JP2009076533A - 半導体製造装置の電熱線の劣化判定方法及び半導体製造装置 - Google Patents

半導体製造装置の電熱線の劣化判定方法及び半導体製造装置 Download PDF

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JP2009076533A JP2007241912A JP2007241912A JP2009076533A JP 2009076533 A JP2009076533 A JP 2009076533A JP 2007241912 A JP2007241912 A JP 2007241912A JP 2007241912 A JP2007241912 A JP 2007241912A JP 2009076533 A JP2009076533 A JP 2009076533A
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Abstract

【課題】簡単な構成でヒータの交換時期を判定して、ヒータの不具合による被処理基板の
不良を防止することができる半導体製造装置の電熱線の劣化判定方法及び半導体製造装置
を提供する。
【解決手段】縦型拡散炉は、筐体の内部には筒状ヒータ11を有している。筒状ヒータ1
1の各ブロック20A〜20Dには、それぞれ電熱線24A〜24D及び温度センサ26
A〜26Dが備えられている。例えば、Uブロック20Dが所定温度から目標温度に昇温
されたとき、所定温度と目標温度との温度差と、所定温度から目標温度への変化に要した
第1経過時間とから単位時間当たりの第1温度変化量を算出する。そして、第1温度変化
量が、交換が必要な程度に劣化した上部電熱線24DによりUブロック20Dが所定温度
から目標温度に昇温された場合の単位時間当たりの劣化温度変化量よりも小さい場合には
、上部電熱線24Dが劣化していると判定する。
【選択図】図2

Description

本発明は、半導体製造装置の電熱線の劣化判定方法及び半導体製造装置に関するもので
ある。
従来から、半導体素子を含む集積回路を形成する半導体ウエハ等(被処理基板)の製造
工程に使用される半導体製造装置の一つとして熱処理装置がある。熱処理装置は、その内
部の処理室に格納した被処理基板を所定の高温にすることによって、該被処理基板に所定
の処理を施す装置である。被処理基板が熱処理装置にて施される処理としては、アニール
処理、薄膜などの成膜処理、及び不純物の拡散を行なう拡散処理等があげられる。
熱処理装置は、処理室周囲に配置されたヒータ(電熱線)を発熱させて、被処理基板が
格納された処理室の温度を目的の高温まで昇温させる。ところで、電熱線は、使用してい
ると使用に伴う経年変化などによる劣化を生じる。そして、劣化した電熱線は、発熱量の
低下や断線などの不具合を生じ、これらの不具合によって処理室の温度を好適に目的の高
温にすることができなくなる。電熱線の不具合、特に断線が被処理基板を処理中に生じる
と処理室内部の温度を高温にすることができなくなり、処理中の被処理基板を不良にする
虞が大きかった。
そこで、ヒータ(電熱線)の断線により被処理基板に不良が生じることを防止するため
に、ヒータ(電熱線)の断線を好適に予知して必要に応じてヒータ交換ができる方法が提
案されている(特許文献1)。
特許文献1は、交流電源からヒータに電力を供給する電力調整用サイリスタ回路を、電
力フィードバック部が、制御するようになっている。詳述すると、電力フィードバック部
は、測定したヒータに供給された電流及び電圧と、温度制御部から入力されるヒータの測
定温度に対応した温度制御信号とに基づいて、電力調整用サイリスタ回路を介してヒータ
に供給する電力をフィードバック制御している。また、温度制御部は、断線予知機能を備
えている。断線予知機能は、測定温度及び抵抗温度係数から論理的なヒータ抵抗値を求め
、電力フィードバック部から送られる測定電流及び測定電圧から実際のヒータ抵抗値を求
め、求められた論理的なヒータ抵抗値に対する実際のヒータ抵抗値の変化率に基づいてヒ
ータの断線の虞を判定するものであった。
特開2006−85907号公報
しかしながら、特許文献1は、ヒータの断線の虞を判断するために、電流、電圧及び温
度を測定しなければならないとともに、抵抗温度係数といった電熱線固有の情報を必要と
し、ヒータの断線の虞を判定するシステム構成を複雑にしていた。
本発明は、上記問題点を解消するためになされたものであって、その目的は、簡単な構
成でヒータの交換時期を判定して、ヒータの不具合による被処理基板の不良を防止するこ
とができる半導体製造装置の電熱線の劣化判定方法及び半導体製造装置を提供することに
ある。
本発明の半導体製造装置の電熱線の劣化判定方法は、電熱線を備えたヒータを有する半
導体製造装置の電熱線の劣化判定方法であって、前記電熱線の熱により前記ヒータ内部の
温度を所定温度から変更された目標温度に追従させるときに、前記所定温度から前記目標
温度への変化に要した経過時間に基づいて算出される算出値を、予め求めた前記電熱線の
劣化を示す値である劣化値と比較して、前記算出値と前記劣化値の比較に基づいて前記電
熱線が劣化していることを判定することを特徴とする。
本発明の半導体製造装置の電熱線の劣化判定方法によれば、算出値と劣化値の比較に基
づいて電熱線の劣化を判定できる。従って、劣化の判断が容易でなかった電熱線に対して
、その劣化を、電熱線に劣化による不具合が生じる以前に知ることができる。その結果、
電熱線に生じた劣化による不具合によって、被処理基板に不良が生じることを防ぐことが
できる。
また、劣化値として、交換が必要なほどに劣化した電熱線を示す値を用いれば、劣化し
た電熱線の交換時期を知ることができる。
この半導体製造装置の電熱線の劣化判定方法は、前記算出値は、前記目標温度と前記所
定温度とから温度差を求め、該温度差を前記経過時間にて除して求められた単位時間当た
りの温度変化量であり、前記劣化値は、劣化した前記電熱線が前記ヒータ内部の温度を前
記所定温度から前記目標温度に変化させる場合の前記ヒータ内部の温度の単位時間当たり
の温度変化量であり、前記算出値と前記劣化値とを比較して、前記算出値が前記劣化値よ
り小さい場合には前記電熱線が劣化していると判定することが好適である。
この半導体製造装置の電熱線の劣化判定方法によれば、算出値を、ヒータ内部の温度を
所定温度から目標温度に変化させた場合の温度変化を平準化した値として得られる温度変
化量とする。この算出値と劣化を示す劣化値との比較によって、電熱線の劣化を好適に判
定することができる。
また、算出値を温度変化量としたことで、任意の目標温度と任意の所定温度との温度差
から算出値を算出することができる。
この半導体製造装置の電熱線の劣化判定方法は、前記算出値は、前記経過時間の時間で
あり、前記劣化値は、劣化した前記電熱線が前記ヒータの内部の温度を前記所定温度から
前記目標温度へ変化させるのに要する時間であり、前記算出値と前記劣化値とを比較して
、前記算出値が前記劣化値より大きい場合には前記電熱線が劣化していると判定すること
も好ましい。
この半導体製造装置の電熱線の劣化判定方法によれば、算出値を、ヒータ内部の温度を
所定温度から目標温度に変化させた場合の経過時間とする。この算出値と劣化を示す劣化
値との比較によって、電熱線の劣化を安定的に判定することができる。
また、算出値を経過時間としたことで、算出値の算出を容易にすることができる。
この半導体製造装置の電熱線の劣化判定方法は、前記目標温度が前記所定温度よりも高
い温度に変更されたときに、前記電熱線の劣化を判定することがより好ましい。
この半導体製造装置の電熱線劣化判定方法によれば、電熱線の発熱量の違いによる影響
を受け易いヒータ内部の昇温時に電熱線の劣化の判定をする。その結果、より好適に電熱
線に生じた劣化を判定することができる。
本発明の半導体製造装置の電熱線の劣化判定方法は、前記電熱線の熱により前記ヒータ
の内部の温度を降温させて目標温度に追従させるときに、前記目標温度を通過して一時的
に到達する最も低いズレ温度と、予め求めた劣化した前記電熱線にて前記ヒータの内部の
温度を降温させた時に該目標温度を通過して一時的に到達する最も低い劣化温度とを比較
して、前記ズレ温度が前記劣化温度より低い温度の場合には前記電熱線が劣化していると
判定することを特徴とする。
本発明の半導体製造装置の電熱線劣化判定方法によれば、温度を降温させる場合におい
ても、ズレ温度と劣化温度の比較により、電熱線の劣化の判定を行うことができる。
本発明の半導体製造装置は、ヒータに備えられた断熱筒と、前記断熱筒の内側面に沿っ
て螺旋状に配設された電熱線と、前記電熱線の内側に設けられ、内部に配置される被処理
基板を外気と隔離することができる内管と、前記電熱線の劣化を判定するために前記断熱
筒の内部の温度を測定する温度センサと、前記ヒータ内部の温度を所定温度から目標温度
へ変化させたときに、前記温度センサにより測定した前記所定温度から該温度センサによ
り測定した前記目標温度への変化に要した経過時間に基づいて算出される算出値を、予め
求めた前記電熱線の劣化を示す劣化値と比較して、該算出値と該劣化値の比較に基づいて
前記電熱線が劣化していることを判定する劣化判定手段と、を備えることを特徴とする。
本発明の半導体製造装置によれば、算出値と劣化値の比較に基づいて電熱線の劣化を判
定できる。従って、断熱筒と内管の間に配設されて、通常は容易に劣化の判断をすること
ができない電熱線に対して、電熱線に劣化による不具合が生じる以前に劣化による交換の
時期を知ることができる。その結果、電熱線に生じた劣化による不具合によって、被処理
基板に不良が生じることを防ぐことができる。
また、算出値を温度変化量としたことで、任意の目標温度と任意の所定温度との温度差
から算出値を算出することができる。
以下、本発明を具体化した実施形態を図1〜図6に従って説明する。
図1は、半導体製造装置としての縦型拡散炉1の断面構造を示す断面図である。
図1に示すように、縦型拡散炉1は、被処理基板を熱処理する装置であり、筐体10を
有している。筐体10の内部には、筒状ヒータ11と、その筒状ヒータ11の内部に設け
た筒状ヒータ11と同心円筒形状の内管12を有している。そして、内管12の内部には
、複数の被処理基板(ワーク)Wを搭載したボート13が配置されるようになっている。
筐体10は、保守などに用いられる図示しない扉を有していて、その扉を開けると筐体
10内部に配設されている筒状ヒータ11の外側面11A等を筐体10の外側から見るこ
とができるようになっている。
筐体10の内側面には、ヒータ支持部10Aが延出形成され、そのヒータ支持部10A
の中心位置には、内管12の外径と略同じ大きさの穴10Bが貫通形成されている。そし
て、ヒータ支持部10Aは、筐体10の天板10Cとの間において、筒状ヒータ11など
を配設可能に設けられていて、ヒータ支持部10Aの上面は、略水平に構成されている。
ヒータ支持部10Aの上面には、筒状ヒータ11の底面と略同じ大きさの環状のヒータ
基台14が固設されている。ヒータ基台14の上面には、筒状ヒータ11の底面が支持固
定されている。また、筒状ヒータ11の上面には、筒状ヒータ11の上面開口部を覆う断
熱材14Aが固定されている。
前記ヒータ支持部10Aに貫通形成された穴10Bの内周面には、環状の炉口フランジ
15が嵌合固着されている。
炉口フランジ15の上部は、ヒータ支持部10Aの上面よりも上方に延出されるととも
に、内管12の径と略同じ大きさの環状に形成されている。そして、炉口フランジ15の
上部には、内管12の底部が気密固定されている。また、炉口フランジ15の内径は、内
管12の内径と略同じ大きさに形成されている。
内管12の内部(処理室12A)には、ボート13が挿抜可能に配設されている。ボー
ト13は、そのフレーム13Aによって支持された天板13Bと底板13Cの間に複数の
ワークWを搭載するようになっている。
ボート13は、シールキャップ16に断熱キャップ17を介して載置固定されている。
断熱キャップ17の上面は、ボート13の底板13Cを着脱可能に載置固定するようにな
っている。断熱キャップ17の下面は、シールキャップ16に固着されている。
シールキャップ16は、炉口フランジ15の下部を下方から蓋状に覆うことができる大
きさに形成されていて、図示しない昇降装置によって上下動されることで炉口フランジ1
5の下部に対して接離可能に構成されている。シールキャップ16の上面周辺部は、炉口
フランジ15の下部と接触するようになっていて、炉口フランジ15の下面と接触すると
炉口フランジ15との間を気密するようになっている。すなわち、内管12の内部(処理
室12A)は、炉口フランジ15にシールキャップ16が接触すると外部から気密封止さ
れるようになっている。
つまり、ボート13は、シールキャップ16が最も下動したときに断熱キャップ17の
上面に載置固定されて、シールキャップ16の上動により内管12に挿入されるとともに
処理室12Aに気密封止されるようになっている。また、ボート13は、処理室12Aに
気密封止された状態から、シールキャップ16の下動により内管12から離脱されて、シ
ールキャップ16が最も下動したときに断熱キャップ17の上面から取り外すことができ
るようになっている。
処理室12Aには、内管12の外部からのガス導入管18及び排気管19が連通されて
いる。ガス導入管18は、炉口フランジ15の外部から処理室12Aの上部まで連通され
ている。排気管19は、処理室12Aから炉口フランジ15の外部に連通されている。
上記構成により、縦型拡散炉1は、ボート13に搭載された各ワークWを処理室12A
に密封して筒状ヒータ11により加熱処理する。また、縦型拡散炉1は、密封された処理
室12Aにガス導入管18からガスを導入するとともに、処理室12Aのガスを排気管1
9から排出できるようになっている。
筒状ヒータ11は、図2及び図3に示すように、断熱材からなる円筒形状の断熱筒とし
ての断熱層21を有している。断熱層21の内側面には、その内側面を上下方向に延びる
電熱線保持部材22が複数個等角度間隔に配置固定されている。電熱線保持部材22には
、その上下方向に所定の間隔で、複数の保持穴23が貫通形成されている。
筒状ヒータ11は、上下方向に連続した4つのブロックに区分されていて、下から順番
にL(Lower)ブロック20A、CL(Center Lower)ブロック20B
、CU(Center Upper)ブロック20C、及び、U(Upper)ブロック
20Dに区分されている。すなわち、Lブロック20Aは、筒状ヒータ11の最下部に割
り当てられており、CLブロック20Bは、Lブロック20Aの上側に隣接して筒状ヒー
タ11の中央下部に割り当てられている。また、CUブロック20Cは、CLブロック2
0Bの上側に隣接して筒状ヒータ11の中央上部に割り当てられており、Uブロック20
Dは、CUブロック20Cの上側に隣接して筒状ヒータ11の最上部に割り当てられてい
る。
Lブロック20Aの内側面には、一本の下部電熱線24Aが電熱線保持部材22に形成
した各保持穴23を挿通することによって、螺旋状に配設されている。下部電熱線24A
は、各電熱線保持部材22の保持穴23を所定の順番で挿通保持されることで、Lブロッ
ク20Aの下部から上部までの間に配設されている。
下部電熱線24Aの上端と下端は、それぞれ別々の端子25Aの基端に電気的に接続さ
れている。各端子25Aは、それぞれLブロック20Aの上部と下部において、断熱層2
1に貫通支持されるとともに、各端子25Aの先端を断熱層21の外部に延出されている
。すなわち、各端子25Aには、外部から電力の供給が可能になっており、各端子25A
間に電力が供給されると下部電熱線24Aに電力が供給され、該電力により同電熱線24
Aが発熱するようになっている。
また、Lブロック20Aには、下部温度センサ26A及び第2温度センサ27Aがそれ
ぞれ設けられている。各温度センサ26A,27Aは、それぞれ棒状に形成されていて、
それぞれの先端部に温度を測定するための熱電対が設けられている。そして、各温度セン
サ26A,27Aは、筒状ヒータ11の外部から筒状ヒータ11の内部へ貫通支持され、
それぞれの先端部を内管12の近傍に配置させて、内管12の近傍の温度を測定できるよ
うになっている。尚、第2温度センサ27Aは、測定した温度が所定の温度以上になると
、各端子25A間へ供給されている電力を遮断して、下部電熱線24Aへの電力供給を強
制的に遮断させるようになっている。
CLブロック20Bの内側面には、一本の中央下部電熱線24Bが電熱線保持部材22
に形成した各保持穴23を挿通することによって、螺旋状に配設されている。中央下部電
熱線24Bは、各電熱線保持部材22の保持穴23を所定の順番で挿通保持されることで
、CLブロック20Bの下部から上部までの間に配設されている。
中央下部電熱線24Bの上端と下端は、それぞれ別々の端子25Bの基端に電気的に接
続されている。各端子25Bは、それぞれCLブロック20Bの上部と下部において、断
熱層21に貫通支持されるとともに、各端子25Bの先端を断熱層21の外部に延出され
ている。すなわち、各端子25Bには、外部から電力の供給が可能になっており、各端子
25B間に電力が供給されると中央下部電熱線24Bに電力が供給され、該電力により同
電熱線24Bが発熱するようになっている。
また、CLブロック20Bには、中央下部温度センサ26B及び第2温度センサ27B
がそれぞれ設けられている。各温度センサ26B,27Bは、それぞれ棒状に形成されて
いて、それぞれの先端部に温度を測定するための熱電対が設けられている。そして、各温
度センサ26B,27Bは、筒状ヒータ11の外部から筒状ヒータ11の内部へ貫通支持
され、それぞれの先端部を内管12の近傍に配置させて、内管12の近傍の温度を測定で
きるようになっている。尚、第2温度センサ27Bは、測定した温度が所定の温度以上に
なると、各端子25B間へ供給されている電力を遮断して、中央下部電熱線24Bへの電
力供給を強制的に遮断させるようになっている。
CUブロック20Cの内側面には、一本の中央上部電熱線24Cが電熱線保持部材22
に形成した各保持穴23を挿通することによって、螺旋状に配設されている。中央上部電
熱線24Cは、各電熱線保持部材22の保持穴23を所定の順番で挿通保持されることで
、CUブロック20Cの下部から上部までの間に配設されている。
中央上部電熱線24Cの上端と下端は、それぞれ別々の端子25Cの基端に電気的に接
続されている。各端子25Cは、それぞれCUブロック20Cの上部と下部において、断
熱層21に貫通支持されるとともに、各端子25Cの先端を断熱層21の外部に延出され
ている。すなわち、各端子25Cには、外部から電力の供給が可能になっており、各端子
25C間に電力が供給されると中央上部電熱線24Cに電力が供給され、該電力により同
電熱線24Cが発熱するようになっている。
また、CUブロック20Cには、中央上部温度センサ26C及び第2温度センサ27C
がそれぞれ設けられている。各温度センサ26C,27Cは、それぞれ棒状に形成されて
いて、それぞれの先端部に温度を測定するための熱電対が設けられている。そして、各温
度センサ26C,27Cは、筒状ヒータ11の外部から筒状ヒータ11の内部へ貫通支持
され、それぞれの先端部を内管12の近傍に配置させて、内管12の近傍の温度を測定で
きるようになっている。尚、第2温度センサ27Cは、測定した温度が所定の温度以上に
なると、各端子25C間へ供給されている電力を遮断して、中央上部電熱線24Cへの電
力供給を強制的に遮断させるようになっている。
Uブロック20Dの内側面には、一本の上部電熱線24Dが電熱線保持部材22に形成
した各保持穴23を挿通することによって、螺旋状に配設されている。上部電熱線24D
は、各電熱線保持部材22の保持穴23を所定の順番で挿通保持されることで、Uブロッ
ク20Dの下部から上部までの間に配設されている。
上部電熱線24Dの上端と下端は、それぞれ別々の端子25Dの基端に電気的に接続さ
れている。各端子25Dは、それぞれUブロック20Dの上部と下部において、断熱層2
1に貫通支持されるとともに、各端子25Dの先端を断熱層21の外部に延出されている
。すなわち、各端子25Dには、外部から電力の供給が可能になっており、各端子25D
間に電力が供給されると上部電熱線24Dに電力が供給され、該電力により同電熱線24
Dが発熱するようになっている。
また、Uブロック20Dには、上部温度センサ26D及び第2温度センサ27Dがそれ
ぞれ設けられている。各温度センサ26D,27Dは、それぞれ棒状に形成されていて、
それぞれの先端部に温度を測定するための熱電対が設けられている。そして、各温度セン
サ26D,27Dは、筒状ヒータ11の外部から筒状ヒータ11の内部へ貫通支持され、
それぞれの先端部を内管12の近傍に配置させて、内管12の近傍の温度を測定できるよ
うになっている。尚、第2温度センサ27Dは、測定した温度が所定の温度以上になると
、各端子25D間へ供給されている電力を遮断して、上部電熱線24Dへの電力供給を強
制的に遮断させるようになっている。
尚、本実施形態では、各電熱線24A,24B,24C,24Dは、電力を供給される
と発熱する電熱線、例えば、ニクロム線であって、太さ20mmの電線形状に形成されて
いる。
次に、上記のように構成した縦型拡散炉1の電気的構成を図4に従って説明する。
縦型拡散炉1は、図4に示すように、劣化判定手段としての制御装置30を備えている
制御装置30には、CPU(中央演算装置)、ROM及びRAMが備えられている。そ
して、制御装置30のCPUは、ROMやRAMに記憶された各種データ及び各種制御プ
ログラムに従って各種処理などを実行する。
尚、本実施形態では、CPUは、ROMやRAMに記憶されたプログラム、及び、各種
データに基づいて、上部電熱線24Dの発熱によるUブロック20Dの単位時間当たりの
温度変化量から上部電熱線24Dの劣化の判断をする劣化判定処理を行なう。また、CP
Uは、上部電熱線24Dの場合と同様に、各電熱線24A,24B,24Cの発熱による
それぞれに対応する各ブロック20A,20B,20Cの単位時間当たりの温度変化量か
ら各電熱線24A,24B,24Cの劣化の判断をする劣化判定処理をそれぞれ行なう。
また、RAMには、各電熱線24A,24B,24C,24Dの劣化状態をそれぞれ記録
するための劣化状態フラグ用のアドレスがそれぞれ確保されている。
制御装置30は、上部温度センサ26Dと電気的に接続されている。制御装置30は、
上部温度センサ26Dから入力される温度信号26Dtから、Uブロック20Dの温度T
m4を算出するようになっている。
制御装置30は、中央上部温度センサ26Cと電気的に接続されている。制御装置30
は、中央上部温度センサ26Cから入力される温度信号26Ctから、CUブロック20
Cの温度Tm3を算出するようになっている。
制御装置30は、中央下部温度センサ26Bと電気的に接続されている。制御装置30
は、中央下部温度センサ26Bから入力される温度信号26Btから、CLブロック20
Bの温度Tm2を算出するようになっている。
制御装置30は、下部温度センサ26Aと電気的に接続されている。制御装置30は、
下部温度センサ26Aから入力される温度信号26Atから、Lブロック20Aの温度T
m1を算出するようになっている。
外部電源29は、上部電熱線駆動回路31と電気的に接続されていて、上部電熱線駆動
回路31に所定の電力PWを供給する。
制御装置30は、上部電熱線駆動回路31と電気的に接続されている。上部電熱線駆動
回路31は、制御装置30から入力された上部電熱線制御信号31Cに基づいて外部電源
29から供給される電力PWから生成した駆動電流31Dを上部電熱線24Dに供給して
同電熱線24Dを駆動制御する。
外部電源29は、中央上部電熱線駆動回路32と電気的に接続されていて、中央上部電
熱線駆動回路32に所定の電力PWを供給する。
制御装置30は、中央上部電熱線駆動回路32と電気的に接続されている。中央上部電
熱線駆動回路32は、制御装置30から入力された中央上部電熱線制御信号32Cに基づ
いて外部電源29から供給される電力PWから生成した駆動電流32Dを中央上部電熱線
24Cに供給して同電熱線24Cを駆動制御する。
外部電源29は、中央下部電熱線駆動回路33と電気的に接続されていて、中央下部電
熱線駆動回路33に所定の電力PWを供給する。
制御装置30は、中央下部電熱線駆動回路33と電気的に接続されている。中央下部電
熱線駆動回路33は、制御装置30から入力された中央下部電熱線制御信号33Cに基づ
いて外部電源29から供給される電力PWから生成した駆動電流33Dを中央下部電熱線
24Bに供給して同電熱線24Bを駆動制御する。
外部電源29は、下部電熱線駆動回路34と電気的に接続されていて、下部電熱線駆動
回路34に所定の電力PWを供給する。
制御装置30は、下部電熱線駆動回路34と電気的に接続されている。下部電熱線駆動
回路34は、制御装置30から入力された下部電熱線制御信号34Cに基づいて外部電源
29から供給される電力PWから生成した駆動電流34Dを下部電熱線24Aに供給して
同電熱線24Aを駆動制御する。
制御装置30は、入出力装置39と電気的に接続されている。制御装置30は、入出力
装置39から縦型拡散炉1がワークWを加熱処理するための各種データDT等を入力され
てRAMに保存する。また、制御装置30は、縦型拡散炉1の各種状態を示す表示信号P
Sを入出力装置39に出力する。入出力装置39は、入力された表示信号PSに基づいて
各種情報を状態表示器39Dに表示するようになっている。尚、本実施形態では、表示信
号PSに基づいて各電熱線24A,24B,24C,24Dの交換時期をそれぞれ状態表
示器39Dに表示させるようになっている。
次に、上記のように構成した縦型拡散炉1において、上部電熱線24Dの劣化を判断す
る方法について説明する。尚、下部電熱線24A、中央下部電熱線24B及び中央上部電
熱線24Cの劣化の判断は上部電熱線24Dの場合と同様の方法で判断することができる
ので、以下では上部電熱線24Dの劣化を判断する方法についての説明のみをし、下部電
熱線24A、中央下部電熱線24B及び中央上部電熱線24Cの劣化の判断の方法につい
ての説明は省略する。
一般的に、新品など劣化の少ない上部電熱線24Dの発熱量は多く、一方、劣化が進行
した上部電熱線24Dの発熱量は少ないことが知られている。すなわち、劣化の少ない上
部電熱線24Dを用いた場合、Uブロック20Dは、単位時間当たりの温度上昇が大きく
なる。一方、劣化が進行した上部電熱線24Dを用いた場合、Uブロック20Dは、単位
時間当たりの温度上昇が小さくなる。そこで、本実施形態では、Uブロック20Dの温度
Tm4の単位時間当たりの温度変化量から上部電熱線24Dの交換時期を判断する。
図5は、Uブロック20Dの温度Tm4を所定温度の800度から目標温度の1000
度の温度差の間で変化させた場合における、温度Tm4の経過時間に対する変化をグラフ
40及びグラフ41にそれぞれ示している。
例えば、グラフ40に示す場合、Uブロック20Dの温度Tm4は、時間t1において
800度からの昇温が開始されて、時間t2において1000度に到達する。その後、時
間t4において1000度から降温を開始されて、時間t5において800度に到達する
。すなわち、この時の上部電熱線24Dは、Uブロック20Dの温度Tm4を800度か
ら1000度まで昇温時間t12(=t2−t1)の時間にて昇温させる。この場合、温
度Tm4は、単位時間当たり温度変化量ΔH12(=200/t12)の大きさで変化す
る。
一方、グラフ41に示す場合、Uブロック20Dの温度Tm4は、時間t1において8
00度からの昇温を開始されて、時間t3において1000度に到達する。その後、時間
t4において1000度から降温を開始されて、時間t5において800度に到達する。
すなわち、この時の上部電熱線24Dは、Uブロック20Dの温度Tm4を800度から
1000度まで昇温時間t13(=t3−t1)の時間にて昇温させる。この場合、温度
Tm4は、単位時間当たりの温度変化量ΔH13(=200/t13)の大きさで変化す
る。なお、昇温時間t13は、昇温時間t12の約1.5倍の長さの時間であるから、温
度変化量ΔH13は温度変化量ΔH12の3分の2の大きさとなる。このことは、グラフ
41の時の上部電熱線24Dの発熱量は、グラフ40の時の上部電熱線24Dの発熱量の
3分の2であることを示している。
すなわち、温度変化量ΔH12と温度変化量ΔH13との比較から、グラフ40の時の
上部電熱線24Dに対して、グラフ41の時の上部電熱線24Dは、その劣化が進行して
いることが分かる。
そこで、上部電熱線24DがUブロック20Dの温度Tm4を単位時間当たりに昇温さ
せる温度の変化量から上部電熱線24Dの劣化を判断する手順について図6に示すフロー
チャート図に従って説明する。
制御装置30は、Uブロック20Dの温度Tm4を所定温度(昇温を開始するときの筒
状ヒータ11内の温度(開始温度α1))から目標温度(例えば1000度であって昇温
を停止する温度(終了温度α2))に昇温を開始すると劣化判定処理を開始する。尚、U
ブロック20Dの温度Tm4の昇温中には、制御装置30のRAMに設けられた昇温中フ
ラグのアドレスの値が「1」に設定されるようになっている。
劣化判定処理が開始されると、制御装置30は、経過時間タイマをクリアする(ステッ
プS10)とともに、このとき測定されるUブロック20Dの温度Tm4(所定温度)を
開始温度α1としてRAMの所定のアドレスに保存する(ステップS11)。尚、本実施
形態では、経過時間タイマは、CPUに設けられたタイマを用いていて、該タイマは、ク
リアされると直ぐに新たに経過時間の計測を開始するものとする。
RAMの所定のアドレスに開始温度α1を保存したら、制御装置30は、昇温中フラグ
を参照してUブロック20Dが昇温中かどうかを判断する(ステップS12)。昇温中フ
ラグが「1」の場合(ステップS12でYES)、制御装置30は、ステップS12に戻
り、Uブロック20Dが昇温中かどうかを判断することを繰り返す。
一方、Uブロック20Dが目標温度(終了温度α2(1000度))に到達し、昇温が
停止されて昇温中フラグが「1」から「0」になると(ステップS12でNO)、制御装
置30は、経過時間タイマからその時の時間を取得して第1経過時間tp1に保存する(
ステップS13)。
第1経過時間tp1を保存したら、制御装置30は、単位時間当たりの算出値としての
第1温度変化量Δα(=(α2−α1)/tp1)を算出する(ステップS15)。つま
り、単位時間当たりの第1温度変化量Δαは、開始温度α1と終了温度α2との差を第1
経過時間tp1で除して求められる。
単位時間当たりの第1温度変化量Δαが算出されると、制御装置30は、第1温度変化
量Δαが劣化値としての劣化判断用閾値β1より小さいかどうかを判断する(ステップS
16)。劣化判断用閾値β1は、予め試験により求められた値であって、交換が必要な程
度に劣化した上部電熱線24DによりUブロック20Dの温度Tm4を上昇させた場合の
単位時間当たりの温度変化量の値である。また、劣化判断用閾値β1は、予め入出力装置
39を通じて、制御装置30のRAMの所定のアドレスに記憶されている。
第1温度変化量Δαが劣化判断用閾値β1より小さい場合(ステップS16でYES)
、制御装置30は、劣化フラグに「1」を設定する(ステップS17)とともに、表示信
号PSに上部電熱線24Dが劣化していることを示す信号を付加して入出力装置39に出
力する(ステップS18)。そして、制御装置30は、劣化判定処理を終了する。
一方、第1温度変化量Δαが劣化判断用閾値β1より小さくない場合(ステップS16
でNO)、制御装置30は、劣化フラグに「0」を設定して(ステップS19)から、劣
化判定処理を終了する。
上記構成によって、縦型拡散炉1は、上部電熱線24Dの劣化による交換時期を、第1
温度変化量Δαと劣化判断用閾値β1との比較により、上部電熱線24Dに切断などの不
具合が生ずる前に知ることができる。
次に、上記のように構成した本実施形態の効果を以下に記載する。
(1)本実施形態によれば、上部温度センサ26Dから測定される筒状ヒータ11内部
の第1温度変化量Δαと劣化判断用閾値β1との比較に基づいて上部電熱線24Dの劣化
による交換時期を判定した。従って、断熱層21と内管12の間に配設されて、通常は容
易に劣化の判断をすることができない上部電熱線24Dに対して、上部電熱線24Dに劣
化による不具合が生じる以前に劣化による交換の時期を知ることができる。その結果、上
部電熱線24Dに生じた劣化による不具合によって、ワークWに不良が生じることを防ぐ
ことができた。
(2)本実施形態によれば、劣化判断用閾値β1を交換が必要な程度に劣化した上部電
熱線24DによりUブロック20Dの温度Tm4を上昇させた場合の単位時間当たりの温
度変化量の値とした。従って、第1温度変化量Δαを劣化判断用閾値β1と比較するだけ
で容易に上部電熱線24Dの交換時期を判定することができる。
(3)本実施形態によれば、第1温度変化量Δαを劣化判断用閾値β1と比較して劣化
の判断を行なった。従って、筒状ヒータ11の温度を所定温度から目標温度に変化させた
場合の温度変化を平準化した第1温度変化量Δαに基づいて上部電熱線24Dの劣化を好
適に判定することができる。
(4)本実施形態によれば、第1温度変化量Δαを単位時間当たりの温度変化量の値と
した。従って、第1温度変化量Δαを任意の所定温度と任意の目標温度との間の温度差か
ら求めることができる。
(5)本実施形態によれば、Uブロック20Dの温度Tm4を昇温させるときに劣化の
判断を行なった。従って、上部電熱線24Dの発熱量の違いによる影響を受け易い温度T
m4の昇温時に上部電熱線24Dの劣化の判定をすることで、好適に交換時期の判定をす
ることができる。
なお、上記実施形態は以下の様に変更してもよい。
・上記実施形態では、筒状ヒータ11は、上下方向に4つのブロックに区分されていた
が、4つ以外に区分されていてもよい。また、筒状ヒータ11は、区分されていなくても
よい。
・上記実施形態では、各電熱線24A,24B,24C,24Dについて劣化による交
換時期の判断を行なったが、一部の電熱線について劣化による交換時期の判断を行っても
よい。
・上記実施形態では、第1温度変化量Δαを、交換が必要な程度に劣化した上部電熱線
24DによりUブロック20Dの温度Tm4が上昇する場合の単位時間当たりの温度変化
量である劣化判断用閾値β1と比較した。しかし、これに限らず、劣化判断用閾値β1は
、その他の判定したい状態の値でもよい。また、劣化の状態を段階的に示す複数の劣化判
断用閾値を用いて、劣化の状態を段階的に表せるようにしても良い。
・上記実施形態では、昇温時に劣化判定処理を行なったが、降温時に劣化判定処理を行
なってもよい。
・上記実施形態では、所定温度を、昇温を開始する時の筒状ヒータ11内の温度(開始
温度α1)とした。これを、筒状ヒータ11内の昇温を開始した後に通過する温度(例え
ば筒状ヒータ11内の温度が800度)を所定温度としてもよい。
その場合は、まず、Uブロック20Dの温度Tm4が所定温度(800度)に到達した
とき、図7に示すように、第2劣化判定処理を開始する。第2劣化判定処理が開始される
と、制御装置30は、経過時間タイマをクリアする(ステップS21)。
経過時間タイマをクリアしたら、制御装置30は、昇温中フラグを参照してUブロック
20Dが昇温中かどうかを判断する(ステップS22)。昇温中フラグが「1」ではなく
「0」の場合(ステップS22でNO)、制御装置30は、劣化の判断を行わずに第2劣
化判定処理を終了する。
一方、昇温中フラグが「1」の場合(ステップS22でYES)、制御装置30は、U
ブロック20Dの温度Tm4が所定の目標温度(終了温度α2(1000度))に達した
かどうかを判断する(ステップS23)。Uブロック20Dの温度Tm4が所定の目標温
度に達していない場合(ステップS23でNO)、制御装置30は、ステップS22に戻
り、昇温中かどうかの判断を繰り返す。
一方、Uブロック20Dの温度Tm4が所定の目標温度(終了温度α2(1000度)
)に達した場合(ステップS23でYES)、制御装置30は、経過時間タイマからその
時の時間を取得して算出値としての第2経過時間tp2に保存する(ステップS24)。
第2経過時間tp2を保存したら、制御装置30は、第2経過時間tp2が劣化値とし
ての劣化判断用閾値β2より大きいかどうかを判断する(ステップS25)。劣化判断用
閾値β2は、予め試験により求められた値であって、交換が必要な程度に劣化した上部電
熱線24Dにおいて、Uブロック20Dの温度Tm4を所定の開始温度(800度)から
所定の目標温度(1000度)に昇温するために要する時間の値である。
第2経過時間tp2が劣化判断用閾値β2より大きい場合(ステップS25でYES)
、制御装置30は、劣化フラグに「1」を設定する(ステップS26)とともに、上部電
熱線24Dが劣化していることを示す信号を表示信号PSに付加して入出力装置39に出
力する(ステップS27)。そして、制御装置30は、第2劣化判定処理を終了する。
一方、第2経過時間tp2が劣化判断用閾値β2より大きくない場合(ステップS25
でNO)、制御装置30は、劣化フラグに「0」を設定して(ステップS28)から、第
2劣化判定処理を終了する。
・上記実施形態では、交換時期の判断を第1温度変化量Δαに基づいて行なったが、交
換時期の判断を目標温度に対するアンダーシュートの大きさによって行なってもよい(第
3劣化判定処理)。そうすれば、温度を降温させる場合においても、電熱線の劣化の判断
を容易に行うことができる。
その場合は、Uブロック20Dの温度Tm4を所定温度(例えば1000度)から目標
温度(例えば800度)に降温を開始すると、図8に示すように、第3劣化判定処理を開
始する。第3劣化判定処理が開始されると、制御装置30は、最低温度保存用メモリの値
をクリアする(ステップS30)。
最低温度保存用メモリをクリアしたら、制御装置30は、目標温度に達した温度がその
目標温度に安定すると考えられる所定時間が経過したかどうか、つまり、降温が終了した
かどうかを判断する(ステップS31)。降温が終了していない場合(ステップS31で
NO)、制御装置30は、温度Tm4が最低温度保存用メモリに記録されたズレ温度とし
ての最低温度よりも低いかどうかを判断する(ステップS32)。温度Tm4が最低温度
保存用メモリに記録された最低温度よりも低くない場合(ステップS32でNO)、制御
装置30は、ステップS31に戻り、降温が終了したかどうかの判断を繰り返す。尚、ス
テップS32において、最低温度保存用メモリがクリアされた状態の場合には、特別にス
テップS33を実行するようにしている。
一方、温度Tm4が最低温度保存用メモリに記録された最低温度よりも低い場合(ステ
ップS32でYES)、制御装置30は、最低温度保存用メモリにその時の温度Tm4を
新たな最低温度として保存して(ステップ33)から、ステップS31に戻り、降温が終
了したかどうかの判断を繰り返す。これにより、Uブロック20Dの温度Tm4を所定温
度から目標温度に降温させた時に、温度Tm4が一時的に到達する最も低い温度を最低温
度保存用メモリに保存するようになっている。
一方、降温が終了した場合(ステップS31でYES)、制御装置30は、最低温度が
劣化温度としての劣化判断用閾値β3より小さいかどうかを判断する(ステップS34)
。劣化判断用閾値β3は、予め試験により求められた値であって、交換が必要な程度に劣
化した上部電熱線24Dにおいて、Uブロック20Dの温度Tm4を目標温度まで降温さ
せた場合に目標温度をアンダーシュートする温度で、目標温度よりも低い温度の値である
最低温度が劣化判断用閾値β3より小さい場合(ステップS34でYES)、制御装置
30は、劣化フラグに「1」を設定する(ステップS35)とともに、表示信号PSに上
部電熱線24Dが劣化していることを示す信号を付加して入出力装置39に出力する(ス
テップS36)。そして、制御装置30は、第3劣化判定処理を終了する。
一方、最低温度が劣化判断用閾値β3より小さくない場合(ステップS34でNO)、
制御装置30は、劣化フラグに「0」を設定して(ステップS37)から、第3劣化判定
処理を終了する。
・上記実施形態では、縦型拡散炉1の各電熱線24A,24B,24C,24Dの劣化
判定を行なったが、電熱線の劣化判定は、電熱線を用いる他の半導体製造装置、例えば横
型拡散炉、恒温槽、洗浄槽、乾燥炉又はバーンイン炉に用いてもよい。
本実施形態における半導体製造装置の断面構造を示す断面図。 本実施形態における半導体製造装置の筒状ヒータの断面構造を示す断面図。 本実施形態における半導体製造装置の筒状ヒータの一部を断面にした斜視構造を示す斜視図。 本実施形態における半導体製造装置の筒状ヒータに関する部分の電気的構成を示すブロック図。 本実施形態における半導体製造装置の温度変化の例を示すグラフ図。 本実施形態における半導体製造装置の劣化判定手順を示すフローチャート図。 他の例における半導体製造装置の劣化判定手順を示すフローチャート図。 さらに他の例における半導体製造装置の劣化判定手順を示すフローチャート図。
符号の説明
W…被処理基板(ワーク)、DT…データ、PS…表示信号、PW…電力、t1,t2
,t3,t4,t5…時間、t12,t13…昇温時間、1…縦型拡散炉、10…筐体、
10A…ヒータ支持部、10B…穴、10C…天板、11…筒状ヒータ、11A…外側面
、12…内管、12A…処理室、13…ボート、13A…フレーム、13B…天板、13
C…底板、14…ヒータ基台、14A…断熱材、15…炉口フランジ、16…シールキャ
ップ、17…断熱キャップ、18…ガス導入管、19…排気管、20A…Lブロック、2
0B…CLブロック、20C…CUブロック、20D…Uブロック、21…断熱層、22
…電熱線保持部材、23…保持穴、24A…下部電熱線、24B…中央下部電熱線、24
C…中央上部電熱線、24D…上部電熱線、25A,25B,25C,25D…端子、2
6A…下部温度センサ、26B…中央下部温度センサ、26C…中央上部温度センサ、2
6D…上部温度センサ、26At,26Bt,26Ct,26Dt…温度信号、27A,
27B,27C,27D…第2温度センサ、29…外部電源、30…制御装置、31…上
部電熱線駆動回路、31C…上部電熱線制御信号、31D,32D,33D,34D…駆
動電流、32…中央上部電熱線駆動回路、32C…中央上部電熱線制御信号、33…中央
下部電熱線駆動回路、33C…中央下部電熱線制御信号、34…下部電熱線駆動回路、3
4C…下部電熱線制御信号、39…入出力装置、39D…状態表示器、40,41…グラ
フ。

Claims (6)

  1. 電熱線を備えたヒータを有する半導体製造装置の電熱線の劣化判定方法であって、
    前記電熱線の熱により前記ヒータ内部の温度を所定温度から変更された目標温度に追従
    させるときに、前記所定温度から前記目標温度への変化に要した経過時間に基づいて算出
    される算出値を、予め求めた前記電熱線の劣化を示す値である劣化値と比較して、前記算
    出値と前記劣化値の比較に基づいて前記電熱線が劣化していることを判定することを特徴
    とする半導体製造装置の電熱線の劣化判定方法。
  2. 請求項1に記載の半導体製造装置の電熱線の劣化判定方法において、
    前記算出値は、前記目標温度と前記所定温度とから温度差を求め、該温度差を前記経過
    時間にて除して求められた単位時間当たりの温度変化量であり、
    前記劣化値は、劣化した前記電熱線が前記ヒータ内部の温度を前記所定温度から前記目
    標温度に変化させる場合の前記ヒータ内部の温度の単位時間当たりの温度変化量であり、
    前記算出値と前記劣化値とを比較して、前記算出値が前記劣化値より小さい場合には前
    記電熱線が劣化していると判定することを特徴とする半導体製造装置の電熱線の劣化判定
    方法。
  3. 請求項1に記載の半導体製造装置の電熱線の劣化判定方法において、
    前記算出値は、前記経過時間の時間であり、
    前記劣化値は、劣化した前記電熱線が前記ヒータの内部の温度を前記所定温度から前記
    目標温度へ変化させるのに要する時間であり、
    前記算出値と前記劣化値とを比較して、前記算出値が前記劣化値より大きい場合には前
    記電熱線が劣化していると判定することを特徴とする半導体製造装置の電熱線の劣化判定
    方法。
  4. 請求項1〜3のいずれか1つに記載の半導体製造装置の電熱線の劣化判定方法において

    前記目標温度が前記所定温度よりも高い温度に変更されたときに、前記電熱線の劣化を
    判定することを特徴とする半導体製造装置の電熱線の劣化判定方法。
  5. 電熱線を備えたヒータを有する半導体製造装置の電熱線の劣化判定方法であって、
    前記電熱線の熱により前記ヒータの内部の温度を降温させて目標温度に追従させるとき
    に、前記目標温度を通過して一時的に到達する最も低いズレ温度と、予め求めた劣化した
    前記電熱線にて前記ヒータの内部の温度を降温させた時に該目標温度を通過して一時的に
    到達する最も低い劣化温度とを比較して、前記ズレ温度が前記劣化温度より低い温度の場
    合には前記電熱線が劣化していると判定することを特徴とする半導体製造装置の電熱線の
    劣化判定方法。
  6. ヒータに備えられた断熱筒と、
    前記断熱筒の内側面に沿って螺旋状に配設された電熱線と、
    前記電熱線の内側に設けられ、内部に配置される被処理基板を外気と隔離することがで
    きる内管と、
    前記電熱線の劣化を判定するために前記断熱筒の内部の温度を測定する温度センサと、
    前記ヒータ内部の温度を所定温度から目標温度へ変化させたときに、前記温度センサに
    より測定した前記所定温度から該温度センサにより測定した前記目標温度への変化に要し
    た経過時間に基づいて算出される算出値を、予め求めた前記電熱線の劣化を示す劣化値と
    比較して、該算出値と該劣化値の比較に基づいて前記電熱線が劣化していることを判定す
    る劣化判定手段と、
    を備えることを特徴とする半導体製造装置。
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