JP2009081297A - 撮像装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】受光素子としての機能と発光素子としての機能とを併せ持つ撮像素子であって、製造が容易な撮像素子を提供する。
【解決手段】基板11上方に配列された受光素子100a及び発光素子100bを備え、受光素子100aは、基板1上方に形成された受光電極6、受光電極6上の有機層4、及び有機層4上の共通電極2とを含み、発光素子100bは、基板1上方に形成された発光電極7、発光電極7上の有機層4、及び有機層4上の共通電極2とを含み、発光電極7及び共通電極間には順バイアスを印加する電源10が接続され、受光電極6及び共通電極間には逆バイアスを印加する電源9が接続されている。有機層4は、順バイアス印加時に発光機能を有し、且つ、逆バイアス印加時に光電変換機能を有し、且つ、順バイアス印加時の発光波長と逆バイアス印加時の受光波長とが重なりを有する層である。
【選択図】図1
【解決手段】基板11上方に配列された受光素子100a及び発光素子100bを備え、受光素子100aは、基板1上方に形成された受光電極6、受光電極6上の有機層4、及び有機層4上の共通電極2とを含み、発光素子100bは、基板1上方に形成された発光電極7、発光電極7上の有機層4、及び有機層4上の共通電極2とを含み、発光電極7及び共通電極間には順バイアスを印加する電源10が接続され、受光電極6及び共通電極間には逆バイアスを印加する電源9が接続されている。有機層4は、順バイアス印加時に発光機能を有し、且つ、逆バイアス印加時に光電変換機能を有し、且つ、順バイアス印加時の発光波長と逆バイアス印加時の受光波長とが重なりを有する層である。
【選択図】図1
Description
本発明は、被写体からの光を電荷に変換する光電変換機能と、前記被写体を照明する照明機能とを有する撮像装置に関する。
従来、受光素子と発光素子が混在した撮像装置が提案されている(特許文献1参照)。この撮像装置では、発光素子から発光された光が被写体に入射し、ここで反射して受光素子で受光されることで、被写体の撮像を行うことを可能にしている。受光素子は、光電変換層とこれを挟む一対の電極から構成され、発光素子は、発光層とこれを挟む一対の電極から構成されており、光電変換層と発光層とは全く別の材料で構成されている。
特許文献1記載の撮像装置は、構成の異なる発光素子と受光素子を同一面上に多数形成する必要がある。このため、発光層の成膜及びパターニングと光電変換層の成膜及びパターニングとを別々に行う必要があり、その製造が容易ではない。
本発明は、上記事情に鑑みてなされたものであり、受光素子としての機能と発光素子としての機能とを併せ持つ撮像素子であって、製造が容易な撮像素子を提供することを目的とする。
本発明の撮像装置は、被写体からの光を電荷に変換する光電変換機能と、前記被写体を照明する照明機能とを有する撮像装置であって、基板上方に配列された受光素子及び発光素子を備え、前記受光素子は、前記基板上方に形成された有機層及び前記有機層を挟む一対の電極を含み、前記発光素子は、前記基板上方に形成された有機層及び前記有機層を挟む一対の電極を含み、前記発光素子の一対の電極間に接続され、前記発光素子の有機層に電荷を注入するために、前記一対の電極間にバイアス電圧(以下、順バイアスという)を印加する順バイアス電源と、前記受光素子の一対の電極間に接続され、前記受光素子の有機層で発生した電荷を外部に取り出すために、前記一対の電極間に前記順バイアスとは極性が逆のバイアス電圧(以下、逆バイアスという)を印加する逆バイアス電源と、前記逆バイアス印加時に、前記受光素子の有機層で発生した電荷に応じた信号電流を検出する電流検出手段とを備え、前記受光素子と前記発光素子とに含まれる一対の電極のうちの被写体に近い電極が透明電極であり、前記受光素子の有機層と前記発光素子の有機層とが、それぞれ、前記順バイアス印加時に発光機能を有し、且つ、前記逆バイアス印加時に光電変換機能を有し、且つ、前記順バイアス印加時の発光波長と前記逆バイアス印加時の受光波長とが重なりを有する層であり、それぞれが同一の材料で構成されている。
本発明の撮像装置は、前記有機層が、前記一対の電極のうちの被写体に遠い電極側から順に配置された第1の有機層と第2の有機層との2層構造であり、前記第2の有機層の前記順バイアス印加時の発光波長域と前記第1の有機層の前記逆バイアス印加時の吸収波長域とが重なりを有し、前記第1の有機層の前記逆バイアス印加時の吸収波長域と前記第2の有機層の前記逆バイアス印加時の透過波長域とが重なりを有している。
本発明の撮像装置は、前記第1の有機層がキナクリドンであり、前記第2の有機層がAlq3(tris(8-hydroxyquinoline)aluminum)である。
本発明の撮像装置は、前記一対の電極のうちの一方と前記有機層との間に形成され、前記順バイアス印加時には前記一方の電極から注入される正孔を前記有機層まで輸送する正孔輸送層として機能し、前記逆バイアス印加時には前記一方の電極からの電子が前記有機層に移動するのを防ぐ電子ブロッキング層として機能する第1の機能層と、前記一対の電極のうちの他方と前記有機層との間に形成され、前記順バイアス印加時には前記他方の電極から注入される電子を前記有機層まで輸送する電子輸送層として機能し、前記逆バイアス印加時には前記他方の電極からの正孔が前記有機層に移動するのを防ぐ正孔ブロッキング層として機能する第2の機能層とを備える。
本発明の撮像装置は、前記一対の電極のうちの被写体に近い電極と前記第2の有機層との間に形成され、前記順バイアス印加時には当該電極から注入される電子を前記有機層まで輸送する電子輸送層として機能し、前記逆バイアス印加時には当該電極からの正孔が前記有機層に移動するのを防ぐ正孔ブロッキング層として機能する第1の機能層と、前記一対の電極のうちの被写体に遠い電極と前記第1の有機層との間に形成され、前記順バイアス印加時には当該電極から注入される正孔を前記有機層まで輸送する正孔輸送層として機能し、前記逆バイアス印加時には当該電極からの電子が前記有機層に移動するのを防ぐ電子ブロッキング層として機能する第2の機能層とを備え、前記第2の有機層を前記第1の機能層と兼用したものである。
本発明の撮像装置は、前記発光素子の一対の電極のうちの被写体から遠い方の電極が透明であり、前記受光素子の一対の電極のうちの被写体から遠い方の電極が不透明であり、前記受光素子による露光期間終了後、前記露光期間において前記有機層で発生した電荷に応じた信号にしたがった順バイアスを、前記受光素子に隣接する前記発光素子の一対の電極間に印加させる制御を行う発光制御手段を備える。
本発明の撮像装置は、前記受光素子と前記発光素子とが二次元状に多数配列されている。
本発明の撮像装置は、前記受光素子の有機層と前記発光素子の有機層とが、共通化された1つの層となっており、前記発光素子の一対の電極のうちの被写体に近い方の電極と、前記受光素子の一対の電極のうちの被写体に近い方の電極とが、共通化された1つの電極となっている。
本発明によれば、受光素子としての機能と発光素子としての機能とを併せ持つ撮像素子であって、製造が容易な撮像素子を提供することができる。
以下、本発明の実施形態について図面を参照して説明する。
図1は、本発明の実施形態である撮像装置としての二次元スキャナの概略構成を示す部分断面模式図である。
二次元スキャナ100は、基板11上方に近接して配列された受光素子100aと発光素子100bとを含む発光・受光ユニットを備え、このユニットが基板11上に二次元状に多数配列された構成となっている。
二次元スキャナ100は、基板11上方に近接して配列された受光素子100aと発光素子100bとを含む発光・受光ユニットを備え、このユニットが基板11上に二次元状に多数配列された構成となっている。
受光素子100aと発光素子100bの基本構成は、それぞれ、有機層とこれらを挟む一対の電極とからなっている。二次元スキャナ100は、受光素子100aを構成する有機層と発光素子100bを構成する有機層とを同一材料とし、それぞれの有機層に印加するバイアス電圧を変えることで、受光素子100aの有機層を光電変換層として機能させ、発光素子100bの有機層を発光層として機能させることを可能にしている。
二次元スキャナ100は、ガラス等の透明な基板11と、基板11上の受光素子100aを形成すべき位置に形成された受光素子100a用の電極である受光電極6と、基板11上の発光素子100bを形成すべき位置に形成された発光素子100b用の電極である発光電極7と、受光電極6及び発光電極7上に形成された電子ブロッキング機能及び正孔輸送機能を有する機能層5と、機能層5上に形成された有機層4と、有機層4上に形成された正孔ブロッキング機能及び電子輸送機能を有する機能層3と、機能層3上に形成された受光素子100aと発光素子100bで共通の一枚構成である共通電極2と、共通電極2上に形成された透明なガラス等の封止基板1と、受光電極6及び共通電極2間に接続された逆バイアス電源9と、発光電極7及び共通電極2間に接続された順バイアス電源10と、受光電極6と逆バイアス電源9との間に接続された電流検出手段である電流計8とを備える。
機能層3、有機層4、及び機能層5は、それぞれ、受光素子100aと発光素子100bで共通の1つの層となっている。共通電極2は、有機層4で発生した光が上方に透過し、上方から入射してくる光が有機層4に入射できるように、可視光に対して透明な材料(例えばITO)で構成されている。受光電極6は、共通電極2と挟まれる有機層4に下方からの光が入射しないように、可視光に対して不透明な材料(例えばアルミニウム等の金属)で構成されている。発光電極7は、有機層4で発光した光が下方にも透過できるように、可視光に対して透明な材料(例えばITO)で構成されている。
順バイアス電源10は、発光電極7と共通電極2とで挟まれる有機層4に、発光電極7及び共通電極2から電荷(正孔及び電子)を注入するためのバイアス電圧(以下、順バイアスという)を、発光電極7及び共通電極2に印加するものである。順バイアス電源10は、図示しないスイッチによって発光電極7及び共通電極2に順バイアスを印加する状態と印加しない状態とを切り替え可能となっている。又、順バイアス電源10は、印加する電圧の大きさを変えることが可能な可変電圧電源となっている。
逆バイアス電源9は、受光電極6と共通電極2とで挟まれる有機層4に、該有機層4で発生した電荷を受光電極6及び共通電極2に移動させるための順バイアスとは極性が逆のバイアス電圧(以下、逆バイアスという)を、受光電極6及び共通電極2に印加するものである。逆バイアス電源9は、図示しないスイッチによって受光電極6及び共通電極2に逆バイアスを印加する状態と印加しない状態とを切り替え可能となっている。
発光電極7と共通電極2とで挟まれる有機層4に順バイアスを印加した場合、機能層5は正孔輸送層として機能し、機能層3は電子輸送層として機能する。このため、陰極(発光電極7)からの有機層4への正孔の注入が促進され、陽極(共通電極2)からの有機層4への電子の注入が促進され、注入された電子と正孔が再結合領域(有機層4)で再結合することで、発光が行われる。機能層5と機能層3は、発光電極7及び共通電極2から注入された電子と正孔を再結合領域まで移動させると共に、界面領域の局所的なエネルギー領域に電子と正孔を溜めて発光作用を強める働きもする。このように、発光電極7と、共通電極2と、これらに挟まれる有機層4とによって、発光素子100bが構成されている。
順バイアス電源10は、印加する電圧の大きさを変えることが可能なため、印加電圧を変えることで、発光素子100bの発光輝度を調整することが可能である。
受光電極6と共通電極2とで挟まれる有機層4に逆バイアスを印加した場合、機能層5は電子ブロッキング層として機能し、機能層3は正孔ブロッキング層として機能する。このため、陰極(共通電極2)からの有機層4への正孔の注入が抑制され、陽極(受光電極6)からの有機層4への電子の注入が抑制される。一方、この状態で、有機層4に封止基板1上方から光が入射し、電子が伝導帯(励起状態)に励起され、価電子帯(基底状態)に正孔を残すと、これら電子と正孔は逆バイアスによって発生した電界によってそれぞれ逆方向の電極へ移動し、即ち、正孔は受光電極6に、電子は共通電極2に移動して、信号電流となる。電流計8は、この信号電流を検出するために設けられており、電流計8の出力から、被写体に応じた撮像信号を得ることができる。このように、受光電極6と、共通電極2と、これらに挟まれる有機層4とによって、受光素子100aが構成されている。
有機層4は、順バイアス印加時に発光機能を有し、逆バイアス印加時に光電変換機能を有するような有機材料(例えば、キナクリドン、スクアリリウム、亜鉛フタロシアニン等)で構成されていれば良い。しかし、このような有機材料は、電圧印加によって有機材料の励起状態に注入された電子と基底状態に注入された正孔が、有機物質中を電界に駆動されて移動し、再結合する際に発光するものである。基底状態にある電子が光で励起される場合、電子遷移の時間は実質ゼロである。一方、励起状態にある電子は寿命があり、その間に電子のエネルギーが格子振動などのエネルギーに変化して失われる。そのため、このような有機材料の発光波長は、吸収波長に対して、励起エネルギーよりも小さなエネルギーに対応する長波長側にシフト(ストークスシフト)する。
例えば、有機センサの緑色を検出する光電変換層として良く知られているキナクリドンは、図2に示す如く、イメージセンサとして用いた場合の吸収波長のピークが560nm近傍であるのに対し、有機ELの発光層として用いた場合の発光波長のピークは610nm近傍となる。同様に、正孔ブロッキング材料として良く用いられるAlq3は、図3に示す如く、吸収波長のピークが紫外にあるため可視域では透明であるが、有機ELの発光層として用いた場合の発光波長のピークは520nm近傍と、長波側にシフトする。
つまり、有機層4を単体の有機材料で構成した場合には、受光素子100aで検出できる光の波長域と、発光素子100bで発光できる光の波長域とがずれてしまうため、発光素子100bを、受光素子100aで撮影を行うときの被写体照明として用いることができなくなってしまう。本実施形態の二次元スキャナ100は、スキャン対象となる部位に光を当て、その光によってスキャン対象から反射した光を受光してスキャン対象の画像を得る機能を有するものである。しかし、有機層4を単体の有機材料で構成した場合には、このような機能を実現することが困難となる。そこで、本実施形態では、有機層4を、機能層5上に形成された有機層4aと、有機層4a上に形成された有機層4bとの2層構造とすることで、上記機能を実現可能としている。
有機層4aは、逆バイアス印加時に、特定の波長域の光を吸収する吸収スペクトルを持つ有機材料で構成されている。有機層4bは、逆バイアス印加時の透過波長域が有機層4aの逆バイアス印加時の吸収波長域と重なりを有し、且つ、順バイアス印加時の発光波長域が、逆バイアス印加時の有機層4aの吸収波長域と重なりを有するような有機材料で構成されている。例えば、上記特定の波長域の光を緑色の波長域の光とした場合は、有機層4aをキナクリドン、有機層4bをAlq3とすれば良い。
このように材料を選択することで、発光素子100bを発光させて被写体に緑色光(図1の光(2))を照射し、被写体から反射してきた緑色光(図1の光入射)を受光素子100aで吸収することができ、被写体の撮影が可能となる。又、図1の光(1)で示したように、発光素子100bの有機層4aからは、順バイアス印加時に図2の破線で示した波長域の光が封止基板1上方及び基板11下方に照射される。封止基板1上方に出た光(1)は被写体に当たるが、ここで反射した光の波長域は有機層4bの吸収波長と重なりをあまり持たないため、光(1)は有機層4aではほとんど検出されない。一方、基板11下方に出た光(1)は、これを表示用の光として利用することが可能であり、スキャン結果を、光(1)を利用して表示することができる。
機能層3は、正孔ブロッキング機能及び電子輸送機能を有する有機材料(例えば、Alq3等)によって構成されている。Alq3のように、機能層3としても有機層4bとしても用いることのできる材料が存在するため、二次元スキャナ100は、図4に示すように、機能層3を省略して、有機層4bを機能層3と兼用した構成とすることができる。このようにすることで、素子の薄型化を実現することができる。
機能層5は、電子ブロッキング機能及び正孔輸送機能を有する有機材料(例えば、アミン系のTPD等)によって構成されている。
尚、図1の構成例では、共通電極2、機能層3、有機層4、及び機能層5を、それぞれ受光素子100aと発光素子100bとで共通化しているが、これらは受光素子100aと発光素子100b毎に分割した構成であっても良い。図1のように共通化した構成にした場合は、受光電極6と発光電極7以外はフォトリソグラフィ法を用いたパターニングを行う必要がなくなるため、二次元スキャナ100の製造が容易となる。又、受光電極6と発光電極7を先に形成した場合は、その後に形成する有機層の形成後にフォトリソグラフィ工程を実施する必要がなくなるため、フォトリソグラフィ工程による有機層の損傷や特性劣化を防ぐことができる。共通電極2、機能層3、有機層4、及び機能層5を、素子毎に分割する場合でも、これらは各素子で同一の材料を用いることができるため、各素子を同一プロセスで作る事が可能であり、構成材料の異なる発光素子と受光素子を同一面上に並べて形成した従来と比較すると、その製造は格段に容易なものとなる。
図5は、本実施形態の二次元スキャナ100の全体構成を示す図である。図5において図1と同じ構成には同一符号を付してある。
図5に示すように、二次元スキャナ100は、文書等の被写体21に封止基板1を密着させて用いられる。被写体21に封止基板1を密着させた状態で基板11の裏面から見える多数の発光電極7からは光が出射可能となっており、この多数の発光電極7によってこれらを表示画素とする表示部23が構成されている。二次元スキャナ100には受光素子100aから得られた信号を外部に出力するためのUSBケーブル25と、表示部23に文字入力を行うためのタッチペン24とが接続されている。又、図1では図示を省略していたが、受光電極6と基板11との間には、受光電極6や発光電極7に接続されるTFTや配線や電源等の駆動回路15が形成されている。
図5に示すように、二次元スキャナ100は、文書等の被写体21に封止基板1を密着させて用いられる。被写体21に封止基板1を密着させた状態で基板11の裏面から見える多数の発光電極7からは光が出射可能となっており、この多数の発光電極7によってこれらを表示画素とする表示部23が構成されている。二次元スキャナ100には受光素子100aから得られた信号を外部に出力するためのUSBケーブル25と、表示部23に文字入力を行うためのタッチペン24とが接続されている。又、図1では図示を省略していたが、受光電極6と基板11との間には、受光電極6や発光電極7に接続されるTFTや配線や電源等の駆動回路15が形成されている。
図6は、二次元スキャナ100の駆動回路15の概略構成を示す図である。図7は、図6に示した発光・受光ユニットの拡大図である。尚、図6では、図7に示した回路の等価回路を示してある。
二次元スキャナ100の駆動回路15は、トランジスタ45〜50、コンデンサ51、発光素子行選択線52、受光素子・発光素子行リセット線53、受光素子行選択線54、電源供給線55、列スキャン信号線57、列表示信号線58、電源VDD、バイアス電源60、垂直走査回路41、水平走査回路42、CDS回路59、スキャン信号出力部61、表示信号入力部62、表示信号切り替え線65、スイッチ63,64,66,67、及びパルス発生部68を備える。
二次元スキャナ100の駆動回路15は、トランジスタ45〜50、コンデンサ51、発光素子行選択線52、受光素子・発光素子行リセット線53、受光素子行選択線54、電源供給線55、列スキャン信号線57、列表示信号線58、電源VDD、バイアス電源60、垂直走査回路41、水平走査回路42、CDS回路59、スキャン信号出力部61、表示信号入力部62、表示信号切り替え線65、スイッチ63,64,66,67、及びパルス発生部68を備える。
受光素子100aの受光電極6には、リセットトランジスタ45のドレインが接続され、リセットトランジスタ45のドレインには電流計8に相当する出力トランジスタ49のゲートが接続されている。リセットトランジスタ45のソースと、出力トランジスタ49のソースとには、電源VDD(3.3V)が接続されている。出力トランジスタ49のドレインには、行選択トランジスタ48のソースが接続され、行選択トランジスタ48のゲートには受光素子行選択線54が接続され、行選択トランジスタ48のドレインには列スキャン信号線57が接続されている。
発光素子100bの発光電極7には、リセットトランジスタ47のドレインが接続され、リセットトランジスタ47のドレインには入力トランジスタ50のドレインが接続されている。リセットトランジスタ47のソースには電源VDDが接続されている。リセットトランジスタ45,47のゲートには、受光素子・発光素子行リセット線53が接続されている。入力トランジスタ50のゲート・ソース間にはコンデンサ51が接続されている。入力トランジスタ50のゲートには、行選択トランジスタ46のドレインが接続されている。行選択トランジスタ46のゲートには発光素子行選択線52が接続され、行選択トランジスタ46のソースには列表示信号線58が接続されている。入力トランジスタ50のソースには電源供給線55を介して電源V(−20V)が接続されている。
共通電極2には、バイアス電源供給線56を介してバイアス電源60が接続されている。バイアス電源60及び電源VDDにより逆バイアス電源9が構成され、バイアス電源60、行選択トランジスタ46、電源V、入力トランジスタ50、及びコンデンサ51により順バイアス電源10が構成される。
発光素子行選択線52と、受光素子・発光素子行リセット線53と、受光素子行選択線54とは、それぞれ垂直走査回路41に接続され、ここからパルスが印加されるようになっている。発光素子行選択線52と、受光素子・発光素子行リセット線53と、受光素子行選択線54とからなる組は、水平方向にならぶ複数の発光・受光ユニットからなるユニット行に対応してその上側部に設けられている。電源供給線55は、垂直方向にならぶ複数の発光・受光ユニットからなるユニット列に対応してその右側部に配置されている。
列スキャン信号線57は、各ユニット列に対して1つ設けられたCDS回路59に接続されている。列表示信号線58は、このCDS回路59にスイッチ67を介して接続されている。スイッチ67は、CDS回路59の出力と列表示信号線58とを接続するのか、列表示信号線58と表示信号入力部62とを接続するのかを切り替えるスイッチである。スイッチ67は表示信号切り替え線65にも接続され、ここから印加されるパルスによって接続先が制御される。スイッチ67と表示信号入力部62との間には水平走査回路42によって制御されるスイッチ64が設けられている。
CDS回路59の出力は、水平走査回路42によって制御されるスイッチ63を介してスキャン信号出力部61に接続されると共に、スイッチ67を介して列表示信号線58にも接続されている。
列表示信号線58には、水平走査回路42によって制御されるスイッチ66を介して、タッチペン24用の水平位置座標パルスを発生するパルス発生部68が接続されている。
次に、被写体をスキャンすると共に、そのスキャン結果を表示部23に表示する際の二次元スキャナ100の動作を説明する。この動作開始時点では、表示信号切り替え線65にはパルスが印加されておらず、スイッチ67はCDS回路59に接続された状態となっている。
図8は、スキャン結果を表示部23に表示する際の二次元スキャナ100の動作タイミングを示した図である。
まず、垂直走査回路41からnライン目のユニット行に対応する受光素子・発光素子行リセット線53にパルスが印加されると、受光電極6には電源VDDから電圧3.3Vが供給されて受光素子100aの有機層4に逆バイアスが印加された状態となり、電源供給線55からコンデンサ51に電圧値が充電され、この電圧値に応じた電圧−20Vが発光電極7に印加されて発光素子100bの有機層4に順バイアスが印加された状態となる。この状態で、発光素子100bはフル発光となって被写体21を照明し、受光素子100aは露光を開始する。
図8は、スキャン結果を表示部23に表示する際の二次元スキャナ100の動作タイミングを示した図である。
まず、垂直走査回路41からnライン目のユニット行に対応する受光素子・発光素子行リセット線53にパルスが印加されると、受光電極6には電源VDDから電圧3.3Vが供給されて受光素子100aの有機層4に逆バイアスが印加された状態となり、電源供給線55からコンデンサ51に電圧値が充電され、この電圧値に応じた電圧−20Vが発光電極7に印加されて発光素子100bの有機層4に順バイアスが印加された状態となる。この状態で、発光素子100bはフル発光となって被写体21を照明し、受光素子100aは露光を開始する。
露光期間終了後、受光素子行選択線54にパルスが印加されると、受光素子100aの有機層4で発生して受光電極6に移動した電荷が出力トランジスタ49でスキャン信号に変換されて行選択トランジスタ48から列スキャン信号線57へと出力される。列スキャン信号線57へと出力されたスキャン信号はCDS回路59でノイズ除去される。ノイズ除去後のスキャン信号は、水平走査回路42によってスイッチ63がオンされると、スキャン信号出力部61へと出力され、ここで増幅されて外部に出力される。
一方、ノイズ除去後のスキャン信号は、スイッチ67を介して列表示信号線58に送られる。そして、発光素子行選択線52にパルスが印加されると、列表示信号線58に送られたスキャン信号がトランジスタ46でその信号量に応じた順バイアス電圧に変換され、この電圧値がコンデンサ51に保持され、コンデンサ51に保持された電圧値が発光電極7に供給される。これにより、nライン目のユニット行の発光素子100bからは被写体21とは反対側に、スキャン信号に応じた光が出射されるため、nライン分のスキャン結果が表示部23に表示されることになる。この表示は、コンデンサ51にスキャン信号値が保持されている間中行われる。
このような動作を、n→n+1としていくことで、被写体の全体像をスキャンして、そのスキャン結果を表示部23に表示する。
尚、このような動作を行う場合、表示部23上では、図9に示した如く、画像表示上全発光の帯(1ライン巾)が垂直方向に移動を繰り返す。ただし、1画面のスキャン及び表示の速度は1/30秒程度であり、また、平均すると垂直ライン数分の1のコントラスト変化であるため、ほとんど表示の妨害とはならない。
以上の説明では、表示部23にスキャン結果を表示するものとしたが、表示部23には全く異なる画像を表示することも可能である。この場合は、表示信号切り替え線65にパルスを印加してスイッチ67をスイッチ64側に接続し、この状態で、図10に示すように、水平走査回路42の制御によってスイッチ64を水平方向に順次オンにしていくと共に、発光素子行選択線52をオンにしていくことで、表示信号入力部62に入力された信号に応じた光を発光素子100bで発光させることができ、任意の画像を表示させることができる。
表示部23には、タッチペン24によって手書き入力した情報を表示させることも可能である。図11は、図6に示した回路の簡略図である。図11に示したように、タッチペン24は、先端に付けられた微小コイル又は電極によって、静電又は電磁誘導によって列表示信号線58にパルス発生部68から印加される水平位置座標パルスを検出し、検出結果をペン制御回路70に入力する。ペン制御回路70は、発光素子行選択線52、受光素子・発光素子行リセット線53、受光素子行選択線54にパルスが印加されるタイミングと、列表示信号線にパルスが印加されるタイミングとから垂直方向と水平方向の座標値を算出する。
図12は、座標値算出のためのタイミングチャートである。
タッチペン24の出力信号を、図12に示したタイミングチャートの垂直位置座標ゲートでゲートをすると、発光素子行選択線52に印加されたパルスのみが検知される。このパルスの発生タイミングと垂直走査のタイミングを比較することにより、タッチペンの垂直位置座標値が得られる。同様に、タッチペンの出力信号を、図12に示したタイミングチャートの水平位置座標ゲートでゲートをすると、列表示信号線58に印加されたパルスのみが検知される。このパルスの発生タイミングと水平走査のタイミングを比較することにより、タッチペンの水平位置座標値が得られる。
タッチペン24の出力信号を、図12に示したタイミングチャートの垂直位置座標ゲートでゲートをすると、発光素子行選択線52に印加されたパルスのみが検知される。このパルスの発生タイミングと垂直走査のタイミングを比較することにより、タッチペンの垂直位置座標値が得られる。同様に、タッチペンの出力信号を、図12に示したタイミングチャートの水平位置座標ゲートでゲートをすると、列表示信号線58に印加されたパルスのみが検知される。このパルスの発生タイミングと水平走査のタイミングを比較することにより、タッチペンの水平位置座標値が得られる。
このようにして得られた水平垂直座標を表示信号入力部62にフィードバックして、その座標にある発光素子100bにタッチペン24で入力された内容に応じた発光を行わせることで、スキャン結果にタッチペン24によって文字等を自由に上書きすることが可能となる。
このように、本実施形態の二次元スキャナによれば、被写体と密着させてスキャニングを行うことが可能であるため、撮像レンズ等の光学系を用いることなく、受光素子100aの数に応じた解像度の画像情報の読み取りが可能となる。光学系が不要となるため、一般的なスキャナに比べて薄型化が可能となり、例えば、分厚い書籍のスキャンしにくい中央部分も、この書籍にしおりを挟む感覚で二次元スキャナ100を挟みこむことで容易にスキャンすることができる。尚、有機層4と被写体21との距離は、受光電極6及び発光電極7の配列ピッチの1/2〜2倍程度としておけば、光学系を設けることなく、良好なスキャン結果を得ることができる。
又、本実施形態の二次元スキャナによれば、1つの有機層4をそこに印加するバイアス電圧によって光電変換層として機能させたり、発光層として機能させたりすることができるため、光電変換層と発光層とを異なる材料で構成している従来と比べて、その製造が容易となり、製造コストを大幅に削減することができる。
又、本実施形態の二次元スキャナによれば、スキャンしているラインは発光素子100bが照明として機能しているが、スキャンが終了すると、そのラインの発光素子100bはスキャン結果を表示する表示部として機能する。このため、画像をスキャンしながら、リアルタイムにそのスキャン結果を確認することができ、スキャンミス等の確認に役立てることができる。
又、本実施形態の二次元スキャナによれば、スキャン結果にタッチペン24によって情報を加筆することができるため、利便性が高い。又、このような機能を、新たな信号線を設けることなく、スキャン及び表示用に設けられた選択線や信号線を利用して実現しているため、構造が簡単で安価となる。又、光を発する光学ペン等を用いていないため、外光の影響を受けず、信頼性が高い。
1 封止基板
2 共通電極
3 正孔ブロッキング兼電子輸送層
4a 有機層(キナクリドン)
4b 有機層(Alq3)
5 電子ブロッキング兼正孔輸送層
6 受光電極
7 発光電極
8 電流計
9 逆バイアス電源
10 順バイアス電源
100 二次元スキャナ
100a 受光素子
100b 発光素子
2 共通電極
3 正孔ブロッキング兼電子輸送層
4a 有機層(キナクリドン)
4b 有機層(Alq3)
5 電子ブロッキング兼正孔輸送層
6 受光電極
7 発光電極
8 電流計
9 逆バイアス電源
10 順バイアス電源
100 二次元スキャナ
100a 受光素子
100b 発光素子
Claims (8)
- 被写体からの光を電荷に変換する光電変換機能と、前記被写体を照明する照明機能とを有する撮像装置であって、
基板上方に配列された受光素子及び発光素子を備え、
前記受光素子は、前記基板上方に形成された有機層及び前記有機層を挟む一対の電極を含み、
前記発光素子は、前記基板上方に形成された有機層及び前記有機層を挟む一対の電極を含み、
前記発光素子の一対の電極間に接続され、前記発光素子の有機層に電荷を注入するために、前記一対の電極間にバイアス電圧(以下、順バイアスという)を印加する順バイアス電源と、
前記受光素子の一対の電極間に接続され、前記受光素子の有機層で発生した電荷を外部に取り出すために、前記一対の電極間に前記順バイアスとは極性が逆のバイアス電圧(以下、逆バイアスという)を印加する逆バイアス電源と、
前記逆バイアス印加時に、前記受光素子の有機層で発生した電荷に応じた信号電流を検出する電流検出手段とを備え、
前記受光素子と前記発光素子とに含まれる一対の電極のうちの被写体に近い電極が透明電極であり、
前記受光素子の有機層と前記発光素子の有機層とが、それぞれ、前記順バイアス印加時に発光機能を有し、且つ、前記逆バイアス印加時に光電変換機能を有し、且つ、前記順バイアス印加時の発光波長と前記逆バイアス印加時の受光波長とが重なりを有する層であり、それぞれが同一の材料で構成されている撮像装置。 - 請求項1記載の撮像装置であって、
前記有機層が、前記一対の電極のうちの被写体に遠い電極側から順に配置された第1の有機層と第2の有機層との2層構造であり、
前記第2の有機層の前記順バイアス印加時の発光波長域と前記第1の有機層の前記逆バイアス印加時の吸収波長域とが重なりを有し、
前記第1の有機層の前記逆バイアス印加時の吸収波長域と前記第2の有機層の前記逆バイアス印加時の透過波長域とが重なりを有している撮像装置。 - 請求項2記載の撮像装置であって、
前記第1の有機層がキナクリドンであり、前記第2の有機層がAlq3(tris(8-hydroxyquinoline)aluminum)である撮像装置。 - 請求項1〜3のいずれか1項記載の撮像装置であって、
前記一対の電極のうちの一方と前記有機層との間に形成され、前記順バイアス印加時には前記一方の電極から注入される正孔を前記有機層まで輸送する正孔輸送層として機能し、前記逆バイアス印加時には前記一方の電極からの電子が前記有機層に移動するのを防ぐ電子ブロッキング層として機能する第1の機能層と、
前記一対の電極のうちの他方と前記有機層との間に形成され、前記順バイアス印加時には前記他方の電極から注入される電子を前記有機層まで輸送する電子輸送層として機能し、前記逆バイアス印加時には前記他方の電極からの正孔が前記有機層に移動するのを防ぐ正孔ブロッキング層として機能する第2の機能層とを備える撮像装置。 - 請求項2又は3記載の撮像装置であって、
前記一対の電極のうちの被写体に近い電極と前記第2の有機層との間に形成され、前記順バイアス印加時には当該電極から注入される電子を前記有機層まで輸送する電子輸送層として機能し、前記逆バイアス印加時には当該電極からの正孔が前記有機層に移動するのを防ぐ正孔ブロッキング層として機能する第1の機能層と、
前記一対の電極のうちの被写体に遠い電極と前記第1の有機層との間に形成され、前記順バイアス印加時には当該電極から注入される正孔を前記有機層まで輸送する正孔輸送層として機能し、前記逆バイアス印加時には当該電極からの電子が前記有機層に移動するのを防ぐ電子ブロッキング層として機能する第2の機能層とを備え、
前記第2の有機層を前記第1の機能層と兼用した撮像装置。 - 請求項1〜5のいずれか1項記載の撮像装置であって、
前記発光素子の一対の電極のうちの被写体から遠い方の電極が透明であり、
前記受光素子の一対の電極のうちの被写体から遠い方の電極が不透明であり、
前記受光素子による露光期間終了後、前記露光期間において前記有機層で発生した電荷に応じた信号にしたがった順バイアスを、前記受光素子に隣接する前記発光素子の一対の電極間に印加させる制御を行う発光制御手段を備える撮像装置。 - 請求項1〜6のいずれか1項記載の撮像装置であって、
前記受光素子と前記発光素子とが二次元状に多数配列されている撮像装置。 - 請求項1〜7のいずれか1項記載の撮像装置であって、
前記受光素子の有機層と前記発光素子の有機層とが、共通化された1つの層となっており、
前記発光素子の一対の電極のうちの被写体に近い方の電極と、前記受光素子の一対の電極のうちの被写体に近い方の電極とが、共通化された1つの電極となっている撮像装置。
Priority Applications (2)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
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JP2007249918A JP2009081297A (ja) | 2007-09-26 | 2007-09-26 | 撮像装置 |
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Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
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-
2007
- 2007-09-26 JP JP2007249918A patent/JP2009081297A/ja active Pending
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