように制御する空気過剰率制御手段と、前記NOx吸蔵還元触媒におけるNOxの吸蔵量を推定する推定手段と、を備えるとともに、さらに、前記推定したNOx吸蔵量が予め設定した量以上になると、前記第1運転領域における高負荷側の特定の領域において燃焼室の空気過剰率λを、排気中の酸素濃度が前記所定値未満になるように補正する空気過剰率補正手段を備える構成とする。
前記の構成により、エンジンが相対的に低負荷側の第1運転領域にあるときには相対的にEGR量が多くなるので、燃焼室に噴射された燃料の着火遅れ時間が長くなり、予混合燃焼が主体の第1の燃焼状態となる一方、相対的に高負荷側の第2運転領域では相対的にEGR量が少なくなって、拡散燃焼が主体の第2の燃焼状態になる。
また、前記第1及び第2運転領域の双方で空気過剰率制御手段により燃焼室の空気過剰率λがλ>1となるように制御され、エンジンが吸気損失の少ない状態で運転されることから、燃費の低減が図られる。この際、酸素濃度が所定値以上の酸素過剰雰囲気下になる排気中では、NOxがNOx吸蔵還元触媒に吸蔵される。
そうして吸蔵されるNOxの量が増えると、これに伴い徐々にNOx吸蔵能が低下することになるが、推定手段により推定されるNOx吸蔵量が予め設定した量以上になると、前記第1運転領域においても高負荷側の特定の領域における空気過剰率λは、空気過剰率補正手段によって、排気中の酸素濃度が前記所定値未満になるように、即ちλ=1近傍乃至λ<1に補正される。
こうして、自動車等に搭載した場合に使用頻度の高いエンジンの中負荷域において空気過剰率λがλ=1近傍乃至λ<1になり、排気中の酸素濃度が所定値未満になって、NOx吸蔵還元触媒から放出されたNOxが還元浄化されるようになる(触媒のリフレッシュ)。つまり、エンジンの運転中における触媒のリフレッシュが促進されて、その浄化性能が安定的に確保される。
しかも、エンジンの第1の燃焼状態では元々、空気過剰率λが比較的低く制御されることから、それをλ=1近傍等にしても燃費が大幅に悪化することはなく、また、エンジン出力が大きく変動することもない。また、従来一般的なディーゼル燃焼の状態でλ=1とするのに比べて、低温予混合燃焼である第1の燃焼状態でλ=1とするほうが煤の生成も少なくなる。
そのような第1の燃焼状態を実現する上で特に好ましいのは、エンジンが第1運転領域にあるとき、混合気の燃焼温度がその高温部分においてNOx生成温度未満になるようにEGR量を制御するEGR量制御手段と、エンジンが前記第1運転領域にあるとき、EGRを含めた吸気の温度を、燃焼室に噴射された燃料の所定の着火遅れ時間が確保可能な上限温度よりも低く、且つ排気中のHC及びCOの濃度が各々所定以下となる下限温度よりも高い温度範囲内に制御する吸気温度制御手段とを備えることである(請求項2)。
この構成によると、エンジンが第1の燃焼状態にあるときは、所要のEGR量によってNOxの生成を抑えながら、そのEGRを含めた吸気の温度を所定の上限温度よりも低くすることで、前記所要量のEGRと併せて燃料との予混合に十分な着火遅れ時間を確保し、煤の生成を抑えることができる。よって、触媒のリフレッシュのために空気過剰率をλ=1近傍乃至それよりも低くしても、煤が急増することはない。また、吸気の温度をあまり低くし過ぎないことで排気中のHCやCO濃度の上昇も抑制できる。
尚、そうして吸気温度の制御によって着火遅れ時間を延長できることから、前記第1の燃焼状態ではEGR量を従来までの低温予混合燃焼のように多くする必要はない。よって、触媒のリフレッシュをしないときには空気過剰率制御手段により空気過剰率λをλ>1とすることで、吸気中に酸素濃度を確保しやすく、燃焼の後期における燃焼室の局所等量比が煤生成等量比よりも低くなるようにすることができる。こうすれば、燃焼の中期に高温下で生成した煤も酸化されて、消滅する。
また、好ましいのは、NOx吸蔵還元触媒におけるNOxの吸蔵量に対応して、それが多いほど特定領域を拡大する領域拡大手段を備えることであり(請求項3)、こうすれば、触媒のNOxの吸蔵量が多くなるほどそれがリフレッシュされる頻度が高くなり、触媒のNOx浄化性能を確保しやすい。
但し、そうしてエンジンの運転中に触媒のリフレッシュを促進するようにしていても、自動車の走行パターンによってはNOxの吸蔵量が増えてしまうこともあるので、それが許容最大量以上になって所要の浄化性能が得られなくなれば、エンジンの運転状態に依らず強制的に空気過剰率λの補正を行うものとする(請求項4)。こうすれば、触媒によるNOx浄化性能をより確実なものとすることができる。
以上、説明したように、本発明に係るディーゼルエンジンの制御装置によると、低温予混合燃焼を行う低負荷側の運転領域における、高負荷側の特定の領域、即ち、自動車等で使用頻度の高い低中負荷域の運転域において、元々、燃焼室の空気過剰率が低めになることに着目し、触媒のNOxの吸蔵量が多くなれば、その特定領域における空気過剰率λをλ=1近傍乃至λ<1に補正するようにしたので、エンジンの出力変動や燃費の悪化を抑えつつ、また、煤の増大も阻止しながら触媒のリフレッシュを促進して、その浄化性能を安定的に確保することができる。
さらに、NOxの吸蔵量を推定し、これに応じて触媒をリフレッシュする前記特定領域を拡大するようにすれば、NOx吸蔵量が多いほど触媒のリフレッシュ頻度が高くなり、NOx浄化性能をより確保しやすい。
以下、本発明の実施形態を図面に基づいて説明する。尚、以下の好ましい実施形態の説明は、本質的に例示に過ぎず、本発明、その適用物或いはその用途を制限することを意図するものではない。
(エンジン制御システムの構成)
図1は、本発明の実施形態に係るディーゼルエンジンの制御装置Aの一例を示し、符号1は、一例として自動車に搭載されるディーゼルエンジンである。このエンジン1は複数の気筒2,2,…(1つのみ図示する)を有し、その各気筒2内には各々嵌挿されたピストン3の上方に燃焼室4が区画されている。また、エンジン1のシリンダヘッドには各気筒2毎にインジェクタ5(燃料噴射弁)が配設され、燃焼室4内に燃料を直接、噴射するようになっている。
前記インジェクタ5は、全気筒2,2,…に共通のコモンレール(図示省略)に接続されていて、そこに蓄えられている高圧の燃料を任意のタイミングで噴射することができる。コモンレールには、その内部の燃料の平均的な圧力(コモンレール圧)を検出する燃圧センサが備えられていて、この燃圧センサの信号が後述するECU30に入力され、これに応じてコモンレール圧の制御が行われるようになっている。
また、エンジン1のシリンダヘッドには各気筒2毎に吸気ポート6及び排気ポート7が形成されて、それぞれ燃焼室4の天井部に開口している。吸気ポート6及び排気ポート7の開口端には個々に吸気弁8及び排気弁9が配設されており、図示は省略するが、カムシャフト等の動弁機構によって駆動され、吸気ポート6及び排気ポート7をそれぞれ所定のタイミングで開閉するようになっている。
そうして一端が燃焼室4に開口する吸気ポート6の他端は、エンジン1のシリンダヘッドの一側(図の右側)に開口して、吸気通路10に連通している。吸気通路10は、各気筒2の燃焼室4に空気(新気)を供給するためのものであり、バタフライバルブからなる上流側の吸気絞り弁11と、後述するタービン16により駆動されて吸気を圧縮するコンプレッサ12と、このコンプレッサ12により圧縮された吸気を冷却するインタークーラ13と、バタフライバルブからなる下流側の吸気絞り弁14とが、上流側から順に配設されている。
一方、エンジン1の反対側(図の左側)には、各気筒2の燃焼室4から既燃ガスを排出するための排気通路15が接続されている。この排気通路15の上流端部は、各気筒2毎に分岐してそれぞれ排気ポート7に連通する排気マニホルドであり、その下流には、排気流を受けて回転されるタービン16と、排気中の有害成分を浄化可能な触媒コンバータ17と、キャタライズドDPF(Diesel Particulate Filter)18と、が上流側から順に配設されている。
この実施形態では、触媒コンバータ17は、排気中の酸素濃度が所定値(触媒の種類によって異なるが概ね2〜5%程度であり、この例では4%である)以上の酸素過剰雰囲気でNOxを吸蔵する一方、その所定値未満の酸素濃度ではNOxを放出して還元浄化する、所謂NOx吸蔵還元型の触媒からなる。排気中の酸素濃度が前記所定値未満になるのは、燃焼室4の空気過剰率λがλ=1近傍乃至それよりも低い(λ<1)ときである。
前記タービン16及びコンプレッサ12は機械的に接続されてターボ過給機20を構成しており、この実施形態では、可動式のフラップ21,21,…によりタービン16への排気の通路断面積を変化させる可変ターボ過給機(Variable Geometry Turbosupercharger:以下VGTという)が用いられている。
また、排気通路15には、排気マニホールドの集合部にに臨んで開口し、排気の一部を吸気側に還流させる高温の排気の還流通路22(以下高温EGR通路という)の上流端が接続されている。この高温EGR通路22の下流端は下流側吸気絞り弁14よりも下流側で吸気通路10に接続されていて、還流する高温の排気(以下、高温EGRガスという)を吸気通路10に導入するようになっている。高温EGR通路22の途中には高温EGRガスの流量を調節するための電磁弁23(以下高温EGR弁という)が配設されている。
さらに、キャタライズドDPF18よりも排気下流側の部位に臨んで開口するように、低温側の排気還流通路24(以下低温EGR通路という)の上流端が接続されている。この低温EGR通路24の下流端は上流側吸気絞り弁11とコンプレッサ12との間で吸気通路10に接続されていて、前記高温EGRガスに比べて温度の低いEGRガスを吸気通路10に還流させる。また、低温EGR通路24の途中にはEGRガスを冷却するためのEGRクーラ25と、前記高温EGR弁23と同様の電磁弁26(以下低温EGR弁という)とが配設されている。
そして、前記インジェクタ5、吸気絞り弁11,14、VGT20、高温及び低温EGR弁23,26等は、いずれもコントロールユニット(Electronic Control Unit:以下ECUという)30からの制御信号を受けて作動するようになっている。このECU30には、クランク角センサ31の他に少なくとも、外部から吸入される空気(新気)の流量を検出するエアフローセンサ32、吸気の圧力状態を検出する吸気圧センサ33、EGRガスを含めた吸気の温度を検出する吸気温センサ34等からの信号が入力され、さらに、排気中の酸素濃度を検出するリニアO2センサ35と、図示しないアクセルペダルの踏み操作量(アクセル開度)を検出するアクセル開度センサ36と、からの信号もそれぞれ入力される。
(エンジンの基本的な制御)
前記ECU30によるエンジン1の基本的な制御は、主にアクセル開度に基づいて目標トルク(目標となる負荷)を決定し、これに対応する燃料の噴射量や噴射時期等をインジェクタ5の作動制御によって実現するものである。また、吸気絞り弁11,14やEGR弁23,26の開度の制御によってEGRガスの流量(EGR量)を制御するとともに、そのEGRガスの温度も制御して、それが混合された後の吸気温度を調整する。さらに、ECU30は、VGT20のフラップ21,21,…の作動制御によって吸気の過給効率を向上させる。
また、この実施形態では、一例として図2に制御マップを示すように、エンジン1の温間の相対的に低負荷側に予混合燃焼領域(P:第1の運転領域)を設定し、ここではインジェクタ5により主に気筒2の圧縮行程後期に燃料を噴射させ、予め吸気と混合した上で自着火により燃焼させるようにしている。この燃焼は、予混合燃焼が主体の、即ち予混合燃焼の割合が拡散燃焼の割合よりも多い第1の燃焼状態である。
詳しくは後述するが、前記第1の燃焼状態ではEGR弁23,26を相対的に大きく開いてEGR量を増やすとともに、特に低温EGRガスの流量を多くして吸気温度を低下させ、それらの相乗的な作用で所要の着火遅れ時間を確保する。これにより燃料は吸気と適度に混合された状態で着火、燃焼するようになる。以下、この燃焼形態をEGR冷却燃焼とも呼ぶものとする。
一方、予混合燃焼領域(P)以外の高負荷乃至高回転側の運転領域(D:第2の運転領域)では、拡散燃焼の割合が予混合燃焼の割合よりも多い従来一般的なディーゼル燃焼(第2の燃焼状態)とする。すなわち、インジェクタ5により主にTDC近傍で燃料を噴射させて、初期の予混合燃焼に続いて大部分の混合気を拡散燃焼させるようにする(以下、この運転領域(D)を拡散燃焼領域というが、ここではTDC近傍以外でも燃料を噴射するようにしてもよい)。
尚、前記ディーゼル燃焼の際には煤の増大を招かない範囲で、NOxの生成を抑えるように比較的少量のEGRを行うようにすればよいが、エンジン1の負荷が高くなるほど新気の充填量を確保する必要があるので、高負荷側ほどEGR率は低くなる。さらに高回転になればターボ過給機20によって高過給が行われるようになり、EGRは実質的に行われなくなる。
−EGR冷却燃焼−
次に、前記EGR冷却燃焼について図3に示す局所等量比−局所温度マップ(φ−Tマップ)を参照しながら説明する。このφ−Tマップは、局所温度Tと局所等量比φとに関する、HC及びCOの発生領域と、煤(Soot)の発生領域と、NOxの発生領域と、を示す。上述したようにEGR冷却燃焼では、同図に太実線で示すように、EGRにより所要量の排気を還流させて燃焼温度を低下させ、それによってNOxの発生を抑制するとともに、そのEGRを含めた吸気を冷却してその密度を高めることによって、高い空気過剰率を可能とし、局所的に低温(T<1500K)且つ過濃(φ>1)な状態を回避してHC及びCOの発生を抑制する。
そして、前記の吸気冷却とEGRとの組合せによって所要の着火遅れ時間を確保して、煤の生成を抑制するとともに、空気過剰率を高く保つことによって、燃焼中期に生成した煤を燃焼後期において酸化させることができる。すなわち、この燃焼形態では、図に破線で示すように、燃焼中期においては一時的に煤の発生領域に入るものの、空気過剰率が比較的高く、燃焼後期に余剰の酸素が存在していることで煤の酸化が促進され、燃焼終了時には煤の発生領域から脱出するようになっている(同図の白抜きの矢印参照)。
そうして着火遅れを過度に長くしなくても煤の排出が抑制されるため、燃料の噴射時期は圧縮行程後期に、好ましくは圧縮行程終盤の所定範囲(BTDC15〜10°CA)に設定することができる。これは、ディーゼル燃焼の際の噴射時期よりは進角側になっているが、従来一般的な低温予混合燃焼に比べるとTDC近傍にあり、こうして燃料噴射時期をTDC近傍に設定できることから、その熱炎着火、即ち燃焼による熱発生が立ち上がる時期を正確に制御することが可能になり、燃費の向上に有利になる。
以下に、EGR冷却燃焼を実現するための具体的な制御について、図4〜6を参照しながら説明する。この制御においては、高温及び低温EGR弁23,26、吸気絞り弁11,14、及びVGT20を制御することによって、吸気温度、吸気酸素濃度、及び空気過剰率をそれぞれ所定の範囲内になるように制御する。
まず、吸気温度の制御は、図4に示すマップに従い、高温及び低温EGR弁23,26を制御することによって行われる。つまり、高温及び低温EGR弁23,26を制御することによって、EGRクーラ25を通過する低温EGRガス量と、それを通過しない高温EGRガス量との割合を調整して、EGRガス混合後の吸気の温度を制御する。
図4には、エンジン回転数を含めた3次元のマップにおいて燃料噴射量に対する温度範囲を規定する平面を示しており、温度範囲の上限値は、求められる着火遅れ時間を確保することが可能となる温度限界(T限界:煤の発生を抑制する上での局所等量比の限界から定まる)を示しているのに対し、下限値は、HC及びCOの発生が回避される温度限界(T限界:HC及びCOの発生を抑制する上での局所温度の限界から定まる)を示している。
また、燃料噴射量が多いほど(換言すればエンジン負荷が高いほど)上限値及び下限値は低下するように設定されており、これは、燃料噴射量が増えるほど吸気をより冷却して着火遅れを延長させる必要があるためである。尚、下限値の燃料噴射量に対する低下率(マップ上の傾き)は、上限値の低下率よりも小さく設定されているが、この上限値の低下率及び下限値の低下率の相違は、上限値及び下限値を規定する要素が異なることに起因している。
次に、吸気の酸素濃度の制御は、図5に示すマップに従い、高温EGR弁23及び吸気絞り弁14を制御することによって行われる。同図には、エンジン回転数を含めた3次元のマップにおいて燃料噴射量に対する酸素濃度の範囲を規定する平面を示しており、酸素濃度の上限値は、NOxの発生を回避するための酸素濃度限界(NOxの発生を抑制する上での局所温度の限界により定まる)を示しているのに対し、下限値は、HC及びCOの発生を回避するための酸素濃度限界(HC及びCOの発生を抑制する上での局所温度の限界により定まる)を示している。尚、上限値及び下限値は燃料噴射量に拘わらず一定に設定されており、上限値は例えば13.5vol%、下限値は例えば12vol%に設定することが好ましい。これは実験により得られた値である。
次に、空気過剰率の制御は、図6に示すマップに従い、VGT20を制御することによって行われる。同図には、エンジン回転数を含めた3次元のマップにおいて燃料噴射量に対する空気過剰率λの範囲を規定する平面を示しており、空気過剰率λの上限値は、燃焼室に噴射された燃料が自着火しないための限界を示しているのに対し、下限値は、相対的に低負荷側はHC及びCOの発生を抑制するためのφ限界(HC及びCOの発生を抑制する上での局所等量比の限界により定まる)を示し、相対的に高負荷側は煤の発生を抑制するためのφ限界(煤の発生を抑制する上での局所等量比の限界により定まる)を示している。下限値はλ>1に設定されている。
尚、燃焼室4への燃料の噴射を、主に1回の燃焼サイクルにつき1回で行う場合には、燃料噴射量が増大したときに十分な混合時間を確保することが難しくなり、煤の濃度が高くなりやすいが、比較的早期に少量の燃料噴射を行うとともに、TDC近傍において残りの燃料の噴射を行う分割噴射とすれば、燃料噴射量の多いときでも十分な混合時間を確保することができる。
以上のようなEGR冷却燃焼によると、所要量のEGRにより局所燃焼温度を低下させて、NOxの発生を抑制することができるとともに、吸気を冷却してその密度を高めることによって高い空気過剰率を実現でき、局所的に低温(T<1500K)且つ過濃(φ>1)な状態を回避してHC及びCOの発生を抑制することができる。
また、前記の吸気冷却とEGRとの組合せによって着火遅れを長くし、予混合の時間を確保して煤の生成を抑制できるとともに、前記のように空気過剰率が高く保たれることによって、燃焼中期に生成した煤を燃焼後期に酸化させることができ、煤の排出量は非常に少なくすることができる。
−具体的な制御手順−
次に、ECU30によるEGR冷却燃焼の具体的な制御手順について図7のフローチャートを参照して説明する。
まず、スタート後のステップS1では、各種センサ31〜36等からの信号を入力し、続くステップS2では目標トルクTrq及びエンジン回転数Nを演算する。エンジン回転数Nはクランク角センサ31からの信号に基づいて演算され、目標トルクTrqは、エンジン回転数Nとアクセル開度とに基づいて、予めECU30に記憶されているマップ(図示省略)から読み込まれる。尚、そのマップには、アクセル開度が大きいほど、またエンジン回転数が高いほど、目標トルクが大きくなるように設定されている。
ステップS3では、前記ステップS2で求めた目標トルクTrq及びエンジン回転数Nに基づいて、前記図2に一例を示した制御マップから、エンジン1の運転状態が低負荷側の予混合燃焼領域(P)にあるか否か判定する。この判定がNOであれば、詳細説明は省略するが、従来一般的な所謂ディーゼル燃焼となるようにインジェクタ5、吸気絞り弁11,14、VGT20、EGR弁23,26等を制御する一方、予混合燃焼領域(P)にあって判定がYESであれば、ステップS4〜S12に進んで、上述のEGR冷却燃焼となるように制御する。
すなわち、まずステップS4ではエンジン回転数N及び要求トルクTrqに基づいて、図示しないマップから燃料噴射量Q及び噴射タイミングtをそれぞれ読み込み(噴射Q&tを設定)、ステップS5では、そうして読み込んだ燃料噴射量Q及び噴射タイミングtで、インジェクタ5による燃料の噴射を実行する。続いてステップS6では、エンジン回転数N及び燃料噴射量Qに基づいて、図4のマップに従って目標の吸気温度を設定し、ステップS7では、設定した目標吸気温度となるように、高温EGR弁23及び低温EGR弁26をそれぞれ制御する。
ステップS8では、エンジン回転数N及び燃料噴射量Qに基づいて、図5のマップに従って目標の吸気酸素濃度を設定し、ステップS9では、予め設定しているモデルに基づいて酸素濃度の予測を行う。そうして、ステップS10では、ステップS8で設定した目標の吸気酸素濃度とステップS9で予測した吸気酸素濃度とに基づいて、吸気の酸素濃度が目標値となるように低温EGR弁26及び上流側吸気絞り弁11をそれぞれ制御する。
さらに、ステップS11では、エンジン回転数N及び燃料噴射量Qに基づいて、図6のマップに従って目標の空気過剰率λを設定し、この設定した目標空気過剰率λとなるように、続くステップS12においてVGT20を制御して吸気の過給圧を調整し、しかる後にリターンする。
前記フローのステップS6,S7により、エンジン1が予混合燃焼領域(P)にあるとき、EGRを含めた吸気の温度を、燃焼室4に噴射された燃料の所定の着火遅れ時間が確保可能な上限温度よりも低く、且つ排気中のHC及びCOの濃度が各々所定以下となる下限温度よりも高い温度範囲内に制御する吸気温度制御手段30aが構成されている。
また、ステップS8〜10により、エンジン1が予混合燃焼領域(P)にあるとき、混合気の燃焼温度がその高温部分においてもNOx生成温度未満になるように、EGR量を制御するEGR量制御手段30bが構成されている。
さらに、ステップS11,12により、予混合燃焼領域(P)を含めたエンジン1の全運転領域において燃焼室4への空気充填量及び燃料噴射量Qを互いに対応付けて調整し、当該燃焼室4の空気過剰率λをλ>1となるように制御する空気過剰率制御手段30cが構成されている。
−空気過剰率の補正−
ところで、上述したように、この実施形態のディーゼルエンジン1は通常、その全運転領域において空気過剰率λの高い(λ>1)状態で運転されるものであり、このことから燃料成分に対して酸素濃度の過剰な雰囲気となる排気中においてもNOxを浄化できるように、所謂NOx吸蔵還元触媒からなる触媒コンバータ17を備えている。
NOx吸蔵還元触媒は、前記のように酸素濃度の過剰な(例えば酸素濃度が4%以上の)雰囲気下でもNOxを吸蔵することで、排気を浄化することができるものの、そうして吸蔵するNOxの量が増えるに連れてNOx吸蔵能、即ち浄化性能が低下するので、それが許容最大量に達すれば強制的にNOxを放出させて還元浄化させる(所謂リフレッシュ)必要があり、このときには燃焼室4の空気過剰率λをλ=1近傍乃至それ以下にまで低下させて、排気中の酸素濃度を低下させることになる。
しかしながら、そうして触媒のリフレッシュのために空気過剰率λをλ=1近傍乃至それ以下にまで低下させるということは、空気過剰率λの高い(λ>1)状態、即ち吸気損失の少ない状態で運転できる状況下にもかかわらず、例えば吸気絞り弁11,14によって吸気を絞るということであり、燃費の低減という観点からは好ましくない。
特に、通常の空気過剰率λが大きな領域ほど、それをλ≦1とすることによる燃費の悪化度合いは大きく、甚だ好ましくなくい上に、その際には燃焼室4の空気過剰率λが大きく変化することになるから、出力が変動して乗員に違和感を与える虞れもある。
斯かる点に鑑みて、この実施形態では、本発明の特徴として図8に示すように、前記の如くEGR冷却燃焼を行う低負荷側の予混合燃焼領域(P)における高負荷側の特定の領域(図には斜線を入れて示す)、即ち、自動車等において使用頻度の高いエンジン1の低中負荷域において触媒のリフレッシュを行うようにしたものである。この特定領域では前記の如くEGR冷却燃焼が行われ、その際、燃焼室4の空気過剰率λが低めに(例えばλ=1.1〜1.2等)設定されるようになっている。
以下に、具体的な制御手順を図9のフローチャートに基づいて説明すると、まず、スタート後のステップT1では、ECU30のメモリから触媒のNOx吸蔵量(推定値)を読み込む。このNOx吸蔵量の推定は、例えば自動車の走行距離とその間の燃料の総噴射量とを積算し、その積算値に基づいて行うようにすればよい。或いは、エンジン1の運転時間とその間の燃料の総噴射量とを積算し、さらにエンジン1の運転状態に基づいてその積算値を修正した上で、これに基づいてNOx吸蔵量を推定するようにしてもよい。また、より簡単にエンジン1の運転時間の合計に基づいてNOx吸蔵量を推定することも可能である。
続いてステップT2において、前記のように推定したNOx吸蔵量が予め設定した量以上かどうか判定する。この設定量は、従来よりNOx吸蔵還元触媒のリフレッシュが行われる許容最大量に比べて少量であり、触媒に求められるNOx浄化性能に応じて設定される。そして、NOx吸蔵量が設定量未満で判定がNOであれば空気過剰率λの補正は行わずにリターンする。
一方、NOx吸蔵量が設定量以上でYESであればステップT3に進んで、今度はNOx吸蔵量が許容最大量以上かどうか判定する。この判定がYESであれば、NOx吸蔵量が所定以上に多くなって所要の浄化性能を得られない状態なので、ステップT4に進み、エンジン1の運転状態に依らず空気過剰率λの目標値をλ=1に補正して、リターンする。具体的には、上述したEGR冷却燃焼の制御フロー(図7)のステップS11で設定される目標空気過剰率λを書き換えるようにすればよい。
つまり、触媒のNOx吸蔵量が所定以上に多くなって、十分な浄化性能を期待できない状態になれば、エンジンの運転状態に依らず強制的に空気過剰率λをλ=1として、直ちに触媒のリフレッシュを行うようにしている。このことで、触媒コンバータ17による排気の浄化性能を担保することができる。
これに対し、前記ステップT3の判定がNOであれば、NOx吸蔵量は設定量以上で、それが増大するに連れて徐々に浄化性能が低下する状況にはあるが、許容最大量に達するまでには未だ余裕があり、直ちにリフレッシュする必要はないと考えられる。そこで、このときにはステップT5,T6に進み、図8に模式的に示すように、予混合燃焼領域(P)の高負荷側の特定領域(斜線の領域)の目標空気過剰率λをλ=1に補正する。
すなわち、まずは目標空気過剰率λを補正する特定領域をNOx吸蔵量に応じて設定する(T5)。これは、NOx吸蔵量に対応付けて最小から最大までの特定領域のデータを予め実験等により設定したテーブルが、ECU30のメモリに格納されており、このテーブルから読み込んで設定する。そうして設定した特定領域について空気過剰率λがλ=1になるように、上述したEGR冷却燃焼の制御フロー(図7)のステップS11で用いる空気過剰率のマップを書き換えて(T6)、しかる後に、リターンする。
そうして空気過剰率の制御に用いるマップを書き換えると、エンジン1の運転状態が前記特定領域に入る度に燃焼室4の空気過剰率λがλ=1に制御され、排気中の酸素濃度が所定値未満になって触媒のリフレッシュが行われるようになる。また、EGR冷却燃焼が行われる前記特定領域では元々、燃焼室4の空気過剰率λは低めになっているので(λ=1.1〜1.2等)、これをλ=1に補正しても燃費はあまり悪化しないし、エンジン出力の変動や煤の増大を引き起こすこともない。
前記フローのステップT1にて説明したように、この実施形態ではECU30において所定の演算プログラムを実行することで、触媒のNOx吸蔵量を推定するようにしている。よって、その演算プログラムの態様でECU30がNOx吸蔵量の推定手段30dを備えていると言える。図においては便宜上、ステップT1を推定手段30dとして表す。
また、前記フローのステップT4,T6により、推定されたNOx吸蔵量が設定量以上になると、特定領域における目標空気過剰率λをλ=1に、即ち排気中の酸素濃度が所定値未満になるように補正して、触媒のリフレッシュを促進するとともに、それでもNOx吸蔵量が増大して許容最大量に達すれば、エンジン1の運転状態に依らず強制的にλ=1とする、空気過剰率補正手段30eが構成されている。
さらに、ステップT5によって、触媒のNOx吸蔵量に対応して、それが多いほど特定領域を拡大する領域拡大手段30fが構成されている。
したがって、この実施形態に係るディーゼルエンジンの制御装置Aによると、まず、エンジン1が低負荷側の予混合燃焼領域(P)にあるときに、上述したEGR冷却燃焼を行うことで、NOx及び煤の排出量をいずれも非常に少なくしながら、従来までの低温予混合燃焼に見られた排気中のHC、COの増大や燃費の悪化を防止することができ、低エミッション性と燃費低減とが同時に達成される。
また、そうしてEGR冷却燃焼を行う予混合燃焼領域(P)における高負荷側の特定領域、即ち、自動車等で使用頻度の高い低中負荷域において、必要に応じて空気過剰率λをλ=1に補正し、触媒をリフレッシュするようにしたから、エンジン1の運転中に、その出力変動や燃費の悪化を抑えつつ、また、煤の増大も阻止しながら触媒のリフレッシュを促進して、その浄化性能を安定的に確保することができる。
しかも、そうして触媒をリフレッシュする領域をNOx吸蔵量が多いほど拡大するようにしたから、NOx吸蔵量の多少によって最適なリフレッシュ頻度となり、触媒の浄化性能を確保しながら燃費の悪化は十分に軽減できる。
(他の実施形態)
尚、本発明に係るディーゼルエンジンの制御装置は、前記した実施形態に限定されず、その他の種々の構成をも包含する。例えば前記の実施形態ではNOX吸蔵還元触媒をリフレッシュする際に、燃焼室4の空気過剰率λをλ=1に補正するようにしているが、触媒のリフレッシュのためには排気の酸素濃度を所定値未満にしすればよいから、空気過剰率λは、λ=1近傍乃至λ<1とすればよい。
また、前記実施形態では触媒をリフレッシュする特定領域を、NOx吸蔵量が多いほど拡大するようにしているが、特定領域は予め定めた一定の領域としてもよい。
さらに、前記実施形態では、エンジン1が予混合燃焼領域(P)にあるとき、上述した用に特徴的なEGR冷却燃焼を行うようにしているが、これに限らず、例えば公知のHCCI、PCCI、MK燃焼等と呼ばれる種々の低温予混合燃焼を行うことが可能である。
以上説明したように、本発明によれば、ディーゼルエンジンに所謂NOx吸蔵還元型の触媒を備える場合に、そのリフレッシュを促進して浄化性能を安定的に確保しながら、燃費の悪化を軽減できるから、例えば自動車等に搭載する場合に好適なものである。
本発明の実施形態に係るディーゼルエンジンの制御装置の全体構成図である。 エンジンの運転領域を2つに分けて、それぞれ燃料噴射量や噴射パターン等を設定した制御マップの一例を示す説明図である。 本発明の燃焼形態を示すφ−Tマップである。 吸気温度マップの一例を示す説明図である。 吸気酸素濃度マップの一例を示す説明図である。 空気過剰率マップの一例を示す説明図である。 EGR冷却燃焼のための制御手順を示すフローチャートである。 空気過剰率を補正した制御マップを示す図2相当図である。 空気過剰率の補正の制御手順を示すフローチャートである。
符号の説明
A ディーゼルエンジンの制御装置
P 予混合燃焼領域(第1運転領域)
D 拡散燃焼領域(第2運転領域)
1 エンジン
2 気筒
4 燃焼室
5 インジェクタ(燃料噴射弁)
15 排気通路
17 触媒コンバータ(NOx吸蔵還元触媒)
30 コントローラ
30a 吸気温度制御手段
30b EGR量制御手段
30c 空気過剰率制御手段
30d 推定手段
30e 空気過剰率補正手段
30f 領域拡大手段

Claims (4)

  1. 低負荷側の第1運転領域において相対的にEGR量を多くして、予混合燃焼が主体の第1の燃焼状態とする一方、高負荷側の第2運転領域では相対的にEGR量を少なくして、拡散燃焼が主体の第2の燃焼状態とするようにしたディーゼルエンジンの制御装置において、
    エンジンの排気通路には、排気中の酸素濃度が所定値以上の酸素過剰雰囲気下でNOxを吸蔵する一方、酸素濃度の低下に伴いNOxを放出し還元浄化するNOx吸蔵還元触媒が配設され、
    前記第1及び第2運転領域の双方において前記燃焼室への空気充填量及び燃料噴射量を互いに対応付けて調整し、当該燃焼室の空気過剰率λをλ>1となるように制御する空気過剰率制御手段と、
    前記NOx吸蔵還元触媒におけるNOxの吸蔵量を推定する推定手段と、
    前記推定したNOx吸蔵量が予め設定した量以上になると、前記第1運転領域における高負荷側の特定の領域において燃焼室の空気過剰率λを、排気中の酸素濃度が前記所定値未満になるように補正する空気過剰率補正手段と、
    を備えることを特徴とするディーゼルエンジンの制御装置。
  2. エンジンが第1運転領域にあるとき、混合気の燃焼温度がその高温部分においてNOx生成温度未満になるように、EGR量を制御するEGR量制御手段と、
    エンジンが前記第1運転領域にあるとき、EGRを含めた吸気の温度を、燃焼室に噴射された燃料の所定の着火遅れ時間が確保可能な上限温度よりも低く、且つ排気中のHC及びCOの濃度が各々所定以下となる下限温度よりも高い温度範囲内に制御する吸気温度制御手段と、
    を備える、請求項1のディーゼルエンジンの制御装置。
  3. NOx吸蔵還元触媒におけるNOxの吸蔵量に対応して、それが多いほど特定領域を拡大する領域拡大手段を備える、請求項1又は2のいずれかのディーゼルエンジンの制御装置。
  4. 空気過剰率補正手段は、NOx吸蔵還元触媒におけるNOxの吸蔵量が予め設定した量よりも多い許容最大量以上になると、エンジンの現在の運転領域に依らず空気過剰率λの補正を行う、請求項1〜3のいずれか1つのディーゼルエンジンの制御装置。
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