JP2009078983A - 2−アルキリデンシクロアルカノンの連続的製造方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】
2−(1−ヒドロキシアルキル)シクロアルカノンを出発原料として、簡便な方法で効率よく2−アルキリデンシクロアルカノンを製造する方法を提供する。
【解決手段】
2−(1−ヒドロキシアルキル)シクロアルカノンを連続的に固体触媒と接触させ、脱水反応させると同時に、発生した水を反応系から除去することを特徴とする2−アルキリデンシクロアルカノンの連続的製造方法。
【選択図】 なし

Description

本発明は、2−(1−ヒドロキシアルキル)シクロアルカノンを出発原料として、固体酸触媒反応により2−アルキリデンシクロアルカノンを効率よく製造する方法に関する。 2−アルキリデンシクロアルカノンは、香料や医農薬の合成中間体として有用な化合物である。
従来、2−アルキリデンシクロアルカノンは、シクロアルカノンと飽和脂肪族アルデヒドとのアルドール縮合反応、及び脱水反応の2工程を経て合成されている。また、脱水反応の際に異性化反応も同時に進行せしめ、2−アルキル−2−シクロアルケノンを直接合成する方法も一般的に採用されている。
例えば、香料であるメチルジヒドロジャスモネートの合成中間体として有用な2−n−ペンチル−2−シクロペンテノンを工業的に製造する場合には、まず第1工程として、原料のシクロペンタノンとバレルアルデヒドをアルドール縮合反応により、アルドール縮合物である2−(1−ヒドロキシ−n−ペンチル)シクロペンタノンを合成する。次に第2工程として、該アルドール縮合物を脱水する反応と、それにより生成する不飽和結合を異性化する反応を同時に行って、目的物を得る方法が採用されている。
前記2−アルキル−2−シクロアルケノンを直接合成する方法においては、各工程はいずれも液相で反応が実施され、それぞれ比較的高い反応収率で目的物を得ることができる。しかしながら、各未反応物の回収や反応生成物の精製をする必要があるため、出発原料基準の目的物の全収率は低いのが実状である。
また、第2工程では、塩酸をはじめとする液状の無機酸を触媒として使用することが一般的である(特許文献1)。しかしながら、酸による反応器材料の腐食の問題から、高級材質の使用やグラスライニング加工が必須となり、設備投資額が増大するという問題がある。また、中和工程を要するため、大量の廃棄物が発生する。
この問題を解決すべく、近年、不揮発性の酸やアンモニウム塩を使用する方法が提案されているが(特許文献2〜4)、大量の溶媒を使用することから、生産効率が低く、溶剤回収のための付帯設備が必要となり、エネルギー原単位の面でも不利となる。
更に上述の方法は、脱水・異性化反応を同時に進行させるという性質上、高い選択率を得ることが困難である。
特開昭56−147740号公報 特開2004−217620号公報 特開2005−126445号公報 特開2004−203844号公報
これは、熱に対する2−アルキリデンシクロアルカノンの安定性が低く、生成した2−アルキリデンシクロアルカノンの一部が分解や多量化を起こすことに起因する。また、脱水反応により生成した水の反応場における残留は逆反応の原因となり、更に2−(1−ヒドロキシアルキル)シクロアルカノンのレトロアルドール反応を誘引する。これは目的生成物の選択性の低下の原因となる。従って、脱水反応と異性化反応を分離し、異性化反応選択率を向上させるために、高効率で2−アルキリデンシクロアルカノンを製造する方法の開発が望まれていた。
本発明は、上記従来技術の問題に鑑みてなされたものであり、2−(1−ヒドロキシアルキル)シクロアルカノンを出発原料として、簡便な方法で効率よく2−アルキリデンシクロアルカノンを製造する方法を提供することを課題とする。
本発明者らは、上記の目的を達成すべく、2−アルキリデンシクロアルカノンを連続的に効率よく製造する方法について鋭意研究を重ねた。その結果、2−(1−ヒドロキシアルキル)シクロアルカノンを連続的に固体触媒と接触させ、脱水反応させると同時に、発生した水を触媒層から除去すると、異性化反応が進行するのを防止して、脱水反応のみを進行させて、目的とする2−アルキリデンシクロアルカノンを高効率且つ高収率で得られることを見出し、本発明を完成するに到った。
かくして本発明によれば、下記(1)〜(4)の2−アルキリデンシクロアルカノンの連続的製造方法が提供される。
(1)2−(1−ヒドロキシアルキル)シクロアルカノンを連続的に固体触媒と接触させ、脱水反応させると同時に、発生した水を反応系から除去することを特徴とする2−アルキリデンシクロアルカノンの連続的製造方法。
(2)前記固体触媒として固体酸触媒を用いる(1)に記載の2−アルキリデンシクロアルカノンの連続的製造方法。
(3)2−(1−ヒドロキシアルキル)シクロアルカノンを、20〜400℃で固体触媒と接触させることを特徴とする(1)または(2)に記載の2−アルキリデンシクロアルカノンの連続的製造方法。
(4)2−(1−ヒドロキシアルキル)シクロアルカノンを、−0.0001〜−0.1MPaGに減圧した状態で固体触媒と接触させることを特徴とする(1)〜(3)のいずれかに記載の2−アルキリデンシクロアルカノンの連続的製造方法。
本発明によれば、2−(1−ヒドロキシアルキル)シクロアルカノンを連続的に固体触媒と接触させて脱水すると同時に、生成した水を反応系から除去するという簡便な方法により、2−アルキリデンシクロアルカノンを効率よく製造することができる。
本発明の製造方法は固体触媒を使用するので、酸による反応器材料の腐食の問題がなく、しかも高級材質の使用やグラスライニング加工が必須ではない。また、中和工程も不要となるため、製造コストの面から有利である。
以下、本発明を詳細に説明する。
本発明の2−アルキリデンシクロアルカノンの連続的製造方法は、2−(1−ヒドロキシアルキル)シクロアルカノンを連続的に固体触媒と接触させ、脱水反応させると同時に、発生した水を反応系から除去することを特徴とする。
本発明の製造方法は、原料として2−(1−ヒドロキシアルキル)シクロアルカノンを用いる。
2−(1−ヒドロキシアルキル)シクロアルカノンは、環状飽和脂肪族ケトンを有する2−(1−ヒドロキシアルキル)シクロアルカノンである。
2−(1−ヒドロキシアルキル)シクロアルカノンのシクロアルカノンとしては、特に限定されないが、通常4〜10員環、好ましくは5〜7員環、より好ましくは5員環の環状飽和脂肪族ケトンである。
前記環状飽和脂肪族ケトンは2位以外の任意の位置に置換基を有していてもよい。
かかる環状飽和脂肪族ケトンの具体例としては、シクロブタノン類;シクロペンタノン、3−メチルシクロペンタノン、3−エチルシクロペンタノン、3−n−プロピルシクロペンタノン、などのシクロペンタノン類;
シクロヘキサノン、3−メチルシクロヘキサノン、4−メチルシクロヘキサノン、3−n−プロピルシクロヘキサノン、4−n−プロピルシクロヘキサノンなどのシクロヘキサノン類;
シクロヘプタノン、3−メチルシクロヘプタノン、4−メチルシクロヘプタノンなどのシクロヘプタノン類;シクロオクタノン、3−メチルシクロオクタノン、4−メチルシクロオクタノン、5−メチルシクロオクタノン、3,4−ジメチルシクロオクタノンなどのシクロオクタノン類;シクロノナノン、3−メチルシクロノナノン、4−メチルシクロノナノン、5−メチルシクロノナノン、3,4−ジメチルシクロノナノン、3,4,5−トリメチルシクロノナノンなどのシクロノナノン類;
シクロデカノン、3−メチルシクロデカノン、4−メチルシクロデカノン、5−メチルシクロデカノン、6−メチルシクロデカノン、3−エチルシクロデカノン、3,4−ジメチルシクロデカノン、4,5−ジメチルシクロデカノン、3,4,5,6−テトラメチルシクロデカノンなどのシクロデカノン類などが挙げられる。
これらのシクロアルカノンの中では、シクロペンタノン、シクロヘキサノン、シクロヘプタノンなどが好ましく、シクロペンタノンが特に好ましい。
2−(1−ヒドロキシアルキル)シクロアルカノン中のヒドロキシアルキル基は特に限定されないが、通常1つの水酸基を有するモノヒドロキシアルキル基である。
また、前記1−ヒドロキシアルキル基のアルキル基の炭素数は、特に限定されないが、通常1〜10、好ましくは2〜8、より好ましくは3〜7、さらに好ましくは4〜6、最も好ましくは5である。
なお、水酸基の置換位置は1位であることが必須である。
1−ヒドロキシアルキル基の具体例としては、ヒドロキシメチル基、1−ヒドロキシエチル基、1−ヒドロキシ−n−プロピル基、1−ヒドロキシ−n−ブチル基、1−ヒドロキシ−n−ペンチル基、1−ヒドロキシ−n−ヘキシル基、1−ヒドロキシ−n−オクチル基、1−ヒドロキシ−n−ノニル基、1−ヒドロキシ−n−デシル基などの1−ヒドロキシアルキル基;
1−ヒドロキシ−2−メチルプロピル基、1−ヒドロキシ−2−メチル−n−ブチル基、1−ヒドロキシ−3−メチル−n−ブチル基、1−ヒドロキシ−2−メチル−n−ペンチル基、1−ヒドロキシ−3−メチル−n−ペンチル基、1−ヒドロキシ−4−メチル−n−ペンチル基、1−ヒドロキシ−2,2−ジメチル−n−ブチル基、1−ヒドロキシ−2,3−ジメチル−n−ブチル基、1−ヒドロキシ−2,2,3−トリメチル−n−ブチル基、1−ヒドロキシ−2−メチル−n−ヘキシル基、1−ヒドロキシ−3−メチル−n−ヘキシル基、1−ヒドロキシ−4−メチル−n−ヘキシル基、1−ヒドロキシ−5−メチル−n−ヘキシル基、1−ヒドロキシ−2−メチル−n−ヘプチル基、1−ヒドロキシ−2−エチル−n−ヘプチル基、1−ヒドロキシ−3−メチル−n−ヘプチル基、1−ヒドロキシ−2−メチル−n−オクチル基、1−ヒドロキシ−3−メチル−n−オクチル基、1−ヒドロキシ−4−メチル−n−オクチル基、1−ヒドロキシ−2−エチル−n−オクチル基、1−ヒドロキシ−3−メチル−n−ノニル基、1−ヒドロキシ−4−メチル−n−ノニル基などの側鎖を有する1−ヒドロキシアルキル基;
1−ヒドロキシ−1−シクロブチルメチル基、1−ヒドロキシ−1−シクロペンチルメチル基、1−ヒドロキシ−1−(2−メチルシクロペンチル)メチル基、1−ヒドロキシ−1−(3−メチルシクロペンチル)メチル基、1−ヒドロキシ−1−シクロヘキシルメチル基、1−ヒドロキシ−1−(2−メチルシクロヘキシル)メチル基、1−ヒドロキシ−1−(3−メチルシクロヘキシル)メチル基、1−ヒドロキシ−1−(2−エチルシクロヘキシル)メチル基、1−ヒドロキシ−1−シクロヘプチルメチル基、1−ヒドロキシ−1−(2−メチルシクロヘプチル)メチル基、1−ヒドロキシ−1−(2−メチルシクロヘプチル)メチル基、1−ヒドロキシ−1−(3−メチルシクロヘプチル)メチル基、1−ヒドロキシ−シクロオクチルメチル基、1−ヒドロキシ−1−(2−メチルシクロオクチル)メチル基、1−ヒドロキシ−1−シクロノニルメチル基などの環状構造を有する1−ヒドロキシアルキル基などが挙げられる。
これらの中では、ヒドロキシメチル基、1−ヒドロキシ−n−プロピル基、1−ヒドロキシ−n−ブチル基、1−ヒドロキシ−n−ペンチル基、1−ヒドロキシ−n−ヘキシル基、1−ヒドロキシ−n−ヘプチル基、1−ヒドロキシ−n−オクチル基、1−ヒドロキシ−2−メチル−n−ブチル基、1−ヒドロキシ−3−メチル−n−ブチル基、1−ヒドロキシ−2−メチル−n−ペンチル基、1−ヒドロキシ−3−メチル−n−ペンチル基、1−ヒドロキシ−4−メチル−n−ペンチル基、1−ヒドロキシ−1−シクロブチルメチル基、1−ヒドロキシ−1−シクロペンチルメチル基、1−ヒドロキシ−1−シクロヘキシル基、1−ヒドロキシ−1−シクロヘプシル基が好ましく、1−ヒドロキシ−n−ブチル基、1−ヒドロキシ−n−ペンチル基、1−ヒドロキシ−n−ヘキシル基、1−ヒドロキシ−1−シクロペンチルメチル基がより好ましく、1−ヒドロキシ−n−ペンチル基が特に好ましい。
2−(1−ヒドロキシアルキル)シクロアルカノンの多くは公知物質であり、公知の方法により製造することができる。
例えば、シクロアルカノンと式:RCHO(Rはアルキル基を表す。)で表されるアルデヒドを、塩基の存在下に反応(アルドール縮合)させることにより得ることができる(文献名:「人名反応に学ぶ有機合成戦略」、ラズロー・カーティ、バーバラ・ザコー著、化学同人、2006年)。
本発明に用いる固体触媒は、2−(1−ヒドロキシアルキル)シクロアルカノンの脱水反応により2−アルキリデンシクロアルカノンを得る反応を触媒するものであれば、特に限定されない。例えば、金属酸化物、金属リン酸塩、結晶性アルミノシリケート、結晶性シリコアルミノホスフェート、ヘテロポリ酸、酸性イオン交換樹脂などの固体酸触媒が挙げられる。これらの中でも、結晶性アルミノシリケート、酸性イオン交換樹脂から選ばれる少なくとも1種が好ましく、酸性イオン交換樹脂がより好ましい。
金属酸化物としては、酸化ケイ素(シリカ)、酸化アルミニウム(アルミナ)、酸化マグネシウム、酸化カルシウム、酸化ジルコニウム、酸化ニオブ、酸化チタン、酸化スズ、三酸化モリブデン、酸化タングステンなどが挙げられる。なかでも、シリカ、アルミナ、酸化ジルコニウム、酸化ニオブが好ましく、これらにリン原子を含有させたものがより好ましい。
金属リン酸塩としては、リン酸ジルコニウム、リン酸ニオブなどが挙げられる。
結晶性アルミノシリケートとしては、モルデナイト、エリオナイト、フェリエライト、X型ゼオライト、Y型ゼオライト、A型ゼオライト、L型ゼオライト、ZSM−4(米国UOP社製。以下同じ)、ZSM−5、ZSM−8、ZSM−11、ZSM−12、ZSM−20、ZSM−35、ZSM−40、ZSM−48などが挙げられる。
これらの結晶性アルミノシリケートは、通常プロトン交換型(H型)が用いられるが、その一部がNa、K、Li等のアルカリ金属、Mg、Ca、Sr等のアルカリ土類元素、Fe、Co、Ni、Ru、Pd、Pt、Zr、Ti等の遷移金属元素から選ばれた少なくとも一種のカチオン種で交換されていてもよい。
結晶性シリコアルミノホスフェートとしては、SAPO−5、SAPO−11、SAPO−31、SAPO−31、SAPO−34、SAPO−36、SAPO−37、SAPO−40、SAPO−41などが挙げられる。
ヘテロポリ酸としては、ヘテロポリ酸やヘテロポリ酸をシリカ、アルミナ、チタニア、ジルコニア、ゼオライト等の無機酸化物に担持、あるいは固定化したものが挙げられる。
ヘテロポリ酸は、モリブデン、タングステン、バナジウム、ニオブ、タンタルの少なくとも一種類の金属原子を含有するものであり、さらに他の元素を縮合配位元素として含んでいてもよい。ヘテロポリ酸の具体例としては、リンモリブデン酸、リンタングステン酸、リンモリブドタングステン酸、リンモリブドバナジン酸、リンモリブドタングストバナジン酸、リンタングストバナジン酸などが挙げられる。
前記した触媒の調製法としては、公知の方法が適用できる。
金属酸化物の調製法としては、共沈法、混練法、含浸法などが挙げられる。また、リン原子を含有する金属酸化物は、金属酸化物にリン酸水溶液を含浸させた後、加熱焼成することにより調製される。
結晶性アルミノシリケートの調製法としては、その代表的な調製法である水熱合成法が挙げられる。また、結晶性アルミノシリケートのカチオンを他のカチオンにイオン交換する方法としては、結晶性アルミノシリケートを他のカチオンを含む水溶液に添加して加熱する方法が挙げられる。
金属リン酸塩の調製法としては、例えば、リン酸ジルコニウムの場合は、塩化ジルコニウム、硝酸ジルコニウム等のジルコニウム化合物の水溶液にリン酸またはリン酸二水素アンモニウム塩等のリン酸塩を添加して加熱し、得られた沈殿を加熱する方法が挙げられる。
酸性イオン交換樹脂は、微細な三次元網目構造の高分子基体に酸性のイオン交換基を有する不溶性で多孔質の合成樹脂からなり、一般的に陽イオン交換樹脂と称されるものである。
また酸性イオン交換樹脂は、酸性イオン交換樹脂の幾何学的構造面からの分類としてゲル型とポーラス型に大別することができるが、本発明においては、ゲル型樹脂およびポーラス型樹脂のいずれも使用することができる。酸性イオン交換樹脂の型には、イオン交換基のプロトン部分がそのままプロトンであるプロトン酸型、前記イオン交換樹脂のプロトンがアルカリ金属イオンに交換されたアルカリ金属塩型があるが、プロトン型の酸性イオン交換樹脂が好ましい。
プロトン型の酸性イオン交換樹脂としては、市販されているものをそのまま使用してもよいし、酸で前処理したものを使用しても良い。酸処理の方法として、例えば希塩酸、希硫酸等の希酸中に酸性イオン交換樹脂を添加し、20℃から100℃で数分から数十時間放置又は撹拌する方法や、カラム中に充填した酸性イオン交換樹脂をカラムの一方の側から溶出する液が酸性となるまで希酸を流通させる方法が挙げられる。前処理したイオン交換樹脂は、蒸留水又は脱イオン水で十分に洗浄して過剰の酸を除去した後に使用するのが好ましい。また、酸性イオン交換樹脂は、通常の再生処理を行なうことにより繰り返して使用することができる。
酸性イオン交換樹脂としては、イオン交換基としてスルホン酸基またはカルボン酸基を有し、イオン交換基が結合する高分子基体として、フェノールとホルムアルデヒドを縮重合させて得られる高分子基体や、スチレンまたはハロゲン化スチレンとジビニルベンゼンとの共重合体基体を有するものが挙げられる。
これらの中でも、入手容易性および取扱い性等の観点から、イオン交換基としてスルホン酸基を有するスルホン酸型強酸性イオン交換樹脂の使用が好ましく、スチレンまたはハロゲン化スチレンとジビニルベンゼンとの共重合体を高分子基体とし、イオン交換基としてスルホン酸基を有するスルホン酸型スチレン系強酸性イオン交換樹脂の使用がより好ましい。
酸性イオン交換樹脂の好ましい具体例としては、三菱化学(株)製のスチレン系強酸性陽イオン交換樹脂ゲル型DIAION SK1B、SK012、SK104、SK106、SK110、SK112、SK116;スチレン系強酸性陽イオン交換樹脂ポーラス型PK208、PK212、PK216、PK220、PK228;スチレン系強酸性陽イオン交換樹脂ハイポーラス型HPK25;耐熱性スチレン系強酸性陽イオン交換樹脂RCP145、ダイヤイオンRCP−160M、RCP−160H、RCP−170H;バイエル社製の強酸性バイエルキャタリストゲル型K1221、K1431、K1481、K1491;強酸性バイエルキャタリストマクロポーラス型K2431、K2621、K2641;ローム・アンド・ハース社製のアンバーライト(XE−284);オルガノ(株)製のアンバーリストCSP−2、A−15;等が挙げられる。
これらの酸性イオン交換樹脂の見かけ密度(g/L−Resin)は、通常500〜1000、好ましくは600〜900である。乾燥前の水含有量は、通常30〜70重量%である。酸性イオン交換樹脂の平均粒径は特に限定されないが、通常0.02mm〜10mm、好ましくは0.5mm〜2mmの範囲である。また、酸性イオン交換樹脂は、通常プロトン型で使用され、通常の再生処理を行なうことにより繰り返して使用することができる。
固体触媒の形状は特に限定されず、粉末、成形品等いずれの形態でも使用が可能である。触媒の成形法は特に限定されず、打錠、圧縮、転動造粒法等の公知の方法を採用できる。粒状成型品の外観形状としては、球状、円盤状、円柱状、円筒状、押し出し成型品などが例示される。
固体触媒の有効平均粒径は特に限定されず、後述する反応器の内径に応じて適宜選択されるが、通常0.001〜100mmであり、好ましくは0.3〜10mmである。有効平均粒径が小さすぎると、連続反応を行う場合に圧力損失が増大し、運転が困難になり、有効平均粒径が大きすぎると、反応器単位容積(空塔基準)当りの幾何表面積の減少により、十分な反応成績を得ることが出来ない。
固体触媒の比表面積は特に限定されないが、通常、1〜600m/g、好ましくは1〜100m/gの範囲から適宜選択される。比表面積が小さすぎると、十分な触媒活性が得られず、比表面積が大きすぎると、触媒活性が高くなりすぎ、副生成物の生成速度が増大し、目的生成物の収率低下の原因となる。
本発明の製造方法において、2−(1−ヒドロキシアルキル)シクロアルカノンを固体触媒と接触させるときの温度は、特に制限されないが、20〜400℃が好ましく、50〜200℃がより好ましい。接触させるときの温度が低すぎると十分な反応成績を得ることが出来ず、接触させるときの温度が高すぎると副生成物の生成速度が増大し、目的性生物の収率低下の原因となると同時に、触媒の劣化が促進されてしまう。
本発明の製造方法において、2−(1−ヒドロキシアルキル)シクロアルカノンを固体触媒と接触させるときの圧力は、特に制限されないが、反応系(触媒層)から生成した水を効率よく除去する上では、減圧下であることが好ましく、−0.0001〜−0.1MPaGがより好ましく、−0.001〜−0.1MPaGがさらに好ましく、−0.01〜−0.1MPaGが特に好ましい。
本発明の製造方法において、2−(1−ヒドロキシアルキル)シクロアルカノンを固体触媒と接触させる時間は、通常、0.05〜100時間、好ましくは0.2〜5時間である。
本発明は2−アルキリデンシクロアルカノンの連続的製造方法である。ここで連続的とは、バッチ反応の対義語としての連続反応を意味する。即ち、反応操作において、原料の供給と反応混合物の抜き出しが、物質収支に関する整合性を維持したまま、間断なく継続的に実施されている状態を言う。
上記の連続反応は気相、液相を問わないが、脱水反応によって生成した水の除去効率の問題から、液相反応が好ましい。
使用する反応器の形状は特に限定されず、攪拌槽式連続反応器、固定床流通式連続反応器等が例示されるが、反応器効率の観点から固定床流通式連続反応器が好ましい。
前記固定床流通式連続反応器の形態は特に限定されず、単管式、多管式いずれの形態でも良い。また、反応器の内径は特に限定されないが、通常、5〜4000mmであり、好ましくは7〜3000mm、より好ましく10〜2500mmである。また、反応器の長さも特に限定されないが、通常、0.1〜15m、好ましくは0.2〜7mである。
このような反応器とともに原料混合物を予め加熱する予熱器や原料混合物を気化させる気化器を使用してもよい。予熱器、気化器および反応器は、必ずしも別個のものである必要はなく、同一の反応器の各部の温度をそれぞれの目的に適した温度としたものであってもよい。
反応器の材質としては、公知の材料が使用でき、例えばステンレススチールなどが適している。このような反応器とともに原料混合物を予め加熱する予熱器や原料混合物を気化させる気化器を使用してもよい。予熱器、気化器および反応器は、必ずしも別個のものである必要はなく、同一の反応器の各部の温度をそれぞれの目的に適した温度としたものであってもよい。
本発明の製造方法は、(i)2−(1−ヒドロキシアルキル)シクロアルカノンを連続的に固体触媒と接触させ、脱水反応させると同時に、(ii)発生した水を反応系から除去することを特徴とする。
(i)の2−(1−ヒドロキシアルキル)シクロアルカノンを連続的に固体触媒と接触させる方法としては、例えば、固体触媒を充填した反応器の中を、2−(1−ヒドロキシアルキル)シクロアルカノンを、一定方向に、かつ一定速度で連続的に流通させる方法が挙げられる。
(ii)の反応系から水を除去する方法としては、水を反応系から除去することができる方法であれば、特に限定されない。例えば、水を気化させて除去する方法が挙げられる。より具体的には、膜分離法による除去、減圧による気化除去等が例示されるが、生産効率の観点から、連続法による減圧気化除去や膜分離法が好ましい。上記したごとく、固体触媒を充填した反応器の中に、2−(1−ヒドロキシアルキル)シクロアルカノンを、一定方向に、かつ一定速度で連続的に流通させる方法を採用する場合においては、固体触媒を充填した反応器中で生成した水を減圧気化法により除去する方法が採用できる。ここで、反応系とは、2−(1−ヒドロキシアルキル)シクロアルカノンの脱水反応が行われる系を意味する。
本発明の製造方法においては、固体酸触媒を充填した反応器中に、2−(1−ヒドロキシアルキル)シクロアルカノンを、一定方向、かつ一定速度で流通させると同時に、反応器中で生成した水を減圧気化法により連続的に除去することが好ましい。
前記反応器として固定床流通式連続反応器を使用する場合、2−(1−ヒドロキシアルキル)シクロアルカノンおよび所望により希釈剤を、空間速度(液体基準原料の1時間当りの総流量を触媒の充填容積(空筒基準)で除した値(以下、「LHSV」という。)を、通常0.001〜100Hr−1、好ましくは0.01〜20Hr−1で、通常20〜400℃、好ましくは50〜200℃に保持された触媒上に導入する。
反応温度がこのような範囲であると、十分な反応成績を得ることが出来、高い目的生成物選択率を得ることができ、しかも触媒の劣化が少ないので好ましい。また、LHSVが大きすぎると十分な反応成績を得ることが出来ず、LHSVが小さすぎると副生成物の生成速度が増大し、目的生成物の収率低下の原因となると同時に、触媒の劣化が促進されるおそれがある。
用いる希釈剤としては、反応に支障をきたさない不活性物質であれば、特に制限はない。また、希釈剤は液体でも気体でもよい。例えば、ベンゼン、トルエン、エチルベンゼン、シクロヘキサン、n−ブタノール、n−ペンタノール、窒素ガス、アルゴンガス、ヘリウムガスなどが挙げられる。これらの希釈剤は単独で用いても、2種以上を併用してもよいが、脱水反応で生成した水の除去効率の問題から、水より高い沸点を持った液体希釈剤が望ましい。不活性溶媒で原料を希釈する場合、その使用量は原料混合物100重量部に対し、通常5〜1000重量部である。
反応を攪拌槽式連続反応器で行う場合の滞留時間は、通常、0.05〜100時間、好ましくは0.2〜5時間である。気相流通法で行う場合には、通常、1〜500秒、好ましくは2〜300秒である。
2−(1−ヒドロキシアルキル)シクロアルカノンを連続的に固体触媒と接触させ、脱水反応させた後においては、目的とする2−アルキリデンシクロアルカノンを反応系から連続的に取り出すことができる。
2−アルキリデンシクロアルカノンを反応系から連続的に取り出す方法としては、例えば、固体酸触媒を充填した反応器中に、2−(1−ヒドロキシアルキル)シクロアルカノンを、一定方向にかつ一定速度で流通させながら、反応器中で生成した水を減圧気化法により連続的に除去すると同時に、生成した2−アルキリデンシクロアルカノンを反応器から連続的に抜き出す方法が挙げられる。
本発明の製造方法は、例えば、図1に示す製造装置を使用して実施することができる。図1中、1は原料である2−(1−ヒドロキシアルキル)シクロアルカノンを保管する原料タンク、2は、原料である2−(1−ヒドロキシアルキル)シクロアルカノンを反応器5に送液する原料供給用ポンプ、3は、2−(1−ヒドロキシアルキル)シクロアルカノンを反応器5に導入する原料導入用ノズル、4は固体触媒を充填した触媒層、5は反応器、6は反応器5から配管9を通して抜き出した反応生成物を冷却する冷却器、7は反応生成物である2−アルキリデンシクロアルカノンを含む反応液を保管する反応液タンクである。また、反応器5は、図中上部において水捕集器8に連結されている。また、水捕集器8は図示を省略する真空系と連結されており、反応器5内を減圧にできるようになっている。
原料である2−(1−ヒドロキシアルキル)シクロアルカノンは、原料タンク1から原料供給用ポンプ2により一定速度で反応器5に送液され、原料導入ノズル3から反応器5内に設置された固体触媒を充填した触媒層内に導入される。このとき、2−(1−ヒドロキシアルキル)シクロアルカノン及び触媒層4は、図示を省略する加熱ヒータにより所定温度(20〜400℃))にそれぞれ加熱されている。また、反応器5内は、−0.0001〜−0.1MPaGに減圧した状態となっている。
触媒層4内においては、2−(1−ヒドロキシアルキル)シクロアルカノンの脱水反応が進行し、2−アルキリデンシクロアルカノン及び水が生成する。生成した水は、反応器5内が−0.0001〜−0.1MPaGに減圧した状態となっているので、容易に蒸発して水蒸気となって水捕集器8に捕集される。
一方、反応生成物である2−アルキリデンシクロアルカノンは、反応器5から連続的に抜き出され、冷却器6で冷却されて、反応液タンク7に保管される。
以上のようにして得られた2−アルキリデンシクロアルカノンは、必要に応じて減圧蒸留等の精製手段を施すことにより高純度品を得ることができる。
本発明により得られる2−アルキリデンシクロアルカノンの環状部は、特に限定されないが、好ましくは4〜10員環、より好ましくは5〜7員環、さらに好ましくは5員環である。
また、得られる2−アルキリデンシクロアルカノンの2位に導入されるアルキリデン基の炭素数は、特に限定されないが、好ましく1〜10、より好ましくは2〜8、さらに好ましくは3〜7、特に好ましくは4〜6、最も好ましくは5である。
また、2−アルキリデンシクロアルカノンは、環状部2位のほかの部位に任意の置換基を有しても有さなくともよい。
本発明の製造方法により得られる2−アルキリデンシクロアルカノンの具体例としては、2−n−ブチリデンシクロペンタノン、2−n−ペンチリデンシクロペンタノン、2−n−ヘキシリデンシクロペンタノン、2−n−ヘプチリデンシクロペンタノン、2−n−ペンチリデン−5−メチルシクロペンタノン、2−n−ブチリデンシクロヘキサノン、2−n−ペンチリデンシクロヘキサノン、2−n−ヘキシリデンシクロヘキサノン、2−n−ヘプチリデンシクロヘキサノンなどが挙げられる。
これらの中でも、2−n−ペンチリデンシクロペンタノンを製造する方法として、本発明が好ましく適用される。2−n−ペンチリデンシクロペンタノンは、香料メチルジヒドロジャスモネートの合成中間体として特に有用である。
以下に比較例および実施例を示し、本発明を具体的に説明するが、本発明はこれらの実施例によってその範囲を限定されるものではない。
なお、以下の実施例において転化率、収率は次のように定義する。また、実施例中のSVとは、触媒充填層を通過する原料ガスの空間速度(1時間当りの総流量を触媒の充填容積(空筒基準)で除した値)である。
(1)転化率(%)=
〔反応した2−(1−ヒドロキシアルキル)シクロアルカノンのモル数〕/〔供給した2−(1−ヒドロキシアルキル)シクロアルカノンのモル数〕×100
(2)収率(%)=
〔生成した2−アルキリデンシクロアルカノンのモル数〕/〔供給した2−(1−ヒドロキシアルキル)シクロアルカノンのモル数〕×100
(3)選択率(%)=
(生成した2−アルキリデンシクロアルカノンのモル数)/〔反応した2−(1−ヒドロキシアルキル)シクロアルカノンのモル数〕×100
(4)反応器効率(kg−PPAN/(m3−反応器・hr))=
〔1時間当りの2−アルキリデンシクロアルカノン生成量(kg/hr)〕/〔反応器容積(m)〕
製造例1 2−(1−ヒドロキシ−n−ペンチル)シクロペンタノンの合成
攪拌機を装備した反応器にシクロペンタノン151.2g(1.8モル)と1.5重量%の水酸化ナトリウム水溶液80gおよびバレルアルデヒド86g(1モル)を加えて室温で3時間攪拌した。反応終了後、塩酸を滴下して中和処理を行った。油水分離して分取した油層をガスクロマトグラフィー(GC)で分析した結果、2−(1−ヒドロキシ−n−ペンチル)シクロペンタノンが90%の収率で生成していた。この粗生成物を減圧蒸留することにより、純度90%の2−(1−ヒドロキシ−n−ペンチル)シクロペンタノンを得た。
実施例1 金属酸化物系触媒を使用した2−n−ペンチリデンシクロペンタノンの合成
硫酸ジルコニア(和光純薬社製、ペレット状物)76mlを、図1に示した反応器に充填し、反応器を150℃に保持した。この触媒充填層に製造例1で得られた2−(1−ヒドロキシ−n−ペンチル)シクロペンタノンを150℃に加熱し、反応器内を−0.09MPaGに減圧した状態で、反応器下部よりLHSV0.9Hr−1で連続的に流通させると同時に、反応器上部より減圧気化法により水を連続的に除去した。反応器の出口から得られた粗生成物をGC分析した結果、転化率は97%、選択率は64%、収率は62%であった。また、このときの反応器効率は474であった。
実施例2 強酸性イオン交換樹脂を使用した2−n−ペンチリデンシクロペンタノンの合成(1)
強酸性イオン交換樹脂(三菱化学社製、RCP160M)76mlを、図1に示した二重管型の反応器に充填し、反応器を85℃に保持した。この触媒充填部に製造例1で得られた2−(1−ヒドロキシ−n−ペンチル)シクロペンタノンを85℃に加熱し、反応器内を−0.05MPaGに減圧した状態で、反応器下部よりLHSV0.8Hr−1で連続的に流通させると同時に、反応器上部より減圧気化法により水を連続的に除去した。反応器の出口から得られた粗生成物をGC分析した結果、転化率は96%、選択率は87%、収率は84%であった。また、このときの反応器効率は571であった。
実施例3 強酸性イオン交換樹脂を使用した2−n−ペンチリデンシクロペンタノンの合成(2)
強酸性イオン交換樹脂(オルガノ社製、CSP−2−HG)76mlを図1に示す反応器に充填し、反応器を95℃に保持した。この触媒充填部に製造例1で得られた2−(1−ヒドロキシ−n−ペンチル)シクロペンタノンを95℃に加熱し、反応器内を−0.06MPaGに減圧した状態で、反応器下部よりLHSV0.8Hr−1で連続的に流通させると同時に、反応器上部より減圧気化法により水を連続的に除去した。反応器の出口から得られた粗生成物をGC分析した結果、転化率は96%、選択率は90%、収率は86%であった。また、このときの反応器効率は584であった。
実施例4 二種の酸性イオン交換樹脂を使用した2−n−ペンチリデンシクロペンタノンの合成
図1に示す反応器2本に、強酸性イオン交換樹脂(オルガノ社製、CSP−2−HG)27mlと、弱酸性イオン交換樹脂(オルガノ社製、IRC−76)57mlをそれぞれ充填し、直列に接続した。強酸性イオン交換樹脂が充填された反応器を95℃に、弱酸性イオン交換樹脂が充填された反応器を110℃に保持した。この触媒充填部に製造例1で得られた2−(1−ヒドロキシ−n−ペンチル)シクロペンタノンを95℃に加熱し、反応器内を−0.03MPaGに減圧した状態で、強酸性イオン交換樹脂が充填された反応器側よりLHSV0.2Hr−1で連続的に流通させると同時に、反応器上部より減圧気化法により水を連続的に除去した。反応器の出口から得られた粗生成物をGC分析した結果、転化率は98%、選択率は92%、収率は90%であった。また、このときの反応器効率は153であった。得られた粗生成物を減圧蒸留したところ、蒸留収率97%で98%の純度の2−n−ペンチリデンシクロペンタノンを得た。
比較例1 バッチ法による2−n−ペンチリデンシクロペンタノンの合成
脱水管を備えた300mlの4つ口フラスコに、製造例1で得られた2−(1−ヒドロキシペンチル)−シクロペンタノン170g(0.99mol)、DIAION RCP160M(三菱化学社製、球状成型品、直径約1mm)8.5gを加え、100℃、26.7kPaになるように加熱し混合した。反応6時間後に、反応終了物を分析したところ、2−ペンチリデンシクロペンタノンが94g含まれていることがわかった。収率は62%であった。また、このときの反応器効率は52であった。
本発明の製造方法を実施するための製造装置の概略図である。
符号の説明
1…原料タンク、2…原料供給用ポンプ、3…原料導入用ノズル、4…触媒層、5…反応器、6…冷却器、7…反応液タンク、8…水捕集器、9…配管

Claims (4)

  1. 2−(1−ヒドロキシアルキル)シクロアルカノンを連続的に固体触媒と接触させ、脱水反応させると同時に、発生した水を反応系から除去することを特徴とする2−アルキリデンシクロアルカノンの連続的製造方法。
  2. 前記固体触媒として固体酸触媒を用いる請求項1記載の2−アルキリデンシクロアルカノンの連続的製造方法。
  3. 2−(1−ヒドロキシアルキル)シクロアルカノンを、20〜400℃で固体触媒と接触させることを特徴とする請求項1または2に記載の2−アルキリデンシクロアルカノンの連続的製造方法。
  4. 2−(1−ヒドロキシアルキル)シクロアルカノンを、−0.0001〜−0.1MPaGに減圧した状態で固体触媒と接触させることを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の2−アルキリデンシクロアルカノンの連続的製造方法。
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