JP2009083493A5

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Publication number: JP2009083493A5
Application number: JP2008254505A
Authority: JP
Filing date: 2008-09-30
Publication date: 2011-10-27
Anticipated expiration: 2028-09-30

Description

射出成形機

電動射出成形機では、通常、中空軸を備えたトルクモータ（高トルクのギヤレス直接駆動装置）が採用されている。

その場合、電動機回転子は必然的に大きな質量慣性モーメントを有する。従って、電動射出成形機においては、生産に対する「立上り（hochlauflosenden）」サイクル時間の他に、技術的プロセスに対しても、部品をきっちりと製造可能とすべく、必然的に高い動特性駆動が必要である。

従来技術による電動射出成形機においては、今日要求される高い動特性は、大きな駆動動力（主にトルク）の設定によって実現されている。ところが、この場合、加速時間を稼ぐ（短縮する）ために、例えば設定電力ないし有用トルクの９０％以上が、電動機回転部品の加速のために用いられるべく、射出軸へと供給されることとなる。

特に中空軸形電動機の場合、電動機ないしスピンドルには一般に、大きな質量慣性が働く。従って、その軸を加速する際、その軸自体の線形運転に差し向けられるよりも大きなエネルギが、部分的に電動機・スピンドル複合体の回転モーメントに対抗して高い動特性を確保するという目的達成のために差し向けられざるを得ないこととなる。このことは、特に射出軸において極めて重要である。
このように、従来技術では、電気機械は相変わらず液圧方式の機械に匹敵するような速度と加速が得られないという問題があった。

本発明の課題は、特に従来に比べて小さな設定駆動動力ないし小さな有用トルクで以て、薄肉部品も問題なく射出成形できるように、動力伝達系、即ち電動機回転部分および／又は射出成形機の回転部分における質量慣性モーメントを低減することにある。

射出成形機の動力伝達系における質量慣性モーメントを低減すべく、元々従来の電動機回転子に付設されていた所要の永久磁石および機械的に必要な遊星ローラスピンドル（Planetenrollspindel）或いは球状ローラスピンドル（Kugelrollspindel）を、一体形のコンパクトな機械電気構造体として形成することを、本願は提案するものである。

射出成形機のかかる変更されたスピンドルへの永久磁石の直接設置によって、質量並びに回転部品の直径が減少する。これに伴って得られる加速度値は、いまや上記のようなスピンドル上に配置された永久磁石を含む必要がなくなって、小さくなった電動機回転子の、その小さな直径の自乗に応じて増大する。
上記の永久磁石は、遊星ローラスピンドル或いは球状ローラスピンドル、又はスピンドルナット（Spindelmutter）上に設けられる。

その際、従来技術と異なり、トルクモータの中空軸を省くことが可能となる。従来は中空軸上に設けられていた永久磁石は、本発明によればスピンドル上又はスピンドルナット上に磁気回路を形成できる。このようにして、本発明に係る射出成形機のためのトルク／スピンドルモータが提供される。

上記のような本発明に基づく考えを電動射出成形機に利用した場合、薄肉部品も、液状プラスチックを低温成形型に注入する際にそのプラスチックが凝固するといった問題なしに射出成形できる加速度値が得られる。

即ち、本発明によれば、射出成形機の遊星ローラスピンドル或いは球状ローラスピンドル上又はスピンドルナット上に永久磁石を設けた射出成形機が提供される。
かくして、本発明によれば、従来の射出成形機と比べて低い設定駆動動力で、特に上述したような薄肉部品を問題なしに射出成形可能とするべく同等かむしろ大きな加速度値が得られる、という特別な効果が奏される。

射出成形機の技術分野とは無関係に、従来から、永久磁石を回転するスピンドルナット上に接着したサーボモータは知られていた。しかし従来は、その処置によって動力分配を改善して長い寿命を得ることしか知られていなかった。また、かかるモータは、射出成形機では上述の如く一般にかなり高い駆動動力が必要なため、射出成形機での採用に対し有利でないか技術的に使用できないと思われる出力等級に対して適合するものしか、知られていない。射出成形機の遊星ローラスピンドル又は球状ローラスピンドルないしスピンドルナットに永久磁石を一体化することで、必要な駆動動力が減り、そこで初めて動力的にも小形モータが主に利用できる、という認識こそが、本発明に基づく認識部分であり、従って本発明は従来技術に属さないものである。

従来の射出成形機で通常に設定された大きな電力は、本発明に基づく質量慣性モーメントの低減によって、顕著に減少する。その結果、射出成形機において技術的に要求される動特性についての、極めて大きな利点が得られる。いまや十分に低下した駆動動力によって、射出成形機に対する設備投資費も減少する。例えば、本発明に係る射出成形機は、小形に形成することができる。また、本発明に係る射出成形機に含まれる（つまり用いられる）電動機が顕著に小形になるので、例えば修理の際に電動機交換も容易に行える。また通常、セルシン装置付きの単純で、安価で小形の電動機を装備することも可能となる。

以下、図示の実施例を参照して本発明を詳細に説明する。

図１は、本発明に基づく射出成形機１の主要構成要素を示す。

この射出成形機は、ウォーム３と、遊星ナット（Planetenmutter）５と、塑性化ロータ１１を有している。

この場合、永久磁石７が、遊星ナット５の外周面に直接、設けられている。また、ここでは、塑性化ロータ１１も、その外周面上に設けられた永久磁石７を有している。

射出成形機の固定子９は、遊星ナット５並びに塑性化ロータ１１を包囲している。この場合、固定子９は２つの部分に分けられ、それら2つの部分の間、つまり塑性化ロータ１１と遊星ナット５の間には、隙間が設けられている。

この処置によって、本発明に係る射出成形機は、従来に比べて顕著に小さい質量慣性モーメントを有するものとなっている。
本発明によれば、駆動装置の動特性が向上し、動力装置の観点でもその外形寸法を比較的小さく設計された電動機を有するものとすることが可能になる。

本発明に係る射出成形機の主要構成要素の断面斜視図である。

１射出成形機、３ウォーム、５遊星ナット、７永久磁石、９固定子、１１塑性化ロータ

Claims

遊星ローラスピンドル（５）又は球状ローラスピンドルを含んでなる射出成形機（１）であって、前記遊星ローラスピンドル（５）又は球状ローラスピンドル上に、永久磁石（７）が設けられている
ことを特徴とする射出成形機。
前記遊星ローラスピンドル又は球状ローラスピンドルが、スピンドルナット（５）を含んだものであり、当該スピンドルナット（５）上に、前記永久磁石（７）が設けられている
ことを特徴とする請求項１記載の射出成形機。