JP2009085055A - 内燃機関 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】各吸気ポート2に対応してそれぞれ設けられた燃料噴射弁4を有し、噴射された燃料が吸気ポート2を通って燃焼室11に供給されるよう構成され、吸気ポート2は、少なくとも燃焼室11と燃料噴射弁4の先端部41との間の領域において曲線部25を有し、曲線部25の曲げ中心から最も離れた内面の曲率半径Rの最小値が40mm以上であり、燃料噴射弁4は、その噴射指向方向Aを、吸気ポート2内の吸気ポート中心軸Cを含む仮想平面に垂直に透視又は投影して当該仮想平面上に表した場合に、噴射指向方向Aと吸気ポート中心軸Cとの交点Pにおける吸気ポート中心軸Cに対する接線Eと噴射指向方向Aとのなす角度θが、θ≦30°の関係となるように配置されている。
【選択図】図1
Description
吸気ポートは、通常、シリンダの軸方向に対して斜めに傾斜して燃焼室方向に向かい、開口部の近傍においてシリンダ軸方向に気流方向が近づくように曲線状に曲がっている。そして、この曲線状に曲がった曲線部の内壁面に特に燃料が付着しやすい傾向にあることが判明した。
上記吸気ポートは、少なくとも上記燃焼室と上記燃料噴射弁の先端部との間の領域において、上記開口部に近づくにつれて吸気ポート中心軸が上記シリンダの中心軸に平行な方向に近づくように曲げられた上記曲線部を有し、該曲線部の曲げ中心から最も離れた内面の曲率半径Rの最小値が40mm以上であり、
上記燃料噴射弁は、その噴射指向方向を、上記吸気ポート内の吸気ポート中心軸を含む仮想平面に垂直に透視又は投影して当該仮想平面上に表した場合に、上記噴射指向方向と上記吸気ポート中心軸との交点における該吸気ポート中心軸に対する接線と上記噴射指向方向とのなす角度θが、θ≦30°の関係となるように配置されていることを特徴とする内燃機関にある(請求項1)。
まず各吸気ポートに対応してそれぞれ燃料噴射弁を設ける噴射装置(以下、複数噴射装置)の特徴を述べる。
複数噴射装置では、1本の燃料噴射弁を設ける噴射装置(以下、従来噴射装置)時にあった「噴霧を2方向に分岐」しなければならない制約が無くなる為、燃料噴射弁の先端位置(燃料噴射位置)をより吸気バルブへ近付けられる。よって従来噴射装置時よりも噴霧を広角に形成しても、吸気ポート内壁への燃料付着が増加しない為、噴霧の広角形成、それに伴う噴霧の微粒化が促進できる。また従来噴射装置時に要求される燃料量を複数の燃料噴射弁でまかなえる為、1本当りの噴射量が低減でき、それに伴う噴霧の微粒化が促進できる。よって複数噴射装置は従来噴射装置と比較して、噴霧の微粒化が促進される特徴を持っている。
このように、本発明によれば、吸気ポート内壁に燃料が付着することを抑制することができる内燃機関を提供することができる。
上記燃料噴射弁は、その噴射指向方向が、上記吸気バルブにおける傘部中心点近傍に向いて配設されており、
上記燃料噴射弁の先端中心点と上記傘部中心点との、上記シリンダの軸方向距離Yと、上記シリンダの径方向距離Xとが、Y>Xの関係にあることを特徴とする内燃機関にある(請求項6)。
上述したごとく、燃料噴射弁から噴射された燃料は、曲がりきれずに吸気ポートの曲線部の外周側内壁面に付着しやすい状況となる。
ここで、本発明では、燃料噴射弁の噴射指向方向を吸気バルブの傘部中心近傍に向け、その上で、上記Y>Xの関係としてある。これにより、その逆の関係(Y≦X)の場合と比べて、燃料の噴射指向方向が、吸気バルブの軸方向に平行な方向に近づき、かつ、燃料噴射弁の先端部から燃焼室への開口部までの距離も相対的に小さくなる。そのため、上述したθを小とした場合と同様な、(1)噴霧流速ベクトルと空気流速ベクトルの合成ベクトル(気流に乗った噴霧の流速ベクトル)の方向がよりシリンダ側になる、(2)噴霧に働く遠心力の方向がよりシリンダ側になる効果が得られ、上記曲線部の外周側内壁面に衝突する割合を小さくすることができる。
このように、本発明によれば、吸気ポート内壁に燃料が付着することを抑制することができる内燃機関を提供することができる。
なお、上記曲率半径Rの最小値とは、上記曲線部における曲率は必ずしも一定とは限らず、徐々に変化する場合があるので、その場合には、最も曲率半径Rが小さい最小値によって判断することを示したものである。
上記燃料噴射弁の先端中心点と上記傘部中心点との、上記シリンダの軸方向距離Yと、上記シリンダの径方向距離Xとが、Y>Xの関係にあることが好ましい(請求項2)。この構成は、上記第2の発明が有する特徴であるが、これを具備することによって、上述した第2の発明の作用効果も相俟って、さらに、燃料噴射弁から噴射された燃料が吸気ポートの内壁面に付着する現象を抑制する効果を向上させることができる。
なお、燃料噴射弁の先端中心点は、燃料噴射弁における最も先方(噴射方向)に突出した位置を含む、燃料噴射弁の中心軸に直交する平面上において、その中心軸と交わる点とする。
また、上記2つの燃料噴射弁は、略平行に配設されていることが好ましい(請求項5、9)。この場合には、特に、燃料噴射弁の取り付け作業をさらに容易化することができる。
本発明の実施例に係る内燃機関につき、図1〜図9を用いて説明する。
本例の内燃機関1は、図1に示すごとく、シリンダ10の燃焼室11に開口する複数の吸気ポート2と、該吸気ポート2を開閉する吸気バルブ3と、各吸気ポート2に対応してそれぞれ設けられた燃料噴射弁4とを有し、該燃料噴射弁4から噴射された燃料が上記吸気ポート2における開口部29近傍の曲線部25を通って燃焼室11に供給されるよう構成された内燃機関である。
また、上記燃料噴射弁4は、その噴射指向方向Aを、上記吸気ポート2内の吸気ポート中心軸Cを含む仮想平面に垂直に透視又は投影して当該仮想平面上に表した場合に、上記噴射指向方向Aと上記吸気ポート中心軸Cとの交点Pにおける該吸気ポート中心軸Cに対する接線Eと上記噴射指向方向Aとのなす角度θが、θ≦30°の関係となるように配置されている。
本例の内燃機関1は、図1、図2に示すごとく、2つの吸気ポート2を備え、そのそれぞれに対応して吸気バルブ3と燃料噴射弁4とが配設されている。図2に示すごとく、2つの吸気ポート2は、上流側の1本の吸気管20よりなる吸気通路から分岐内壁21によって略Y字状に2つに分岐されて形成されている。各吸気ポート2は、シリンダ10の軸方向に対して傾斜した方向から燃料室11に向かい、吸気バルブ3の軸(ステム)31配設位置付近から開口部29にかけて気流方向がシリンダ10の軸方向に近づくように曲線状に曲がった曲線部25が設けられている。
また、シリンダ10内には、ピストン13が摺動可能に配設されており、ピストン13は燃焼室11内での燃料の燃焼に応じて進退するように構成されている。
さらに、同図に示すごとく、2つの燃料噴射弁4は、シリンダ10の軸方向から見た状態で2つの吸気ポート2の間を2分すると共にシリンダ中心軸Dを含む中心平面dを境にして、左右対称な位置関係に配置されている。そして、2つの燃料噴射弁4は、略平行に配設されている。
本例のいわゆる複数噴射装置の場合には、上述したごとく、各燃料噴射弁4から噴射された燃料が、上記曲線部25の曲がり方向の外周側、つまり、その曲がりの曲げ中心から最も離れている外周側内壁面255に付着しやすい状況となる。
図5に示す燃料噴射弁は、ボディ43の先端に設けられた噴孔プレート45の外側を覆うスリーブ46を備えたものである。この場合の燃料噴射弁の先端中心点bは、燃料噴射弁の中心軸a(噴射指向方向A)とスリーブ46の先端面を含む平面とが交わる点である。
図7に示す燃料噴射弁は、噴孔プレート45の一部が先方(噴射方向)に突出する円錐状の突出部453となっているタイプのものである。この場合の燃料噴射弁の先端中心点bは、燃料噴射弁の中心軸a(噴射指向方向A)と突出部453の先端面とが交わる点である。
図9に示す燃料噴射弁は、ニードル44がボディ43から突出し、かつ、その外側をスリーブ46が覆っているタイプのものである。この場合の燃料噴射弁の先端中心点bは、燃料噴射弁の中心軸a(噴射指向方向A)とスリーブ46の先端面を含む平面とが交わる点である。
10 シリンダ
11 燃焼室
2 吸気ポート
25 曲線部
29 開口部
3 吸気バルブ
4 燃料噴射弁
Claims (9)
- シリンダの燃焼室に開口する複数の吸気ポートと、該吸気ポートを開閉する吸気バルブと、各吸気ポートに対応してそれぞれ設けられた燃料噴射弁とを有し、該燃料噴射弁から噴射された燃料が上記吸気ポートにおける開口部近傍の曲線部を通って上記燃焼室に供給されるよう構成された内燃機関において、
上記吸気ポートは、少なくとも上記燃焼室と上記燃料噴射弁の先端部との間の領域において、上記開口部に近づくにつれて吸気ポート中心軸が上記シリンダの中心軸に平行な方向に近づくように曲げられた上記曲線部を有し、該曲線部の曲げ中心から最も離れた内面の曲率半径Rの最小値が40mm以上であり、
上記燃料噴射弁は、その噴射指向方向を、上記吸気ポート内の吸気ポート中心軸を含む仮想平面に垂直に透視又は投影して当該仮想平面上に表した場合に、上記噴射指向方向と上記吸気ポート中心軸との交点における該吸気ポート中心軸に対する接線と上記噴射指向方向とのなす角度θが、θ≦30°の関係となるように配置されていることを特徴とする内燃機関。 - 請求項1において、上記燃料噴射弁は、上記噴射指向方向が、上記吸気バルブにおける傘部中心点近傍に向いて配設されており、
上記燃料噴射弁の先端中心点と上記傘部中心点との、上記シリンダの軸方向距離Yと、上記シリンダの径方向距離Xとが、Y>Xの関係にあることを特徴とする内燃機関。 - 請求項1又は2において、上記吸気ポートは2つ設けられており、2つの上記燃料噴射弁の先端中心点間の距離が、上記2つの吸気バルブ軸間の距離よりも小さくなるように配設されていることを特徴とする内燃機関。
- 請求項3において、上記2つの燃料噴射弁は、シリンダ軸方向から見た状態で2つの吸気ポートの間を2分すると共にシリンダ中心軸を含む中心平面を境にして、左右対称な位置関係に配置されていることを特徴とする内燃機関。
- 請求項3又は4において、上記2つの燃料噴射弁は、略平行に配設されていることを特徴とする内燃機関。
- シリンダの燃焼室に開口する複数の吸気ポートと、該吸気ポートを開閉する吸気バルブと、各吸気ポートに対応してそれぞれ設けられた燃料噴射弁とを有し、該燃料噴射弁から噴射された燃料が上記吸気ポートにおける開口部近傍の曲線部を通って上記燃焼室に供給されるよう構成された内燃機関において、
上記燃料噴射弁は、その噴射指向方向が、上記吸気バルブにおける傘部中心点近傍に向いて配設されており、
上記燃料噴射弁の先端中心点と上記傘部中心点との、上記シリンダの軸方向距離Yと、上記シリンダの径方向距離Xとが、Y>Xの関係にあることを特徴とする内燃機関。 - 請求項6において、上記吸気ポートは2つ設けられており、2つの上記燃料噴射弁の先端中心点間の距離が、上記2つの吸気バルブ軸間の距離よりも小さくなるように配設されていることを特徴とする内燃機関。
- 請求項7において、上記2つの燃料噴射弁は、シリンダ軸方向から見た状態で2つの吸気ポートの間を2分すると共にシリンダ中心軸を含む中心平面を境にして、左右対称な位置関係に配置されていることを特徴とする内燃機関。
- 請求項7又は8において、上記2つの燃料噴射弁は、略平行に配設されていることを特徴とする内燃機関。
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