JP2009079730A - 車輪支持用軸受ユニット - Google Patents

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靖人 徳永
Tatsuo Wakabayashi
達男 若林
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Abstract

【課題】ハブ本体2bの強度及び耐久性を十分に確保しつつ、このハブ本体2bに硬化層を形成する際の熱処理条件のコントロールを行い易くできる構造を実現する。
【解決手段】上記ハブ本体2bのうちで、取付フランジ8の軸方向内側面の根元部分乃至第一の内輪軌道9a部分と、小径段部11の軸方向中間部乃至段差面17部分とに、それぞれ独立して高周波焼入れ処理による硬化層を形成する。この様な構成を採用する事により、上記課題を解決する。
【選択図】図1

Description

この発明は、自動車等の車両の車輪を懸架装置に対して回転自在に支持する為に使用する車輪支持用軸受ユニットの改良に関する。
自動車の車輪は、車輪支持用軸受ユニットにより懸架装置に支持する。図5は、この様な車輪支持用軸受ユニットの従来構造の第1例を示している。この車輪支持用軸受ユニットは、外輪1と、ハブ本体2と、内輪3と、複数個の転動体4、4とを備える。このうちの外輪1は、内周面に第一、第二の外輪軌道5、6を、外周面に懸架装置に結合固定する為の結合フランジ7を、それぞれ形成している。又、上記ハブ本体2は、外周面の軸方向外端(軸方向に関して「外」とは、自動車への組み付け状態で車両の幅方向外側を言い、図1、3〜6の左側、及び、図2の下側。反対に、車両の幅方向中央側となる図1、3〜6の右側、及び、図2の上側を、軸方向に関して「内」と言う。本明細書及び特許請求の範囲の全体で同じ。)寄り部分に、車輪及び制動用回転部材を支持固定する為の取付フランジ8を、軸方向中間部に第一の内輪軌道9を、軸方向内端部にこの第一の内輪軌道9を形成した部分よりも外径寸法が小さくなった小径段部11を、それぞれ形成している。
又、上記内輪3は、外周面に第二の内輪軌道10を有するもので、上記小径段部11に締り嵌めで外嵌している。又、この状態で、上記ハブ本体2の軸方向内端部に設けた円筒部12の先端部を径方向外方に塑性変形させて形成したかしめ部13により、上記内輪3の軸方向内端面を抑え付けている。これにより、この内輪3を上記ハブ本体2に結合固定している。又、上記各転動体4、4は、上記第一、第二の各外輪軌道5、6と上記第一、第二の各内輪軌道9、10との間にそれぞれ複数個ずつ、転動自在に設けている。又、上記外輪1の内周面と上記ハブ本体2及び内輪3の外周面との間に存在する、上記各転動体4、4を設置した空間の軸方向外端開口を、シールリング14により塞いでいる。これと共に、上記外輪1の軸方向内端開口を、金属板製のカバー15により塞いでいる。尚、図示の例では、上記各転動体4、4として玉を使用しているが、重量の嵩む自動車用の軸受ユニットの場合には、円すいころを使用する場合もある。
次に、図6は、車輪支持用軸受ユニットの従来構造の第2例を示している。この従来構造の第2例の場合には、第一の外輪軌道5aの直径を第二の外輪軌道6aの直径よりも大きくすると共に、第一の内輪軌道9aの直径を第二の内輪軌道10aの直径よりも大きくしている。これにより、上記第一の外輪軌道5aと上記第一の内輪軌道9aとの間に設けた各転動体4、4(軸方向外側の転動体列)のピッチ円直径を、上記第二の外輪軌道5aと上記第二の内輪軌道10aとの間に設けた各転動体4、4(軸方向内側の転動体列)のピッチ円直径よりも大きくしている。そして、この様な構成を採用する事により、車輪支持用軸受ユニットのモーメント剛性を高めている。又、本例の場合には、外輪1aの内周面とハブ本体2a及び内輪3の外周面との間に存在する、上記各転動体4、4を設置した空間の軸方向内端開口を、シールリング16により塞いでいる。その他の部分の構造及び作用は、上述した従来構造の第1例の場合と同様である。
ところで、上述の図5〜6に示した各従来構造のうち、図5に示した従来構造の第1例の場合には、例えば特許文献1に類似の構造が記載されている様に、ハブ本体2の強度及び耐久性を十分に確保すべく、このハブ本体2のうちで、取付フランジ8の軸方向内側面の根元部分から小径段部11の軸方向中間部までの連続した部分(図5に斜格子を付して示す部分)に、熱処理の一種である、高周波焼入れ処理による硬化層を形成する事が、従来から一般的に行われている。ところが、当該連続した部分の熱容量は、全範囲で一定ではない。大まかに言うと、当該連続した部分のうち、外径寸法が大きい軸方向外側部分の熱容量に比べて、外径寸法が小さい軸方向内側部分の熱容量が小さくなっている。この為、当該連続した部分に高周波焼入れ処理を施す際に、全範囲で熱処理条件を同じにすると、軸方向内側部分(特に、上記小径段部11の軸方向外端縁に存在する段差面17の径方向外端部)で過熱(オーバーヒート)が起こり易くなる。この過熱が起こると、この過熱が起こった部分の組織が粗大化して脆くなったり、或いは熱処理変形が大きくなると言った不都合を生じる。従って、当該連続した部分に高周波焼入れ処理を施す際には、軸方向内側部分で過熱が起こらない様にすべく、各範囲の熱処理条件をコントロールする必要がある。
一方、上述の図6に示した従来構造の第2例の場合には、上述の図5に示した従来構造の第1例の場合に比べて、ハブ本体2aに関する、上記連続した部分(図6に斜格子を付して示す部分)の軸方向外側部分の外径寸法と、軸方向内側部分の外径寸法との差が、更に大きくなっている。この為、これら軸方向外側部分の熱容量と、軸方向内側部分の熱容量との差が、更に大きくなっている。従って、当該連続した部分に高周波焼入れ処理を施す際に、全範囲で熱処理条件を同じにすると、軸方向内側部分で過熱がより起こり易くなる。この結果、当該連続した部分で過熱が起こらない様にする為の、各範囲の熱処理条件のコントロールが難しくなる。
又、上述した高周波焼入れ処理では、形成した硬化層の内部に高い残留圧縮応力を得られる反面、この硬化層の表面にスラッジと呼ばれる硬い異物(ゴミ)が発生する問題がある。このスラッジがこの硬化層の表面から脱落して、軸受ユニットの軌道面と転動面との間に噛み込まれると、これら軌道面や転動面にゴミ圧痕ができ、異音の発生原因となったり、或いは軸受寿命が低下する原因となる。従って、この様な不都合が発生するのを回避すべく、上記硬化層を形成した後には、この硬化層の表面で発生したスラッジを落とす作業を行う必要がある。但し、上記硬化層を形成する範囲が広いと、その分だけ上記スラッジの発生量も多くなる。特に、上述の図6に示した従来構造の第2例の場合には、上述の図5に示した従来構造の第1例の場合に比べて、上記硬化層を形成した部分の外周面が複雑な形状をしていて、この硬化層の表面の面積が広い為、上記スラッジの発生量が多くなる。従って、このスラッジを落とす作業が面倒になる。
特開平11−51064号公報
本発明は、上述の様な事情に鑑み、図6に示した従来構造の第2例の様に、軸方向外側の転動体列のピッチ円直径が、軸方向内側の転動体列のピッチ円直径よりも大きい車輪支持用軸受ユニットを対象とし、ハブ本体の強度及び耐久性を十分に確保しつつ、このハブ本体に硬化層を形成する際の熱処理条件のコントロールを行い易くでき、しかもこの硬化層の形成に伴って発生するスラッジの量を少なくできる構造を実現すべく発明したものである。
本発明の車輪支持用軸受ユニットは、ハブ本体と、内輪と、外輪と、複数個の転動体とを備える。
このうちのハブ本体は、外周面の軸方向外端寄り部分に車輪を支持する為のフランジを、同じく軸方向中間部に第一の内輪軌道を、同じく軸方向内端部にこの第一の内輪軌道を形成した部分よりも外径寸法が小さくなった小径段部を、それぞれ形成している。
又、上記内輪は、この小径段部に外嵌されたもので、外周面に第二の内輪軌道を形成している。
又、上記外輪は、内周面に、上記第一の内輪軌道に対向する第一の外輪軌道及び上記第二の内輪軌道に対向する第二の外輪軌道を形成している。
又、上記各転動体は、上記第一、第二の内輪軌道と上記第一、第二の外輪軌道との間に、それぞれ複数個ずつ設けられている。
更に、上記第一の内輪軌道の直径を上記第二の内輪軌道の直径よりも大きくすると共に、上記第一の外輪軌道の直径を上記第二の外輪軌道の直径よりも大きくする事により、上記第一の内輪軌道と上記第一の外輪軌道との間に設けた上記各転動体(軸方向外側の転動体列)のピッチ円直径を、上記第二の内輪軌道と上記第二の外輪軌道との間に設けた上記各転動体(軸方向内側の転動体列)のピッチ円直径よりも大きくしている。
特に、本発明の車輪支持用軸受ユニットに於いては、上記ハブ本体のうちで、上記第一の内輪軌道部分と、上記小径段部の軸方向外端部乃至この小径段部の軸方向外端縁に存在する段差面部分とに、それぞれ熱処理硬化層(例えば、高周波焼入れ処理やレーザー焼入れ処理等による硬化層)を形成しており、且つ、これら両部分に形成した熱処理硬化層同士が互いに繋がっていない(互いに独立している)。
又、上述の様な本発明の車輪支持用軸受ユニットを実施する場合であって、上記ハブ本体の外周面のうちで、軸方向に関して上記第一の内輪軌道と上記小径段部との間部分に、この第一の内輪軌道を形成した部分よりも外径寸法が小さく、且つ、上記小径段部を形成した部分よりも外径寸法が大きくなった第二の小径段部が存在する場合に、好ましくは、請求項2に記載した様に、この第二の小径段部の軸方向外端部乃至この第二の小径段部の軸方向外端縁に存在する第二の段差面部分には熱処理硬化層を形成しない。
又、上述の様な本発明の車輪支持用軸受ユニットを実施する場合に、好ましくは、請求項3に記載した様に、上記ハブ本体のうちで、軸方向に関して上記第一の内輪軌道と上記小径段部との間部分に存在する、熱処理硬化層が形成されていない部分の外周面に旋削加工を施す事により、この旋削加工を施した部分に、上記第一の内輪軌道の研削加工を行う際にシューを摺接させる為の研削基準面を形成する。
上述の様に構成する本発明の車輪支持用軸受ユニットの場合には、ハブ本体の強度及び耐久性を十分に確保できる。即ち、このハブ本体のうちで、第一の内輪軌道は、転動体の転動面が当接して高い面圧を受ける。この為、この第一の内輪軌道の転がり疲れ寿命を確保すべく、この第一の内輪軌道部分を硬化させる必要がある。これに対し、本発明の場合には、上記第一の内輪軌道部分に熱処理硬化層を形成している。又、上記ハブ本体のうちで、小径段部とこの小径段部の軸方向外端縁に存在する段差面との連続部(隅R部)は、応力集中が起こり易い上に、直径寸法が小さい、強度的に弱い部位である。この為、この隅R部の強度を確保すべく、この隅R部の周辺部分を硬化させる必要がある。これに対し、本発明の場合には、この隅R部の周辺部分である、上記小径段部の軸方向外端部乃至上記段差面部分に、熱処理硬化層を形成している。又、本発明の場合には、上記ハブ本体のうちで、上記第一の内輪軌道部分と、上記小径段部の軸方向外端部乃至上記段差面部分との間に、熱処理硬化層が形成されていない部分が存在する。但し、本発明の対象となる、軸方向外側の転動体列のピッチ円直径を軸方向内側の転動体列のピッチ円直径よりも大きくしている車輪支持用軸受ユニットの場合には、当該部分の外径寸法が十分に大きく、路面反力を受けた場合に当該部分で発生する応力が小さくなる。従って、当該部分には、元々十分な強度が確保されている為、必ずしも熱処理硬化層を形成する必要はない。以上より、本発明の場合には、上記ハブ本体の強度及び耐久性を十分に確保できる。
又、本発明の場合には、上記ハブ本体のうちで、上記第一の内輪軌道部分に形成する熱処理硬化層と、上記小径段部の軸方向外端部乃至上記段差面部分に形成する熱処理硬化層とを、互いに繋げる必要がない。この為、これら両部分に対し、個々に熱処理を行う事ができる。従って、例えば、この熱処理として高周波焼入れ処理を行う場合に、上記両部分同士で、別々の高周波コイルを使用できる。この為、これら両高周波コイルの形状を、それぞれ単純化できる。これと共に、上記両部分で過熱が起こらない様にする為の熱処理条件のコントロールの容易化を図れる。
又、本発明の場合には、上記ハブ本体のうちで、上記第一の内輪軌道部分に形成する熱処理硬化層と、上記小径段部の軸方向外端部乃至上記段差面部分に形成する熱処理硬化層とを、互いに繋げていない。この為、上記ハブ本体に形成する熱処理硬化層の範囲を少なくできる。従って、その分だけ、この熱処理硬化層の表面に発生するスラッジの量を少なくできる。この結果、この熱処理硬化層の表面からこのスラッジを落とす作業を軽減できる。
又、本発明を実施する場合に、請求項2に記載した構成を採用すれば、ハブ本体の外周面に存在する、第二の段差面の径方向外端部(角部)で、熱処理に伴う過熱が起こる事を防止できる。
又、本発明を実施する場合に、請求項3に記載した構成を採用すれば、第一の内輪軌道の面精度を良好にできる。即ち、ハブ本体の製造過程で、このハブ本体の一部(上記第一の内輪軌道部分を含む)に熱処理硬化層を形成した後には、この第一の内輪軌道に仕上げの研削加工を施す。この研削加工の際に、上記ハブ本体の径方向の位置決めは、このハブ本体の外周面の一部に設けた研削基準面にシューを摺接させる事によって図る。従って、このハブ本体の径方向の位置決め精度を良好にできる様にすべく、上記研削基準面は、予め、旋削加工によって、良好な面精度を有する円筒面に仕上げておく必要がある。ところが、この研削基準面を形成すべき部分に熱処理硬化層が存在すると、この研削基準面を形成する為の旋削加工を行う際に、旋削抵抗の変化が大きくなり、これに伴って、旋削工具の撓み変化が発生し易くなる。この様な撓み変化が発生すると、上記研削基準面に、ビビリと呼ばれる面精度の悪化が発生し易くなる。上記研削基準面にこの様なビビリが発生すると、上記第一の内輪軌道の研削加工を行う際に、このビビリがこの第一の内輪軌道に転写され、この第一の内輪軌道の面精度が悪化する。これに対し、請求項3に記載した発明の場合には、上記ハブ本体のうちで、軸方向に関して上記第一の内輪軌道と小径段部との間部分に存在する、熱処理硬化層が形成されていない部分の外周面に旋削加工を施す事により、この旋削加工を施した部分に上記研削基準面を形成している。この為、この研削基準面にビビリが発生する事を有効に防止できる。従って、この研削基準面にシューを摺接させながら、上記第一の内輪軌道の研削加工を行えば、この第一の内輪軌道の面精度を良好にできる。この結果、車輪支持用軸受ユニットの回転精度及び音響特性を良好にできる。
更に、ハブ本体の軸方向外端部には、通常、車輪及び制動用回転部材を外嵌する為の円筒部(パイロット部)が存在するが、本発明を実施する場合に、上記研削基準面をこの円筒部の外周面と同心に加工すれば、上記第一の内輪軌道及び小径段部の外周面を、この円筒部の外周面と同心に研削する事ができる。この結果、車両の運転時に、この円筒部の外周面(この円筒部に外嵌した車輪及び制動用回転部材)のラジアル振れを抑える事ができ、車両の操縦安定性や乗り心地を向上させる事ができる。
[実施の形態の第1例]
図1〜3は、本発明の実施の形態の第1例を示している。尚、本例の特徴は、ハブ本体2bに形成する、高周波焼入れ処理による硬化層の形成位置を工夫した点にある。その他の部分の構造及び作用は、前述の図6に示した従来構造の第2例の場合とほぼ同様である。この為、同等部分には同一符号を付して重複する説明は省略若しくは簡略にし、以下、本例の特徴部分、並びに、上記従来構造の第2例と異なる部分を中心に説明する。
本例の場合には、上記ハブ本体2bのうちで、それぞれが図1〜3に斜格子を付して示す部分である、取付フランジ8の軸方向内側面の根元部分乃至第一の内輪軌道9a部分と、小径段部11の軸方向中間部乃至この小径段部11の軸方向外端縁に存在する段差面17部分とに、それぞれ高周波焼入れ処理による硬化層を形成している。そして、本例の場合には、これら両部分に形成した硬化層同士を互いに繋げていない。即ち、本例の場合、上記ハブ本体2bの外周面のうち、軸方向に関して上記第一の内輪軌道9aと上記小径段部11との間部分に、この第一の内輪軌道9aを形成した部分よりも外径寸法が小さく、且つ、上記小径段部11を形成した部分よりも外径寸法が大きくなった、第二の小径段部18が存在する。本例の場合には、この第二の小径段部18の軸方向中間部乃至この第二の小径段部18の軸方向外端縁に存在する第二の段差面19部分に、上記硬化層を形成せず、上記両部分に形成した硬化層同士を互いに切り離し(互いに独立させ)ている。
又、本例の場合、上記ハブ本体2bの上記両部分に対し、それぞれ高周波焼入れ処理による硬化層を形成する際には、図2に示す様に、上記両部分の高周波加熱を、それぞれ別々の高周波コイル20a、20bを使用して行う。これら両高周波コイル20a、20bは、それぞれ別々の電流制御器21a、21bに接続している。
又、本例の場合、上記ハブ本体2bの上記両部分に対し、それぞれ高周波焼入れ処理による硬化層を形成した後、図3に示す様にして、これら両硬化層の表面に、それぞれ仕上げの研削加工を施す。具体的には、上記第二の小径段部18の軸方向中間部に旋削加工を施して形成した円筒面状の研削基準面22にシュー23を摺接させる事により、上記ハブ本体2bの径方向の位置決めを図る。そして、この状態で、上記ハブ本体2bを自身の中心軸を中心として回転させながら、回転する砥石24(この砥石24を構成する1対の砥石部25a、25b)の外周面により、上記ハブ本体2bの上記両部分に形成した硬化層の表面に、それぞれ研削加工を施す。
上述の様に構成する本例の車輪支持用軸受ユニットの場合には、ハブ本体2bの強度及び耐久性を十分に確保できる。即ち、このハブ本体2bのうちで、第一の内輪軌道9aは、転動体4、4の転動面が当接して高い面圧を受ける。この為、この第一の内輪軌道9aの転がり疲れ寿命を確保すべく、この第一の内輪軌道9a部分を硬化させる必要がある。これに対し、本例の場合には、上記第一の内輪軌道9a部分に硬化層を形成している。又、上記ハブ本体2bのうちで、小径段部11と段差面17との連続部(隅R部)は、応力集中が起こり易い上に、直径寸法が小さい、強度的に弱い部位である。この為、この隅R部の強度を確保すべく、この隅R部の周辺部分を硬化させる必要がある。これに対し、本例の場合には、この隅R部の周辺部分である、上記小径段部11の軸方向外半部乃至上記段差面17部分に硬化層を形成している。又、本例の場合には、上記ハブ本体2bのうちで、第二の小径段部18の軸方向中間部乃至第二の段差面19部分に、硬化層が形成されていない。但し、本例の対象となる、軸方向外側の転動体列のピッチ円直径を軸方向内側の転動体列のピッチ円直径よりも大きくしている車輪支持用軸受ユニットの場合には、当該部分の外径寸法が十分に大きく、路面反力を受けた場合に当該部分で発生する応力が小さくなる。従って、当該部分には、元々十分な強度が確保されている為、必ずしも硬化層を形成する必要はない。以上より、本例の場合には、上記ハブ本体2bの強度及び耐久性を十分に確保できる。
又、本例の場合、上記ハブ本体2bの上記両部分に対し、それぞれ高周波焼入れ処理による硬化層を形成する際には、図2に示す様に、上記両部分の高周波加熱を、それぞれ別々の高周波コイル20a、20bを使用して行う。この為、これら両高周波コイル20a、20bの形状を、それぞれ単純化できる。これと共に、上記両部分で過熱が起こらない様にする為の熱処理条件のコントロールを容易に行える。又、本例の場合には、上記ハブ本体2bのうちで、上記第二の小径段部18の軸方向中間部乃至上記第二の段差面19部分に、硬化層が形成されていない。この為、当該部分に硬化層を形成する場合に比べて、上記ハブ本体2bに形成する硬化層の範囲を少なくできる。従って、その分だけ、この硬化層の表面に発生するスラッジの量を少なくできる。この結果、この硬化層の表面からこのスラッジを落とす作業を軽減できる。又、本例の場合には、上記第二の段差面19の径方向外端部(角部)に硬化層を形成していない為、この第二の段差面19の径方向外端部で、高周波焼入れ処理に伴う過熱が起こる事を防止できる。
又、本例の場合には、上記ハブ本体2bのうちで、硬化層が形成されていない部分である、上記第二の小径段部18の軸方向中間部の外周面に旋削加工を施す事により、この旋削加工を施した部分に、シュー23を摺接させる為の研削基準面22を形成している。この為、本例の場合には、上記旋削加工を施す際の旋削抵抗を安定させる事ができ、この旋削加工を施す際に、旋削工具の撓み変化が発生する事を防止できる。従って、上記研削基準面22に、ビビリと呼ばれる面精度の悪化が発生する事を防止でき、この研削基準面22の面精度を良好にできる。この結果、上記ハブ本体2bの上記両部分に形成した硬化層の表面に研削加工を施す際に、このハブ本体2bの径方向の位置決め精度を良好にできる。この為、上記両部分に形成した硬化層の表面の面精度を良好にできる。この結果、車輪支持用軸受ユニットの回転精度及び音響特性を良好にできる。
[実施の形態の第2例]
図4は、本発明の実施の形態の第2例を示している。本例の場合も、ハブ本体2cに対する、高周波焼入れ処理による硬化層の形成位置を、斜格子を付して示す。図示の様に、本例の場合には、上述した実施の形態の第1例との比較で、上記ハブ本体2cのうちで、取付フランジ8の軸方向内側面の根元部分には、上記硬化層を形成していない。その一方で、本例の場合には、小径段部11の軸方向中間部乃至段差面17部分に形成した硬化層に繋げる形で、第二の小径段部18の軸方向中間部(研削基準面22に対応する部分)にも、上記硬化層を形成している。この様に、本例の場合には、上記研削基準面22を形成する部分に硬化層を形成している為、この研削基準面22を旋削加工により形成する事に伴い、この研削基準面22にビビリが発生する可能性がある。但し、この研削基準面22にビビリが発生した場合でも、上記硬化層を形成した部分の表面に研削加工を施す際に、これら各表面と一緒に、上記研削基準面22にも研削加工を施す様にすれば、この研削基準面22の面精度を改善する事ができる。従って、この様にして上記各表面に研削加工を施せば、これら各表面の面精度を良好にできる。その他の構成及び作用は、上述した実施の形態の第1例の場合と同様である。
本発明の実施の形態の第1例を示す断面図。 ハブ本体に高周波焼入れ処理を施す工程を示す半部断面図。 ハブ本体に研削加工を施す工程を示す断面図。 本発明の実施の形態の第2例を示す断面図。 車輪支持用軸受ユニットの従来構造の第1例を示す半部断面図。 同第2例を示す断面図。
符号の説明
1、1a 外輪
2、2a〜2c ハブ本体
3 内輪
4 転動体
5、5a 第一の外輪軌道
6、6a 第二の外輪軌道
7 結合フランジ
8 取付フランジ
9、9a 第一の内輪軌道
10、10a 第二の内輪軌道
11 小径段部
12 円筒部
13 かしめ部
14 シールリング
15 カバー
16 シールリング
17 段差面
18 第二の小径段部
19 第二の段差面
20a、20b 高周波コイル
21a、21b 電流制御器
22 研削基準面
23 シュー
24 砥石
25a、25b 砥石部

Claims (3)

  1. 外周面の軸方向外端寄り部分に車輪を支持する為のフランジを、同じく軸方向中間部に第一の内輪軌道を、同じく軸方向内端部にこの第一の内輪軌道を形成した部分よりも外径寸法が小さくなった小径段部を、それぞれ形成したハブ本体と、この小径段部に外嵌された、外周面に第二の内輪軌道を形成した内輪と、内周面に上記第一の内輪軌道に対向する第一の外輪軌道及び上記第二の内輪軌道に対向する第二の外輪軌道を形成した外輪と、これら第一、第二の内輪軌道とこれら第一、第二の外輪軌道との間に、それぞれ複数個ずつ設けられた転動体とを備え、上記第一の内輪軌道の直径を上記第二の内輪軌道の直径よりも大きくすると共に、上記第一の外輪軌道の直径を上記第二の外輪軌道の直径よりも大きくする事により、上記第一の内輪軌道と上記第一の外輪軌道との間に設けた上記各転動体のピッチ円直径を、上記第二の内輪軌道と上記第二の外輪軌道との間に設けた上記各転動体のピッチ円直径よりも大きくしている車輪支持用軸受ユニットに於いて、上記ハブ本体のうちで、上記第一の内輪軌道部分と、上記小径段部の軸方向外端部乃至この小径段部の軸方向外端縁に存在する段差面部分とに、それぞれ熱処理硬化層を形成しており、且つ、これら両部分に形成した熱処理硬化層同士が互いに繋がっていない事を特徴とする車輪支持用軸受ユニット。
  2. ハブ本体の外周面のうちで、軸方向に関して第一の内輪軌道と小径段部との間部分に、この第一の内輪軌道を形成した部分よりも外径寸法が小さく且つ上記小径段部を形成した部分よりも外径寸法が大きくなった第二の小径段部が存在し、且つ、この第二の小径段部の軸方向外端部乃至この第二の小径段部の軸方向外端縁に存在する第二の段差面部分に熱処理硬化層を形成していない、請求項1に記載した車輪支持用軸受ユニット。
  3. ハブ本体のうちで、軸方向に関して第一の内輪軌道と小径段部との間部分に存在する、熱処理硬化層が形成されていない部分の外周面に旋削加工を施す事により、この旋削加工を施した部分に、上記第一の内輪軌道の研削加工を行う際にシューを摺接させる為の研削基準面を形成している、請求項1〜2のうちの何れか1項に記載した車輪支持用軸受ユニット。
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JP2012081817A (ja) * 2010-10-08 2012-04-26 Ntn Corp 車輪用軸受装置

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