JP2009076256A - 誘電性エラストマー積層体および高周波用電子部品 - Google Patents
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Abstract
【課題】エポキシ樹脂系フィルムを用いながら、周波数 100 MHz 以上の高周波帯で高温での使用時においても誘電正接を低く維持できる誘電性エラストマー積層体および高周波用電子部品を提供する。
【解決手段】周波数 100 MHz 以上の高周波帯で電気信号を取り扱うための高周波用電子部品に使用される誘電性エラストマー積層体であって、エラストマーに誘電性セラミックス粉末を配合してなる複合材シートの表面に、上記高周波用電子部品の使用温度領域の上限値よりも 20℃ 以上高いガラス転移点を有するエポキシ樹脂系フィルムを積層させてなり、上記使用温度領域は−10℃〜70℃であり、この使用温度領域で周波数 400 MHz の測定において、比誘電率が 3〜20、誘電正接が 0.01 以下である。
【選択図】なし
【解決手段】周波数 100 MHz 以上の高周波帯で電気信号を取り扱うための高周波用電子部品に使用される誘電性エラストマー積層体であって、エラストマーに誘電性セラミックス粉末を配合してなる複合材シートの表面に、上記高周波用電子部品の使用温度領域の上限値よりも 20℃ 以上高いガラス転移点を有するエポキシ樹脂系フィルムを積層させてなり、上記使用温度領域は−10℃〜70℃であり、この使用温度領域で周波数 400 MHz の測定において、比誘電率が 3〜20、誘電正接が 0.01 以下である。
【選択図】なし
Description
本発明は誘電性エラストマー積層体およびこの積層体に電極を取り付け高周波帯で使用される高周波用電子部品に関する。
近年、携帯電話、コードレスフォン、RFID等に用いるパッチアンテナ、電波望遠鏡やミリ波レーダ等のレンズアンテナ等の目覚しい普及、衛星通信機器の著しい発達に伴い、通信信号の周波数の高周波化および通信機器の一層の小型化が望まれている。
通信機器は、通信機器内部に組み込まれたアンテナ材料等の電子部品の比誘電率を高く、誘電正接を低く保つことで、より一層の高周波化および小型化が図れる。比誘電率は誘電体内部の分極の程度を、誘電正接は分極によって生じるエネルギーの損失の程度を、それぞれ示すパラメータである。従って、比誘電率が高く、誘電正接の低いアンテナ部材等を使用できれば、高周波化ひいては回路の短縮化および通信機器の小型化が図れる。
通信機器は、通信機器内部に組み込まれたアンテナ材料等の電子部品の比誘電率を高く、誘電正接を低く保つことで、より一層の高周波化および小型化が図れる。比誘電率は誘電体内部の分極の程度を、誘電正接は分極によって生じるエネルギーの損失の程度を、それぞれ示すパラメータである。従って、比誘電率が高く、誘電正接の低いアンテナ部材等を使用できれば、高周波化ひいては回路の短縮化および通信機器の小型化が図れる。
これらの通信機器等の用途においては、アンテナ部材に電極を形成する必要がある。アンテナ部材が樹脂材料からなる場合、金属めっき処理等が困難であることから、接着フィルムを用いて銅箔電極を貼り付ける等している。従来、エラストマー系誘電材料の電極形成用接着フィルムとして、エポキシ樹脂系フィルム(特許文献1参照)、あるいはエポキシ樹脂含浸プリプレグ(特許文献2参照)が提案されている。
しかしながら、電極形成用のエポキシ樹脂系フィルムの物性によっては、高温での使用時に誘電正接が大きくなり、100 MHz 以上で使用する高周波用電子部品向けの用途には好ましくないという問題がある。例えば、RFIDに従来のエポキシ樹脂系フィルムを用いたエラストマー系誘電材料を使用する場合、RFIDが一般的に使用される温度領域は−10℃〜70℃であり、該温度領域の上限値である 70℃ 付近の高温での使用時において誘電正接が 0.01 をこえるおそれがある。
また、エポキシ系樹脂含浸プリプレグの場合、主にガラス織布に含浸させているため、柔軟性が乏しくなる。このため、積層材の柔軟性も乏しくなり、耐衝撃性や柔軟性を必要とする用途には好ましくないという問題がある。
特開2007−83613号公報
特開2007−43236号公報
また、エポキシ系樹脂含浸プリプレグの場合、主にガラス織布に含浸させているため、柔軟性が乏しくなる。このため、積層材の柔軟性も乏しくなり、耐衝撃性や柔軟性を必要とする用途には好ましくないという問題がある。
本発明はこのような問題に対処するためになされたものであり、エポキシ樹脂系フィルムを用いながら、周波数 100 MHz 以上の高周波帯で高温での使用時においても誘電正接を低く維持できる誘電性エラストマー積層体および高周波用電子部品を提供することを目的とする。
本発明の誘電性エラストマー積層体は、周波数 100 MHz 以上の高周波帯で電気信号を取り扱うための高周波用電子部品に使用される誘電性エラストマー積層体であって、該誘電性エラストマー積層体は、エラストマーに誘電性セラミックス粉末を配合してなる複合材シートの表面に、上記高周波用電子部品の使用温度領域の上限値よりも 20℃ 以上高いガラス転移点を有するエポキシ樹脂系フィルムを積層させたことを特徴とする。
また、上記高周波用電子部品の使用温度領域は、-10℃ 〜 70℃であることを特徴とする。
また、上記誘電性エラストマー積層体は、上記使用温度領域で周波数 400 MHzの測定において、比誘電率が 3〜20、誘電正接が 0.01 以下であることを特徴とする。
また、上記高周波用電子部品の使用温度領域は、-10℃ 〜 70℃であることを特徴とする。
また、上記誘電性エラストマー積層体は、上記使用温度領域で周波数 400 MHzの測定において、比誘電率が 3〜20、誘電正接が 0.01 以下であることを特徴とする。
上記エラストマーの比重が 0.8〜1.1 であることを特徴とする。
また、上記エラストマーは、スチレン系およびオレフィン系エラストマーの中から選ばれる少なくとも1つのエラストマーであることを特徴とする。
また、上記エラストマーは、スチレン系およびオレフィン系エラストマーの中から選ばれる少なくとも1つのエラストマーであることを特徴とする。
本発明の高周波用電子部品は、周波数 100 MHz 以上の高周波帯で電気信号を取り扱うための高周波用電子部品であって、該高周波用電子部品は上記誘電性エラストマー積層体を用いてなることを特徴とする。
また、上記エポキシ樹脂系フィルムを介して上記複合材シートの表面に電極となる金属箔を張合わせ加工することにより得られることを特徴とする。
また、上記エポキシ樹脂系フィルムを介して上記複合材シートの表面に電極となる金属箔を張合わせ加工することにより得られることを特徴とする。
本発明の誘電性エラストマー積層体は、エラストマーに誘電性セラミックス粉末を配合してなる複合材シートの表面に、用途となる周波数 100 MHz 以上の高周波帯で使用される高周波用電子部品の使用温度領域の上限値よりも 20℃ 以上高いガラス転移点を有するエポキシ樹脂系フィルムを積層させたので、上記使用温度領域の上限値付近での使用時においても、低誘電正接を保つことができる。例えば、使用温度領域が−10℃〜70℃である高周波用電子部品において、90℃をこえるガラス転移点を有するエポキシ樹脂系フィルムを用いることで、使用温度領域の上限値である 70℃ 付近の高温で使用しても、比誘電率が 3〜20で、かつ、誘電正接を 0.01 以下に保つことができる。
また、この誘電性エラストマー積層体は、エラストマーの複合材シートと、ガラス織布等を用いないエポキシ樹脂系フィルムからなるので、柔軟性、耐衝撃性に優れる。また、上記エラストマー単体の比重が 0.8〜1.1 であるので軽量化も図れる。
また、この誘電性エラストマー積層体は、エラストマーの複合材シートと、ガラス織布等を用いないエポキシ樹脂系フィルムからなるので、柔軟性、耐衝撃性に優れる。また、上記エラストマー単体の比重が 0.8〜1.1 であるので軽量化も図れる。
本発明の高周波用電子部品は、上記誘電性エラストマー積層体を用いてなるので、周波数 100 MHz以上の高周波帯で使用できる。また、上記誘電性エラストマー積層体の表面に、上記エポキシ樹脂系フィルムを介して電極を張合わせ加工することにより得られるので、安価に製造できる。
本発明の誘電性エラストマー積層体は、複合材シートの表面に、所定のエポキシ樹脂系フィルムを積層させて得られる。この複合材シートは、エラストマーに誘電性セラミックス粉末を配合して得られる。
本発明において複合材シートに使用できるエラストマーとしては、天然ゴム系エラストマーおよび合成ゴム系エラストマーが挙げられる。
天然ゴム系エラストマーとしては、塩化ゴム、塩酸ゴム、環化ゴム、マレイン酸化ゴム、水素化ゴム、天然ゴムの二重結合にポリメタクリル酸メチル、ポリアクリロニトリル、メタクリル酸エステル等のビニルモノマーをグラフトさせてなるグラフト変性ゴム、窒素気流中でモノマー存在下に天然ゴムを粗練してなるブロックコポリマー等を用いることができる。これらは、天然ゴムを原料とするものの他、合成cis−1,4−ポリイソプレンを原料としたエラストマーを挙げることができる。
天然ゴム系エラストマーとしては、塩化ゴム、塩酸ゴム、環化ゴム、マレイン酸化ゴム、水素化ゴム、天然ゴムの二重結合にポリメタクリル酸メチル、ポリアクリロニトリル、メタクリル酸エステル等のビニルモノマーをグラフトさせてなるグラフト変性ゴム、窒素気流中でモノマー存在下に天然ゴムを粗練してなるブロックコポリマー等を用いることができる。これらは、天然ゴムを原料とするものの他、合成cis−1,4−ポリイソプレンを原料としたエラストマーを挙げることができる。
合成ゴム系エラストマーとしては、イソブチレンゴム、エチレンプロピレンゴム、エチレンプロピレンジエンゴム、エチレンプロピレンターポリマー、クロロスルホン化ポリエチレンゴム等のポリオレフィン系エラストマーや、スチレン−イソプレン−スチレンブロックコポリマー(SIS)、スチレン−ブタジエン−スチレンコポリマー(SBS)、スチレン−エチレン−ブチレン−スチレンブロックコポリマー(SEBS)等のスチレン系エラストマー、またイソプレンゴム、ウレタンゴム、エピクロルヒドリンゴム、シリコーンゴム、ナイロン12、ブチルゴム、ブタジエンゴム、ポリノルボルネンゴム、アクリロニトリル−ブタジエンゴム等を用いることができる。
これらのエラストマーは、1種類または2種類以上を混合して用いることができる。また、エラストマーの持つ弾力性を損なわない範囲内で、熱可塑性樹脂の1種または2種以上を配合して用いることもできる。
本発明に使用できるエラストマーとしては、25 ℃において、比重が 0.8 〜 1.1 であるエラストマーが好ましい。比重が 0.8 未満であると、低分子量のため強度が弱く、成形体の空孔が多くなるので好ましくない。また、比重が 1.1 をこえると製品重量が重くなるので好ましくない。
上記エラストマーとしては、スチレン系およびオレフィン系エラストマーの中から選ばれる少なくとも1つのエラストマーであることが好ましい。このようなエラストマーの例示としては、エチレンプロピレンゴム、エチレンプロピレンジエンゴム、イソブチレンゴム、イソプレンゴム等を挙げることができる。
特にエチレンプロピレンゴム、エチレンプロピレンジエンゴムは誘電正接が極めて低いので、アンテナ等の電子部品やセンサーの用途に好ましく用いることができる。
本発明に使用できるエラストマーとしては、25 ℃において、比重が 0.8 〜 1.1 であるエラストマーが好ましい。比重が 0.8 未満であると、低分子量のため強度が弱く、成形体の空孔が多くなるので好ましくない。また、比重が 1.1 をこえると製品重量が重くなるので好ましくない。
上記エラストマーとしては、スチレン系およびオレフィン系エラストマーの中から選ばれる少なくとも1つのエラストマーであることが好ましい。このようなエラストマーの例示としては、エチレンプロピレンゴム、エチレンプロピレンジエンゴム、イソブチレンゴム、イソプレンゴム等を挙げることができる。
特にエチレンプロピレンゴム、エチレンプロピレンジエンゴムは誘電正接が極めて低いので、アンテナ等の電子部品やセンサーの用途に好ましく用いることができる。
本発明の誘電性エラストマー積層体は、用途となる高周波用電子部品の使用温度領域での周波数 400 MHzの測定において、比誘電率が 3〜20、誘電正接が 0.01 以下であることが好ましい。
比誘電率が 3 未満の場合、誘電体による波長短縮効果が少ないため、必要な電極寸法が大きくなり、それに伴ってアンテナなどが大型化するので好ましくない。また、比誘電率が 20 より大きい場合、アンテナなどの小型化に伴い利得が小さくなり、通信可能な距離が低下する。また、誘電正接が 0.01 より高くなると電気的なロスが大きく、消費電力が増すので好ましくない。
比誘電率が 3 未満の場合、誘電体による波長短縮効果が少ないため、必要な電極寸法が大きくなり、それに伴ってアンテナなどが大型化するので好ましくない。また、比誘電率が 20 より大きい場合、アンテナなどの小型化に伴い利得が小さくなり、通信可能な距離が低下する。また、誘電正接が 0.01 より高くなると電気的なロスが大きく、消費電力が増すので好ましくない。
本発明において複合材シートに使用される誘電性セラミックス粉末は、実質的にエラストマー積層体の誘電率を決定するものであり、セラミックス粉末の焼結体の比誘電率が 50 以上である誘電性セラミックスを用いることが好ましい。焼結体の比誘電率が 50 未満の誘電性セラミックスを用いると、積層体の比誘電率を 3〜20 に維持するために配合しなければならないセラミックス配合量が多くなり、柔軟性を確保することが困難となる。
本発明において使用できる誘電性セラミックス粉末としては、IIa、IVa、III b、IVb族の酸化物、炭酸塩、リン酸塩、珪酸塩、またはIIa、IVa、III b、IVb族を含む複合酸化物から選ばれる少なくとも1種類であることが好ましい。具体的には、TiO2 、CaTiO3 、MgTiO3 、Al2 O3 、BaTiO3 、SrTiO3 、CaCO3 、Ca2 P2 O7 、SiO2 、Mg2 SiO4 、Ca2 MgSi2 O7 等が挙げられる。
誘電性セラミックス粉末の粒子径は 0.01〜100μm 程度が好ましい。0.01μm より小さい場合、取扱いが困難であり好ましくない。100μm より大きい場合、成形体内での誘電特性のばらつきを引き起こすおそれがあるので好ましくない。より実用的な粒子径の範囲は、0.1〜20μm 程度である。
誘電性セラミックス粉末の配合割合は、誘電性エラストマー積層体の比誘電率を 3〜20、誘電正接を 0.01 以下に維持できる割合とする。
例えば、比誘電率が 180 程度である誘電性セラミックス粉末を用いる場合では、エラストマー 100 重量部に対して、該誘電性セラミックス粉末を 0〜1200 重量部配合する。
例えば、比誘電率が 180 程度である誘電性セラミックス粉末を用いる場合では、エラストマー 100 重量部に対して、該誘電性セラミックス粉末を 0〜1200 重量部配合する。
本発明においては、本発明の効果を妨げない範囲で(1)エラストマーとセラミックス粉末の界面の親和性や接合性を向上させ、機械的強度を改良するために、シラン系カップリング剤、チタネート系カップリング剤、ジルコニアアルミネート系カップリング剤等のカップリング剤を、(2)電極形成のためのメッキ性を改良するために、タルク、ピロリン酸カルシウム等の微粒子性充填剤を、(3)熱安定性を一層改善するために酸化防止剤を、(4)耐光性を改良するために紫外線吸収剤等の光安定剤を、(5)難燃性を一層改善するためにハロゲン系、リン系、金属水酸化物等の難燃助剤を、(6)耐衝撃性を改良するために耐衝撃性付与剤を、(7)潤滑性を改良するために滑剤、摺動性改良剤(固体潤滑剤、液体潤滑剤)を、(8)硫黄やパーオキサイド等の架橋剤を、(9)加硫を進めるための加硫促進剤をそれぞれ配合することができる。
また、複合材シートの成分として上記した各成分のほかに、本発明の目的を損なわない範囲内でガラス繊維、チタン酸カリウムウィスカ等のチタン酸アルカリ金属塩系繊維、酸化チタン繊維、ホウ酸マグネシウムウィスカやホウ酸アルミニウウムウィスカ等のホウ酸金属塩系繊維、ケイ酸亜鉛ウィスカやケイ酸マグネシウムウィスカ等のケイ酸金属塩系繊維、カーボンファイバ、アルミナ繊維、アラミド繊維等の各種有機または無機の充填剤を併用できる。
本発明において複合材シートの製造方法としては、特に制限がなく、各種の混合成形方法を用いることができる。例えば、上述した誘電性セラミックス粉末、各種添加剤、加硫剤等をエラストマーに配合して、これをバンバリーミキサー、ローラー、2軸押し出し機等で混錬して製造する方法などが好適に用いられる。その後、射出成形や押し出し成形、加熱圧縮成形等により複合材シートを得ることができる。
本発明の誘電性エラストマー積層体は、以上で得られた複合材シートの表面に、用途となる高周波用電子部品の使用温度領域の上限値よりも 20℃ 以上高いガラス転移点(Tg)を有するエポキシ樹脂系フィルムを積層させて得られる。すなわち、使用温度領域が−10℃ 〜 70℃である場合、90℃以上のTgを、使用温度領域が−10℃ 〜 50℃である場合、70℃以上のTgを有するエポキシ樹脂系フィルムを用いる。この範囲のTgを有するエポキシ樹脂系フィルムを用いることで、該上限値付近の高温での使用時において、誘電正接が増加することを抑制できる。
エポキシ樹脂系フィルムを複合材シートの表面に積層する方法としては、複合材シートの形状に合わせたエポキシ樹脂系フィルムを、接着剤または熱圧着によって貼り付ける方法が挙げられる。
エポキシ樹脂系フィルムを複合材シートの表面に積層する方法としては、複合材シートの形状に合わせたエポキシ樹脂系フィルムを、接着剤または熱圧着によって貼り付ける方法が挙げられる。
上記エポキシ樹脂系フィルムを構成するエポキシ樹脂は、1 分子中にエポキシ基を 2 個以上もつ熱硬化性樹脂であり、アミン類、酸無水物類、触媒等の硬化剤によりエポキシ基が開環反応することにより硬化する。
本発明に用いるエポキシ樹脂は、用途となる高周波用電子部品の使用温度領域の上限値よりも 20℃ 以上高いTgを有するものであれば使用でき、例えば、ビスフェノールAとエピクロルヒドリンとの縮合生成物である最も代表的なエポキシ樹脂の他、エポキシノボラック樹脂、脂環式エポキシ樹脂、異節環型エポキシ樹脂などの各種エポキシ樹脂を使用することができる。
具体的には、−10℃ 〜 70℃が使用温度領域であるRFIDに用いる場合では、TFA−890EA(京セラケミカル社製接着フィルム、Tg 109℃ )等を好適に使用できる。
本発明に用いるエポキシ樹脂は、用途となる高周波用電子部品の使用温度領域の上限値よりも 20℃ 以上高いTgを有するものであれば使用でき、例えば、ビスフェノールAとエピクロルヒドリンとの縮合生成物である最も代表的なエポキシ樹脂の他、エポキシノボラック樹脂、脂環式エポキシ樹脂、異節環型エポキシ樹脂などの各種エポキシ樹脂を使用することができる。
具体的には、−10℃ 〜 70℃が使用温度領域であるRFIDに用いる場合では、TFA−890EA(京セラケミカル社製接着フィルム、Tg 109℃ )等を好適に使用できる。
本発明の高周波用電子部品は、上記複合材シートの表面に、上記エポキシ系接着フィルムを介して電極となる金属箔を張合わせ加工することにより容易に得ることができる。
複合材シート1〜複合材シート4
エチレンプロピレンゴム(EPDM JSR社製:EP35)、誘電性セラミックス粉末(共立マテリアル社製:STNAS)、水酸化マグネシウム(神島化学工業社製:N−4)、臭素系難燃剤(鈴裕化学社製:FCP801)、プロセスオイル(出光興産社製:PW380)、カーボンブラック(東海カーボン社製:SRF)、共架橋剤(精工化学社製:ハイクロスM)、酸化亜鉛(試薬)、ステアリン酸(試薬)、老化防止剤(精工化学社製:ノンフレックスRGB)、過酸化物重合剤(化薬アクゾ社製:カヤクミルD40NB)を用いて、表1に示す配合割合で混合し、加圧ニーダで混練り後、加熱圧縮成形にて、150 mm×150 mm×2 mm の複合材シートを得た。なお、加硫条件は 170℃×10 分である。
得られた各複合材シートについて、容量法により 400 MHz の周波数帯において、−10℃、30℃、50℃、70℃、85℃、110℃を基準とする比誘電率および誘電正接を測定した。容量法に用いた測定装置はインピーダンスアナライザー:E4991A(アジレント・テクノロジー社製)、電極は16453A(アジレント・テクノロジー社製)をそれぞれ用いた。結果を表1に併記する。
エチレンプロピレンゴム(EPDM JSR社製:EP35)、誘電性セラミックス粉末(共立マテリアル社製:STNAS)、水酸化マグネシウム(神島化学工業社製:N−4)、臭素系難燃剤(鈴裕化学社製:FCP801)、プロセスオイル(出光興産社製:PW380)、カーボンブラック(東海カーボン社製:SRF)、共架橋剤(精工化学社製:ハイクロスM)、酸化亜鉛(試薬)、ステアリン酸(試薬)、老化防止剤(精工化学社製:ノンフレックスRGB)、過酸化物重合剤(化薬アクゾ社製:カヤクミルD40NB)を用いて、表1に示す配合割合で混合し、加圧ニーダで混練り後、加熱圧縮成形にて、150 mm×150 mm×2 mm の複合材シートを得た。なお、加硫条件は 170℃×10 分である。
得られた各複合材シートについて、容量法により 400 MHz の周波数帯において、−10℃、30℃、50℃、70℃、85℃、110℃を基準とする比誘電率および誘電正接を測定した。容量法に用いた測定装置はインピーダンスアナライザー:E4991A(アジレント・テクノロジー社製)、電極は16453A(アジレント・テクノロジー社製)をそれぞれ用いた。結果を表1に併記する。
実施例および比較例
得られた各複合材シートの両面に、表2および表3に示すエポキシ樹脂系フィルム(150 mm×150 mm×0.035 mm)を加熱圧縮成形(160℃×30分)にて両面に接着して誘電性エラストマー積層体を得た。エポキシ樹脂系フィルムは、表2に示すTgが109℃のものと、表3に示すTgが70℃のものの2種類を用いた。
得られた各積層体について、上記複合材シートと同様に、容量法により 400 MHz の周波数帯において、−10℃、30℃、50℃、70℃、85℃、110℃を基準とする比誘電率および誘電正接を測定した。結果を表2および表3に併記する。
なお、比誘電率および誘電正接の基準温度の括弧内は、該温度と、エポキシ樹脂系フィルムのTgとの差を示し、例えば、表2の 85℃基準では、Tg(109℃)が該温度(85℃)よりも 24℃ 高いことを示す。表2および表3において、使用(基準)温度よりも 20℃ 以上高いTgを有するエポキシ樹脂系フィルムを用いた場合を実施例としている。
得られた各複合材シートの両面に、表2および表3に示すエポキシ樹脂系フィルム(150 mm×150 mm×0.035 mm)を加熱圧縮成形(160℃×30分)にて両面に接着して誘電性エラストマー積層体を得た。エポキシ樹脂系フィルムは、表2に示すTgが109℃のものと、表3に示すTgが70℃のものの2種類を用いた。
得られた各積層体について、上記複合材シートと同様に、容量法により 400 MHz の周波数帯において、−10℃、30℃、50℃、70℃、85℃、110℃を基準とする比誘電率および誘電正接を測定した。結果を表2および表3に併記する。
なお、比誘電率および誘電正接の基準温度の括弧内は、該温度と、エポキシ樹脂系フィルムのTgとの差を示し、例えば、表2の 85℃基準では、Tg(109℃)が該温度(85℃)よりも 24℃ 高いことを示す。表2および表3において、使用(基準)温度よりも 20℃ 以上高いTgを有するエポキシ樹脂系フィルムを用いた場合を実施例としている。
表2に示すように、Tgが 109℃のエポキシ樹脂系フィルムを用いた積層体は、−10℃、30℃、50℃、70℃、85℃においては誘電正接が 0.01 以下であった。また、表3に示すように、Tgが 70℃のエポキシ樹脂系フィルムを用いた積層体は、−10℃、30℃、50℃において誘電正接が 0.01 以下であり、Tg以上の温度では誘電正接が大幅に大きい値となった。
これらの結果より、使用温度よりも 20℃ 以上高いTgを有するエポキシ樹脂系フィルムを用いた積層体では、誘電正接が 0.01 以下であり、高周波用電子部品として好ましい特性を示すことが分かる。
これらの結果より、使用温度よりも 20℃ 以上高いTgを有するエポキシ樹脂系フィルムを用いた積層体では、誘電正接が 0.01 以下であり、高周波用電子部品として好ましい特性を示すことが分かる。
本発明の誘電性エラストマー積層体は、エラストマーに誘電性セラミックス粉末を配合してなる複合材シートの表面に、使用温度領域の上限値よりも 20℃ 以上高いガラス転移点を有するエポキシ樹脂系フィルムを積層させたので、周波数 100 MHz 以上の高周波帯で上記上限値付近の高温で使用しても、低誘電正接を保つことができる。その結果、この誘電性エラストマー積層体は高周波用電子部品として好適に利用できる。
Claims (8)
- 周波数 100 MHz 以上の高周波帯で電気信号を取り扱うための高周波用電子部品に使用される誘電性エラストマー積層体であって、
該誘電性エラストマー積層体は、エラストマーに誘電性セラミックス粉末を配合してなる複合材シートの表面に、前記高周波用電子部品の使用温度領域の上限値よりも 20℃ 以上高いガラス転移点を有するエポキシ樹脂系フィルムを積層させたことを特徴とする誘電性エラストマー積層体。 - 前記高周波用電子部品の使用温度領域は、−10℃〜70℃であることを特徴とする請求項1記載の誘電性エラストマー積層体。
- 前記誘電性エラストマー積層体は、前記使用温度領域で周波数 400 MHzの測定において、比誘電率が 3〜20、誘電正接が 0.01 以下であることを特徴とする請求項1または請求項2記載の誘電性エラストマー積層体。
- 前記エラストマー単体の比重が 0.8〜1.1 であることを特徴とする請求項1、請求項2または請求項3記載の誘電性エラストマー積層体。
- 前記エラストマーは、スチレン系およびオレフィン系エラストマーの中から選ばれる少なくとも1つのエラストマーであることを特徴とする請求項4記載の誘電性エラストマー積層体。
- 前記エラストマーがエチレンプロピレンゴムであることを特徴とする請求項5記載の誘電性エラストマー積層体。
- 周波数 100 MHz 以上の高周波帯で電気信号を取り扱うための高周波用電子部品であって、
該高周波用電子部品は請求項1ないし請求項6のいずれか一項記載の誘電性エラストマー積層体を用いてなることを特徴とする高周波用電子部品。 - 前記エポキシ樹脂系フィルムを介して前記複合材シートの表面に電極となる金属箔を張合わせ加工することにより得られることを特徴とする請求項7記載の高周波用電子部品。
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---|---|---|---|
JP2007242497A JP2009076256A (ja) | 2007-09-19 | 2007-09-19 | 誘電性エラストマー積層体および高周波用電子部品 |
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JP2007242497A JP2009076256A (ja) | 2007-09-19 | 2007-09-19 | 誘電性エラストマー積層体および高周波用電子部品 |
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-
2007
- 2007-09-19 JP JP2007242497A patent/JP2009076256A/ja active Pending
Patent Citations (2)
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JP2007043236A (ja) * | 2005-07-29 | 2007-02-15 | Ntn Corp | 誘電体アンテナ |
JP2007083613A (ja) * | 2005-09-22 | 2007-04-05 | Ntn Corp | 複合誘電性エラストマーシート |
Non-Patent Citations (1)
Title |
---|
JPN6012055580; 新保正樹: エポキシ樹脂ハンドブック 初版1刷, 19871225, 38頁, 日刊工業新聞社 * |
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