JP2009084238A - シート状パック化粧料 - Google Patents

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Abstract

【課題】 使用時に不快な液垂れ及び肌への冷感・熱感を与えることがなく、保湿効果が高くべたつきの少ない使用感を有し、長期保存安定性に優れたシート状パック化粧料を提供する。
【解決手段】 乳化組成物の総量を基準として、60.0〜80.0質量%の多価アルコールと、常温で固形又は半固形状である高級アルコール、常温で固形又は半固形状である高級アルコール以外の油性成分、陰イオン性界面活性剤、及び水を含有し、多価アルコールと水との配合比が、質量比で1.5:1〜6.0:1である乳化組成物を、支持体上及び/又は支持体内に保持させてなるシート状パック化粧料。
【選択図】なし

Description

本発明はスキンケア分野において使用するシート状化粧料に関し、更に詳しくは使用時に不快な液垂れ及び肌への冷感・熱感を与えることがなく、保湿効果が高くべたつきの少ない使用感を有し、長期保存安定性に優れたシート状パック化粧料に関するものである。
肌に保湿効果を付与することを目的とする化粧料のひとつにシート状パック化粧料がある。不織布などの支持体に化粧水、乳液、クリーム等を保持させたもの(例えば、特許文献1〜3参照。)や、高分子を架橋させた膏体に有効成分を保持させたもの(例えば、特許文献4、5参照。)などがある。しかしながら、化粧水、乳液では流動性を有するために、使用時に垂れや流れ等が生じると共に、適用部位に塗布しても比較的早く乾燥してしまい、保湿効果を持続させることができず、手指等の汚染や、時には衣服等の汚染を伴うこともあり、取り扱い性の点で満足できるものではない。また、特に冬季等で室温が低い場合の使用では、肌への冷感が不快感を与えてしまう。クリームを保持させたシート状パック化粧料では使用時の垂れや流れ等は比較的生じにくいものの、不快な肌への冷感は対してはいまだ十分とはいえなく、べたつきに対しても満足のいくものではない。高分子を架橋させた膏体に有効成分を保持させたシート状パック化粧料では膏体自体に粘着力があり、皮膚への密着性を高くして持続的に患部を被覆することができるが、架橋された高分子によって保湿成分が強く保持されているため、保湿効果に関して、不十分な点がある。
特開2002−114664号公報 特開2004−035459号公報 特開2005−097124号公報 特開昭58−180408号公報 特開2001−213725号公報
本発明は上記従来技術の問題点を解決するためになされたものであって、使用時に不快な液垂れ及び肌への冷感・熱感を与えることがなく、保湿効果が高くべたつきの少ない使用感を有し、長期保存安定性に優れたシート状パック化粧料を提供することを目的とする。
本発明者は上記事情に鑑み、鋭意研究を重ねた結果、多価アルコールと、高級アルコール、高級アルコール以外の油性成分、陰イオン性界面活性剤、及び水を含有し、多価アルコールと水とが特定の配合比である乳化組成物を、支持体上及び/又は支持体内に保持させてなるシート状パック化粧料により、上記課題を解決し得ることを見出し、本発明を完成したものである
すなわち本発明は、乳化組成物の総量を基準として、60.0〜80.0質量%の多価アルコールと、常温で固形又は半固形状である高級アルコール、常温で固形又は半固形状である高級アルコール以外の油性成分、陰イオン性界面活性剤、及び水を含有し、多価アルコールと水との配合比が、質量比で1.5:1〜6.0:1である乳化組成物を、支持体上及び/又は支持体内に保持させてなるシート状パック化粧料である。
また本発明のシート状パック化粧料においては、支持体に保持させる乳化組成物中の多
価アルコールと水との配合比が、質量比で3.0:1〜6.0:1であることが好ましい。
本発明のシート状パック化粧料は、特定の乳化組成物を用いることにより、使用時に不快な液垂れ及び肌への冷感・熱感を与えることがなく、保湿効果が高くべたつきの少ない使用感を有し、長期保存安定性に優れる。
以下、本発明について詳述する。
本発明のシート状パック化粧料は、多価アルコールと、高級アルコール、高級アルコール以外の油性成分、陰イオン性界面活性剤、及び水を含有し、多価アルコールと水とが特定の配合比である乳化組成物を、支持体上及び/又は支持体内に保持させてなるシート状パック化粧料であり、多価アルコールの配合量、多価アルコールと水との配合比を選択することによって、使用時に不快な液垂れ及び肌への冷感・熱感を与えることがなく、保湿効果が高くべたつきの少ない使用感を有する。
本発明のシート状パック化粧料は、乳化組成物を皮膚に密着させることによって、皮膚への保湿効果を長く維持でき、また支持体による閉塞効果で更に保湿効果を増すことができる。更に支持体に保持された乳化組成物の水分蒸散抑制効果が高いので、これを包装した容器中、及び支持体等にカビ等の微生物が繁殖するのを防ぎ、長期間高い保湿効果を維持した良好な状態を保つことができる。
本発明に用いられる多価アルコールとしては、通常化粧料で使用されているものであれば特に制限されない。例えばグリセリン、ジグリセリン、ポリグリセリン、エチレングリコール、ジエチレングリコール、ポリエチレングリコール、プロピレングリコール、ジプロピレングリコール、トリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール、1,3−ブチレングリコール、イソプレングリコール、ソルビトール、マルチトール等が挙げられる。これらの内、グリセリン、ジグリセリン、ポリエチレングリコール、1,3−ブチレングリコール、ソルビトール、及びマルチトールは、保湿効果やべたつきの少なさ長期保存安定性に優れる点から好ましい。
本発明に用いられる多価アルコールの配合量としては、乳化組成物の総量を基準として、60.0〜80.0質量%である。配合量が60.0質量%未満であると、保湿効果が悪くなり、使用時に肌への冷感が強くなり、80.0質量%を超えて配合すると、使用時にべたつき感が増加し、好ましくない。
本発明に用いられる常温で固形又は半固形状である高級アルコールとしては、セチルアルコール、ミリスチルアルコール、ステアリルアルコール、アラキルアルコール、ベヘニルアルコール、コレステロール、フィトステロール等が挙げられる。また高級アルコールの配合量としては、乳化組成物の総量を基準として、0.2〜4.0質量%が好ましい。配合量が0.2質量%未満、又は4.0質量%を超えて配合すると、乳化安定性が悪くなる場合があり、支持体に保持させるのに適した粘度を保つことが難しくなり好ましくない。また、配合量が0.2質量%未満の場合、べたつきが強くなる場合や液垂れが気になる場合があり好ましくない。
本発明に用いられる常温で固形又は半固形状である高級アルコール以外の油性成分としては、流動パラフィン、パラフィン、軽質イソパラフィン、軽質流動イソパラフィン、流動イソパラフィン、スクワラン、植物性スクワラン、セレシン、マイクロクリスタリンワ
ックス等の炭化水素、ラウリン酸、ミリスチン酸、パルミチン酸、ステアリン酸、ベヘニン酸、オレイン酸、イソステアリン酸、12−ヒドロキシステアリン酸、ウンデシレン酸等の脂肪酸、ミリスチン酸イソプロピル、パルミチン酸イソプロピル、ステアリン酸エチル、オレイン酸エチル、リノール酸イソプロピル、カプリル酸セチル、ラウリン酸ヘキシル、ミリスチン酸デシル、パルミチン酸セチル、ステアリン酸ステアリル、オレイン酸オレイル、リシノール酸セチル、ラウリン酸イソステアリル、ミリスチン酸オクチルドデシル、パルミチン酸2−エチルヘキシル、パルミチン酸イソステアリル、ステアリン酸2−エチルヘキシル、オレイン酸イソデシル、リシノール酸オクチルドデシル、イソステアリン酸エチル、イソステアリン酸イソプロピル、2−エチルヘキサン酸セトステアリル、2−エチルヘキサン酸ステアリル、イソステアリン酸ヘキシル、ジオクタン酸エチレングリコール、ジオレイン酸エチレングリコール、ジカプリル酸プロピレングリコール、ジ(カプリル・カプリン酸)プロピレングリコール、ジオレイン酸プロピレングリコール、ジカプリン酸ネオペンチルグリコール、ジオクタン酸ネオペンチルグリコール、トリカプリル酸グリセリル、トリ2−エチルヘキサン酸グリセリル、トリ(カプリル・カプリン酸)グリセリル、トリウンデシル酸グリセリル、トリイソパルミチン酸グリセリル、トリイソステアリン酸グリセリル、テトラミリスチン酸ペンタエリスリトール、オクタン酸イソステアリル、ジメチルオクタン酸オクチルドデシル、イソステアリン酸イソセチル、ヒドロキシステアリン酸2−エチルヘキシル、セバシン酸ジイソプロピル、ステアリン酸コレステリル、オレイン酸フィトステリル、12−ヒドロキシステアリン酸イソステアリル等のエステル油、アボガド油、アルモンド油、オリーブ油、ククイナッツ油、ゴマ油、小麦胚芽油、コメ胚芽油、コメヌカ油、サザンカ油、サフラワー油、大豆油、月見草油、ツバキ油、トウモロコシ油、ナタネ油、パーシック油、パーム核油、パーム油、ヒマシ油、ヒマワリ油、ホホバ油、グレープシード油、マカデミアナッツ油、綿実油、メドウホーム油、ヤシ油、落花生油、ローズヒップ油等の植物性油脂、牛脂、豚脂、馬脂、タートル油、ミンク油、卵黄油、パーセリン油等の動物性油脂、カルナウバロウ、キャンデリラロウ、コメヌカロウ、ラノリン、ミツロウ等のロウ、メチルポリシロキサン、メチルフェニルポリシロキサン、シリコーン樹脂、メチルハイドロジェンポリシロキサン、メチルシクロポリシロキサン、オクタメチルトリシロキサン、テトラメチルヘキサシロキサン、高重合メチルポリシロキサン等のシリコーン油、パーフルオロポリエーテル等のフッ素油等が挙げられる。また高級アルコール以外の油性成分の配合量としては、乳化組成物の総量を基準として、5.0〜20.0質量%が好ましい。配合量が5.0質量%未満であると保湿効果が不十分な場合があり、多価アルコールのべたつきを抑えることが不十分となる場合があり、20.0質量%を超えて配合すると、乳化安定性が悪くなる場合があり、また油のべたつきが気になる場合もあり好ましくない。
本発明に用いられる陰イオン性界面活性剤としては、脂肪酸セッケン、α−アシルスルホン酸塩、アルキルスルホン酸塩、アルキルアリルスルホン酸塩、アルキルナフタレンスルホン酸塩、セチル硫酸ナトリウム等のアルキル硫酸塩、アルキルエーテル硫酸塩、アルキルアミド硫酸塩、ポリオキシエチレンアルキルエーテル硫酸塩、ポリオキシエチレンアルキルアミドエーテル硫酸塩、アルキルリン酸塩、アルキルアミドリン酸塩、アルキロイルアルキルタウリン塩、N−ステアロイル−L−グルタミン酸ナトリウム等のN−アシルアミノ酸塩、スルホコハク酸塩、パーフルオロアルキルリン酸エステル等が挙げられる。また陰イオン性界面活性剤の配合量としては、乳化組成物の総量を基準として、0.2〜0.8質量%が好ましい。配合量が0.2質量%未満であると乳化安定性が悪くなる場合があり、0.8質量%を超えて配合すると、皮膚への刺激等の問題があり好ましくない。
本発明の乳化組成物中の多価アルコールと水との配合比としては、質量比で1.5:1〜6.0:1である。質量比で1.5:1よりも多価アルコールが少なくなると使用時に不快な肌への冷感を与えることとなり、6.0:1よりも多価アルコールが多くなると使用時に不快な肌への熱感を与えることとなる。また、質量比で1.5:1よりも多価アル
コールが少なくなると使用時に不快な液垂れを起こしやすくなる場合もある。不快な肌への冷感を与えることのない更に好ましい場合としては、質量比で3.0:1よりも多価アルコールが多い場合である。
本発明の乳化組成物にはこれらの他にも、例えば一般に化粧料で用いられている増粘剤、香料等をはじめ、pH調整剤、防腐剤、酸化防止剤、紫外線吸収剤、顔料、並びに美容、美顔及び皮膚の治療等を目的とする薬効成分等の各種化粧料成分を適宜配合することができる。
増粘剤としては、例えばカルボキシビニルポリマー、アルキル変性カルボキシビニルポリマー、ポリビニルアルコール、ポリビニルピロリドン、ポリ酢酸ビニル、ポリアクリル酸ナトリウム、カルボキシメチルセルロース、ヒドロキシメチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、トラガントガム、アルギン酸ナトリウム、カラギーナン、キサンタンガム、ジェランガム、寒天、ペクチン、ゼラチン、ポリアクリルアミド、ベントナイト、スメクタイト、無水ケイ酸等が挙げられる。
pH調整剤としては、例えばクエン酸、クエン酸ナトリウム、リン酸一水素ナトリウム、リン酸二水素カリウム、乳酸、酒石酸等の有機酸、無機酸及びその塩類等が挙げられる。
防腐剤としては、例えばメチルパラベン、エチルパラベン、プロピルパラベン、ブチルパラベン等のパラオキシ安息香酸エステル、フェノキシエタノール、エタノール、デヒドロ酢酸等が挙げられる。
酸化防止剤としては、例えばブチルオキシトルエン(BHT)等が挙げられる。
紫外線吸収剤としては、例えばパラメトキシケイ皮酸2−エチルヘキシル(別名;パラメトキシケイ皮酸オクチル)、2−ヒドロキシ−4−メトキシベンゾフェノン、2−ヒドロキシ−4−メトキシベンゾフェノン−5−硫酸、2,2−ジヒドロキシ−4−メトキシベンゾフェノン、p−メトキシハイドロケイ皮酸ジエタノールアミン塩、パラアミノ安息香酸等が挙げられる。
顔料としては、例えばベンガラ、黄酸化鉄、黒酸化鉄、酸化チタン、ナイロンパウダー、酸化亜鉛、セリサイト、マイカ、タルク等が挙げられる。
薬効成分としては、アシタバエキス、アボガドエキス、アマチャエキス、アルテアエキス、アルニカエキス、アロエエキス、アンズエキス、アンズ核エキス、イチョウエキス、ウイキョウエキス、ウコンエキス、ウーロン茶エキス、エチナシ葉エキス、オウゴンエキス、オウバクエキス、オオムギエキス、オランダカラシエキス、オレンジエキス、海藻エキス、海水乾燥物、加水分解エラスチン、加水分解コムギ末、加水分解シルク、カモミラエキス、カロットエキス、カワラヨモギエキス、甘草エキス、カルカデエキス、キウイエキス、キナエキス、キューカンバーエキス、グアノシン、クマザサエキス、クルミエキス、グレープフルーツエキス、クレマティスエキス、酵母エキス、ゴボウエキス、コンフリーエキス、コケモモエキス、サイコエキス、サイタイ抽出液、サルビアエキス、サボンソウエキス、ササエキス、サンザシエキス、シイタケエキス、ジオウエキス、シコンエキス、シナノキエキス、シモツケソウエキス、ショウブ根エキス、シラカバエキス、スギナエキス、スイカズラエキス、セイヨウキズタエキス、セイヨウサンザシエキス、セイヨウニワトコエキス、セイヨウノコギリソウエキス、セイヨウハッカエキス、ゼニアオイエキス、センブリエキス、タイソウエキス、タイムエキス、チョウジエキス、チガヤエキス、チンピエキス、トウヒエキス、ドクダミエキス、トマトエキス、納豆エキス、ニンジンエキ
ス、ノバラエキス、ハイビスカスエキス、バクモンドウエキス、パセリエキス、蜂蜜、パリエタリアエキス、ヒキオコシエキス、ビサボロール、フキタンポポエキス、フキノトウエキス、ブクリョウエキス、ブッチャーブルームエキス、ブドウエキス、プロポリス、ヘチマエキス、ペパーミントエキス、ボダイジュエキス、ホップエキス、マツエキス、マロニエエキス、ミズバショウエキス、ムクロジエキス、モモ葉エキス、ヤグルマギクエキス、ユーカリエキス、ユズエキス、ヨモギエキス、ラベンダーエキス、リンゴエキス、レタスエキス、レモンエキス、レンゲソウエキス、ローズエキス、ローズマリーエキス、ローマカミツレエキス、ローヤルゼリーエキス等が挙げられる。
またデオキシリボ核酸、ムコ多糖類、ヒアルロン酸ナトリウム、コンドロイチン硫酸ナトリウム、コラーゲン、エラスチン、キチン、キトサン、加水分解卵殻膜等の生体高分子、ε−アミノカプロン酸、グリチルリチン酸、グリチルリチン酸二カリウム、β−グリチルレチン酸、塩化リゾチーム、グアイアズレン、ヒドロコルチゾン等の抗炎症剤、ビタミンA,B2,B6,C,D,E,パントテン酸カルシウム、ビオチン、ニコチン酸アミド等のビタミン類、アラントイン、ジイソプロピルアミンジクロロアセテート、4−アミノメチルシクロヘキサンカルボン酸等の活性成分、カロチノイド、フラボノイド、タンニン、リグナン、サポニン等の抗酸化剤、γ−オリザノール、ビタミンE誘導体等の血行促進剤、β−カロチン、タンパク質分解酵素等の創傷治癒剤、セファランチン、トウガラシチンキ、ヒノキチオール、ヨウ化ニンニクエキス、塩酸ピリドキシン、DL−α−トコフェロール、酢酸DL−α−トコフェロール、ニコチン酸、ニコチン酸誘導体、パントテン酸カルシウム、アセチルパントテニルエチルエーテル、ビオチン、アラントイン、イソプロピルメチルフェノール、エストラジオール、エチニルエステラジオール、塩化カプロニウム、塩化ベンザルコニウム、塩酸ジフェンヒドラミン、カンフル、サリチル酸、ノニル酸バニリルアミド、ノナン酸バニリルアミド、ピロクトンオラミン、ペンタデカン酸グリセリル、l−メントール、メントールのピロリドンカルボン酸塩、モノニトログアヤコール、尿素、レゾルシン、γ−アミノ酪酸、塩化ベンゼトニウム、塩酸メキシレチン、オーキシン、女性ホルモン、カンタリスチンキ、シクロスポリン、ヒドロコルチゾン、鎮痛剤、精神安定剤、抗高血圧剤、抗生物質、抗ヒスタミン剤、抗菌性物質等も任意に配合することができる。
本発明に用いられる支持体としては、その材質に特に制限はなく、本発明の乳化組成物を良好に上面及び/又は内部に保持できるものであればよく、例えば織布、不織布等で乳化組成物との浸透相性の良好なものを選択できる。その材質としてはポリエステル、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリアミド、ポリ塩化ビニル、ポリウレタン、レーヨン、キュプラ、綿、麻、絹、パルプ等が挙げられる。
また支持体内部全体にこの乳化組成物を含浸させた場合には、乳化組成物が支持体の裏面(背面)から滲み出して、手指等を汚染する可能性があるので、このような場合には支持体の裏面にプラスチックフィルム等を積層して裏抜け防止を行ってもよい。
次に、本発明を実施例により更に詳細に説明するが、本発明はこれによって何ら限定されるものではない。尚、特に説明のない限り、配合量は全て質量%である。
<実施例1〜3、比較例1〜2>
下記表1中の油相(1)〜(3)、及び水相(4)〜(6)、(9)を別々の容器で80℃に加熱し、完全に溶解した後、油相に水相を投入しながら攪拌し、次いで(7)、(8)を混ぜ合わせてホモミキサーで均一に乳化分散し、35℃まで冷却して、乳化組成物を得た。得られた乳化組成物を綿100%のフェイスマスク形状の不織布(目付量60g/m)に塗工し、不織布の上面、及び内部に乳化組成物が保持されたシート状パックと
した。塗工量は120g/mとした。
Figure 2009084238
<比較例3>
下記表2中(1)〜(3)を均一に溶解し、予め(4)に(5)を溶解させた溶液を更に加えて攪拌し、更に(6)を加えて均一な液状物を得る。得られた液状物をポリエステルフィルムに溶液としての塗布厚が1mmとなるようにして塗布し、PET100%のフェイスマスク形状の不織布(目付量60g/m)を貼り合せて、60℃で約10時間加熱放置し、ゲル状シート状パックを得た。
Figure 2009084238
実施例1〜3、及び比較例1〜3について、各々のサンプルはアルミ積層フィルムの袋に包装し、使用試験を行って効果を比較した。使用試験は30〜39歳、40〜49歳の女性パネラー5名ずつに上記実施例1〜3、及び比較例1〜3のシート状パックを洗顔後の顔面に15分間使用してもらい、使用時の使用感、及び翌日の肌状態を総合評価してもらった。各々のサンプルの使用は中2日を空けて実施した。各々の評価をした人数で結果を表3に示す。
実施例1〜3、及び比較例1〜3について、各々のサンプルはアルミ積層フィルムの袋に包装し、保存安定性を比較した。各々のサンプルを50℃に2週間及び1ヶ月間保存した後の状態を目視で観察し、1ヶ月後でも状態に全く変化がないものは○、1ヶ月後わずかに分離がみられるものは△、2週間後すでに分離がみられるものは×と評価した。結果を表3に併せて示す。
Figure 2009084238
表3より、実施例1〜3のシート状パックは、使用時に不快な液垂れ及び肌への冷感・熱感を与えることがなく、保湿効果が高くべたつきの少ない使用感を有していた。また、長期保存安定性にも優れていた。一方、比較例1〜3では、これらを十分満足する結果は得られなかった。

Claims (2)

  1. 乳化組成物の総量を基準として、60.0〜80.0質量%の多価アルコールと、常温で固形又は半固形状である高級アルコール、常温で固形又は半固形状である高級アルコール以外の油性成分、陰イオン性界面活性剤、及び水を含有し、多価アルコールと水との配合比が、質量比で1.5:1〜6.0:1である乳化組成物を、支持体上及び/又は支持体内に保持させてなるシート状パック化粧料。
  2. 支持体に保持させる乳化組成物中の多価アルコールと水との配合比が、質量比で3.0:1〜6.0:1であることを特徴とする請求項1記載のシート状パック化粧料。
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