JP2009075015A - 流量計測装置及び流量計測方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】流量に関する演算の簡略化及び器具判別精度の向上を図るとともに、複数器具の運転時においても使用器具を精度良く判別可能にする。
【解決手段】ガスメータ100において、超音波流量計101がガス供給管20に流れるガスの流量を一定時間間隔で計測し、差分演算部103が計測された流量の一定時間毎の差分値を演算する。そして、差分値変換部104は、差分値の大きさに応じた複数の差分値の区分と各区分を表すコードとが対応付けられた流量区分表110aに基づき、演算された差分値をコードに変換し、コード列生成部105は、一定時間毎のコードの集合に基づき計測コード列を生成する。器具判別部106は、計測コード列に基づき、流量の安定状態を判別し、この安定状態からの流量変動特性によって流体を使用する器具の複合的な動作を判別する。
【選択図】図1

Description

本発明は、流体の流量の変化を捉えることにより、流体を使用している器具を判別する流量計測装置及び流量計測方法に関する。
従来、ガスメータ装置を有する流体配管系において使用器具を特定するガスメータ装置として、特許文献1に記載のものがある。本文献のガスメータ装置1は、図12に示すように、家庭用ガス供給管に接続された流路6中に配置され、ガス流量を一定時間間隔で計測する流量計測手段3と流量計測手段3から出力される流量値の差分値を求める演算手段4と演算手段4により算出された差分値と記憶手段5内に登録された変化判定値との大きさを比較し、ガス器具の使用状態の変化を判定する比較判定手段7を有する構成である。演算手段4、比較判定手段7、ガス遮断弁2は、制御回路8によって制御されている。
上記ガスメータ装置1においては、流量計測手段3から出力される瞬時流量の差分値の変化を逐次演算し、その変化量でもってガス器具の使用状態の変化を判定するものであり、登録されたデータと計測されたガス流量の変化(差分値)を比較し、使用ガス器具13,14,15の判別を可能とする。
特開2006−313114号公報
上記の構成においては、差分値をそのまま使用しているため、基本的に時間軸上局所的なものとなるため、器具判別の精度が十分なものとは言い難く、長時間に渡り計測した流量値を基に全体的に判断しようとすると、ガス器具の判別に時間がかかるとともに、必要メモリ量などが膨大なものとなる。また、複数の器具が複合的に運転している場合に、それぞれの器具を判別することは困難であった。
本発明は、上記事情に鑑みてなされたもので、流量に関する演算の簡略化及び器具判別精度の向上を図るとともに、複数器具の運転時においても使用器具を精度良く判別することが可能な流量計測装置及び流量計測方法を提供することを目的とする。
本発明は、流路に流れる流体の流量を一定時間間隔で計測する流量計測部と、前記流量計測部によって計測された流量の、前記一定時間毎の差分値を演算する差分演算部と、差分値の大きさに応じた複数の差分値の区分と、各区分を表すコードとが対応付けられた流量区分表と、前記差分演算部によって演算された差分値を、前記流量区分表に基づき前記コードに変換する差分値変換部と、前記差分値変換部によって得られた前記一定時間毎の前記コードの集合に基づく計測コード列を生成するコード列生成部と、前記計測コード列に基づき、流量の安定状態を判別し、この安定状態からの流量変動特性によって流体を使用する器具の複合的な動作を判別する器具判別部と、を備える流量計測装置を提供する。
これにより、計測された流量から求めた計測コード列に基づいて、複数の器具が起動した場合などの複合的な動作を判別することができる。したがって、流量に関する演算の簡略化及び器具判別精度の向上を図るとともに、複数器具の運転時においても使用器具を精度良く判別することが可能となる。
また、本発明は、上記の流量計測装置であって、前記器具判別部は、前記流量の値の平均化を行うことにより前記安定状態における特定点を判別するものを含む。
これにより、流量の安定状態における特定点を判別し、この特定点に関する流量変動特性によって流体を使用する器具の複合的な動作を判別することが可能となる。
また、本発明は、上記の流量計測装置であって、前記器具判別部は、前記特定点として、前記安定状態における開始点、中間点、終了点のうちの少なくとも一つを判別するものを含む。
これにより、安定状態における終了点、中間点、開始点などを特定点として判別し、これらの特定点に対する増加または減少等の流量変動特性によって器具の起動や停止などを判別できる。また、器具の複合動作時の起動判別や器具判別等が可能である。
また、本発明は、上記の流量計測装置であって、前記器具判別部は、前記平均化の手法として、前記安定状態における流量の移動平均を行うものを含む。
これにより、例えば非安定系の器具の動作時に流量値が漸次変化している場合などにおいて、移動平均によって安定状態における特定点を的確に算出することができる。
また、本発明は、上記の流量計測装置であって、前記器具判別部は、前記平均化の手法として、前記安定状態全体における流量の平均を行うものを含む。
これにより、例えば安定系の器具の動作時などにおいて、安定状態全体の平均によって安定状態における特定点を的確に算出することができる。
また、本発明は、上記の流量計測装置であって、前記流量区分表として、安定状態の区分が異なる複数のテーブルを有し、前記器具判別部は、前記複数のテーブルによる計測コード列を用いて流量の安定状態を判別するものを含む。
これにより、複数のテーブルによる計測コード列を用いることで、例えば流量変動が比較的大きい非安定系の器具の動作時などにおいても、安定状態を判別することが可能である。
また、本発明は、上記の流量計測装置であって、前記器具判別部は、第1のテーブルによる計測コード列において安定状態が検出されない場合に、前記第1のテーブルよりも安定状態の範囲が大きい第2のテーブルによる計測コード列を用いて安定状態とみなすものを含む。
これにより、流量変動が比較的大きい非安定系の器具の動作時などにおいても、第2のテーブルによる計測コード列を用いて安定状態とみなすことができ、この安定状態とみなされる流量変動特性によって複合的な動作を判別することができる。
また、本発明は、上記の流量計測装置であって、前記器具判別部は、流量の安定状態から増加または減少状態を経て安定状態になることを判別することにより、器具の複合的な動作を判別するものを含む。
これにより、“流量の安定状態”→“増加または減少状態”→“安定状態”を判別することで、複数器具の立上がりなどの複合的な動作が判別可能となる。
また、本発明は、上記の流量計測装置であって、前記器具判別部は、器具の複合的な動作を判別する際に、前記流量の平均化により判別した安定状態における特定点の情報を用いて、器具起動時の起動事象、器具停止時の停止事象、器具の動作制御による制御増加事象または制御減少事象のうちの少なくとも一つの事象を判別するものを含む。
これにより、流量の安定状態からの起動事象、停止事象、制御増加事象または制御減少事象を判別することで、的確に器具の複合的な動作を判別することができる。
また、本発明は、流路に流れる流体の流量を一定時間間隔で計測するステップと、前記計測された流量の、前記一定時間毎の差分値を演算するステップと、差分値の大きさに応じた複数の差分値の区分と、各区分を表すコードとが対応付けられた流量区分表に基づき、前記演算された差分値を、前記コードに変換するステップと、前記一定時間毎の前記コードの集合に基づく計測コード列を生成するステップと、前記計測コード列に基づき、流量の安定状態を判別し、この安定状態からの流量変動特性によって流体を使用する器具の複合的な動作を判別するステップと、を有する流量計測方法を提供する。
また、本発明は、流量計測装置を制御するコンピュータに、上記の流量計測方法の各ステップを実行させるプログラムを提供する。
また、本発明は、上記いずれかに記載の流量計測装置または流量計測方法またはプログラムを用いた流体供給システムを提供する。
本発明によれば、流量に関する演算の簡略化及び器具判別精度の向上を図るとともに、複数器具の運転時においても使用器具を精度良く判別することが可能な流量計測装置及び流量計測方法を提供できる。
(全体構成)
図1は、本発明の実施形態に係る流量計測装置の構成を示すブロック図である。本実施形態では、ガスの流体供給システムにおいて、ユーザの家屋等に設置されるガスメータを用いた流量計測装置の構成例を示す。
本実施形態の流量計測装置としてのガスメータ100は、超音波流量計101、流量情報記憶部102、差分演算部103、差分値変換部104、コード列生成部105、器具判別部106、器具別特性情報保持部107、処理部108、遮断弁109、流量区分表保持部110を有して構成される。
ガスメータ100は、ユーザの家屋等に敷設されたガス供給管20の途中に設けられ、このガス供給管20の下流側の配管には複数のガス器具として器具A21、器具B22、器具C23が接続されている。ガス器具としては、ガステーブル、ファンヒータ、床暖房等、種々の器具が用いられる。このガスメータ100は、屋外または屋内の所定位置に設置される。なお、接続されるガス器具の数は図示例に限るものではなく、任意である。また、ユーザ宅としては、一般住宅の家屋だけでなく、共同住宅、店舗、工場、その他の各種施設を含むものとする。
超音波流量計101は、ガス供給管20の経路中に接続され、流路に流れる流体としてのガスに対し、一定時間間隔(例えば2秒など)で超音波を発射して超音波信号から流量を計測するものであり、一般的なものを使用することができる。流量情報記憶部102は、超音波流量計101で計測された計測流量値と、当該計測流量値を計測した計測時間が対応付けられて記述された流量特性値とを含む流量情報を記憶する。流量特性値としては、単位時間毎の流量差分値などから得られる流量変化の特徴を示す流量パターン、絶対流量値、流量の継続時間や変化時間などの時間情報などが含まれる。これらの超音波流量計101及び流量情報記憶部102が流量計測部の機能を実現する。
差分演算部103は、超音波流量計101によって計測されたガスの流量の、前述した超音波発射間隔に相当する一定時間毎の差分値を演算するものである。例えば後述する図3において、時間4の流量(絶対流量)が128L/h(リットル毎時)であり、次の次のタイミングでの流量が262L/hである場合、このときの差分値は262−128=134(L/h)として演算される。ここで差分値の演算は、次のタイミング(262L/hの流量の次の流量)の流量で行ってもよい。
流量区分表保持部110は、図2に示すような、流量の差分値の大きさに応じた複数の差分値の区分と、各区分を表すコードとが対応付けられた流量区分表110aを記憶し保持するものである。図2において、例えば差分流量が50L/hである場合は、60L/h以下でかつ20L/hを超える範囲に該当し、対応するコードN1は「4」で、コードN2は「1」である。流量区分表110aは、計測された差分値を所定の区分に区分けし、当該区分を表す所定のコードに変換する変換テーブルの役割を果たす。流量区分表110aの区分の数は特に限定されないが、図2では、16(コードN1)と4(コードN2)の2種類が用意されている。すなわち、ガスメータ100は、区分の数が0〜Fの16である流量区分表と、区分の数が0〜3の4である流量区分表を適宜切り替えて使用することができる。
図2に示すように流量区分表において、それぞれコードN1、コードN2で表される2種類の区分が用意されている。コードN1は、流量区分表の区分が、差分流量に応じて16個に区分され、各区分に対して0〜Fのコードが割り当てられている。このコードN1は、それぞれ4ビットで表現することができる。また、コードN2は、流量がゼロと判断する領域(停止領域)、流量が増加していると判断する領域(増加領域)、流量が減少していると判断する領域(減少領域)、流量が安定していると判断する領域(安定領域)の4事象で区分けされ、それぞれの領域の区分に対して0,1,2,3のコードが対応付けられている。このコードN2は、それぞれ2ビットで表現することができる。すなわち、0は"00",1は"01"、2は"10"、3は"11"で表現することができる。このように、区分を従来の差分値ではなく、コードを用いて表すことにより、マイコンプログラムとのより良い親和性が確保され、少ないメモリサイズと演算量で判断指標を提供することができる。
なお、本例では、流量がゼロと判断される領域を挙げたが、実際の装置では実際に計測される流量が、多少のばらつきを有するため完全にゼロとなることはあまりない。したがって、流量がゼロとなるのはほぼゼロ、実質的にゼロとなったときをも含む。
また、コードN1においては、各領域が異なる流量間隔を有して細分化されている。例えば増加領域においては、差分流量の小さい方が間隔が小さくなっている。例えば、コード"6"の領域では、差分流量の幅が500−350=150L/hであるが、コード"4"の領域では、60−20=40L/h、コード"3"の領域では20−5=15L/hとなっている。このような構成は、差分流量の小さい領域ではこの差分流量に該当する器具の種類が多いため、判別精度を上げるために間隔を小さくしておく必要から採用されている。
差分値変換部104は、差分演算部103によって演算された差分値を、流量区分表110aに基づき、(超音波発射の)一定時間毎の差分値が分類される区分を表す区分コードに変換する。コード列生成部105は、差分値変換部104によって得られた一定時間毎の区分コードの集合に基づき、実際の計測により得られた流量を変換したコードの列である計測コード列を生成する。この計測コード列は、流体の流量変化を擬似的に表現するものである。コード列生成部105は、生成された計測コード列を必要に応じて図示せぬメモリに記憶する。
器具判別部106は、コード列生成部105によって生成された計測コード列に基づき、流体としてのガスを使用しているガス器具を判別する。器具別特性情報保持部107は、器具判別を行うための各ガス器具に固有のコード列を示す器具固有コード列を含む特性情報を器具ごとに保持する。器具判別部106は、計測コード列と、予めガス器具ごとに器具別特性情報保持部107に記憶された器具固有コード列とを比較し、その類似関係等からガスを使用するガス器具を判別する。
処理部108は、計測コード列に基づく流量情報の解析処理、前記器具の判別結果や流量解析結果に応じた保安処理や料金算出処理、情報の入出力処理、各部の動作制御など、各種処理を行うものである。ここで、差分演算部103、差分値変換部104、コード列生成部105、器具判別部106、処理部108は、マイクロコンピュータ(マイコン)等を構成するプロセッサ及び動作プログラムにより構成され、プロセッサにおいて所定の動作プログラムを実行して対応する処理を行うことにより、各機能が実現される。また、流量情報記憶部102、器具別特性情報保持部107、流量区分表保持部110は、RAM等のメモリにより構成される。
次に、本実施形態の流量計測装置における動作を説明する。ガスメータ100では、まず、超音波流量計101で流量を計測し、一定時間間隔ごとの時系列の計測流量値を得て、流量情報記憶部102に記憶する。そして、差分演算部103において各計測流量値の差分値を算出し、差分値変換部104において流量区分表110aを用いて差分値を区分化した区分コードに変換する。その後、コード列生成部105において、変換された区分コードの集合から計測コード列を生成する。次いで、器具判別部106において、生成された計測コード列に基づき、流量を変換したコード列のパターンから使用しているガス器具を判別する。
本実施形態では、複数のガス器具が複合的に使用されて運転している場合に、それぞれのガス器具を判別可能とした動作例を示す。複合運転時におけるそれぞれのガス器具の判別は、器具判別部106において、計測コード列の“安定領域”→“増加または減少領域”→“安定領域”を検出し、すなわち流量の“安定状態”から“増加または減少状態”を経て“安定状態”を判別して、この安定状態を利用して複数の起動事象を判別することによって行う。なお、複数の停止事象を判別することによっても同様に複数の器具をそれぞれ判別することが可能である。
(第1の実施形態)
第1の実施形態として、動作中の流量が安定している安定系の器具が起動した後にその他の器具が起動した場合の動作例を示す。この第1の実施形態は、図2に示した流量区分表を用いて処理を行う例である。ここでは、安定系の第1の器具Aが起動して動作している状態で、さらに他の安定系の第2の器具Bが起動した場合の複合動作を例示する。
ガスメータ100において、まず、超音波流量計101によって一定時間間隔(例えば2秒など)をおいて計測される流量(絶対流量)Q(n)が、流量情報記憶部102に一旦記憶される。流量情報記憶部102には、時系列に流量Q(n−2)、Q(n−1)、Q(n)、…が記憶されることになる。その後、差分演算部103により、今回計測された流量Q(n)と前々回計測された流量Q(n−2)との差である差分値ΔQ(n)=Q(n)−Q(n−2)を演算する(このとき、差分流量の間隔は4秒となる)。ここで差分流量の求め方としては、間隔を2秒や6秒にしてもよい。
差分値変換部104は、差分演算部103によって演算された差分値ΔQ(n)を、図2の流量区分表110aを参照し、一定時間毎の差分値が分類される区分を表すコードである区分コード(コードN1の4ビットコードまたはコードN2の2ビットコード)に変換する。ここで、区分コードとしてコードN1またはコードN2のいずれを用いるかは自由に選択が可能である。以下では、4区分のコードN2を用いて処理を行う例を示す。
図3は第1の実施形態における流量のコード変換の一例を示す図、図4は図3の場合に対応する第1の実施形態における流量波形のグラフの一例を示す図である。この図3及び図4は、動作中の流量の変動が比較的小さく安定している安定系の器具A(例えば、ガステーブル)が起動した後に、器具Aと同様に動作中の流量の変動が比較的小さく安定している安定系の器具B(例えば、ファンヒータ)が起動した場合の流量データを示したものである。ここでは、過去の器具判別結果または今回の器具判別処理によって、器具Aの種別が判っているものとして、器具Bの種別が何であるかを判別する。この器具Bを判別するための判別情報として、器具Aが安定動作している状態から器具Bが立上がって安定するまでの流量変化量ΔQを求め、ΔQの値によって器具Bの起動等の事象の判別、及び器具Bの器具判別を行う。
図3には、器具Aと器具Bの複合動作時における「流量値」とともに、流量の「差分値」(ここでは4秒差分値)、及びこの流量差分値から変換される区分コードとして16区分の「コードN1」、4区分の「コードN2」が示されている。コードN1、コードN2は、図2に示した流量差分値の大小に応じてそれぞれ対応付けられて区分された流量区分表を用いて、図4の流量変化をコード化することにより、流量差分値に対応する区分コードとして生成される。また、コードN2が「3」となる安定領域における流量値を平均化した「平均流量」が示されている。なお、図3において、「時間」は一定間隔(ここでは2秒)毎のタイミングを時系列に番号によって表すものである。
器具が起動してガス流量が発生すると、超音波流量計101で計測される流量は、図3の流量値、図4のグラフで示されるように、流量Q(n)=0から流量Q(n)≠0となり、器具によるガス使用量に応じて流量が変化する。このとき、超音波流量計101による流量の計測と同時に、差分演算部103によって差分値が演算され、差分値変換部104によって16区分のコードN1、4区分のコードN2への変換が行われる。そして、コード列生成部105により、変換の結果得られた区分コードから、図3に示すコードN1、コードN2の時系列の集合に相当する計測コード列が生成される。このような一定時間毎のコードの集合である実際の計測により得られた計測コード列は、ガスの流量変化を擬似的に表現するものである。コード列生成部105は、得られた計測コード列を必要に応じて図示しないメモリに記録する。
上記のコードN1、コードN2による区分コードから得られる計測コード列は、図3の流量値や図4のグラフのように、流量そのものを表現するものではない。しかしながら、このようなコード列は、ガス流量の変化を概ね表現しており、例えばコードN2の場合、流量がゼロと判断する領域(停止領域)、流量が増加していると判断する領域(増加領域)、流量が減少していると判断する領域(減少領域)、流量が安定していると判断する領域(安定領域)の4事象を擬似的に表している。したがって、計測コード列を用いることによって、おおよその流量の挙動変化を把握することが可能となる。
上述した計測コード列は、従来技術の差分値からなる履歴に比べ、メモリサイズは小さいものとなるため、大変扱いやすいものとなる。したがって、ガスメータなどの装置による各種演算処理が容易となるとともに、装置内もしくはその他の個所に設けられる必要メモリ量を減らすことができる。また、本発明の計測コード列は、従来技術の差分値からなる履歴に比べ、同じ計測時間分のデータであってもメモリサイズは小さいものとなるため、より長い計測時間のデータを扱うことが容易となる。また、このような計測コード列がガス器具毎に固有のものである場合、ガスを使用しているガス器具を判別することが可能となる。
図3及び図4の流量例において、まず器具A(例えば、ガステーブル)が、時間4のタイミングから起動し、時間7のタイミング以降で流量の差分値の変動が小さく安定した状態(4秒差分値が±5L/h以内に収まっている)となっている。続いて、他の器具Bが時間16のタイミングで起動し、時間19のタイミング以降で流量の差分値の変動が小さく安定した状態を継続して、時間31のタイミングで停止している。その後、器具Aが時間43のタイミングで停止している。
図4のグラフにおいて、A1、B、A2の部分は流量が一定のように見えるが、これは流量軸のスケールが圧縮されているためであり、実際の流量は図3の流量値に見られるように変動している(A1:時間7〜15、B:時間19〜30、A2:時間34〜42)。器具判別等を行うためには、このような流量値の変動を何らかの方法で定量化することが必要となる。
図3に示したコードN1、コードN2において、コードN1ではしきい値を細分化しすぎているため、流量変動に伴う計測コード列の変化が激しく、安定領域を見分けにくい。これに対し、コードN2のように粗いしきい値でコード化したものでは、安定領域(「3」の状態)が浮かび上がってくる。ここでは、図3のコードN2において、「0」は停止領域、「1」は増加領域、「2」は減少領域、「3」は安定領域と定義する。そして、本実施形態では、器具判別部106において、安定領域の流量値を平均化し、その平均流量の値を用いて安定状態における開始点、中間点、終了点(流量変動の開始点や終了点)などの特定点を判別し、流量変化量ΔQを求める。その後、流量変化量ΔQによって、器具の起動や停止等の事象の判別、及び器具種別の判別を行う。上記の平均流量等の流量値の算出、及び起動事象等の事象の判別を行う過程を判り易く説明するため、図4の流量グラフを模式的に表現したものが図5である。
図5は第1の実施形態における起動事象及び停止事象の判別手順を説明する図である。まず、起動事象の判定について説明する。器具判別部106は、始めに、安定領域a1部(図4のA1に対応)の流量平均値(例えば安定領域a1全体の流量値の平均)を算出し、この流量平均値を用いて、安定領域a1の終点、すなわち流量変化の開始点における流量値として、開始流量Qs1を定めて記憶する。また、安定領域b部(図4のBに対応)の流量平均値(例えば安定領域b全体の流量値の平均)を算出し、この流量平均値を用いて、安定領域bの始点、すなわち流量変化の終了点における流量値として、終了流量Qe1を定めて記憶する。
そして、記憶した開始流量Qs1と終了流量Qe1から、増加流量ΔQupをΔQup=Qe1−Qs1の式より算出する。この演算を図3及び図4の場合に適用すると、A1部分(図5の安定領域a1部)とB部分(図5の安定領域b部)の流量平均値はそれぞれ図3における平均流量として示したものとなる。よって、この場合の増加流量ΔQupは、ΔQup=580−261=319L/hとなる。
器具判別部106は、器具別特性情報保持部107に記憶された各ガス器具に固有の特性情報を参照し、増加流量ΔQupの値に基づいて起動事象の検出及び器具判別を行う。この場合、増加流量ΔQupの値319L/hに対応する立上がり流量を調べて、この値が立上がり流量となる器具が、器具Bであると特定できるため、この増加流量ΔQupによって器具Bの起動事象であることを判別できる。
次に、停止事象の判定について図5により説明する。器具判別部106は、始めに、安定領域b部(図4のBに対応)の流量平均値を用いて、安定領域bの終点、すなわち流量変化の開始点における流量値として、開始流量Qs2を定めて記憶する。また、安定領域a2部(図4のA2に対応)の流量平均値(例えば安定領域a2全体の流量値の平均)を算出し、この流量平均値を用いて、安定領域a2の始点、すなわち流量変化の終了点における流量値として、終了流量Qe2を定めて記憶する。
そして、記憶した開始流量Qs2と終了流量Qe2から、減少流量ΔQdnをΔQdn=Qs2−Qe2の式より算出する。この演算を図3及び図4の場合に適用すると、B部分(図5の安定領域b部)とA2部分(図5の安定領域a2部)との流量平均値はそれぞれ図3における平均流量として示したものとなる。よって、この場合の減少流量ΔQdnは、ΔQdn=580−262=318L/hとなる。
器具判別部106は、器具別特性情報保持部107に記憶された各ガス器具に固有の特性情報を参照し、減少流量ΔQdnの値に基づいて停止事象の検出及び器具判別を行う。この場合、減少流量ΔQdnの値318L/hに対応する立下がり流量を調べて、この値が立下がり流量となる器具が、器具Bであると特定できるため、この減少流量ΔQdnによって器具Bの停止事象であることを判別できる。
上述したように、安定状態を計測コード列によって判別し、安定領域に対しての流量の平均化処理を行うことにより、複合動作した場合の2台目の器具を特定したり、その動作を判別するための判別情報を得ることができる。
また、以下に本実施形態の計測コード列を適用した複合動作時の判別処理の応用例をいくつか示す。
器具判別部106において、安定領域「3」の区分コード発生による安定状態の判断は、安定領域「3」のコード1桁で判断する方法もあるが、瞬時的なノイズ等による誤検出を防止し、より安定している状態を検出するためには、例えば2回連続したときの「33」で判断する(2桁のコードで判断する)など、M回の連続時のM桁のコードによって判断を行えばよい。これにより、安定領域の判別精度を向上できる。また、このような安定領域の判断条件を用いることによって、例えば安定を判断する継続時間を計測するための専用のタイマ等を設けなくとも、容易に実現することができる。
また、流量変化時の事象としては、起動事象や停止事象の他に、動作制御による流量の増減に対応する制御増加事象や制御減少事象などもある。このような制御増加事象や制御減少事象の判別処理手順を以下に示す。
図3において、器具起動時の起動事象や器具停止時の停止事象が発生しているときのコードN2に注目すると、計測コード列は下記のようになっている。
器具Aの起動:0011133
器具Bの起動:3311133
器具Bの停止:3322233
器具Aの停止:3322200
すなわち、起動事象では、コードN2において停止領域「0」または安定領域「3」から増加領域「1」になって、再び安定領域「3」になっていることがわかる。また、停止事象では、コードN2において安定領域「3」から減少領域「2」になって、再び安定領域「3」または停止領域「0」になっていることがわかる。
したがって、器具判別部106では、コードN2において、停止領域「0」または安定領域「3」の状態を監視して、その後「0以外」または「3以外」(増加領域「1」または減少領域「2」など)に変化する変化点を検出し、コードN2が、再度安定領域「3」または停止領域「0」になるところを検出することによって、何らかの器具が起動、停止、動作制御(増減)したことを容易に検出することができる。
ここで、“安定領域”→“増加領域”と推移する事象としては、器具起動時の起動事象の他に、器具の動作制御による流量増加時の制御増加事象も考えられる。また、“安定領域”→“減少領域”と推移する事象としては、器具停止時の停止事象の他に、器具の動作制御による流量減少時の制御減少事象も考えられる。したがって、起動事象または制御増加事象の場合、コードN2において、「0」または「3」から「0以外」または「3以外」である「1」(ノイズ的に「2」を含むこともあり得る)になり、再度「3」になった時点までの計測コード列によって判別できる。また、停止事象または制御減少事象の場合、コードN2において、「3」から「3以外」である「2」(ノイズ的に「1」を含むこともあり得る)になり、再度「3」または「0」になった時点までの計測コード列によって判別できる。
まず、本実施形態における起動事象と制御増加事象の判別手順について説明する。一般的に、器具の起動時の増加流量は動作制御による増加流量よりも大きいため、起動事象と制御増加事象とを区別するためのしきい値Qss1を設けて2つの事象を判別する。
器具判別部106は、コードN2が「3」である期間の流量の計測データ(絶対値)の平均(平均流量)を算出する。そして、上記の起動事象の判定と同様に、起動事象または制御増加事象の開始点の平均値を開始流量Qs1として定め、起動事象または制御増加事象の終了点の平均値を終了流量Qe1として定める。
そして、開始流量Qs1と終了流量Qe1の差を増加流量ΔQupとして算出し、この増加流量ΔQupを予め登録した判定用のしきい値Qss1と比較して判別を行う。ここで、ΔQup≧Qss1であれば、器具の起動事象であると判断でき、ΔQup<Qss1であれば、器具の制御増加事象であると判断することができる。
次に、本実施形態における停止事象と制御減少事象の判別手順について説明する。一般的に、器具の停止時の減少流量は動作制御による増加流量よりも大きいため、停止事象と制御減少事象とを区別するためのしきい値Qss1を設けて2つの事象を判別する。
器具判別部106は、起動事象と制御増加事象の判別と同様に、コードN2が「3」である期間の流量値の平均値を算出し、停止事象または制御減少事象の開始点の平均値を開始流量Qs2、終了点の平均値を終了流量Qe2として定める。
そして、開始流量Qs2と終了流量Qe2の差を減少流量ΔQdnとして算出し、この減少流量ΔQdnをしきい値Qss1と比較して判別を行う。ここで、ΔQdn≧Qss1であれば、器具の停止事象であると判断でき、ΔQdn<Qss1であれば、器具の制御減少事象であると判断することができる。
また、起動事象を判断した増加流量ΔQupと減少流量ΔQdnとがほぼ等しい場合(ΔQup≒ΔQdn)は、停止事象であると判断することも可能である。また、計測した終了点の絶対流量が流量Q≒0L/hであれば、減少流量ΔQdnに関係なく停止事象と判断できる。
また、起動時の流量は使用する器具によって異なるため、起動判定や停止判定用のしきい値を器具に応じた異なる値として予め登録しておけば、増加流量ΔQupの判定結果によりどのような器具が起動したのかを特定することも可能になる。
このように第1の実施形態によれば、計測コード列の安定領域から流量が安定した安定状態を判別することによって、この判別結果を用いて安定状態からの流量増加による起動事象や流量減少による停止事象などを容易に判別することができ、複合動作時の2台目の器具の起動判別やその器具判別などを行うことが可能となる。これによって、複合動作に関する判別精度を向上できる。
(第2の実施形態)
第2の実施形態として、動作中の流量変動が大きい非安定系の器具が起動した後にその他の器具が起動した場合の動作例を示す。ここでは、非安定系の第1の器具Dが起動して動作している状態で、さらに他の非安定系の第2の器具Eが起動した場合の複合動作を例示する。この第2の実施形態では、2つのテーブルを持つ流量区分表を用いて、流量変動の状況に応じてテーブルを切り替えて用いて処理を行う例を示す。
ガス器具には、ガス流量をフィードバック制御等により比例的に制御するために比例弁を搭載しているものがある。例えば、ガス給湯器には比例弁が搭載され、リモコン等で設定される設定温度(例えば、40℃)を目標に入水温度(例えば、15℃)と水量(例えば、12L/h)から、比熱を1として必要な熱量を計算((40−15)×12×1×60=18000Kcal/h )し、算出した熱量に応じた電圧或いは電流を比例弁に印加することで、比例弁の開度を制御して、ガス流量を調整している。そして、出湯温度を計測し、設定温度との差(偏差)を元に、フィードバック制御を行い、再度比例弁の開度に反映する。この制御は、一般的に1秒以下の速い周期(例えば、0.1秒)で演算を行い、比例弁の出力に反映するため、ガス流量としては変動の大きい過渡的に非安定な状態を経て安定するという特徴がある。本実施形態では、このような比例制御を行う器具を「非安定系の器具」と定義する。
図6は非安定系の器具の起動時の流量変化パターンを説明する図である。図6に示すように、例えば給湯器などの非安定系の器具では、器具使用の開始時の過渡期には、変動が大きい期間、変動が中規模の期間、変動が小さく安定した期間が存在する。このような非安定系の器具の場合、計測する流量データから流量変動の大小の期間を限定することは非常に困難であるが、安定している状態を判断するしきい値を切り替えるか、或いは、しきい値を別途設けて複数のしきい値によって並行して安定状態の判断を行うことは可能である。流量が安定している期間が多くなれば、計測コード列のコードN2の安定領域「3」の状態が増えるため、起動事象、停止事象、制御増加事象、制御減少事象の各事象を容易に判断することが可能となる。
そこで、第2の実施形態では、流量区分表保持部110の流量区分表110aとして、図7に示すような安定領域の区分が異なる2つのテーブルを持つ流量区分表を用いて、差分値変換部104及びコード列生成部105において、非安定系の器具が起動した場合は安定領域が多くなるように流量区分が設定されたテーブルによって計測コード列を生成し、器具判別部106により複合動作時の器具の起動や停止を判別する。
図7において、(A)は安定系の器具に対して用いる第1のテーブルであるテーブル1を示し、(B)は非安定系の器具に対して用いる第2のテーブルであるテーブル2を示している。図7(A)のテーブル1は、図2に示した第1の実施形態と同様のもので、コードN2を生成するコードN1のしきい値を標準的な値にしたものであり、この例では、差分値|ΔQ(n)|≦20L/hで安定領域となる。一方、図7(B)のテーブル2は、コードN2を生成するコードN1のしきい値を変更したもので、この例では、差分値|ΔQ(n)|≦350L/hで安定領域となる。このテーブル2を用いた場合は、安定領域「3」となる流量差分値の範囲が大きいため、テーブル1に比べて流量変動が多少大きくても、それなりの安定領域を設定することができる。このコードN2を生成するためのしきい値は、任意に設定することもでき、実際に使用されている器具の種別や流量変化の状況等に応じて、最適な値を設定することで、的確な判断が可能となる。
図8は第2の実施形態における流量のコード変換の一例を示す図、図9は図8の場合に対応する第2の実施形態における流量波形のグラフの一例を示す図である。この図8及び図9は、動作中の流量の変動が比較的大きい非安定系の器具D(例えば、給湯器)が起動した後に続いて、器具Dと同様に非安定系の器具E(例えば、給湯器)が起動した場合の流量データを示したものである。
図8には、第1の実施形態の図3と同様に、「流量値」「差分値」「コードN1」「コードN2」が示されている。図8では、コードN2としてコードN2a、コードN2bの2つを列挙しているが、左のコードN2aが図7(A)のテーブル1によるコード生成結果で、右のコードN2bが図7(B)のテーブル2によるコード生成結果である。この図8において、図7(B)のテーブル2によって生成したコードN2bの方が、安定領域「3」のコード数が多いことが分かる。また、コードN2が「3」となる安定領域における流量値に対して移動平均を施した値が「移動平均流量値」として示されている。
図9の流量波形のグラフは平均する前のグラフであり、図10は流量値に対して移動平均を施した平均後の流量波形のグラフを示す図である。図9の平均前の流量値Q(n)において、流量が変動している区間Aに対して、図10の移動平均後の流量値Qa(n)では、平均化によって区間Aの流量変動が緩和されていることが分かる。図11は図10における区間Bに関する拡大図である。このように流量値が漸次変化している場合は、安定領域全体の平均ではなく、移動平均を用いるのが適切である。流量値の移動平均を用いることによって、安定領域の終点(すなわち流量変化の開始点)などの流量値を的確に求めることができる。なお、流量変動の状況によっては、安定領域全体における流量の平均を用いてもよい。
次に、第2の実施形態における安定領域の判断等に係る実際の処理手順を以下に示す。器具が起動してガス流量が発生すると、超音波流量計101で計測される流量は、図8の流量値、図9のグラフで示されるように、流量Q(n)=0から流量Q(n)≠0となり、器具によるガス使用量に応じて流量が変化する。このとき、超音波流量計101による流量の計測と同時に、差分演算部103によって差分値が演算され、差分値変換部104によって16区分のコードN1、4区分のコードN2への変換が行われる。そして、コード列生成部105により、変換の結果得られた区分コードから、図8に示すコードN1、コードN2の時系列の集合に相当する計測コード列が生成される。
このとき、差分値変換部104及びコード列生成部105は、図7(A)のテーブル1と図7(B)のテーブル2とを用いて、それぞれのテーブルによるコードN2a、コードN2bを並行して生成する。そして、器具判別部106は、各テーブルによるコードN2の停止領域「0」または安定領域「3」を監視して、第1の実施形態と同様に、器具の起動、停止、動作制御を判断する。
ここで、2つのテーブルによるコードN2の処理手順について説明する。器具判別部106は、まず図7(A)のテーブル1で生成したコードN2aを優先して判断し、安定領域「3」の連続発生数(例えば、3回連続)を監視する。テーブル1で生成したコードN2aにおいて安定領域が検出できない場合、図7(B)のテーブル2で生成したコードN2bを用いて安定領域「3」の連続発生数(例えば、3回連続)を監視する。流量変動が比較的大きい非安定系の器具の場合は、テーブル2で生成したコードN2bを用いて安定領域を判断することになる。
そして、コードN2の安定領域「3」として、テーブル2で生成したコードN2bの安定領域「3」が発生している期間の流量の平均(例えば、移動平均)を求め、この平均後の安定領域の期間の終点の流量を、起動事象や制御増加事象などの各事象の開始流量として記憶する。
このようにテーブル2を用いた場合、コードN2bにおける安定領域「3」の発生が多くなるため、テーブル1によるコードN2aでは安定状態を検出できない期間の流量データを含めて平均値を算出でき、比較的不安定な領域においても起動事象等を容易に検出することができる。
もし、テーブル1によるコードN2aだけを監視すると、安定領域「3」から「3以外」に変化する変化点が多発して、器具の起動を誤検出する可能性もあるが、テーブル2によるコードN2bを並行して監視することで、変化点を最小限に抑えることができるため、目的の器具の起動事象のみを検出することが可能となる。
このように第2の実施形態によれば、複数のテーブルを用いて安定領域が多くなるような計測コード列を生成することによって、流量の変動が比較的大きい器具であっても安定状態を判別でき、この判別結果を用いて安定状態からの流量増加による起動事象などを判別することができる。したがって、非安定系の器具を使用する場合でも複合動作時の2台目の器具の起動判別やその器具判別などを行うことが可能となり、複合動作に関する判別精度を向上できる。
以上のような流量計測装置及び流量計測方法を実施するため、ガスメータ100の器具判別部106や処理部108等には、流量計測方法の各ステップを実行させるプログラムが記憶されている。また、本発明の流量計測装置、流量計測方法、コンピュータに実行させるプログラムを用いた流体(ガス)の供給源も含む流体供給システムも本発明に含まれる。
なお、以上の説明は超音波流量計を用いた場合について説明したが、サンプリング信号を用いる他の瞬間式の流量計測装置でも、同様の効果が得られることは明白である。器具判別後の処理は説明を省略したが、ガスメータでは、登録器具ごとあるいは分類分けされたグループごとの積算流量の計測による器具別料金や、登録器具ごとあるいは分類分けされたグループごとに安全管理(保安機能)処理の器具別保安機能を設定することも可能であることは明白である。また、ガスメータとガス器具に無線機のような送受信手段を装備させることができれば、管理センター装置などの外部装置と通信を行って処理を行うこともでき、より器具判別の精度が向上することは明白である。さらに、ガスメータおよびガス器具で説明したが、工業用流量計や水道メータにおいても同様に、流量計測装置の下流側に接続された使用器具の特定や、そのグルーピングに使用することができる。
また、上述の実施形態では流体であるガスの流量の差分値をコード化の対象とした。しかしながら、本発明のコード化の対象は流量に限らず、流体の温度、圧力、質量など、広く流体の物理量を対象とすることができる。
以上、本発明の各種実施形態を説明したが、本発明は上記の実施形態において示されたものに限定されるものではなく、明細書の記載、並びに周知の技術に基づいて、当業者が変更、応用することも本発明の予定するところであり、保護を求める範囲に含まれる。
本発明は、流量に関する演算の簡略化及び器具判別精度の向上を図るとともに、複数器具の運転時においても使用器具を精度良く判別することが可能となる効果を有し、流体の流量の変化を捉えることにより、流体を使用している器具を判別する流量計測装置及び流量計測方法等として有用である。
本発明の実施形態に係る流量計測装置の構成を示すブロック図 第1の実施形態において用いる流量区分表の一例を示す図 第1の実施形態における流量のコード変換の一例を示す図 第1の実施形態における流量波形のグラフの一例を示す図 第1の実施形態における起動事象及び停止事象の判別手順を説明する図 非安定系の器具の起動時の流量変化パターンを説明する図 第2の実施形態において用いる流量区分表の一例を示す図 第2の実施形態における流量のコード変換の一例を示す図 第2の実施形態における流量波形のグラフの一例を示す図 図9の流量値に対して移動平均を施した平均後の流量波形のグラフを示す図 図10における区間Bに関する拡大図 従来のガスメータのブロック図
符号の説明
20 ガス供給管
21、22、23 器具
100 ガスメータ
101 超音波流量計
102 流量情報記憶部
103 差分演算部
104 差分値変換部
105 コード列生成部
106 器具判別部
107 器具別特性情報保持部
108 処理部
109 遮断弁
110 流量区分表保持部
110a 流量区分表

Claims (12)

  1. 流路に流れる流体の流量を一定時間間隔で計測する流量計測部と、
    前記流量計測部によって計測された流量の、前記一定時間毎の差分値を演算する差分演算部と、
    差分値の大きさに応じた複数の差分値の区分と、各区分を表すコードとが対応付けられた流量区分表と、
    前記差分演算部によって演算された差分値を、前記流量区分表に基づき前記コードに変換する差分値変換部と、
    前記差分値変換部によって得られた前記一定時間毎の前記コードの集合に基づく計測コード列を生成するコード列生成部と、
    前記計測コード列に基づき、流量の安定状態を判別し、この安定状態からの流量変動特性によって流体を使用する器具の複合的な動作を判別する器具判別部と、
    を備える流量計測装置。
  2. 請求項1に記載の流量計測装置であって、
    前記器具判別部は、前記流量の値の平均化を行うことにより前記安定状態における特定点を判別する流量計測装置。
  3. 請求項2に記載の流量計測装置であって、
    前記器具判別部は、前記特定点として、前記安定状態における開始点、中間点、終了点のうちの少なくとも一つを判別する流量計測装置。
  4. 請求項2に記載の流量計測装置であって、
    前記器具判別部は、前記平均化の手法として、前記安定状態における流量の移動平均を行う流量計測装置。
  5. 請求項2に記載の流量計測装置であって、
    前記器具判別部は、前記平均化の手法として、前記安定状態全体における流量の平均を行う流量計測装置。
  6. 請求項1に記載の流量計測装置であって、
    前記流量区分表として、安定状態の区分が異なる複数のテーブルを有し、
    前記器具判別部は、前記複数のテーブルによる計測コード列を用いて流量の安定状態を判別する流量計測装置。
  7. 請求項6に記載の流量計測装置であって、
    前記器具判別部は、第1のテーブルによる計測コード列において安定状態が検出されない場合に、前記第1のテーブルよりも安定状態の範囲が大きい第2のテーブルによる計測コード列を用いて安定状態とみなす流量計測装置。
  8. 請求項1に記載の流量計測装置であって、
    前記器具判別部は、流量の安定状態から増加または減少状態を経て安定状態になることを判別することにより、器具の複合的な動作を判別する流量計測装置。
  9. 請求項2に記載の流量計測装置であって、
    前記器具判別部は、器具の複合的な動作を判別する際に、前記流量の平均化により判別した安定状態における特定点の情報を用いて、器具起動時の起動事象、器具停止時の停止事象、器具の動作制御による制御増加事象または制御減少事象のうちの少なくとも一つの事象を判別する流量計測装置。
  10. 流路に流れる流体の流量を一定時間間隔で計測するステップと、
    前記計測された流量の、前記一定時間毎の差分値を演算するステップと、
    差分値の大きさに応じた複数の差分値の区分と、各区分を表すコードとが対応付けられた流量区分表に基づき、前記演算された差分値を、前記コードに変換するステップと、
    前記一定時間毎の前記コードの集合に基づく計測コード列を生成するステップと、
    前記計測コード列に基づき、流量の安定状態を判別し、この安定状態からの流量変動特性によって流体を使用する器具の複合的な動作を判別するステップと、
    を有する流量計測方法。
  11. 流量計測装置を制御するコンピュータに、請求項10に記載の流量計測方法の各ステップを実行させるプログラム。
  12. 請求項1から11のいずれか1項記載の流量計測装置または流量計測方法またはプログラムを用いた流体供給システム。
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