JP2009075323A - 防眩フィルムおよび防眩層形成用塗液 - Google Patents

防眩フィルムおよび防眩層形成用塗液 Download PDF

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Abstract

【課題】本発明にあっては、面内でムラのない防眩フィルムを提供することを課題とする。
【解決手段】トリアセチルセルロースフィルム上に直接防眩層を備える防眩フィルムであって、該防眩層が、少なくとも前記粒子と前記電離放射線硬化型材料と溶媒とを含む防眩層形成用塗液をトリアセチルセルロースフィルム上に直接塗布し前記トリアセチルセルロースフィルムフィルム上に塗膜を形成する工程、該塗膜を乾燥する工程、前記塗膜を電離放射線により硬化する工程により形成されたものであり、且つ、前記防眩層のヘイズ値(Hz(T))と、前記トリアセチルセルロースフィルム上に形成される防眩層と同一の条件により、前記防眩層形成用塗液を用いてポリエチレンテレフタレートフィルム上に直接形成される防眩層のヘイズ値(Hz(P))の差(Hz(T)−Hz(P))が1.3%以上3.2%以下の範囲内であることを特徴とする防眩フィルムとする。
【選択図】図1

Description

本発明は、窓やディスプレイなどの表面に設けられる防眩フィルムに関する。特に、液晶ディスプレイ(LCD)、CRTディスプレイ、有機エレクトロルミネッセンスディスプレイ(ELD)、プラズマディスプレイ(PDP)、表面電界ディスプレイ(SED)、フィールドエミッションディスプレイ(FED)などのディスプレイの表面に設けられる防眩フィルムに関する。
液晶ディスプレイ、CRTディスプレイ、ELディスプレイ、および、プラズマディスプレイなどのディスプレイは、視認性の観点で下記の幾つかの問題がある。
・視聴時に外光が写りこむ。
・ディスプレイからの表示光によりディスプレイ表面で面ぎら(シンチレーション)が発生する。
・ディスプレイから拡散されずに直接くる表示光の眩しさなどにより視認性が悪化する。
・輝度むらなどの欠陥によって視認性が悪化する。
このような視認性の低下、悪化を解決するために、防眩フィルムをディスプレイの前面に設けることが知られている。
防眩フィルムとしては、例えば、下記の技術が知られている。
・エンボス加工法により防眩フィルム表面に凹凸構造を形成する技術
・バインダマトリックス形成材料中に粒子を混入させた塗液を塗布し、バインダマトリックス中に粒子を分散させることにより、防眩フィルム表面に凹凸構造を形成する技術
このようにして形成される凹凸構造を表面に備える防眩フィルムにおいては、表面凹凸構造により防眩フィルム入射する外光が散乱することにより、外光の像が不鮮明となり、ディスプレイ表面に外光が移りこむことによる視認性の低下を防ぐことが可能となる。
ここで、エンボス加工により表面に凹凸が形成されている防眩フィルムは、表面凹凸を完全に制御できる。そのため、再現性が良い。しかし、エンボスロールに欠陥または異物付着があるとロールのピッチで延々欠陥が出るといった問題がある。
一方、バインダマトリックスと粒子を用いた防眩フィルムは前記エンボス加工を用いた防眩フィルムよりも工程数が少ない。よって、安価に製造できる。そのため、バインダマトリックス中に粒子を分散させた様々な態様の防眩フィルムが知られている(特許文献1)。
バインダマトリックスと粒子を用いた防眩フィルムにあっては、例えば、以下のような技術が開示されている。
・バインダマトリックス樹脂と球形粒子と不定形粒子を併用する技術(特許文献2)
・バインダマトリックス樹脂と複数の粒径の異なる粒子を用いる技術(特許文献3)
・表面凹凸を有し、凹部の断面積を規定した技術(特許文献4)
バインダマトリックスと粒子を用い透明基材上に防眩層を形成するにあっては、例えば、以下のような技術が知られている。
・防眩層と透明基材であるトリアセチルセルロースフィルムとの密着性向上を目的として、防眩層が、透明基材であるトリアセチルセルロースフィルムを溶解する1種類以上の溶剤と、トリアセチルセルロースフィルムを溶解しない1種類以上の溶剤を用いた塗液から形成される技術(特許文献5)
特開平6−18706号公報 特開2003−260748号公報 特開2004−004777号公報 特開2003−004903号公報 特開2002−169001号公報
表面に凹凸構造を備える防眩フィルムにあっては、凹凸構造が面内で均一であることが求められる。そして、凹凸構造が面内で不均一の場合にはムラ不良として確認される。特に、ディスプレイ表面に設けられる防眩フィルムにあっては、使用者は様々な方向から長時間にわたってディスプレイ画面を観察するため、防眩フィルム表面にムラがないこと、表面の凹凸構造が面内で高い均一性を有していることが求められる。本発明にあっては、面内でムラのない防眩フィルムを提供することを課題とする。
上記課題を解決するために請求項1にかかる発明は、トリアセチルセルロースフィルム上に直接、粒子と電離放射線硬化型材料を硬化してなるバインダマトリックスとを含む防眩層を備える防眩フィルムであって、該防眩層が、少なくとも前記粒子と前記電離放射線硬化型材料と溶媒とを含む防眩層形成用塗液を前記トリアセチルセルロースフィルム上に直接塗布し前記トリアセチルセルロースフィルム上に塗膜を形成する工程、該塗膜を乾燥する工程、前記塗膜を電離放射線により硬化する工程により形成されたものであり、且つ、前記トリアセチルセルロースフィルム上に形成される防眩層のヘイズ値(Hz(T))と、前記トリアセチルセルロースフィルム上に形成される防眩層と同一の条件により、前記防眩層形成用塗液を用いてポリエチレンテレフタレートフィルム上に直接形成される防眩層のヘイズ値(Hz(P))とのヘイズ差(Hz(T)−Hz(P))が1.3%以上3.2%以下の範囲内であることを特徴とする防眩フィルムとした。
また、請求項2にかかる発明としては前記粒子の平均粒径が、前記防眩層の平均膜厚に0.1を掛けた値以上であり、前記防眩層の平均膜厚に1.7を掛けた値以下であることを特徴とする防眩フィルムとした。
また、請求項3にかかる発明としては、観察者側から順に、請求項1または請求項2に記載の防眩フィルム、偏光板、液晶セル、偏光板、バックライトユニットをこの順に備えることを特徴とする透過型液晶ディスプレイとした。
また、請求項4にかかる発明としては少なくとも粒子と電離放射線硬化型材料と溶媒とを含む防眩層形成用塗液であって、
防眩層形成用塗液をトリアセチルセルロースフィルム上に直接塗布し該トリアセチルセルロースフィルム上に塗膜を形成する工程、該塗膜を乾燥する工程、前記塗膜を電離放射線により硬化する工程により形成される防眩層のヘイズ値(Hz(T))と、
前記トリアセチルセルロースフィルム上に形成される防眩層と同一の条件により、前記防眩層形成用塗液を用いてポリエチレンテレフタレートフィルム上に直接形成される防眩層のヘイズ値(Hz(P))とのヘイズ差(Hz(T)−Hz(P))が1.3%以上3.2%以下の範囲内であることを特徴とする防眩層形成用塗液とした。
上記構成の防眩フィルムとすることにより、面内でムラのない防眩フィルムとすることが可能となった。
以下に本発明の防眩フィルムについて説明する。
図1に本発明の防眩フィルムの断面模式図を示した。本発明の防眩フィルム(1)は、トリアセチルセルロースフィルム(11)上に、直接、防眩層(12)を備える。本発明の防眩フィルム(1)の防眩層(12)は、電離放射線硬化型材料を硬化してなるバインダマトリックス(121)と粒子(120)を含む。なお、本発明において、トリアセチルセルロースフィルム上に直接防眩層を設けるとは、トリアセチルセルロースフィルム上に他の層を介さずに防眩層を設ける意味である。
本発明にあっては、透明基材としてトリアセチルセルロースフィルムを用いる。トリアセチルセルロースフィルムにあっては、複屈折率が小さく、透明性が良好であることから、ディスプレイ、特に、液晶ディスプレイ表面に防眩フィルムを設ける際に好適に用いることができる。
本発明の防眩フィルムにあっては、防眩層中に含まれる粒子によって表面に凹凸構造が形成される。そして、防眩層表面の凹凸構造により、防眩フィルムに入射する外光を散乱することができ、反射する外光の像を不鮮明とすることができる。本発明の防眩フィルムにおける防眩層の膜厚は、(H)は2μm以上25μm以下の範囲内であることが好ましい。防眩層の平均膜厚が2μmを下回る場合、得られる防眩フィルムはディスプレイ表面に設けられるだけの十分な表面硬度を得ることができなくなってしまうことがある。一方、防眩層の平均膜厚が25μmを超えるような場合、コスト高になり、また、得られる防眩フィルムのカールの度合いが大きくなってしまいディスプレイ表面に設けるための加工工程に適さないことがある。なお、より好ましい防眩層の平均膜厚は3μm以上12μm以下である。
本発明の防眩層は、少なくとも粒子と電離放射線硬化型材料と溶媒を含む防眩層形成用塗液を用い、トリアセチルセルロースフィルム基材上に塗布し、トリアセチルセルロースフィルム上に塗膜を形成する塗布工程、前記塗膜の溶媒分を除去するためにおこなわれる塗膜を乾燥する乾燥工程、前記溶媒分が除去された塗膜に対し電離放射線を照射することにより塗膜を硬化させ防眩層とする硬化工程により形成される。
図2に、防眩フィルムのムラ発生のメカニズムを説明するための説明図を示す。図2(a)、(b)においては、トリアセチルセルロースフィルム(11)に、中間層(13)が形成されており、中間層(13)上に、バインダマトリックス(121)と粒子(120)を含む防眩層が形成されている。
ここで、中間層(13)とは、トリアセチルセルロースフィルム(11)成分と、防眩層のバインダマトリックス(121)成分が混在した層である。中間層は、防眩層形成用塗液の溶媒としてトリアセチルセルロースフィルムを溶解する溶媒を用いることにより形成される。すなわち、トリアセチルセルロースフィルムを溶解する溶媒を含む防眩層形成用塗液をトリアセチルセルロースフィルム上に塗布し、トリアセチルセルロースフィルムを溶解しながら防眩層を形成することにより、トリアセチルセルロースフィルムと防眩層の間にトリアセチルセルロースフィルム成分と防眩層のバインダマトリックス成分が混在した中間層が形成される。そして、トリアセチルセルロースフィルム成分と防眩層のバインダマトリックス成分が混在した中間層を形成することにより、防眩層とトリアセチルセルロースフィルムの密着性を向上させることができる。
図2においては、中間層(13)の膜厚が薄い場合(a)と中間層(13)の膜厚が厚い場合(b)が示してある。図2(b)の防眩フィルムでは、図2(a)の防眩フィルムと比較して、中間層の膜厚が厚くなっている。このとき、図2(a)と図2(b)における単位面積あたりの防眩層形成用塗液の塗布量を同じとすると、中間層を除いた防眩層におけるバインダマトリックスに対する粒子の割合は、図2(a)の防眩層と比較して図2(b)の防眩層のほうが高い。これは、バインダマトリックス形成材料の一部が中間層を形成するために用いられているからである。そして、図2(b)の防眩層は図2(a)の防眩層と比較してバインダマトリックスにおける粒子の割合が高いために、図2(b)において、粒子によって形成される防眩層表面の凹凸構造は、図2(a)と比較して大きくなる。
図2における中間層は、防眩層形成用塗布液中のトリアセチルセルロースフィルムを溶解する溶媒によりトリアセチルセルロースフィルム表面を溶解しながら徐々に形成されていく。したがって、中間層に粒子の入り込む余地は少なく、その分、相対的に中間層の上の防眩層におけるバインダマトリックスに対する粒子の割合が、防眩層形成用塗液中におけるバインダマトリックス形成材料に対する粒子の割合と比較して大きくなるのである。
本発明者らは、以下の(1)〜(4)に示した機構により、形成される防眩フィルムにムラが発生することを見出した。
(1)トリアセチルセルロースフィルム上にある防眩層形成用塗液からなる塗膜における溶媒の除去スピードが面内によって異なる。
(2)面内における塗膜の除去スピードが異なることにより、図2(a)、(b)に示したようなトリアセチルセルロースフィルムと防眩層の間に形成される中間層の膜厚に差が発生する。
(3)前記中間層の膜厚の差によって、粒子によって形成される表面の凹凸構造に差が発生する。
(4)防眩層表面における凹凸構造の差から防眩フィルムの面内におけるムラが発生する。
そして、本発明においては、ポリエチレンテレフタレートフィルム上に、トリアセチルフィルム上に形成される防眩層と同一の形成条件で防眩層を形成し、両者の防眩層のヘイズ値を比較することにより、ムラの発生しやすい防眩層形成用塗液とムラの発生しにくい防眩層形成用塗液を区別することができ、面内におけるムラのない防眩フィルムとすることができた。
ポリエチレンテレフタレート(PET)フィルムは耐溶剤性が高く、防眩層形成用塗液として通常用いられる溶媒に対してはほとんど溶解することがなく、したがって中間層は形成されない。トリアセチルセルロースフィルム上に形成される防眩層は、ポリエチレンテレフタレートフィルムに形成される防眩層と比較して、中間層の存在により、バインダマトリックスにおける粒子の割合が高くなり、表面に置ける凹凸構造がより大きくなることから、高いヘイズ値を示す。ここで、トリアセチルセルロースフィルム上に形成される防眩層のヘイズ値(Hz(T))と、ポリエチレンテレフタレートフィルム上に形成される防眩層のヘイズ値(Hz(P))とのヘイズ差(Hz(T)−Hz(P))が小さい防眩層形成塗液を選択することにより、トリアセチルセルロースフィルムと防眩層の界面に形成される中間層の厚さを概算することができ、過剰な中間層の形成を防ぐことができ、面内にムラのない防眩フィルムとすることができるのである。
具体的には、トリアセチルセルロースフィルム上に防眩層が直接形成された防眩フィルムの防眩層のヘイズ値(Hz(T))から、ポリエチレンテレフタレートフィルム上に直接形成された防眩フィルムの防眩層のヘイズ値(Hz(P))を引いた値(Hz(T)−Hz(P))が、1.3%以上3.2%以下の範囲内であることを特徴とする。
Hz(T)−Hz(P)が3.2%を超える場合にあっては、防眩層形成用塗液のトリアセチルセルロースフィルムに対する溶解性が高く、トリアセチルセルロースフィルムを透明基材とする防眩フィルムにおいて中間層の膜厚が大きすぎるため、防眩フィルム表面において面内でムラが発生する。一方、Hz(T)−Hz(P)が1.3%に満たない場合であっては、防眩層形成用塗液のトリアセチルセルロースフィルムに対する溶解性が低く、トリアセチルセルロースフィルムを透明基材とする防眩フィルムにおいて中間層がほとんど形成されていないため、防眩層とトリアセチルセルロースフィルムの密着性が低下する。
なお、より好ましい、トリアセチルセルロースフィルム上に防眩層が直接形成された防眩フィルムの防眩層のヘイズ値(Hz(T))からポリエチレンテレフタレートフィルム上に直接形成された防眩フィルムの防眩層のヘイズ値(Hz(P))を引いた値(Hz(T)−Hz(P))の範囲は、1.3%以上2.2%以下である。
なお、本発明において防眩層のヘイズ値とは、透明基材であるトリアセチルセルロースフィルム若しくはポリエチレンテレフタレートフィルム上に防眩層を形成してなる防眩フィルムのヘイズ値から透明基材であるトリアセチルセルロースフィルム若しくはポリエチレンテレフタレートフィルム単体のヘイズ値を除いたヘイズ値である。なお、これらのヘイズ値は、ヘイズメーターを用いJIS−K7105に準じて測定される。
また、本発明の防眩フィルムに用いられる粒子の平均粒径の好ましい範囲は、前記防眩層の平均膜厚に0.1を掛けた値以上であり、1.7を掛けた値以下であることが好ましい。粒子の平均粒径が防眩層の平均膜厚に0.1を掛けた値以下の場合、中間層の膜厚の変動による粒子によって形成する防眩層表面の凹凸構造の変化によるムラは目立たなくなる傾向にある。一方、粒子の平均膜厚が防眩層の平均膜厚に1.7を掛けた値を超える場合、形成された防眩層表面から粒子が欠落しやすい傾向となる。
なお、本発明において、防眩層の平均膜厚とは、表面凹凸のある防眩層の膜厚の平均値のことである。平均膜厚は、電子マイクロメーター、全自動微細形状測定機により求めることができる。また、本発明に用いられる粒子の平均粒径は、光散乱式粒子径分布測定装置により求められる。なお、平均粒径の異なる複数の種類の粒子を用いるにあっては、少なくともそのうちの1種類が上記範囲内にあることが好ましい。
次に、本発明の防眩フィルムの製造方法について説明する。本発明の防眩フィルムは、少なくとも粒子と電離放射線硬化型材料と溶媒を含む防眩層形成用塗液を用い、トリアセチルセルロースフィルム上に塗布し、トリアセチルセルロースフィルム上に塗膜を形成する塗布工程、前記塗膜の溶媒分を除去するためにおこなわれる塗膜を乾燥する乾燥工程、前記溶媒分が除去された塗膜に対し電離放射線を照射することにより塗膜を硬化させ防眩層とする硬化工程により形成される。
透明基材である、トリアセチルセルロースフィルムは、前述の通り、複屈折率が小さく、透明性が良好であることから、ディスプレイ、特に、液晶ディスプレイ表面に防眩フィルムを設ける際に好適に用いることができる。トリアセチルセルロースフィルムは公知のものを使用することができ、その膜厚は、25μm以上200μm以下の範囲内にあることが好ましく、さらには、40μm以上80μm以下の範囲内にあることが好ましい。
また、本発明に用いられるポリエチレンテレフタレートフィルムについても公知のものを使用することができる。なお、ポリエチレンテレフタレートフィルムの膜厚は、トリアセチルセルロースフィルムと同程度であることが好ましい。
本発明に用いられる防眩層形成用塗液について説明する。本発明の防眩層形成用塗液は、少なくとも粒子と電離放射線硬化型材料と溶媒を含む。
本発明に用いられる粒子としては、アクリル粒子(屈折率1.49)、アクリルスチレン粒子(屈折率1.49〜1.59)、ポリスチレン粒子(屈折率1.59)、ポリカーボネート粒子(屈折率1.58)、メラミン粒子(屈折率1.66)、エポキシ粒子(屈折率1.58)、ポリウレタン粒子(屈折率1.55)、ナイロン粒子(屈折率1.50)、ポリエチレン粒子(1.50〜1.56)、ポリプロピレン粒子(屈折率1.49)、シリコーン粒子(屈折率1.43)、ポリテトラフルオロエチレン粒子(屈折率1.35)、ポリフッ化ビニリデン粒子(屈折率1.42)、ポリ塩化ビニル粒子(屈折率1.54)、ポリ塩化ビニリデン粒子(屈折率1.62)といった有機粒子や、シリカ粒子(屈折率1.48)、アルミナ粒子(屈折率1.76)、タルク(屈折率1.54)、各種アルミノケイ酸塩(屈折率1.50〜1.60)、カオリンクレー(屈折率1.53)、MgAlハイドロタルサイト(屈折率1.50)、などの無機粒子から適宜選択される。なお、本発明に用いられる粒子は1種類でも複数の種類の粒子であっても構わない。
本発明の防眩層形成用塗液に含まれる、バインダマトリックス形成材料として用いられる電離放射線硬化型材料としては、多価アルコールのアクリル酸またはメタクリル酸エステルのような多官能性のアクリレート、ジイソシアネートと多価アルコール及びアクリル酸またはメタクリル酸のヒドロキシエステル等から合成されるような多官能のウレタンアクリレートを使用することができる。またこれらの他にも、電離放射線型材料として、アクリレート系の官能基を有するポリエーテル樹脂、ポリエステル樹脂、エポキシ樹脂、アルキッド樹脂、スピロアセタール樹脂、ポリブタジエン樹脂、ポリチオールポリエン樹脂等を使用することができる。
中でも、電離放射線硬化型材料としては、3官能アクリレートモノマーまたは4官能アクリレートモノマーを用いることが好ましい。3官能アクリレートモノマーまたは4官能アクリレートモノマーを用いることにより十分な耐擦傷性を備える防眩フィルムとすることができる。3官能アクリレートモノマーと4官能アクリレートモノマーの具体例としては、多価アルコールのアクリル酸またはメタクリル酸エステルのような多官能性のアクリレートモノマー、または、ジイソシアネートと多価アルコール及びアクリル酸またはメタクリル酸のヒドロキシエステル等から合成されるような多官能のウレタンアクリレートモノマーのうち、3官能及び4官能のものを指す。このとき、3官能アクリレートモノマー若しくは4官能アクリレートモノマーをバインダマトリックス形成材料に対し合計80wt%以上用いることが好ましい。
また、バインダマトリックス形成材料としては、電離放射線硬化型材料の他に熱可塑性樹脂等を加えることもできる。熱可塑性樹脂としては、アセチルセルロース、ニトロセルロース、アセチルブチルセルロース、エチルセルロース、メチルセルロース等のセルロース誘導体、酢酸ビニル及びその共重合体、塩化ビニル及びその共重合体、塩化ビニリデン及びその共重合体等のビニル系樹脂、ポリビニルホルマール、ポリビニルブチラール等のアセタール樹脂、アクリル樹脂及びその共重合体、メタクリル樹脂及びその共重合体等のアクリル系樹脂、ポリスチレン樹脂、ポリアミド樹脂、線状ポリエステル樹脂、ポリカーボネート樹脂等を使用できる。熱可塑性樹脂を加えることにより、製造される防眩フィルムのカールを抑制することができる。
防眩層形成用塗液に用いられる溶媒としては、公知の溶媒を用いることができる。溶媒には、トリアセチルセルロースと防眩層の間に中間層を形成させるために少なくともトリアセチルセルロースフィルムを溶解する溶媒を含む必要がある。溶媒としてはトリアセチルセルロースフィルムを溶解する溶媒とトリアセチルセルロースフィルムを溶解しない溶媒を組み合わせ混合溶媒とすることが好ましい。
このとき、トリアセチルセルロースフィルムを溶解させる溶媒としては、ジブチルエーテル、ジメトキシメタン、ジメトキシエタン、ジエトキシエタン、プロピレンオキシド、ジオキサン、ジオキソラン、トリオキサン、テトラヒドロフラン、アニソールおよびフェネトール等のエーテル類、またアセトン、メチルエチルケトン、ジエチルケトン、ジプロピルケトン、ジイソブチルケトン、シクロペンタノン、シクロヘキサノン、メチルシクロヘキサノン、およびエチルシクロヘキサノン等の一部のケトン類、また蟻酸エチル、蟻酸プロピル、蟻酸n−ペンチル、酢酸メチル、酢酸エチル、プロピオン酸メチル、プロピオン酸エチル、酢酸n−ペンチル、およびγ−プチロラクトン等のエステル類、さらには、メチルセロソルブ、セロソルブ、ブチルセロソルブ、セロソルブアセテート等のセロソルブ類が挙げられる。これらは1種単独であるいは2種以上を組み合わせて用いることができる。
トリアセチルセルロースフィルムを溶解させない溶媒としては、トルエン、キシレン、シクロヘキサン、シクロヘキシルベンゼンなどの芳香族炭化水素類、n−ヘキサンなどの炭化水素類、酢酸ブチル、酢酸イソブチル等の一部のエステル類、炭酸ジメチル等の炭酸エステル類、メチルイソブチルケトン、メチルブチルケトンなどの一部のケトン類などが挙げられる。これらは1種単独であるいは2種以上を組み合わせて用いることができる。
また、硬化工程において、電離放射線として紫外線を用いる場合、防眩層形成用塗液には光重合開始剤が加えられる。光重合開始剤は、公知の光重合開始剤を用いることができるが、用いるバインダマトリックス形成材料にあったものを用いることが好ましい。光重合開始剤としては、ベンゾイン、ベンゾインメチルエーテル、ベンゾインエチルエーテル、ベンゾインイソプロピルエーテル、ベンジルメチルケタールなどのベンゾインとそのアルキルエーテル類等が用いられる。光重合開始剤の使用量は、電離放射線硬化型材料に対して0.5wt%以上20wt%以下である。好ましくは1wt%以上5wt%以下である。
本発明にあっては、塗布、形成される防眩層(塗膜)においてハジキといった塗膜欠陥の発生を防止するために、表面調整剤と呼ばれる添加剤を加えても良い。表面調整剤は、その働きに応じて、レベリング剤、消泡剤、界面張力調整剤、表面張力調整剤とも呼ばれるが、いずれも形成される塗膜(防眩層)の表面張力を低下させる働きを備える。
表面調整剤として通常用いられる添加剤としては、シリコーン系添加剤、フッ素系添加剤、アクリル系添加剤等が挙げられる。シリコーン系添加剤にあっては、ポリジメチルシロキサンを基本構造とする誘導体であり、ポリジメチルシロキサン構造の側鎖を変性したものが用いられる。例えば、ポリエーテル変性ジメチルシロキサンがシリコーン添加剤として用いられる。また、フッ素系添加剤としては、パーフルオロアルキル基を備える化合物が用いられる。また、アクリル系添加剤としては、アクリルモノマーやメタクリルモノマーやスチレンモノマーを重合させた構造を基本構造とするものが用いられる。また、アクリル系添加剤にあっては、アクリルモノマーやメタクリルモノマーやスチレンモノマーを重合させた構造を基本構造として、側鎖にアルキル基やポリエーテル基、ポリエステル基、水酸基、エポキシ基等の置換基を含有していても構わない。
また、本発明の防眩層形成用塗液においては、塗液中に先に述べた表面調整剤のほかにも、他の添加剤を加えても良い。ただし、これらの添加剤は形成される防眩層の透明性、光の拡散性などに影響を与えない範囲で加えることが好ましい。機能性添加剤としては、帯電防止剤、紫外線吸収剤、赤外線吸収剤、防汚剤、撥水剤、屈折率調整剤、密着性向上剤、硬化剤、などを使用でき、それにより、形成される防眩層に帯電防止機能、紫外線吸収機能、赤外線吸収機能、防汚機能、撥水機能といった、防眩機能以外の機能を持たせることができる。
塗布工程において、防眩層形成用塗液はトリアセチルセルロースフィルム上に塗布され、塗膜を形成する。防眩層形成用塗液をトリアセチルセルロース上に塗布するための塗工方法としては、ロールコーター、リバースロールコーター、グラビアコーター、ナイフコーター、バーコーター、ダイコーターを用いた塗工方法を使用できる。中でも、ロール・ツー・ロール方式で高速で塗工することが可能なダイコーターを用いることが好ましい。また塗液の固形分濃度は、塗工方法により異なる。固形分濃度は、重量比でおおよそ30〜70重量%が好ましい。
本発明のダイコーター塗布装置について説明する。図3に本発明のダイコーター塗布装置の模式図を示した。本発明のダイコーター塗布装置は、ダイヘッド30が塗液タンク32が配管31によって接続され、送液ポンプ33によって、塗液タンク32の防眩層形成用塗液がダイヘッド30内に送液される構造となっている。ダイヘッド30に送液された防眩層形成用塗液はスリット間隙から塗液を吐出し、トリアセチルセルロースフィルム11上に塗膜が形成される。巻き取り式の透明基材11を用い回転ロール35を使用することにより、ロール・ツー・ロール方式により連続して透明基材上に塗膜を形成することができる。
塗布工程により、トリアセチルセルロースフィルム上に防眩層形成塗液からなる塗膜が形成されたあと、前記塗膜の溶媒分を除去するためにおこなわれる塗膜を乾燥する乾燥工程が設けられる。乾燥手段としては、加熱、送風、熱風等によりおこなわれる。例えば、ロール・ルー・ロール方式で防眩フィルムを製造するにあっては、塗布が終わった後に塗膜を備えるトリアセチルセルロースフィルムを、乾燥炉やオーブンを通過させることにより、溶媒を除去することが可能となる。なお、防眩層形成用塗液がトリアセチルセルロースフィルム上に塗布されてから、塗膜を電離放射線を照射し硬化させることが可能となる状態まで溶媒を除去し塗膜を乾燥させるまでは5分以内におこなうことが好ましい。
乾燥工程により溶媒が除去された塗膜に対し、電離放射線を照射することにより、防眩層が形成される。電離放射線としては、紫外線、電子線を用いることができる。紫外線硬化の場合は、高圧水銀灯、低圧水銀灯、超高圧水銀灯、メタルハライドランプ、カーボンアーク、キセノンアーク等の光源が利用できる。また、電子線硬化の場合はコックロフトワルト型、バンデグラフ型、共振変圧型、絶縁コア変圧器型、直線型、ダイナミトロン型、高周波型等の各種電子線加速器から放出される電子線が利用できる。電子線は、50〜1000KeVのエネルギーを有するのが好ましい。100keV以上300KeV以下のエネルギーを有する電子線がより好ましい。
以上により、本発明のトリアセチルセルロースフィルム上に防眩層を備えてなる防眩フィルムは製造される。なお、本発明において、ポリエチレンテレフタレート上に形成させる防眩層にあっては、トリアセチルセルロースフィルム上に形成される防眩層と同一の条件でおこなう必要がある。
本発明の防眩フィルムは、必要に応じて、反射防止性能、帯電防止性能、防汚性能、電磁波シールド性能、赤外線吸収性能、紫外線吸収性能、色補正性能等を有する機能層が設けられる。これらの機能層としては、反射防止層、帯電防止層、防汚層、電磁波遮蔽層、赤外線吸収層、紫外線吸収層、色補正層等が挙げられる。なお、これらの機能層は単層であってもかまわないし、複数の層であってもかまわない。機能層は、防汚性能を有する反射防止層というように、1層で複数の機能を有していても構わない。また、これらの機能層は、防眩層上に設けることができる。また、トリアセチルセルロースフィルムの防眩層が形成されているのと反対側の面に設けても良い。
図4に本発明の別の態様の防眩フィルムの断面模式図を示した。図4に示した本発明にかかる防眩フィルムにあっては、防眩フィルム(1)は透明基材(11)の一方の面に防眩層(12)を備えてなり、さらに、防眩層(12)上に反射防止層(13)を備えてなる。このとき、反射防止層は、低屈折率層単層で構成される単層構造の反射防止層や、低屈折率層と高屈折率層の繰り返し構造からなる積層構造の反射防止層とすることができる。
次に、図4に示したような、防眩層上に機能層として反射防止層を備える防眩フィルムにおける反射防止層の形成方法について述べる。反射防止層は、低屈折率層単層で構成される単層構造の反射防止層や、低屈折率層と高屈折率層の繰り返し構造からなる積層構造の反射防止層とすることができる。また、反射防止層を形成する方法としては、反射防止層形成用塗液を防眩層表面に塗布し形成する湿式成膜法による方法と、真空蒸着法やスパッタリング法やCVD法といった真空成膜法により形成する方法に分けられる。
以下に、反射防止層として、反射防止層形成用塗液を防眩層表面に塗布し、湿式成膜法により低屈折率層単層を形成する方法について述べる。このとき反射防止層である低屈折率層単層の膜厚(d)は、その膜厚(d)に低屈折率層の屈折率(n)をかけることによって得られる光学膜厚(nd)が可視光の波長の1/4と等しくなるように設計される。低屈折率層としてはバインダマトリックス中に低屈折粒子を分散させたものを用いることができる。
低屈折率粒子としては、フッ化マグネシウムやフッ化カルシウムや多孔質シリカ等の低屈折材料からなる低屈折率粒子を挙げることができる。一方、バインダマトリックス形成材料としては、電離放射線型材料である、多価アルコールのアクリル酸またはメタクリル酸エステルのような多官能性のアクリレート、ジイソシアネートと多価アルコール及びアクリル酸またはメタクリル酸のヒドロキシエステル等から合成されるような多官能のウレタンアクリレートを使用することができる。またこれらの他にも、電離放射線型材料として、アクリレート系の官能基を有するポリエーテル樹脂、ポリエステル樹脂、エポキシ樹脂、アルキッド樹脂、スピロアセタール樹脂、ポリブタジエン樹脂、ポリチオールポリエン樹脂等を使用することができる。これら電離放射線硬化型材料を用いた場合には、紫外線や電子線等の電離放射線を照射することによりバインダマトリックスは形成される。また、バインダマトリックス形成材料として、テトラメトキシシランやテトラエトキシシラン等の珪素アルコキシド等の金属アルコキシドを用いることができる。これらは、加水分解、脱水縮合により、無機系または有機無機複合系バインダマトリックスとすることができる。
また、低屈折率層としては、バインダマトリックス中に低屈折率粒子を分散させたものだけでなく、低屈折粒子を用いずに低い屈折率を備えるフッ素系の有機材料から形成することも可能である。
これら、低屈折率材料とバインダマトリックス形成材料を含む低屈折率層形成用塗液は防眩層表面に塗布される。このとき、低屈折率層形成用塗液には、必要に応じて、溶媒や各種添加剤を加えることができる。溶媒としては、トルエン、キシレン、シクロヘキサン、シクロヘキシルベンゼンなどの芳香族炭化水素類、n−ヘキサンなどの炭化水素類、ジブチルエーテル、ジメトキシメタン、ジメトキシエタン、ジエトキシエタン、プロピレンオキシド、ジオキサン、ジオキソラン、トリオキサン、テトラヒドロフラン、アニソールおよびフェネトール等のエーテル類、また、メチルイソブチルケトン、メチルブチルケトン、アセトン、メチルエチルケトン、ジエチルケトン、ジプロピルケトン、ジイソブチルケトン、シクロペンタノン、シクロヘキサノン、メチルシクロヘキサノン、およびメチルシクロヘキサノン等のケトン類、また蟻酸エチル、蟻酸プロピル、蟻酸n−ペンチル、酢酸メチル、酢酸エチル、プロピオン酸メチル、プロピオン酸エチル、酢酸n−ペンチル、およびγ−プチロラクトン等のエステル類、さらには、メチルセロソルブ、セロソルブ、ブチルセロソルブ、セロソルブアセテート等のセロソルブ類、メタノール、エタノール、イソプロピルアルコール等のアルコール類、水等の中から塗工適正等を考慮して適宜選択される。また、添加剤として、表面調整剤、帯電防止剤、防汚剤、撥水剤、屈折率調整剤、密着性向上剤、硬化剤等を加えることもできる。
また、塗工方法としては、ロールコーター、リバースロールコーター、グラビアコーター、ナイフコーター、バーコーター、ダイコーターを用いた塗工方法を用いることができる。
そして、塗液を透明基材上に塗布することにより得られる塗膜に対し、バインダマトリックス形成材料として電離放射線硬化型材料を用いた場合にあっては、必要に応じて塗膜の乾燥をおこなったあとに、電離放射線を照射することにより、低屈折率層が形成される。また、バインダマトリックス形成材料として金属アルコキシドを用いた場合には、乾燥、加熱等の加熱工程により低屈折率層が形成される。
また、真空成膜法により低屈折率層を形成する場合には、フッ化マグネシウム等の低屈折率材料を真空蒸着法により成膜することにより低屈折率層とすることができる。また、反射防止層を、低屈折率層と高屈折率層の繰り返し構造からなる積層構造を有する反射防止層とする場合にあっては、例えば、防眩層側から順に、高屈折率層として酸化チタン、低屈折率層として酸化ケイ素、高屈折率層として酸化チタン、低屈折率層として酸化ケイ素を真空蒸着法により成膜することにより反射防止層とすることもできる。
図5に本発明の防眩フィルムを用いた透過型液晶ディスプレイを示した。図5(a)の透過型液晶ディスプレイにおいては、バックライトユニット(5)、偏光板(4)、液晶セル(3)、偏光板(2)、防眩フィルム(1)をこの順に備えている。このとき、防眩フィルム(1)側が観察側すなわちディスプレイ表面となる。
バックライトユニット(5)は、光源と光拡散板を備える。液晶セルは、一方の透明基材に電極が設けられ、もう一方の透明基材に電極及びカラーフィルターを備えており、両電極間に液晶が封入された構造となっている。液晶セル(3)を挟むように設けられる偏光板にあっては、透明基材(21、22、41、42)間に偏光層(23、43)を挟持した構造となっている。
図5(a)にあっては、防眩フィルム(1)の透明基材(11)と偏光板(2)の透明基材を別々に備える透過型液晶ディスプレイとなっている。一方、図5(b)にあっては、防眩フィルム(1)のトリアセチルセルロースフィルム(透明基材・11)の防眩層の反対側の面に偏光層(23)が設けられており、トリアセチルセルロースフィルム(透明基材・11)が防眩フィルム(1)の透明基材と偏光板(2)の透明基材を兼ねる構造となっている。
また、本発明の透過型液晶ディスプレイにあっては、他の機能性部材を備えても良い。他の機能性部材としては、例えば、バックライトから発せられる光を有効に使うための、拡散フィルム、プリズムシート、輝度向上フィルムや、液晶セルや偏光板の位相差を補償するための位相差フィルムが挙げられるが、本発明の透過型液晶ディスプレイはこれらに限定されるものではない。
以下に実施例を示す。
(実施例1)
塗液として、(表1)に記載したバインダマトリックス形成材料と(表2)の塗液1に示した粒子Aと粒子Bと溶媒からなる防眩層形成用塗液を用いた。トリアセチルセルロースフィルムとしてトリアセチルセルロースフィルム(富士写真フィルム製 TD−80U)を用いた。そして、防眩層形成用塗液をバーコーター(R.D.S Webster N.Y.社製 #5)を用い塗布し塗膜を形成し、塗布後、塗膜が形成されたトリアセチルセルロースフィルムを1分で50℃に加熱されたオーブンにいれ、オーブンで1分間乾燥をおこない塗膜の溶媒を除去した。溶媒除去後、窒素雰囲気下で高圧水銀灯を用いて400mJ/cmの紫外線照射により、塗膜を硬化させ、トリアセチルセルロースフィルム上に防眩層を備える防眩フィルムを作製した。続いて、透明基材として、トリアセチルセルロースフィルムの代わりにポリエチレンテレフタレートフィルム(東レ製 ルミラー)を用い、トリアセチルセルロースフィルムに防眩層を形成するのと同一の条件で、ポリエチレンテレフタレート上に防眩層を備える比較サンプルを作成した。
(実施例2)
塗液として、(表2)の塗液1の代わりに(表2)の塗液2を用いたこと以外は、(実施例1)と同様にして、トリアセチルセルロースフィルム上に防眩層を備える防眩フィルム、ポリエチレンテレフタレートフィルム上に防眩層を備える比較サンプルを作成した。
(実施例3)
塗液として、(表2)の塗液1の代わりに(表2)の塗液2を用いたこと以外は、(実施例1)と同様にして、トリアセチルセルロースフィルム上に防眩層を備える防眩フィルム、ポリエチレンテレフタレートフィルム上に防眩層を備える比較サンプルを作成した。
(比較例1)
塗液として、(表2)の塗液1の代わりに(表2)の塗液2を用いたこと以外は、(実施例1)と同様にして、トリアセチルセルロースフィルム上に防眩層を備える防眩フィルム、ポリエチレンテレフタレートフィルム上に防眩層を備える比較サンプルを作成した。
(比較例2)
塗液として、(表2)の塗液1の代わりに(表2)の塗液2を用いたこと以外は、(実施例1)と同様にして、トリアセチルセルロースフィルム上に防眩層を備える防眩フィルム、ポリエチレンテレフタレートフィルム上に防眩層を備える比較サンプルを作成した。
(比較例3)
塗液として、(表2)の塗液1の代わりに(表2)の塗液2を用いたこと以外は、(実施例1)と同様にして、トリアセチルセルロースフィルム上に防眩層を備える防眩フィルム、ポリエチレンテレフタレートフィルム上に防眩層を備える比較サンプルを作成した。
(比較例4)
塗液として、(表2)の塗液1の代わりに(表2)の塗液2を用いたこと以外は、(実施例1)と同様にして、トリアセチルセルロースフィルム上に防眩層を備える防眩フィルム、ポリエチレンテレフタレートフィルム上に防眩層を備える比較サンプルを作成した。なお、(比較例4)にあっては1種類の粒子により防眩層を形成した。
Figure 2009075323
Figure 2009075323
実施例及び比較例で得られた防眩フィルム及び比較サンプルについて以下の方法でHAZE測定をおこなった。また、実施例及び比較例で得られた防眩フィルムについて以下の方法で、防眩層のムラ評価及び防眩層のトリアセチルセルロースフィルムに対する密着性の評価をおこなった。なお、実施例及び比較例で得られた防眩フィルムの防眩層の平均膜厚を(表3)に示した。
・HAZEの測定
実施例及び比較例で得られた防眩フィルム及び比較サンプルについてヘイズメータ(日本電色社製、NDH2000)を用いJIS―K7105に準じてHAZE値を測定した。あわせて、防眩フィルムに用いたトリアセチルセルロースフィルム(富士写真フィルム製TD−80U)、比較サンプルに用いたポリエチレンテレフタレートフィルム(東レ製 ルミラー)単体のHAZE値を測定した。
防眩フィルムのHAZE値からトリアセチルセルロースフィルム単体のHAZE値を引くことにより、防眩フィルムの防眩層のヘイズ値(Hz(T))を求めた。また、比較サンプルのHAZE値からポリエチレンテレフタレートフィルム(東レ製 ルミラー)単体のHAZE値を引くことにより、比較サンプルの防眩層のヘイズ値(Hz(P))を求めた。(表3)にHz(T)、Hz(P)及びヘイズ差(Hz(t)−Hz(p))を示す。
・防眩層のムラ評価
実施例及び比較例で得られた防眩フィルムを透過または黒色のプラスチック板に貼り合せた状態で、目視評価した。表3にムラ評価の結果を示す。目視評価の結果、スジやムラなどが全く認識できなかった場合を二重丸印、僅かに認識できるが気にならないレベルである場合を丸印、認識し易く気になる場合バツ印とした。
・密着性の評価
実施例及び比較例で得られた防眩フィルムについて、促進耐候性試験機(岩崎電気製SUV−W13)を用い、3時間紫外線照度64mW/cmで照射し光促進試験をおこなった。光促進試験をおこなった防眩フィルムに対し、碁盤目テープ法(JIS K5400に準拠)により防眩層とトリアセチルセルロースフィルムとの密着性の評価を以下のようにしておこなった。
まず、光促進試験をおこなった防眩フィルムを鋼板に固定し、防眩層表面に対し碁盤目状にカッターにより切り傷をいれ、10マス×10マス=100マスの碁盤目を作製した。このとき、1マスのサイズは1mm×1mmである。次に、セロハン粘着テープと防眩層の碁盤目状の切り傷とを貼り合わせ、その後、粘着テープを剥がしとることにより防眩層とトリアセチルセルロースフィルムとの付着状態を顕微鏡により確認した。(表3)に密着性評価試験の結果を示す。粘着テープを剥がした際に、防眩層が全く剥離しなかったものを丸印、防眩層が1マス以上剥がれたものをバツ印とした。
表3に実施例及び比較例で得られた防眩フィルム及び比較サンプルのHAZE値、防眩フィルムのムラ評価結果、密着性評価結果を示す。
Figure 2009075323
図1は本発明の防眩フィルムの断面模式図である。 図2は防眩フィルムのムラ発生のメカニズムを説明するための説明図である。 図3は本発明のダイコーター塗布装置の模式図を示した。 図4は本発明の別の態様の防眩フィルムの断面模式図を示した。 図5は本発明の防眩フィルムを用いた透過型液晶ディスプレイである。
符号の説明
1 防眩フィルム
11 トリアセチルセルロースフィルム
12 防眩層
120 粒子
121 バインダマトリックス
13 中間層
14 反射防止層(機能層)
H 防眩層の平均膜厚
2 偏光板
21 トリアセチルセルロースフィルム(透明基材)
22 透明基材
23 偏光層
3 液晶セル
4 偏光板
41 透明基材
42 透明基材
43 偏光層
5 バックライトユニット
7 偏光板ユニット

Claims (4)

  1. トリアセチルセルロースフィルム上に直接、粒子と電離放射線硬化型材料を硬化してなるバインダマトリックスとを含む防眩層を備える防眩フィルムであって、
    該防眩層が、少なくとも前記粒子と前記電離放射線硬化型材料と溶媒とを含む防眩層形成用塗液を前記トリアセチルセルロースフィルム上に直接塗布し前記トリアセチルセルロースフィルム上に塗膜を形成する工程、該塗膜を乾燥する工程、前記塗膜を電離放射線により硬化する工程により形成されたものであり、且つ、
    前記トリアセチルセルロースフィルム上に形成される防眩層のヘイズ値(Hz(T))と、前記トリアセチルセルロースフィルム上に形成される防眩層と同一の条件により、前記防眩層形成用塗液を用いてポリエチレンテレフタレートフィルム上に直接形成される防眩層のヘイズ値(Hz(P))とのヘイズ差(Hz(T)−Hz(P))が1.3%以上3.2%以下の範囲内であることを特徴とする防眩フィルム。
  2. 前記粒子の平均粒径が、前記防眩層の平均膜厚に0.1を掛けた値以上であり、前記防眩層の平均膜厚に1.7を掛けた値以下であることを特徴とする防眩フィルム。
  3. 観察者側から順に、請求項1または請求項2に記載の防眩フィルム、偏光板、液晶セル、偏光板、バックライトユニットをこの順に備えることを特徴とする透過型液晶ディスプレイ。
  4. 少なくとも粒子と電離放射線硬化型材料と溶媒とを含む防眩層形成用塗液であって、
    防眩層形成用塗液をトリアセチルセルロースフィルム上に直接塗布し該トリアセチルセルロースフィルム上に塗膜を形成する工程、該塗膜を乾燥する工程、前記塗膜を電離放射線により硬化する工程により形成される防眩層のヘイズ値(Hz(T))と、
    前記トリアセチルセルロースフィルム上に形成される防眩層と同一の条件により、前記防眩層形成用塗液を用いてポリエチレンテレフタレートフィルム上に直接形成される防眩層のヘイズ値(Hz(P))とのヘイズ差(Hz(T)−Hz(P))が1.3%以上3.2%以下の範囲内であることを特徴とする防眩層形成用塗液。
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