JP2009072722A - フィルタ - Google Patents

フィルタ Download PDF

Info

Publication number
JP2009072722A
JP2009072722A JP2007245438A JP2007245438A JP2009072722A JP 2009072722 A JP2009072722 A JP 2009072722A JP 2007245438 A JP2007245438 A JP 2007245438A JP 2007245438 A JP2007245438 A JP 2007245438A JP 2009072722 A JP2009072722 A JP 2009072722A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
porous body
photocatalyst
filter
tio
supported
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Granted
Application number
JP2007245438A
Other languages
English (en)
Other versions
JP5230862B2 (ja
Inventor
Taichi Tsujii
太一 辻井
Atsuko Narasaki
敦子 楢崎
Noribumi Isu
紀文 井須
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
NDE KK
Inax Corp
Original Assignee
NDE KK
Inax Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by NDE KK, Inax Corp filed Critical NDE KK
Priority to JP2007245438A priority Critical patent/JP5230862B2/ja
Publication of JP2009072722A publication Critical patent/JP2009072722A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP5230862B2 publication Critical patent/JP5230862B2/ja
Active legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Images

Landscapes

  • Disinfection, Sterilisation Or Deodorisation Of Air (AREA)
  • Physical Water Treatments (AREA)
  • Treatment Of Water By Oxidation Or Reduction (AREA)
  • Solid-Sorbent Or Filter-Aiding Compositions (AREA)
  • Catalysts (AREA)

Abstract

【課題】従来に比べて電荷分離が大きくて光触媒作用を十分に発揮することができ、比較的高濃度の有害物質や悪臭物質に対しても分解作用ならびに吸着作用を維持することができて、これらの除去性能の高いフィルタを提供する。
【解決手段】内外部に多数の微細孔1が形成された多孔体2を有し、この多孔体2には微細孔1を塞ぐことなく光触媒3が担持されており、多孔体2は、光触媒3との間でショットキー接合する性質を有する遷移金属の単体、またはこれらの複数を組み合わせた混合物からなる一方、光触媒3は結晶化された金属酸化物からなる。
【選択図】図1

Description

この発明は、空気中や水中における有害物質や悪臭物質の吸着、分解を効率良く行える光触媒を有するフィルタに関するものである。
一般に、酸化チタン(TiO)などの光触媒は、光を吸収することよりキャリア(電子と正孔)を生成して光触媒作用を示すもので、この光触媒作用によって大気中や水中のNO、SO、ホルムアルデヒト等の有害物質や、アンモニア、硫化水素等の悪臭物質を分解除去することができる。
このような光触媒は、被分解物との接触面積が大きいほど効率的に作用するので、比表面積の大きな基体に担持させることが好ましい。そのため、従来技術では、多数の微細孔を有するセラミック多孔体や発泡アルミニュウムなどを基体として使用し、このような多孔体に光触媒を担持させたものが提案されている(例えば、特許文献1,2参照)。
このように、光触媒を多孔体に担持させれば、有害物質や悪臭物質との接触面積が大きくなって光触媒作用が促進され、酸化還元反応によって二酸化炭素に分解されるので、これらの除去性能を高めることができる。
しかし、特許文献1,2に記載されているような従来技術のものは、光触媒である酸化チタン(TiO)が多孔体の微細孔を塞ぐように膜状あるいは層状の状態で一様に形成されているため、光触媒による分解性能は有る程度維持できるとしても、微細孔による有害物質や悪臭物質の吸着性能が低下するという不具合を生じる。
そこで、さらに他の従来技術として、多孔体の微細孔を塞ぐことなく光触媒を担持させた構成のものが提案されている(例えば、特許文献3参照)。この特許文献3記載の従来技術では、光触媒が多孔体の微細孔を塞ぐことなく分散担持されているため、光触媒による有害物質の分解性能を維持しつつ、微細孔による有害物質や悪臭物質の吸着作用も維持することができるという利点を有する。
特開2004−83376号公報 特開2003−225562号公報 特開2005−254123号公報
しかしながら、特許文献3記載の従来技術のものは、次の点で有害物質や悪臭物質の分解作用を発揮させる上で未だ不十分な点がある。
すなわち、従来のものは、多数の微細孔が形成された発泡セラミックスや発泡アルミニュウム等の多孔体の微細孔内の表面に単に光触媒を物理的あるいは機械的に担持させているだけのものであり、キャリアの発生に必要な電荷分離が不十分である。このため、光触媒作用が安定して発現しにくく、有害物質が高濃度になる程、有害物質の分解性能が急激に低下する。しかも、セラミックスやアルミニュウム等の多孔体の微細孔内に多量の水が侵入すると、光触媒作用が弱められてしまうなど、水濡れに弱いという難点もある。
本発明は、上記の課題を解決するためになされたもので、光触媒が多孔体の微細孔を塞ぐことなく担持されている構成に加えて、光触媒と多孔体とが一種の電極構造をもつようにして、従来に比べて電荷分離が大きくて光触媒作用を十分に発揮することができ、比較的高濃度の有害物質や悪臭物質に対しても分解作用ならびに吸着作用を維持することができて、これらの除去性能の高いフィルタを提供することを目的とする。
上記の目的を達成するために、本発明のフィルタは、内外部に多数の微細孔が形成された多孔体を有し、この多孔体には上記微細孔を塞ぐことなく光触媒が担持されたものであって、上記多孔体は、上記光触媒との間でショットキー接合する性質を有する遷移金属の単体またはこれらの複数を組み合わせた混合物からなる一方、上記光触媒は結晶化された金属酸化物からなることを特徴としている。
この場合の多孔体を構成する遷移金属としては、Ni単体であっても光触媒との間でショットキー接合する性質を有するので好適に使用できるが、NiとAgとの混合物からなる場合には、フォトクロミック効果がさらに発揮されるのでさらに一層好ましい。また、光触媒を構成する結晶化された金属酸化物としては、TiOが活性が高くて、多孔体との密着性も良好なので好ましい。
さらに、多孔体をNiとAgとの混合物から構成する場合において、スプレー法によって単にNiとAgとが積層された構成とする場合よりも、NiとAgの各スラリーを用いて両者を混合焼成するスラリー法で製作すれば、多孔体内においてNiとAgとが混在するので光触媒との間でのキャリアの授受と反応が促進され、光触媒による光触媒作用を一層発揮し得るので好ましい。
本発明によれば、光触媒が多孔体の微細孔を塞ぐことなく担持されている構成に加えて、光触媒と多孔体とがショットキー接合して両者間で一種の電極構造をもつので、従来に比べて電荷分離が大きくてキャリアの発生効率が高く、光触媒作用を十分に発揮することができる。このため、比較的高濃度の有害物質や悪臭物質に対しても分解作用ならびに吸着作用を維持することができて、これらに対する除去性能の高いフィルタを提供することが可能になる。
特に、NiとAgからなる多孔体をスラリー法によって製作する場合には、NiとAgとが多孔体中において混在するため、光触媒により生成するキャリアとの授受が円滑に行われる。しかも、その際、光触媒としてTiOを用いる場合には、活性が高くて、多孔体との密着性も良好なので、多孔体との間で電荷分離が一層大きくなって光触媒作用を十分に発揮することができ、有害物質や悪臭物質に対する分解除去作用をさらに有効に発揮することができる。
図1は本発明の実施の形態におけるフィルタの一部を光学顕微鏡によって拡大した写真図、図2は同フィルタの一部を模式的に示す断面図である。
この実施の形態のフィルタは、内外部に多数の微細孔1が形成された多孔体2を有し、この多孔体2には微細孔1を塞ぐことなく各々の微細孔1内の表面に光触媒3が担持されている。この場合、多孔体2の微細孔1は、例えば口径が200〜3000μm程度のものであり、また、この多孔体2に担持されている光触媒3の厚さは850nm〜1μm程度である。
ここに、多孔体2の材料としては、光触媒3との間でショットキー接合する性質を有する遷移金属の単体、またはこれらを複数を組み合わせた混合物からなる。この場合の遷移金属の具体例としては、ニッケル(Ni)、白金(Pt)、ルビジュウム(Ru)、銀(Ag)、コバルト(Co)、パラジウム(Pd)等がある。これらの遷移金属の単体であっても光触媒との間でショットキー接合する性質を有するものであれば好適に使用できるが、これらの遷移金属の複数を組み合わせた混合物であってもよい。特に、ニッケル(Ni)と銀(Ag)との混合物の場合には、フォトクロミック効果がさらに発揮されるのでさらに一層好ましい。
また、光触媒3は、結晶化された金属酸化物からなる。この場合の結晶化された金属酸化物の具体例としては、酸化チタン(TiO)が活性が高くて、多孔体2との密着性も良好なので好ましいが、その他、酸化亜鉛(ZnO)、二酸化ケイ素(SiO)、酸化銅(CuO)など、自己溶解性のない金属酸化物であれば好適に使用することができる。
このように、この実施の形態のフィルタは、光触媒3が多孔体2の微細孔1を塞ぐことなく担持されているので、多孔体2の微細孔1による有害物質や悪臭物質を効率良く吸着することができる。これに加えて、光触媒3と多孔体2とがショットキー接合して両者間で一種の電極構造(多孔体2が陰極側、光触媒3が陽極側)となっているので、従来に比べて電荷分離が大きくてキャリアの発生率が高く、光触媒作用を十分に発揮することができる。このため、比較的高濃度の有害物質や悪臭物質に対しても分解作用ならびに吸着作用を維持することができ、これらに対する除去性能の高いフィルタを提供することが可能になる。
次に、上記構成を有するフィルタの製造方法の概略について、図3の製造工程を示すフロー図を参照して製造工程に沿って順に説明する。なお、ここでは、一例として多孔体としてNiを、光触媒としてTiOをそれぞれ採用した場合について説明するが、本発明はこれらの材料に必ずしも限定されるものではない。
最初にスラリー法によって多孔体を作成する。
すなわち、まず、Niの微細粉(例えば粒径1〜5μm)を準備する(S1)。そして、このNiの微細粉を有機系溶媒からなるバインダと一定比率で混合、撹拌してスラリーを作成する(S2)。
次に、ウレタン発泡体を準備し(S3)、このウレタン発泡体を上記のスラリーを溜めた浴槽中に浸漬して、ウレタン発泡体にスラリーを含浸させる(S4)。次いで、このスラリーが含浸されたウレタン発泡体を浴槽から引き上げて転圧ローラを通過させ、これによってスラリーを微細孔の内部まで十分に移行させて定着させる(S5)。その際、同時に余分なスラリーは除去される。
続いて、スラリーが定着されたウレタン発泡体を、まず、酸化雰囲気の加熱炉中で焼成する(S6)。これにより、ウレタン発泡体とバインダが飛散されて除去される。次いで、還元雰囲気の加熱炉中で焼成する(S7)。これにより、S6で酸化されたニッケル(Ni)が還元されて内外部に多数の微細孔が形成された多孔体が作成される。
次に、ゾルゲル法によって上記のようにして作成された多孔体の微細孔内の表面に光触媒を担持させる。
これには、まず、アナターゼの結晶核を有するペルオキソチタン酸液を準備する(S8)。このようなアナターゼの結晶核を有するペルオキソチタン酸液を用いれば、従来のように、アナターゼ分散液を使用する場合に比べて、炭素成分やハロゲン成分を除去する必要がなく、また、比較的低温で、密度の高い結晶性のアナターゼ膜(金属酸化物)を生成することができるので都合が良い。
次に、上記の多孔体を洗浄するとともに、表面を荒らしてさらに小さなピットホールを作る(S9)。そして、ペルオキソチタン酸液を溜めた浴槽中に多孔体を浸漬して、ペルオキソチタン酸液を多孔体の微細孔やピットホール内に含浸させる(S10)。次いで、このペルオキソチタン酸液が含浸された多孔体を浴槽から引き上げて遠心分離を行って余分な酸液を除く(S11)。
このS10、S11を複数回繰り返して多孔体に均一な膜厚を定着させた後、焼成する(S12)。これにより、多孔体の微細孔は光触媒によって塞がれることはなく、この微細孔内に均一な膜厚を有する結晶化されたアナターゼ膜、すなわち金属酸化物(TiO)からなる光触媒が担持された状態となる。また、この焼成により、多孔体に対するアナターゼ膜(金属酸化物)の密着強度が向上する。
図3では、Niの多孔体にTiOの光触媒を担持させたフィルタを製作する場合について説明したが、多孔体としてNiにAgを添加することもできる。この場合、スプレー法によって多孔体を作成するよりも、スラリー法によって多孔体を作成するのが一層好ましい。スプレー法によるときには、図4(a)に示すように、NiとAgとが積層されているが、スラリー法によるときには、図4(b)に示すように、NiとAgとが多孔体中に混在している。このスラリー法による場合のNiとAgの混合割合は、Niに対してAgを8〜10重量%混合するのが好適である。また、スラリーを作成する際のNiとAgは、共に微細粉(例えば粒径1〜5μm)が好ましい。
このように、スラリー法によって多孔体中にNiとAgとが略均一に混在する構成とすると、光触媒であるTiOに対してNiのみならずAgも接触あるいは隣接するので、光触媒であるTiOにより生成するキャリアによって、NiおよびAgとの間において図5に示すような授受と反応が起こり、フォトクロミック効果が大きくなる。しかも、その際、光触媒としてのTiOは、活性が高くて、多孔体との密着性も良好なので、多孔体との間で電荷分離が一層大きくなって光触媒作用を十分に発揮することができ、有害物質や悪臭物質に対する分解除去作用をさらに有効に発揮することができると推察される。
図6にはスプレー法によって作成されたNiとAgからなる多孔体にTiOを担持させたフィルタの走査型電子顕微鏡(SEM)による特性X線画像を、また、図7にはスラリー法によって作成されたNiとAgからなる多孔体にTiOを担持させたフィルタの走査型電子顕微鏡(SEM)による特性X線画像を、それぞれ示している。
これらの図から分かるように、スプレー法によって多孔体を作成した場合には、多孔体中にNiとAgが層状に存在するのに対して、スラリー法によって多孔体を作成した場合には、多孔体中にNiとAgとが混在している。
上記の事項を検証するために、以下の各種実験を行った。
実施例1.
Ni単体からなる多孔体にTiOからなる光触媒を担持させた構成を有する本発明のフィルタと、セラミック多孔体に光触媒としてTiOを担持させた従来のフィルタについて、それぞれJIS規格による循環法に基づくアンモニア分解試験を行い、両者の特性を調べた。なお、この場合の本発明のフィルタの比表面積は0.15m/cm、従来のフィルタの比表面積は0.54m/cmである。また、循環流量は1m/minで、測定機器はガス検知管を使用した。その結果を図8に示す。
図8から分かるように、本発明のフィルタは、従来のフィルタに比べて比表面積が小さいのにもかかわらず、従来のものより短時間の内にアンモニア濃度が低下していることが明らかであり、高いフィルタ特性を有している。単位当たりの表面積から換算して比較すると、本発明のフィルタは従来のものに比べて約15倍ほど性能が高くなっている。
実施例2.
本発明の2種類のフィルタ、すなわちNiからなる多孔体にTiOからなる光触媒を担持させたフィルタと、NiとAgの混合物からなる多孔体にTiOからなる光触媒を担持させたフィルタについて、JIS規格による循環法に基づくアンモニア分解試験およびアセトアルデヒト分解試験をそれぞれ行い、両フィルタの特性を比較した。なお、この場合の両フィルタの比表面積は共に0.15m/cmである。また、循環流量は1m/minで、測定機器はガス検知管を使用した。アンモニアの分解比較試験の結果を図9に、アセトアルデヒトの分解比較試験の結果を図10に示す。
Niからなる多孔体にTiOからなる光触媒を担持させたフィルタに比べて、NiとAgの混合物からなる多孔体にTiOからなる光触媒を担持させたフィルタの方がアンモニア分解およびアセトアルデヒト分解の各特性がいずれも優れている。これは、多孔体がNiとAgとの混合物の場合には、フォトクロミック効果が大きいので、光触媒作用が十分に発揮されるためと考えられる。
実施例3.
Niからなる多孔体にTiOからなる光触媒を担持させた本発明のフィルタを用いて、JIS規格によるワンパス法に基づいてクロロホルム、エタノール、イソプロヒルアルコール、アンモニアの各臭気成分について低濃度の場合と高濃度の場合についてそれぞれ除去率を測定した。なお、その際のフィルタの比表面積は0.15m/cmである。また、循環流量は1m/minで、測定機器はガス検知管を使用し、フィルタの入口側の除去率を測定した。クロロホルムの除去率の測定結果を図11に、エタノールの除去率の測定結果を図12に、イソプロヒルアルコールの除去率の測定結果を図13に、アンモニアの除去率の測定結果を図14にそれぞれ示す。
図11〜図14から分かるように、いずれの種類の臭気成分についても、低濃度の場合のみならず高濃度の場合でも除去率が大きく低下することはなく、これらの臭気成分に対して安定した高い除去性能が得られていることが理解される。
実施例4.
本発明の2種類のフィルタ、すなわちNiからなる多孔体にTiOからなる光触媒を担持させたフィルタと、NiとAgの混合物からなる多孔体にTiOからなる光触媒を担持させたフィルタを共にボール状に形成(直径15mm)したものについて、次の実験を行った。なお、フィルタを構成する多孔体はいずれもスラリー法にて作成したものである。
直径72mm、幅248mmの筒状のステンレス容器(真ん中に殺菌灯用の直径20mmの空洞あり)の吐水入口側にNi製の配水板(直径72mm、幅15mm)を設置し、それ以外の部分に上記のボール状の各フィルタを詰め、どちらも殺菌灯を点灯した状態で、8Lの水道水を4L/minで循環させて遊離残存塩素の残存率(%)の経時変化を評価した。その結果を図15に示す。
図15から分かるように、NiとAgの混合物からなる多孔体にTiOからなる光触媒を担持させたフィルタ(図中、実線で示す)は、Niからなる多孔体にTiOからなる光触媒を担持させたフィルタ(図中、破線で示す)よりも、遊離残存塩素の除去速度が早い。つまり、多孔体を共に同じスラリー法で作成しても、NiにAgを含有させたものの方が遊離残存塩素の高い除去性能が得られている。
このことは、先に示した実施例2の場合と同様、多孔体がNiとAgとの混合物の場合には、フォトクロミック効果が大きいので、光触媒作用が十分に発揮されるためと考えられる。
実施例5.
NiとAgをスラリー法を用いて混合焼成して作成した多孔体と、NiとAgをスプレー法によって積層して焼成して作成とした多孔体の2種類の多孔体を用い、これらの各多孔体にそれぞれTiOからなる光触媒を担持させたフィルタを用いて、次の実験を行った。
多孔体をスラリー法で作成したフィルタはボール状(直径15mm)に、多孔体をスプレー法によって作成したフィルタは円板状(直径72mm、幅15mm)にそれぞれ形成した。そして、直径72mm、幅248mmの筒状のステンレス容器(真ん中に殺菌灯用の直径20mmの空洞あり)の吐水入口側にNi製の配水板(直径72mm、幅15mm)を設置し、それ以外の部分に上記の各ボール状のフィルタを詰めた場合と、円板状のフィルタを詰めた場合のそれぞれについて、殺菌灯を点灯した状態で、8Lの水道水を4L/minで循環させて遊離残存塩素の残存率(%)の経時変化を評価した。その結果を図16に示す。
図16から分かるように、多孔体をスラリー法で作成したフィルタ(図中、実線で示す)は、多孔体をスプレー法によって作成したフィルタ(図中、破線で示す)に比較して遊離残存塩素の除去速度が早い。つまり、多孔体の組成が共に同じNiとAgであっても、スラリー法で作成したものの方が遊離残存塩素の高い除去性能が得られている。
これは、前述のように、スラリー法で作成したフィルタは、多孔体中にNiとAgとが略均一に混在するため、光触媒により生成するキャリアの授受が円滑に行われ、かつ、光触媒としてのTiOの活性が高くて、多孔体との密着性も良好なので、多孔体との間で電荷分離が一層大きくなって光触媒作用を十分に発揮することができ、有害物質や悪臭物質に対する分解除去作用をさらに有効に発揮するができるためと考えられる。
本発明の実施の形態におけるフィルタの一部を光学顕微鏡によって拡大した写真図である。 同フィルタの一部を模式的に示す断面図である。 同フィルタの製造方法の概略について製造工程順に示すフロー図である。 スプレー法によって作成されたNiとAgからなる多孔体にTiOを担持させたフィルタと、スラリー法によって作成されたNiとAgからなる多孔体にTiOを担持させたフィルタの状態を模式的に示す図である。 スラリー法によって作成されたNiとAgからなる多孔体にTiOを担持させたフィルタの作用説明図である。 スプレー法によって作成されたNiとAgからなる多孔体にTiOを担持させたフィルタの走査型電子顕微鏡(SEM)による特性X線画像の写真図である。 スラリー法によって作成されたNiとAgからなる多孔体にTiOを担持させたフィルタの走査型電子顕微鏡(SEM)による特性X線画像の写真図である。 本発明のフィルタと従来のフィルタについて、アンモニア分解試験を行った結果を比較して示す特性図である。 本発明の2種類のフィルタ(Ni−TiO,Ni−Ag−TiO)についてアンモニア分解試験を行った結果を比較して示す特性図である。 本発明の2種類のフィルタ(Ni−TiO,Ni−Ag−TiO)について、アセトアルデヒト分解試験を行った結果を比較して示す特性図である。 本発明のフィルタについて、クロロホルムが低濃度の場合と高濃度の場合についてそれぞれの除去率を測定した結果を比較して示す棒グラフである。 本発明のフィルタについて、エタノールが低濃度の場合と高濃度の場合についてそれぞれの除去率を測定した結果を比較して示す棒グラフである。 本発明のフィルタについて、イソプロヒルアルコールが低濃度の場合と高濃度の場合についてそれぞれの除去率を測定した結果を比較して示す棒グラフである。 本発明のフィルタについて、アンモニアが低濃度の場合と高濃度の場合についてそれぞれの除去率を測定した結果を比較して示す棒グラフである。 本発明の2種類のフィルタ(Ni−TiO,Ag−Ni−TiO)について、遊離残存塩素の残存率の経時変化を測定した結果を示す特性図である。 本発明のフィルタ(スラリー法によるNi−Ag多孔体、スプレー法によるNi−Ag多孔体)について、遊離残存塩素の残存率の経時変化を測定した結果を示す特性図である。
符号の説明
1 微細孔、2 多孔体、3 光触媒。

Claims (4)

  1. 内外部に多数の微細孔が形成された多孔体を有し、この多孔体には上記微細孔を塞ぐことなく光触媒が担持されたものであって、上記多孔体は、上記光触媒との間でショットキー接合する性質を有する遷移金属の単体、またはこれらの複数を組み合わせた混合物からなる一方、上記光触媒は結晶化された金属酸化物からなることを特徴とするフィルタ。
  2. 上記多孔体を構成する遷移金属は、ニッケル(Ni)単体、またはニッケル(Ni)と銀(Ag)との混合物からなることを特徴とする請求項1記載のフィルタ。
  3. 上記光触媒は、酸化チタン(TiO)を含むことを特徴とする請求項1または請求項2に記載のフィルタ。
  4. 上記多孔体はスラリー法に基づいて作成されたものであることを特徴とする請求項1ないし請求項3のいずれか1項に記載のフィルタ。
JP2007245438A 2007-09-21 2007-09-21 フィルタ Active JP5230862B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2007245438A JP5230862B2 (ja) 2007-09-21 2007-09-21 フィルタ

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2007245438A JP5230862B2 (ja) 2007-09-21 2007-09-21 フィルタ

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2009072722A true JP2009072722A (ja) 2009-04-09
JP5230862B2 JP5230862B2 (ja) 2013-07-10

Family

ID=40608268

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2007245438A Active JP5230862B2 (ja) 2007-09-21 2007-09-21 フィルタ

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP5230862B2 (ja)

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2016043304A (ja) * 2014-08-21 2016-04-04 日本電信電話株式会社 光触媒デバイス

Families Citing this family (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN102635156B (zh) * 2012-05-16 2013-11-06 郭东箭 一种射流式发泡坐便装置

Citations (8)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPH02107339A (ja) * 1988-10-14 1990-04-19 Hitachi Ltd 触媒構造体及びその製造方法と装置
JPH04327851A (ja) * 1991-04-26 1992-11-17 Japan Storage Battery Co Ltd 光触媒体
JP2000014607A (ja) * 1998-06-26 2000-01-18 Hitachi Ltd 電気掃除機及びその製造方法
JP2001218820A (ja) * 2000-02-14 2001-08-14 Hitachi Metals Ltd 脱臭装置
JP2004018549A (ja) * 2002-06-12 2004-01-22 Foundation For The Promotion Of Industrial Science 多色フォトクロミック材料、その製造方法およびその使用方法
WO2004094044A1 (ja) * 2003-04-23 2004-11-04 National Institute Of Advanced Industrial Science And Technology 可視光応答型3次元微細セル構造光触媒フィルター及びその製造方法並びに浄化装置
JP2005254123A (ja) * 2004-03-11 2005-09-22 Ohbayashi Corp 光触媒を備えた多孔材及びその製造方法
WO2006112281A2 (ja) * 2005-03-29 2006-10-26 Zen World Kk 白金を主触媒として空気中の有機化合物を分解し除去させる方法および光触媒物品および光触媒層の形成方法並びに光触媒体

Patent Citations (8)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPH02107339A (ja) * 1988-10-14 1990-04-19 Hitachi Ltd 触媒構造体及びその製造方法と装置
JPH04327851A (ja) * 1991-04-26 1992-11-17 Japan Storage Battery Co Ltd 光触媒体
JP2000014607A (ja) * 1998-06-26 2000-01-18 Hitachi Ltd 電気掃除機及びその製造方法
JP2001218820A (ja) * 2000-02-14 2001-08-14 Hitachi Metals Ltd 脱臭装置
JP2004018549A (ja) * 2002-06-12 2004-01-22 Foundation For The Promotion Of Industrial Science 多色フォトクロミック材料、その製造方法およびその使用方法
WO2004094044A1 (ja) * 2003-04-23 2004-11-04 National Institute Of Advanced Industrial Science And Technology 可視光応答型3次元微細セル構造光触媒フィルター及びその製造方法並びに浄化装置
JP2005254123A (ja) * 2004-03-11 2005-09-22 Ohbayashi Corp 光触媒を備えた多孔材及びその製造方法
WO2006112281A2 (ja) * 2005-03-29 2006-10-26 Zen World Kk 白金を主触媒として空気中の有機化合物を分解し除去させる方法および光触媒物品および光触媒層の形成方法並びに光触媒体

Non-Patent Citations (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Title
JPN6012046220; L. WENHUA et al.: 'Kinetics of photocatalytic degradation of aniline in water over TiO2 supported on porous nickel' Journal of Photochemistry and Photobiology A: Chemistry , Vol. 131, Pages 125-132 (2000) *
JPN6012046221; H. LIU et al.: 'TITANIUM DIOXIDE AS PHOTOCATALYST ON POROUS NICKEL: ADSORPTION AND THE PHOTOCATALYTIC DEGRADATION OF' Chemosphere , Vol. 38, No. 2, Pages 283-292 (1999) *

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2016043304A (ja) * 2014-08-21 2016-04-04 日本電信電話株式会社 光触媒デバイス

Also Published As

Publication number Publication date
JP5230862B2 (ja) 2013-07-10

Similar Documents

Publication Publication Date Title
EP3643395B1 (en) Aircraft air purification and volatile organic compounds reduction unit comprising a photocatalyst activated by ultraviolet light emitting diodes
JP2011104592A (ja) 酸化タングステン光触媒体
CN101952040A (zh) 共掺杂的二氧化钛泡沫和水消毒设备
JP5230862B2 (ja) フィルタ
CN111362369A (zh) 一种二氧化铅-碳纳米管吸附性亚微米电化学反应器及其制备方法和应用
JP2010214366A (ja) 有毒ガス分解触媒用担体及びその製造方法
JP4586385B2 (ja) 光触媒を備えた多孔材の製造方法
CN113181765A (zh) 用于降解混合气体的光催化过滤器及其制造方法
JP2009262049A (ja) 光触媒構造体およびその製造方法
CN212309083U (zh) 以光触媒滤网所组成的空气净化装置
JP2007098197A (ja) 光触媒材料の製造方法
US20140335617A1 (en) Controlling surface wettability of ultrahigh surface area hierarchical supports
JP2003299965A (ja) 光触媒材料とその製造方法
JP5683594B2 (ja) 超多孔性光触媒材料、その製造方法およびその使用
JP2002113369A (ja) 光触媒および光触媒の製造方法
JP2005111354A (ja) 光触媒担持体及びガス処理装置
JP2006167695A (ja) 多孔質フィルタ、多孔質フィルタの製造方法、空気清浄装置および空気清浄方法
TWI609718B (zh) 用於降解混合氣體的光催化過濾器及其製造方法
TWI766030B (zh) 觸媒或吸附材料載持體之製造方法,及觸媒或吸附材料載持體
TWI424879B (zh) Titanium dioxide nanometer structure photocatalyst filter material and its manufacturing method
CN107043277A (zh) 多空式光触媒陶瓷板
JP3116927U (ja) ウレタンフォームを支持体とする酸化触媒
JP2015039674A (ja) 光触媒繊維構造体、及び光触媒繊維構造体の製造方法
JP2020044488A (ja) 光触媒複合材料、光触媒複合材料の製造方法および光触媒装置
JP2001038217A (ja) 光触媒膜

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20100223

A711 Notification of change in applicant

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A712

Effective date: 20110523

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20110629

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20120904

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20121030

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20121127

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20130118

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20130219

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20130320

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20160329

Year of fee payment: 3

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Ref document number: 5230862

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

S111 Request for change of ownership or part of ownership

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R313115

R350 Written notification of registration of transfer

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R350

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

S531 Written request for registration of change of domicile

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R313531

R350 Written notification of registration of transfer

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R350

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250