JP5056313B2 - 2−アルキル−2−シクロアルケノンの連続的製造方法 - Google Patents

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Description

本発明は、2−アルキル−2−シクロアルケノンの連続的製造方法に関する。さらに詳しくは、2−アルキリデンシクロアルカノン及びハロゲン化水素を含有するアルコール溶液を、特定の温度及び圧力下で充填塔内を流通させることにより、2−アルキル−2−シクロアルケノンを連続的に製造する方法に関する。2−アルキル−2−シクロアルケノンは、香料や医農薬の合成中間体として有用な化合物である。
従来、2−アルキル−2−シクロペンテノン等の2−アルキル−2−シクロアルケノンの製造法としては、2−アルキリデンシクロペンタノンを遷移金属触媒の存在下に異性化する方法(特許文献1、2)や、ハロゲン化水素又はスルホン酸の存在下、20〜150℃で、2−アルキリデンシクロペンタノンを異性化する方法(特許文献3)等が知られている。
しかし、前者の方法は高価な遷移金属触媒を用いるうえに、触媒を活性化するために用いる水素ガスにより2−アルキルシクロペンタノンが副生し、目的とする2−アルキル−2−シクロペンテノンの収率が低下して高純度のものが得られないという欠点を有する。また後者の方法は、2−アルキリデンシクロペンタノンに対し300重量%以上という多量の溶媒を必要とし、更に収率が62〜79%と低いものであった。
これらの問題を解決すべく、特許文献4には、2−アルキリデンシクロペンタノンをアルコール溶剤の存在下にハロゲン化水素と接触させて2−アルキル−2−シクロペンテノンを製造するに際し、2−アルキリデンシクロペンタノンとアルコールとの混合物中にハロゲン化水素を徐々に添加することを特徴とする2−アルキル−2−シクロペンテノンの製造方法が提案されている。また、特許文献5には、2−アルキリデンシクロペンタノンをアルコール溶媒中にて、150〜190℃でハロゲン化水素と接触させることを特徴とする2−アルキル−2−シクロペンテノンの製造方法が提案されている。
これらの文献に記載された方法によれば、簡便な操作で収率よく目的とする2−アルキル−2−シクロペンテノンを製造することができるとされている。
しかしながら、これらの方法はバッチ式で反応を行うものであり、工業的生産規模で2−アルキル−2−シクロペンテノンを製造する場合には、大きな反応器が必要となり、工業的に有利な方法とはいい難い。
特公昭58−42175号公報 特公昭59−29051号公報 特開昭51−23240号公報 特開昭59−80625号公報 特開2000−327618号公報
本発明は上述した従来技術の実情に鑑みてなされたものであり、2−アルキリデンシクロアルカノンの異性化反応により、2−アルキル−2−シクロアルケノンを高い生産効率で工業的に有利に製造する方法を提供することを課題とする。
本発明者らは上記課題を解決すべく鋭意研究した結果、2−ペンチリデンシクロペンテノンのn−ブタノール溶液に塩化水素(ガス)を添加した混合物を、0.1〜1.0MPaの圧力で、100〜150℃に加温したラシヒリング充填塔内を一定速度で液相流通させると、収率よく目的とする2−ペンチル−2−シクロペンテノンを得ることができることを見出した。そして、この知見を一般化することで本発明を完成させるに至った。
かくして本発明によれば、2−アルキリデンシクロアルカノンの異性化反応により2−アルキル−2−シクロアルケノンを連続的に製造する方法であって、2−アルキリデンシクロアルカノン及びハロゲン化水素を含有するアルコール溶液を、充填塔内を流通させることを特徴とする、2−アルキル−2−シクロアルケノンの連続的製造方法が提供される。
本発明の製造方法においては、前記アルコール溶液を、100〜150℃に加熱した、充填物が充填された充填塔内を流通させることが好ましく、0.1〜1.0MPaGの圧力で、充填物が充填された充填塔内を流通させることが好ましい。
本発明によれば、工業的生産規模での製造に適した流通式の反応形態により、効率よく2−アルキル−2−シクロアルケノンを製造することができる。
以下、本発明を詳細に説明する。
本発明の2−アルキル−2−シクロアルケノンの連続的製造方法は、2−アルキリデンシクロアルカノンの異性化反応により、2−アルキル−2−シクロアルケノンを連続的に製造する方法であって、2−アルキリデンシクロアルカノン及びハロゲン化水素を含有するアルコール溶液を、充填塔内を流通させることを特徴とする。
本発明に用いる2−アルキリデンシクロアルカノンのシクロアルカノンとしては、特に限定されないが、通常4〜10員環、好ましくは5〜7員環、より好ましくは5員環の環状飽和脂肪族ケトンである。
前記環状飽和脂肪族ケトンは、異性化反応を妨げない限り、2位以外の任意の位置に置換基を有していてもよい。
かかる環状飽和脂肪族ケトンの具体例としては、シクロブタノン類;シクロペンタノン、3−メチルシクロペンタノン、3−エチルシクロペンタノン、3−n−プロピルシクロペンタノン等のシクロペンタノン類;
シクロヘキサノン、3−メチルシクロヘキサノン、4−メチルシクロヘキサノン、3−n−プロピルシクロヘキサノン、4−n−プロピルシクロヘキサノン等のシクロヘキサノン類;
シクロヘプタノン、3−メチルシクロヘプタノン、4−メチルシクロヘプタノン等のシクロヘプタノン類;シクロオクタノン、3−メチルシクロオクタノン、4−メチルシクロオクタノン、5−メチルシクロオクタノン、3,4−ジメチルシクロオクタノン等のシクロオクタノン類;シクロノナノン、3−メチルシクロノナノン、4−メチルシクロノナノン、5−メチルシクロノナノン、3,4−ジメチルシクロノナノン、3,4,5−トリメチルシクロノナノン等のシクロノナノン類;
シクロデカノン、3−メチルシクロデカノン、4−メチルシクロデカノン、5−メチルシクロデカノン、6−メチルシクロデカノン、3−エチルシクロデカノン、3,4−ジメチルシクロデカノン、4,5−ジメチルシクロデカノン、3,4,5,6−テトラメチルシクロデカノン等のシクロデカノン類;等が挙げられる。
これらの中でも、シクロペンタノン、シクロヘキサノン、シクロヘプタノンが好ましく、シクロペンタノンが特に好ましい。
2−アルキリデンシクロアルカノン中のアルキリデン基の炭素数は、特に限定されないが、通常1〜10、好ましくは2〜8、より好ましくは3〜7、さらに好ましくは4〜6、最も好ましくは5である。
アルキリデン基の具体例としては、メチレン基、エチリデン基、n−プロピリデン基、n−ブチリデン基、n−ペンチリデン基、n−ヘキシリデン基、n−オクチリデン基、n−ノニリデン基、n−デシリデン基等の直鎖のアルキリデン基;
2−メチル−n−プロピリデン基、2−メチル−n−ブチリデン基、3−メチル−n−ブチリデン基、2−メチル−n−ペンチリデン基、3−メチル−n−ペンチリデン基、4−メチル−n−ペンチリデン基、2,2−ジメチル−n−ブチリデン基、2,3−ジメチル−n−ブチリデン基、2,2,3−トリメチル−n−ブチリデン基、2−メチル−n−ヘキシリデン基、3−メチル−n−ヘキシリデン基、4−メチル−n−ヘキシリデン基、5−メチル−n−ヘキシリデン基、2−メチル−n−ヘプチリデン基、2−エチル−n−ヘプチリデン基、3−メチル−n−ヘプチリデン基、2−メチル−n−オクチリデン基、3−メチル−n−オクチリデン基、4−メチル−n−オクチリデン基、2−エチル−n−オクチリデン基、3−メチル−n−ノニリデン基、4−メチル−n−ノニリデン基等の側鎖を有するアルキリデン基;
シクロブチルメチレン基、シクロペンチルメチレン基、2−メチルシクロペンチルメチレン基、3−メチルシクロペンチルメチレン基、1−シクロヘキシルメチレン基、2−メチルシクロヘキシルメチレン基、3−メチルシクロヘキシルメチレン基、2−エチルシクロヘキシルメチレン基、1−シクロヘプチルメチレン基、2−メチルシクロヘプチルメチレン基、2−メチルシクロヘプチルメチレン基、3−メチルシクロヘプチルメチレン基、シクロオクチルメチレン基、2−メチルシクロオクチルメチレン基、シクロノニルメチレン基等の環状構造を有するアルキリデン基;等が挙げられる。
これらの中でも、メチレン基、エチリデン基、n−プロピリデン基、n−ブチリデン基、n−ペンチリデン基、n−ヘキシリデン基、n−ヘプチリデン基、−n−オクチリデン基、2−メチル−n−ブチリデン基、3−メチル−n−ブチリデン基、2−メチル−n−ペンチリデン基、3−メチル−n−ペンチリデン基、4−メチル−n−ペンチリデン基、シクロブチルメチレン基、シクロペンチルメチレン基、シクロヘキシルメチレン基、シクロヘプシルメチレン基が好ましく、n−ブチリデン基、n−ペンチリデン基、n−ヘキシリデン基、シクロペンチルメチレン基がより好ましく、n−ペンチリデン基が特に好ましい。
2−アルキリデンシクロアルカノンの具体例としては、2−n−ブチリデンシクロペンタノン、2−n−ペンチリデンシクロペンタノン、2−n−ヘキシリデンシクロペンタノン、2−n−ヘプチリデンシクロペンタノン、2−n−ペンチリデン−5−メチルシクロペンタノン、2−n−ブチリデンシクロヘキサノン、2−n−ペンチリデンシクロヘキサノン、2−n−ヘキシリデンシクロヘキサノン、2−n−ヘプチリデンシクロヘキサノン等が挙げられる。これらの中でも、2−n−ペンチリデンシクロペンタノンが特に好ましい。
2−アルキリデンシクロアルカノンは、従来公知の方法により製造・入手することができる。例えば、シクロアルカノンエナミンとアルキルアルデヒドとの反応生成物を塩酸で加水分解することにより容易に得ることができる。
また、このものは、2−(1−ヒドロキシアルキル)シクロアルカノンを連続的に固体触媒と接触させ、脱水反応させると同時に、発生した水を反応系から除去する方法によっても得ることができる。
この方法に用いる2−(1−ヒドロキシアルキル)シクロアルカノンの多くは公知物質であり、公知の方法により製造することができる。
例えば、シクロアルカノンとアルキルアルデヒドを、塩基の存在下に反応(アルドール縮合)させることにより得ることができる(「人名反応に学ぶ有機合成戦略」、ラズロー・カーティ,バーバラ・ザコー著、化学同人、2006年)。
この方法に用いる固体触媒としては、2−(1−ヒドロキシアルキル)シクロアルカノンの脱水反応により2−アルキリデンシクロアルカノンを得る反応を触媒するものであれば、特に限定されない。例えば、金属酸化物、金属リン酸塩、結晶性アルミノシリケート、結晶性シリコアルミノホスフェート、ヘテロポリ酸、酸性イオン交換樹脂等の固体酸触媒が挙げられる。これらの中でも、結晶性アルミノシリケート、酸性イオン交換樹脂から選ばれる少なくとも1種が好ましく、酸性イオン交換樹脂がより好ましい。
金属酸化物としては、酸化ケイ素(シリカ)、酸化アルミニウム(アルミナ)、酸化マグネシウム、酸化カルシウム、酸化ジルコニウム、酸化ニオブ、酸化チタン、酸化スズ、三酸化モリブデン、酸化タングステン等が挙げられる。なかでも、シリカ、アルミナ、酸化ジルコニウム、酸化ニオブが好ましく、これらにリン原子を含有させたものがより好ましい。
金属リン酸塩としては、リン酸ジルコニウム、リン酸ニオブ等が挙げられる。
結晶性アルミノシリケートとしては、モルデナイト、エリオナイト、フェリエライト、X型ゼオライト、Y型ゼオライト、A型ゼオライト、L型ゼオライト、ZSM−4(米国UOP社製。以下同じ)、ZSM−5、ZSM−8、ZSM−11、ZSM−12、ZSM−20、ZSM−35、ZSM−40、ZSM−48等が挙げられる。
これらの結晶性アルミノシリケートは、通常プロトン交換型(H型)が用いられるが、その一部がNa、K、Li等のアルカリ金属、Mg、Ca、Sr等のアルカリ土類元素、Fe、Co、Ni、Ru、Pd、Pt、Zr、Ti等の遷移金属元素から選ばれた少なくとも一種のカチオン種で交換されていてもよい。
結晶性シリコアルミノホスフェートとしては、日揮ユニバーサル社製のSAPO−5、SAPO−11、SAPO−31、SAPO−31、SAPO−34、SAPO−36、SAPO−37、SAPO−40、SAPO−41等が挙げられる。
ヘテロポリ酸としては、ヘテロポリ酸やヘテロポリ酸をシリカ、アルミナ、チタニア、ジルコニア、ゼオライト等の無機酸化物に担持、あるいは固定化したものが挙げられる。
ヘテロポリ酸は、モリブデン、タングステン、バナジウム、ニオブ、タンタルの少なくとも一種類の金属原子を含有するものであり、さらに他の元素を縮合配位元素として含んでいてもよい。ヘテロポリ酸の具体例としては、リンモリブデン酸、リンタングステン酸、リンモリブドタングステン酸、リンモリブドバナジン酸、リンモリブドタングストバナジン酸、リンタングストバナジン酸等が挙げられる。
前記した触媒の調製法としては、公知の方法が適用できる。
金属酸化物の調製法としては、共沈法、混練法、含浸法等が挙げられる。また、リン原子を含有する金属酸化物は、金属酸化物にリン酸水溶液を含浸させた後、加熱焼成することにより調製される。
結晶性アルミノシリケートの調製法としては、その代表的な調製法である水熱合成法が挙げられる。また、結晶性アルミノシリケートのカチオンを他のカチオンにイオン交換する方法としては、結晶性アルミノシリケートを他のカチオンを含む水溶液に添加して加熱する方法が挙げられる。
金属リン酸塩の調製法としては、例えば、リン酸ジルコニウムの場合は、塩化ジルコニウム、硝酸ジルコニウム等のジルコニウム化合物の水溶液にリン酸又はリン酸二水素アンモニウム塩等のリン酸塩を添加して加熱し、得られた沈殿を加熱する方法が挙げられる。
酸性イオン交換樹脂は、微細な三次元網目構造の高分子基体に酸性のイオン交換基を有する不溶性で多孔質の合成樹脂からなり、一般的に陽イオン交換樹脂と称されるものである。
また酸性イオン交換樹脂は、酸性イオン交換樹脂の幾何学的構造面からの分類としてゲル型とポーラス型に大別することができるが、本発明においては、ゲル型樹脂及びポーラス型樹脂のいずれも使用することができる。酸性イオン交換樹脂の型には、イオン交換基のプロトン部分がそのままプロトンであるプロトン酸型、前記イオン交換樹脂のプロトンがアルカリ金属イオンに交換されたアルカリ金属塩型があるが、プロトン型の酸性イオン交換樹脂が好ましい。
プロトン型の酸性イオン交換樹脂としては、市販されているものをそのまま使用してもよいし、酸で前処理したものを使用しても良い。酸処理の方法として、例えば希塩酸、希硫酸等の希酸中に酸性イオン交換樹脂を添加し、20℃から100℃で数分から数十時間放置又は撹拌する方法や、カラム中に充填した酸性イオン交換樹脂をカラムの一方の側から溶出する液が酸性となるまで希酸を流通させる方法が挙げられる。前処理したイオン交換樹脂は、蒸留水又は脱イオン水で十分に洗浄して過剰の酸を除去した後に使用するのが好ましい。また、酸性イオン交換樹脂は、通常の再生処理を行なうことにより繰り返して使用することができる。
酸性イオン交換樹脂としては、イオン交換基としてスルホン酸基又はカルボン酸基を有し、イオン交換基が結合する高分子基体として、フェノールとホルムアルデヒドを縮重合させて得られる高分子基体や、スチレン又はハロゲン化スチレンとジビニルベンゼンとの共重合体基体を有するものが挙げられる。
これらの中でも、入手容易性及び取扱い性等の観点から、イオン交換基としてスルホン酸基を有するスルホン酸型強酸性イオン交換樹脂の使用が好ましく、スチレン又はハロゲン化スチレンとジビニルベンゼンとの共重合体を高分子基体とし、イオン交換基としてスルホン酸基を有するスルホン酸型スチレン系強酸性イオン交換樹脂の使用がより好ましい。
酸性イオン交換樹脂の好ましい具体例としては、三菱化学(株)製のスチレン系強酸性陽イオン交換樹脂ゲル型DIAION SK1B、SK012、SK104、SK106、SK110、SK112、SK116;スチレン系強酸性陽イオン交換樹脂ポーラス型PK208、PK212、PK216、PK220、PK228;スチレン系強酸性陽イオン交換樹脂ハイポーラス型HPK25;耐熱性スチレン系強酸性陽イオン交換樹脂RCP145、ダイヤイオンRCP−160M、RCP−160H、RCP−170H;バイエル社製の強酸性バイエルキャタリストゲル型K1221、K1431、K1481、K1491;強酸性バイエルキャタリストマクロポーラス型K2431、K2621、K2641;ローム・アンド・ハース社製のアンバーライト(XE−284);オルガノ(株)製のアンバーリストCSP−2、A−15;等が挙げられる。
これらの酸性イオン交換樹脂の見かけ密度(g/L−Resin)は、通常500〜1000、好ましくは600〜900である。乾燥前の水含有量は、通常30〜70重量%である。酸性イオン交換樹脂の平均粒径は特に限定されないが、通常0.02mm〜10mm、好ましくは0.5mm〜2mmの範囲である。また、酸性イオン交換樹脂は、通常プロトン型で使用され、通常の再生処理を行なうことにより繰り返して使用することができる。
これらの酸性イオン交換樹脂は上記したように、通常水を含有した状態で販売されているが、反応に使用するときには反応液に置換し、水分がない状態で使用することが好ましい。
固体触媒の形状は特に限定されず、粉末、成形品等いずれの形態でも使用が可能である。触媒の成形法は特に限定されず、打錠、圧縮、転動造粒法等の公知の方法を採用できる。粒状成型品の外観形状としては、球状、円盤状、円柱状、円筒状、押し出し成型品等が例示される。
固体触媒の有効平均粒径は特に限定されず、後述する反応管の内径に応じて適宜選択されるが、通常0.001〜100mmであり、好ましくは0.3〜10mmである。有効平均粒径が小さすぎると、連続反応を行う場合に圧力損失が増大し、運転が困難になり、有効平均粒径が大きすぎると、反応管単位容積(空塔基準)当りの幾何表面積の減少により、十分な反応成績を得ることが出来ない。
固体触媒の比表面積は特に限定されないが、通常、1〜100m/gの範囲から適宜選択される。比表面積が小さすぎると、十分な触媒活性が得られず、比表面積が大きすぎると、触媒活性が高くなりすぎ、副生成物の生成速度が増大し、目的生成物の収率低下の原因となる。
2−(1−ヒドロキシアルキル)シクロアルカノンを固体触媒と接触させるときの温度は、特に制限されないが、20〜400℃が好ましく、50〜200℃がより好ましい。接触させるときの温度が低すぎると十分な反応成績を得ることが出来ず、接触させるときの温度が高すぎると副生成物の生成速度が増大し、目的生成物の収率低下の原因となると同時に、触媒の劣化が促進されてしまう。
2−(1−ヒドロキシアルキル)シクロアルカノンを固体触媒と接触させるときの圧力は、特に制限されないが、反応系(触媒層)から生成した水を効率よく除去する上では、減圧下であることが好ましく、−0.0001〜−0.1MPaGがより好ましく、−0.001〜−0.1MPaGがさらに好ましく、−0.01〜−0.1MPaGが特に好ましい。
2−(1−ヒドロキシアルキル)シクロアルカノンを固体触媒と接触させる時間は、通常、0.05〜100時間、好ましくは0.2〜5時間である。
2−アルキリデンシクロアルカノンを連続反応により製造する場合において、連続反応とは、バッチ反応の対義語としての連続反応を意味する。即ち、反応操作において、原料の供給と反応混合物の抜き出しが、物質収支に関する整合性を維持したまま、間断なく継続的に実施されている状態を言う。
前記連続反応は気相、液相を問わないが、脱水反応によって生成した水の除去効率の問題から、液相反応が好ましい。
使用する反応器の材質としては、公知の材料が使用でき、例えばステンレススチール等が適している。
使用する反応器の形状は特に限定されず、攪拌槽式連続反応器、固定床流通式連続反応器等が例示されるが、反応器効率の観点から固定床流通式連続反応器が好ましい。
前記固定床流通式連続反応器の形態は特に限定されず、単管式、多管式いずれの形態でも良い。また、反応管の内径は特に限定されないが、通常、5〜4000mmであり、好ましくは7〜3000mm、より好ましく10〜2500mmである。また、反応管の長さも特に限定されないが、通常、0.1〜15m、好ましくは0.2〜7mである。
このような反応器とともに原料混合物を予め加熱する予熱器や原料混合物を気化させる気化器を使用してもよい。予熱器、気化器及び反応器は、必ずしも別個のものである必要はなく、同一の反応器の各部の温度をそれぞれの目的に適した温度としたものであってもよい。
反応器の温度制御方法は特に限定されず、熱交換式又は断熱式のいずれを使用することも可能である。またこれらの反応器は1個でも良いし、複数の反応器を直列に連結して使用することもできる。
反応器の材質としては、公知の材料が使用でき、例えばステンレススチール等が適している。このような反応器とともに原料混合物を予め加熱する予熱器や原料混合物を気化させる気化器を使用してもよい。予熱器、気化器及び反応器は、必ずしも別個のものである必要はなく、同一の反応器の各部の温度をそれぞれの目的に適した温度としたものであってもよい。
この製造方法は、(a)2−(1−ヒドロキシアルキル)シクロアルカノンを連続的に固体触媒と接触させ、脱水反応させると同時に、(b)発生した水を反応系から除去するものである。
(a)の2−(1−ヒドロキシアルキル)シクロアルカノンを連続的に固体触媒と接触させる方法としては、例えば、固体触媒を充填した反応管の中を、2−(1−ヒドロキシアルキル)シクロアルカノンを、一定方向に、かつ一定速度で連続的に流通させる方法が挙げられる。
(b)の反応系から水を除去する方法としては、水を反応系から除去することができる方法であれば、特に限定されない。例えば、水を気化させて除去する方法が挙げられる。より具体的には、膜分離法による除去、減圧による気化除去等が例示されるが、生産効率の観点から、連続法による減圧気化除去や膜分離法が好ましい。上記したごとく、固体触媒を充填した反応管の中に、2−(1−ヒドロキシアルキル)シクロアルカノンを、一定方向に、かつ一定速度で連続的に流通させる方法を採用する場合においては、固体触媒を充填した反応管中で生成した水を減圧気化法により除去する方法が採用できる。ここで、反応系とは、2−(1−ヒドロキシアルキル)シクロアルカノンの脱水反応が行われる系を意味する。
固体酸触媒を充填した反応器中に、2−(1−ヒドロキシアルキル)シクロアルカノンを、一定方向、かつ一定速度で流通させると同時に、反応器中で生成した水を減圧気化法により連続的に除去することが好ましい。
前記反応器として固定床流通式連続反応器を使用する場合、2−(1−ヒドロキシアルキル)シクロアルカノン及び所望により希釈剤を、空間速度(液体基準原料の1時間当りの総流量を触媒の充填容積(空筒基準)で除した値(以下、「LHSV」という。)を、通常0.001〜100Hr−1、好ましくは0.01〜20Hr−1で、通常20〜400℃、好ましくは50〜200℃に保持された触媒上に導入する。
反応温度がこのような範囲であると、十分な反応成績を得ることが出来、高い目的生成物選択率を得ることができ、しかも触媒の劣化が少ないので好ましい。また、LHSVが大きすぎると十分な反応成績を得ることが出来ず、LHSVが小さすぎると副生成物の生成速度が増大し、目的生成物の収率低下の原因となると同時に、触媒の劣化が促進されるおそれがある。
用いる希釈剤としては、反応に支障をきたさない不活性物質であれば、特に制限はない。また、希釈剤は液体でも気体でもよい。例えば、ベンゼン、トルエン、エチルベンゼン、シクロヘキサン、n−ブタノール、n−ペンタノール、窒素ガス、アルゴンガス、ヘリウムガス等が挙げられる。これらの希釈剤は単独で用いても、2種以上を併用してもよいが、脱水反応で生成した水の除去効率の問題から、水より高い沸点を持った液体希釈剤が望ましい。不活性溶媒で原料を希釈する場合、その使用量は原料混合物100重量部に対し、通常5〜1000重量部である。
反応を攪拌槽式連続反応器で行う場合の滞留時間は、通常、0.05〜100時間、好ましくは0.2〜5時間である。気相流通法で行う場合には、通常、1〜500秒、好ましくは2〜300秒である。
2−(1−ヒドロキシアルキル)シクロアルカノンを連続的に固体触媒と接触させ、脱水反応させた後においては、目的とする2−アルキリデンシクロアルカノンを反応系から連続的に取り出すことができる。
2−アルキリデンシクロアルカノンを反応系から連続的に取り出す方法としては、例えば、固体酸触媒を充填した反応器中に、2−(1−ヒドロキシアルキル)シクロアルカノンを、一定方向にかつ一定速度で流通させながら、反応器中で生成した水を減圧気化法により連続的に除去すると同時に、生成した2−アルキリデンシクロアルカノンを反応器から連続的に抜き出す方法が挙げられる。
以上のようにして得られた2−アルキリデンシクロアルカノンは、必要に応じて減圧蒸留等の精製手段を施すことにより高純度品とすることができる。
次いで、得られた2−アルキリデンシクロアルカノンとハロゲン化水素を含有するアルコール溶液(以下、「アルコール溶液」ということがある。)を調製し、このものを、充填物が充填された充填塔内を流通させる。
該アルコール溶液の調製に用いるアルコール溶剤としては、特に限定されない。例えば、炭素数1〜20のアルコール類が挙げられる。
アルコール溶剤の具体例としては、メタノール、エチルアルコール、n−プロピルアルコール、イソプロピルアルコール、n−ブチルアルコール、イソブチルアルコール、sec−ブチルアルコール、t−ブチルアルコール、n−ペンチルアルコール、アミルアルコール、n−ヘキシルアルコール等の鎖状構造を有するアルコール類;
シクロペンチルアルコール、シクロヘキシルアルコール等の環状構造を有するアルコール類;
エチレングリコール、プロピレングリコール等のグリコール類;等が挙げられる。
これらの中でも、n−ブチルアルコール、n−ペンチルアルコールが好ましい。
アルコール溶剤の使用量は、適宜選択されるが、2−アルキリデンシクロアルカノン1重量部に対して、通常0.5重量部以上、好ましくは1〜100重量部、より好ましくは2〜10重量部である。
用いるハロゲン化水素としては、例えば、塩化水素、臭化水素、フッ化水素、ヨウ化水素等が挙げられる。これらの中でも、塩化水素又は臭化水素が好ましく、塩化水素(ガス)が特に好ましい。これらのハロゲン化水素は、ガス又は溶液状として用いられる。
ハロゲン化水素の使用量は、2−アルキリデンシクロアルカノン1モルに対し、通常1〜50倍モル、好ましくは2〜10倍モルである。
2−アルキリデンシクロアルカノン及びハロゲン化水素のアルコール溶液としては、(i)2−アルキリデンシクロアルカノンのアルコール溶液に所定量のハロゲン化水素を添加して得られたアルコール溶液、(ii)2−アルキリデンシクロアルカノンのアルコール溶液に、所定量のハロゲン化水素のアルコール溶液を添加して得られたアルコール溶液、等が挙げられる。
また、アルコール溶液は、2−アルキリデンシクロアルカノン及びハロゲン化水素以外に、適当な希釈剤を含有していてもよい。しかしながら、副反応を抑制し、目的物の収率を向上させる観点から、アルコール溶液は水分を含有しないことが好ましい。
用いる希釈剤としては、反応に支障をきたさない不活性物質であれば特に制限はない。また、希釈剤は液体でも気体でもよい。例えば、ベンゼン、トルエン、エチルベンゼン、シクロヘキサン、窒素ガス、アルゴンガス、ヘリウムガス等が挙げられる。これらの希釈剤は単独で用いても、2種以上を併用してもよい。希釈剤の使用量は、2−アルキリデンシクロアルカノン100重量部に対し、通常0〜1000重量部である。
本発明に用いる充填塔は、パッキングサポート上に、規則的又は不規則的に充填物を塔内に詰め込んだものである。このような充填塔の大きさ等には、特に制限はなく、反応規模に応じて適宜な大きさのものを選択することができる。
また用いる充填塔は、後述する充填物のほか、液分散板、フラッシュ・フィード液分散板、1次液分散板、コレクター、蒸気分散板、パッキング・サポート、充填層抑板等の内装物が内装されていてもよい。
充填塔に充填する充填物の形状や名称としては特に規定はなく、いかなる形状のものでも好ましく使用することができる。
このような充填物の具体例としては、
(α)公知のラシヒリング、レッシングリング、ポールリング、フレキシリング、カスケード・ミニ・リング、ラシヒスーパーリング、インターロックス・メタルタワー・パッキング及びインタロックスサドルものからなる群から選ばれる1種以上;
(β)化学工学便覧(化学工学会編)、第6版604頁、図11・13に記載の充填物;(γ)メラパック、ジェムパック、テクノパック、モンツパック、インタロックスハイパフォーマンスストラクチャードパッキング、フレキシパック等の、化学工業便覧(化学工学協会編)、第6版567頁に記載されている金属板型規則充填物;等が挙げられる。
また用いる充填物は、使用する充填塔のサイズ、供給原料の種類や供給量、温度条件、圧力条件、理論段数、圧力損失、最低液流量、その他の要素によって、使用する径、形状、材質等を適宜選択することができる。
2−アルキリデンシクロアルカノン及びハロゲン化水素のアルコール溶液を充填塔内に流通させるときの温度は、特に限定されないが、より収率よく目的物を得る上では、100〜150℃であることが好ましい。前記アルコール溶液を100〜150℃で流通させる方法としては、アルコール溶液を流通させるに際し、充填塔内部を100〜150℃に加熱しておく方法が挙げられる。
充填塔内部を100〜150℃に加熱しておく方法としては、例えば、充填塔内部に温度制御が可能なヒータを設置しておき、該ヒータにより充填塔内部の温度を所定温度としておく方法が挙げられる。
アルコール溶液を充填塔内に流通させるときの圧力は、特に限定されないが、より収率よく目的物を得る上では、0.1〜1.0MPaGの圧力であることが好ましい。
アルコール溶液を0.1〜1.0MPaGの圧力で、充填塔内に流通させる方法としては、例えば、充填塔内部を密閉系とし、該充填塔に圧力調整弁を取り付け、該圧力調整弁により充填塔内部の圧力を任意の値に調節する方法が挙げられる。
本発明の製造方法においては、2−アルキリデンシクロアルカノンの異性化反応は気体状態で実施することもできるが、より収率よく目的物を得る上では、液体状態で行うことが好ましい。すなわち、アルコール溶液を充填塔内に液体状態で流通(液相流通)させることが好ましい。
本発明の製造方法は、充填物を充填した充填塔内に、アルコール溶液を、一定方向、かつ一定速度で流通させると同時に、充填塔内から2−アルキル−2−シクロアルケノンを含む反応生成物を連続的に抜き出すことにより実施することができる。
アルコール溶液を充填塔内に流通させるときの速度は、特に限定されないが、空間速度(液体基準原料の1時間当りの総流量を触媒の充填容積(空筒基準)で除した値(以下、「LHSV」という。)で、通常0.001〜100Hr−1、好ましくは0.01〜20Hr−1である。
前記速度がこのような範囲であると、十分な反応成績を得ることが出来、高い目的生成物選択率を得ることができるので好ましい。また、LHSVが大きすぎると十分な反応成績を得ることが出来ず、LHSVが小さすぎると副生成物の生成速度が増大し、目的生成物の収率低下の原因となるおそれがある。
アルコール溶液の充填塔内における滞留時間は、通常、0.05〜100時間、好ましくは0.2〜5時間である。
本発明においては、アルコール溶液を充填塔の導入口(入り口)から充填塔内に導入すると同時に、他の一方側の取出口(出口)から、2−アルキル−2−シクロアルケノンを含む反応液を連続的に取り出すことができる。次いで、取り出した反応液から、ハロゲン化水素および溶媒を留去し、残留物を減圧蒸留することにより、目的とする2−アルキル−2−シクロアルケノンを単離することができる。
本発明の別の好ましい態様としては、下記に示す工程(1)及び工程(2)を連続的に行うことにより、2−(1−ヒドロキシアルキル)シクロアルカノンから、一挙に、2−アルキル−2−シクロアルケノンを連続的に製造する方法が挙げられる。
工程(1):2−(1−ヒドロキシアルキル)シクロアルカノンを連続的に固体触媒と接触させ、脱水反応させると同時に、発生した水を反応系から除去することにより2−アルキリデンシクロアルカノンを連続的に製造する工程。
工程(2):得られた2−アルキリデンシクロアルカノンとハロゲン化水素を含有するアルコール溶液を調製し、このものを充填物が充填された充填塔内を流通させることにより、2−アルキリデンシクロアルカノンの異性化反応を行い、2−アルキル−2−シクロペンテノンを製造する工程。
この方法は、後述するように、図1に示す製造装置を使用して実施することができる。
目的物の収率や純度などは、ガスクロマトグラフィー、NMRスペクトルなどの公知の分析手段により求めることができる。
以下に実施例および比較例を示し、本発明を具体的に説明するが、本発明はこれらの実施例によってその範囲を限定されるものではない。
なお、以下の実施例において転化率、収率は次のように定義する。また、実施例中のSVとは、触媒充填層を通過する原料の空間速度(1時間当りの総流量を触媒の充填容積(空筒基準)で除した値)である。
(1)転化率(%)=〔反応した原料のモル数〕/〔供給した原料のモル数〕×100
(2)収率(%)=〔生成した目的物のモル数〕/〔供給した原料のモル数〕×100
(3)選択率(%)=(生成した目的物のモル数)/〔反応した原料のモル数〕×100
(4)反応器効率(kg−PPAN/(m3−反応器・hr))=
〔1時間当りの目的物生成量(kg/hr)〕/〔反応器容積(m)〕
(実施例1)
2−ペンチリデン−2−シクロペンタノン(100g)及び塩化水素ガス(1.8g)ガスをn−ブタノール(220g)に溶かし込んだ。この溶液を、130℃に加温したラシヒリング充填塔(1インチφ×15cm)に、0.5MPaGの圧力を維持したまま、2ml/分で流通させた。流出液を、ガスクロマトグラフィーを用いた内部標準法による定量分析したところ、2−ペンチル−2−シクロペンテノンが収率86.4%で生成していた。
(実施例2)
塩化水素ガス(1.8g)の代わりに、37重量%濃塩酸5mlを用いた以外は、実施例1と同様に反応を行った。流出液を、ガスクロマトグラフィーを用いた内部標準法による定量分析したところ、2−ペンチル−2−シクロペンテノンが収率67.9%で生成していた。
(製造例1) 2−(1−ヒドロキシ−n−ペンチル)シクロペンタノンの合成
攪拌機を装備した反応器にシクロペンタノン151.2g(1.8モル)と1.5重量%の水酸化ナトリウム水溶液80gおよびバレルアルデヒド86g(1モル)を加えて室温で3時間攪拌した。反応終了後、塩酸を滴下して中和処理を行った。油水分離して分取した油層をガスクロマトグラフィー(GC)で分析した結果、2−(1−ヒドロキシ−n−ペンチル)シクロペンタノンが90%の収率で生成していた。この粗生成物を減圧蒸留することにより、純度90%の2−(1−ヒドロキシ−n−ペンチル)シクロペンタノンを得た。
(実施例3)
製造例1で得られた2−(1−ヒドロキシ−n−ペンチル)シクロペンタノンから、以下に示すように、図1に示す製造装置を用いて、2−n−ペンチリデンシクロペンタノンを経て2−ペンチル−2−シクロペンテノンを連続的に合成した。
図1中、1は原料である2−(1−ヒドロキシ−n−ペンチル)シクロペンタノンを保管する原料タンク、2は固体触媒を充填した反応器、3は水捕集器であり、図示を省略する真空系と連結されており、反応器2内を減圧にできるようになっている。また、4は油水分離器であり、得られた2−n−ペンチリデンシクロペンタノンに残存する水を分離できるようになっている。5はブタノールタンク、6は塩化水素タンク、7はラシヒリング充填塔(1インチφ×15cm)、8は反応生成物捕集タンク、9は背圧弁をそれぞれ示す。
工程(1)
先ず、製造例1で得た2−(1−ヒドロキシ−n−ペンチル)シクロペンタノンを原料として、2−n−ペンチリデンシクロペンタノンを合成した。
図1に示す反応器2に、強酸性イオン交換樹脂(オルガノ社製、CSP−2−HG)76mlを充填し、反応器2を95℃に保持した。一方、原料タンク1に、製造例1で得られた2−(1−ヒドロキシ−n−ペンチル)シクロペンタノンを保管し、95℃に加熱した。反応器内を−0.06MPaGに減圧した状態で、反応器2下部から2−(1−ヒドロキシ−n−ペンチル)シクロペンタノンをLHSV0.8Hr−1で連続的に流通させた。反応器2上部より、生成した水を減圧気化法により連続的に水捕集器3に捕集除去した。
一方、反応生成物である2−n−ペンチリデンシクロペンタノンを、反応器2から連続的に油水分離器4に抜き出し、残存する水を除去した2−n−ペンチリデンシクロペンタノンを後述する次工程のラシヒリング充填塔に供給した。
なお、反応器2の出口から得られた粗生成物をGC分析した結果、転化率は96%、選択率は90%、収率は86%であった。また、このときの反応器効率は584であった。
工程(2)
次に、工程(1)で得た2−n−ペンチリデンシクロペンタノンを異性化して、目的とする2−ペンチル−2−シクロペンテノンを連続的に合成した。
2−ペンチリデンシクロペンタノン(100g)を油水分離器4から、n−ブタノール(220g)をタンク5から、塩化水素ガス(1.8g)をタンク6からそれぞれ供給し、2−ペンチリデンシクロペンタノン及び塩化水素のn−ブタノール溶液を調製し、この溶液を、背圧弁9により0.5MPaGの圧力を維持したまま、130℃に加温したラシヒリング充填塔7内を2ml/分で流通させた。得られた反応生成物2−ペンチル−2−シクロペンテノンを、反応生成物捕集タンク8に連続的に抜き出した。
ガスクロマトグラフィーを用いた内部標準法による定量分析したところ、2−(1−ヒドロキシ−n−ペンチル)シクロペンタノンからの収率は74.3%であった。
2−(1−ヒドロキシ−n−ペンチル)シクロペンタノンから2−n−ペンチリデンシクロペンタノンを経て、2−ペンチル−2−シクロペンテノンを連続的に製造する製造装置の概念図である。
符号の説明
1…原料タンク
2…反応器
3…水捕集器
4…油水分離器
5…ブタノールタンク
6…塩化水素タンク
7…ラシヒリング充填塔
8…反応生成物捕集タンク
9…背圧弁

Claims (2)

  1. 2−アルキリデンシクロアルカノンの異性化反応により2−アルキル−2−シクロアルケノンを連続的に製造する方法であって、2−アルキリデンシクロアルカノン及びハロゲン化水素を含有するアルコール溶液を、100〜150℃に加熱された、充填物が充填された充填塔内を、0.1〜1.0MPaGの圧力、空間速度0.001〜100Hr −1 流通させることを特徴とする2−アルキル−2−シクロアルケノンの連続的製造方法。
  2. 2−(1−ヒドロキシアルキル)シクロアルカノンを、固体触媒を充填した固定式流通式連続反応器中を流通させることにより、2−アルキリデンシクロアルカノンを連続的に製造する工程(1)、及び、
    工程(1)で得られた2−アルキリデンシクロアルカノンとハロゲン化水素とを含有するアルコール溶液を、100〜150℃に加熱された、充填物が充填された充填塔内を、0.1〜1.0MPaGの圧力、空間速度0.001〜100Hr −1 で流通させて、2−アルキリデンシクロアルカノンの異性化反応を行う工程(2)
    を有することを特徴とする2−アルキル−2−シクロアルケノンの連続的製造方法。
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