JP2009082138A - ポリペプチド産生を増加させる方法 - Google Patents

ポリペプチド産生を増加させる方法 Download PDF

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Abstract

【課題】哺乳動物細胞からのポリペプチド、所望により組換えポリペプチドの産生を増加させる方法、および該化合物を含有する培養物を提供する。
【解決手段】ポリペプチドを産生するように遺伝子操作されている哺乳動物細胞株、および抗体を産生するハイブリドーマ細胞株の培養中に、キサンチン誘導体またはハイブリッド極性化合物、および/またはアルカン酸を含む誘導剤を組み合わせて添加し、組換えポリペプチドの産生を増加させる方法、および該化合物を含有する培養物。
【選択図】なし

Description

本出願は、どちらも2002年3月27日に出願され、そしてどちらも本明細書にその全体が援用される、米国仮出願第60/368,246号および第60/368,248号の優先権を請求する。
発明の分野
本発明は、ポリペプチド産生、特に細胞培養における組換えポリペプチド産生の分野にある。
背景
ポリペプチドは、多様な診断適用、療法適用、農業適用、栄養適用、および研究適用に有用である。ポリペプチドは天然供給源から単離可能であるが、天然供給源から特定のポリペプチドを多量に単離するのは費用がかかる可能性がある。また、供給源物質に変動があるため、ポリペプチドの品質が均一でない可能性がある。組換えDNA技術によって、特定のポリペプチドを、より均質に、そして高い費用効率で、大規模に産生することが可能になる。
組換えポリペプチド産生の1つの目的は、可能な限り最大の生産性が得られるように培養条件を最適化することである。生産性を付加的に増加させることが、経済的に重要である可能性がある。細胞培養の生産性を増加させるいくつかの方法には、強化培地の使用、産生中のモル浸透圧濃度の監視、細胞培養の特定の相の間の温度減少、および/または酪酸ナトリウムの添加が含まれる(例えば米国特許第5,705,364号を参照されたい)。
しかし、ポリペプチドに基づいた、より多くの薬剤が、臨床的に有効であることが立証され、そして業務用の量を増加させることが必要となるにつれ、利用可能な培養施設が限られるようになってきている。したがって、当該技術分野には、各細胞培養実行からの組換えポリペプチド収率を連続して改善する必要性が依然としてある。
概要
本明細書に報告する実験データに示されるように、キサンチン誘導体および/またはハイブリッド極性化合物は、哺乳動物細胞株からの、ポリペプチド、特に組換えポリペプチドの産生を劇的に誘導することが可能である。さらに、キサンチン誘導体および/またはハイブリッド極性化合物を、他の誘導法と組み合わせて使用して、ポリペプチド発現をさらに増加させてもよい。
したがって、1つの側面において、本発明は、組換えポリペプチドであってもよいポリペプチドを産生する方法であって、増殖相で、その後、37℃未満の温度で生じてもよい産生相または誘導相で、哺乳動物細胞株を培養し、そして産生相中に、培養物にキサンチン誘導体を添加することを含んでなる、前記方法を提供する。キサンチン誘導体を添加すると、該ポリペプチドの産生が増加しうる。哺乳動物細胞株は、該ポリペプチドを産生するように遺伝子操作されている細胞株、または抗体を産生しうるハイブリドーマ細胞株であってもよい。キサンチン誘導体は、約0.01ミリモル〜約5.0ミリモル、または約0.01ミリモル〜約3.0ミリモルの濃度のカフェインであってもよい。いくつかの態様において、哺乳動物細胞株はCHO細胞株であり、そして該細胞株は、組換えポリペプチドをコードする組換えベクターで形質転換されていてもよい。所望により、ベクターは、サイトメガロウイルス(CMV)プロモーターを含んでいてもよい。典型的には、細胞は、天然には該ポリペプチドを発現しないか、または非常に低いレベルでしか、天然に該ポリペプチドを発現しない(遺伝子操作の非存在下)。ポリペプチドは、組換え融合ポリペプチド、あるいはヒト抗体またはヒト化抗体であってもよい。産生相または誘導相は、約29℃〜約36℃、または約30℃〜約33℃の温度で生じてもよい。増殖相は、約35℃〜約38℃の温度で生じてもよい。
所望により、少なくとも2つの異なるキサンチン誘導体を添加してもよい。キサンチン誘導体(単数または複数)は、カフェイン、3−イソブチル−1−メチルキサンチン、テオフィリン、テオブロミン、ペントキシフィリン、およびアミノフィリンからなる群より、またはこの群のサブセットより選択可能である。2つの異なるキサンチン誘導体を添加する場合、これらは、カフェインおよび3−イソブチル−1−メチルキサンチンであってもよい。細胞株培養中、キサンチン誘導体を複数回添加してもよく、そして細胞株を、少なくとも約5日間、キサンチン誘導体の存在下で培養してもよい。培養物に添加する各キサンチン誘導体の濃度は、約0.001ミリモル〜約3ミリモルであってもよい。組換えポリペプチドを培地から収集して、そして処方(formulate)してもよい。培地は、ハイブリッド極性化合物および/またはアルカン酸をさらに含んでもよい。ハイブリッド極性化合物は、ヘキサメチレン・ビスアセトアミド、所望により約0.1ミリモル〜約5ミリモルの濃度のヘキサメチレン・ビスアセトアミドであってもよい。キサンチン誘導体は、カフェイン、所望により約0.1ミリモル〜約4ミリモルの濃度のカフェインであってもよい。アルカン酸は、酪酸塩、所望により約0.1ミリモル〜約2ミリモルの濃度の酪酸塩であってもよい。哺乳動物細胞を約29℃〜約36℃、または約30℃〜約33℃の温度で培養してもよい。哺乳動物細胞を約35℃〜約38℃の第一の温度の増殖相で培養し、次いで、約29℃〜約36℃の第二の温度の産生相にシフトさせてもよく、ここで第二の温度は第一の温度より低くてもよい。キサンチンは、第一の温度から第二の温度へのシフトの際、および/またはシフトの前、および/またはシフトの後に添加してもよい。
別の側面において、本発明は、組換えポリペプチドを産生する方法であって、組換えポリペプチドを産生するように遺伝子操作されている哺乳動物細胞株、所望によりCHO細胞株を培養中で増殖させ、そしてテオブロミンおよびカフェインからなる群より選択される、少なくとも1つのキサンチン誘導体を培地に添加することを含んでなる、前記方法を提供する。キサンチン誘導体を添加すると、該組換えポリペプチドの産生が増加しうる。哺乳動物細胞株は、組換えポリペプチドをコードする組換えベクターで形質転換されていてもよい。所望により、該ベクターは、サイトメガロウイルス(CMV)プロモーターを含んでもよい。典型的には、細胞株は、天然には該組換えポリペプチドを発現しないか、または非常に低いレベルでしか、天然に該組換えポリペプチドを発現しない(遺伝子操作の非存在下)。組換えポリペプチドは、組換え融合ポリペプチド、あるいはヒト抗体またはヒト化抗体であってもよい。産生相または誘導相とは異なる増殖相で、細胞株を培養してもよい。産生相は、37℃未満の温度で生じてもよい。細胞株を約29℃〜約36℃、または約30℃〜約33℃の温度で培養してもよい。所望により、少なくとも2つの異なるキサンチン誘導体を添加してもよい。細胞株培養中、キサンチン誘導体を複数回添加してもよい。培養物に添加する各キサンチン誘導体の濃度は、約0.001ミリモル〜約3ミリモルであってもよい。組換えポリペプチドを培地から収集して、そして処方してもよい。哺乳動物細胞株を約35℃〜約38℃の第一の温度で培養し、次いで、約29℃〜約36℃の第二の温度にシフトさせてもよく、そしてキサンチン誘導体は、第一の温度から第二の温度へのシフトの際、および/またはシフトの前、および/またはシフトの後に添加してもよい。第二の温度は第一の温度より低くてもよい。
別の側面において、本発明は、ポリペプチドを産生するように遺伝子操作されているCHO細胞、産生培地、並びにカフェイン、3−イソブチル−1−メチルキサンチン、テオフィリン、テオブロミン、ペントキシフィリン、およびアミノフィリンからなる群より、またはこの群のサブセットより選択される、少なくとも1つのキサンチン誘導体を含んでなる培養物を提供する。培養物は、少なくとも2つのキサンチン誘導体を含んでもよい。存在する各キサンチン誘導体の濃度は、約0.001ミリモル〜約3ミリモル、または約0.01ミリモル〜約3ミリモルであってもよい。培養物は、血清不含培地を含んでもよく、そして添加されたタンパク質をまったく含まなくてもよく、あるいはインスリンまたはIGF−1を含んでもよい。さらに、培養物は、ジメチルホルムアミド、ジメチルスルホキシド、またはジメチルアセトアミドを含んでもよい。本発明は、安価で、そして便利であるため、CHO細胞を大規模培養するのに特に有用である。培養物は、規模が、少なくとも100リットル、または少なくとも500リットルの大規模培養物であってもよい。培養物は、均質なCHO細胞株を含んでもよい。
さらに別の側面において、本発明は、ポリペプチドを産生するように遺伝子操作されているCHO細胞、産生培地、および少なくとも1つのキサンチン誘導体を含んでなる培養物であって、その生命の少なくとも一部で、37℃未満で増殖する、前記培養物を含む。存在する単数または複数のキサンチン誘導体は、約0.001ミリモル〜約3ミリモル、または約0.01ミリモル〜約3ミリモルの範囲内の濃度であってもよく、そして培養物は、少なくとも2つの異なるキサンチン誘導体を含有してもよい。キサンチン誘導体は、カフェイン、3−イソブチル−1−メチルキサンチン、テオフィリン、テオブロミン、ペントキシフィリン、およびアミノフィリンからなる群より、またはこの群のサブセット、例えばカフェイン、テオブロミンおよびペントキシフィリンより選択可能である。培養規模は、少なくとも100リットルであってもよく、そして産生培地は血清不含培地であってもよく、そして添加されたタンパク質をまったく含まなくてもよく、あるいはインスリンまたはIGF−1を含んでもよい。培養物は、均質なCHO細胞株を含んでもよい。
さらなる側面において、本発明は、哺乳動物細胞の培養物中、ポリペプチドを産生する方法であって、約37℃の温度で培養物をインキュベーションし、そして次いで、約29℃〜36℃の温度で培養物をインキュベーションし、そして約29℃〜36℃の温度でのインキュベーション中に、培養物にキサンチン誘導体を添加することを含んでなり、該ポリペプチドが、組換えポリペプチドまたは抗体であってもよい、前記方法を含む。キサンチン誘導体は、カフェイン、3−イソブチル−1−メチルキサンチン、テオフィリン、テオブロミン、ペントキシフィリン、およびアミノフィリンからなる群より、またはこの群のサブセット、例えばカフェイン、テオブロミン、およびペントキシフィリンより選択可能である。哺乳動物細胞は、ハイブリドーマ細胞またはCHO細胞であってもよい。存在する単数または複数のキサンチン誘導体は、約0.001ミリモル〜約3ミリモル、または約0.01ミリモル〜約3ミリモルの濃度範囲内にあってもよく、そして培養物は、少なくとも2つの異なるキサンチン誘導体を含有してもよい。細胞株培養中、キサンチン誘導体を複数回添加してもよい。
本発明は、組換えポリペプチドを産生する方法であって、哺乳動物細胞株、いくつかの態様においてCHO細胞株を、約29℃〜約36℃の温度で、所望により約29℃〜35℃の間、または約30℃〜約33℃の温度で、ハイブリッド極性化合物を含んでなる培地中で培養することを含んでなる、前記方法を提供する。培地は、血清不含培地であってもよい。ハイブリッド極性化合物を添加すると、組換えポリペプチド産生が増加しうる。ハイブリッド極性化合物は、ヘキサメチレン・ビスアセトアミド、所望により約0.1ミリモル〜約20ミリモル、または約0.1ミリモル〜約5ミリモルの濃度のヘキサメチレン・ビスアセトアミドであってもよい。さらに、培地は、例えば約0.05ミリモル〜約10ミリモル、所望により約0.1ミリモル〜約2ミリモルの濃度の酪酸塩などのアルカン酸を含んでもよい。さらに、培地は、約0.005ミリモル〜10ミリモル、所望により約0.01ミリモル〜4ミリモル、または約0.1ミリモル〜4ミリモルの濃度のキサンチン誘導体、例えばカフェインを含んでもよい。哺乳動物細胞を、約35℃〜約38℃の第一の温度で培養し、次いで、約29℃〜約36℃の間の第二の温度にシフトさせてもよく、そしてハイブリッド極性化合物を、第一の温度から第二の温度へのシフト後に添加してもよい。とりわけ、RANK:Fc、II型インターロイキン−1受容体、TNFR:Fc、CD40リガンド、TRAIL、flt3リガンド、IL−4受容体、G−CSF、エリスロポエチン、抗体、または実質的に類似のポリペプチドを含む、ポリペプチド、所望により培地から回収してもよい分泌ポリペプチドを産生するように、哺乳動物細胞株を遺伝子操作してもよい。
別の態様において、本発明は、哺乳動物細胞を培養することによって、ポリペプチドを産生する改善法であって、ハイブリッド極性化合物を含んでなる培地中、所望により約29℃〜約36℃、約29℃〜35℃の間、または約30℃〜約33℃の温度で、該細胞を培養することを含んでなる、前記方法を提供する。ハイブリッド極性化合物は、ヘキサメチレン・ビスアセトアミド、所望により約0.1ミリモル〜約5ミリモルの間の濃度のヘキサメチレン・ビスアセトアミドであってもよい。ハイブリッド極性化合物を添加すると、組換えポリペプチドであってもよいポリペプチドの産生が増加しうる。さらに、培地は、アルカン酸、例えば酪酸、所望により約0.05ミリモル〜約10ミリモル、または約0.1ミリモル〜約2ミリモルの濃度のアルカン酸、例えば酪酸を含んでもよい。さらに、培地は、例えばカフェインなどのキサンチン、所望により約0.005ミリモル〜10ミリモル、または約0.01ミリモル〜5ミリモルの濃度のカフェインなどのキサンチンを含んでもよい。所望により、ポリペプチドは、とりわけ、RANK:Fc、II型インターロイキン−1受容体、TNFR:Fc、CD40リガンド、TRAIL、flt3リガンド、IL−4受容体、GM−CSF、エリスロポエチン、抗体、または実質的に類似のポリペプチドであってもよい。
別の側面において、本発明は、ポリペプチド、所望により組換えポリペプチドを得る方法であって、哺乳動物細胞を増殖させた培地からポリペプチドを回収することを含んでなり、哺乳動物細胞がポリペプチドを分泌可能であり、そしてヘキサメチレン・ビスアセトアミドを含んでなる培地中、約29℃〜35℃の間、所望により約30℃〜約33℃の温度で該細胞を増殖させる、前記方法を提供する。ヘキサメチレン・ビスアセトアミドは約0.1ミリモル〜約5ミリモルの間の濃度で存在してもよい。さらに、培地は、アルカン酸、例えば酪酸、所望により約0.05ミリモル〜約10ミリモル、または約0.1ミリモル〜約2ミリモルの濃度のアルカン酸、例えば酪酸を含んでもよい。さらに、培地は、キサンチン、例えばカフェイン、所望により約0.005ミリモル〜10ミリモル、または約0.01ミリモル〜5ミリモルの濃度のキサンチン、例えばカフェインを含んでもよい。ポリペプチドは、とりわけ、RANK:Fc、II型インターロイキン−1受容体、TNFR:Fc、CD40リガンド、TRAIL、flt3リガンド、IL−4受容体、G−CSF、エリスロポエチン、抗体、または実質的に類似のポリペプチドであってもよい。
さらなる態様において、本発明は、組換えポリペプチドを産生する方法であって、ハイブリッド極性化合物およびキサンチンを含んでなる培地中で哺乳動物細胞を培養することを含んでなり、哺乳動物細胞が該組換えポリペプチドを発現するように遺伝子操作されている、前記方法を含んでなる。培地は、約0.1ミリモル〜約2ミリモルの濃度であってもよい、例えば酪酸塩などのアルカン酸をさらに含んでもよい。ハイブリッド極性化合物は、約0.1ミリモル〜約5ミリモルの濃度であってもよい、ヘキサメチレン・ビスアセトアミドであってもよく、そして/またはキサンチンは、約0.1ミリモル〜約4ミリモルの濃度であってもよい、カフェインであってもよい。約29℃〜約36℃、または約30℃〜約33℃の温度で、細胞を培養してもよい。哺乳動物細胞を約35℃〜約38℃の第一の温度で培養し、次いで、約29℃〜約36℃の第二の温度にシフトさせてもよく、そしてハイブリッド極性化合物およびキサンチンを、第一の温度から第二の温度へのシフトの際、および/またはシフトの前、および/またはシフトの後に添加してもよい。培地は血清不含であってもよい。
さらなる態様において、本発明は、ポリペプチド、所望により組換えポリペプチドを産生する方法であって、ハイブリッド極性化合物およびアルカン酸を含んでなる培地中で哺乳動物細胞を培養することを含んでなり、哺乳動物細胞が該組換えポリペプチドを発現するように遺伝子操作されている、前記方法を含む。ハイブリッド極性化合物はヘキサメチレン・ビスアセトアミドであってもよく、そしてハイブリッド極性化合物は、約0.5ミリモル〜約10ミリモルの濃度、または約0.5ミリモル〜2.5ミリモルの間の濃度で存在してもよい。アルカン酸は酪酸塩であってもよく、そしてアルカン酸は、約0.1ミリモル〜約5ミリモルの濃度、または約0.1ミリモル〜約2.0ミリモルの間の濃度で存在してもよい。哺乳動物細胞を約29℃〜約36℃の温度で培養してもよく、そして培地は血清不含であってもよい。哺乳動物細胞株を約35℃〜約38℃の第一の温度で培養し、次いで、約29℃〜約36℃の第二の温度にシフトさせてもよく、そしてハイブリッド極性化合物およびアルカン酸を、第一の温度から第二の温度へのシフトの後に添加してもよい。培地は、約0.001ミリモル〜約5.0ミリモルの濃度のキサンチン誘導体をさらに含んでもよい。哺乳動物細胞株はハイブリドーマ細胞株またはCHO細胞株であってもよい。
さらに別の態様において、本発明は、ポリペプチドを産生する方法であって、約30℃〜34℃の第二の温度の産生相において、ハイブリッド極性化合物を含んでなる培地中、哺乳動物細胞を培養することを含んでなり、産生相が、約35℃〜約38℃の第一の温度の増殖相に続く、前記方法を提供する。ポリペプチドは、組換えポリペプチドまたは抗体であってもよい。ハイブリッド極性化合物は、ヘキサメチレン・ビスアセトアミド、所望により約0.1ミリモル〜約5ミリモルの濃度のヘキサメチレン・ビスアセトアミドであってもよい。ハイブリッド極性化合物を、第一の温度から第二の温度へのシフトの後に添加してもよい。培地は、酪酸塩であってもよいアルカン酸、所望により約0.05ミリモル〜約10.0ミリモルの濃度のアルカン酸をさらに含んでもよい。培地はまた、キサンチン誘導体、所望により約0.001ミリモル〜約5.0ミリモルの濃度のキサンチン誘導体も含んでもよい。培地は血清不含であってもよい。哺乳動物細胞株は、ハイブリドーマ細胞株またはCHO細胞株であってもよい。
本発明はまた、ポリペプチドを産生する方法であって、約0.5ミリモル〜2.5ミリモルの間の濃度のハイブリッド極性化合物、約0.1ミリモル〜2.0ミリモルの濃度のアルカン酸、および約0.001ミリモル〜約4ミリモルの濃度のキサンチン誘導体を含んでなる培地中で、哺乳動物細胞株を培養することを含んでなる、前記方法も提供する。
さらに別の態様において、本発明は、ポリペプチド、所望によりRANK:Fc、II型インターロイキン−1受容体、TNFR:Fc、CD40リガンド、TRAIL、flt3リガンド、IL−4受容体、G−CSF、エリスロポエチン、抗体、または実質的に類似のポリペプチドを産生する方法であって、これらのポリペプチドいずれかを産生するように遺伝子操作されていてもよい哺乳動物細胞を、約0.1ミリモル〜約5ミリモルの間のHMBA、約0.1ミリモル〜約2ミリモルの酪酸、および約0.1ミリモル〜約4ミリモルのカフェインを含んでなる培地中、約29℃〜約36℃、または約30℃〜33℃の温度で培養することを含んでなる、前記方法を提供する。
発明の詳細な説明
「抗体」は、各々、少なくとも1つの可変抗体免疫グロブリンドメインおよび少なくとも1つの定常抗体免疫グロブリンドメインを含んでなる、ポリペプチドまたはポリペプチド複合体である。抗体は、限定されるわけではないがヘテロ二量体抗体を含む、一本鎖抗体、二量体抗体、またはある程度、より高次のポリペプチド複合体であってもよい。「ヒト抗体」は、結局起源がヒトである核酸にコードされる抗体である。こうした抗体は、非ヒト細胞または生物において発現させてもよい。例えば、ヒト抗体をコードするDNAを組織培養細胞に導入し、そして形質転換細胞株で発現させてもよい。あるいは、ヒト抗体を、例えば、Mendezら((1997), Nature Genetics 16(4):146−56)に記載されるトランスジェニックマウスなどのトランスジェニック動物で発現させてもよい。米国特許第6,235,883B1号では、完全ヒト抗体を作成するのに、こうしたトランスジェニックマウスを利用する。ヒト抗体はまた、ハイブリドーマ細胞においても発現させてもよい。「ヒト化抗体」は、例えば米国特許第5,558,864号および第5,693,761号、並びに国際特許出願WO 92/11018に説明されるように、非ヒト供給源由来の相補性決定領域(CDR1、CDR2、およびCDR3)、およびヒト抗体中の配列に一致する(そしてヒト起源であってもよい)他の領域を含んでなる、キメラ抗体である。
「定常抗体免疫グロブリンドメイン」は、ヒトまたは動物起源のC、C1、C2、C3、またはC4ドメインと同一であるか、または実質的に類似である免疫グロブリンドメインである。例えばHasemannおよびCapra, Immunoglobulins:Structure and Function, William E. Paul監修, Fundamental Immunology, 第2版中, 209, 210−218(1989);Kabatら, Sequences of Proteins of Immunological Interest, 米国保健社会福祉省(1991)を参照されたい。
「抗体のFc部分」には、ヒトまたは動物免疫グロブリンドメインC2およびC3または実質的にこれらに類似の免疫グロブリンドメインが含まれる。考察に関しては、HasemannおよびCapra、上記の212−213およびKabatら、上記を参照されたい。
組換えウイルスでのウイルス感染、トランスフェクション、形質転換、またはエレクトロポレーションなどの「遺伝子操作」法を用いて、ポリペプチド発現を可能にする組換え核酸配列が細胞に導入されている場合、細胞は特定のポリペプチドを発現するように「遺伝子操作」されている。例えばKaufmanら(1990), Meth. Enzymol. 185:487−511;Current Protocols in Molecular Biology, Ausubelら監修(Wiley & Sons, ニューヨーク, 1988、および四半期の改訂)を参照されたい。例えばB型肝炎ウイルス、ヒト免疫不全ウイルス、アデノウイルス等の改変されていない天然存在ウイルスでの感染は、本明細書に意味するような遺伝子操作を構成しない。用語「遺伝子操作」は、上昇したレベルまたは低下したレベルで遺伝子を発現するか、あるいは遺伝子の突然変異型を発現する宿主細胞を生成するのに用いられる組換えDNAまたはRNA法を指す。言い換えると、細胞は、組換えポリヌクレオチド分子でトランスフェクションされるか、形質転換されるかまたは形質導入されており、そしてそれによって、望ましいポリペプチドの発現を細胞が改変するように改変されている。本発明の目的のため、細胞融合から生じるハイブリドーマ細胞株が産生する抗体は、「組換えポリペプチド」ではない。さらに、細胞を感染させる前に、ウイルス核酸が遺伝子操作によって改変されていない限り、ウイルス感染の結果として細胞から産生されるウイルスポリペプチドもまた、本明細書に意味するような「組換えポリペプチド」ではない。「遺伝子操作」法はまた、限定されるわけではないが、当該技術分野に周知の多くの他の方法の中でも、ポリメラーゼ連鎖反応を用いた核酸増幅、大腸菌にクローニングすることによる組換えDNA分子の組み立て、核酸の制限酵素消化、核酸の連結、および核酸末端への塩基の転移を含む、多くの方法も含む。例えば、Sambrookら, Molecular Cloning:A Laboratory Manual, 第2版, vol.1−3, Cold Spring Harbor Laboratory, 1989を参照されたい。目的のポリペプチドを発現するように細胞および/または細胞株を遺伝子操作する方法およびベクターが、当業者に周知である。遺伝子操作技術には、限定されるわけではないが、発現ベクター、標的化相同組換えおよび遺伝子活性化(例えばChappelに対する米国特許第5,272,071号を参照されたい)および操作した転写因子によるトランス活性化(例えばSegalら, 1999, Proc. Natl. Acad. Sci. USA 96(6):2758−63を参照されたい)が含まれる。所望により、例えば天然ではそのポリペプチドの産生を指示しないプロモーターなどの異種調節要素の調節下で、ポリペプチドを発現させる。例えば、プロモーターは、哺乳動物ポリペプチドの発現を指示する、強いウイルスプロモーター(例えばCMV、SV40)であってもよい。宿主細胞は、通常、ポリペプチドを産生してもまたしなくてもよい。例えば、宿主細胞は、ヒトポリペプチドを産生するように遺伝子操作されているCHO細胞であってもよく、これは、ヒトポリペプチドをコードする核酸がCHO細胞に導入されていることを意味する。あるいは、宿主細胞は、通常は非常に低レベルでしか存在しないヒトポリペプチドを、増加したレベルで産生するように遺伝子操作されている(例えば内因性プロモーターを強いウイルスプロモーターと交換することによって)ヒト細胞であってもよい。
「増殖相」は、培養細胞が迅速に分裂し、そして数が増加している期間を意味する。増殖相中、細胞は一般的に、細胞増殖を最大にするように設計された培地中で、そしてそのように設計された条件下で培養される。
「ハイブリッド極性化合物」は、無極性炭素鎖によって分離される2つの極性基を有する化合物である。これには、ヘキサメチレン・ビスアセトアミド(HMBA)および以下に論じられ、そして以下の参考文献に論じられる他の分子が含まれる:Richonら(1998), Proc. Natl. Acad. Sci. 95:3003−07;Marksら(1994), Proc. Natl. Acad. Sci. 91:10251−54;および米国特許第5,055,608号および第6,087,367号。
ヘキサメチレン・ビスアセトアミド(HMBA)またはカフェインなどの誘導剤を含有する培養物中で産生されるポリペプチドの量が、誘導剤を含有しない以外は同一である培養物中で産生されるポリペプチドの量より多いならば、ポリペプチドの産生は、誘導剤の添加によって、「増加する」。同様に、37℃以外の温度でインキュベーションされる培養物中で産生されるポリペプチドの量が、37℃でインキュベーションされる以外は同一の培養物中で産生されるポリペプチドの量より多いならば、ポリペプチドの産生は、37℃以外の温度での増殖によって、「増加する」。
「多量体化ドメイン」は、共有相互作用または非共有相互作用を通じて、他のポリペプチド分子と会合する性向をポリペプチド分子に与える、ポリペプチド分子内のドメインである。
「天然存在ポリペプチド」は、天然に存在するポリペプチド、すなわち遺伝子操作されていない細胞によって産生されることが可能なポリペプチドである。こうしたポリペプチドはまた、該ポリペプチドを産生するように遺伝子操作されている細胞によって産生されてもよい。
「ポリペプチド」は、ペプチド結合によって連結される、少なくとも6アミノ酸の鎖を意味する。所望により、ポリペプチドは、ペプチド結合によって連結される、少なくとも10、20、30、40、50、60、70、80、90、100、150、200、250、または300アミノ酸を含んでもよい。
「産生培地」は、産生相中、細胞を培養する際に使用するため設計された細胞培地を意味する。
「産生相」は、細胞が最大量の組換えポリペプチドを産生する期間を意味する。産生相は、増殖相中よりも細胞分裂が少なく、そしてポリペプチド産生を最大にするよう設計された培地および培養条件を使用することによって特徴付けられる。
「組換え融合ポリペプチド」は、遺伝子操作法を用いて作成される、少なくとも2つのポリペプチドのすべてまたは部分の融合体である。
「組換えポリペプチド」は、遺伝子操作法から生じるポリペプチドである。本発明の目的のため、細胞融合から生じるハイブリドーマ細胞株によって産生される抗体は、「組換えポリペプチド」ではない。さらに、細胞を感染させる前に、ウイルス核酸が遺伝子操作によって改変されていない限り、天然存在ウイルスでのウイルス感染の結果として細胞に産生されるウイルスタンパク質もまた、本明細書に意味するような「組換えポリペプチド」ではない。
「実質的に類似の」ポリペプチドは、アミノ酸配列において、互いに、少なくとも80%、所望により少なくとも90%同一であり、そして望ましい方式で、非改変ポリペプチドの生物学的活性を維持するかまたは改変する。生物学的活性に影響を及ぼす可能性が低い、保存的アミノ酸置換には、限定なしに以下が含まれる:Serに対するAla、Ileに対するVal、Gluに対するAsp、Serに対するThr、Glyに対するAla、Thrに対するAla、Asnに対するSer、Valに対するAla、Glyに対するSer、Pheに対するTyr、Proに対するAla、Argに対するLys、Asnに対するAsp、Ileに対するLeu、Valに対するLeu、Gluに対するAla、Glyに対するAsp、およびこれらの変化の逆。例えばNeurathら, The Proteins, Academic Press, ニューヨーク(1979)を参照されたい。さらに、アミノ酸の以下の6群のメンバー間でのアミノ酸の交換は、本発明の目的のため、保存的置換とみなされるであろう。群は:1)メチオニン、アラニン、バリン、ロイシン、およびイソロイシン;2)システイン、セリン、スレオニン、アスパラギン、およびグルタミン;3)アスパラギン酸およびグルタミン酸;4)ヒスチジン、リジン、およびアルギニン;5)グリシンおよびプロリン;並びに6)トリプトファン、チロシン、およびフェニルアラニンである。2つのアミノ酸配列の同一性パーセントを、視覚的検査および数学的計算によって決定してもよく、またはより好ましくは、遺伝学コンピュータグループ(GCG;ウィスコンシン州マディソン)、ウィスコンシンパッケージ、バージョン10.0プログラム、「GAP」(Devereuxら(1984), Nucl. Acids Res. 12:387)または他の匹敵するコンピュータプログラムなどのコンピュータプログラムを用いて配列情報を比較することによって、比較を行う。「GAP」プログラムの好ましいデフォルトパラメーターには:(1)SchwartzおよびDayhoff監修, Atlas of Polypeptide Sequence and Structure, National Biomedical Research Foundation, pp.353−358(1979)に記載されるような、GribskovおよびBurgess(1986), Nucl. Acids Res. 14:6745の加重アミノ酸比較マトリックス、または他の匹敵する比較マトリックス;(2)アミノ酸配列の各ギャップに対する30のペナルティおよび各ギャップ中の各記号に対しさらに1のペナルティ;(3)末端ギャップに対するペナルティなし;および(4)長いギャップに対する最大ペナルティなし、が含まれる。配列比較の当業者に使用される他のプログラムもまた、使用してもよい。
「遷移相(transitional phase)」は、「増殖相」および「産生相」の間の細胞培養期間を意味する。遷移相中、典型的には、増殖を最大にするように設計されたものから、ポリペプチド産生を最大にするように設計されたものに、培地および環境条件をシフトさせる。
「可変抗体免疫グロブリンドメイン」は、ヒトまたは動物起源のVまたはVドメインに同一であるかまたは実質的に類似である、免疫グロブリンドメインである。
本発明は、特定のポリペプチドを産生するように遺伝子操作されていてもよい哺乳動物細胞を培養するための改善法に関する。特に、本発明は、特定のポリペプチドの産生を最大にする培養法に関する。また、本発明は、こうしたポリペプチドを産生し、そして培養した哺乳動物細胞から得る方法にも関する。ポリペプチドは、多様な診断適用、療法適用、農業適用、栄養適用、および研究適用に有用である。
本明細書に報告する実験データに示すように、別個またはともに用いたキサンチン誘導体およびハイブリッド極性化合物が、CHO細胞株からの組換えポリペプチド産生を劇的に誘導可能であることが発見された。特に、細胞培養物の産生相に、キサンチン誘導体カフェインを添加すると、組換えポリペプチド産生が増進する。ハイブリッド極性化合物ヘキサメチレン・ビスアセトアミドもまた、組換えポリペプチド産生の有効な誘導剤であることが示される。さらに、例えばアルカン酸などの他の誘導剤もまた、キサンチン誘導体、ハイブリッド極性化合物、または両方のいずれかに加えてもよい。例えば、約29℃〜約36℃、約29℃〜35℃の間、および/または約30℃〜約33℃の温度で細胞を培養するなどの他の方法もまた、使用してもよい。したがって、本発明は、ハイブリッド極性化合物および/またはキサンチン誘導体を含む化学的誘導剤に細胞を曝露することによって、培養中で増殖させた細胞からの組換えポリペプチド産生増加を誘導することに関する。
本発明の方法は、ハイブリッド極性化合物、例えばヘキサメチレン・ビスアセトアミド(HMBA)を含んでなる培地中、所望により約29℃〜35℃の間、または約30℃〜約33℃の温度で、哺乳動物細胞を培養することを含む。本発明の他の態様は、ハイブリッド極性化合物に加えて、アルカン酸および/またはキサンチンを培地に添加する培養条件を含む。1つの態様において、キサンチンおよびハイブリッド極性化合物および約29℃〜36℃の間の培養温度を用いる。別の態様は、アルカン酸およびハイブリッド極性化合物の添加に加えて、約29℃〜36℃の間の培養温度を含んでなる。さらに別の態様は、キサンチン、アルカン酸、およびハイブリッド極性化合物の添加に加えて、約29℃〜36℃の間の培養温度を含んでなる。所望により、本発明の方法を用いる細胞培養は、増殖相とは区別されるような、産生相中で行ってもよい。増殖相は、例えば温度シフトおよび/または例えば1以上の誘導剤の添加などの培地の変化によって、産生相と区別可能である。
1つの側面において、本発明は、ポリペプチドを産生するように遺伝子操作されている哺乳動物細胞を培養中で増殖させ;そして培養物にキサンチン誘導体を添加することを含んでなる方法を提供する。遺伝子操作されている細胞は、ポリペプチドをコードする組換えベクターで形質転換されている細胞であってもよい。さらに、例えばCMVプロモーターなどの異種プロモーターの調節下でポリペプチドを発現させてもよい。典型的には、細胞は、天然には該ポリペプチドを発現しないか、または非常に低いレベルでしか、天然に該ポリペプチドを発現しない(遺伝子操作の非存在下)。別の側面において、本発明は、ポリペプチドを産生するように遺伝子操作されている細胞、産生培地、およびキサンチン誘導体を含有する培養物を提供する。
さらに、本発明の方法および組成物を、組換えポリペプチド産生を誘導する他の既知の方法いずれか、またはまだ発見されていない方法いずれかと組み合わせて使用してもよい。こうした技術には、いくつかの例のみを挙げると、低温シフト、アルカン酸添加(本明細書に援用される、Etcheverryらに対する米国特許第5,705,364号に記載されるようなもの)、DMF、およびDMSOが含まれ、それとともに、まだ記載されていない、そして/または発見されていない誘導技術が含まれる。本明細書において、ポリペプチド産生を「誘導すること」または「誘導」は、細胞によって産生される望ましいポリペプチドの総量を最大にするように設計された一組の条件下で細胞を培養することを指す。「誘導剤」は、培地に添加した際、少なくともいくつかの細胞株で、望ましいポリペプチドの産生を増加させることが可能な剤である。他のタンパク質誘導技術とキサンチン誘導体の添加を組み合わせると、ポリペプチド誘導に相乗効果を有することが可能であり、キサンチン誘導体の添加をより少なくし、そして/または他の誘導剤の添加をより少なくし、そして/または温度シフトをより保存的にすることが可能になる。誘導の他の方法は、キサンチン添加とほぼ同じとき、および/またはキサンチン添加の前、および/または後に行ってもよい。例えば、培養温度を第0日にシフトさせ、そして次いで、キサンチン誘導体および/またはハイブリッド極性化合物を添加し、そして所望により他の化学的誘導剤を後に、例えば1〜数時間後または何日か後に、添加してもよい。こうしたプロトコルは、完全に誘導する前に、植え付けた培養物をある程度さらに増殖させることを可能にする。さらに、キサンチン誘導体および/またはハイブリッド極性化合物を、産生相中、約12時間、24時間、48時間および/または72時間の間隔またはそれより長い間隔をおいて、他の誘導剤の添加または培養条件の変化を伴い、または伴わずに、培養物に複数回添加してもよい。例えば、誘導剤を第0日に添加し、そしてまた、第4日に添加してもよい。あるいは、誘導剤を、温度シフトの1日後、2日後、3日後、または4日後に初めて添加してもよい。
1つの側面において、本発明は、キサンチン誘導体またはハイブリッド極性化合物を添加する際、添加する前、および/または添加した後に、低温シフト(通常およそ37℃の最適増殖温度から、通常、約29℃〜約36℃、そして所望により約30℃〜約34℃の、より低い温度へのシフト)を行うことを含む。あるいは、またはさらに、アルカン酸またはその塩(例えば酪酸ナトリウム)を、キサンチン誘導体および/またはハイブリッド極性化合物を添加するのとほぼ同じときに、培養物に添加してもよい。アルカン酸は、誘導に典型的に用いる濃度で添加してもよく、または典型的に用いられるであろうより低い濃度でさえ、添加してもよい。したがって、転写調節および転写後調節両方を操作することによって、より高いレベルの生産性を達成可能である。
多様な誘導剤の有効性には、細胞株間で個々の相異がある。例えば、酪酸ナトリウムは、広く用いられる誘導剤であるが、いくつかの細胞株では、ポリペプチド産生に対して、影響を持たないか、または不都合な影響を有する可能性がある。表5を参照されたい。異なる細胞株には、異なる誘導剤または異なる濃度の同じ誘導剤が適切である可能性がある。さらに、異なる細胞株には、異なる温度が適切である可能性がある。この可変性にもかかわらず、例えばカフェイン、ヘキサメチレン・ビスアセトアミド、および酪酸ナトリウムなどのいくつかの誘導剤は、おそらくすべてではないものの、非常に多様な細胞株において、有用である可能性がある。
一般的に、キサンチン誘導体は、以下に例示する構造を有する。
X、Y、およびZは、独立に、1〜12の炭素を有する直鎖または分枝鎖のアルキルラジカル、1〜12の炭素を有する直鎖または分枝鎖のアルキニルラジカル(プロピニルラジカルを含む)、1〜12の炭素を有する直鎖または分枝鎖のアシルラジカル、1〜12の炭素を含有する構造−R−アシル(式中、Rは飽和または不飽和脂肪族基である)を持つ直鎖または分枝鎖のラジカル、1〜12の炭素を有する直鎖または分枝鎖のアレニルラジカル、1〜12の炭素を有する直鎖または分枝鎖のヒドロキシアルキルラジカル、1〜12の炭素を有する直鎖または分枝鎖のヒドロキシアレニルラジカル、1〜12の炭素を有する構造−アレニル−ハロゲンを持つ直鎖または分枝鎖のラジカル、シクロヘキシルラジカル、および水素より選択可能である。いくつかの態様において、X、YおよびZの少なくとも1つはメチル基である。いくつかの態様において、XおよびYは、各々、独立に、水素原子、5炭素原子までを有する直鎖または分枝鎖のアルキルラジカル、アリルラジカル、プロピニルラジカルまたはシクロヘキシルラジカルを示し、但し、XおよびYは、同時に水素原子を示さず、そしてZは、水素、メチル、エチル、ヒドロキシメチル、ヒドロキシエチルまたはヘテロシクロラジカルを示す。これらのキサンチンは、慣用的な方法を用いて得ることが可能であり、そして/または購入可能である。使用可能ないくつかの異なるキサンチン誘導体がBeavoら(1970), Molec. Pharm. 6:597−603に記載されており、そして本明細書に援用される。
本発明の方法および組成物に使用可能なキサンチン誘導体の説明に役立つ実例には、限定されるわけではないが、カフェイン(1,3,7−トリメチルキサンチン)、テオフィリン(1,3−ジメチルキサンチン)、テオブロミン(3,7−ジメチルキサンチン)、3−イソブチル−1−メチルキサンチン、3−ブチル−1−メチルキサンチン、1,3,7−トリエチルキサンチン、3−シクロヘキシル−1−エチルキサンチン、3−エチル−1−プロピニルキサンチン、3−エチル−1−ペンチルキサンチン、ペントキシフィリン、およびアミノフィリンが含まれる。アミノフィリンは、1,2−エチレンジアミン(2:1)二水和物を伴うテオフィリン化合物である。一般的に、キサンチン誘導体は、培養物中、約0.0005〜約25ミリモル、所望により約0.001〜約10ミリモル、約0.005〜約5ミリモル、または約0.01〜約3ミリモルの濃度で添加される。キサンチン誘導体の最適濃度は、その活性および細胞株に応じて多様であろうし、そして本明細書に提供する指針を用いて、当業者によって決定可能である。
キサンチン誘導体は、適切な溶媒いずれかに溶解することが可能である。例えば、3−イソブチル−1−メチルキサンチン(IBX)は、水に溶解可能であるが、ほぼ沸点にまで加熱しなければならない。あるいは、IBXは、溶媒DMSO(ジメチルスルホキシド)、DMF(ジメチルホルムアミド)、またはDMA(ジメチルアセトアミド)に溶解可能である。IBXはまた、0.5M NaOH中、100ミリモルのストック溶液として容易に溶解可能である。このストック溶液の希釈物を、調製した状態で(滅菌前に)誘導培地に添加してもよく、そして培地のpHを7.0に上昇させるために、しばしば塩基を添加しなければならないため、NaOHの影響は重要でないはずである。
本発明で使用するためのキサンチン誘導体の多くは、cAMPホスホジエステラーゼ阻害剤である。したがって、本発明の代替法において、cAMPホスホジエステラーゼ阻害剤であるキサンチン誘導体を用いるのに加えて、キサンチン誘導体でないcAMPホスホジエステラーゼ阻害剤もまた、ポリペプチド産生を誘導するのに使用可能であると考えられる。こうした誘導剤の例には、限定されるわけではないが、イミダゾピリミジン、ピラゾロピリジン、エタゾレート(etazolate)、ピラゾロキノリン、およびトリアゾロキナゾリンが含まれる(Pflugers Archiv 407:S31, 1986)。cAMPホスホジエステラーゼ阻害剤の他の例は、本明細書に援用される、米国特許第RE37,234号に見出すことが可能である。
使用が本発明に含まれるハイブリッド極性化合物は、Richonら(1998), Proc. Natl. Acad. Sci. 95:3003−07、Marksら(1994), Proc. Natl. Acad. Sci. 91:10251−54、米国特許第5,055,608号および第6,087,367号に記載されるものなど、非極性炭素鎖によって分離された2つの極性基を有することが可能である。本発明のハイブリッド極性化合物は、宿主細胞の最終的な分化状態に特徴的な1以上の変化を誘導する特性を有しうる。これらの化合物には、構造:
を持つものが含まれ、RおよびRは互いに同一であっても、また異なってもよい。RおよびRは各々、カルボニル基であってもよく、これに、水素原子、ヒドロキシル基、12以下の炭素原子を含有する、置換もしくは非置換、分枝もしくは非分枝のアルキル、アルケニル、シクロアルキル、アリール、アルキニル、アレニル、アリル、アルキルオキシ、アリールオキシ、アリールアルキルオキシ、またはピリジン基が結合していてもよい。「n」は、約4〜約8の整数であってもよい。具体的には、HMBAがこの種のハイブリッド極性化合物内に含まれ、そしてその構造は:
である。
本発明はさらに、以下の構造:
を持つハイブリッド極性化合物の使用を含み、RおよびRは互いに同一であっても、また異なってもよい。RおよびRが同一である場合、各々は、12以下の炭素原子を含有する、置換または非置換のアリールアミノ、シクロアルキルアミノ、ピリジンアミノ、ピペリジノ、9−プリン−6−アミン、またはチオゾールアミノ基である。RおよびRが異なる場合、RはR−−−N−−−Rと等しく、式中、RおよびRは互いに同一であるかまたは異なり、そして水素原子、ヒドロキシル基、12以下の炭素原子を含有する、置換または非置換、分枝または非分枝のアルキル、アルケニル、シクロアルキル、アリール、アルキニル、アレニル、アリル、アルキルオキシ、アリールオキシ、アリールアルキルオキシ、またはピリジン基であり、あるいはRおよびRはともに結合してピペリジン基を形成し、そしてRは、ヒドロキシルアミノ、ヒドロキシル、アミノ、12以下の炭素原子を含有するアルキルアミノ、ジアルキルアミノ、またはアルキルオキシ基である。「n」は、約4〜約8の整数である。
本発明はさらに、米国特許第6,087,367号、米国特許第5,055,608号、Richonら、上記、およびMarksら、上記に開示される化合物すべての使用を含む。これらのいくつかにおいて、無極性炭素鎖は、4炭素より短く、そして8炭素より長くてもよく、そして芳香族基、無極性基、および/または極性基によって中断されていてもよい。
HMBAを用いる場合、約0.1ミリモル〜約20ミリモル、所望により約0.1ミリモル〜約5ミリモルの間の濃度で添加してもよい。他のハイブリッド極性化合物は、より低い濃度またはより高い濃度で活性である可能性がある。特定のハイブリッド極性化合物の最適な濃度は、その活性および用いる細胞株に応じて多様であろうし、そして日常的な方法および本明細書に提供する指針を用いて、当業者によって決定可能である。例えば、スベロイルアニリド・ヒドロキサム酸またはm−カルボキシ桂皮酸ビスヒドロキシアミドなどの化合物を、HMBAに関して必要とされるものより約1000倍低い濃度、約0.01マイクロモル〜約10マイクロモルで使用してもよい。Richonら、上記を参照されたい。Marksら(上記)およびRichonら(上記)に開示される細胞分化を誘導するのに必要なハイブリッド極性化合物濃度は、ポリペプチド産生を増進するのに必要なハイブリッド極性化合物濃度を決定するための指針として使用可能である。特定の細胞株で用いる特定のハイブリッド極性化合物に必要な濃度の決定は、本明細書に記載するような日常的な方法、並びにRichonら(上記)およびMarksら(上記)に提供される指針を用いて行ってもよい。
本発明で使用するアルカン酸には、選択される酸および/または対応する塩が含まれる。酸には、直鎖または分枝鎖、飽和または不飽和アルカン酸またはその塩が含まれる。アルカン酸は、一般的に、1〜10の炭素原子を含んでなる。本発明に意図されるアルカン酸の例は、ペンタン酸、酪酸、イソ酪酸、プロピオン酸、および酢酸である。本発明に含まれるアルカン酸の濃度は、約0.05ミリモル〜約10ミリモル、所望により約0.1ミリモル〜約2ミリモルの範囲である。アルカン酸の適切な濃度は、その活性および細胞株に応じて多様であろうし、そして日常的な方法および本明細書に提供する指針を用いて、当業者によって決定可能である。酪酸の典型的な塩は、酪酸ナトリウムである。上記のアルカン酸の適切な塩には、とりわけ、ナトリウム、カリウム、またはアンモニウム基を含んでなるものが含まれる。
発現が特に好ましいペプチドは、生物製剤としても知られる、ポリペプチドに基づく薬剤である。好ましくは、ポリペプチドは、細胞外産物として分泌される。産生されるポリペプチドは、天然存在ポリペプチドと同一かまたは実質的に類似のポリペプチドの部分またはすべてを含んでもよく、そして/または組換え融合ポリペプチドであってもまたはなくてもよい。所望により、ポリペプチドはヒトポリペプチド、その断片、または少なくとも長さ15アミノ酸の実質的に類似のポリペプチドであってもよい。ポリペプチドは、非抗体ペプチドおよび/または抗体を含んでもよい。ポリペプチドを細胞内で産生するか、または培地中に分泌させてもよく、そこから回収してもよい。ポリペプチドは、可溶性ポリペプチドであってもまたはなくてもよい。
産生されるポリペプチドは、天然存在ポリペプチドと同一かまたは実質的に類似のポリペプチドの部分またはすべてを含んでもよく、そして/または組換え融合ポリペプチドであってもまたはなくてもよい。ポリペプチドは、非抗体ペプチドおよび/または抗体を含んでもよい。ポリペプチドを細胞内で産生するか、または培地中に分泌させてもよく、そこから回収してもよい。
本発明を用いて、ほぼいかなるポリペプチドの産生を誘導することも可能であり、そして、本発明は、発現が例えばウイルスプロモーターなどの強いプロモーターの調節下にあるポリペプチド、および/またはアデノウイルス三分割(tripartite)リーダー要素を有するメッセージ上にコードされるポリペプチドでは、特に好適である。タンパク質産生に使用可能な有用な発現ベクターの例が、国際出願WO 01/27299、およびpDC409ベクターを記載するMcMahanら(1991), EMBO J. 10:2821に開示される。タンパク質は、一般的に、少なくとも約10アミノ酸、所望により約25、75、または100アミノ酸のポリペプチドと理解される。
一般的に、本発明の方法は、組換えポリペプチド産生を誘導するのに有用である。本発明の方法で産生可能ないくつかのポリペプチドには、以下のポリペプチドの1つのすべてまたは部分と同一かまたは実質的に類似のアミノ酸配列を含んでなるポリペプチドが含まれる:flt3リガンド(本明細書に援用される、国際出願WO 94/28391に記載されるようなもの)、CD40リガンド(本明細書に援用される、米国特許第6,087,329号に記載されるようなもの)、エリスロポエチン、トロンボポエチン、カルシトニン、レプチン、IL−2、アンギオポエチン−2(本明細書に援用される、Maisonpierreら(1997), Science 277(5322):55−60に記載されるようなもの)、Fasリガンド、NF−カッパBの受容体活性化因子のリガンド(本明細書に援用される、国際出願WO 01/36637に記載されるようなRANKL)、腫瘍壊死因子(TNF)関連アポトーシス誘導リガンド(本明細書に援用される、国際出願WO 97/01633に記載されるようなTRAIL)、胸腺間質由来リンホポエチン、顆粒球コロニー刺激因子、顆粒球−マクロファージコロニー刺激因子(本明細書に援用される、豪州特許第588819号に記載されるようなGM−CSF)、肥満細胞増殖因子、幹細胞増殖因子(本明細書に援用される、米国特許第6,204,363号に記載されるようなもの)、上皮増殖因子、ケラチン生成細胞増殖因子、巨核球(megakaryote)増殖および発生因子(developmen factor)、RANTES、成長ホルモン、インスリン、インスリノトロピン、インスリン様増殖因子、副甲状腺ホルモン、αインターフェロン、γインターフェロン、およびコンセンサス・インターフェロンを含むインターフェロン類(どちらも本明細書に援用される、米国特許第4,695,623号および第4,897,471号に記載されるようなもの)、神経増殖因子、脳由来向神経因子、シナプトタグミン様タンパク質(SLP1〜5)、ニュートロフィン−3、グルカゴン、インターロイキン1〜18、コロニー刺激因子、リンホトキシン−β、腫瘍壊死因子(TNF)、白血病阻害因子、オンコスタチン−M、並びに細胞表面分子ELKおよびHekの多様なリガンド(eph関連キナーゼのリガンド、またはLERKSなど)。本発明の方法にしたがって産生可能なポリペプチドの説明は、例えば、すべて本明細書に援用される、Human Cytokines:Handbook for Basic and Clinical Reseach, Vol.II(AggarwalおよびGutterman監修, Blackwell Sciences, マサチューセッツ州ケンブリッジ、1988);Growth Factors:A Practical Approach(McKayおよびLeigh監修, Oxford University Press Inc., ニューヨーク, 1993);およびThe Cytokine Handbook(A.W. Thompson監修, Academic Press, カリフォルニア州サンディエゴ, 1991)に見出すことが可能である。
本発明の方法を用いて産生可能な他のポリペプチドには、上述のポリペプチドいずれかの受容体のアミノ酸配列のすべてまたは部分を含んでなるポリペプチド、こうした受容体または上述のポリペプチドいずれかのアンタゴニスト、および/またはこうした受容体またはアンタゴニストに実質的に類似のポリペプチドが含まれる。これらの受容体およびアンタゴニストには:腫瘍壊死因子受容体の両方の型(どちらも本明細書に援用される米国特許第5,395,760号および米国特許第5,610,279号に記載されるような、p55およびp75と称されるTNFR)、インターロイキン−1(IL−1)受容体(I型およびII型:すべて本明細書に援用される欧州特許第0 460 846号、米国特許第4,968,607号、および米国特許第5,767,064号に記載される)、IL−1受容体アンタゴニスト(本明細書に援用される米国特許第6,337,072号に記載されるものなど)、IL−1アンタゴニストまたは阻害剤(すべて本明細書に援用される米国特許第5,981,713号、第6,096,728号、および第5,075,222号に記載されるものなど)、IL−2受容体、IL−4受容体(どちらも本明細書に援用される欧州特許第0 367 566号および米国特許第5,856,296号に記載されるようなもの)、IL−15受容体、IL−17受容体、IL−18受容体、顆粒球−マクロファージコロニー刺激因子受容体、顆粒球コロニー刺激因子受容体、オンコスタチン−Mおよび白血病阻害因子の受容体、NF−カッパBの受容体活性化因子(どちらも本明細書に援用されるWO 01/36637および米国特許第6,271,349号に記載されるRANK)、オステオプロテジェリン(例えば、本明細書に援用される米国特許第6,015,938号に記載される)、TRAIL受容体(TRAIL受容体1、2、3、および4を含む)、およびFasまたはアポトーシス誘導受容体(AIR)などの、死ドメインを含んでなる受容体が含まれる。
本発明の方法を用いて産生可能な他のポリペプチドには、分化抗原(CDポリペプチドと称される)またはそれらのリガンドのアミノ酸配列のすべてまたは部分を含んでなるポリペプチド、あるいはこれらのいずれかに実質的に類似のポリペプチドが含まれる。こうした抗原は、Leukocyte Typing VI(本明細書に援用される、Proceedings of the VIth International Workshop and Conference, Kishimoto, Kikutaniら監修, 日本・神戸, 1996)に開示される。続くワークショップに、類似のCDポリペプチドが開示される。こうした抗原の例には、CD22、CD27、CD30、CD39、CD40、およびそのリガンド(CD27リガンド、CD30リガンド等)が含まれる。CD抗原のいくつかは、41BBおよびOX40も含む、TNF受容体ファミリーのメンバーである。リガンドは、41BBリガンドおよびOX40リガンドがそうであるように、しばしば、TNFファミリーのメンバーである。したがって、TNFおよびTNFRファミリーのメンバーもまた、本発明を用いて精製可能である。
酵素的に活性であるポリペプチドまたはそのリガンドもまた、本発明の方法にしたがって産生可能である。例には、以下のポリペプチドまたはそのリガンドの1つのすべてまたは部分を含んでなるポリペプチド、あるいはこれらの1つに実質的に類似のポリペプチドが含まれる:メタロプロテイナーゼ−ディスインテグリンファミリーメンバー、多様なキナーゼ、グルコセレブロシダーゼ、スーパーオキシドジスムターゼ、組織プラスミノーゲンアクチベーター、因子VIII、因子IX、アポリポタンパク質E、アポリポタンパク質A−I、グロビン類、IL−2アンタゴニスト、アルファ−1アンチトリプシン、TNF−アルファ変換酵素、上述の酵素いずれかのリガンド、並びに多くの他の酵素およびそのリガンド。
本発明の方法はまた、抗体またはその部分およびキメラ抗体、すなわち1以上のネズミ可変抗体免疫グロブリンドメインにカップリングしたヒト定常抗体免疫グロブリンドメインを有する抗体、その断片、または実質的に類似のタンパク質を産生するのにも使用可能である。本発明の方法はまた、抗体および細胞傷害性物質または発光物質を含んでなるコンジュゲートを産生するのにも使用可能である。こうした物質には:メイタンシン誘導体(DM1など);エンテロトキシン(ブドウ球菌属(Staphlyococcal)エンテロトキシンなど);ヨウ素同位体(ヨウ素−125など);テクニウム同位体(Tc−99mなど);シアニン蛍光色素(Cy5.5.18など);およびリボソーム不活性化ポリペプチド(ボーガニン(bouganin)、ゲロニン、またはサポリン−S6など)が含まれる。本発明はまた、どちらも本明細書に援用される国際出願WO 01/83525およびWO 00/24782に記載されるものなど、特定の標的タンパク質に結合し、そしてその活性を修飾するようにin vitroで選択される、キメラタンパク質を産生するのにも使用可能である。本発明の方法によって産生可能な、抗体、in vitro選択キメラタンパク質、あるいは抗体/サイトトキシンコンジュゲートまたは抗体/発光団コンジュゲートの例には、限定されるわけではないが、上述のタンパク質および/または以下の抗原を含むポリペプチドのいずれか1つまたは組み合わせいずれかを認識するものが含まれる:CD2、CD3、CD4、CD8、CD11a、CD14、CD18、CD20、CD22、CD23、CD25、CD33、CD40、CD44、CD52、CD80(B7.1)、CD86(B7.2)、CD147、IL−1α、IL−1β、IL−2、IL−3、IL−7、IL−4、IL−5、IL−8、IL−10、IL−2受容体、IL−4受容体、IL−6受容体、IL−13受容体、IL−18受容体サブユニット、PDGF−βおよびその類似体(米国特許第5,272,064号および第5,149,792号に記載されるものなど)、VEGF、TGF、TGF−β2、TGF−β1、EGF受容体(本明細書に援用される米国特許第6,235,883B1号に記載されるものを含む)、VEGF受容体、肝細胞増殖因子、オステオプロテジェリン・リガンド、インターフェロン・ガンマ、Bリンパ球刺激因子(BlyS、BAFF、THANK、TALL−1、およびzTNF4としても知られる;DoおよびChen−Kiang(2002), Cytokine Growth Factor Rev. 13(1):19−25を参照されたい)、C5補体、IgE、腫瘍抗原CA125、腫瘍抗原MUC1、PEM抗原、LCG(肺癌に関連して発現される遺伝子産物)、HER−2、腫瘍関連糖タンパク質TAG−72、SK−1抗原、結腸癌および/または膵臓癌患者の血清に上昇したレベルで存在する腫瘍関連エピトープ、乳癌、結腸癌、扁平上皮癌、前立腺癌、膵臓癌、肺癌、および/または腎臓癌細胞上、並びに/あるいは黒色腫、神経膠腫、または神経芽細胞腫細胞、腫瘍の壊死中心上で発現される癌関連エピトープまたはポリペプチド、インテグリン・アルファ4ベータ7、インテグリンVLA−4、B2インテグリン、TRAIL受容体1、2、3、および4、RANK、RANKリガンド、TNF−α、接着分子VAP−1、上皮細胞接着分子(EpCAM)、細胞間接着分子−3(ICAM−3)、ロイコインテグリン(leukointegrin)アドヘシン、血小板糖タンパク質gpIIb/IIIa、心臓ミオシン重鎖、副甲状腺ホルモン、rNAPc2(因子VIIa組織因子の阻害剤)、MHC I、癌胎児抗原(CEA)、アルファ−フェトプロテイン(AFP)、腫瘍壊死因子(TNF)、CTLA−4(細胞傷害性Tリンパ球関連抗原)、Fc−γ−1受容体、HLA−DR10ベータ、HLA−DR抗原、L−セレクチン、呼吸器合胞体ウイルス、ヒト免疫不全ウイルス(HIV)、B型肝炎ウイルス(HBV)、ストレプトコッカス・ムタンス(Streptococcus mutans)、および黄色ブドウ球菌(Staphlycoccus aureus)。
本発明はまた、抗イディオタイプ抗体のすべてまたは部分あるいは実質的に類似のポリペプチドを生産するのにも使用可能であり、これらには:腫瘍抗原gp72を標的とする抗体;ガングリオシドGD3に対する抗体;ガングリオシドGD2に対する抗体;またはこれらに実質的に類似の抗体に対する抗イディオタイプ抗体が含まれる。
本発明の方法はまた、上述のポリペプチドいずれかを含んでなる組換え融合ポリペプチドを産生するのにも使用可能である。例えば、本発明の方法を用いて、上述のポリペプチドの1つに加えて、ロイシンジッパー、コイルドコイル、抗体のFc部分などの多量体化ドメインを含んでなる組換え融合ポリペプチド、または実質的に類似のタンパク質を産生可能である。例えば、すべて本明細書に援用される、WO 94/10308;Lovejoyら(1993), Science 259:1288−1293;Harburyら(1993), Science 262:1401−05;Harburyら(1994), Nature 371:80−83;Hakanssonら(1999), Structure 7:255−64を参照されたい。こうした組換え融合ポリペプチドの中に特に含まれるのは、TNFRまたはRANKの部分を抗体のFc部分に融合させたポリペプチド(TNFR:FcまたはRANK:Fc)である。TNFR:Fcは、本明細書に援用される米国特許第5,395,760号の図2Aのアミノ酸1〜163、1〜185、または1〜235に実質的に類似のアミノ酸配列を含む、TNFRの細胞外ドメインに融合した抗体のFc部分を含んでなる。RANK:Fcは、本明細書に援用される国際出願WO 01/36637に記載される。
好ましくは、ポリペプチドは、例えば、そのポリペプチドの産生を天然には指示しないプロモーターなどの、異種調節要素の調節下で発現される。例えば、プロモーターは、哺乳動物ポリペプチドの発現を指示する、強いウイルスプロモーター(例えばCMV、SV40)であってもよい。宿主細胞は、通常、該ポリペプチドを産生してもまたしなくてもよい。例えば、宿主細胞は、ヒトポリペプチドを産生するように遺伝子操作されているCHO細胞であってもよく、これは、ヒトポリペプチドをコードする核酸がCHO細胞に導入されていることを意味する。あるいは、宿主細胞は、通常は非常に低レベルでしか存在しないヒトポリペプチドを、増加したレベルで産生するように遺伝子操作されている(例えば内因性プロモーターを強いウイルスプロモーターと交換することによって)ヒト細胞であってもよい。組換えポリペプチドを産生するため、組換えポリペプチドをコードする発現ベクターを、例えばトランスフェクションまたはウイルス感染によって、実質的に均質な宿主細胞培養物に移入してもよい。発現ベクターは遺伝子操作法を用いて構築してもよく、これには、適切な制御配列に機能可能であるように連結された目的のポリペプチドをコードする核酸が含まれうる。
制御配列は、典型的には、哺乳動物、微生物、ウイルス、および/または昆虫遺伝子由来である。制御配列の例には、転写プロモーター、オペレーター、およびエンハンサー、リボソーム結合部位(例えばKozak(1991), J. Biol. Chem. 266:19867−19870を参照されたい)、転写および翻訳開始および終結を調節する適切な配列、ポリアデニル化シグナル(例えばMcLauchlanら(1988), Nucleic Acids Res. 16:5323−33)、並びにマトリックスおよび骨格付着部位(Phi−Vanら(1988), Mol. Cell. Biol. 10:2302−07;Stiefら(1989), Nature 341:342−35;Boniferら(1990), EMBO J. 9:2843−48を参照されたい)が含まれる。ヌクレオチド配列は、制御配列が、ポリペプチドコード配列に機能的に関連するならば、機能可能であるように連結されている。したがって、プロモーターヌクレオチド配列は、該プロモーターヌクレオチド配列が、ポリペプチドコード配列の転写を調節するならば、該ポリペプチドコード配列に機能可能であるように連結されている。一般的に、組換え細胞の同定を容易にするため、選択可能マーカーをコードする遺伝子が、発現ベクターに取り込まれる。
哺乳動物宿主細胞発現ベクターのための転写および翻訳調節配列は、ウイルスゲノムより切り出されてもよい。通常用いられるプロモーター配列およびエンハンサー配列は、ポリオーマウイルス、アデノウイルス2、シミアンウイルス40(SV40)、およびヒト・サイトメガロウイルス(CMV)由来である。例えば、極初期遺伝子1のヒトCMVプロモーター/エンハンサーが使用されてもよい。例えば、Pattersonら(1994), Applied Microbiol. Biotechnol. 40:691−98を参照されたい。SV40ウイルスゲノム由来のDNA配列、例えばSV40起点、初期および後期プロモーター、エンハンサー、スプライシング、およびポリアデニル化部位を用いて、哺乳動物宿主細胞における構造遺伝子配列の発現のための他の遺伝要素を提供してもよい。ウイルス初期および後期プロモーターは、どちらもウイルス複製起点をも含有しうる断片として容易にウイルスゲノムから得られるため、特に有用である(Fiersら(1978), Nature 273:113;Kaufman(1990), Meth. in Enzymol. 185:487−511)。SV40ウイルス複製起点部位に位置するHindIII部位からBglI部位に渡るおよそ250bpの配列が含まれていれば、より小さいまたはより大きいSV40断片もまた使用可能である。
さらに、適切な天然または異種シグナルペプチド(リーダー配列)をコードする配列を発現ベクターに取り込んで、組換えポリペプチドの細胞外分泌を促進されてもよい。シグナルペプチドは、細胞から分泌される際、組換えポリペプチドから切断されるであろう。シグナルペプチドまたはリーダーの選択は、組換えポリペプチドを産生しようとする宿主細胞の種類に応じる。哺乳動物宿主細胞で機能するシグナルペプチドの例には、米国特許第4,965,195号に記載されるインターロイキン−7(IL−7)のシグナル配列、Cosmanら(1984), Nature 312:768に記載されるインターロイキン−2受容体のシグナル配列;欧州特許第367,566号に記載されるインターロイキン−4受容体シグナルペプチド;米国特許第4,968,607号に記載されるI型インターロイキン−1受容体シグナルペプチド;および欧州特許第0 460 846号に記載されるII型インターロイキン−1受容体シグナルペプチドが含まれる。
哺乳動物細胞にDNAを導入するための確立された方法が記載されてきている。Kaufman, R.J., Large Scale Mammalian Cell Culture, 1990, pp.15−69。陽イオン性脂質試薬、LIPOFECTAMINETM、LOPOFECTAMINETM−2000、またはLIPOFECTAMINETM−PLUS(Invitrogenから購入可能)などの商業的に入手可能な試薬を用いたさらなるプロトコルを用いて、細胞をトランスフェクションしてもよい。Felgnerら(1987), Proc. Natl. Acad. Sci. USA 84:7413−7417。さらに、エレクトロポレーションまたは核酸でコーティングされた微粒子銃を用い、Sambrookら, Molecular Cloning:A Laboratory Manual, 第2版, Vol.1−3, Cold Spring Harbor Laboratory Press(1989)およびFitzpatrick−McElligott(1992), Biotechnology(NY)10(9):1036−40におけるものなどの方法を用いて、哺乳動物細胞をトランスフェクションしてもよい。安定形質転換体の選択は、例えば細胞傷害性薬剤に対する耐性など、当該技術分野に知られる方法を用いて行うことが可能である。Kaufmanら((1990), Meth. in Enzymology 185:487−511)は、ジヒドロ葉酸レダクターゼ(DHFR)耐性などのいくつかの選択スキームを記載する。DHFR選択に適した宿主株は、DHFRが欠損したCHO株DX−B11であってもよい。UrlaubおよびChasin(1980), Proc. Natl. Acad. Sci. USA 77:4216−4220。DHFR cDNAを発現するプラスミドを株DX−B11に導入してもよく、そしてプラスミドを含有する細胞のみが、適切な選択培地上で増殖可能である。発現ベクターに取り込むことが可能な、選択可能マーカーの他の例には、G418およびハイグロマイシンBなどの抗生物質への耐性を与えるcDNAが含まれる。ベクターを宿する細胞は、これらの化合物への耐性に基づいて、選択可能である。
哺乳動物発現ベクターからの異種遺伝子の発現を促進することが示された、さらなる調節配列には、CHO細胞由来の発現増大配列要素(EASE)(Morrisら, Animal Cell Technology中, pp.529−534(1997);米国特許第6,312,951B1号、第6,027,915号、および第6,309,841B1号)並びにアデノウイルス2由来の三分割リーダー(TPL)およびVA遺伝子RNA(Gingerasら(1982), J. Biol. Chem. 257:13475−13491)などの要素が含まれる。ウイルス起源の内部リボソーム進入部位(IRES)配列によって、二シストロン性mRNAが効率的に翻訳されることが可能になる(OhおよびSarnow(1993), Current Opinion in Genetics and Development 3:295−300;Rameshら(1996), Nucleic Acids Research 24:2697−2700)。選択可能マーカー(例えばDHFR)遺伝子が続く、二シストロン性mRNAの一部としての異種cDNAの発現は、宿主のトランスフェクション可能性および異種cDNAの発現を改善することが示されてきている(Kaufmanら(1990), Methods in Enzymol. 185:487−511)。二シストロン性mRNAを使用する典型的な発現ベクターは、Mosserら, Biotechniques 22:150−161(1997)に記載されるpTR−DC/GFP、およびMorrisら, Animal Cell Technology中, pp.529−534(1997)に記載されるp2A5Iである。
有用な高発現ベクター、pCAVNOTがMosleyら((1989), Cell 59:335−348)に記載されてきている。哺乳動物宿主細胞において用いるための他の発現ベクターは、OkayamaおよびBerg((1983), Mol. Cell. Biol. 3:280)に開示されるように構築されてもよい。C127ネズミ乳腺上皮細胞における哺乳動物cDNAの安定した高レベル発現に有用な系を、実質的にCosmanら((1986), Mol. Immunol. 23:935)に記載されるように構築してもよい。Cosmanら((1984), Nature 312:768)に記載される有用な高発現ベクター、PMLSV N1/N4はATCC 39890として寄託されている。さらなる有用な哺乳動物発現ベクターが、欧州特許第−A−0 367 566号およびWO 01/27299A1に記載される。ベクターはレトロウイルス由来であってもよい。天然シグナル配列の代わりに、以下の配列の1つなどの、異種シグナル配列を付加してもよい:米国特許第4,965,195号に記載されるIL−7のシグナル配列;Cosmanら(Nature 312:768(1984))に記載されるIL−2受容体のシグナル配列;欧州特許第0 367 566号に記載されるIL−4シグナルペプチド;米国特許第4,968,607号に記載されるI型IL−1受容体シグナルペプチド;および欧州特許第0 460 846号に記載されるII型IL−1受容体シグナルペプチド。
ポリペプチドは、真核細胞において、組換え的に産生されてよく、そして好ましくは、細胞培養で増殖するように適応させた宿主細胞から分泌される。所望により、本発明で使用する宿主細胞は、好ましくは哺乳動物細胞である。細胞はまた、目的の遺伝子を発現するように遺伝子操作されていてもよく、細胞培養中で増殖するように適応させた哺乳動物産生細胞であってもよく、そして/または均質な細胞株であってもよい。産業で一般的に用いられるこうした細胞の例は、VERO、BHK、HeLa、CV1(Cosを含む)、MDCK、293、3T3、骨髄腫細胞株(例えばNSO、NS1)、PC12、WI38細胞、およびチャイニーズハムスター卵巣(CHO)細胞であり、これらは、いくつかの複雑な組換えポリペプチド、例えばサイトカイン、凝固因子、および抗体を産生するのに広く用いられている(Braselら(1996), Blood 88:2004−2012;Kaufmanら(1988), J. Biol Chem 263:6352−6362;McKinnonら(1991), J Mol Endocrinol 6:231−239;Woodら(1990), J. Immunol. 145:3011−3016)。ジヒドロ葉酸レダクターゼ(DHFR)欠損突然変異細胞株(本明細書に援用される、Urlaubら(1980), Proc Natl Acad Sci USA 77:4216−4220)、DXB11およびDG−44は、これらの細胞において、効率的なDHFR選択可能および増幅可能遺伝子発現系が、高レベルの組換えポリペプチド発現を可能にするため、望ましいCHO宿主細胞株である(本明細書に援用される、Kaufman R.J.(1990), Meth Enzymol 185:537−566)。さらに、これらの細胞は、接着培養または懸濁培養として、操作が容易であり、そして比較的優れた遺伝子安定性を示す。CHO細胞およびこれらで発現される組換えポリペプチドは、広範に性質決定されており、そして監督官庁によって臨床的商業的な製造における使用に関して認可されてきている。本発明の方法はまた、抗体を産生するハイブリドーマ細胞株を用いて実行してもよい。ハイブリドーマ株を作成する方法は、当該技術分野に周知である。例えばBerzofskyら, Paul監修, Fundamental Immunology, 第2版中, pp.315−356, 347−350, Raven Press Ltd., ニューヨーク(1989)を参照されたい。上述の株由来の細胞株もまた、本発明の実施に適している。
本発明において、抗体または組換えポリペプチドであってもよい、目的のポリペプチドの産生を促進する条件下で哺乳動物宿主細胞を培養する。基本的な細胞培地処方物(formulation)は、当該技術分野に周知である。当業者は、これらの基本的培地処方物に、培養しようとする宿主細胞の必要性に応じて、アミノ酸、塩、糖、ビタミン、ホルモン、増殖因子、緩衝剤、抗生物質、脂質、微量元素等の構成要素を添加するであろう。培地は、血清および/またはタンパク質を含有してもまたしなくてもよい。血清不含培地および/または定義される培地を含む、多様な組織培地が、細胞培養用に商業的に入手可能である。組織培地は、本発明の目的のため、in vitro細胞培養中の動物細胞、および好ましくは哺乳動物細胞の増殖に適した培地と定義される。典型的には、組織培地は、緩衝剤、塩、エネルギー供給源、アミノ酸、ビタミンおよび微量必須元素を含有する。培養中の適切な真核細胞の増殖を支持することが可能ないかなる培地も使用可能であり;本発明は、培養中の真核細胞、特に哺乳動物細胞に広く適用可能であり、そして培地の選択は、本発明には重要でない。本発明に使用するのに適した組織培地は、例えばATCC(バージニア州マナサス)から商業的に入手可能である。例えば、以下の培地のいずれか1つまたは組み合わせいずれかを使用してもよい:とりわけ、アメリカン・タイプ・カルチャー・コレクションまたはJRH Biosciencesとともに他の製造供給元から入手可能な、RPMI−1640培地、RPMI−1641培地、ダルベッコの修飾イーグル培地(DMEM)、最少必須培地イーグル、F−12K培地、ハムのF12培地、イスコーブの修飾ダルベッコ培地、マッコイの5A培地、レイボビッツのL−15培地、およびEX−CELLTM300シリーズ(JRH Biosciences、米国カンザス州レネクサ)などの血清不含培地。血清不含培地および/またはペプトン不含培地と定義される培地を用いる場合、培地は、通常、アミノ酸および微量元素に関して非常に強化されている。例えばMatherらに対する米国特許第5,122,469号およびKeenらに対する第5,633,162号を参照されたい。
本発明の方法および組成物において、細胞は、血清不含、タンパク質不含、増殖因子不含、および/またはペプトン不含培地中で増殖されてもよい。用語「血清不含」は、培地に適用される際、ウシ胎児血清などの血清を含有しない、いかなる哺乳動物細胞培地も含む。用語「インスリン不含」は、培地に適用される際、外因性のインスリンがまったく添加されていないいかなる培地も含む。外因性によって、この文脈において、細胞自体の培養によって産生されるもの以外であることを意味する。用語「IGF−1不含」は、培地に適用される際、外因性インスリン様増殖因子−1(IGF−1)または類似体(例えば、サウスオーストラリア州テバートンのGroPep Ltd.から入手可能な、LongR3、[Ala31]、または[Leu24][Ala31]IGF−1類似体など)がまったく添加されていないいかなる培地も含む。用語「増殖因子不含」は、培地に適用される際、外因性増殖因子(例えばインスリン、IGF−1)がまったく添加されていないいかなる培地も含む。用語「タンパク質不含」は、培地に適用される際、例えばトランスフェリン、並びにタンパク質増殖因子、IGF−1およびインスリンなどの外因性に添加されるタンパク質を含まない培地を含む。タンパク質不含培地は、ペプトンを含んでもまたは含まなくてもよい。用語「ペプトン不含」は、培地に適用される際、例えば、動物および/または植物タンパク質加水分解産物などの、外因性タンパク質加水分解産物がまったく添加されていないいかなる培地も含む。培地からペプトンを除去すると、ロット間変動が減少し、そしてろ過などのプロセシングが増進される利点がある。化学的に定義される培地は、すべての構成要素が定義され、そして純粋な供給源、好ましくは非動物供給源から得られる培地である。
当業者はまた、細胞増殖、細胞生存度、および/または特定の培養宿主細胞における組換えポリペプチド産生を最大にするために開発された、多くの個別化培地処方物の1つの使用を選択することも可能である。本発明記載の方法を、商業的に入手可能な細胞培地と組み合わせて用いるか、または特定の細胞株で使用するために個別に処方された細胞培地と組み合わせて用いてもよい。例えば、ポリペプチド産生増加を支持することが可能な強化培地は、例えば1:1、1:2、1:3、1:4、1:5、1:6、1:7、1:8の比、あるいは最大1:15の比またはそれより高い比で組み合わされた、例えばDMEM培地およびハムのF12培地などの、2以上の商業的培地の混合物を含んでもよい。あるいは、またはさらに、培地は、アミノ酸またはペプトンなどの栄養素の添加によって強化してもよく、そして/または培地(または以下に記載するものを例外としたその構成要素の大部分)を、通常、推奨される濃度の、例えば2X、3X、4X、5X、6X、7X、8X、またはそれより高い濃度で用いてもよい。本明細書において、「1X」は、標準濃度を意味し、「2X」は、標準濃度の2倍を意味するなどである。これらの態様のいずれにおいても、塩など、モル浸透圧濃度に実質的に影響を及ぼしうる培地構成要素の濃度を、培地の浸透圧モル濃度が許容しうる範囲の外に属するように増加させることは不可能である。したがって、培地は、1Xでのみ存在可能な塩以外、すべての構成要素に関して、例えば8Xであってもよい。強化培地は、血清不含および/またはタンパク質不含であってもよい。さらに、培地は、培養物が、例えばビタミン、アミノ酸、および代謝前駆体など、枯渇しうる培地構成要素を補給されて維持される間、定期的に補充されてもよい。当該技術分野に知られるように、異なる培地および温度は、異なる細胞株に対して、いくぶん異なる影響を有する可能性があり、そして同じ培地および温度が、すべての細胞株には適さない可能性がある。
哺乳動物細胞に適した培養条件が当該技術分野に知られる。例えばAnimal cell culture:A Practical Approach, D. Rickwood監修, Oxford University press, ニューヨーク(1992)を参照されたい。哺乳動物細胞を、懸濁中で、または固体支持体に付着させながら、培養してもよい。さらに、哺乳動物細胞を、例えば、流動層バイオリアクター、中空糸バイオリアクター、ローラーボトル、震蘯フラスコ、または攪拌タンク・バイオリアクター中、マイクロキャリアーを伴いまたは伴わずに培養し、そしてバッチ培養、流加培養、連続培養、半連続培養、または灌流培養方式で、操作してもよい。
本発明記載の方法を用いて、単相および多相培養法両方において、組換えポリペプチドの産生を改善することが可能である。単相法では、細胞を培養環境に接種して、そして単一産生相中、開示された方法を適用する。多段階法では、細胞を2以上の別個の相で培養する。例えば、細胞をまず、細胞増殖および生存度を最大にする環境条件下の増殖相で培養し、次いで、ポリペプチド産生を最大にする条件下の産生相に移す。増殖相および産生相に1以上の遷移相が先行するか、遷移相がこれらの相を分離してもよい。多相法において、少なくとも産生相中、本発明にしたがった方法を使用する。増殖相は、産生相より高い温度で生じてもよい。例えば、増殖相は、約35℃〜約38℃の第一の温度で生じてもよく、そして産生相は約29℃〜約36℃、所望により約30℃〜約33℃の第二の温度で生じてもよい。例えばカフェイン、ブチレート、およびHMBAなどのポリペプチド産生の化学的誘導剤を、温度シフトとおなじとき、シフトの前、および/またはシフトの後に添加してもよい。誘導剤を温度シフトの後に添加する場合、これらは、温度シフトの1時間〜5日後、所望により温度シフトの1〜2日後に添加してもよい。
本発明の方法を用いた誘導後、生じた発現ポリペプチドを収集してもよい。さらに、こうした培養物または構成要素から(例えば培地または細胞抽出物または体液から)、既知の方法を用いて、ポリペプチドを精製するか、または部分的に精製してもよい。「部分的に精製された」によって、何らかの単数または複数の分画法を行ったが、望ましいポリペプチドより多いポリペプチド種(少なくとも10%)が存在することを意味する。「精製された」によって、ポリペプチドが本質的に均質であり、すなわち1%未満の混入ポリペプチドが存在することを意味する。分画法には、限定されるわけではないが、1以上の工程のろ過、遠心分離、沈殿、相分離、アフィニティー精製、ゲルろ過、イオン交換クロマトグラフィー、疎水性相互作用クロマトグラフィー(HIC;フェニルエーテル、ブチルエーテル、またはプロピルエーテルなどの樹脂を用いる)、HPLC、または上記のいくつかの組み合わせが含んでもよい。
例えば、ポリペプチドの精製には、ポリペプチドに結合するであろう剤を含有するアフィニティーカラム;コンカナバリンA−アガロース、ヘパリン−TOYOPEARL(登録商標)(東洋曹達工業株式会社、日本)またはCibacromブルー3GA SEPHAROSE(登録商標)(Pharmacia Fine Chemicals, Inc.、ニューヨーク)などのアフィニティー樹脂上の1以上のカラム工程;溶出を伴う1以上の工程;および/または免疫親和性クロマトグラフィーを含みうる。ポリペプチドは、精製を容易にする型で発現させてもよい。例えば、マルトース結合ポリペプチド(MBP)、グルタチオン−S−トランスフェラーゼ(GST)、またはチオレドキシン(TRX)のものなどの融合ポリペプチドとして発現させてもよい。こうした融合ポリペプチドの発現および精製のためのキットが、それぞれ、New England BioLab(マサチューセッツ州ビバリー)、Pharmacia(ニュージャージー州ピスカタウェイ)およびInVitrogenから商業的に入手可能である。ポリペプチドにエピトープをタグ付けして、そして続いて、こうしたエピトープに向けられる特異的抗体を用いることによって精製してもよい。1つのこうしたエピトープ(FLAG(登録商標))が、Kodak(コネチカット州ニューヘブン)から商業的に入手可能である。組換えポリペプチドに対するモノクローナル抗体などのポリペプチド結合タンパク質を含んでなるアフィニティーカラムを利用して、発現ポリペプチドをアフィニティー精製してもよい。他の種類のアフィニティー精製工程は、プロテインAまたはプロテインGカラムであってもよく、このアフィニティー剤は、Fcドメインを含有するタンパク質に結合する。慣用技術を用いて、例えば利用するアフィニティーマトリックスに応じて、高塩溶出緩衝液中で、そして次いで、使用のために、より低塩の緩衝液中に透析することによって、またはpHもしくは他の構成要素を変化させることによって、ポリペプチドをアフィニティーカラムからはずしてもよく(remove)、あるいはアフィニティー部分の天然存在基質を用いて競合的にはずしてもよい。
最終純度の望ましい度合いは、ポリペプチドの意図される使用に応じる。例えば、ポリペプチドをin vivoで投与しようとするとき、比較的高い純度が望ましい。こうした場合、ポリペプチドは、SDS−ポリアクリルアミドゲル電気泳動(SDS−PAGE)による解析に際して、他のポリペプチドに相当するポリペプチドバンドが検出不能であるように精製される。当業者は、異なるグリコシル化、異なる翻訳後プロセシング等のため、SDS−PAGEによって該ポリペプチドに相当する多数のバンドが視覚化される可能性があることを認識するであろう。所望により、本発明のポリペプチドは、SDS−PAGEによる解析の際、単一のポリペプチドバンドによって示されるように、実質的に均一に精製される。ポリペプチドバンドは、銀染色、クーマシーブルー染色によって、または(ポリペプチドが放射標識されている場合は)オートラジオグラフィーによって、視覚化可能である。
本発明はまた、所望により、ポリペプチドをさらに処方することを含む。用語「処方」によって、ポリペプチドが、最終使用者のために、緩衝液交換され、滅菌され、バルクパッケージングされ、そして/またはパッケージングされることが可能であることを意味する。本発明の目的のため、用語「滅菌バルク型」は、処方物が微生物混入物質を含まないか、または本質的に含まず(食品および/または薬剤目的に許容しうる程度に)、そして定義される組成および濃度であることを意味する。用語「滅菌単位用量型」は、顧客および/または患者投与または消費に適した型であることを意味する。こうした組成物は、生理学的に許容しうる希釈剤、キャリアー、または賦形剤などの他の構成要素と組み合わせて、有効量のポリペプチドを含んでもよい。用語「生理学的に許容しうる」は、活性成分(単数または複数)の生物学的活性の有効性に干渉しない非毒性物質を意味する。
投与に適した処方物には、酸化防止剤、緩衝剤、静菌剤、および処方物をレシピエントの血液と等張にする溶質を含有してもよい水性および非水性無菌注射溶液;並びに懸濁剤または粘稠化剤を含有してもよい水性および非水性無菌懸濁物が含まれる。ポリペプチドは、薬学的に有用な組成物を調製するのに用いられる既知の方法にしたがって、処方してもよい。これらは、単一の活性物質として、または既定の徴候に適した他の既知の活性物質と共に、薬学的に許容しうる希釈剤(例えば、生理食塩水、Tris−HCl、酢酸、およびリン酸緩衝溶液)、保存剤(例えば、チメロサール、ベンジルアルコール、パラベン類)、乳化剤、可溶化剤、アジュバントおよび/またはキャリアーと混合して組み合わせてもよい。薬剤組成物に適した処方物には、Remington’s Pharmaceutical Sciences, 第16版, 1980, Mack Publishing Company, ペンシルバニア州イーストンに記載されるものが含まれる。さらに、こうした組成物は、ポリエチレングリコール(PEG)、金属イオンと複合体化しているか、あるいはポリ酢酸、ポリグリコール酸、ヒドロゲル類、デキストラン等のポリマー化合物に取り込まれているか、あるいはリポソーム、マイクロエマルジョン、ミセル、単層もしくは多層小胞、赤血球ゴーストもしくはスフェロブラストに取り込まれていてもよい。リポソーム処方物に適した脂質には、限定なしに、モノグリセリド類、ジグリセリド類、スルファチド類、リゾレシチン、リン脂質類、サポニン、胆汁酸類等が含まれる。こうしたリポソーム処方物の調製は、例えば米国特許第4,235,871号、第4,501,728号、第4,837,028号、および第4,737,323号に開示されるように、当該技術分野の技術レベルの範囲内である。こうした組成物は、物理的状態、可溶性、安定性、in vivo放出速度、およびin vivoクリアランス速度に影響を与えるであろうし、そしてしたがって、意図される適用にしたがって選択され、そのため、キャリアーの特性は、選択される投与経路に応じるであろう。使用するのに適した持続放出型には、限定されるわけではないが、緩慢溶解生体適合性ポリマー(米国特許第6,036,978号に記載されるアルギン酸微小粒子など)に被包されたポリペプチド、このようなポリマー(局所適用ヒドロゲル類を含む)と混合されたもの、およびまたは生体適合性半透性移植物中に入れられたものが含まれる。
本発明が記載されてきているが、以下の実施例は、例示を提供し、そして限定するものではない。
(実施例1)
31℃でのカフェインおよびブチレートの誘導活性の比較
この実験において、組換えポリペプチドの発現を誘導する能力に関して、カフェイン(0.5〜2.0mMの濃度)を酪酸ナトリウムに比較した。遺伝子操作してTNFR:Fcを発現させたCHO細胞産生株(細胞株5)を用いて、誘導剤としてのカフェインの有効性を試験した。メトトレキセートを含有する血清不含増殖培地を用いて、CHO細胞をスピナーフラスコ中、37℃で増殖させた。適切な細胞量を得たら、1000xgで5分間遠心分離し、次いで、増殖培地を、メトトレキセートを含まない血清不含培地と交換することによって、細胞を誘導条件に置いた。最初の細胞密度が20ml中、2x10細胞/mlである細胞を、プラグシールキャップを持つ125mlプラスチック・エーレンマイヤーフラスコに入れ、そして適切な温度に設定したインキュベーター中、震蘯装置プラットホーム上に置いた。トリパンブルー色素を用い、血球計算板計数によって、細胞生存度および数を監視した。ELISAに基づくアッセイによって、組換えポリペプチド力価を評価した。
この細胞株に関して、誘導のための酪酸ナトリウムの最適濃度は、0.2mMであることが知られていた。したがって、0.2mMの酪酸ナトリウムを、0.5、1.0、および2.0mMのカフェインの誘導効果に対して比較した。誘導化合物を含有しないフラスコもまた、含めた。この誘導相中、震蘯フラスコを、二酸化炭素調節がないインキュベーターにおいて、31℃で5日間インキュベーションした。
培養5日後、試験した条件すべての細胞生存度は、非常に類似であり、そして75%〜85%の間の範囲であった。最高の相対タンパク質力価(μg/ml)は、誘導剤を含まない対照培養の力価の約1.15倍であり、そして相対生産性(μgタンパク質/10細胞/日)は、対照培養の生産性の約1.3倍であったが、これは、1mMカフェインで誘導された細胞によって示された。0.2mMブチレートで誘導された細胞は、対照培養の速度の約1.07倍である速度(μgタンパク質/10細胞/日)で、対照培養が産生する総タンパク質(μg/ml)の約1.11倍を産生した。0.5mMカフェインで誘導された細胞で、同様のタンパク質力価が観察されたが、これらの培養は、わずかに速い産生速度を有した。2mMのカフェイン濃度では、タンパク質力価は、誘導剤を含まない場合に観察されるのと類似であったが、細胞あたりの産生速度はより速かった。
これらの結果によって、カフェインを誘導剤として使用可能であり、そしてカフェインは、誘導剤として酪酸ナトリウムを用いた場合に観察されるのと同等かまたはそれを越える産物力価を誘導可能であることが示される。さらに、カフェインを用いて産生される組換えポリペプチドの産物品質(例えばグリコシル化、フォールディング、およびアミノ酸組成)が、酪酸ナトリウムを用いて産生されるものと等しいことを示す、さらなる実験データを得た。
(実施例2)
細胞株9における組換えポリペプチド発現の誘導
この実験において、異なる組換えポリペプチド、II型IL−1受容体の可溶性型の発現誘導に対するカフェイン(0〜1.4mMの濃度)の影響を、第二のCHO細胞株(細胞株9)で調べた。
メトトレキセートを含有する血清不含増殖培地を用いて、CHO細胞をスピナーフラスコ中、37℃で増殖させた。適切な細胞量を得たら、1000xgで5分間遠心分離することによって、消費された培地を取り除き、そしてメトトレキセートを含まない産生培地と交換した。最初の細胞密度が20ml中、2x10細胞/mlである細胞を、プラグシールキャップを持つ125mlプラスチック・エーレンマイヤーフラスコに入れた。以下のカフェイン濃度を試験した:0、0.6、0.8、1.0、1.2、および1.4mMカフェイン。その後、この誘導相中、フラスコを、二酸化炭素調節がないインキュベーターにおいて、31℃で5日間インキュベーションした。トリパンブルー色素を用いて、血球計算板計数によって、細胞生存度および数を監視した。ELISAに基づくアッセイによって、組換えポリペプチド力価を評価した。各誘導評価実験を5日間行った。
培養5日後、試験した条件の大部分の細胞生存度は類似であり、そして平均約85%であった。図1。1.4mMカフェインで誘導されたフラスコでは、5日後、67%の細胞生存度が観察された。0.6mM、0.8mM、および1.0mMカフェインを用いて、類似のタンパク質力価が観察され、これはすなわち約350μg/mlであり、0.5mMブチレートで観察された力価に等しかった。図2。0.6mMは、試験した最低のカフェイン濃度であるため、これらのデータは、より低い濃度のカフェインが等しいかまたはより優れた結果を与えうる可能性を排除しない。カフェインで誘導された培養で観察された最高の生産性(μgタンパク質/10細胞/日)は、0.8mMカフェイン培養中であった。図3。より高いレベルのカフェイン、すなわち1.2および1.4mMでは、タンパク質力価は陰性対照(誘導剤なし)に匹敵したが、細胞あたりの生産性は、いくぶん高かった。図2および3。
(実施例3)
細胞株60における組換えポリペプチドの誘導
この実験において、第三の組換え産物、上皮増殖因子受容体を認識するヒト抗体を発現する、第三のCHO細胞株(細胞株60)から組換え産生を誘導するためのカフェインの使用を解析した。この細胞株では、0、0.5、1.0、1.5、および2.0mMカフェインの誘導効果を試験し、そして誘導相を36℃で行った以外は、先の実験におけるように実験を行った。
第5日、誘導剤を含まない細胞のフラスコおよび0.5mMカフェインで誘導された細胞のフラスコが、すべての条件で最高の細胞生存度(約76%)を示した。1.0mMおよび1.5mMカフェインを含有する培養物の生存度は、それぞれ、約68%および60%であった。0.75mMブチレートまたは2.0mMカフェインを含有する培養物は、約51%生存であった。したがって、全体的に、生存度は、細胞株9で第5日に見られたものより低く、これは温度の相異および/または細胞株の相異を含む、多様な要因に起因しうる影響であった。カフェイン濃度がより高いと細胞生存度がより低くなる、明らかな用量−反応が観察された。
第5日の最高のタンパク質力価は、0.5mMカフェインで誘導された細胞で観察され(305μg/ml)、これは、誘導剤を含まない対照培養物の力価の約111%であった。一般的に、組換えポリペプチドの力価は、カフェイン濃度が約0.5mMを越えて増加するにつれて少なくなった。生産性(μgタンパク質/10細胞/日)は、カフェイン濃度に関連するようであり、2.0mMカフェインで誘導された細胞から最高の生産性が得られ、そしてより低いカフェイン濃度で誘導された細胞から、より低いレベルの生産性が得られた。0.5mMが、試験した最低のカフェイン濃度であり、それとともに、タンパク質産生誘導に関して試験したうち、最も有効な濃度であったため、これらのデータは、より低い濃度のカフェインが、36℃でインキュベーションした細胞株60の誘導剤として、等しく有効であるかまたはより有効である可能性を排除しない。
この実験は、実施例1および2に記載する実験とともに、カフェインが組換えポリペプチド発現を誘導する能力が、細胞株特異的でなく、そしてカフェインの存在下で、好ましい細胞生存度が維持されることを立証する。さらに、31℃〜36℃の温度で実行される誘導相または産生相において、カフェインが使用可能である。しかし、これらのデータはまた、カフェインがどのくらい有効に組換えタンパク質の合成を誘導するかが細胞株間で相異することも示す。例えば、カフェインでの細胞株9の誘導は、細胞株60の誘導より有効であった。実施例2および図2を実施例3に比較されたい。
(実施例4)
細胞株60の誘導の最適化
この実験の目的は、細胞株60の誘導条件を最適化するため、ある範囲の温度および震蘯フラスコ中のカフェイン濃度を試験することであった。
材料および方法。12の震蘯フラスコを、表1に記載する条件下でセットアップした。
表1:カフェイン濃度および試料温度
細胞株60のスピナー培養物(26.85x10細胞/ml、95.2%生存)から遠心分離を介して細胞を収集し、そして血清不含産生培地中、2x10細胞/mlで575mlスピナーフラスコに接種した。次いで、培養を12の震蘯フラスコにアリコットした。表1に記載する実験プランにしたがって、カフェインを添加した。設計した温度で震蘯フラスコを7日間インキュベーションした。第3日、第5日、および第7日に試料を採取した。生存度を決定するトリパンブルー染色を使用した細胞計数自動化系を用いて、細胞密度および生存度を測定した(innovatis GmbH、ドイツ・ビーレフェルトに開発された細胞密度検査系(Cell Density Examination System)またはCedex)。Yellow Springs Instruments 2700 Select(Yellow Springs Instruments、米国オハイオ州イエロースプリングスより入手可能)で、グルコースおよびラクテート測定を行った。必要に応じてグルコースを添加し、>2g/lの濃度を維持した。Ciba−Corning248血液ガス解析装置(Bayer Diagnostics、米国ニューヨーク州タリートンより入手可能)を用いて、COおよび外部pHを測定した。プロテインAカラム上で抗体を前精製し、その後、280ナノメートルで、結合し、そしてカラムから溶出されたタンパク質の吸光度を測定することによって、タンパク質力価を決定した。累積生存細胞密度(CVCD)を以下のように計算した:第1日のCVCDは、第1日に測定されるような、培養物ミリリットルあたりの生存細胞数である;第2日のCVCDは、第2日に測定されるような、培養物ミリリットルあたりの生存細胞数に、第1日に測定されるような、培養物ミリリットルあたりの生存細胞数を加えたものである;第3日のCVCDは、第3日に測定されるような、培養物ミリリットルあたりの生存細胞数に、第1日および第2日に測定される、培養物ミリリットルあたりの生存細胞数を加えたものである;そしてそれ以降の日のCVCDは、同様の方式で計算される。
結果。ほとんどまたはまったくカフェインが存在しない場合、より高いCVCDが達成された。温度がより低く、すなわち37℃よりも36℃であり、そしてカフェインレベルがより低いと、より高い最終生存度が生じた。2.5mMのカフェインは細胞死および培養の終結を生じた。試験した濃度範囲の残りでは、増加したレベルのカフェインによって、増加した累積特異的生産性(CumQp)が生じ、最も高いレベルはほぼ30μg/10細胞/日であった。生存培養を生じるもののうち、最高レベルのカフェイン(2mM)を含有しつつ、高いCumQpを有する培養物が、低いCVCDを有したことから、2mMカフェインは細胞生存度を減少させるが、残った生存細胞の生産性を増加させることが示された。しかし、2mMカフェインで誘導された培養物のタンパク質力価は、第7日、どちらの温度でも、誘導されない培養物より低かった。
どちらの温度でも、低いレベルから中程度のレベルのカフェインで、最高のタンパク質力価が生じた。0.5mMカフェインの存在下、36℃で増殖させた培養物で、第7日の最高の力価が観察され、そしてその力価は、誘導剤を含まずに36℃で7日間増殖させた対照培養物で見られる力価の約124%であった。1.0mMおよび1.5mMカフェインの存在下で増殖させた、36℃の培養物の第7日の力価は、それぞれ、対照レベルの約116%および111%であった。0.5mM、1.0mM、および1.5mMカフェインの存在下、37℃で増殖させた培養物の第7日の力価は、誘導剤を含まない37℃の対照培養物の、それぞれ、約110%、112%、および109%であった。総合すると、これらのデータによって、細胞株60の誘導は、37℃より36℃で、より有効であったことが示される。誘導剤を含まずに36℃および37℃で増殖させた対照培養物の第7日の力価は、同程度であった。したがって、実施例3におけるように、試験したカフェインの最低濃度は、36℃で最高のタンパク質力価を生じ、これによって、さらにより低い濃度が、等しい力価またはより高い力価を生じる可能性があることが示唆される。
要約すると、カフェインでの誘導は、36℃および37℃両方で、特異的生産性および力価を増加させた。より低い温度では、CVCDおよび生存度がより高いため、より低いCumQp値にもかかわらず、力価は、どちらかというと37℃より36℃で高かった。細胞性能および生産性に基づき、カフェインを用いて、この細胞株からの産生を誘導することが可能である。
(実施例5)
細胞株9における、カフェインに関連する化合物の誘導効果
上記の実験は、誘導剤としてのカフェインが、約9%〜約67%の間で、組換えポリペプチドの力価を増加させることを示したため、他のキサンチン誘導体でさらなる実験を行って、これらの誘導能を試験した。キサンチンの構造に基づき、多様な化合物をモデル化し、そして試験のために選択した。これらには、3−イソブチル−1−メチルキサンチン、テオフィリン、テオブロミン、ペントキシフィリン、およびアミノフィリンが含まれ、これらの構造を以下に例示する。
表2:キサンチン誘導体
アミノフィリンは、1,2−エチレンジアミン(2:1)二水和物を伴うテオフィリン化合物である。
いくつかの組み合わせを含めて、これらのキサンチン誘導体を、実施例1および2に関して上述したように、震蘯フラスコ形式(125ml震蘯フラスコ中20ml)で、細胞株9に対して試験した。3−イソブチル−1−メチルキサンチン(IBX)を溶解するため、ほぼ沸点まで加熱した水に可溶化し、そして沈殿する前にフラスコに迅速に添加した。あるいは、IBXをDMFに溶解した。細胞培養の誘導相を31℃で6日間行い、そして第3日および第6日の時点で、解析用に試料を取り除いた。各震蘯フラスコのタンパク質力価を表3に示す。
表3:多様な誘導条件下での組換えポリペプチド力価
このデータからいくつかの結論が引き出せる。0.5mM IBXで誘導されたフラスコからの産生は、カフェインよりもさらに優れており、そしてペントキシフィリンを含有する3つのフラスコもまた、有望な結果を生じた。ペントキシフィリンに誘導される培養物の力価は、用量が増加すると増加し、そして誘導剤なしの対照培養物の力価より高かった。さらに、異なるキサンチン誘導体のいくつかの組み合わせとともに、他の誘導剤(例えばブチレートおよび/またはDMF)と組み合わせた、異なるキサンチン誘導体は、対照レベルを越えるタンパク質力価を生じた。テオブロミンおよびアミノフィリンは、誘導剤を含まない対照培養物で見られるものを越えたタンパク質力価を誘導しなかった。誘導剤としてカフェインを用いた際に得られる最高のタンパク質力価は、試験した最低の濃度、すなわち0.2mMのカフェインで得られた。上に説明するように、こうした結果は、さらにより低い濃度のカフェインが有効である可能性を残している。最後に、実施例2(図2)とは異なり、ブチレートは、誘導剤を含まない培養物で見られるより増加したタンパク質力価を誘導しない。
(実施例6)
37℃での多様な誘導剤による細胞株60の誘導
フラスコを31℃でなく37℃で5日間インキュベーションし、そして細胞株60を用いたことを除いて、実施例1および2に上述するように、震蘯エーレンマイヤーフラスコ中で、この実験を行った。対照として、誘導剤を含まない1つのフラスコを31℃で増殖させた。培地中の組換えポリペプチド力価を5日後にアッセイした。試験したキサンチン誘導体には、カフェイン(0.5mM)、テオブロミン(0.1mM、0.5mM、および1.0mM)、3−イソブチル−1−メチルキサンチン(IBX、0.05mM、0.1mM、および0.15mM)、およびペントキシフィリン(0.1mM、0.5mM、および1.0mM)が含まれた。さらに、ブチレート、誘導剤のいくつかの組み合わせ、および非キサンチン化合物パパベリンを試験した。
31℃の対照培養は、37℃の対照培養に比較して、低いタンパク質力価を生じ、これはおそらく、細胞株60がより高い温度を好むためである。0.1mMの濃度のテオブロミンは、37℃対照培養物で見られるものよりタンパク質力価を増加させたが、より高い濃度(0.5mMおよび1.0mM)では逆効果であった。カフェイン、IBX、またはペントキシフィリンのいずれも、誘導剤を含まない対照培養物で見られるものよりタンパク質力価を増加させなかった。タンパク質力価は、試験した範囲のテオブロミン、IBX、およびペントキシフィリン濃度に反比例した。興味深いことに、細胞株9(表3、実施例5)は、この同じ範囲内で、ペントキシフィリン濃度が増加するとともに、タンパク質力価の増加を示しており、誘導剤に対して、異なる温度でインキュベーションした、異なる細胞株の反応が多様であることを浮き彫りにする。他の実験におけるように(実施例3を参照されたい)、0.5mMカフェインは、細胞株60に関しては、0.5mMブチレートより優れた誘導剤であるようだが、この実験では、どちらも、誘導剤を含まない対照培養物で見られるものよりタンパク質力価を増加させなかった。先の実験において、カフェインは、第7日、37℃で、対照培養物で見られるものよりわずかに高いタンパク質産生を誘導した(対照培養で見られる力価の約110%)が、36℃では、より高い誘導が観察された。実施例4。この実験において、カフェインがタンパク質産生増加を誘導しなかったのは、実験の変動、細胞株60で37℃での正の効果が小さいこと、および/または37℃で細胞株60を誘導するのに、0.5mMは最適なカフェイン濃度でない可能性などの、多様な要因によって説明可能である。
(実施例7)
多様な量のHMBAの存在下でのRANK:Fc産生
適切なベクター(国際出願WO 01/36637に記載されるようなもの)に挿入されたRANK:Fcをコードする核酸を、CHO細胞に導入した。37℃で増殖させた、安定形質転換株由来の約200万の細胞を、表4に示すように、HMBAを含まず、または多様な濃度のHMBAの存在下で、31℃で20ミリリットルの培地に接種した。震蘯フラスコ中、全部で5日間、細胞を増殖させた。その後、すべての培地を採取した。トリパンブルーで染色し、そして血球計算板中で細胞を計数することによって、培養物中に存在する細胞の数を決定した。プロテインA高性能液体クロマトグラフィー(HPLC)によってRANK:Fcを精製し、そして続いて280ナノメートルの吸光度を測定することによって、採取した培地ミリリットルあたりのRANK:Fcの力価を決定した。開始時の細胞数および終了時の細胞数を平均することによって、培養物中の平均細胞数を計算した。産生されたRANK:Fcの総マイクログラム量、平均細胞数(上述のように計算)、および増殖日数から、特異的生産性を決定した。この実験からのデータを表4に示す。
表4:タンパク質力価および特異的生産性に対する多様な濃度のHMBAの影響
これらのデータによって、0.5mMまたは2.0mMの濃度のHMBAを添加すると、ポリペプチド産生および特異的生産性に正の影響があることが示される。
(実施例8)
HMBA、カフェイン、および/または酪酸の存在下でのRANK:Fcの産生
適切なベクター(国際出願WO 01/36637に記載されるようなもの)に挿入されたRANK:Fcをコードする核酸を、CHO細胞に導入した。37℃で増殖させた、安定形質転換株由来の約200万の細胞を、表5に示すように、誘導剤を含まず、またはHMBAおよび/またはカフェインおよび/または酪酸の存在下で、31℃で20ミリリットルの血清不含培地に接種した。震蘯フラスコ中、全部で5日間、細胞を増殖させた。次いで、すべての培地を採取した。実施例7に上述したように、培養物中に存在する細胞数、採取した培地ミリリットルあたりのRANK:Fcの力価、および特異的生産性を決定した。この実験からのデータを表5に示す。
表5:タンパク質力価および特異的生産性に対する、単独および組み合わせた、カフェイン、HMBA、および酪酸の影響
これらのデータによって、カフェイン(1mM)、酪酸(0.5mM)、またはHMBA(2mM)いずれかを添加すると、ポリペプチド産生および特異的生産性両方に正の影響があり、そして酪酸、カフェイン、およびHMBA(上述の濃度)の組み合わせは、これらの化合物いずれか単独の場合よりもより高い正の影響があることが示される。
(実施例9)
バイオリアクターにおける、HMBA存在下でのII型IL−1受容体の産生
適切なベクターに挿入したII型IL−1受容体をコードする核酸を、CHO細胞に導入した。バイオリアクター中、安定形質転換株由来の約50万の細胞を、1リットルの血清不含培地に接種した。細胞を37℃で2日間増殖させた。その後、HMBAを含まず、または2mM HMBAの存在下、細胞を31℃にシフトさせ、そしてさらに12日間増殖させた。その後、すべての培地を採取した。逆相HPLCによって精製し、その後280ナノメートルで吸光度を測定することによって、採取した培地ミリリットルあたりのII型IL−1受容体の力価を決定した。HMBAを含まない2つの試料から得たタンパク質力価の平均を最も近い自然数に四捨五入したパーセンテージとして、この実験からのデータを表6に示す。
表6:タンパク質力価に対する2mM HMBAの影響
これらのデータによって、まず37℃の増殖相の後、31℃にシフトしたバイオリアクター培養物が、温度シフトの際にHMBAを添加すると、添加しない場合よりも多いII型IL−1受容体を生じたことが示される。これらのデータはさらに、本発明が、多様な細胞株において、多様なポリペプチドを産生するのに有用である可能性があり、そして細胞を増殖させる方法が重要でない、例えばバイオリアクターに対して震蘯フラスコで増殖させたとしても重要でないことを示唆する。
(実施例10)
CHO細胞における、ネズミIL−4受容体に対する抗体の産生
以下に記載する実験は、多様な温度で、さらに別の細胞株において、誘導剤として酪酸ナトリウムまたはHMBAいずれかを用いた影響を試験する。
適切なベクターに挿入した、ネズミIL−4受容体に対する抗体をコードする核酸を、CHO細胞に導入した。37℃で増殖させた、安定形質転換株由来の約200万の細胞を、図4に示す温度で、そして図4に示すように、HMBA(2mM)または酪酸ナトリウム(0.5mM)の存在下または非存在下で、20ミリリットルの培地に接種した。震蘯フラスコ中、最長14日間、細胞を増殖させた。図4に示す時点でアリコットを取り除き、そして当該技術分野に周知の方法である酵素連結免疫吸着アッセイ(ELISA)によって、抗体の力価(採取した培地ミリリットルあたりのマイクログラム)を決定した。例えばReen(1994), Enzyme−Linked Immunosorbent Assay(ELISA), Basic Protein and Peptide Protocols中, Methods Mol. Biol. 32:461−466を参照されたい。結果を図4に示す。これらのデータによって、培地を第7日以降に採取した場合、31℃で増殖させると、34℃または37℃いずれかで増殖させるより長い期間、より多くの抗体が産生されることが示される。これらのデータによって、HMBAおよび酪酸ナトリウムはどちらも、個々に、抗体産生を増進し、そしてHMBAは、31℃で、酪酸ナトリウムが増進するより、高い度合いで増進したことも示される。
(実施例11)
CHO細胞におけるTNFR:Fcの産生
適切なベクター中のヒトTNFR:Fcをコードする核酸を、CHO細胞に導入した。37℃で増殖させた安定形質転換細胞株由来の約3±0.5x10細胞を、1リットルのバイオリアクター各3つに導入し、そして強化血清不含培地中、32.5℃で培養した。32.5℃にシフトした1日後、酪酸ナトリウム(0.5mM)を3つの培養すべてに添加し、そしてHMBA(2mM)を培養のうち2つ(「第1日+HMBA」)に添加した。細胞を、32.5℃で全部で11日間インキュベーションした。培地を採取し、そしてプロテインA POROS(登録商標)パーフュージョンクロマトグラフィーTM(Applied Biosystems、米国カリフォルニア州フォスターシティー)を用いて前精製した後、280ナノメートルの光学密度を測定することによって、タンパク質力価を決定した。HMBAを含まない試料(「第1日」)から得た力価を最も近い自然数に四捨五入したパーセンテージとして、これらの結果を表7に示す。
表7:誘導剤添加タイミングの影響
これらのデータによって、32.5℃への温度シフト1日後にHMBAを添加した場合、これらの培養に産生されるTNFR:Fcの力価が増加したことが示される。これらのデータと先の実施例のデータを合わせると、より低い温度へのシフトの際、またはシフト後に、HMBAを添加した場合、タンパク質力価を増加させることが可能であることが示される。
特定の態様の前述の説明によって、本明細書に提示する一般的な概念から逸脱することなく、こうした態様を多様な適用のために修飾し、そして/または適応させることが容易に可能であることが明らかである。こうした適応または修飾はいずれも、開示する態様の同等物の意味および範囲内に含まれると意図される。本明細書に使用する語法および専門用語は、説明の目的のためのものであり、そして限定するものではない。本明細書に引用するすべての参考文献は、その全体が本明細書に援用される。
図1は、培養日数の関数として、#9のCHO細胞株に関して、示した条件下、31℃で生存する総細胞パーセンテージを示す。 図2は、培養日数の関数として、#9のCHO細胞株に関して、示した条件下、31℃での、細胞培養ミリリットルあたりのタンパク質マイクログラム、すなわちタンパク質力価を示す。 図3は、培養日数の関数として、#9のCHO細胞株に関して、示した条件下、31℃での、一日あたり10細胞あたりのタンパク質マイクログラムを示す。 図4は、ネズミIL−4受容体に対する抗体をコードするベクターを含んでなるCHO細胞株増殖日数の関数として、示した温度で、HMBAまたは酪酸ナトリウムの存在下または非存在下での、培地から回収された該抗体の濃度を示すグラフを示す。印は以下のとおりである:
誘導剤なし、37℃;
誘導剤なし、34℃;
0.5ミリモル酪酸ナトリウム、34℃;
2.0ミリモルHMBA、34℃;
誘導剤なし、31℃;
0.5ミリモル酪酸ナトリウム、31℃;および
2.0ミリモルHMBA、31℃。

Claims (69)

  1. ポリペプチドを産生する方法であって:
    増殖相で、その後、産生相で、哺乳動物細胞株を培養し、ここで産生相は37℃未満の温度で生じる;そして
    産生相中に、培地にキサンチン誘導体を添加する
    ことを含んでなり;
    キサンチン誘導体を添加すると、該ポリペプチドの産生が増加し;そして
    哺乳動物細胞株が、該ポリペプチドを産生するように遺伝子操作されている哺乳動物細胞株、および抗体を産生するハイブリドーマ細胞株からなる群より選択される、
    前記方法。
  2. 哺乳動物細胞株が、ポリペプチドをコードする組換えベクターで形質転換されており、そして
    組換えベクターがCMVプロモーターを含んでなる、
    請求項1の方法。
  3. キサンチン誘導体が、約0.01ミリモル〜約3.0ミリモルの濃度のカフェインである、請求項1の方法。
  4. ポリペプチドが組換え融合ポリペプチドである、請求項1の方法。
  5. ポリペプチドがヒト抗体またはヒト化抗体である、請求項1の方法。
  6. 産生相が約29℃〜約36℃の温度で生じる、請求項1の方法。
  7. 培養物に添加される各キサンチン誘導体の濃度が、約0.001ミリモル〜約3ミリモルである、請求項1の方法。
  8. キサンチン誘導体が、カフェイン、3−イソブチル−1−メチルキサンチン、テオブロミン、およびペントキシフィリンからなる群より選択される、請求項1の方法。
  9. 少なくとも2つの異なるキサンチン誘導体を添加する、請求項1の方法。
  10. 2つの異なるキサンチン誘導体がカフェインおよび3−イソブチル−1−メチルキサンチンである、請求項9の方法。
  11. 哺乳動物細胞株がCHO細胞株である、請求項1の方法。
  12. CHO細胞株を、少なくとも約5日間、単数または複数のキサンチン誘導体に曝露する、請求項11の方法。
  13. 産生相中に用いる培地が血清不含である、請求項1の方法。
  14. 培地からポリペプチドを収集することをさらに含んでなる、請求項1の方法。
  15. ポリペプチドを処方する(formulating)ことをさらに含んでなる、請求項14の方法。
  16. キサンチン誘導体を複数回添加することをさらに含んでなる、請求項1の方法。
  17. 培地がハイブリッド極性化合物をさらに含んでなる、請求項1の方法。
  18. 培地がアルカン酸をさらに含んでなる、請求項17の方法。
  19. 培地がアルカン酸をさらに含んでなる、請求項1の方法。
  20. ハイブリッド極性化合物がヘキサメチレン・ビスアセトアミドであり、そしてキサンチン誘導体がカフェインである、請求項17の方法。
  21. 培地が、約0.1ミリモル〜約2ミリモルの濃度の酪酸塩をさらに含んでなり、
    ヘキサメチレン・ビスアセトアミドが、約0.1ミリモル〜約5ミリモルの濃度であり、そして
    カフェインが、約0.01ミリモル〜約5ミリモルの濃度である、
    請求項20の方法。
  22. 哺乳動物細胞株を約29℃〜約36℃の温度で培養する、請求項17の方法。
  23. 哺乳動物細胞株を約30℃〜約33℃の温度で培養する、請求項22の方法。
  24. 哺乳動物細胞株を約35℃〜約38℃の第一の温度の増殖相で培養し、その後、約29℃〜約36℃の第二の温度の産生相にシフトさせ、そして
    ハイブリッド極性化合物およびキサンチンを、第一の温度から第二の温度へのシフト後に添加する、
    請求項22の方法。
  25. 哺乳動物細胞株を約29℃〜約36℃の温度で培養する、請求項18の方法。
  26. 組換えポリペプチドを産生する方法であって:
    組換えポリペプチドを産生するように遺伝子操作されているCHO細胞株を培養し;そして
    テオブロミンおよびカフェインからなる群より選択される、少なくとも1つのキサンチン誘導体を培地に添加する
    ことを含んでなり、
    キサンチン誘導体を添加すると、該組換えポリペプチドの産生が増加する、
    前記方法。
  27. CHO細胞株が、組換えポリペプチドをコードする組換えベクターで形質転換されており、そして
    組換えベクターがCMVプロモーターを含んでなる、
    請求項26の方法。
  28. 組換えポリペプチドが融合ポリペプチドである、請求項26の方法。
  29. 組換えポリペプチドがヒト抗体またはヒト化抗体である、請求項26の方法。
  30. 培地に添加される各キサンチン誘導体の濃度が、約0.001ミリモル〜約3ミリモルである、請求項26の方法。
  31. キサンチン誘導体がカフェインである、請求項26の方法。
  32. 培地から組換えポリペプチドを収集することをさらに含んでなる、請求項26の方法。
  33. 組換えポリペプチドを処方することをさらに含んでなる、請求項32の方法。
  34. キサンチン誘導体を複数回添加することをさらに含んでなる、請求項26の方法。
  35. CHO細胞株を約29℃〜約36℃の温度で培養する、請求項26の方法。
  36. CHO細胞株を約30℃〜約33℃の温度で培養する、請求項35の方法。
  37. CHO細胞株を約35℃〜約38℃の第一の温度で培養し、その後、約29℃〜約36℃の第二の温度にシフトさせ、そして
    キサンチン誘導体を、第一の温度から第二の温度へのシフト後に添加する、
    請求項35の方法。
  38. ポリペプチドを産生するように遺伝子操作されているCHO細胞、産生培地、並びにカフェイン、テオブロミン、およびペントキシフィリンからなる群より選択されるキサンチン誘導体を含んでなる培養物。
  39. 存在する各キサンチン誘導体の濃度が、約0.01ミリモル〜約3ミリモルである、請求項38の培養物。
  40. 産生培地が血清不含である、請求項38の培養物。
  41. 培養物が少なくとも2つのキサンチン誘導体を含んでなる、請求項38の培養物。
  42. 組換えポリペプチドを産生する方法であって
    約29℃〜約36℃の温度で哺乳動物細胞株を培養し、そして
    培地にハイブリッド極性化合物を添加する
    ことを含んでなり、
    哺乳動物細胞株が、組換えポリペプチドを産生するように遺伝子操作されており、そして
    ハイブリッド極性化合物を添加すると、該組換えポリペプチドの産生が増加する、
    前記方法。
  43. ハイブリッド極性化合物が、約0.1ミリモル〜約20ミリモルの濃度のヘキサメチレン・ビスアセトアミドである、請求項42の方法。
  44. 哺乳動物細胞株を約35℃〜約38℃の第一の温度で培養し、その後、約29℃〜約36℃の第二の温度にシフトさせ、そして
    ハイブリッド極性化合物を、第一の温度から第二の温度へのシフト後に添加する、
    請求項42の方法。
  45. 培地が、約0.05ミリモル〜約10ミリモルの濃度のアルカン酸をさらに含んでなる、請求項42の方法。
  46. 培地中のヘキサメチレン・ビスアセトアミドが、約0.1ミリモル〜約5ミリモルの濃度で存在する、請求項43の方法。
  47. 哺乳動物細胞株を、約30℃〜約33℃の温度で培養する、請求項42の方法。
  48. アルカン酸が酪酸塩であり、そして
    酪酸塩の濃度が、約0.1ミリモル〜約2ミリモルである、
    請求項45の方法。
  49. ハイブリッド極性化合物が、約0.1ミリモル〜約5ミリモルの濃度のヘキサメチレン・ビスアセトアミドであり、そして
    アルカン酸が、約0.1ミリモル〜約2ミリモルの濃度の酪酸塩である、
    請求項45の方法。
  50. 培地が血清不含である、請求項42の方法。
  51. 培地がキサンチン誘導体をさらに含んでなる、請求項42の方法。
  52. キサンチン誘導体がカフェインである、請求項51の方法。
  53. 培地が酪酸塩をさらに含んでなる、請求項51の方法。
  54. キサンチン誘導体が、約0.01ミリモル〜約3ミリモルの濃度で存在し、そして酪酸塩が、約0.1ミリモル〜約2ミリモルの濃度で存在する、請求項53の方法。
  55. 組換えポリペプチドが分泌ポリペプチドである、請求項42の方法。
  56. 培地から組換えポリペプチドを回収することをさらに含んでなる、請求項55の方法。
  57. 哺乳動物細胞株がCHO細胞株である、請求項42の方法。
  58. ポリペプチドを産生する方法であって
    約35℃〜約38℃の第一の温度の増殖相で、ポリペプチドを発現可能な哺乳動物細胞株を培養し、そして、次いで
    ハイブリッド極性化合物を含んでなる培地中、約30℃〜約34℃の第二の温度の産生相で哺乳動物細胞株を培養する
    ことを含んでなる、前記方法。
  59. ポリペプチドが組換えポリペプチドまたは抗体である、請求項58の方法。
  60. ハイブリッド極性化合物がヘキサメチレン・ビスアセトアミドである、請求項58の方法。
  61. 培地がアルカン酸をさらに含んでなる、請求項58の方法。
  62. ハイブリッド極性化合物がヘキサメチレン・ビスアセトアミドであり、そしてアルカン酸が酪酸塩である、請求項61の方法。
  63. 培地が血清不含である、請求項58の方法。
  64. ハイブリッド極性化合物を、第一の温度から第二の温度へのシフト後に添加する、請求項58の方法。
  65. 培地が、約0.001ミリモル〜約5.0ミリモルの濃度のキサンチン誘導体、および約0.05ミリモル〜約10.0ミリモルの濃度のアルカン酸をさらに含んでなり、そして
    ハイブリッド極性化合物が、約0.1ミリモル〜約5ミリモルの濃度のヘキサメチレン・ビスアセトアミドである、
    請求項58の方法。
  66. 哺乳動物細胞株がハイブリドーマ細胞株またはCHO細胞株である、請求項58の方法。
  67. ポリペプチドを産生する方法であって、約0.1ミリモル〜約5ミリモルの間のヘキサメチレン・ビスアセトアミド、約0.1ミリモル〜約2ミリモルの酪酸、および約0.1ミリモル〜約4ミリモルのカフェインを含んでなる培地中、ポリペプチドを産生可能な哺乳動物細胞を、約30℃〜約36℃の温度で培養することを含んでなる、前記方法。
  68. ポリペプチドが、RANK:Fc、II型インターロイキン−1受容体、TNFR:Fc、CD40リガンド、TRAIL、flt3リガンド、IL−4受容体、G−CSF、エリスロポエチン、抗体、および実質的に類似のポリペプチドからなる群より選択される、請求項67の方法。
  69. ポリペプチドを産生するように遺伝子操作されているCHO細胞株、並びにヘキサメチレン・ビスアセトアミドを含んでなる産生培地を含んでなる細胞培養物であって、約30℃〜36℃の温度で、少なくとも約5日間インキュベーションされる、前記培養物。
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