JP2009073469A - 冷却装置およびこれを備えた建設機械又は作業機械 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】冷却装置は、冷却ファン21と、冷却ファン21の外周側に設けられたシュラウドと、シュラウドに設けられ、冷却ファン21の外周部に、該冷却ファンを囲むように近接して配置された内周壁部52と、内周壁部52を囲むように設けられ、空気流れ方向下流側端が、内周壁部52の空気流れ方向下流側端よりも、空気流れ方向下流側に位置する外周壁部53とを備え、冷却ファン21は、内周壁部52の径方向内側の空間に回転可能に配置され、外周壁部53の空気流れ方向下流側端は、冷却ファン21の空気流れ方向下流側端より上流側にある。
【選択図】図8
Description
また、特許文献2に記載のエンジンの冷却システムの構成では、冷却ファン全体がシュラウド外に配置されているため、シュラウドの円筒部が冷却ファンによる空気の流量に影響を与えることが少ない。したがって、冷却ファンから排出される空気の流量が十分に多くならない。
冷却ファンと、
前記冷却ファンの外周側に設けられたシュラウドと、
前記シュラウドに設けられ、前記冷却ファンの外周部に、該冷却ファンを囲むように近接して配置された内周壁部と、
前記内周壁部を囲むように設けられ、空気流れ方向下流側端が、前記内周壁部の空気流れ方向下流側端よりも、空気流れ方向下流側に位置する外周壁部とを備え、
前記冷却ファンは、前記内周壁部の径方向内側の空間に回転可能に配置され、
前記外周壁部の空気流れ方向下流側端は、前記冷却ファンの空気流れ方向下流側端より上流側にあることを特徴とする。
また、内周壁部及び外周壁部は、冷却ファンの回転軸回りに複数の部材を配置して形成してもよいが、内周壁部及び外周壁部の少なくともいずれかは、冷却ファンの回転軸回りに連続するリング部とするのが好ましい(第2の発明)。
この冷却装置では、外側かぶせ率が55%から95%の範囲に設定されているため、冷却ファンによる空気の流量が十分に多い。したがって、冷却ファンの回転速度が従来と同じでも冷却能力が向上し、または冷却ファンの回転速度を下げても従来と同じ冷却能力を得ることができる。尚、騒音低減の観点からは、外側かぶせ率を70%から95%とするのがより好ましく、風量増加による冷却能力の向上の観点からは、70%から80%とするのがより好ましい。
この冷却装置では、内側かぶせ率が45%から85%の範囲に設定されているため、冷却ファンによる空気の流量が十分に多い。したがって、冷却ファンの回転速度が従来と同じでも冷却能力が向上し、または冷却ファンの回転速度を下げても従来と同じ冷却能力を得ることができる。
ここで、シュラウドと内周壁部及び外周壁部の少なくともいずれかを一体形成する方法としては、シュラウド及び内周壁部及び外周壁部の少なくともいずれかを樹脂製とし、射出成形等により一体に形成してもよい。
この冷却装置では、シュラウド及び内周壁部及び外周壁部の少なくともいずれかが一体形成されることで、冷却装置の部品点数の軽減を図ることができ、冷却装置の組立作業の軽減を図ることができる。
この冷却装置では、内周壁部及び外周壁部の少なくともいずれかはシュラウドに対して装着可能であるため、シュラウドや冷却ファンの構造に合わせて適切な内周壁部及び外周壁部を選択可能である。
この冷却装置では、内周壁部と外周壁部と底部とからなる一体の部材で形成できるため、製造・管理が容易である。
この冷却装置では、内周壁部及び外周壁部の少なくともいずれかが平行に延びる筒部を有しているため、内周壁部及び外周壁部を容易に製作できる。
この冷却装置では、内周壁部及び外周壁部の少なくともいずれかが拡径部を有しているため、冷却ファンによる空気の流量は十分に多くなる。
この建設機械又は作業機械では、前述した冷却効率が向上した冷却装置を備えることにより、冷却ファンによる騒音を低減した静粛性の高い建設機械又は作業機械とすることができる。
[第1実施形態]
[油圧ショベル1全体の構成]
本実施形態に係る油圧ショベル1は、図1に示すように、下部走行体2と、旋回台3と、作業機4と、カウンタウェイト5と、エンジンルーム6と、機器室9と、キャブ10と、冷却ユニット20(図3等参照)と、を備えている。
旋回台3は、下部走行体2上において、任意の方向に旋回可能であって、上面に作業機4と、カウンタウェイト5と、エンジンルーム6と、キャブ10とを搭載している。
エンジンルーム6は、図2および図3に示すように、カウンタウェイト5に隣接する位置に配置されており、取っ手14aを持って開閉可能なエンジンフード14によって覆われた点検用の上部開口を有している。そして、エンジンルーム6は、下部走行体2や作業機4を駆動するための動力源であるエンジン6aおよびクーリングコア30等を含む冷却ユニット20(図3参照)を内部に収容している。
キャブ10は、油圧ショベル1のオペレータが乗降する運転室であって、作業機4の先端部を見通せるように、旋回台3上における作業機4の側方となる左側前部に配置されている。
[冷却ユニット20]
冷却ユニット20は、図3及び図4に示すように、冷却ファン21と、クーリングコア30と、を有している。また、冷却ユニット20は、後述するシュラウド40(図6等参照)を有しており、騒音を低減しつつ、クーリングコア30に対して大量の空気を送り込みながら効率よく冷却を行う。
ラジエータ31は、エンジン6aに流れる冷却水と、冷却ファン21によって生成される空気との間において熱交換を行わせることで、冷却水の温度を低下させる。
アフタークーラ33は、エンジン6aのターボチャージャ(図示せず)がエアクリーナ35から吸入して排出したエアと、冷却ファン21によって生成される空気との間において熱交換を行わせて、温度が上昇したエアを冷却した後、エンジン6aの吸気マニホールド(図示せず)へと送る。
冷却ファン21は、エンジン6aを駆動源とする回転軸回りに回転自在に設けられる複数の羽根部材21aを有する軸流ファンである。羽根部材21aの枚数は、冷却ファン21の送風量、大きさによって異なるが、一般的には、6枚から11枚程度とされている。
羽根部材21aはエンジン6aによって回転駆動される。そして、複数の羽根部材21aを回転駆動させることで、回転軸から径方向外側へと広がる空気の流れが生成される。
ケース部41の内周縁には、リング部51が固定されている。リング部51は、冷却ファン21による空気の流量を多くするための部材であり、板金または樹脂製である。
リング部51は、図8に示すように、内周壁部52と、外周壁部53と底部54とを有している。
内周壁部52は、ケース部41の開口の縁に位置しており、冷却ファン21(の羽根部材21a)の外周縁に近接している。内周壁部52の径は冷却ファン21の外径より大きく、両者の間の隙間Gは例えば15mmである。
外周壁部53は、内周壁部52より半径方向外側に、内周壁部52を囲むように配置されており、両者の間には環状の空間55が確保されている。内周壁部52と外周壁部53は同心に配置された円筒状部材であり、それぞれが空気流れ方向に平行に延びている。
本実施形態では、内周壁部52および外周壁部53には穴が形成されていない。内周壁部52の空気流れ方向長さh1は外周壁部53の空気流れ方向長さh2より小さい。言い換えると、外周壁部53の空気流れ方向下流側端は、内周壁部52の空気流れ方向下流側端より、空気流れ方向下流側に位置している。
底部54は環状の平坦な部材であり、外周壁部53と内周壁部52とを連結している。以上に述べたように、リング部51は単独の部材であり、ケース部41に装着可能である。リング部51は、図示しない固定部を有していてもよい。例えば、固定部は円周方向複数箇所において底部から半径方向外側に延びる突起であってもよい。リング部51をケース部41に固定する手段は溶接や接着その他固定部材によるものでもよい。
次に、冷却ファン21とリング部51の位置関係について説明する。図8に示すように、冷却ファン21の外周縁部は、リング部51の内周壁部52より空気流れ方向下流側に位置している。
より詳細に限定すれば、冷却ファン21の外周縁部の空気流れ方向下流側端は、内周壁部52の空気流れ方向下流側端より、空気流れ方向下流側に位置している。
冷却ファン21の空気流れ方向長さをh3として、冷却ファン21において内周壁部52の先端より空気流れ方向上流側部分の空気流れ方向長さをh4とする。
そして、(h4/h3)の百分率を「内側かぶせ率(%)」と定義する。本実施形態では、例えば、内側かぶせ率は62.5%である。
冷却ファン21がエンジン6aによって駆動されると、クーリングコア30側の空気が冷却ファン21に吸い込まれていく。この空気の流れによって、クーリングコア30のラジエータ31等が冷却される。
図9(A)に示すように、空間55内の位置P1(図9における観測点)を冷却ファン21の羽根部材21aが通過する際には羽根部材21aからの空気流れがP1にある空気を掻き出し、P1に負圧を発生させる。次に、図9(B)に示すように、空間55内のある位置P1(図9の観測点)が冷却ファン21の羽根部材21a同士の間に位置すると、前記位置P1に発生している負圧により、渦の発生を抑えるとともに空気を吸い込む。このような現象によって冷却ファン21による空気の流量は従来に比べて大幅に多くなる。
この結果、クーリングコア30に対して供給される空気の量を増やして冷却効率を向上させることができる。
特に、本実施形態では、冷却ファン21の空気流れ方向下流側端がリング部51の内周壁部52より空気流れ方向下流側に位置しているため、前述の現象における空気の流量増大に貢献する。これは、前述の構造によって、羽根部材21aの通過時に空間55内の空気を掻き出す効果が大きいためであると考えられる。
まず、同一回転数の冷却ファン21において、内周壁部52の内側かぶせ率を変化させて、冷却ファン21による空気の流量の変化を測定したところ、図10に示されるように、内側かぶせ率100%では、風量が少なかった。内側かぶせ率を下げていくと、風量は徐々に多くなっていった。内側かぶせ率が60%から70%程度でピークとなり、さらに内側かぶせ率を下げていくと、風量は少なくなっていき、45%未満、85%を超える内側かぶせ率では、内側かぶせ率100%の場合とほとんど差が出なくなった。尚、図10において、グラフの縦軸の目盛りのレンジは、10m3/minである。
以上より、内側かぶせ率が45%から85%の範囲で十分な風量を得られることが分かった。
「外側かぶせ率」は、図8に示されるように、外周壁部53の空気流れ方向下流側端からはみ出した冷却ファン21の空気流れ方向下流側端の空気流れ方向長さをh7としたときに、冷却ファン21の空気流れ方向最大長さh3からこの空気流れ方向長さh7を引いた寸法h6を用いて、(h6/h3)の百分率(%)と定義される。
図12に示すように、外側かぶせ率と風量の関係では、外側かぶせ率が55%から95%の範囲で風量が最も大きくなることが確認された。尚、図12において、グラフの縦軸の目盛りのレンジは、10m3/minである。
風量増加の観点からは、外側かぶせ率が55%から95%の範囲が好ましく、70%から80%の範囲が特に好ましい。
一方、騒音低減の観点からは、図13に示すように、外側かぶせ率が70%から95%の範囲が特に好ましい。尚、図13において、グラフの縦軸の目盛りのレンジは、0.5dBAである。
これに対して、図14(B)に示されるように、少なくとも外周壁部53の空気流れ方向下流側端が冷却ファン21の空気流れ方向下流側端よりも上流側にあると、空間55を横切る空気の流れがある程度の速度をもって生じ、これにより、空間55内に負圧が発生するものと推測される。
・同一風量で騒音を少なくするには、内周壁部52の空気流れ方向長さh1と外周壁部53の空気流れ方向長さh2との差を5mmから10mmとするのがよい。
・外周壁部53の外側かぶせ率を55%から95%とするのが風量向上の観点から好ましい。また、騒音低減の観点からは外側かぶせ率を70%から95%とするのがより好ましく、風量向上の観点からは、外側かぶせ率を70%から80%とするのがより好ましい。
・内周壁部52の内側かぶせ率を45%から85%とするのが風量を向上させることができて好ましい。
(1)
建設機械用冷却ユニット20は、油圧ショベル1に用いられる冷却装置であって、冷却ファン21と、冷却ファン21の外周側を覆うシュラウド40と、シュラウド40に設けられ冷却ファン21の外周部に近接して配置された内周壁部52を有する空間55とを備えている。空間55は、冷却ファン21から排出される空気によって負圧を発生することで冷却ファン21による空気の流量を増大させる。冷却ファン21の外周縁の空気流れ方向下流側端は、内周壁部52の空気流れ方向下流側端よりさらに空気流れ方向下流側に位置している。
(2)
冷却ファン21の外周縁においてシュラウド40および内周壁部52によって覆われた部分の空気流れ方向長さと冷却ファン21の全体の空気流れ方向長さとの比(百分率)を内側かぶせ率とすると、内側かぶせ率が45から85%の範囲にある。内側かぶせ率が適切な範囲に設定されているため、冷却ファン21による空気の流量が十分に多くなる。したがって、冷却ファン21の回転速度が従来と同じでも冷却能力が向上し、または冷却ファン21の回転速度を下げても従来と同じ冷却能力を得ることができる。
(3)
空間55は、具体的には、リング部51によって構成されている。リング部51は、冷却ファン21の外周部に近接して配置された内周壁部52と、内周壁部52より空気流れ方向下流側に長く延びる外周壁部53とを有する。冷却ファン21の外周縁の空気流れ方向下流側端は、内周壁部52の空気流れ方向下流側端よりさらに空気流れ方向下流側に位置している。冷却ファン21が回転して空気が流れると、リング部51の内周壁部52と外周壁部53との間の空間55に負圧が発生することで、上述したように、冷却ファン21からの空気の流量が増大する。
(4)
リング部51はシュラウド40とは別の部材からなる。リング部51はシュラウド40に対して装着可能であるため、シュラウド40や冷却ファン21の構造に合わせて適切なリング部51を選択可能である。
(5)
リング部51は、内周壁部52と外周壁部53を連結する環状の底部54を有する。リング部51が内周壁部52と外周壁部53と底部54とからなる一体の部材であるため、リング部51の製造・管理が容易である。
(6)
内周壁部52および外周壁部53は、空気流れ方向に平行に延びる筒状部分である。そのため、リング部51の製作が容易である。
(7)
油圧ショベル等の建設機械に搭載されているエンジン6aによって、冷却ファン21を回転駆動する。このようにエンジン6aの回転を冷却ファン21の回転駆動に用いることができるため、構成を簡素化することができる。
次に、本発明の第2実施形態について説明する。尚、以下の説明では、既に説明した部分と同一の部分については、同一符号を付してその説明を省略する。
前記実施形態では、内周壁部及び外周壁部を冷却ファン21を囲む環状のリング部51として構成していた。
これに対して第2実施形態に係る冷却装置では、図15に示すように、前記連続するリング部51に代えて複数の壁部構成部材112を設けた。具体的には、壁部構成部材112を冷却ファン21の回転軸回りに、該冷却ファン21を囲むように組み合わせている点が相違する。
各壁部構成部材112は、第1実施形態の図8と同様に、内周壁部52及び外周壁部53が形成されており、冷却ファン21の空気流れ方向下流側端は、内周壁部52の空気流れ方向下流側端よりも空気流れ方向下流側に位置している。
内側かぶせ率は、第1実施形態と同様に、45%から85%とされており、より好ましくは、60%から70%とするのがよい。
尚、隣接する壁部構成部材112の間には、わずかな隙間が形成されるが、各壁部構成部材112の内周壁部52及び外周壁部53が冷却ファン21の外周部の略全部を囲むこととなるため、冷却効率の向上、という第1実施形態で述べた効果が損なわれることは殆どない。また、より確実に効果を享受しようとするのであれば、壁部構成部材112のケース部41の固定後、隣接する壁部構成部材112の間に形成された隙間をジョイント部材やパテ、溶接等で埋めてしまえばよい。
さらに、壁部構成部材の数も図11の場合には、4つであったが、これに限らず、2つ乃至6つ程度でも良い。
このような第2実施形態によれば、大型の建設機械等で用いられる大型の冷却ファン21を備えた冷却装置であっても、冷却ファン21の周囲に略全周に亘って内周壁部52及び外周壁部53を形成することができる。
以上、本発明の一実施形態について説明したが、本発明は上記実施形態に限定されるものではなく、発明の要旨を逸脱しない範囲で種々の変更が可能である。
(A)
前記第1実施形態では、リング部51は環状の単独の部材として構成されていたが、本発明はこれに限られるものではない。すなわち、複数の部材を組み合わせることにより、内周壁部と外周壁部とが環状に連続するリング部を形成してもよい。例えば、図17に示すように、内周壁部52と外周壁部53とを有する2つの半環状部材113の端部同士を組み合わせることにより、連続するリング部を形成することもできる。
(B)
上記実施形態では、内周壁部と外周壁部は空気流れ方向に平行に延びる部分であるとして説明した。しかし、本発明はこれに限定されない。
(C)
例えば、図18に示すリング部71は、内周壁部72と外周壁部73と底部74とを有している。内周壁部72は、ケース部41の開口の縁に位置している。外周壁部73は内周壁部72より半径方向外側に配置されており、両者の間には環状の空間75が確保されている。内周壁部72と外周壁部73は同心に配置されており、それぞれが空気流れ方向に平行に延びている。より詳細には、内周壁部72の先端には、テーパー部72aが形成されている。外周壁部73の先端には、テーパー部73aが形成されている。テーパー部72a,73aは空気流れ方向下流側にいくにしたがって径が大きくなっていく。なお、内周壁部および外周壁部の一方のみがテーパー部を有していても良い。
(D)
上記実施形態では、内周側壁部と外周壁部は一体の部材であるとして説明した。
しかし、本発明はこれに限定されない。
(E)
上記実施形態では、内周壁部と外周壁部はシュラウドとは別の部材であると説明した。しかし、本発明はこれに限定されない。
例えば、図20に示すリング部91は、ケース部41の内周縁を折り曲げて形成した内周壁部92と、外周壁部93とから構成されている。内周壁部92と外周壁部93との間には、環状の空間95が確保されている。外周壁部93は、筒状部93aと固定部93bとから構成されている。固定部93bは、ボルトや溶接等の手段によってシュラウド40のケース部41に固定されている。
(F)
さらに、本発明では、リング部をシュラウドに一体形成することも可能である。すなわち、図21に示すように、リング部101はシュラウドのケース部41に一体形成されており、ケース部41の内周縁には、内周壁部102が形成され、ケース部41の外面には、外周壁部103が形成され、内周壁部102及び外周壁部103の間には、負圧を発生させる空間105が形成される。
このような実施形態は、シュラウドのケース部41及びリング部101を樹脂製とし、射出成形等により形成することができる。このようなシュラウドは、ある程度の耐久性が確保できればよい、小型の建設機械に好適に採用することができる。
このような実施形態では、前記実施形態と同様の効果がある上、部品点数の低減による組立作業の負荷軽減、建設機械の軽量化を図ることができる。
上記実施形態では、図4に示すように、エンジン6a直結によって冷却ファン21を回転駆動させる構成を例として挙げて説明した。しかし、本発明はこれに限定されるものではない。
この場合には、エンジン直結で回転駆動される冷却ファンと比較して、エンジンの振動による影響をほとんど無視して設計することができるため、冷却ファン21とシュラウド40に設けられたリング部51の内周壁部52との間の隙間Gを最小限とすることができる。この結果、シュラウド40付近における空気の流れがよりスムーズになって、騒音の低減、クーリングコアの冷却効率の向上等の効果を得ることができる。
(H)
上記実施形態では、図4に示すように、空気の流れる方向において、クーリングコア30の下流側に冷却ファン21を配置した、いわゆる吸気型の冷却ユニット20を例として挙げて説明した。しかし、本発明はこれに限定されるものではない。
すなわち、吹き出し型の冷却ユニット20であっても、シュラウド40の内部にリング部51を形成することにより、前述した第1実施形態と同様の作用によって風量が増加し、クーリングコア30を効率的に冷却することが可能となるとともに、騒音を低減することが可能となる。
(I)
上記実施形態では、図6等に示すように、冷却ファン21として、軸流ファンを用いた例を挙げて説明した。しかし、本発明はこれに限定されるものではない。
(J)
上記実施形態では、クーリングコア30を構成する熱交換器として、ラジエータ31、オイルクーラ32およびアフタークーラ33を用いた例を挙げて説明した。しかし、本発明はこれに限定されるものではない。
(K)
上記実施形態では、図1に示すように、本発明の冷却ファン21のシュラウド40が適用される建設機械として、油圧ショベル1を例として挙げて説明した。しかし、本発明はこれに限定されるものではない。
(L)
上述の実施形態は単独で採用しても良いし、組み合わせて採用しても良い。
Claims (12)
- 冷却ファンと、
前記冷却ファンの外周側に設けられたシュラウドと、
前記シュラウドに設けられ、前記冷却ファンの外周部に、該冷却ファンを囲むように近接して配置された内周壁部と、
前記内周壁部を囲むように設けられ、空気流れ方向下流側端が、前記内周壁部の空気流れ方向下流側端よりも、空気流れ方向下流側に位置する外周壁部とを備え、
前記冷却ファンは、前記内周壁部の径方向内側の空間に回転可能に配置され、
前記外周壁部の空気流れ方向下流側端は、前記冷却ファンの空気流れ方向下流側端より上流側にあることを特徴とする冷却装置。 - 前記内周壁部及び前記外周壁部の少なくともいずれかは、前記冷却ファンの回転軸回りに連続するリング部である、請求項1に記載の冷却装置。
- 前記冷却ファンの空気流れ方向における、前記シュラウド及び前記外周壁部によって覆われた部分の空気流れ方向長さと、前記冷却ファンの空気流れ方向最大長さとの比を外側かぶせ率とすると、前記外側かぶせ率が55%から95%の範囲にある、請求項1又は請求項2に記載の冷却装置。
- 前記外側かぶせ率が70%から95%の範囲にある、請求項3に記載の冷却装置。
- 前記外側かぶせ率が70%から80%の範囲にある、請求項4に記載の冷却装置。
- 前記冷却ファンの空気流れ方向における、前記シュラウド及び前記内周壁部によって覆われた部分の空気流れ方向長さと、前記冷却ファンの空気流れ方向最大長さとの比を内側かぶせ率とすると、前記内側かぶせ率が45%から85%の範囲にある、請求項1乃至5のいずれかに記載の冷却装置。
- 前記内周壁部及び前記外周壁部の少なくともいずれかは、前記シュラウドと一体に形成される、請求項1乃至6のいずれかに記載の冷却装置。
- 前記内周壁部及び前記外周壁部の少なくともいずれかは、前記シュラウドとは別の部材からなる、請求項1乃至6のいずれかに記載の冷却装置。
- 前記内周壁部と前記外周壁部を連結する環状の底部を有する、請求項8に記載の冷却装置。
- 前記内周壁部及び前記外周壁部の少なくともいずれかは、空気流れ方向に平行に延びる筒部を有している、請求項1乃至9のいずれかに記載の冷却装置。
- 前記内周壁部及び前記外周壁部の少なくともいずれかは、空気流れ方向下流側にいくにしたがって内径が大きくなる拡径部を有している、請求項1乃至9のいずれかに記載の冷却装置。
- 請求項1乃至11のいずれかに記載の冷却装置を備えた、建設機械又は作業機械。
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