JP2009074659A - 防振装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】減衰特性のチューニング自由度を大きく確保することが出来る、新規な構造の防振装置を提供することを、目的とする。
【解決手段】第一の取付部材12と第二の取付部材14の間に振動が入力された際に、第一の取付部材12と第二の取付部材14の何れか一方の固定部材14に固着された液封ユニット20の弾性ゴム壁46が、ピストン部材94を介して、第一の取付部材12と第二の取付部材14の何れか他方の当接部材12に押圧されて弾性変形せしめられることにより、主液室88に圧力変動が及ぼされるようにした。
【選択図】図3

Description

本発明は、例えば、自動車のエンジンマウント等として好適に採用され得る防振装置に係り、特に内部に封入された流体の流動作用に基づく防振効果を利用した流体封入式の防振装置に関する。
従来から、振動伝達系を構成する一方の部材に取り付けられる第一の取付部材と、振動伝達系を構成する他方の部材に取り付けられる第二の取付部材を離隔配置して、それら第一の取付部材と第二の取付部材を本体ゴム弾性体で相互に連結した構造の防振装置が知られている。例えば、振動伝達系を構成する一方の部材に取り付けられるインナ軸部材の周りに振動伝達系を構成する他方の部材に取り付けられるアウタ筒部材を離隔配置して、それらインナ軸部材とアウタ筒部材を相互に連結した構造の筒型防振装置が知られている。
また、防振性能の更なる向上を目的として、防振装置の内部に非圧縮性流体を封入し、封入流体の流動作用に基づく防振効果を得られるようにした流体封入式防振装置も提案されている。このような流体封入式防振装置としては、例えば、インナ軸部材と、その外周側に離隔配置される中間スリーブを本体ゴム弾性体で相互に連結すると共に、中間スリーブに複数の窓部を設けて、かかる窓部を通じて本体ゴム弾性体に形成された複数のポケット部を外周側に開口せしめる一方、中間スリーブにアウタ筒部材を外嵌固定せしめて、ポケット部をアウタ筒部材で流体密に覆蓋することにより、非圧縮性流体が封入された複数の流体室を形成すると共に、それら複数の流体室を相互に連通するオリフィス通路を設けた構造を有しており、特許文献1(特開2006−266438号公報)等に開示されている。
ところで、流体封入式防振装置では、一般的に、オリフィス通路を通じて流動せしめられる流体の流動作用を利用して防振効果が発揮されるようになっていることから、充分な容積を有する流体室を備えていることが望ましい。一方、インナ軸部材とアウタ筒部材(第一の取付部材と第二の取付部材)を相互に連結する本体ゴム弾性体は、繰り返し入力される振動に対する十分な耐久性や必要とされるばね特性を実現するために、適当なゴムボリュームをもって形成されることが必要となる。
ところが、特許文献1に記載された流体封入式の筒型防振装置のように、インナ軸部材とアウタ筒部材の径方向間の限定された領域に対して、本体ゴム弾性体を配設すると共に流体室を形成する構造では、流体室の容積を十分に大きく確保しつつ、本体ゴム弾性体のゴムボリュームを十分に確保することが難しい場合もあり、必要とされる防振性能を十分に満たすことが難しくなったり、要求される耐久性等を実現することが難しくなるおそれがあった。特に、最近では、防振装置の配設スペースが小さくなっていること等を背景として、防振装置自体が小型であることが重要視されつつあり、アウタ筒部材の直径を大きくしてインナ軸部材とアウタ筒部材の径方向間の領域を大きく確保することも難しくなってきている。
そこで、本出願人は、先に、特願2007−70754号において、インナ軸部材とインナ軸部材の外周側に離隔配置したアウタ筒部材が本体ゴム弾性体で連結されており、振動伝達系を構成する一方の部材にインナ軸部材が取り付けられると共に、他方の部材にアウタ筒部材が取り付けられることによって、かかる振動伝達系を構成する部材間に装着される防振装置であって、筒状ハウジングの一方の開口部がゴム弾性壁で閉塞されると共に、筒状ハウジングの他方の開口部が可撓性膜で閉塞されて、それらゴム弾性壁と可撓性膜の対向面間に非圧縮性流体が封入された流体室が形成されており、かかる流体室内に配設されて流体室を二分する仕切部材が筒状ハウジングで支持されて、仕切部材を挟んだ一方の側に壁部の一部が弾性ゴム壁で構成された主液室が形成されていると共に、仕切部材を挟んだ他方の側に壁部の一部が可撓性膜で構成された副液室が形成されて、それら主液室と副液室がオリフィス通路で相互に連通せしめられた構造の液封ユニットを備えており、アウタ筒部材の周上に開口窓が形成されて、かかるアウタ筒部材に対して液封ユニットの筒状ハウジングが固着されることによって、液封ユニットの弾性ゴム壁がアウタ筒部材の開口窓を通じてインナ軸部材に当接されるようになっており、インナ軸部材とアウタ筒部材の間への軸直角方向の振動入力時に液封ユニットの弾性ゴム壁がインナ軸部材で押圧されて弾性変形せしめられることにより、主液室に圧力変動が及ぼされるようにした防振装置を提案した。
このような構造とされた防振装置においては、非圧縮性流体が封入された液封ユニットが別体として形成されて、アウタ筒部材に外付けされるようになっていることから、流体室の容積を十分に確保しつつ、本体ゴム弾性体のゴムボリュームも十分に確保することが可能となる。
しかしながら、上述の如き構造とされた防振装置について、本発明者が更に検討した結果、ただ単に、液封ユニットの弾性ゴム壁をインナ軸部材で押圧するだけでは、減衰特性のチューニング自由度を大きく確保することが難しいということが判明した。
特開2006−266438号公報
ここにおいて、本発明は、上述の如き事情を背景として為されたものであって、その解決課題とするところは、減衰特性のチューニング自由度を大きく確保することが出来る、新規な構造の防振装置を提供することにある。
以下、このような課題を解決するために為された本発明の態様を記載する。なお、以下に記載の各態様において採用される構成要素は、可能な限り任意な組み合わせで採用可能である。
本発明は、振動伝達系を構成する一方の部材に取り付けられる第一の取付部材と、振動伝達系を構成する他方の部材に取り付けられる第二の取付部材が離隔配置されており、これら第一の取付部材と第二の取付部材が本体ゴム弾性体によって連結された構造の防振装置において、筒状ハウジングの一方の開口部が弾性ゴム壁で閉塞されると共に、筒状ハウジングの他方の開口部が可撓性膜で閉塞されて、それら弾性ゴム壁と可撓性膜の対向面間に非圧縮性流体が封入された流体室が形成されており、流体室内に配設されて流体室を二分する仕切部材が筒状ハウジングで支持されて、仕切部材を挟んだ一方の側に壁部の一部が弾性ゴム壁で構成された主液室が形成されていると共に、仕切部材を挟んだ他方の側に壁部の一部が可撓性膜で構成された副液室が形成されて、それら主液室と副液室がオリフィス通路で相互に連通せしめられた構造の液封ユニットを備えており、液封ユニットの筒状ハウジングが第一の取付部材と第二の取付部材の何れか一方の固定部材に対して固着されている一方、液封ユニットの弾性ゴム壁が第一の取付部材と第二の取付部材の何れか他方の当接部材に対向位置せしめられていると共に、当接部材と弾性ゴム壁との対向部間には、これら当接部材と弾性ゴム壁に対して非接着で別体形成された硬質のピストン部材が当接部材と弾性ゴム壁の対向方向で当接部材に対して変位可能に配設されており、第一の取付部材と第二の取付部材の間への振動入力時に液封ユニットの弾性ゴム壁がピストン部材を介して当接部材に押圧されて弾性変形せしめられることにより主液室に圧力変動が及ぼされるようになっていることを、特徴とする。
このような本発明に従う構造とされた防振装置においては、第一の取付部材と第二の取付部材の間への振動入力時に液封ユニットの弾性ゴム壁がピストン部材を介して当接部材に押圧されて弾性変形せしめられるようになっていることから、ピストン部材の形状や大きさ等を変更することにより、第一の取付部材と第二の取付部材の間への振動入力時に弾性ゴム壁において弾性変形せしめられる領域の大きさを変更することが可能となる。これにより、主液室に及ぼされる圧力変動の大きさを変更することが可能となる。その結果、オリフィス通路を流動せしめられる流体の流動作用に基づく減衰特性を変更することが可能となる。
従って、本発明に係る防振装置においては、ピストン部材の形状や大きさ等を変更するという簡単な構造変更によって、オリフィス通路を流動せしめられる流体の流動作用に基づく減衰特性を変更することが出来る。それ故、本発明に係る防振装置においては、減衰特性のチューニング自由度を大きく確保することが出来ると共に、要求される防振特性の変更等にも速やかに対応することが可能となる。
特に本発明では、防振特性が異なる複数種類の液封ユニットを準備して、それら準備された複数種類の液封ユニットのうちから要求される性能に応じて選択された液封ユニットを採用することにより、防振特性の異なる複数種類の防振装置を一部の部品を共用して容易に実現することも出来るようになっていることから、減衰特性のチューニング自由度をより大きく確保することが出来る。
また、本発明においては、ピストン部材が弾性ゴム壁や本体ゴム弾性体とは別体形成されていることから、弾性ゴム壁や本体ゴム弾性体の加硫成形に際して、ピストン部材に対して加硫接着のための前処理を施したり、弾性ゴム壁や本体ゴム弾性体の成形キャビティ内の所定位置にピストン部材をセットする必要がなくなることから、弾性ゴム壁や本体ゴム弾性体の成形、延いては、防振装置の製造を容易にすることが可能となる。
更にまた、本発明においては、ピストン部材が弾性ゴム壁と別体形成されていることから、振動入力時に弾性ゴム壁に対してピストン部材の拘束力が作用しないようになっている。これにより、振動入力時に弾性ゴム壁におけるピストン部材との接触面に応力が集中することを回避することが可能となる。その結果、弾性ゴム壁に優れた耐久性を与えることが可能となる。
なお、本発明において、ピストン部材の当接部材に対する当接は、ピストン部材が当接部材に対して直接に当接されていても良いし、例えば、当接部材に被着された本体ゴム弾性体等の他部材を介して間接的に当接されていても良い。
また、本発明においては、第一の取付部材がインナ軸部材によって構成されている一方、第二の取付部材がインナ軸部材の外周側に離隔配置されたアウタ筒部材によって構成されており、アウタ筒部材の周上に形成された開口窓に対して液封ユニットの筒状ハウジングが嵌着固定されて、液封ユニットの弾性ゴム壁がピストン部材を介してインナ軸部材に当接されるようになっており、インナ軸部材とアウタ筒部材の間への軸直角方向の振動入力時に液封ユニットの弾性ゴム壁がピストン部材を介してインナ軸部材で押圧されて弾性変形せしめられることにより主液室に圧力変動が及ぼされるようになっていても良い。
さらに、本発明においては、ピストン部材が、平板形状を有するプレート部と、かかるプレート部の外周縁部に設けられた当接突起を有しており、当接突起が弾性ゴム壁に当接せしめられるようになっていることが望ましい。これにより、弾性ゴム壁が筒状ハウジングの径方向内方に行くに従って筒状ハウジングの軸方向外方に行くようなテーパ部を備えた形状であっても、弾性ゴム壁の外周縁部(筒状ハウジング側の縁部分)付近、即ち、弾性ゴム壁の基端部付近に当接突起を押し当てることが可能となる。その結果、弾性ゴム壁においてピストン部材で押圧されて弾性変形せしめられる領域を大きくすることが可能となり、減衰特性のチューニング自由度の更なる向上を図ることが可能となる。
そこにおいて、上述の如き構造とされたピストン部材を採用する場合、プレート部が金属プレートで形成されており、当接突起がプレート部に加硫接着されているゴム突起で形成されていても良い。これにより、弾性ゴム壁において当接突起が当接せしめられる部位に対して、当接突起が当接せしめられることに起因する損傷が生じ難いようにすることが可能となる。その結果、弾性ゴム壁の耐久性を向上させることが可能となる。
また、本発明においては、ピストン部材の変位方向を規定するガイド機構が設けられていることが望ましい。これにより、ピストン部材の変位を安定させて、ピストン部材による弾性ゴム壁の押圧方向を安定させることが可能となる。その結果、主液室に所望の圧力変動を及ぼすことが可能となる。
以下、本発明を更に具体的に明らかにするために、本発明の実施形態について、図面を参照しつつ、詳細に説明する。
先ず、図1乃至図3には、本発明に係る防振装置の第一の実施形態としての自動車用エンジンマウント10が示されている。エンジンマウント10は、第一の取付部材(インナ軸部材)としての内筒金具12と第二の取付部材(アウタ筒部材)としての外筒金具14を本体ゴム弾性体16で連結した構造のマウント本体18と、マウント本体18に組み付けられる液封ユニットとしての液封カセット20を含んで構成されている。そして、内筒金具12が振動伝達系を構成する一方の部材としての図示しないパワーユニットに取り付けられると共に、外筒金具14が振動伝達系を構成する他方の部材としての図示しない車両ボデーに取り付けられて、エンジンマウント10がそれらパワーユニットと車両ボデーの間に介装されることにより、パワーユニットが車両ボデーに対して防振支持されるようになっている。なお、以下の説明において、上下方向とは、原則として、図1中の上下方向を言うものとする。
より詳細には、内筒金具12は、鉄やアルミニウム合金等の金属で形成された高剛性の部材とされており、厚肉小径の略円筒形状を有している。そして、内筒金具12の中央孔に図示しない取付ボルトが挿通されて、かかる取付ボルトが防振連結すべき一方の部材である図示しないパワーユニット側の部材に螺着等されることにより、内筒金具12がパワーユニット側に固定的に取り付けられるようになっている。
一方、外筒金具14は、内筒金具12と同様に鉄やアルミニウム合金等の金属で形成された高剛性の部材とされており、全体として薄肉大径の略円筒形状を有している。また、外筒金具14の周上の一部には、開口窓としての切欠部22が形成されている。これにより、本実施形態における外筒金具14は周上の一部において周方向で分断されており、略一定のC字断面をもって軸方向に延びる形状とされている。そして、外筒金具14には、後述するブラケット105が組み付けられるようになっており、ブラケット105が防振連結すべき他方の部材である図示しない車両ボデーに固定されることにより、外筒金具14がブラケット105を介して車両ボデー側に固定的に取り付けられるようになっている。
このような内筒金具12と外筒金具14は、内筒金具12と外筒金具14が略同一中心軸線上に配置されて、外筒金具14が内筒金具12の外周側を取り囲むようになっている。そして、それら内筒金具12と外筒金具14は、径方向間に配設される本体ゴム弾性体16によって相互に連結されている。
本体ゴム弾性体16は、内筒金具12と外筒金具14の径方向対向面間において、径方向一方向(図2中、略左右方向)で延びるように設けられている。また、本実施形態における本体ゴム弾性体16は、内筒金具12を径方向一方向で挟んだ両側部分が外周側に行くに従って次第に周方向に厚肉となっている。そして、本体ゴム弾性体16の中央部分に内筒金具12が加硫接着されると共に、本体ゴム弾性体16の外周面に外筒金具14が加硫接着されることにより、内筒金具12と外筒金具14が本体ゴム弾性体16によって径方向で相互に連結されている。
また、本実施形態における本体ゴム弾性体16において、本体ゴム弾性体16による内筒金具12と外筒金具14の連結方向(図2中、略左右方向)に対して直交する径方向(主たる振動入力方向)には、図2中の上方に向かって突出するように弾性当接部24が一体形成されていると共に、図2中の下方に向かって弾性ストッパ26が一体形成されている。
弾性当接部24は、略矩形ブロック形状を有するゴム弾性体で形成されており、本実施形態では、本体ゴム弾性体16と一体形成されている。また、弾性当接部24は、外筒金具14の周上において切欠部22が形成された部分に向かって内筒金具12側から突出せしめられており、本実施形態では上下方向に対して僅かに傾斜して突出せしめられている。なお、本実施形態における弾性当接部24には、その突出先端面に半球形状を有する多数の小突起が一体形成されている。
一方、弾性ストッパ26は、略矩形ブロック形状を有するゴム弾性体で形成されており、本実施形態では、本体ゴム弾性体16と一体形成されている。また、本実施形態において、弾性ストッパ26は、内筒金具12と外筒金具14の対向面間において内筒金具12側から外筒金具14側に向かって突出せしめられており、その突出先端面が外筒金具14の内周面の湾曲に沿って湾曲する円弧状湾曲面とされている。更に、弾性ストッパ26は、内筒金具12側から下方に向かって僅かに傾斜して突出せしめられており、外筒金具14に対して所定距離だけ内周側に離隔して位置せしめられている。なお、本実施形態において、弾性当接部24と弾性ストッパ26は、内筒金具12を挟んで相互に反対側に向かって突出せしめられている。また、本実施形態における弾性ストッパ26には、その突出先端面に半球形状を有する多数の小突起が一体形成されている。
また、外筒金具14には、カセット支持金具28が固着されている。カセット支持金具28は、鉄鋼やアルミニウム合金等の金属材で形成されており、嵌着筒部30と、かかる嵌着筒部30の軸方向下端において嵌着筒部30の径方向で対向する位置に一体的に設けられた一対の取付脚32,32を備えている。一対の取付脚32,32には、それぞれ、他の取付脚32が位置する側において、上側段差面34と下側段差面36が形成されている。また、各取付脚32において、上側段差面34よりも上方に位置する部分であって、且つ、他の取付脚32が位置する側の面は、嵌着筒部30の内周面に面一とされており、嵌着筒部30の内周面に滑らかに接続されている。更にまた、各取付脚32において、上側段差面34と下側段差面36の間に位置する部分であって、且つ、他の取付脚32が位置する側の面は、後述するピストン部材94のプレート部96の外周面に対応した円弧状湾曲面とされている。また、各取付脚32の下端部分は、外筒金具14の外周面に対応した円弧状湾曲面とされており、特に本実施形態では、各取付脚32の下端部分において、他の取付脚32が位置する側に、切欠部22に係止される係止片37が設けられている。
このような構造とされたカセット支持金具28は、各取付脚32の係止片37が切欠部22に係止されて、各取付脚32の下端面が外筒金具14の外周面に重ね合わされて、切欠部22を跨ぐようにして外筒金具14に組み付けられた状態で、各取付脚32が溶接等で外筒金具14に固定されることによって、外筒金具14に固定されるようになっている。
また、このようにカセット支持金具28が外筒金具14に固定された状態下において、カセット支持金具28の中心軸線上に弾性当接部24が位置せしめられており、本体ゴム弾性体16と一体形成された弾性当接部24が、外筒金具14に形成された切欠部22とカセット支持金具28における嵌着筒部30の中央孔を通じて外部に露出せしめられている。なお、本実施形態では、カセット支持金具28は、図1にも示されているように、上下方向に対して所定の角度で僅かに傾斜した状態で外筒金具14に取り付けられている。
そして、カセット支持金具28には、マウント本体18とは別体で形成された液封カセット20が取り付られている。液封カセット20は、図4にも示されているように、筒状ハウジングとしてのハウジング金具38を有している。ハウジング金具38は、高剛性の金属材で形成されており、薄肉大径の円筒形状を有している。特に本実施形態では、ハウジング金具38は、軸方向中間部分に段差部40が形成された段付円筒形状とされており、かかる段差部40を挟んで上側が小径部42とされている一方、下側が大径部44とされている。
また、ハウジング金具38の下側開口部には、弾性ゴム壁46が取り付けられている。弾性ゴム壁46は、全体として有底円筒形状を呈するゴム弾性体であって、底壁部48と筒壁部50を備えている。底壁部48は、全体として円板形状を呈しており、その径方向中間部分において軸方向一方の側(弾性ゴム壁46の開口側)に行くに従って次第に拡径するテーパ部52を有しており、テーパ部52よりも内径側の中央部分のほうがテーパ部52よりも外径側の外周部分よりも軸方向下方に位置せしめられている。
なお、弾性ゴム壁46は、本体ゴム弾性体16とは別体として形成されており、本実施形態では、それら本体ゴム弾性体16と弾性ゴム壁46がそれら各部材に要求される性能(耐荷重性能や後述する封入流体に対する耐侵食性等)に応じて各別に異なる組成のゴム材料で形成されている。
上述の如き構造とされた弾性ゴム壁46の筒壁部50には、ハウジング金具38が加硫接着されている。特に本実施形態では、弾性ゴム壁46の筒壁部50の上端面がハウジング金具38の段差部40に重ね合わせられていると共に、弾性ゴム壁46の筒壁部50の外周面がハウジング金具38の大径部44の内周面に重ね合わせられた状態で、弾性ゴム壁46の筒壁部50がハウジング金具38に加硫接着されている。これにより、ハウジング金具38の下側開口部が弾性ゴム壁46で流体室に閉塞されている。即ち、本実施形態において、弾性ゴム壁46は、ハウジング金具38を備えた一体加硫成形品とされている。なお、本実施形態では、弾性ゴム壁46の筒壁部50の上端部分は、ハウジング金具38の小径部42の内周面にまで延び出しており、それによって、ハウジング金具38の小径部42の内周面には、弾性ゴム壁46に一体形成されたシールゴム層54が、全体に亘って被着されている。
また、ハウジング金具38の上側開口部には、可撓性膜としてのダイヤフラム56が取り付けられている。ダイヤフラム56は、波紋状の充分な弛みをもった薄肉円板形状のゴム膜で形成されており、変形が容易に許容されるようになっている。また、ダイヤフラム56の外周縁部には、筒状の固定金具58が加硫接着されている。これにより、固定金具58の中央孔がダイヤフラム56で流体密に閉塞されている。即ち、本実施形態において、ダイヤフラム56は、固定金具58を備えた一体加硫成形品とされている。
このようなダイヤフラム56は、その外周縁部に加硫接着された固定金具58がハウジング金具38の上端部に挿し入れられて配置された状態で、ハウジング金具38に対して八方絞り等の縮径加工が施されることにより、固定金具58がハウジング金具38に対して嵌着固定されて、ハウジング金具38に対して固定的に取り付けられる。
また、ハウジング金具38に対するダイヤフラム56の組付け状態下では、固定金具58がシールゴム層54を介してハウジング金具38に密着せしめられることにより、ハウジング金具38の軸方向一方(図4中、下)の開口部が弾性ゴム壁46で流体密に閉塞されていると共に、他方(図4中、上)の開口部がダイヤフラム56で流体密に閉塞されている。これにより、ハウジング金具38の内周側において、弾性ゴム壁46とダイヤフラム56の対向面間には、外部から密閉された流体室としての流体封入領域60が形成されている。この流体封入領域60には、例えば、水やアルキレングリコール,ポリアルキレングリコール,シリコーン油、或いはそれらの混合液等の非圧縮性流体が封入されている。なお、封入流体は、特に限定されるものではないが、後述するオリフィス通路92を流動せしめられる流体の共振作用等に基づく防振効果を有利に得るために、粘度が0.1Pa・s以下の低粘性流体を採用することが望ましい。また、このような流体の封入は、ダイヤフラム56と後述する仕切部材62のハウジング金具38への組付けを非圧縮性流体中で行うことにより、有利に実現することが出来る。
また、流体封入領域60には、仕切部材62が収容配置されている。この仕切部材62は、全体として厚肉の円板形状を有しており、仕切部材本体64を含んで構成されている。仕切部材本体64は、厚肉の円板形状を有する高剛性材で形成されており、本実施形態では硬質の合成樹脂材で形成されている。また、仕切部材本体64の外周縁部には、周方向に延びる周溝66が形成されている。周溝66は、仕切部材本体64の外周面に開口して周方向で所定の長さに亘って延びている。
また、仕切部材本体64の径方向中央部分には、大径凹所68が形成されている。大径凹所68は、深底の円形凹所であって、仕切部材本体64の中央部分において上方に向かって開口するように形成されている。更に、大径凹所68の底壁面中央には、透孔70が形成されている。
また、仕切部材本体64には、その上端面に重ね合わされるようにして保持金具78が組み付けられている。保持金具78は、薄肉の略円環板形状を呈しており、金属板にプレス加工を施すこと等により好適に形成される。また、保持金具78は、径方向中間部分において段差が設けられた段付き円環板形状とされており、該段差を挟んだ内側が外側に比して下方に位置せしめられている。また、保持金具78には、周上の複数箇所に図示しない係止孔が形成されており、仕切部材本体64の上端面に突設された係止爪80が挿し入れられて係合せしめられることにより、保持金具78が仕切部材本体64に対して重ね合わされた状態で固定されるようになっている。
また、大径凹所68の底面には、可動ゴム膜82が重ね合わされて配設されている。可動ゴム膜82は、ゴム弾性体で形成されて略円板形状を呈している。また、可動ゴム膜82の外周縁部には、略一定の円形断面を有する係止部84が一体形成されており、可動ゴム膜82の外周縁部が中央部分よりも厚肉とされている。そして、可動ゴム膜82の外周部分が大径凹所68の底面に重ね合わされて、かかる底面と保持金具78の内周部分の間で挟み込まれることにより、可動ゴム膜82が仕切部材本体64に対して組み付けられている。これにより、可動ゴム膜82を備えた本実施形態における仕切部材62が構成されている。
そして、このような構造とされた仕切部材62は、ハウジング金具38に挿し入れられて、ハウジング金具38の軸方向中間部分に位置せしめられると共に、ハウジング金具38に対して八方絞り等の縮径加工が施されることにより、ハウジング金具38に対して固定されている。なお、ダイヤフラム56に加硫接着された固定金具58がハウジング金具38の上端に設けられたかしめ部72に下方から当接せしめられると共に、仕切部材62が弾性ゴム壁46の筒壁部50と固定金具58の軸方向間で挟み込まれることにより、それら仕切部材62と固定金具58が、弾性ゴム壁46の筒壁部50とかしめ部72の軸方向間で位置決め固定されている。
また、仕切部材62とハウジング金具38の小径部42の間には、シールゴム層54が介在せしめられており、仕切部材62の外周面がハウジング金具38の小径部42の内周面に対してシールゴム層54を介して流体密に重ね合わされている。これにより、ハウジング金具38の内周側において弾性ゴム壁46とダイヤフラム56の間に形成された流体封入領域60が、仕切部材62で上下に二分されており、仕切部材62を挟んだ一方の側(図2中、下側)には、壁部の一部が弾性ゴム壁46で構成されて、振動入力時に圧力変動が生ぜしめられる主液室としての受圧室88が形成されていると共に、仕切部材62を挟んだ一方の側(図2中、上側)には、壁部の一部がダイヤフラム56で構成されて、容積変化が容易に許容される副液室としての平衡室90が形成されている。
また、仕切部材62の外周面がハウジング金具38の内周面に対して流体密に重ね合わされていることにより、仕切部材62の外周面に開口するように設けられた周溝66の開口部がハウジング金具38によって流体密に覆蓋されている。これにより、周溝66を利用して周方向に延びるトンネル状の流路が形成されている。更に、該トンネル状の流路は、その一方の端部が図示しない連通孔を通じて受圧室88に連通せしめられていると共に、他方の端部が図示しない連通孔を通じて平衡室90に連通せしめられている。これにより、周方向に所定の長さで延びて、受圧室88と平衡室90を相互に連通するオリフィス通路92が形成されている。
そこにおいて、本実施形態では、オリフィス通路92が10Hz程度の低周波数域にチューニングされて、エンジンシェイク等の低周波大振幅振動に対して有効な防振効果が発揮されるようになっている。なお、オリフィス通路92のチューニング周波数は、通路長と通路断面積の比を調節すること等により設定することが出来る。また、オリフィス通路92のチューニング周波数域よりも高周波数域では、オリフィス通路92の流通抵抗が著しく大きくなって、オリフィス通路92が実質的に閉塞するが、その場合には、可動ゴム膜82の弾性変形に基づいて受圧室88の圧力変化が吸収されることから、著しい高動ばね化が回避されて、高周波数域の振動に対しても良好なる防振効果が発揮され得るようになっている。
このような構造とされた液封カセット20は、マウント本体18を構成する外筒金具14に固定されたカセット支持金具28に取り付けられることにより、外筒金具14、延いてはマウント本体18に組み付けられる。より詳細には、液封カセット20のハウジング金具38がカセット支持金具28に圧入固定されることにより、液封カセット20がカセット支持金具28に嵌着されて、外筒金具14に固定されている。なお、このことから明らかなように、本実施形態では、外筒金具14によって固定部材が構成されている。
ここにおいて、液封カセット20のマウント本体18への装着状態下では、弾性ゴム壁46の底壁部48が外筒金具14に形成された切欠部22を通じて、内筒金具12から突出せしめられた弾性当接部24に対して対向位置せしめられている。換言すれば、弾性ゴム壁46は、弾性当接部24を挟んで、当接部材としての内筒金具12に対向位置せしめられているのである。
また、弾性ゴム壁46の底壁部48と弾性当接部24の間には、ピストン部材94が配設されている。そこにおいて、ピストン部材94は、弾性ゴム壁46や弾性当接部24とは非接着で別体形成されている。このピストン部材94は、鉄鋼やアルミニウム合金,硬質の合成樹脂等の剛性材によって形成されており、本実施形態では、図5及び図6に示されているように、円板形状を呈するプレート部96を備えていると共に、かかるプレート部96の中央部分において、厚さ方向他方の側(下面側)に突出する円形ブロック状の作用突起98が一体形成されている。特に本実施形態では、ピストン部材94のプレート部96の外径寸法は、弾性ゴム壁46の底壁部48の中央部分(テーパ部52よりも径方向内側に位置する部分)の外径寸法よりも大きくされている。また、本実施形態では、プレート部96に対して、その下端面(作用突起98が突設されているほうの面)の外周縁部と外周面を被覆する被覆ゴム100が設けられている。そして、この被覆ゴム100によって、プレート部96の外周縁部のエッジ部分が覆われている。
このような構造とされたピストン部材94は、カセット支持金具28の一対の取付脚32,32にそれぞれ設けられた下側段差面36に、被覆ゴム100を介した状態で、プレート部96が重ね合わされて、作用突起98がカセット支持金具28の一対の取付脚32,32の間から下方に突出するようにして、カセット支持金具28に組み付けられている。即ち、ピストン部材94は、内筒金具12に対して相対変位可能とされているのである。
また、本実施形態では、ピストン部材94のプレート部96の外周縁部において、径方向一方向で対向位置せしめられるように、一対の位置決め切欠102が形成されていると共に、カセット支持金具28の一対の取付脚32,32にそれぞれ形成された下段段差面36,36において、軸直角方向で対向位置せしめられるように、一対の位置決め突起104,104が形成されている。そして、上述の如くピストン部材94がカセット支持金具28に組み付けられた状態で、ピストン部材94の位置決め切欠102,102内に、カセット支持金具28の位置決め突起104,104が位置せしめられている。これにより、ピストン部材94がカセット支持金具28に対して周方向で位置決めされている。
また、本実施形態では、位置決め突起104,104の高さ寸法は、ピストン部材94の変位距離よりも大きくされている。その結果、位置決め突起104,104と位置決め切欠102,102のガイド作用によるピストン部材94の軸方向への安定した変位が実現され得るようになっている。即ち、本実施形態では、位置決め突起104,104と位置決め切欠102,102によって、ピストン部材94の変位方向を規定するガイド機構が構成されているのである。
更にまた、上述の如くピストン部材94がカセット支持金具28に組み付けられた状態で、ピストン部材94のプレート部96の上面には、弾性ゴム壁46の底壁部48の中央部分が非接着で当接せしめられている。特に本実施形態では、底壁部48の中央部分が軸方向上方に僅かに変位せしめられた状態、即ち、底壁部48が軸方向上方に僅かに弾性変形せしめられた状態で、ピストン部材94のプレート部96が弾性ゴム壁46の底壁部48の中央部分に当接せしめられている。換言すれば、本実施形態において、弾性ゴム壁46は、予圧縮状態でピストン部材94に当接せしめられている。
そして、このように弾性ゴム壁46が予圧縮状態でピストン部材94に当接せしめられていることにより、弾性ゴム壁46の弾性力(元の形状に戻ろうとする力)がピストン部材94に及ぼされて、ピストン部材94のプレート部96の外周縁部が下側段差面36に押し付けられている。即ち、本実施形態では、ピストン部材94に対して、プレート部96がカセット支持金具28の一対の取付脚32,32における下側段差面36に重ね合わされた初期位置に戻る復帰力が、常時、及ぼされるようになっているのである。その結果、ピストン部材94の作動状態の安定化と不必要ながたつきの防止が図られている。
また、上述の如くピストン部材94がカセット支持金具28に組み付けられた状態で、作用突起98と弾性当接部24との間には、僅かな隙間が形成されている。即ち、ピストン部材94と弾性当接部24は非接着とされているのである。
また、外筒金具14には、ブラケット105が取り付けられている。このブラケット105は、鉄やアルミニウム合金等の金属材や繊維補強された硬質の合成樹脂材等で形成された高剛性の部材であって、外筒金具14に固着されるアウタ固着部106と、防振連結すべき他方の部材に取り付けられる取付部108を有している。
より詳細には、アウタ固着部106は、一対の挟持板110,110を備えている。一対の挟持板110,110は、相互に平行に広がるように対向して配置されており、ブラケット105の外筒金具14への装着状態下において、外筒金具14を軸方向両側から挟み込むように対向位置せしめられている。更に、挟持板110は、基端部112と一対の突出挟持部114,114を有している。基端部112は、略平板形状であって、ブラケット105の外筒金具14への装着状態下において、外筒金具14の軸方向に対して直交する方向で広がっている。また、基端部112には、一対の突出挟持部114,114が一体形成されている。一対の突出挟持部114,114は、基端部112の幅方向(図1中、左右)両端部から上方に向かって突出するように形成されており、基端部112と同一の平面上で広がる板状とされている。また、突出挟持部114は、外筒金具14の周方向での湾曲に応じて上下方向で湾曲しており、突出方向において一対の突出挟持部114,114の離隔距離が変化している。
また、一対の挟持板110,110の対向面間には、一対の支持板116,116が設けられている。支持板116は、挟持板110と直交して、図2中の上下方向に広がる略矩形平板形状を有しており、一対の挟持板110,110の基端部112,112間に設けられて、それら基端部112,112を相互に連結せしめている。また、本実施形態では、一対の支持板116,116が図2中の左右方向で所定距離を隔てて対向位置せしめられている。これにより、一対の挟持板110,110が一対の支持板116,116によって相互に連結されて、本実施形態におけるアウタ固着部106が形成されている。
また、一対の挟持板110,110と支持板116,116で構成されたアウタ固着部106には、取付部108が固着されている。取付部108は、逆向きの略有底円筒形状を有するベース部118と、ベース部118の周上の複数箇所に固着された取付脚部120を備えている。そして、ベース部118の上底壁部に対してアウタ固着部106の下端面が溶接等の手段によって接着されることにより、本実施形態におけるブラケット105が構成されている。
そして、ブラケット105には、外筒金具14が固定的に嵌め付けられる。即ち、一対の挟持板110,110の対向面間に外筒金具14が嵌め入れられると共に、外筒金具14が一対の支持板116,116に対して上方から載置される。そして、溶接等の手段によって外筒金具14をブラケット105に対して固着せしめることにより、外筒金具14にブラケット105が固定されている。
また、ブラケット105の取付脚部120が図示しない固定ボルト等を用いて図示しない車両ボデー等の防振連結すべき他方の部材に取り付けられるようになっており、外筒金具14がブラケット105を介して車両ボデー側に取り付けられるようになっている。
ここにおいて、内筒金具12と外筒金具14の間に振動が入力されると、内筒金具12と外筒金具14が軸直角方向で相対変位せしめられる。これにより、内筒金具12に対して径方向外方に突出するように設けられた弾性当接部24がピストン部材94を弾性ゴム壁46の弾性力に逆らって押し上げるようになっている。その結果、ピストン部材94のプレート部96に当接せしめられている弾性ゴム壁46の底壁部48がハウジング金具38に対して相対的に変位せしめられて、受圧室88に内圧変動が生ぜしめられるようになっている。
そして、受圧室88と平衡室90の間での相対的な圧力変動によってオリフィス通路92を通じて両室88,90間で流体流動が生ぜしめられて、オリフィス通路92を通じて流動せしめられる流体の流動作用に基づく防振効果が発揮されるようになっている。
すなわち、自動車の走行状態下において主に問題となるエンジンシェイク等の低周波数域の振動が内筒金具12と外筒金具14の間に入力されると、低周波数域にチューニングされたオリフィス通路92を通じて受圧室88と平衡室90の間で流体流動が生ぜしめられて、流体の共振作用等の流動作用に基づく高減衰効果等の防振効果が有効に発揮されるようになっている。
また、本実施形態のエンジンマウント10では、主たる振動入力方向であるハウジング金具38の軸方向で衝撃的な振動荷重が入力されて、内筒金具12が外筒金具14に対して図2中の略下方に向かって大きく相対変位せしめられると、内筒金具12側から下方に向かって突出する弾性ストッパ26が外筒金具14に当接せしめられる。これによって、内筒金具12と外筒金具14の相対変位が緩衝的に制限されて、本体ゴム弾性体16の過大な弾性変形が防がれるようになっており、本体ゴム弾性体16の耐久性向上が有利に図られている。特に本実施形態では、弾性ストッパ26の突出先端面に多数の小突起が形成されている。それ故、弾性ストッパ26と外筒金具14の当接が緩衝的に実現されて、それら弾性ストッパ26と外筒金具14の当接による乗り心地の悪化が低減乃至は回避されるようになっている。
さらに、本実施形態のエンジンマウント10では、ピストン部材94と弾性当接部24の間に隙間が形成されている。それ故、主たる振動入力方向であるハウジング金具38の軸方向で衝撃的な振動荷重が入力されて、内筒金具12が外筒金具14に対して図2中の略下方に向かって大きく相対変位せしめられると、ピストン部材94と弾性当接部24が離隔せしめられるようになっている。これにより、受圧室88内の圧力が著しく低下するのを防いで、キャビテーションと解される気泡が原因であると考えられる異音や振動の発生を効果的に防ぐことが出来る。
このような本実施形態の自動車用エンジンマウント10においては、弾性ゴム壁46がピストン部材94を介して内筒金具12に押圧せしめられるようになっていることから、ピストン部材94において弾性ゴム壁46に当接せしめられている部分、即ち、ピストン部材94のプレート部96の形状や大きさ等を変更することにより、弾性ゴム壁46において弾性変形せしめられる領域を変更することが可能となる。これにより、受圧室88に及ぼされる圧力変動の大きさを変更することが可能となる。その結果、オリフィス通路92を流動せしめられる流体の流動作用に基づく減衰特性を変更することが可能となる。
従って、本実施形態のエンジンマウント10においては、減衰特性のチューニング自由度を大きく確保することが可能となるのである。
特に、本実施形態のエンジンマウント10においては、液封カセット20がマウント本体18と別体形成されていることから、防振特性が異なるように設定された複数種類の液封カセット20を用意しておき、これら複数種類の液封カセット20のうちから要求される防振特性に応じた液封カセット20を採用することにより、減衰特性のチューニング自由度を一層大きく確保することが可能となる。
また、本実施形態のエンジンマウント10においては、ピストン部材94が弾性ゴム壁46や本体ゴム弾性体16とは別体形成されていることから、弾性ゴム壁46や本体ゴム弾性体16の製造、延いては、エンジンマウント10の製造が容易になる。即ち、弾性ゴム壁46や本体ゴム弾性体16の加硫成形に際して、ピストン部材94に加硫成形前に行う前処理を施したり、ピストン部材94を成形キャビティ内の所定位置にセットしたりする必要がなくなるから、弾性ゴム壁46や本体ゴム弾性体16の製造、延いては、エンジンマウント10の製造が容易になるのである。
更にまた、本実施形態のエンジンマウント10においては、ピストン部材94が弾性ゴム壁46に対して非接着で別体形成されていることから、振動入力時における弾性ゴム壁46の弾性変形の際に、弾性ゴム壁46に対してピストン部材94の拘束力が作用しないようになっており、その結果、弾性ゴム壁46の耐久性を高めることが可能となる。
また、本実施形態のエンジンマウント10においては、液封カセット20がマウント本体18とは別体で設けられており、振動入力による内筒金具12と外筒金具14の相対的な変位に伴って、液封カセット20内で流体の流動が生ぜしめられるようになっている。それによって、本体ゴム弾性体16と流体封入領域60を分離させることが可能となり、本体ゴム弾性体16のサイズや形状の設計自由度を確保して、本体ゴム弾性体16に要求される耐久性やばね特性を有利に実現しつつ、流体封入領域60の容積を大きく確保して、流体の流動作用に基づいて発揮される防振効果を有効に得ることが可能となる。
さらに、本体ゴム弾性体16と一体形成された弾性ストッパ26のゴムボリュームも、流体封入領域60の容積に関らず、充分に確保することが出来る。それ故、弾性ストッパ26の耐久性を有利に確保することが出来て、ストッパ効果を安定して発揮せしめることが出来る。従って、本体ゴム弾性体16の耐久性向上を図ることが出来る。
しかも、内筒金具12と外筒金具14の径方向間の領域を大きく確保することなく、別体の液封カセット20をマウント本体18に組み付けることにより、本体ゴム弾性体16のゴムボリュームや流体封入領域60の容積の確保を実現している。それ故、外筒金具14の直径を大きくすることなく、高い設計自由度を実現することが可能となる。
また、本体ゴム弾性体16と弾性ゴム壁46が別部材として形成されていることにより、本体ゴム弾性体16を形成するゴム材料の組成と、弾性ゴム壁46を形成するゴム材料の組成を異ならせることが出来る。それ故、本体ゴム弾性体16に要求される耐荷重性能や減衰性能等の特性と、弾性ゴム壁46に要求される封入流体に対する耐液性能や流体のシール性能等の特性を、両立してそれぞれ高度に実現することが出来る。
更にまた、本実施形態のエンジンマウント10においては、ピストン部材94の変位方向が、ピストン部材94のプレート部96の外周縁部に形成された一対の位置決め切欠102,102と、カセット支持金具28に設けられた一対の位置決め突起104,104とのガイド作用によって、カセット支持金具28の軸方向に略一致するようにされていることから、ピストン部材94の変位方向を安定させて、弾性ゴム壁46に押圧力が作用する方向を安定させることが可能となる。その結果、受圧室88に有効な圧力変動を安定して生ぜしめることが可能となる。
因みに、本実施形態のエンジンマウント10に採用されていた液封カセット20に対して、厚肉円板状のピストン部材を、同一中心軸線上で重ね合わせて、加振力を加えた場合の動的ばね定数と減衰係数を測定した。その際、加振力は、振幅が±0.1mmの場合と±0.5mmの場合について測定した。また、弾性ゴム壁46の自由長は、69.2mmである。更にまた、ピストン部材は、外径寸法が25mmと50mmと65mmの場合について測定した。なお、弾性ゴム壁46の底壁部48の中央部分の外径寸法は20mmとされており、ピストン部材によって、弾性ゴム壁46の底壁部48の中央部分の全体が軸方向に変位されるようにした。更に、動的ばね定数は、周波数が15Hzの場合と30Hzの場合について測定した。その結果を表1に示す。また、振幅が±0.1mmの加振力で周波数スイープ加振をし、動的ばね定数と減衰係数の周波数特性を測定した。その際、ピストン部材は、外径寸法が40mmと50mmの場合について測定した。その結果を、図7に示す。
Figure 2009074659
表1及び図7から明らかなように、ピストン部材の外径寸法が大きい程、減衰係数と動的ばね定数が大きくなることが確認された。
続いて、本発明に係る防振装置の第二の実施形態としてのエンジンマウント122について、図8に基づいて説明する。なお、以下の説明において、第一の実施形態と同様な構造とされた部材及び部位については、図中に、第一の実施形態と同一の符号を付すことにより、それらの詳細な説明を省略する。
本実施形態のエンジンマウント122は、第一の実施形態のエンジンマウント(10)に比して、ピストン部材124の形状が異なっている。即ち、本実施形態のピストン部材124は、図9及び図10に示されているように、プレート部96の上面(作用突起98が突設されたほうと反対の面)において外周縁部の近くに全周に亘って略一定の断面形状で延びる円環状の当接突起126が設けられている。特に本実施形態では、かかる当接突起126はプレート部96に対して一体形成されている。また、本実施形態の当接突起126は、略一定の矩形断面形状で全周に亘って延びるように形成されており、その突出端面がプレート部96の上面に対して平行な平坦面とされている。なお、当接突起126の突出端面は、弾性ゴム壁46への当接時において、弾性ゴム壁46に応力が集中しないようにして弾性ゴム壁46の耐久性を向上させるために、弾性ゴム壁46の表面の形状に対応した形状や適当な湾曲面形状等であっても良い。また、本実施形態の当接突起126は、各位置決め切欠102の内周側に設けられている。
このような構造とされたピストン部材124は、第一実施形態と同様に、作用突起98が外方に突出する状態で、カセット支持金具28に組み付けられている。
そして、本実施形態でも、上述の如くピストン部材124がカセット支持金具28に組み付けられた状態で、弾性ゴム壁46が予圧縮状態とされており、弾性ゴム壁46の復元力がピストン部材124に及ぼされて、ピストン部材124のプレート部96の外周縁部がカセット支持金具28の下側段差面36,36に押し付けられている。
さらに、上述の如くピストン部材124がカセット支持金具28に組み付けられた状態で、ピストン部材124に設けられた当接突起126が弾性ゴム壁46の底壁部48のテーパ部52に対して又はテーパ部52よりも径方向外方に位置する円環板状の外周部分の内周縁に対して全周に亘って当接せしめられている。換言すれば、ピストン部材124に設けられた当接突起126は、弾性ゴム壁46の底壁部48において弾性変形可能な領域の基端部付近に対して全周に亘って当接せしめられているのである。
また、ピストン部材124と弾性当接部24が非接着とされており、特に本実施形態では、ピストン部材124がカセット支持金具28に組み付けられた状態で、作用突起98と弾性当接部24の間に隙間が形成されている。
このような構造とされたエンジンマウント122においては、弾性ゴム壁46がピストン部材124を介して内筒金具12に押圧されるようになっていることから、第一の実施形態と同様な効果を得ることが出来る。
そこにおいて、本実施形態では、ピストン部材124の当接突起126が弾性ゴム壁46の底壁部48に設けられたテーパ部52の外側を押圧するようになっていることから、弾性ゴム壁46において弾性変形せしめられる領域を大きくすることが可能となる。その結果、受圧室88に及ぼされる圧力変動をより大きくすることが可能となり、より大きな減衰特性を得ることが可能となる。
因みに、本実施形態のエンジンマウント122に採用されている液封カセット20の弾性ゴム壁46に対して、厚肉円板形状を有する本体部分の外周縁部から厚さ方向一方の側に突出する筒壁状の突起が設けられたピストン部材を、同一中心軸線上で重ね合わせて、加振力を加えた場合の動的ばね定数と減衰係数を測定した。その際、加振力は、振幅が±0.1mmの場合と±0.5mmの場合について測定した。また、弾性ゴム壁46の自由長は69.2mmである。更にまた、ピストン部材は、外径寸法が40mmと50mmの場合について測定した。更に、動的ばね定数は、周波数が15Hzの場合と30Hzの場合について測定した。その結果を表2に示す。また、振幅が±0.1mmの加振力で周波数スイープ加振をし、動的ばね定数と減衰係数の周波数特性を測定した。その際、ピストン部材は、外径寸法が40mmと50mmの場合について測定した。その結果を、図11に示す。
Figure 2009074659
表2及び図11から明らかなように、ピストン部材の外径寸法が大きいほうが、動的ばね定数と減衰係数が大きな値をとることが確認できた。
以上、本発明の幾つかの実施形態について詳述してきたが、これらはあくまでも例示であって、本発明は、かかる実施形態における具体的な記載によって、何等、限定的に解釈されるものではない。
例えば、前記第一及び第二の実施形態において、作用突起98は、必ずしも必要なものではない。また、前記第一及び第二の実施形態において、作用突起98は、エンジンマウント10,122単体及びエンジンマウント10,122の装着状態下で、弾性当接部24から離隔位置せしめられていたが、エンジンマウント10,122単体では、作用突起98が弾性当接部24から離隔位置せしめられているが、エンジンマウント10,122の装着状態下で、静荷重(パワーユニットの分担支持荷重)によって作用突起98と弾性当接部24が当接せしめられていても良いし、或いは、エンジンマウント10,122の装着状態下だけでなく、エンジンマウント10,122単体そのものでも、作用突起98が弾性当接部24に当接せしめられていても良く、この場合、弾性当接部24が作用突起98に押圧されていても良い。
また、前記第一及び第二の実施形態において、位置決め切欠102や位置決め突起104は必ずしも必要ではない。更に、前記第一及び第二の実施形態において、位置決め切欠102や位置決め突起104は、径方向で対向する位置に一対形成されていたが、三つ以上形成されていても良いし、一つだけ形成されていても良い。更にまた、前記第一及び第二の実施形態において、ピストン部材94,124側に位置決め突起が設けられている一方、カセット支持金具28側に位置決め切欠が設けられていても良い。
また、本発明においては、図12に示されているように、プレート部96に対して当接突起としてのゴム突起128が加硫接着されたピストン部材130を採用することも可能である。これにより、弾性ゴム壁46の底壁部48においてゴム突起128が当接せしめられる部分の損傷を有利に回避することが可能となる。その結果、弾性ゴム壁46の耐久性を有利に確保することが可能となる。なお、理解を容易にするために、図12では、第一の実施形態のピストン部材94と同様な構造とされた部材及び部位については、第一の実施形態と同一の符号を付してある。
さらに、前記第二の実施形態において、当接突起126の突出先端面はプレート部96の上面に平行な円環状の平坦面とされていたが、上方に凸となる円弧状湾曲面であっても良い。この場合、弾性ゴム壁46において当接突起126が当接せしめられる部分の損傷を有利に回避することが可能となり、その結果、弾性ゴム壁46の耐久性を確保することが可能となる。
また、前記第一及び第二の実施形態では、外筒金具14の周上の一部に切欠部22が形成されており、切欠部22の形成箇所において、外筒金具14に液封カセット20が組み付けられている。しかし、外筒金具14の周上に複数の切欠部22が形成されていても良く、更に、それら複数の切欠部22の形成箇所にそれぞれ液封カセット20が組みつけられるようになっていても良い。具体的には、例えば、外筒金具において径方向で対向する両側にそれぞれ窓状の切欠部が形成されており、それら一対の切欠部を通じて弾性ゴム壁46が挿し入れられるように一対の液封カセット20,20が組み付けられた構造も採用することが出来る。このような一対の液封カセット20,20を備えた構造によっても、流体の流動作用に基づく優れた防振効果をより有効に得ることが出来る。
また、前記第一及び第二の実施形態では、外筒金具14に形成された切欠部22が外筒金具14の軸方向全長に亘って延びるように形成されて、外筒金具14が周方向で分断された略C字断面を有しているが、例えば、外筒金具14の軸方向中間部分において周上の一部で開口する窓状の切欠部を形成して、かかる窓状の切欠部を通じて弾性ゴム壁46が内筒金具12に当接せしめられるようになっていても良い。
また、前記第一及び第二の実施形態で示された液封カセット20のマウント本体18に対する組付方法は、あくまでも一例であって、何等限定的に解釈されるものではない。更に、前記第一及び第二の実施形態では、外筒金具14が特定構造のブラケット105を介して車両ボデーに組み付けられるようになっていたが、必ずしもブラケット105を介して車両ボデー側に取り付けられるようになっていなくても良いし、ブラケット105の具体的な構造も何等限定されるものではない。
また、前記第一及び第二の実施形態では、内筒金具12とピストン部材94,124が弾性当接部24を介して間接的に当接せしめられているが、内筒金具12とピストン部材94,124は直接的に当接せしめられるようになっていても良い。
また、前記第一及び第二の実施形態では、液封カセット20として、受圧室88と平衡室90を相互に連通するオリフィス通路92を備えた構造が例示されている。しかしながら、液封カセット20(液封ユニット)の具体的な構造は、特に限定されるものではなく、例えば、二つ以上のオリフィス通路を備えた構造や、高周波数域の振動入力に対して液圧吸収作用による防振効果を発揮する可動板等を備えた構造とされていても良い。更に、例えば、二つのオリフィス通路を備えると共に、空気圧式のアクチュエータや電磁式のアクチュエータ等の各種アクチュエータを備えており、一方のオリフィス通路の連通状態と遮断状態をアクチュエータを利用して切換えることにより防振特性を変化させることが出来る、切換型の液封カセット20(液封ユニット)を採用することも出来る。
また、前記第一及び第二の実施形態では、本発明を自動車用のエンジンマウントに適用した例が示されているが、本発明は、エンジンマウント以外に用いられる防振装置にも適用することが可能である。また、本発明は、自動車以外に用いられる防振装置にも適用可能である。
更にまた、前記第一及び第二の実施形態では、本発明を筒型防振装置に適用したものの具体例が示されていたが、本発明は、所謂御椀型の防振装置に対しても、勿論適用可能である。具体的には、液封ユニットと別体形成された本体ゴム弾性体における主たる振動入力方向の一方の端部の中央部分に対して、振動伝達系を構成する一方の部材に取り付けられる第一の取付部材が固着されている一方、本体ゴム弾性体の主たる振動入力方向の他方の端部側に対して、弾性ゴム壁が本体ゴム弾性体における主たる振動入力方向の他方の端面に対向位置せしめられるように、液封ユニットが配設されていると共に、弾性ゴム壁と本体ゴム弾性体の対向面間において、これら弾性ゴム壁と本体ゴム弾性体とは別体形成されたピストン部材が配設されており、更に、液封ユニットの筒状ハウジングが本体ゴム弾性体の外周面に対して固定されて取り付けられることにより振動伝達系を構成する他方の部材に取り付けられる第二の取付部材が筒状ハウジングを含んで構成されている態様が採用されることとなる。なお、この場合、ピストン部材には、弾性ゴム壁に当接する突起が、必要に応じて、設けられるようになっている。
その他、一々列挙はしないが、本発明は、当業者の知識に基づいて種々なる変更,修正,改良等を加えた態様において実施され得るものであり、また、そのような実施態様が、本発明の趣旨を逸脱しない限り、何れも、本発明の範囲内に含まれるものであることは、言うまでもない。
本発明の第一の実施形態としての自動車用エンジンマウントを示す正面図。 図1に示されたエンジンマウントの図3におけるII−II線断面図。 図1に示されたエンジンマウントの図2におけるIII−III線断面図。 図1に示されたエンジンマウントを構成する液封カセットを示す縦断面図。 図1のエンジンマウントに採用されているピストン部材の平面図。 図5におけるVI−VI断面図。 第一の実施形態のピストン部材を採用した効果を示すグラフ。 本発明の第二の実施形態としてのエンジンマウントを示す縦断面図。 同エンジンマウントで採用されているピストン部材の平面図。 図9におけるX−X断面図。 第二の実施形態のピストン部材を採用した効果を示すグラフ。 本発明で採用可能なピストン部材の他の態様を説明するための縦断面図。
符号の説明
10:自動車用エンジンマウント,12:内筒金具,14:外筒金具,16:本体ゴム弾性体,18:マウント本体,20:液封カセット,38:ハウジング金具,46:弾性ゴム壁,56:ダイヤフラム,60:流体封入領域,62:仕切部材,88:受圧室,90:平衡室,92:オリフィス通路,94:ピストン部材

Claims (5)

  1. 振動伝達系を構成する一方の部材に取り付けられる第一の取付部材と、振動伝達系を構成する他方の部材に取り付けられる第二の取付部材が離隔配置されており、これら第一の取付部材と第二の取付部材が本体ゴム弾性体によって連結された構造の防振装置において、
    筒状ハウジングの一方の開口部が弾性ゴム壁で閉塞されると共に、該筒状ハウジングの他方の開口部が可撓性膜で閉塞されて、それら弾性ゴム壁と可撓性膜の対向面間に非圧縮性流体が封入された流体室が形成されており、該流体室内に配設されて該流体室を二分する仕切部材が該筒状ハウジングで支持されて、該仕切部材を挟んだ一方の側に壁部の一部が該弾性ゴム壁で構成された主液室が形成されていると共に、該仕切部材を挟んだ他方の側に壁部の一部が該可撓性膜で構成された副液室が形成されて、それら主液室と副液室がオリフィス通路で相互に連通せしめられた構造の液封ユニットを備えており、
    該液封ユニットの該筒状ハウジングが前記第一の取付部材と前記第二の取付部材の何れか一方の固定部材に対して固着されている一方、該液封ユニットの該弾性ゴム壁が該第一の取付部材と該第二の取付部材の何れか他方の当接部材に対向位置せしめられていると共に、該当接部材と該弾性ゴム壁との対向部間には、これら当接部材と弾性ゴム壁とは非接着で別体形成された硬質のピストン部材が該当接部材と該弾性ゴム壁の対向方向で該当接部材に対して変位可能に配設されており、該第一の取付部材と該第二の取付部材の間への振動入力時に該液封ユニットの該弾性ゴム壁が該ピストン部材を介して該当接部材に押圧されて弾性変形せしめられることにより該主液室に圧力変動が及ぼされるようになっていることを特徴とする防振装置。
  2. 前記第一の取付部材がインナ軸部材によって構成されている一方、前記第二の取付部材が該インナ軸部材の外周側に離隔配置されたアウタ筒部材によって構成されており、該アウタ筒部材の周上に形成された開口窓に対して前記液封ユニットの前記筒状ハウジングが嵌着固定されて、該液封ユニットの前記弾性ゴム壁が前記ピストン部材を介して該インナ軸部材に当接されるようになっており、該イインナ軸部材と該アウタ筒部材の間への軸直角方向の振動入力時に該液封ユニットの該弾性ゴム壁が該ピストン部材を介して該インナ軸部材で押圧されて弾性変形せしめられることにより前記主液室に圧力変動が及ぼされるようになっている請求項1に記載の防振装置。
  3. 前記ピストン部材が、平板形状を有するプレート部と、該プレート部の外周縁部に設けられた当接突起を有しており、該当接突起が前記弾性ゴム壁に当接せしめられるようになっている請求項1又は2に記載の防振装置。
  4. 前記プレート部が金属プレートで形成されており、前記当接突起が該プレート部に加硫接着されているゴム突起で形成されている請求項3に記載の防振装置。
  5. 前記ピストン部材の変位方向を規定するガイド機構が設けられている請求項1乃至4の何れか1項に記載の防振装置。
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