JP2009079872A - 混銑車炉体の耐火物ライニング層構造及び混銑車炉体の耐火物ライニング層厚みの判定方法 - Google Patents

混銑車炉体の耐火物ライニング層構造及び混銑車炉体の耐火物ライニング層厚みの判定方法 Download PDF

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Abstract

【課題】混銑車炉体の耐火物ライニング層の厚みが基準値以上か基準値以下かを、外部からの鉄皮外壁温度の監視によって検出することを可能とする耐火物ライニング層の構造を提供するとともに、この構造の混銑車炉体の耐火物ライニング層の厚みが基準値以上か基準値以下かを外部から確実に検知することのできる判定方法を提供する。
【解決手段】永久耐火物4とワーク耐火物6との間に断熱材5が配置されている混銑車炉体1の耐火物ライニング層構造であって、耐火物ライニング層厚みの判定方法は、混銑車炉体1の鉄皮外壁温度を熱画像撮影装置により監視し、鉄皮外壁温度の時系列的に非連続な変化に基づいて耐火物ライニング層の厚みが基準値以上か基準値以下かを判定することによって行う。
【選択図】図1

Description

本発明は、溶銑を搬送するために使用される混銑車の炉体内部に施工された耐火物ライニング層の構造、及び、この構造の耐火物ライニング層を有する混銑車炉体の耐火物ライニング層厚みが基準値以上か基準値以下かを判定する方法に関するものである。
高炉で製造された溶銑を高炉下で受銑し、受銑した溶銑を転炉などの製鋼設備に搬送するために使用される混銑車(「トピードカー」或いは「トーピードカー」ともいう)は、内部に耐火物が施工されたタンク状の収容容器を積載した貨車である。このタンク状の収容容器を「混銑車炉体」と呼んでいる。混銑車は、鉄道上を走行するために走行抵抗が小さく、大量の溶銑を少ないエネルギーで搬送できることや、開口部が小さく大気中への熱放出が少ないので、輸送時の温度低下が抑えられるなどの利点があり、製鉄業で広く使用されている。
一般に、混銑車炉体は、厚みが60mm程度のタンク状の鉄皮を外殻とし、この鉄皮の内面には、永久耐火物及びワーク耐火物から構成される、合計厚みが500〜600mm前後の耐火物ライニング層が施工されている。永久耐火物は鉄皮側に、ワーク耐火物は溶銑と接触する側に設置されている。尚、永久耐火物及びワーク耐火物の目地部には、モルタルなどの不定形耐火物が使用されている。
この耐火物ライニング層の役割は、大きく分けて二つあり、一つは、溶銑の熱放出を抑えて溶銑温度の低下を防止することであり、他の一つは、鉄皮と溶銑とが直接接触して鉄皮が溶融・破損し、溶銑が混銑車炉体の外部に流出することを防止することである。とりわけ、溶銑の混銑車炉体からの漏洩は線路設備などを著しく損傷し、操業を長期間にわたって停止させる原因となるので、その防止は極めて重要である。尚、混銑車炉体の耐火物ライニング層構造そのものではないが、転炉や取鍋の耐火物ライニング層構造においては、熱放出及びライニング層の溶損を抑制するために、鉄皮と永久耐火物との間に断熱材を設置したり(例えば特許文献1参照)、永久耐火物とワーク耐火物との間に断熱材及び保護板を設置したり(例えば特許文献2参照)する場合もある。
ところで、混銑車の使用を続けているうちに、高温の溶銑と接触する内部の耐火物には、溶損による厚みの減少や、熱履歴による局所的な破損が発生する。従って、溶損しにくい耐火物材質の選定や、熱履歴を受けたときに熱応力の集中が起きないように耐火物を施工することが重要である。また、使用時の突発的な溶銑漏洩を予防するためにも、内部の耐火物ライニング層の厚みを検知し、その厚みが基準値よりも減少している場合には、速やかにその使用を中止することも重要である。
しかしながら、混銑車炉体は開口部が一部にしかなく、しかも小さく、外部から内部の耐火物ライニング層の状態を監視することは極めて困難である。その上、使用時の混銑車炉体の内部温度は常時600℃以上となっているために、内部に入っての検査や計測装置を用いた厚み変化の追跡も困難である。そのために、従来は定期的に使用から離脱させ、耐火物を再施工するなどの方法が行われていた。
しかし、この方法では、耐火物ライニング層の厚みが十分であっても再施工する場合や、その反対に、耐火物ライニング層の溶損が予想以上に進んで溶銑が流出してしまう場合もあった。これらを解決するべく、使用中の混銑車炉体の耐火物ライニング層の厚みを測定する方法が多数提案されている。
例えば、特許文献3には、レーザー光を用いた内面プロファイル測定装置が提案されている。しかし、この測定装置では、レーザー装置などの耐熱性が十分でなく、プロファイル測定のためには混銑車炉体を一旦常温程度まで冷却しなければならないという問題がある。特許文献4には、混銑車炉体の湯当たり部におけるライニングの溶損状況を、レーザー距離計を用いて測定する方法が提案されている。しかし、この方法では開口部の近傍のみが測定可能であり、大部分の範囲は測定できず、耐火物ライニング層の監視という観点からは不十分である。
特許文献5には、混銑車炉体の耐火物ライニング層を測定対象とはしていないが、パルス光を発振させた光ファーバーを出銑樋付近に配置し、この光ファイバーで検知する樋高温部(損傷部)の散乱光から、高炉出銑樋の溶損状況及び溶損箇所を予知する装置が提案されている。しかし、光ファイバーの施工が困難であり且つ測定中の断線が発生しやすく、その上更に、測定装置が大きく、この方法を移動する混銑車に適用することは極めて困難である。特許文献6には、抵抗線を混銑車炉体の耐火物ライニング層に埋設し、抵抗線が溶断することによって耐火物ライニング層の厚みを把握する方法が提案されている。この方法は、特許文献5の光ファイバーを用いた方法に比べると測定装置が小型化できるという利点はあるが、抵抗線を混銑車炉体の全体に配置するとなると、数多くの抵抗線を埋め込む必要があり、耐火物の施工が極めて煩雑であり且つ長期間を要するという問題点がある。
また、特許文献7には、混銑車炉体の鉄皮表面温度を、赤外線撮像装置と画像解析装置とを用いて計測し、計測される鉄皮表面温度が予め設定した値に対して異常であるときに耐火物ライニング層の厚みが薄くなったと判定する方法が提案されている。この方法と、定期的な運用離脱とを組み合せることで、溶銑の流出トラブルの大半は防止可能となった。しかしながら、この方法では、得られる情報は平均的なものになるという問題がある。例えば、実際の操業においては、溶銑浴面付近の耐火物は、高温の溶銑との接触に加えて浴面上に浮遊しているスラグとの接触が起こるために、溶損が著しく進行することが知られているが、特許文献7の技術では、このような局所的な情報を抽出することは困難である。目地開きのような、より微細な破損の検出は更に困難である。
また更に、特許文献8には、混銑車炉体の耐火物ライニング層の一部に高熱伝導性の耐火物材料を用い、その部分での混銑車炉体の外壁温度の違いを観察することにより、耐火物ライニング層の残厚を測定する技術が提案されている。しかしながら、この方法では、ライニング材質の違いによる溶損の進行程度の差が生じてしまうという問題がある。耐火物の溶損度合に差が生じてしまうため、結果として耐火物ライニング全体の寿命が短くなる傾向が生じ、補修回数が増えるという問題がある。
特開2000−104110号公報 特開2003−42667号公報 特開昭58−37507号公報 特開2005−337922号公報 特開2005−256099号公報 特開平1−129103号公報 実開平5−54529号公報 特開昭56−71788号公報
このように、従来、混銑車炉体の耐火物ライニング層の厚みが基準値以上か基準値以下かを判定するために、種々の手段が提案されているが、確実に耐火物ライニング層の厚みを把握して使用の可否を判定する手段が提案されているとはいいがたく、混銑車炉体の耐火物ライニング層の厚みが基準値以上か基準値以下かを確実に検知することのできる手段が求められていた。
本発明はこのような事情に鑑みてなされたもので、その目的とするところは、使用中の混銑車炉体の耐火物ライニング層の厚みが基準値以上か基準値以下かを、外部からの鉄皮外壁温度の監視によって検出することを可能とする耐火物ライニング層の構造を提供するとともに、この構造の耐火物ライニング層を有する混銑車炉体の耐火物ライニング層の厚みが基準値以上か基準値以下かを外部から確実に検知することのできる判定方法を提供することである。
本発明者等は、上記課題を解決するに当たって、溶銑を収容した混銑車炉体の鉄皮の外壁温度と使用履歴との関係を、耐火物ライニング層の構成に留意しながら詳細に調査した。その結果、混銑車炉体の鉄皮外壁温度は使用回数が重なるにつれて全体的に上昇する傾向であることを把握した。更に、或る種のライニング層の構成を採用した場合、使用回数と外壁温度との関係が、使用途中で非連続的に変化することを見出した。そこで、ライニング層の構成と鉄皮外壁温度の時系列的な変化とを詳細に調査した結果、鉄皮外壁温度の非連続な時系列的変化は、耐火物ライニング層を構成していた断熱材の急激な特性変化による熱伝導率の変化に起因して発生することを見出した。
つまり、耐火物ライニング層の所定位置に断熱材を配置した混銑車炉体で受銑し、この混銑車炉体の鉄皮外壁温度を監視していれば、混銑車炉体の使用回数が進みワーク耐火物が損耗するなどして、耐火物ライニング層の所定位置に配置した断熱材が溶銑と接触する或いは溶銑の熱を受けて断熱材の断熱機能が消失し、それに伴って断熱材の熱伝導率が急激に変化し、これにより、耐火物ライニング層全体の熱伝導率がそれ以前とは大幅に大きくなって、鉄皮外壁温度と使用回数との関係がそれ以前とは非連続的に変化するので、この鉄皮外壁温度の時系列的に非連続な変化を検出することによって、耐火物ライニング層の厚みが基準値以上か基準値以下かを把握できることを見出した。
本発明は、上記知見に基づいてなされたものであり、第1の発明に係る混銑車炉体の耐火物ライニング層構造は、永久耐火物とワーク耐火物との間に断熱材が配置されていることを特徴とするものである。
第2の発明に係る混銑車炉体の耐火物ライニング層構造は、第1の発明において、前記断熱材は、800℃ないし1000℃になると断熱材としての機能を失うものであることを特徴とするものである。
第3の発明に係る混銑車炉体の耐火物ライニング層厚みの判定方法は、第1または第2の発明に記載の耐火物ライニング層構造を有する混銑車炉体の鉄皮外壁温度を熱画像撮影装置により監視し、鉄皮外壁温度の時系列的に非連続な変化に基づいて耐火物ライニング層の厚みが基準値以上か基準値以下かを判定することを特徴とするものである。
第4の発明に係る混銑車炉体の耐火物ライニング層厚みの判定方法は、第3の発明において、前記鉄皮外壁温度が時系列的に非連続な変化を示した時点を、前記混銑車炉体の耐火物ライニング層の厚みが基準値以下になった時点と判定することを特徴とするものである。
本発明に係る混銑車炉体の耐火物ライニング層構造によれば、耐火物ライニング層のワーク耐火物の脱落した部分や目地開きした部分に溶銑が侵入した場合には、断熱材と溶銑とが接触して断熱材の温度が急上昇し、断熱材が急速にその断熱機能を失うので、混銑車炉体の鉄皮外壁の温度が局所的に急上昇する。この鉄皮外壁温度の急上昇を熱画像撮影装置で速やかに把握することにより、ワーク耐火物の破損を検出することが可能となり、その結果、補修に多大のコストを費やす永久耐火物の損傷や溶銑漏れなどの発生を未然に防止することができる。
以下、本発明を具体的に説明する。
本発明では、図1に、本発明に係る混銑車炉体1の概略断面図を示すように、混銑車炉体1の耐火物ライニング層を、鉄皮2の内側から、永久耐火物3、永久耐火物4、断熱材5及びワーク耐火物6の順に形成する。ここで、永久耐火物3は高アルミナ質煉瓦、永久耐火物4はロー石質煉瓦であり、図1に示す混銑車炉体1では、永久耐火物層が2層構造であるが、本発明を実施する上で永久耐火物層は2層構造である必要はなく、1層構造であってもよく、また、3層以上であっても構わない。永久耐火物3または永久耐火物4、或いは一層の場合の永久耐火物としては、上記の高アルミナ質煉瓦やロー石質煉瓦の他に、粘土質煉瓦、珪石質煉瓦、ドロマイト質煉瓦、マグネシア質煉瓦、マグネシア・クロム質煉瓦、ジルコン質煉瓦などを用いることができる。また更に、煉瓦の代わりに不定形耐火物で施工してもよい。
ワーク耐火物6としては、アルミナ−マグネシア質耐火物、マグネシア−ライム質耐火物、粘土質耐火物、ドロマイト質耐火物、ロー石質耐火物、マグネシア質耐火物、マグネシア−クロム質耐火物、マグネシア−カーボン質耐火物、アルミナ−マグネシア−カーボン質耐火物、アルミナ−カーボン質耐火物、アルミナ−炭化珪素−カーボン質耐火物、ジルコン質耐火物、ジルコニア質耐火物、ジルコニア−カーボン質耐火物、アルミナ−スピネル質耐火物、高アルミナ質耐火物、クロム質耐火物、珪石質耐火物、カーボン質耐火物、炭化珪素質耐火物などを用いることができる。また、これら以外の耐火物材料であっても使用可能な特性を有するものであれば、それらを用いても構わない。
耐火物の形態には、定形耐火物、不定形耐火物、プレキャストブロックなどがあるが、本発明ではその何れを用いても構わない。また、不定形耐火物を用いる場合に、施工法としては、流し込み法、こて塗り法、吹き付け法、振動施工法、打ち込み法、圧入法などがあるが、本発明においてはその何れを用いても構わず、材質や施工設備に応じて適宜使い分ければよい。もちろん、これら以外の方法を用いても構わない。
また、不定形耐火物には、化学硬化、熱硬化、風乾による硬化、アルミナセメントのような水和反応による硬化など、幾つかの硬化方法があるが、本発明においてはその何れの方法を用いても構わず、材質や施工設備に応じて適宜使い分ければよい。もちろん、これら以外の硬化方法を用いても構わない。
断熱材5としては、発泡ウレタンなどの有機物からなるもの、ガラス繊維やロックファイバーなどの無機ガラス質を成形したもの、微細なセラミックス粉末を成形したものなどが使用できるが、これら以外であっても、断熱特性に優れ、且つ使用可能温度を上回ったときの断熱性能の低下が大きいものであれば、何れの材料を用いても構わない。但し、ワーク耐火物6と永久耐火物4との間の温度は600℃ないし800℃程度となることが一般的なので、本発明においてはそれよりも200℃程度高い温度である800℃ないし1000℃まで使用可能なものを用いることが好ましい。尚、一般にこれらの断熱材料は、断熱機能が破壊された後の断熱性能は、溶銑の物性とほぼ同等になるので、本発明で使用する断熱材5としては、断熱性能の高い断熱材料であれば十分である。
以上の要件を満たす断熱材料としては、例えば微細なセラミックス粉末を成形して作製される断熱材料が知られている。この断熱材料は、無機材料を用いていることから使用可能な温度が上記の条件を満たす上に、溶銑と接触した場合には、急激な断熱性能の変化を起こす。従って、本発明においては、微細なセラミックス粉末を成形して作製される断熱材料を断熱材5として使用することが好ましい。
尚、本発明においては、ライニング構造やその機能を妨げない限り、上述した以外に施工上、並びに、断熱材5、永久耐火物3,4及びワーク耐火物6の機能を改善するために接着剤や保護用シートなどを利用しても構わない。また、使用する耐火物、断熱材及びその他の材料の寸法については、混銑車炉体1のサイズ、平均的な溶銑の受銑量などを勘案して適宜決めればよい。
本発明では、このような耐火物ライニング層を有する混銑車炉体1を備えた混銑車で高炉から出銑される溶銑を受銑し、溶銑を収容した混銑車炉体1の鉄皮2の外壁温度を熱画像撮影装置により監視する。ワーク耐火物6の溶損や脱落、或いはワーク耐火物6の目地開きなどによって、断熱材5と溶銑とが接触するなどして断熱材5が破壊されることで、耐火物ライニング層の熱伝達が変化して機能を失うので、それに伴う鉄皮2の外壁温度の時系列的な変化から耐火物ライニング層の厚みが基準値以上か基準値以下かを判定する。使用する熱画像撮影装置としては、市販のサーモビュアーで十分に適用可能である。
具体的には、例えば、熱画像撮影装置で撮像した熱画像をデジタルデータに変換し、混銑車炉体1の温度プロファイルとして把握し、この温度プロファイルを別途設けたデータ記録装置に記憶する。データ記録装置に記憶した温度プロファイルから混銑車炉体1の各部位の時系列的な温度履歴、例えば使用回数と外壁温度との関係を把握しておく。そして、最新の外壁温度測定値をこのデータに照らし合わせる。最新の外壁温度測定値が、把握された使用回数と外壁温度との関係から予測可能な温度範囲の場合には、ワーク耐火物6が健全であると判定し、一方、最新の外壁温度測定値が、把握された使用回数と外壁温度との関係からは予測困難な温度範囲の場合、つまり把握された使用回数と外壁温度との関係とは異なる傾向を示す場合には、例えば外壁温度が過去のデータと比較して急激に上昇するように非連続に変化する場合には、断熱材5が破壊され、永久耐火物4の前面に溶銑が侵入したと判定する。
尚、本発明においては、混銑車炉体1の鉄皮2の外壁温度を連続して測定し続ける必要はなく、例えば受銑してから1時間経過した時点や、搬送した溶銑を排出する直前など、決まった時期に測定するだけで十分である。但し、受銑直後など外壁鉄皮温度の変化が大きい時期を、その決まった時期とすると、測定するタイミングのわずかなずれ、気温の変動など、ライニング層の状態以外の要因による測定誤差が大きくなるので、このような時期は避け、外壁鉄皮温度が或る程度安定してから測定することが好ましい。また、本発明においては、混銑車内に溶銑が収容されていない時期に測定しても構わない。但し、溶銑を排出してから時間が或る程度経過すると、ライニング層の温度が低下し、ライニング層の状態の違いによる外壁鉄皮温度の違いが小さくなる。そのため、そのような時期に測定した場合、判定が困難になる。従って、本発明においては、溶銑が収容されていない時期に測定する場合は、溶銑の排出直後から30分間の間とすることが好ましい。
永久耐火物4の前面に溶銑が侵入したと判定した場合には、収容する溶銑を通常通りの処理を行った後に払い出す、或いは緊急避難的に払い出し、その後、混銑車炉体1の補修を実施する。補修方法や補修の範囲は、ワーク耐火物6の損傷に応じて行うものとし、補修後は、前述した図1に示す構造の耐火物ライニング層に復元する。
このように本発明によれば、耐火物ライニング層のワーク耐火物の脱落した部分や目地開きした部分に溶銑が侵入した場合には、断熱材と溶銑とが接触して断熱材の温度が急上昇して、断熱材が急速にその断熱特性を失うので、混銑車炉体の鉄皮外壁温度が局所的に急上昇する。この急上昇を熱画像撮影装置で速やかに把握することにより、ワーク耐火物の破損を従来に比較して確実に検出することが可能となる。
永久耐火物として高アルミナ質煉瓦(厚み:30mm)及びロー石質煉瓦(厚み:30mm)を用い、ワーク耐火物として焼成マグネシア質煉瓦(厚み:400mm)を用い、また、断熱材として、厚み:3mm、熱伝導率:0.02W/k・m2 の微細セラミックス成形体を用い、これらの材料を用いて、前述した図1に示すように混銑車炉体のライニング層を形成した。永久耐火物の高アルミナ質煉瓦は鉄皮(厚み50mm)の内側に配置した。比較のために、断熱材を配置していない混銑車炉体を備えた混銑車も準備した。
これらの混銑車で1回当たり450トンの溶銑を受銑し、受銑した溶銑を転炉工場に搬送した。その際、転炉工場で溶銑を装入鍋に排出する直前に、混銑車炉体の外壁温度プロファイルをサーモビュアーで測定した。
サーモビュアーによる外壁温度(℃)が、それまでの外壁温度の平均値よりも10%高くなった場合に、その部位の耐火物ライニング層の溶損状況を確認した。また、溶銑の搬送を400回行った場合も、サーモビュアーによる外壁温度の測定結果の如何に拘わらず、耐火物ライニング層の溶損状況を確認した。耐火物ライニング層の観察結果を表1に示す。
Figure 2009079872
表1に示すように、本発明の実施例では、永久耐火物に損傷の発生する事例は発生しなかった。この結果から、ワーク耐火物の破損が発生した時点で速やかな検出ができたことが確認できた。一方、断熱材を配置しない比較例では、永久耐火物の溶損が発生する場合があった。これは、ワーク耐火物の破損が起きた後も操業を続けてしまったためと推定される。
これらの結果から、本発明を適用した場合にはワーク耐火物周辺の破損を速やかに判定することが可能となり、永久耐火物の破損を防止できることが分かった。これにより、溶銑漏れなどの事故を防止することが可能となり、その上、コストのかかる永久耐火物の更新工事の回数を大幅に減らすことが可能となる。
本発明に係る混銑車炉体の概略断面図である。
符号の説明
1 混銑車炉体
2 鉄皮
3 永久耐火物
4 永久耐火物
5 断熱材
6 ワーク耐火物

Claims (4)

  1. 永久耐火物とワーク耐火物との間に断熱材が配置されていることを特徴とする、混銑車炉体の耐火物ライニング層構造。
  2. 前記断熱材は、800℃ないし1000℃になると断熱材としての機能を失うものであることを特徴とする、請求項1に記載の混銑車炉体の耐火物ライニング層構造。
  3. 請求項1または請求項2に記載の耐火物ライニング層構造を有する混銑車炉体の鉄皮外壁温度を熱画像撮影装置により監視し、鉄皮外壁温度の時系列的に非連続な変化に基づいて耐火物ライニング層の厚みが基準値以上か基準値以下かを判定することを特徴とする、混銑車炉体の耐火物ライニング層厚みの判定方法。
  4. 前記鉄皮外壁温度が時系列的に非連続な変化を示した時点を、前記混銑車炉体の耐火物ライニング層の厚みが基準値以下になった時点と判定することを特徴とする、請求項3に記載の混銑車炉体の耐火物ライニング層厚みの判定方法。
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