JP2009074369A - 燃料噴射システム - Google Patents

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Abstract

【課題】内燃機関の温度上昇により燃料噴射量が減少しても、燃焼室内の燃焼を安定して行うことができる燃料噴射システムを提供する。
【解決手段】内燃機関の温度の所定の設定温度領域内において、メイン噴射およびパイロット噴射から成るマルチパイロット噴射により、燃料を燃焼室に噴射可能な燃料噴射手段と、内燃機関の負荷を変更可能な内燃機関負荷手段と、燃料噴射手段および内燃機関負荷手段を制御可能に構成され、内燃機関の温度に応じて燃料噴射量を変更可能であると共に、内燃機関の負荷に応じて燃料噴射量を変更可能な燃料噴射制御手段とを備え、燃料噴射制御手段は、内燃機関の温度上昇に伴って減少した燃料噴射量が、マルチパイロット噴射を実行可能な噴射最下限量を下回った場合、内燃機関負荷手段により内燃機関の負荷を増加させて、燃料噴射量を増加させる。
【選択図】 図3

Description

本発明は、燃焼室内に燃料を噴射する燃料噴射システムに関するものである。
従来の燃料噴射システムとして、燃焼室内に燃料を噴射する燃料噴射弁と、燃料噴射弁に燃料を供給する燃料供給系とを備えたディーゼルエンジンが知られている(特許文献1参照)。このエンジン(内燃機関)では、主噴射(メイン噴射)に加えて2回のパイロット噴射を行うマルチパイロット噴射により燃焼室内に燃料を噴射可能な構成となっている。
特開2003−269229号公報
ところで、エンジンのアイドル運転状態において、燃焼室内に噴射される燃料の燃料噴射量は、エンジンの温度に応じて可変するように構成されている。すなわち、エンジンの温度が低いと、エンジン内のエンジンオイルの粘性抵抗が大きいため、エンジンの負荷は大きくなってしまう。このため、アイドル運転状態において所定のエンジン回転数を得るには、燃料噴射弁からの燃料噴射量を多くして出力トルクを上昇さなければならない。一方、エンジンが温度上昇すると、エンジンオイルの粘性抵抗が小さくなるため、エンジンの負荷は小さくなる。このため、余分な出力トルクを下げるべく、エンジンの温度上昇に伴って燃料噴射弁からの燃料噴射量を少なくしてゆく。
このとき、エンジンのアイドル運転状態において、燃焼室内に噴射される燃料の燃料噴射量は、その噴射最下限量が規定されている。すなわち、上記の構成におけるマルチパイロット噴射は、実行可能な噴射最下限量が予め規定されている。ここで、エンジンの温度上昇に伴って減少した燃料噴射量が、噴射最下限量を下回った場合、パイロット噴射を行わずにあるいはパイロット噴射の噴射回数を減らした状態で、主噴射を行うため、燃焼室内の燃焼が不安定となってしまう虞がある。
そこで、本発明は、内燃機関の温度上昇により燃料噴射量が減少しても、燃焼室内の燃焼を安定して行うことができる燃料噴射システムを提供することを課題とする。
本発明の燃料噴射システムは、内燃機関の温度の所定の設定温度領域内において、メイン噴射およびパイロット噴射から成るマルチパイロット噴射により、燃料を燃焼室に噴射可能な燃料噴射手段と、内燃機関の負荷を変更可能な内燃機関負荷手段と、燃料噴射手段および内燃機関負荷手段を制御可能に構成され、内燃機関の温度に応じて燃料噴射量を変更可能であると共に、内燃機関の負荷に応じて燃料噴射量を変更可能な燃料噴射制御手段とを備え、燃料噴射制御手段は、内燃機関の温度上昇に伴って減少した燃料噴射量が、マルチパイロット噴射を実行可能な噴射最下限量を下回った場合、内燃機関負荷手段により内燃機関の負荷を増加させて、燃料噴射量を増加させることを特徴とする。
この場合、燃料噴射制御手段は、燃料噴射量が噴射最下限量を上回るまで内燃機関負荷を増加させることが好ましい。
これらの場合、噴射最下限量は、燃料噴射手段により噴射可能な最小噴射量に、メイン噴射およびパイロット噴射の噴射回数を乗算した噴射量であることが好ましい。
また、これらの場合、アクセル開度を検出するアクセル開度検出手段をさらに備え、燃料噴射制御手段により内燃機関の負荷が増加したときに、アクセル開度検出手段により検出したアクセル開度が、予め設定された設定アクセル開度を超えた場合、燃料噴射制御手段は、内燃機関負荷手段による内燃機関の負荷を減少させることが好ましい。
本発明にかかる燃料噴射システムは、内燃機関の温度上昇により燃料噴射量が減少しても、燃焼室内の燃焼を安定して行うことができるという効果を奏する。
以下、添付した図面を参照して、本発明にかかる燃料噴射システムについて説明する。なお、この実施例によりこの発明が限定されるものではない。
ここで、図1は、実施例1にかかるエンジンおよび燃料噴射システムを示す概略構成図であり、図2は、エンジンのアイドル運転時におけるエンジン水温および燃料噴射量に関するグラフである。図3は、エンジンのアイドル運転時におけるエンジン負荷の制御に関するフローチャートである。
図1を参照して、本実施形態にかかる燃料噴射システムについて説明する。この燃料噴射システム1は、内燃機関10の燃焼室35内に燃料を噴射可能な燃料噴射装置(燃料噴射手段)5と、燃料噴射装置5を制御可能なエンジンECU6と、エンジンECU6に接続されたエンジン負荷装置(内燃機関負荷手段)7とを備えている。
内燃機関(以下、エンジンという)10は、いわゆるコモンレール式のディーゼルエンジンであり、このエンジン10に組み込まれた燃料噴射装置5は、燃焼室35内に燃料を噴射可能に構成されている。エンジンECU6は、エンジン10全体を統括制御しており、例えば、上記の燃料噴射装置5やエンジン負荷装置7等を制御している。エンジン負荷装置7は、例えば、エンジン10にクラッチ12を介して連結されたビスカスヒータ13や、エンジン10に連結されたオルタネータ(発電機)14から電力供給される電装系15等であり、電装系15としては、グロープラグ16やエアコン17等がある。以下の説明では、エンジン負荷装置7がビスカスヒータ13である場合について説明する。
燃料噴射システム1を説明するに先立ち、エンジン10について簡単に説明する。エンジン10は、内部に複数の燃焼室(図示では1つ)35を有するエンジン本体20と、各燃焼室35に燃料を噴射する燃料噴射装置5とを備えている。
エンジン本体20は、クランクケース25と、クランクケース25の上部に設けられたシリンダブロック26と、ヘッドガスケット(図示省略)を介してシリンダブロック26の上部に設けられたシリンダヘッド27とで外郭が形成されている。シリンダブロック26の内部には、上下動可能にピストン28が収容されると共に、クランクケース25の内部には、クランクシャフト29が収容されている。そして、ピストン28とクランクシャフト29とは、コンロッド30により連結されており、ピストン28の上下動作をクランクシャフト29に伝達している。そして、上記のシリンダブロック26、シリンダヘッド27およびピストン28により、燃焼室35が形成されている。
クランクケース25には、クランク角センサ37が配設されており、クランクシャフト29の回転角度を検知している。クランク角センサ37は、エンジンECU6に接続されており、エンジンECU6は、クランク角センサ37の検出結果に基づいて、後述する燃料噴射弁60による燃料噴射時期を制御している。
シリンダブロック26は、その内部にピストン28を収容するための円柱状のシリンダボア40が貫通形成されている。また、シリンダボア40の内壁と外壁との間のシリンダブロック26には、エンジン10を冷却する冷却水の冷却水循環通路となるウォータージャケット41が形成されており、ウォータージャケット41はシリンダボア40の周方向に沿って取り囲むように配設されている。そして、シリンダブロック26には、冷却水の水温(内燃機関の温度:エンジン水温)を検出するエンジン水温検出センサ42が配設されている。なお、詳細は後述するが、エンジン水温検出センサ42は、エンジンECU6に接続されており、エンジンECU6は、エンジン水温検出センサ42の検出結果に基づいて、燃料噴射弁60から噴射される燃料噴射量を変更可能に制御している。
シリンダヘッド27は、その内部に燃焼室35に連通する吸気ポート45と、吸気ポート45に対向配置され、燃焼室35に連通する排気ポート46とが形成されている。
ピストン28は、シリンダボア40に摺接するように円柱状に形成されており、上死点と下死点との間で上下動可能にシリンダボア40に収容されている。
また、燃焼室35と吸気ポート45との間の接続口である吸気側接続口50には、吸気弁55が設けられており、燃焼室35と吸気ポート45との間の接続口である排気側接続口51には、排気弁56が設けられている。吸気弁55および排気弁56は、ラッパ形状をなす末広がりの円錐状に形成されており、吸気側接続口50および排気側接続口51を開放する開放位置(下降)と、吸気側接続口50および排気側接続口51を閉塞する閉塞位置(上昇)との間で移動自在に構成されている。そして、吸気弁55および排気弁56の基端部には、図示しないカム軸がそれぞれ配設されており、各カム軸が回転することにより吸気弁55および排気弁56が個別に移動可能となっている。
また、シリンダヘッド27の吸気側接続口50と排気側接続口51との間には、燃焼室35に燃料を噴射する燃料噴射弁60が配設されており、エンジンECU6によりその燃料噴出動作が制御されている。
ここで、エンジン10における一連の燃焼動作について説明する。ピストン28が上死点から下死点へ向けて移動を開始すると共に、吸気弁55を下降移動させて吸気側接続口50を開放する。すると、燃焼室35の負圧により空気が吸気側接続口50を介して燃焼室35内に吸入され、この後、吸気弁55を上昇移動させて吸気側接続口50を閉塞する。このとき、燃料噴射弁60から燃料が噴射されることで、取り込んだ空気と燃料とが混合して混合気となる。ピストン28は、下死点到達後、上死点へ向けて移動する。ピストン28が上死点に移動すると、この移動に伴って混合気は圧縮される。そして、ピストン28が上死点近傍に達すると、自然着火により混合気が燃焼する。すると、混合気は膨張(爆発)して、ピストン28を上死点から下死点へ向けて移動させる。ピストン28は、下死点到達後、その慣性により、再び上死点へ向けて移動する。このとき、排気弁56を下降移動させて排気側接続口51を開放し、ピストン28の上死点への移動に伴って、燃焼後の排気ガスを排気側接続口51から排出させる。排気ガスの排出後、排気弁56を上昇移動させて排気側接続口51を閉塞する。以上の燃焼サイクルを繰り返し行うことで、ピストン28を上下動作させ、この動力をコンロッド30を介してクランクシャフト29に伝達することで、エンジン10は駆動力を得ることができる。
次に、燃料噴射装置5について説明する。燃料噴射装置5は、各燃焼室35に燃料を噴射する上記した複数の燃料噴射弁(図示では1つ)60と、燃料供給通路L1を介して各燃料噴射弁60に接続されたコモンレール61と、機関燃料通路L2を介してコモンレール61に接続されたサプライポンプ62と、メイン燃料通路L3を介してサプライポンプ62に接続された燃料タンク63とを備えている。
サプライポンプ62は、燃料を貯留した燃料タンク63から燃料を汲み上げると共に、汲み上げた燃料を機関燃料通路L2を介してコモンレール61に加圧供給している。
コモンレール61は上面視長方形状に形成されており、コモンレール61には、機関燃料通路L2から加圧供給された高圧の燃料が蓄えられる。また、コモンレール61の内部には、コモンレール61内の圧力を検出する圧力センサ65が配設されている。圧力センサ65は、エンジンECU6に接続されており、圧力センサ65の検出結果に基づいて、サプライポンプ62をフィードバック制御することで、コモンレール61内の圧力を所定の圧力に維持している。
各燃料噴射弁60は、その内部にソレノイドが組み込まれた電磁弁式の燃料噴射弁であり、エンジンECU6によりソレノイドを制御することで、燃料噴射動作をコントロールしている。具体的には、エンジンECU6がソレノイドに通電を行うと、燃料噴射弁60が開放して高圧となった燃料が噴射され、一方、エンジンECU6がソレノイドへの通電をOFFにすると、燃料噴射弁60が閉塞して燃料の噴射が断たれる。なお、詳細は後述するが、エンジンECU6は燃料噴射弁60を制御して、メイン噴射およびパイロット噴射からなるマルチパイロット噴射を行うことが可能な構成となっている。
ここで、燃料噴射装置5による一連の動作について説明する。サプライポンプ62により燃料タンク63から燃料が汲み上げられると、汲み上げられた燃料は、機関燃料通路L2を通過してコモンレール61に加圧送液される。コモンレール61に流入した燃料は、高圧となった状態でコモンレール61に貯留される。この状態で、エンジンECU6が各燃料噴射弁60を開放すると、高圧状態の燃料が燃料噴射弁60から噴射される。一方、エンジンECU6が各燃料噴射弁を閉塞すると、燃料の噴射が断たれる。
次に、エンジンECU6について説明する。エンジンECU6は、主としてCPU70、ROM71、RAM72、入力ポート73および出力ポート74等により構成され、内部バス75を介して互いに接続されている。CPU70は、各種センサ等から入力された各種検出信号に基づいて演算処理を行うものである。ROM71は、各種プログラムやデータを記憶している。RAM72は、各種プログラムを実行するための作業領域となっている。
エンジンECU6には、上記のビスカスヒータ13、グロープラグ16やエアコン17が制御可能に接続され、また、エンジンECU6には、上記したクランク角センサ37や、アクセル開度を検出するアクセルポジションセンサ(アクセル開度検出手段)78等の各種センサが接続されている。
エンジンECU6は、燃料噴射装置5を制御する燃料噴射制御部(燃料噴射制御手段)を有している。具体的に説明すると、エンジンECU6のROM71内には、燃料噴射装置5を制御するための燃料噴射制御プログラム80等が記憶されており、CPU70が、ROM71内から燃料噴射制御プログラム80を読み出してRAM72内に展開し、展開した燃料噴射制御プログラム80を実行することにより、燃料噴射弁60の燃料噴射動作を制御することが可能となっている。
ここで、燃料噴射制御プログラム80は、燃料噴射弁60の噴射時期を制御するための噴射時期制御プログラム81と、燃料噴射弁60からの燃料噴射量を制御するための噴射量可変プログラム82とを有している。
噴射量可変プログラム82は、エンジン水温検出センサ42により検出したエンジン水温に基づいて、燃料噴射量を変更したり、また、算出されたエンジン負荷に基づいて、燃料噴射量を変更したりするものである。
ここで、図2のグラフを参照して、エンジン10の(冷間)始動時におけるアイドル運転でのエンジン水温と燃料噴射量との関係について説明する。このグラフの横軸はエンジン水温となっており、縦軸はアイドル運転時における燃料噴射量となっている。エンジン水温が低いと、エンジン10内のエンジンオイルの粘性抵抗が大きいため、エンジン負荷は大きくなる。このため、所定のエンジン回転数を得るには、燃料噴射弁60からの燃料噴射量を多くして出力トルクを上昇さなければならない。一方、エンジン水温が上昇すると、エンジンオイルの粘性抵抗が小さくなるため、エンジンの負荷は小さくなる。このため、余分な出力トルクを下降させるべく、エンジンECU6は、エンジン水温の上昇に応じて、噴射量可変プログラム82により燃料噴射弁60からの燃料噴射量を少なくしてゆく。すなわち、燃料噴射量はエンジン水温に基づいて設定されており、エンジン水温が低い場合、燃料噴射量は多く設定され、エンジン水温の上昇に伴って燃料噴射量は少なく設定されてゆく。なお、吸気ポート45の上流側には図示しない吸気管が接続されており、エンジン負荷は、吸気管に配設したエアフロメータにより検出した吸入空気量等に基づいて算出される。
次に、噴射時期制御プログラム81によって制御された燃料噴射弁60の燃料噴射パターンの1つであるマルチパイロット噴射について説明する。マルチパイロット噴射は、一燃焼サイクル中に、複数回(本実施例では3回)のパイロット噴射と1回のメイン噴射とを連続して行う燃料噴射パターンである。ここで、燃料噴射弁60から噴射可能な最小燃料噴射量は予め規定されているため、マルチパイロット噴射により実行可能な噴射最下限量も予め規定される。つまり、噴射最下限量は、最小燃料噴射量と、メイン噴射およびパイロット噴射の噴射回数とを乗算した噴射量である。
このとき、マルチパイロット噴射は、予め設定されたエンジン水温の設定温度領域内で行われることが好ましい(図2参照)。言い換えれば、混合気を安定させて燃焼するには、設定温度領域内においてマルチパイロット噴射を行う必要がある。
ところで、上記のように、エンジンECU6は、エンジン水温の上昇に伴って燃料噴射量を減少させるよう制御するため、減少させた燃料噴射量が噴射最下限量を下回ってしまう場合がある。この場合、マルチパイロット噴射を取り止めてメイン噴射のみを行うか、あるいは、パイロット噴射回数を減らす(例えば、3回から2回)か、しなければならない。しかしながら、このようにしてしまうと混合気の燃焼を安定させて行うことが困難となる。このため、後述するエンジン負荷装置(ビスカスヒータ13)7により、エンジン負荷を増加させることで、エンジン10のアイドル運転状態において、燃料噴射量を増加させ、これにより、マルチパイロット噴射を行うことが可能な構成としている。
ここで、エンジン負荷装置7について説明する。エンジン負荷装置7は、粘性流体に剪断力を作用させることにより生じる熱を利用して冷却水を加熱するビスカスヒータ13であり、ビスカスヒータ13は、冷却水が循環する冷却水循環通路(ウォータージャケット)に臨むよう配設されている(図示省略)。ビスカスヒータ13とエンジン10とは、クランクシャフト29に設けた図示しない出力ギアとビスカスヒータ13の入力ギアとを断接するクラッチ12を介して連結されている。すなわち、クラッチ12により出力ギアと入力ギアとが接続されると、エンジン10の駆動力がビスカスヒータ13に伝達されてビスカスヒータ13が作動すると共に、エンジン10には、ビスカスヒータ13を作動した分のエンジン負荷が増加する。なお、クラッチ12の接続動作は、エンジンECU6により制御されている。
以下、図2および図3のフローチャートを参照して、エンジン10のアイドル運転状態おけるエンジン負荷の制御に関する一連の動作フローについて説明する。先ず、エンジンECU6は、エンジン水温検出センサ42により検出したエンジン水温に基づいて、マルチパイロット噴射が必要か否かを判別する(S1)。つまり、検出したエンジン水温が、予め設定された設定温度領域内である場合、マルチパイロット噴射を行うよう設定する。次に、エンジンECU6は、噴射量可変プログラム82を実行して、S1の判別時におけるエンジン水温およびエンジン負荷から、必要な燃料噴射量を算出する(S2)。この後、エンジンECU6は、算出した燃料噴射量が噴射最下限量以上であるか否かを判別する(S3)。このとき、算出した燃料噴射量が噴射最下限量以上である場合、マルチパイロット噴射を実行する(S4)。一方、S3において、算出した燃料噴射量が噴射最下限量を下回っている場合、エンジンECU6は、エンジン負荷装置7を作動させる、すなわちクラッチ12を接続してビスカスヒータ13を作動させる(S6)。その後、S2に再び戻り、増加したエンジン負荷およびエンジン水温から、燃料噴射量を算出し、S3において、算出した燃料噴射量が噴射最下限量以上であるか否かを判別する。このとき、再び算出した燃料噴射量が噴射最下限量を下回っている場合、エンジンECU6は、ビスカスヒータを除くエンジン負荷装置7、例えば、グロープラグ16やエアコン17等を作動させる。また、S1において、エンジン水温が設定温度領域よりも高いエンジン水温である場合、マルチパイロット噴射を取り止めると共にエンジン負荷装置7の作動を停止させる(S5)。そして、この動作フローを繰り返し行う。
以上の構成によれば、クラッチ12を介してビスカスヒータ13を連結することで、エンジン負荷を増加させることができるため、燃焼室35内に噴射する燃料噴射量を増加させることができる。これにより、パイロット噴射をやめたり、あるいはパイロット噴射の噴射回数を減らしたりすることがないため、エンジン10のアイドル状態において、エンジン水温が上昇しても燃焼室35内の燃焼を安定させることができる。なお、本発明は、パイロット噴射が複数回であれば良いため、例えば、パイロット噴射回数が2回あるいは4回等の場合であっても有用である。
また、エンジン負荷装置としてビスカスヒータ13を用いることで、エンジン水温の上昇を早くすることができるため、エンジン水温を、マルチパイロット噴射の必要がない設定温度領域外に早期に移行することができる。
なお、本実施例においては、エンジン負荷装置としてビスカスヒータ13を作動する場合について説明したが、これに限らず、エンジン10のクランクシャフト29に連結したオルタネータ14から電力供給される上記した電装系15であっても良い。これによれば、エンジンECU6は、エンジン水温およびエンジン負荷から算出した燃料噴射量が、マルチ最小噴射量を上回っている場合、電装系による消費電力を上昇させることで、オルタネータを介してエンジン負荷を増加させることができる。
次に、図4を参照して、実施例2にかかる燃料噴射システムについて説明する。なお、重複した記載を避けるべく、異なる部分についてのみ説明する。この燃料噴射システム1では、上記のアクセルポジションセンサ78により検出したアクセル開度が、予め設定された設定アクセル開度を超えた場合、エンジンECU6が、クラッチ12の接続を解除してエンジン負荷装置7の作動を停止するように制御している。
ここで、図4を参照して、実施例2におけるエンジン負荷の制御に関する一連の動作フローについて説明する。S4において、マルチパイロット噴射が実行された後、エンジンECU6は、アクセルポジションセンサ78により、検出したアクセル開度が、予め設定された所定の設定アクセル開度を上回っているか否かを判別する(S7)。すなわち、検出したアクセル開度が、設定アクセル開度を上回ると、エンジンECU6は、アクセル開度が「開」となったことを検知する。検知したアクセル開度が設定アクセル開度を上回っている場合、エンジンECU6は、クラッチ12の接続を解除してビスカスヒータ13の作動を停止させる(S8)。一方、検知したアクセル開度が設定アクセル開度を下回っている場合、エンジンECU6は、再びS1に戻って上記の動作フローを行う。
この構成によれば、アクセル開度が「開」となった場合、増加させたエンジン負荷を減らして元に戻すことができる。すなわち、アクセルペダルの操作によりアクセル開度が「開」となると、燃料噴射量が増加して、出力トルクが上がると共に、アイドル状態におけるエンジン回転数よりも高いエンジン回転数になる。このとき、エンジン負荷を減少させて元のエンジン負荷に戻すことにより、余分なエンジン負荷を加えることなく良好にエンジン回転数を上げることができる。
以上のように、本発明にかかる燃料噴射システムは、ディーゼルエンジンに有用であり、特に、コモンレール式のディーゼルエンジンである場合に適している。
本実施例にかかるエンジンおよび燃料噴射システムを示す概略構成図である。 エンジンのアイドル運転時におけるエンジン水温および燃料噴射量に関するグラフである。 実施例1にかかるエンジンのアイドル運転時におけるエンジン負荷の制御に関するフローチャートである。 実施例2にかかるエンジンのアイドル運転時におけるエンジン負荷の制御に関するフローチャートである。
符号の説明
1 燃料噴射システム
5 燃料噴射装置
6 エンジンECU
7 エンジン負荷装置
10 エンジン
13 ビスカスヒータ
15 電装系
35 燃焼室
41 ウォータージャケット
42 エンジン水温検出センサ
60 燃料噴射弁
78 アクセルポジションセンサ
80 燃料噴射制御プログラム
81 噴射時期制御プログラム
82 噴射量可変プログラム

Claims (4)

  1. 内燃機関の温度の所定の設定温度領域内において、メイン噴射およびパイロット噴射から成るマルチパイロット噴射により、燃料を燃焼室に噴射可能な燃料噴射手段と、
    前記内燃機関の負荷を変更可能な内燃機関負荷手段と、
    前記燃料噴射手段および前記内燃機関負荷手段を制御可能に構成され、前記内燃機関の温度に応じて燃料噴射量を変更可能であると共に、前記内燃機関の負荷に応じて燃料噴射量を変更可能な燃料噴射制御手段とを備え、
    前記燃料噴射制御手段は、前記内燃機関の温度上昇に伴って減少した前記燃料噴射量が、前記マルチパイロット噴射を実行可能な噴射最下限量を下回った場合、前記内燃機関負荷手段により前記内燃機関の負荷を増加させて、前記燃料噴射量を増加させることを特徴とする燃料噴射システム。
  2. 前記燃料噴射制御手段は、前記燃料噴射量が前記噴射最下限量を上回るまで前記内燃機関負荷を増加させることを特徴とする請求項1に記載の燃料噴射システム。
  3. 前記噴射最下限量は、前記燃料噴射手段により噴射可能な最小燃料噴射量に、メイン噴射およびパイロット噴射の噴射回数を乗算した噴射量であることを特徴とする請求項1または2に記載の燃料噴射システム。
  4. アクセル開度を検出するアクセル開度検出手段をさらに備え、
    前記燃料噴射制御手段により前記内燃機関の負荷が増加したときに、前記アクセル開度検出手段により検出したアクセル開度が、予め設定された設定アクセル開度を超えた場合、前記燃料噴射制御手段は、前記内燃機関負荷手段による前記内燃機関の負荷を減少させることを特徴とする請求項1ないし3のいずれか1項に記載の燃料噴射システム。
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