JP2009079044A - セラミド類含有組成物 - Google Patents

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Abstract

【課題】 セラミド類の酸化分解が抑制された組成物を提供すること。
【解決手段】 本発明は、(A)セラミド類より選択される少なくとも一種と、(B)ダイズタンパク質のサーモリシン分解物とを含有する組成物を提供する。
【選択図】 なし

Description

本発明は、ダイズタンパク質のサーモリシン分解物とセラミド類とを含有する組成物に関し、特に、セラミド類の酸化分解が抑制された組成物に関する。
セラミド類は、皮膚を構成する細胞間脂質の1つで、皮膚の保湿や保護作用、肌荒れ防止、改善のような美肌効果を有することが知られており、また、セラミド類は酸化による分解を受けることも知られている。セラミド類等の脂質が酸化分解されて生じる過酸化脂質は、セラミド類含有組成物の品質劣化の原因となるので、その酸化による分解が抑制された組成物が望まれている。
特許文献1には、セラミドと乳酸菌に加えて、タンパク質の補給源として好ましくはペプチドを更に含有する、肌の健康を維持する効果のある美容食品が、より具体的には、ダイズペプチド、セラミド含有物等を含有する食品(実施例1〜3)が開示されている。しかしながら、ペプチドの鎖長等に関する記載はあるものの、その抗酸化作用についての言及はない。特許文献2には、皮膚老化作用を阻止する化粧学的組成物が、より具体的には、セラミド3、ダイズペプチド等を含有するW/Oアンチリンクルナイトクリーム(実施例3)が開示されている。しかしながら、ダイズペプチドの具体例やその抗酸化作用についての言及はない。
ところで、ダイズタンパク質をプロテアーゼ(好ましくは、サーモリシン)で分解して得られる産物が、コラーゲン及びヒアルロン酸からなる群より選択される少なくとも一種の産生促進能を有し、コラーゲン及び/又はヒアルロン酸量の低下に起因する疾患の治療剤又は予防剤;コラーゲン及び/又はヒアルロン酸量の低下に起因する状態の改善用又は予防用の食品;紫外線曝露、加齢等による皮膚のシワもしくはタルミの予防及び/又は改善のための化粧料;皮膚の弾力性もしくはハリの低下に対する予防及び/又は改善のための化粧料;等として有用であることが記載されている(特許文献3)。しかしながら、特許文献3には、ダイズタンパク質のサーモリシン分解物の抗酸化作用についての言及はなく、当然、ダイズタンパク質のサーモリシン分解物によるセラミド類の酸化分解抑制効果についての言及は一切ない。
一方、特許文献4は可溶性ダイズタンパク質材料を調製する方法に関し、ダイズタンパク質の酵素分解物の抗酸化作用が開示されている。特許文献5は抗酸化作用及び降圧作用を有する機能性食品及び医薬に関し、ダイズタンパク質のプロテアーゼ(具体的には、パパイン等)分解物の抗酸化作用が開示されている。しかしながら、特許文献4及び5のいずれも、ダイズタンパク質のサーモリシン分解物の記載は一切なく、当然、ダイズタンパク質のサーモリシン分解物の抗酸化作用や、ダイズタンパク質のサーモリシン分解物によるセラミド類の酸化分解抑制効果についての言及は一切ない。
特開2004−254632号公報 特表2002−516838号公報 国際公開第2007/049400号パンフレット 特開2005−80668号公報 特開2003−210138号公報
本発明は、セラミド類の酸化による分解を抑制することにより、セラミド類含有組成物の品質劣化の原因となる過酸化脂質の生成を抑制し、安定なセラミド類含有組成物を提供することを目的とする。
本発明者らは、セラミド類に、ダイズタンパク質のサーモリシン分解物を配合することにより、セラミド類の酸化分解が抑制されることを見出し、本発明を完成するに至った。
従って、本発明は以下を提供する。
(1)(A)セラミド類から選択される少なくとも一種と、
(B)ダイズタンパク質のサーモリシン分解物
とを含有する組成物。
本発明により、セラミド類の酸化分解が抑制された、セラミド類とダイズタンパク質のサーモリシン分解物とを有する組成物が提供される。
以下、本発明を詳細に説明する。なお、本明細書中において使用される用語は、特に他に言及しない限り、当該分野で通常用いられる意味で用いられていることが理解されるべきである。
本発明は、(A)セラミド類から選択される少なくとも一種と、(B)ダイズタンパク質のサーモリシン分解物とを含有する組成物である。
本明細書においては、特に断らない限り、セラミド類という用語は、スフィンゴ糖脂質、スフィンゴリン脂質などのセラミドを有する化合物をも包含する意味で用いるものとする。
本発明に用いられるセラミド類の具体例としては、セラミド;スフィンゴシン;フィトスフィンゴシン;スフィンゴ糖脂質;スフィンゴリン脂質;等が挙げられる。
セラミドとは、スフィンゴシン又はフィトスフィンゴシンのアミノ基に脂肪酸が酸アミド結合した化合物をいい、スフィンゴシン又はフィトスフィンゴシンのアミノ基に結合する脂肪酸残基の種類は、本発明の目的を達する限りにおいて特に制限されない。具体例としては、セラミド1、セラミド2、セラミド3、セラミド4、セラミド5、セラミド6I、セラミド6II、セラミド7等が挙げられる。
スフィンゴ糖脂質とは、上記セラミドの第1級アルコール性ヒドロキシ基に糖が結合した化合物をいい、スフィンゴシン又はフィトスフィンゴシンのアミノ基に結合する脂肪酸残基の種類及び結合糖鎖の種類は、本発明の目的を達する限りにおいて特に制限されない。具体例としては、ガラクトシルセラミド、グルコシルセラミドなどが挙げられ、さらにガラクトシルセラミドに硫酸基がついたスルホガラクトシルセラミド(スルファチド)、中性糖が数分子ついたセラミドオリゴヘキソシド、アミノ糖がついたグロボシド、シアル酸のついたガングリオシドなども用いることができる。
スフィンゴリン脂質とは、上記セラミドの第1級アルコール性ヒドロキシ基とコリンリン酸がリン酸ジエステル結合した化合物をいい、スフィンゴシン又はフィトスフィンゴシンのアミノ基に結合する脂肪酸残基の種類は、本発明の目的を達する限りにおいて特に制限されない。具体例としては、スフィンゴミエリンなどが挙げられる。
本発明に用いられるセラミド類としては、動植物由来や微生物由来のものや、化学的方法により得られたものを用いることができ、医薬品、医薬部外品、化粧品または食品の分野において用いられるものであれば特に限定されない。例えば、牛脳等より抽出した動物由来のもの;小麦、米、大豆、キビ、コンニャク、トウモロコシ、ホウレンソウ等より抽出した植物由来のもの;酵母等より抽出した微生物由来のもの;赤血球から抽出したもの;化学的方法(例えば、スフィンゴリン脂質にホスホリパーゼCを作用させる方法、スフィンゴ糖脂質にグリコシダーゼを作用させる方法等)により得られたもの;等が挙げられる。
好ましくは、安定供給の観点から、植物由来のセラミド類(例えば、糖が結合したグルコシルセラミド等)が望ましい。植物由来のセラミド類を用いる場合は、植物の抽出物をそのまま用いてもよいが、抽出物を精製、濃縮して純度を高めて用いることが好ましい。
セラミドは、皮膚内部からの水分の蒸散の抑制し、外部からの有害物質の進入を防御する角質層を構成し、また、スフィンゴ糖脂質は、体内で代謝されてセラミドとなり表皮組織に到達する。このような観点から、本発明に配合するセラミド類としては、セラミドや、その前駆体であるスフィンゴ糖脂質が好ましい。
本発明において、セラミド類は、1種単独で使用しても、また2種以上を任意に組み合わせて使用してもよい。
また、セラミド類は、市販品も好適に用いられ得、例えば、日本製粉(株)、日光ケミカルズ(株)、高砂香料工業(株)、(株)紀文フードケミファなどの製造業者または供給業者から容易に入手可能である。
本発明の組成物に配合するセラミド類の配合量は、本願効果を奏し得る限り特に制限されないが、組成物全体に対して、通常は0.0001重量%以上、好ましくは0.001重量%以上、より好ましくは0.01重量%以上、さらに好ましくは0.05重量%以上、特に好ましくは0.1重量%以上であり、配合上限は好ましくは50重量%以下、より好ましくは10重量%以下、さらに好ましくは5重量%以下、特に好ましくは1重量%以下とするのがよい。
本発明にはさらに、ダイズタンパク質のサーモリシン分解物が用いられる〔以下、本明細書においてこれを「ダイズサーモリシン分解物」ということがある〕。
ダイズ(Glycin max)は、背丈約60〜70cm程度となるマメ科の一年草植物である。その種子は、枝豆などとして、あるいは豆腐や味噌、醤油などに加工されて、食用に供されることが多いことで知られる。
本発明に用いられるダイズタンパク質は、上述のダイズ植物に由来する任意のタンパク質であり得るが、好ましくは、ダイズ植物の種子に由来する任意のタンパク質であり得る。
従って、本発明においては、ダイズ植物そのものやダイズ植物の種子そのもの、該植物や該種子の破砕物又は粉砕物等を、ダイズタンパク質として用いてもよいが、好ましくはダイズ植物中の全成分からタンパク質成分を分離・精製したもの、より好ましくは、ダイズ植物の種子中の全成分からタンパク質成分を分離・精製したものが用いられる。このように分離・精製して得られたダイズタンパク質は、そのサーモリシン分解物が本発明の目的を達し得る限り特に制限されないが、ダイズ植物またはダイズ植物の種子中に含まれる実質的に全種類のタンパク質を含むものでもよく、また、一部の種類のタンパク質を含むものであってもよい。
ダイズタンパク質としては、市販品も好適に用いられ得、例えば、日清コスモフーズ(株)、ADMファーイースト(株)、昭和産業(株)、不二製油(株)、(株)光洋商会などの製造業者または供給業者から容易に入手可能である。
なお、本明細書において、ダイズ植物の種子とは、ダイズ種子と通常呼ばれる構造物全体を指すのみならず、例えば、脱皮ダイズ種子、脱脂ダイズ種子(粉末)、ダイズ種子全体より得られる雪花菜(オカラ)等でもあり得る。
本発明に用いられるサーモリシン(EC3.4.24.27)は、Bacillus thermoproteolyticusという耐熱性菌によって生産される耐熱性のプロテアーゼである。サーモリシンは一般に、大きな側鎖をもった疎水性のアミノ酸残基(例えば、イソロイシン、ロイシン、バリン、フェニルアラニン、メチオニン、アラニンなど)のアミノ基側のペプチド結合を切断することが知られている。
サーモリシンは、市販品も好適に用いられ得、例えば、大和化成(株)などの製造業者から容易に入手可能である。また、本発明においては、サーモリシンと同等のペプチド切断特性(切断配列特異性など)を有するプロテアーゼとして当該分野で公知のプロテアーゼを、サーモリシンとして用いることができる。
本発明に用いられるサーモリシンは、サーモリシンや上記のようなサーモリシンと同等のペプチド切断特性(切断配列特異性など)を有するプロテアーゼを1種類のみでもよいし、2種以上組み合わせて用いてもよい。
ダイズタンパク質をサーモリシンで加水分解する場合に用いられる反応条件は、特に制限されず、技術常識に従って当業者により適宜選択され得る。例えば、市販のサーモリシンを使用する場合には、その使用説明書に従って使用することができる。具体的な例としては、水などの溶媒に、ダイズタンパク質濃度が、一般的には0.1〜30%(w/v)、好ましくは1〜10%(w/v)程度となるようにダイズタンパク質又はダイズタンパク質を含む原料を懸濁し、この懸濁液に、一般的には0.001〜3%(w/v)、好ましくは0.01〜0.125%(w/v)程度となるようにサーモリシンを加えて加水分解反応を行う態様が挙げられる。一般的には、30〜80℃、好ましくは40〜70℃、より好ましくは50〜60℃の反応温度が使用され得る。また一般的には、2〜30時間、好ましくは3〜24時間、より好ましくは10〜20時間、さらに好ましくは12〜18時間の反応時間が使用され得る。反応液のpHとしては、使用するサーモリシンの至適pH付近であることが好ましく、例えば、7.0〜8.5付近であることが好ましい。
反応の停止手段についても、特に制限はなく、公知の手段を用いることができる。かかる手段としては、例えば、加熱処理等が挙げられる。例えば、上記反応物を80〜100℃程度の温度で3〜20分間、好ましくは5〜15分間、加熱処理することにより、反応物中に含まれるサーモリシンを失活させることができる。例えば、かかる加熱処理としては、85℃で15分間の加熱処理や100℃で5分間の加熱処理などが挙げられる。
上記のような加水分解反応により得られるサーモリシン分解物は、必要に応じて、当業者に公知の任意の方法によりさらに処理され得る。例えば、ろ過等の処理により、該加水分解物中の大きな固体粒子を取り除くことが好ましい。ろ過条件等は、特に制限されず、技術常識に従って当業者により適宜選択され得る。例えば、ろ紙が目詰まりを起こしやすい場合等には、ろ過助剤等も好適に用いられ得る。
また、前記加水分解物を減圧濃縮し、次いで凍結乾燥することにより、粉末化することもできる。減圧濃縮および凍結乾燥の際に使用される条件や機器類は、特に制限されず、技術常識に従って当業者により適宜選択され得る。このようにして粉末化された加水分解物は、そのまま又は水などの溶媒に溶かして、用いることができる。
本発明に用いられる加水分解物は、ダイズタンパク質をサーモリシンで分解することにより生じた多種多様なペプチドを実質的に全て含んだ状態であってもよいし、又は、そのような多種多様なペプチドを、公知の方法で、さらに分画・精製して得られる一部分であってもよい。しかし簡便には、ダイズタンパク質をサーモリシンで分解して得られる多種多様なペプチドを実質的に全て含んだ状態でそのまま用いる。
本発明に用いられるダイズタンパク質のサーモリシン分解物の該平均分子量は、本発明の目的を達し得る限り特に制限されないが、好ましくは300〜10000であり、より好ましくは400〜5000であり、さらに好ましくは500〜3500であり、さらにより好ましくは550〜3200である。従って、該平均分子量は、例えば、1000〜2000であり得る。加水分解物の平均分子量は、当業者に公知の任意の方法により測定され得、例えば、下記実施例に記載のゲル浸透クロマトグラフィー(GPC)法により容易に測定され得る。
本発明の組成物に配合するダイズサーモリシン分解物の配合量は、本発明の目的を達し得る限り特に制限されないが、組成物全体に対して、通常は0.01重量%以上、好ましくは0.05重量%以上、より好ましくは0.1重量%以上、さらに好ましくは0.25重量%以上、特に好ましくは0.5重量%以上であり、配合上限は好ましくは20重量%以下、より好ましくは10重量%以下、さらに好ましくは5重量%以下、特に好ましくは2重量%以下とするのがよい。
また、本発明の組成物におけるセラミド類とダイズサーモリシン分解物との重量比は、本発明の目的を達し得る限り特に制限されないが、セラミド類1重量部に対して、ダイズサーモリシン分解物が通常は0.002〜200000重量部、好ましくは0.01〜200重量部、より好ましくは0.025〜20重量部、さらに好ましくは0.05〜2重量部の範囲内とするのがよい。
本発明の組成物には、前述したようなセラミド類及びダイズサーモリシン分解物に加えて、セラミド類又はダイズサーモリシン分解物の作用を増強または補足する目的で、あるいは本願組成物に他の有用な作用を付加するため、美白成分、抗炎症成分、抗菌成分、細胞賦活化成分、収斂成分、ニキビ改善成分、ヒアルロン酸等の生体成分合成促進成分、血行促進成分、保湿成分、老化防止成分等の各種成分を1種または2種以上組み合わせて配合することができる。好ましくは美白成分、抗炎症成分、抗菌成分、細胞賦活化成分、収斂成分、老化防止成分または保湿成分の1種または2種以上の成分である。これらの各成分としては、医薬品、医薬部外品、食品または化粧品分野において使用され得るものであれば特に制限されず、任意のものを適宜選択し使用することができる。
本発明の組成物は、上記各成分に加えて組成物の用途あるいは剤形に応じて、医薬品、医薬部外品、化粧品または食品の分野に通常使用される成分を適宜配合しても良い。配合できる成分としては、特に制限されないが、例えば、アミノ酸類、アルコール類、多価アルコール類、糖類、ガム質・多糖類などの高分子化合物、界面活性剤、可溶化成分、油脂類、経皮吸収促進成分、防腐・抗菌・殺菌剤、pH調整剤、キレート剤、抗酸化剤、酵素成分、結合剤、崩壊剤、滑沢剤、流動化剤、清涼化剤の他、ミネラル類、細胞賦活剤、滋養強壮剤、賦形剤、増粘剤、安定化剤、保存剤、等張化剤、分散剤、吸着剤、崩壊補助剤、湿潤剤または湿潤調節剤、防湿剤、着色料、着香剤または香料、芳香剤、還元剤、可溶化剤、溶解補助剤、発泡剤、粘稠剤または粘稠化剤、溶剤、基剤、乳化剤、可塑剤、緩衝剤、光沢化剤、甘味料、酸味料、食物繊維、果汁粉末、有機酸、調味料、旨味成分、膨張剤、漂白剤、発色剤などをあげることができる。
本発明の組成物は、その用途に応じて、医薬品、医薬部外品、化粧品又は食品に通常使用される剤形をとることができ、通常、固形剤、半固形剤または液剤である。具体的には、錠剤(口腔内速崩壊錠、咀嚼可能錠、発泡錠、トローチ剤、ゼリー状ドロップ剤、コーティング錠、チュアブル錠などを含む)、丸剤、顆粒剤、細粒剤、散剤、硬カプセル剤、軟カプセル剤、ドライシロップ剤、液剤(ドリンク剤、懸濁剤、シロップ剤を含む)、ゲル剤、リポソーム剤、エキス剤、チンキ剤、レモネード剤、軟膏剤、ゼリー剤などの公知の形態をとることができる。また、必要に応じてその他の溶媒や通常使用される基剤等を配合することによって、ペースト状、ムース状、ジェル状、液状、乳液状、クリーム状、シート状(基材担持)、エアゾール状、スプレー状などの各種所望の形態に調製することができる。
本発明の組成物の剤型としては、液状のものであればよりその効果がより顕著に表れることから、液剤(ドリンク剤、懸濁剤、シロップ剤を含む)、ゲル剤、リポソーム剤、エキス剤、チンキ剤、レモネード剤、軟膏剤、ゼリー剤、注射剤であることがより好ましい。また、溶媒や基剤等の配合によって調製される、ペースト状、ムース状、ジェル状、液状、乳液状、クリーム状、シート状(基材担持)、エアゾール状、スプレー状の形態も好ましい。
これらの剤形は当該分野の通常の方法にて製造することができる。
本発明の組成物は、内服用組成物又は外用組成物とすることができる。
内服用組成物としては、内服用医薬品(医薬部外品を含む)の他に、菓子、飲料、健康食品、栄養補助食品(バランス栄養食、サプリメント等を含む)、栄養機能食品、特定保健用食品等の食品が含まれる。食品では、具体的には、牛乳、乳飲料、乳酸菌飲料、果汁入り清涼飲料、炭酸飲料、菜汁飲料、茶飲料、イオン飲料、スポーツ飲料、機能性飲料、ビタミン補給飲料、栄養補給バランス飲料、ゼリー飲料、アルコール飲料、スープ類等の飲料;カスタードプリン、ミルクプリン、果汁入りプリン等のプリン類、ゼリー類、ドレッシング類、クリーム類等のゲル状食品;チューインガム、風船ガム等のガム類(板ガム、糖衣状粒ガム等)、チョコレート類(無垢チョコレート、コーティングチョコレートや、イチゴチョコレート、ブルーベリーチョコレート、メロンチョコレート等の風味を付加したチョコレート等)、ソフトキャンディ(キャラメル、ヌガー、グミキャンディ、マシュマロ等を含む)、タフィ等のキャラメル類、ビスケット類(ハードビスケット、ソフトビスケット、ソフトクッキー、クラッカー、半生ビスケット等)、ケーキ類等の菓子類;アイスクリーム、アイスミルク、ラクトアイス、シャーベット、氷菓等の冷菓類;パン類;麺類;液体(水、牛乳、ジュース等)を加えることにより容易に飲料となる、粉末飲料、ペースト、錠剤等の再形成用食品;粉末、カプセル、錠剤等の形態を有するサプリメント類などとすることができる。
また、外用組成物としては、外用医薬品(医薬部外品を含む)の他に、化粧品が含まれる。化粧品では、具体的には、ファンデーション、口紅、マスカラ、アイシャドウ、アイライナー、眉墨及び美爪料等のメーキャップ化粧料;乳液、クリーム(マッサージクリーム、パッククリームなどを含む)、ローション、美容液、オイル及びパックなどの基礎化粧料;洗顔料やクレンジング、ボディ洗浄料などの洗浄料、入浴剤などとすることができる。
以下に、実施例に基づいて本発明を詳細に説明するが、本発明はこれらの実施例によって限定されるものではない。
実施例1
ダイズタンパク質のサーモリシン分解物の調製
脱脂ダイズ粉末(商品名プロファム974、ADMファーイースト株式会社製)50gを2Lの蒸留水に分散し、0.1N NaOHでpH8.5に調整した。これに500mgのサーモリシン(製品名「サモアーゼPC10F」、大和化成株式会社製)を添加して、60℃で15時間での分解を行った。反応後、100℃で10分間煮沸してサーモリシンを失活させた。放冷後、25gのろ過助剤(ラジオライト500、昭和化学工業株式会社)を添加し、撹拌した後、ろ過を行った。
上述のようにして得られたろ液を、強酸性イオン交換樹脂(商品名「Dowex 50W×2,H+form,50−100mesh」、ダウケミカルカンパニー製)を充填したカラムに通した後、カラムの5倍容の脱イオン水で洗浄し、非ペプチド成分を除去した。2Mのアンモニア溶液を通液し、カラム吸着成分を溶出させて、ペプチド画分を回収した。エバポレーターを用いてアンモニアを除去し、更に濃縮して乾固させた。そこに水を加えて乾固物を溶解した後、遠心分離(10,000rpm、30分間)を行い、不溶物を除去した。その上清を凍結乾燥した結果、ダイズタンパク質のサーモリシン加水分解物として、最終的に約26gのダイズタンパク質サーモリシン分解物が得られた。
このようにして得られた分解物の平均分子量をGPC法により測定した。凍結乾燥後のダイズサーモリシン分解物100mgを、0.1Mリン酸ナトリウム緩衝液(pH7.0)2.0ml中に溶解し、被験溶液とした。Sephadex G25(Mediumタイプ、Amersham Biosciences社製)を充填したカラム(φ2.6×100cm)を、同じ0.1Mリン酸ナトリウム緩衝液(pH7.0)で平衡化した。このカラムに被験溶液を2.0ml負荷して、流速1.0ml/分で溶出した。分子量既知のペプチド標品として、Insulin(ウシ膵臓由来、シグマ社製、分子量5733)、Insulin A chain(ウシ膵臓由来、シグマ社製、分子量2532)、およびBradykinin(シグマ社製、分子量1050)を用いた。214nmでペプチドを検出し、溶出時間から分子量分布および平均分子量を推定した。その結果、上記方法により得られたダイズサーモリシン分解物の平均分子量は、約1500であることが推定された。
実施例2
セラミド類の酸化分解抑制試験
セラミド類の酸化分解抑制試験は、公知の方法(K.Sato, E.Niki and H.Shimasaki: Free radical-mediated chain oxidation of low density lipoprotein and its synergistic inhibition by vitamin E and vitamin C. Archives of Biochemistry and Biophysics, 279, 402-405 (1990).)に従って行った。
具体的には、実施例1で得られたダイズサーモリシン分解物(0.1g、平均分子量1500)とグルコシルセラミド含有物(0.1g、商品名ニップンセラミドRPS、日本製粉(株)製)を15mM tris−HCl緩衝液(pH7.4)に分散させて、全量を10mLに調製した後、別途調製したAAPH (2,2’−アゾビス(2−アミジノプロパン二塩酸塩))の40mM tris−HCl溶液を10mL加えて試験溶液1を得た。
比較のために、試験溶液1と同様にして、ダイズサーモリシン分解物を含有しない試験溶液2、及び、ダイズサーモリシン分解物に代えて、脱脂ダイズ粉末(商品名プロファム974、AMDファーイースト株式会社製)を用いた試験溶液3を調製した。
このようにして得られた試験溶液1〜3をそれぞれ37℃の水浴中で撹拌し、酸化反応を開始した。反応開始時を0時間として、以後2時間毎に0.1mLずつを抜き取り、エタノールで全量4mLに調製した後、234nmにおける吸光度を測定した。
表1に、反応開始時の吸光度と反応開始2、4、6時間後の吸光度との変化(ΔAbs)を示す。
Figure 2009079044
セラミドが酸化もしくは過酸化により分解されると、分解に伴って形成されるジエン結合に由来する吸光度が増加する。
表1に示す通り、セラミドのみを含有する試験溶液2、並びに脱脂ダイズ粉末とセラミドを含有する試験溶液3においては、経時的に吸光度が増加し、セラミドが分解していることが認められた。しかしながら、ダイズサーモリシン分解物とセラミドを含有する試験溶液1においては吸光度の増加は認められず、ダイズサーモリシン分解物がセラミドの酸化もしくは過酸化による分解を抑制し得ることが確認された。
以下に製剤実施例を挙げるが、本発明はこれらの実施例に限られるものではない。
製剤実施例1:乳液
〔成分〕 〔比率〕
セラミド 0.05
ダイズタンパク質のサーモリシン分解物(平均分子量 1500) 0.5
スクワラン 2.0
流動パラフィン 5.0
セタノール 0.5
モノステアリン酸グリセリル 2.0
POE(25)セチルエーテル 2.0
トリエタノールアミン 0.8
グリセリン 4.0
1,3-ブチレングリコール 6.0
防腐剤 適量
香料 適量
精製水 適量
100.0重量%
製剤実施例2:クリーム
〔成分〕 〔比率〕
セラミド 0.05
ダイズタンパク質のサーモリシン分解物(平均分子量 1500) 1.0
ワセリン 1.0
スクワラン 5.0
流動パラフィン 10.0
ステアリン酸 1.5
ステアリルアルコール 2.0
モノステアリン酸グリセリル 2.0
POE(20)セチルエーテル 3.0
トリエタノールアミン 1.0
グリセリン 6.0
1,3−ブチレングリコール 8.0
防腐剤 適量
香料 適量
精製水 適量
100.0重量%
製剤実施例3:化粧水
〔成分〕 〔比率〕
セラミド 0.05
ダイズタンパク質のサーモリシン分解物(平均分子量 1500) 0.1
POE(20)ソルビタンモノイソステアリン酸エステル 0.3
コハク酸 0.2
コハク酸ナトリウム 0.5
エデト酸三ナトリウム 0.05
1,3−ブチレングリコール 6.0
防腐剤 適量
香料 適量
精製水 適量
100.0重量%
製剤実施例4:ソフトカプセル
〔成分〕 〔比率〕
グルコシルセラミド 1.0
ダイズタンパク質のサーモリシン分解物(平均分子量 1500) 7.5
ヒアルロン酸ナトリウム 0.5
メロン抽出物 5.0
ヘマトコッカス藻色素抽出物(アスタキサンチン含有) 1.0
ゼラチン 30.0
グリセリン 15.0
サフラワー油 残量
100.0重量%
製剤実施例5:飲料
〔成分〕 〔比率〕
セラミド含有物(セラミド6%含有) 1.67
ダイズタンパク質のサーモリシン分解物(平均分子量 1500) 2.0
ローヤルゼリー抽出物 1.0
ビタミンB2 0.005
ビタミンB6 0.05
エリスリトール 10.0
酸味料 1.0
甘味料 1.0
香料 0.01
精製水 残量
100.0重量%
製剤実施例6:化粧水
〔成分〕 〔比率〕
ダイズタンパク質のサーモリシン分解物(平均分子量 1500) 1.0
セラミド 0.25
ホエイ・BG混液 1.0
濃グリセリン 7.0
アーティチョークエキス 0.02
サクラ葉抽出物 0.04
防腐剤 適量
香料 適量
精製水 残量
100.0重量%
製剤実施例7:乳液
〔成分〕 〔比率〕
ダイズタンパク質のサーモリシン分解物(平均分子量 1500) 0.5
セラミド 0.05
濃グリセリン 10.0
水溶性コラーゲン 0.05
サクラ葉抽出物 0.01
加水分解コラーゲン 0.1
スクワラン 0.1
中鎖脂肪酸トリグリセリド 2.0
ポリオキシエチレン硬化ヒマシ油60 1.0
モノステアリン酸グリセリン 1.0
トリエタノールアミン 適量
防腐剤 適量
香料 適量
精製水 残量
100.0重量%
製剤実施例8:乳液
〔成分〕 〔比率〕
ダイズタンパク質のサーモリシン分解物(平均分子量 1500) 0.5
セラミド 0.05
ジプロピレングリコール 5.0
流動パラフィン 3.0
中鎖脂肪酸トリグリセリド 2.0
加水分解シルク 0.1
ニコチン酸アミド 0.1
白金ナノコロイド 0.02
アクリル酸・メタクリル酸アルキル共重合体 0.1
モノステアリン酸グリセリン 1.0
ポリオキシエチレン硬化ヒマシ油60 1.0
トリエタノールアミン 適量
防腐剤 適量
香料 適量
精製水 残量
100.0重量%
製剤実施例9:クリーム
〔成分〕 〔比率〕
ダイズタンパク質のサーモリシン分解物(平均分子量 1500) 1.0
セラミド 0.75
ワセリン 7.0
スクワラン 5.0
ホホバ油 0.02
ジオウエキス 0.05
ヨーグルトエキス 0.01
ステアリン酸コレステリル 0.1
アラントイン 0.1
防腐剤 適量
香料 適量
精製水 残量
100.0重量%
製剤実施例10:美容液
〔成分〕 〔比率〕
ダイズタンパク質のサーモリシン分解物(平均分子量 1500) 0.5
セラミド 1.5
濃グリセリン 3.0
1,2−ペンタジオール 1.5
ホエイ・BG混液 0.3
海藻エキス 0.1
メマツヨイグサ抽出液 0.5
防腐剤 適量
香料 適量
精製水 残量
100.0重量%
製剤実施例11:ソフトカプセル
〔成分〕 〔比率〕
ダイズタンパク質のサーモリシン分解物(平均分子量 1500) 5.0
セラミド 1.5
トマトリコピン 2.0
ルテイン 1.0
ゼラチン 30.0
グリセリン 15.0
サフラワー油 残量
100.0重量%
製剤実施例12:飲料
〔成分〕 〔比率〕
ダイズタンパク質のサーモリシン分解物(平均分子量 1500) 2.5
セラミド 1.8
ローヤルゼリー 0.5
ペクチン 0.5
ビタミンC 0.4
酸味料 1.0
甘味料 1.0
香料 0.01
精製水 残量
100.0重量%
製剤実施例13:錠剤
〔成分〕 〔比率〕
ダイズタンパク質のサーモリシン分解物(平均分子量 1500) 5.0
セラミド 1.2
グルタチオン含有酵母 5.0
システインペプチド 3.0
ビタミンC 10.0
ビタミンE 0.3
ステアリン酸カルシウム 1.0
乳糖 30.0
結晶セルロース 残量
100.0重量%
製剤実施例14:コーティング錠
〔成分〕 〔比率〕
ダイズタンパク質のサーモリシン分解物(平均分子量 1500) 0.1
セラミド 5.0
ヒアルロン酸ナトリウム 0.2
コラーゲンペプチド 10.0
リポ酸 1.0
コエンザイムQ10 1.2
ステアリン酸マグネシウム 1.0
シェラック 3.0
結晶セルロース 残量
100.0重量%
製剤実施例15:チュアブル錠
〔成分〕 〔比率〕
ダイズタンパク質のサーモリシン分解物(平均分子量 1500) 1.0
セラミド(米由来) 10.0
ヒアルロン酸 0.5
コラーゲンペプチド 5.0
エラスチン 3.0
クエン酸 0.2
甘味料 0.1
香料 適量
ショ糖脂肪酸エステル 5.0
マルトース 20.0
還元麦芽糖水あめ 残量
100.0重量%
製剤実施例16:顆粒剤
〔成分〕 〔比率〕
ダイズタンパク質のサーモリシン分解物(平均分子量 1500) 3.0
セラミド(こんにゃく由来) 0.5
パントテン酸カルシウム 5.0
ルチン 0.3
ビタミンC 0.1
甘味料 0.1
クエン酸 0.3
香料 適量
乳糖 35.0
結晶セルロース 残量
100.0重量%
製剤実施例17:炭酸飲料
〔成分〕 〔比率〕
ダイズタンパク質のサーモリシン分解物(平均分子量 1500) 0.2
セラミド 1.0
ツバメの巣抽出物 0.2
ローヤルゼリー 0.1
ビオチン 0.0001
ヒアルロン酸 0.1
コラーゲン 1.0
エリスリトール 5.0
甘味料 0.01
クエン酸 0.6
香料 適量
精製水 残量
100.0重量%

Claims (1)

  1. (A)セラミド類から選択される少なくとも一種と、
    (B)ダイズタンパク質のサーモリシン分解物
    とを含有する組成物。
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