JP2009072360A - X線診断装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】 X線透視を長時間にわたり継続するIVR手技において、患者の皮膚線量が過大になるのを防止する。
【解決手段】 操作者は、指向性のあるレーザーまたは赤外光19を発するマーカー部17を眼の近傍に備え、そのレーザーまたは赤外光19の受光を行うセンサ18をモニタ近傍に備え、センサ18が受講したことにより、操作者の視線がモニタ10に向いているかどうかを認識する。さらに、認識した情報とX線を照射するためのフットスイッチの押圧情報がシステム制御装置9に伝わる。そこで、フットスイッチ15を操作者が押圧し、かつ操作者の視線がモニタ10に向いていると認識できている場合に、被検体にX線を照射する。
【選択図】 図1
【解決手段】 操作者は、指向性のあるレーザーまたは赤外光19を発するマーカー部17を眼の近傍に備え、そのレーザーまたは赤外光19の受光を行うセンサ18をモニタ近傍に備え、センサ18が受講したことにより、操作者の視線がモニタ10に向いているかどうかを認識する。さらに、認識した情報とX線を照射するためのフットスイッチの押圧情報がシステム制御装置9に伝わる。そこで、フットスイッチ15を操作者が押圧し、かつ操作者の視線がモニタ10に向いていると認識できている場合に、被検体にX線を照射する。
【選択図】 図1
Description
本発明は、X線診断装置に係り、特に、X線による透視をしながら治療するために使用されるX線診断装置に関する。
近年、X線診断装置にてX線を透視する状態で、カテーテル操作によって血管拡張術、抗がん剤注入、腫瘍組織の栄養血管の塞栓などを行う手技を、インターベンショナルラジオロジー(以下、IVRと略称する。)と称し、その手技が普及している。
このような手技を行うX線診断装置では、患者(以下、被検体とする。)を天板に寝かせた状態で被検体の体内へカテーテルなどを挿入し、このカテーテルなどを通して血管に造影剤を注入して血管のX線撮影を行ったり、カテーテルを通してバルーンを膨らませて閉塞している血管を拡張させる処置を講じたりする。
これらの処理を行う場合、医師や検査技師(以下では、操作者と呼ぶ。)は寝台の天板に載置された被検体に対して好適な位置に立ち、この操作者の近傍に設置されたフットスイッチを用いて、X線を被検体に透視する開始コマンドあるいは停止する停止コマンド等の入力を制御していた。例えば、X線透視の開始コマンド信号を発生する透視スタートスイッチを押圧している間はX線透視またはX線撮影を行い、この押圧を排除することにより停止、あるいは終了させることが行われている(例えば、特許文献1参照。)。
特開2002−253547号公報
しかしながら、特許文献1に記載されたX線診断装置では、X線の透視を開始または停止する動作をフットスイッチのみで制御していることから、操作者によってはフットスイッチでの作業が煩わしくなり、モニタから目を離している作業の間などではフットスイッチを押したままにする場合があり、被検体に対して必要以上に被曝線量が増えてしまうという問題があった。
そこで本発明は、被検体に対する被曝線量を抑えることができ、さらには操作者が細かい操作を必要とせずにX線を透視することを目的とする。
上記目的を達成するために、本発明のX線診断装置は、被検体に対してX線を照射するX線管と、前記被検体を透過したX線を検出するX線検出手段と、このX線検出手段が検出したX線情報に基づいて画像データを生成するX線画像生成手段と、生成された画像データを表示するモニタと、このモニタに操作者の視線が向いているかを認識する視線認識手段と、前記操作者の足の押圧によってX線を照射するフットスイッチとを備え、前記視線認識手段によって前記操作者の視線が認識された状態で前記フットスイッチが押圧された場合にX線を照射することを特徴とする。
本発明によれば、被検体に対する被曝線量を抑えることができ、さらには操作者が細かい操作を必要とせずにX線を透視することができる。
以下に、本発明に係るX線診断装置の実施の形態を図1乃至図7を参照して説明する。
図1は、本発明に係るX線診断装置の概略的な構成を示した図である。このX線診断装置1は、例えば被検体を載置する天板2を有する寝台3を備え、天板2は、その長手方向に沿って移動自在であり、X線の吸収が少なくかつ強度の強い、例えば炭素繊維強化樹脂を材料として形成されている。さらに、X線診断装置1は、例えば略C字型に湾曲して形成されたアーム4を有し、アーム4の一方の端近傍にはX線を照射するX線管5が設けられ、アーム4の他方の端近傍にはX線を検出するX線検出器6が設けられており、これらは互いに対向するように設けられており、アーム4は支持器7によって支持されている。支持器7は、床上に固定されるか、あるいは床上をレール等に沿って寝台3方向へ接近または退避可能に据付けられている。または、支持器7が床上ではなく天井に沿って走行可能に天井部に設けられている場合もある。
なお、X線管5の前面部には面積線量計を有するX線絞り8が備えられている。X線管5は、X線を発生する真空管であり、陰極(フィラメント)より放出された電子を高電圧により加速してタングステン陽極に衝突させX線を発生する。一方、X線絞り8は、被検体に対する被曝線量の低減と画質向上を目的として用いられ、X線管5から放出されたX線の被検体における照射領域を設定する。
さらに、X線絞り8の面積線量計で計測された線量値は、システム制御装置9において、X線管5と被検体との距離や角度などから検査プロトコルごと又は被検体ごとの皮膚線量値として計算し、その結果はモニタ10表示される。また、所定時間にわたってアーム4や天板2が動かないままX線管5からX線が照射され続けていたときの被曝線量の積算値(すなわち、皮膚線量の積算値)またはX線が照射され続けていた時間が所定値に達したときは、操作者に向けて警報を鳴らすまたは警告メッセージをモニタ10に表示する等が行われる。そして、この警報または警告を発するための皮膚線量の積算値やX線の照射継続時間は、操作者が操作部11によって適宜設定することが出来る。
また、X線検出器6は、X線撮影及びX線透視において被検体のX線照射領域を透過したX線を電荷に変換して蓄積する平面検出器と、この平面検出器に蓄積された電荷を読み出すためのゲートドライバや、読み出された電荷からX線投影データを生成するX線画像生成装置を備えている。なお、X線検出方式には、X線を直接電荷に変換する方式と、一旦光に変換した後電荷に変換する方式があり、どちらの方式でも構わない。また平面検出器の変わりにI.I.(イメージインテンシファイア)を用いた方式であっても良い。
また、システム制御装置9はX線制御装置12を備えており、X線制御装置12はX線発生装置13に対してX線管5に供給する管電圧、管電流、X線パルス幅等の出力条件の設定を行う。なお、X線制御装置12はシステム制御装置9と別に設けられていてもかまわない。
さらに、X線画像処理装置14は、X線検出器6から読み出されたX線投影データを診断に供するように画像処理し、その画像処理されたX線画像を出力する。この画像処理は、ガンマ変換、階調変換処理の他、画像の拡大、縮小、画像の上下、左右反転、ネガポジ反転等である。また、X線画像処理装置14によって得られるX線画像はモニタ10に表示される。
また、天板2の近傍における操作者の立ち位置に設置され、X線の照射のON/OFFを操作者の足の押圧によって制御するフットスイッチ15と、操作者の視線がモニタ方向を向いているかを認識する視線認識部16を備えている。なお、X線制御装置12は、この視線認識部16の視線認識情報とフットスイッチ15の押圧情報を連動させることで被検体へのX線の照射のON/OFFを制御する。
図2は本発明の実施例1に係る視線認識部の例を示した図である。実施例1における視線認識部は、操作者側にレーザーポインタや指向性を持たせた赤外光を出力するマーカー部17を備え、モニタ側ではそのレーザーまたは赤外光19等を認識するセンサ18を取り付け、視線を認識する構成を示している。なお、センサ18は、モニタ10と一体またはモニタ10に取り外し可能に取り付けてあり、センサ18は複数設けられていてもかまわない。この場合、複数のセンサ18のうちのいずれかでレーザーまたは赤外光19を受光することで、視線を認識しているとする。また、センサ18を取り付けるスペースがモニタ10側にない場合は、モニタ10の近傍に別途設置してもよい。
また、図3は操作者に取り付けられたマーカー部17の例である。図3(a)は、操作者に眼鏡20を装着し、その眼鏡20にマーカー部17が備えられている場合の例である。次に、図3(b)は、操作者の左右どちらかの耳に引っ掛けるようにしてマーカー部17を固定する固定具21を装着する場合の例である。次に、図3(c)は、操作者に帽子22をかぶらせて、その帽子22にマーカー部17が備えられている例である。
なお、図3(a)〜(c)は、マーカー部17が1つしか備えられていないが、このマーカー部17は複数備えられていてもよい。その場合は、センサ18では複数のマーカー部17からの赤外光のうち少なくとも1つの赤外光を認識した場合に、操作者の視線がモニタ10に向いているとしてもよいし、全てのマーカー部17からのレーザーまたは赤外光19を認識した場合に、操作者の視線がモニタ10に向いているとしてもよい。なお、マーカー部17を備えるための固定部分は、上述した形状以外にも、種々変形して実施することが可能である。
次に、図4は本発明の実施例1に係るX線照射制御の概略的な構成を示した図である。視線認識部16は、例えばセンサ18と、視線検出部23を有して構成されており、操作者に装着されたマーカー部17からのレーザーまたは赤外光19をセンサ18が受光している間は、視線検出部23が操作者の視線がモニタ10に向いていると判断し、システム制御装置9へX線照射可の信号を伝える。 さらに、フットスイッチ15が押圧されている場合は、X線照射可の信号がフットスイッチ15からシステム制御装置9へ伝わり、システム制御装置9は、視線認識部16とフットスイッチ15からの両方からX線照射可の信号が来た場合に、X線を照射する。
なお、センサ18が赤外光が外れて認識できなくなってから一定時間内であれば、視線検出部23は視線を検出しているとして、システム制御装置9へX線照射可の信号を出し続けてもかまわない。ここで一定時間内とは、例えば5秒未満など操作者の意図しないズレや動作によって赤外光が認識できなくなることを防げる程度の時間があればよい。また、この時間は操作者に寄って適宜設定することが可能である。なお、センサ18が赤外光を受けている状態の時だけ、視線検出部23は視線を検出していると設定することも可能である。
次に、本発明の実施例1におけるX線診断装置の動作について説明する。
IVRは、被検体を寝台3の天板2に寝かせた状態で、被検体の体内へカテーテル等を挿入し、このカテーテルを通して血管に造影剤を注入して血管のX線撮影を行ったり、カテーテルを通してバルーンを膨らませて閉塞している血管を拡張させる処置を講じたりする。そこで、被検体の体内の様子を確認しながら手技を進めるために、X線を被検体に照射してモニタ10に画像を映し出す必要がある。ここで、IVR手技を開始してX線を照射するまでのステップを図5のフローチャートを参照して説明する。
まず、IVR手技を始める前に、操作者はマーカー部17を装着して、センサ18が反応するかどうかを確認する。具体的には、マーカー部17を作動させてセンサ18に向かって操作者が立つ。そこで、マーカー部17からのレーザーまたは赤外光19をセンサ18が認識している場合は、視線認識部16の視線検出部23が、モニタ10に視線検出中であることを表示する。例えば、マーカー部17を作動させて、センサ18がレーザーまたは赤外光19を最初に検出したときのみ、モニタ10に「正常に視線検出されました」等のメッセージを表示するようにし、その後は視線検出中の場合のみモニタ10に視線を認識中である表示をするようにしてもよい。この表示は、文字ではなく操作者にとって分かりやすいマークでもかまわない。
視線認識部16の準備が整ってから、手技をスタートさせる。まず、(ステップS1)として操作者が寝台3の付近に設置されているフットスイッチ15を足で押圧する。その後もしくはそれと同時に、操作者がモニタ10を見る(ステップS2)。操作者にはあらかじめマーカー部17が装着されているため、モニタ10と一体もしくはその近傍に備えられたセンサ18が、マーカー部17からのレーザーまたは赤外光19を受光する。そして、(ステップS3)において、操作者の視線(ここではマーカー部17からのレーザーまたは赤外光19)がセンサ18に認識されているかを確認する。
まず、センサ18はレーザーまたは赤外光19を受光したことを視線検出部23に伝える。そこで、視線検出部23がシステム制御装置9へ、視線を認識している場合にX線照射可の信号を送る。システム制御部9は、フットスイッチ15の押圧によるX線照射可の信号と視線検出部16からのX線照射可の信号の両方がX線照射可の状態の時に、X線制御装置12に対してX線照射「ON」の信号を出力する。具体的には、X線管5に供給する管電圧、管電流、X線パルス幅等の出力条件の設定や、X線絞り21を調節してX線の照射野を調整する。その後、その照射信号を受けたX線発生装置13が、X線管5を制御してX線管5から被検体に向けてX線を照射する(ステップS4)。
なお、フットスイッチ15が押圧されていて、かつマーカー部17からの赤外光が認識している間は、被検体に照射されたX線をX線検出器6が検出して、被検体の画像投影データを取得し続けることができる。次に、(ステップS5)でフットスイッチ15が引き続き押圧されているか足が離れたかを判断する。まず(ステップS5のNO)として、操作者の足がフットスイッチから離れた場合には、システム制御装置9でそれぞれのX線照射可の信号のうち片方がX線照射不可の信号になるため、X線照射が「OFF」になる。そこで、「OFF」信号が出てすぐにX線制御装置12がX線発生装置13へX線照射停止信号を送り、X線管5が被検体にX線を照射するのを停止する。
または、(ステップS5のYES)として、操作者の足がフットスイッチの上にある状態のときは、(ステップS6)でマーカー部17の赤外光がセンサ18に認識されているか、つまり操作者の視線はモニタ10に向いているのかを判断する。まず、(ステップS6のNO)として、センサ18が赤外光を認識しなくなった場合には、システム制御装置9でX線照射可の2つの信号のうち、視線検出部23からの信号がX線照射不可の信号になるため、X線の照射は「OFF」になる。そこで、「OFF」信号が出てすぐに、X線制御装置12がX線発生装置13へX線照射停止信号を送り、X線管5が被検体にX線を照射するのを停止する。
または、(ステップS6のYES)として、センサ18が赤外光の認識を続けている場合には、(ステップS4)でX線の照射を続ける。なお、視線認識部16の視線検出部23は、マーカー部17からのレーザーまたは赤外光19をセンサ18が受光しなくなってから一定期間(5秒以内等)は、視線を認識していると判断するように設定することも可能である。その場合は(ステップS6)で視線の認識が途絶えるのは、操作者がモニタ10から一定期間以上視線を外した場合になる。例えば、操作者がモニタ10から視線をはずしたのが3秒程度だった場合は、X線の照射を続けることが出来る。これは、操作者が意図せずにマーカー部17からのレーザーまたは赤外光19がセンサ18から外れた場合にも照射を続けることが出来、かつ操作者がモニタ10から1秒以内で目をそらす程度の場合に、照射のON/OFFの切り替えを行うことを避けることで装置の無駄な制御を軽減することが出来る。
なお、被検体を透過したX線は、X線検出器6の平面検出器において、被検体のX線照射領域を透過したX線を電荷に変換して蓄積し、蓄積された電荷を読み出し、読み出された電荷からX線画像生成装置がX線投影データを生成する。さらに、X線画像処理装置14は、X線検出器6から読み出されたX線投影データを診断に供するように画像処理し、その画像処理されたX線画像を出力する。この画像処理は、ガンマ変換、階調変換処理の他、画像の拡大、縮小、画像の上下、左右反転、ネガポジ反転等である。また、X線画像処理装置14によって得られるX線画像はモニタ10に表示される。
以上説明したように、本発明の実施例1においては、フットスイッチによる押圧の有無だけで被検体にX線を照射するのではなく、操作者の視線がモニタ10に向いているかどうかを検出し、操作者の視線がモニタ10に向いている場合にのみ、X線の照射をONすることができる。これにより、X線の過剰な照射が抑えられ、被検体の被曝線量の低減を図ることが出来る。また、同じように操作者の被曝線量も抑えることが可能である。
また、本発明の実施例1においては、特に煩雑な作業を要することなく、被曝線量の低減を図ることが出来るので、操作者に余計な作業を行わせる必要がない。 また、本発明の実施例1においては、操作者の視線を指向性のあるレーザーまたは赤外光19を操作者の眼により近いところに装着させて認識することにより、視線をより性格に検出することが出来る。
図1、図6、図7を参照して、実施例2を説明する。
なお、実施例2に係るX線診断装置の全体構成は図1と同様であり、その構成及び動作については実施例1にて説明したのでここでは省略する。
実施例2において、実施例1と異なる点は、実施例1では図2にあるように、操作者にレーザーまたは赤外光19などを発生させるようなマーカー部17を持たせるのに対し、実施例2では図6にあるように、操作者側には何も装着させずに、モニタ10側に操作者に向かって赤外光32などを照射する照射部30を備え、操作者がモニタを見ている場合に生じる赤外光の眼底反射をモニタ側に設置された赤外線カメラ31で受光して、視線を認識するという点である。
まず、実施例2に係る視線認識部の詳細を示す。図6は、実施例2に係る視線認識部16の詳細を示す図である。また図7は、実施例2に係るX線照射制御の概略的な構成を示す図である。
視線認識部16は、例えば照射部30として赤外線光源等と、赤外光32の反射光33を検出するための赤外線カメラ31と、視線検出部23を有して構成されている。照射部31は、操作者の眼に向けて位置検出用の赤外光32を照射するように配置されている。また、赤外線カメラは、撮像光学系と、受光素子を備えている。
また、照射部30は、赤外線カメラの撮像光学系の光軸に近い位置に配置されており、照射部30から出射された視線検出用の赤外光32が操作者の眼の網膜で反射され、この反射光33(眼底反射光)が赤外線カメラ31の撮像光学系を経て受光素子で撮像されるようになっている。なお、視線認識部16はモニタ10と一体、または取り外し式に備えられているため、モニタ10が移動した場合にも視線認識部が同時に動くので、視線が認識可能である。
視線検出部23は、照射部30から操作者に向かって出射された視線検出用の赤外光32が眼底反射され反射光33として赤外線カメラ31で受講している間は、視線検出部23が操作者の視線がモニタ10に向いていると判断し、システム制御装置9へX線照射可の信号を伝える。さらに、フットスイッチ15が押圧されている場合は、X線照射可の信号がフットスイッチ15からシステム制御装置9へ伝わり、システム制御装置9は、視線認識部16とフットスイッチ15からの両方からX線照射可の信号が来た場合に、X線を照射する。
実施例2における動作も図5のフローチャートを参照して、実施例2と同様のステップで行われる。
具体的には、IVR手技を始める前に、赤外線カメラ31が反応するかどうかを確認する。まず、視線認識部16を作動させてモニタ10に向かって操作者が立つ。そこで、照射部30からの赤外光32を操作者の眼底で反射させて、その反射光33を赤外線カメラ31で受光する。実施例1の時と同様に、赤外線カメラ31が受光している場合は、視線認識部16の視線検出部23が、モニタ10に視線検出中であることを表示する。
視線認識部16の準備が整ってから、手技をスタートさせる。まず、(ステップS1)として操作者が寝台3の付近に設置されているフットスイッチ15を足で押圧する。その後もしくはそれと同時に、操作者がモニタ10を見る(ステップS2)。その時、照射部30からの赤外光32が操作者の眼底で反射し、その反射光33が赤外線カメラ31で受光される。そして、(ステップS3)において、操作者の赤外光32の眼底反射光33が赤外線カメラ31に認識されているかを確認する。
まず、赤外線カメラは赤外光32の眼底反射光33を受光したことを視線検出部23に伝える。そこで、視線検出部23がシステム制御装置9へ、視線を認識している場合にX線照射可の信号を送る。システム制御部9は、フットスイッチ15の押圧によるX線照射可の信号と視線検出部16からのX線照射可の信号の両方がX線照射可の状態の時に、X線制御装置12に対してX線照射「ON」の信号を出力する。具体的には、X線管5に供給する管電圧、管電流、X線パルス幅等の出力条件の設定や、X線絞り21を調節してX線の照射野を調整する。その後、その照射信号を受けたX線発生装置13が、X線管5を制御してX線管5から被検体に向けてX線を照射する(ステップS4)。
なお、フットスイッチ15が押圧されていて、かつ赤外光32の眼底反射光33を赤外線カメラ31が認識している間は、被検体に照射されたX線をX線検出器6が検出して、被検体の画像投影データを取得し続けることができる。次に、(ステップS5)でフットスイッチ15が引き続き押圧されているか足が離れたかを判断する。まず(ステップS5のNO)として、操作者の足がフットスイッチから離れた場合には、システム制御装置9でそれぞれのX線照射可の信号のうち片方がX線照射不可の信号になるため、X線照射が「OFF」になる。そこで、「OFF」信号が出てすぐにX線制御装置12がX線発生装置13へX線照射停止信号を送り、X線管5が被検体にX線を照射するのを停止する。
または、(ステップS5のYES)として、操作者の足がフットスイッチの上にある状態のときは、(ステップS6)で赤外光32の眼底反射光33が赤外線カメラ31に認識されているか、つまり操作者の視線はモニタ10に向いているのかを判断する。まず、(ステップS6のNO)として、赤外線カメラ31が反射光33を認識しなくなった場合には、システム制御装置9でX線照射可の2つの信号のうち、視線検出部23からの信号がX線照射不可の信号になるため、X線の照射は「OFF」になる。そこで、「OFF」信号が出てすぐに、X線制御装置12がX線発生装置13へX線照射停止信号を送り、X線管5が被検体にX線を照射するのを停止する。
または、(ステップS6のYES)として、赤外線カメラ31が反射光33の認識を続けている場合には、(ステップS4)でX線の照射を続ける。なお、視線認識部16の視線検出部23は、反射光33を赤外線カメラ31が受光しなくなってから一定期間(5秒以内等)は、視線を認識していると判断するように設定することも可能である。その場合は(ステップS6)で視線の認識が途絶えるのは、操作者がモニタ10から一定期間以上視線を外した場合になる。例えば、操作者がモニタ10から視線をはずしたのが3秒程度だった場合は、X線の照射を続けることが出来る。これは、操作者が意図せずに赤外線カメラ31から反射光33が外れた場合にも照射を続けることが出来、かつ操作者がモニタ10から1秒以内で目をそらす程度の場合に、照射のON/OFFの切り替えをすることを避けることで装置の無駄な制御を軽減することが出来る。
この構成においても、実施例1と同様に、フットスイッチによる押圧の有無だけで被検体にX線を照射するのではなく、操作者の視線がモニタ10に向いているかどうかを検出し、操作者の視線がモニタ10に向いている場合にのみ、X線の照射をONすることができる。これにより、X線の過剰な照射が抑えられ、被検体の被曝線量の低減を図ることが出来る。また、同じように操作者の被曝線量も抑えることが可能である。
また、本発明の実施例2においても、特に煩雑な作業を要することなく、被曝線量の低減を図ることが出来るので、操作者に余計な作業を行わせる必要がない。
さらに、実施例2では、操作者は何も装着することなく手技を行うことができるので、余計な器具が邪魔にならず、スムーズに手技を進めることが出来る。なお、本発明は上述した実施の形態に限定されるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲で種々変形して実施することが可能である。
5 X線管
6 X線検出器
9 システム制御装置
10 モニタ
12 X線制御装置
13 X線発生装置
15 フットスイッチ
16 視線認識部
17 マーカー部
18 センサ
23 視線検出部
30 照射部
31 赤外線カメラ
6 X線検出器
9 システム制御装置
10 モニタ
12 X線制御装置
13 X線発生装置
15 フットスイッチ
16 視線認識部
17 マーカー部
18 センサ
23 視線検出部
30 照射部
31 赤外線カメラ
Claims (5)
- 被検体に対してX線を照射するX線管と、
前記被検体を透過したX線を検出するX線検出手段と、
このX線検出手段が検出したX線情報に基づいて画像データを生成するX線画像生成手段と、
生成された画像データを表示するモニタと、
このモニタに操作者の視線が向いているかを認識する視線認識手段と、
前記操作者の足の押圧によってX線を照射するフットスイッチとを備え、
前記視線認識手段によって前記操作者の視線が認識された状態で前記フットスイッチが押圧された場合にX線を照射することを特徴とするX線診断装置。 - 前記視線認識手段は、前記操作者に赤外光を出力するマーカー手段を備え、このマーカー手段からの前記赤外光を認識するセンサが前記モニタ近傍に取り付けられていることを特徴とする請求項1記載のX線診断装置。
- 前記視線認識手段は、前記モニタ近傍に備えられた赤外光発生手段から操作者に対して発せられたの赤外光を操作者の眼底で反射させ、その反射した赤外光を認識する赤外線カメラが前記モニタ近傍に備えられていることを特徴とする請求項1記載のX線診断装置。
- 前記視線認識手段は、前記赤外光が前記センサから外れてから一定時間は、前記操作者の視線を認識している状態にすること特徴とする請求項2に記載のX線診断装置。
- 前記視線認識手段は、前記操作者の眼底反射による赤外光が前記赤外線カメラにから外れてから一定時間は、前記操作者の視線を認識している状態にすること特徴とする請求項3に記載のX線診断装置。
Priority Applications (1)
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---|---|---|---|
JP2007243833A JP2009072360A (ja) | 2007-09-20 | 2007-09-20 | X線診断装置 |
Applications Claiming Priority (1)
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JP2007243833A JP2009072360A (ja) | 2007-09-20 | 2007-09-20 | X線診断装置 |
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Family Applications (1)
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-
2007
- 2007-09-20 JP JP2007243833A patent/JP2009072360A/ja not_active Withdrawn
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