JP2009071161A - 電子機器 - Google Patents

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Abstract

【課題】電気特性の低下を防止可能な電子機器を提供する。
【解決手段】電子機器1は、基板2と、基板上に配置された導電層3と、導電層3を覆う絶縁コーティング層4とを備えた電子機器である。導電層3は、カーボンブラック、及びフェニル基含有ポリオルガノシロキサンをベースポリマーとして含有する導電性シリコーン組成物の硬化物により構成されている。絶縁コーティング層4はシリコーンゴム組成物の硬化物から構成されている。
【選択図】図1

Description

本発明は、電気特性に優れた電子機器に関する。
携帯電話などの電子機器では、通常、ガラス、合成樹脂などの絶縁性の基板上に、電極や配線が配置され、半導体チップやコンデンサなどの電子部品が実装されている。基板上の電極や配線、電子部品の電気的接続を目的として、基板上には導電層が形成され、導電層を外部環境から保護するために、その上に、絶縁性の絶縁コーティング層が形成されている。
導電層を構成する導電材料として、カーボンブラックを配合した導電性の液状シリコーン組成物が使用されている。導電性の液状シリコーン組成物としては、シリコーンベースポリマー(ポリオルガノシロキサン)、硬化剤(架橋剤と硬化触媒)及びカーボンブラックを含有し、必要に応じて溶剤を配合したものが知られている。
しかし、シリコーンベースポリマーとカーボンブラックとは親和性がなく、さらに、カーボンブラックの溶剤に対する分散性も低い。
そこで、シリコーンベースポリマー、硬化剤、カーボンブラック及び溶剤に加えて、両末端にアルケニル基を有するポリオルガノシロキサンを配合した導電性シリコーン組成物が提案されている(例えば特許文献1参照)。
しかしながら、従来の導電性シリコーン組成物では、シリコーンベースポリマーとして、例えば、主骨格をなすケイ素原子に結合する有機基の90mol%以上がメチル基で、残りが反応性を有する基として加水分解性基(例えばアルコキシ基)又は水酸基を含有したポリオルガノシロキサンを使用している。また、導電層の上に形成する絶縁コーティング層は、通常、導電層と同様のシリコーンベースポリマーを配合したジメチル系の液状シリコーンゴム組成物により形成される。
このため、絶縁コーティング層と、上記した従来の導電性シリコーン組成物で形成された導電層とは、相溶性を有する。その結果、絶縁コーティング層からフリーなオイル成分が導電層内に流れ込みやすく、カーボンブラックの粒子同士の接触を阻害し、粒子同士が互いに電気的に接続して形成される電気伝導路をつくりにくくなり、電気特性の低下を招きやすい。
特許2563003号公報
本発明の目的は、電気特性の低下を防止可能な電子機器を提供することにある。
本発明者らは、上記目的を達成するために鋭意検討した結果、導電層を構成する導電性シリコーン組成物のベースポリマーとして、フェニル基を含有したポリオルガノシロキサンを使用することによって、導電層の上に、従来のジメチル系のシリコーンゴム組成物から構成された絶縁コーティング層を形成した場合に、導電層と絶縁コーティング層とが相溶性をもたないため、電気特性が低下することのない、高信頼性の電子機器が得られることを見出し、本発明をなすに至った。
すなわち、本発明の電子機器は、基板と、前記基板上に配置された導電層と、前記導電層を覆う絶縁コーティング層とを備えた電子機器であり、前記導電層が、フェニル基含有ポリオルガノシロキサンをベースポリマーとして含有する導電性シリコーン組成物の硬化物により構成されていることを特徴とする。
上記構成により、電気特性の低下を防止可能な電子機器を提供できる。
以下、本発明を実施するための形態について、図面を参照して説明する。図1は、本発明の一実施形態に係る電子機器を模式的に示す断面図である。
本発明の一実施形態である電子機器1は、合成樹脂から構成された絶縁性の基板2と、絶縁性の基板2上に配置された導電層3と、導電層3を覆う絶縁コーティング層4とを備えている。図示しないが、基板2上には、銅からなる電極や配線が形成されており、半導体チップ、コンデンサなどの電子部品が実装されている。導電層3は、基板2上に配置された電極や配線、電子部品を電気的に接続するものである。
導電層3は、導電性シリコーン組成物を絶縁性の基板2上の所定位置にディスペンサ、スクリーン印刷で塗布し、硬化させることで形成される。導電性シリコーン組成物は、ペースト状であり、フェニル基含有ポリオルガノシロキサンをベースポリマーとして含有する縮合反応硬化型または付加反応硬化型のシリコーン組成物である。
絶縁コーティング層4は、導電層3と電極を外部環境から保護するため、導電層3を覆うように形成されており、導電層3と直接接触するので、絶縁性である。絶縁コーティング層4は、導電層3の上に、縮合反応硬化型または付加反応硬化型のシリコーンゴム組成物を塗布し硬化させることで形成される。導電層3が縮合反応硬化型の導電性シリコーン組成物から構成される場合には、加硫阻害を防止するために、絶縁コーティング層4には縮合反応硬化型のシリコーンゴム組成物が選択される。一方、導電層3が付加反応硬化型の導電性シリコーン組成物の場合には、絶縁コーティング層4には縮合反応硬化型、付加反応硬化型のいずれのシリコーンゴム組成物を用いてもよい。
絶縁コーティング層4を構成するシリコーンゴム組成物は、公知のものであって、シリコーンベースポリマーと、硬化剤(架橋剤と硬化触媒)とを少なくとも含有し、必要に応じて、反応抑制剤、着色剤、難燃性付与剤、耐熱性向上剤、可塑剤、補強性シリカ、接着性付与剤等を配合した組成物である。シリコーンベースポリマーには、縮合反応硬化型または付加反応硬化型の硬化形態に応じたポリオルガノシロキサンが使用される。縮合反応硬化型の場合には、ケイ素原子に結合する有機基の90mol%以上がメチル基で、残りが反応性を有する基として加水分解性基(例えばアルコキシ基)又は水酸基を含有したポリオルガノシロキサンが使用される。一方、付加反応硬化型の場合には、ケイ素原子に結合する有機基の90mol%以上がメチル基で、残りが不飽和炭化水素基(例えばアルケニル基)を含有したポリオルガノシロキサンが使用される。
このように、導電層3をフェニル基含有ポリオルガノシロキサンをベースポリマーとする導電性シリコーン組成物で形成し、絶縁コーティング層4を従来のジメチル系のシリコーンゴム組成物で形成して、導電層3と絶縁コーティング層4とが相溶性をもたないようにすることで、導電層3内のカーボンブラックの粒子同士の接触が阻害されにくくなる。これによって、導電層3でカーボンブラックの粒子が互いに電気的に接続して電気伝導路を形成し、安定した電気特性を得ることができる。
以下、導電層を構成する導電性シリコーン組成物について詳細に説明する。
[(A)成分]
(A)成分はベースポリマーであり、本発明の特徴を付与する成分である。すなわち、(A)成分を配合した導電性シリコーン組成物により導電層を形成することで、その上に、従来のジメチル系のシリコーン組成物から構成された絶縁コーティング層を形成した場合に、電気特性の低下を防止する。
(A)成分は、ケイ素原子に結合したフェニル基を含有するポリオルガノシロキサンである。フェニル基の含有量は、導電層の電気特性の低下を防止する上で、ケイ素原子に結合した全有機基の0.5mol%以上、好ましくは1.0〜50mol%である。(A)成分には、縮合反応硬化型または付加反応硬化型の硬化形態に応じたポリオルガノシロキサンが使用される。但し、(A)成分の粘度は、取扱いの容易さ、組成物の流動性、硬化後の物性などから、23℃で0.1〜1000Pa・s、好ましくは0.5〜200Pa・sである。
導電性シリコーン組成物が、縮合反応硬化型の場合には、(A)成分は、1分子中にケイ素原子に結合した水酸基又は加水分解性基を2個以上有し、ケイ素原子に結合したフェニル基を有するポリオルガノシロキサンである。その分子構造は、直鎖状、環状、分岐鎖状のいずれでもよいが、硬化後の物性の点から、直鎖状が好ましく、1種単独または2種以上を組み合わせてもよい。
ケイ素原子に結合した加水分解性基もしくは水酸基は、分子鎖末端のケイ素原子に結合していても、分子鎖途中のケイ素原子に結合していても、両者に結合していてもよいが、組成物の硬化速度、硬化後の物性の点から、少なくとも分子鎖末端のケイ素原子、特に、分子鎖両末端のケイ素原子に結合していることが好ましい。
加水分解性基としては、例えばメトキシ基、エトキシ基、プロポキシ基、ブトキシ基、メトキシエトキシ基等のアルコキシ基、プロペノキシ基、イソブテニルオキシ基、1−エチル−2−メチルビニルオキシ基等のアルケニルオキシ基、ジメチルケトオキシム基、メチルエチルケトオキシム基、メチルブチルケトオキシム基、ジエチルケトオキシム基、シクロペンタノオキシム基、シクロヘキサノオキシム基等のケトオキシム基、アセトキシ基、プロピオノキシ基、ブチロイロキシ基、ベンゾイル基等のアシルオキシ基、N−メチルアミノ基、N−エチルアミノ基、N−プロピルアミノ基、N−ブチルアミノ基、N,N−ジメチルアミノ基、N,N−ジエチルアミノ基、シクロヘキシルアミノ基等のアミノ基、N−メチルアセトアミド基、N−メチルベンズアミド基等のアミド基、N,N−ジメチルアミノキシ基、N,N−ジエチルアミノキシ基等のアミノキシ基、イソシアナート基、α−シリルエステル基、プロピレングリコールモノメチルエーテル基、塩素原子等のハロゲン原子などが挙げられ、好ましくはアルコキシ基、アルケニルオキシ基、ケトオキシム基、アシルオキシ基、α−シリルエステル基、プロピレングリコールモノメチルエーテル基であり、より好ましくはメトキシ基、エトキシ基、ジメチルケトオキシム基、メチルエチルケトオキシム基、メチルブチルケトオキシム基、α−シリルエステル基、プロピレングリコールモノメチルエーテル基である。
ケイ素原子に結合したフェニル基は、分子鎖末端のケイ素原子に結合していても、分子鎖途中のケイ素原子に結合していても、両者に結合していてもよい。
加水分解性基、フェニル基以外のケイ素原子に結合した有機基としては、例えばメチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基、ヘキシル基等のアルキル基、ビニル基、アリル基、ブテニル基、ヘキセニル基等のアルケニル基、シクロヘキシル基等のシクロアルキル基またはこれらの基の炭素原子に結合した水素原子の一部又は全部が塩素原子などのハロゲン、シアノ基等で置換されたクロロメチル基、トリフルオロプロピル基、シアノエチル基などが挙げられ、好ましくはメチル基、ビニル基、トリフルオロプロピル基であり、より好ましくはメチル基である。
導電性シリコーン組成物が付加反応硬化型の場合には、(A)成分は、ケイ素原子に結合したアルケニル基を2個以上有し、ケイ素原子に結合したフェニル基を有するポリオルガノシロキサンである。その分子構造は、直鎖状、環状、分岐鎖状のいずれでもよいが、硬化後のゴム物性の点から、直鎖状が好ましく、1種単独または2種以上を組み合わせてもよい。
ケイ素原子に結合したアルケニル基としては、例えばビニル基、アリル基、ブテニル基、ペテニル基、ヘキセニル基などが挙げられ、好ましくはビニル基である。このアルケニル基は、分子鎖末端のケイ素原子に結合していても、分子鎖途中のケイ素原子に結合していても、両者に結合していてもよいが、得られる組成物の硬化速度、硬化後の物性の点から、少なくとも分子鎖末端のケイ素原子、特に、分子鎖両末端のケイ素原子に結合していることが好ましい。
ケイ素原子に結合したフェニル基は、分子鎖末端のケイ素原子に結合していても、分子鎖途中のケイ素原子に結合していても、両者に結合していてもよい。
アルケニル基及びフェニル基以外のケイ素原子に結合した有機基としては、例えばメチル基、エチル基、プロピル基等のアルキル基、シクロペンチル基、シクロヘキシル基等のシクロアルキル基あるいはこれらの水素原子が部分的に塩素原子、フッ素原子などで置換されたハロゲン化炭化水素基などの炭素原子数1〜12個のものが挙げられ、好ましくはアルキル基であり、より好ましくはメチル基である。
[(B)成分]
(B)成分の硬化剤としては、縮合反応または付加反応を利用して硬化させるものであれば、特に限定されるものではなく、ベースポリマーである(A)成分のポリオルガノシロキサンの種類に応じて公知の硬化剤を使用できる。
縮合反応を利用する場合には、平均組成式:
Si(OR4−b
で示されるオルガノシラン又はその部分加水分解縮合物(架橋剤)と、硬化触媒と、が使用される。
式中、R、Rは互いに同一又は異なる置換又は非置換の1価炭化水素基であり、bは0、1または2である。
としては、例えばメチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基、ヘキシル基等のアルキル基、フェニル基、トリル基等のアリール基、ビニル基、アリル基、ブテニル基、ヘキセニル基等のアルケニル基、シクロヘキシル基等のシクロアルキル基、ベンジル基、2−フェニルエチル基等のアラルキル基又はこれらの基の炭素原子に結合した水素原子の一部又は全部が塩素原子などのハロゲン、シアノ基等で置換されたクロロメチル基、トリフルオロプロピル基、シアノエチル基などが挙げられ、好ましくはメチル基、フェニル基、ビニル基であり、より好ましくはメチル基である。Rも、Rと同様である。
オルガノシラン又はその部分加水分解縮合物としては、例えばメチルトリメトキシシラン、ビニルトリメトキシシラン、デシルトリメトキシシラン、メチルトリエトキシシラン、フェニルトリメトキシシラン、メチルトリ(エトキシメトキシ)シラン、ジメチルジメトキシシラン、ジメチルジエトキシシラン、ジフェニルジメトキシシランなどが挙げられる。
その配合量は、(A)成分100重量部に対して0.1〜20重量部である。配合量が0.1重量部未満では、硬化後の物性が不十分となる。一方、20重量部を越えると、硬化物が脆くなりやすい。
硬化触媒としては、例えば鉄オクトエート、コバルトオクトエート、マンガンオクトエート、亜鉛オクトエート、スズナフテネート、スズカプリレート、スズオレエートのようなカルボン酸金属塩;ジブチルスズジアセテート、ジブチルスズジオクトエート、ジブチルスズジラウレート、ジブチルスズオレエート、ジフェニルスズジアセテート、酸化ジブチルスズ、ジブチルスズジメトキシド、ジブチルビス(トリエトキシシロキシ)スズ、ジオクチルスズジラウレートのような有機スズ化合物;テトラブチルチタネート、テトラ−2−エチルヘキシルチタネート、トリエタノールアミンチタネート、テトラ(イソプロペニルオキシ)チタネート、ジイソプロポキシビス(アセト酢酸エチル)チタン、ジイソプロポキシビス(アセト酢酸メチル)チタン、ジイソプロポキシビス(アセルアセトン)チタン、ジブトキシビス(アセト酢酸エチル)チタン、ジメトキシビス(アセト酢酸エチル)チタン等の有機チタン化合物;アルコキシアルミニウム化合物などが挙げられる。
硬化触媒の配合量は、(A)成分100重量部に対して0.01〜10重量部、好ましくは0.1〜10重量部である。
付加反応を利用する場合は、ポリオルガノハイドロジェンシロキサン(架橋剤)と、白金系触媒(硬化触媒)と、を使用する。
ポリオルガノハイドロジェンシロキサンは、1分子中にケイ素原子に結合した水素原子(Si−H基)を3個以上有している。この水素原子は、分子鎖末端のケイ素原子に結合していても、分子鎖途中のケイ素原子に結合していても、両者に結合していてもよい。その分子構造は直鎖状、分岐鎖状、環状あるいは三次元網目状のいずれでもよく、1種単独または2種以上を混合して用いてもよい。
ポリオルガノハイドロジェンシロキサンとしては、平均組成式:
SiO[4−(d+e)]/2
で示されるものが用いられる。
式中、Rは、脂肪族不飽和炭化水素基を除く、置換または非置換の1価炭化水素基である。Rとしては、例えばメチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、ブチル基、イソブチル基、tert−ブチル基、ヘキシル基、シクロヘキシル基、オクチル基のようなアルキル基;フェニル基、トリル基のようなアリール基;ベンジル基、フェニルエチル基のようなアラルキル基;およびこれらの基の水素原子の一部または全部がフッ素、塩素、臭素などのハロゲン原子やシアノ基で置換されているもの、例えばクロロメチル基、ブロモエチル基、トリフルオロプロピル基、シアノエチル基などが挙げられる。なかでも、炭素原子数1〜4のアルキル基が好ましく、特に、合成のし易さ、コストの点から、メチル基がより好ましい。
d、eは、それぞれ、0.5≦d≦2、0<e≦2、0.5<d+e≦3を満足する正数である。
ポリオルガノハイドロジェンシロキサンの粘度は、23℃で0.01〜10Pa・sであることが好ましい。
ポリオルガノハイドロジェンシロキサンの配合量は、(A)成分のケイ素原子に結合したアルケニル基1個に対して、ケイ素原子に直結した水素原子が0.5〜5.0個となる量である。配合量が0.5個未満であると、得られた組成物が十分に硬化し難くなる。一方、5.0個を越えると、硬化後の物性が経時で変化し易くなる。
白金系触媒としては、ヒドロシリル化反応に用いられる触媒として周知の触媒を用いることができる。例えば白金黒、塩化第2白金、塩化白金酸、塩化白金酸と1価アルコールとの反応物、塩化白金酸とオレフィン類やビニルシロキサンとの錯体、白金ビスアセトアセテート等が挙げられる。
白金系触媒の配合量は、硬化に必要な量であればよく、所望の硬化速度などに応じて適宜調整することができる。通常、(A)成分100重量部に対して白金元素に換算して0.1〜1000ppmの範囲である。
[(C)成分]
(C)成分のカーボンブラックは、組成物に導電性を付与する成分である。
(C)成分としては、例えば、アセチレンブラック、コンダクティブファーネスブラック、スーパーコンダクティブファーネスブラック、エクストラコンダクティブファーネスブラック、コンダクティブチャンネルブラック、ケッチェンブラック、高温で熱処理されたファーネスブラックなどが挙げられる。なかでも、不純物含有量が少なく、発達した二次ストラクチャー構造を有し、優れた導電性を付与する点から、アセチレンブラックが好ましい。
(C)成分の配合量は、(A)成分100重量部に対して5〜100重量部、好ましくは10〜80重量部である。配合量が5重量部未満であると、十分な導電性が得られない。一方、100重量部を超えると、粘度が高く取扱いが難しくなり、更に硬化後の物性が低下しやすい。
[その他任意成分]
本発明の導電性シリコーン組成物には、上記(A)〜(C)の各成分を基本成分とし、これらに必要に応じて、その他任意成分として、煙霧質シリカ、シリカヒドロゲル(含水けい酸)、シリカエアロゲル(無水けい酸)等の補強性シリカ、石英粉末、溶融石英粉末、けいそう土、タルク、炭酸カルシウム、酸化チタン、酸化鉄、酸化アルミニウムなどの各種充填剤、接着性付与剤、反応抑制剤、可塑剤、耐熱性向上剤、難燃性付与剤、加工助剤、分散剤、着色剤、溶剤などを本発明の目的を損なわない範囲で添加してもよい。
本発明の導電性シリコーン組成物の製造方法としては、(A)〜(C)成分及びその他任意成分を周知の混練機で混練する方法が挙げられる。例えば、(A)成分のシリコーンベースポリマーと(C)成分のカーボンブラックとを混練機で均一になるまで混練する。このとき、(C)カーボンブラックは数回に分けて添加、混練してもよい。この後、(B)成分の硬化剤をさらに添加し、均一に分散させることによって、本発明の導電性シリコーン組成物が得られる。但し、導電性シリコーン組成物が縮合反応硬化型の場合には、湿気を絶った状態で混合する。
混練機としては、必要に応じて加熱手段及び冷却手段を備えた例えばプラネタリーミキサー、3本ロール、ニーダー、品川ミキサー等が挙げられ、単独またはこれらを組み合わせて使用することができる。
導電性シリコーン組成物の23℃における粘度は、0.1〜100Pa・s、好ましくは0.3〜50Pa・sである。粘度が0.1Pa・s未満であると、硬化後、強度、硬さ等の十分な物性が得られない。一方、100Pa・sを超えると、流動性が悪化して微小な部位への流れ込みが困難になる。
導電性シリコーン組成物の硬化方法は、該組成物が付加反応硬化型の場合には、室温もしくは50〜200℃で60〜120分の加熱により硬化が進行するが、迅速に硬化させるためには加熱することが好ましい。該組成物が縮合反応硬化型の場合には、空気中の水分(湿気)と接触(例えば、23℃、50%RH下で7日間放置)させることにより硬化が進行する。
本発明を実施例により、さらに具体的に説明するが、これらの実施例は本発明の範囲を何ら限定するものではない。実施例及び比較例で得られた導電性シリコーン組成物は、以下のようにして評価し、結果を表1に示した。表1に示した特性は、23℃において測定した値である。
[硬化後の電気抵抗値(実施例1と比較例1について)]
図2は、電気抵抗値の測定に用いたテストピースを示す略図である。図2に示すように、実施例1と比較例1で得られた導電性シリコーン組成物をガラス基板21上に塗布し、23℃、50%RHの雰囲気中に24時間放置し、空気中の湿気により硬化させて、導電層22(長さ40mm、幅5mm、厚さ20μm)を3列形成した。導電層22をひとつ選択し、その両端間の抵抗値をデジタルマルチメーターR6581((株)アドバンテスト社製)で測定した。
次に、導電層22の上に、縮合反応硬化型シリコーンゴム組成物(TSE399−W モメンティブ・パフォーマンス・マテリアルズ・ジャパン合同会社製)を厚さ100μm、幅20mmに塗布し、23℃、50%RHの雰囲気中に4時間放置して、空気中の湿気により硬化させて絶縁コーティング層23を形成した。そして、同様にして、導電層22の両端間の抵抗値を測定した。
[硬化後の電気抵抗値(実施例2と比較例2について)]
図2に示すように、実施例2と比較例2で得られた導電性シリコーン組成物をガラス基板21上に塗布し、100℃のオーブンで1時間放置して硬化させて、導電層22(長さ40mm、幅5mm、厚さ20μm)を3列形成した。導電層22をひとつ選択し、その両端間の抵抗値をデジタルマルチメーターR6581((株)アドバンテスト社製)で測定した。
次に、導電層22の上に、縮合反応硬化型シリコーンゴム組成物(TSE399−W モメンティブ・パフォーマンス・マテリアルズ・ジャパン合同会社製)を厚さ100μm、幅20mmに塗布し、23℃、50%RHの雰囲気中に4時間放置して、空気中の湿気により硬化させて絶縁コーティング層23を形成した。そして、同様にして、導電層22の両端間の抵抗値を測定した。
[実施例1]
シロキサンベースポリマーとして(A−1)23℃における粘度が10Pa・sであり、フェニル基を10mol%有し、両末端がメチルジメトキシシロキシ基で封鎖されたポリメチルフェニルシロキサン100重量部に、(C)アセチレンブラック(デンカブラックNC−75、電気化学工業社製)50重量部を添加して、湿気遮断下、ニーダーで均一に混練した後、溶剤としてトルエン150重量部を添加し、均一に分散させてシリコーン分散液とした。このシリコーン分散液に、(B−1)メチルトリメトキシシラン2重量部、(B−2)ジイソプロポキシチタンビス(エチルアセトアセテート)1.5重量部、接着性付与剤としてトリス(3−(トリメトキシシリル)プロピル)イソシアヌレート1重量部を添加し、均一に混練して導電性シリコーン組成物を得た。
この組成物の特性を測定し、結果を表1に示した。
[実施例2]
シロキサンベースポリマーとして(A−3)23℃における粘度が3Pa・sであり、フェニル基を5mol%有し、両末端がビニルジメチルシロキシ基で封鎖されたポリメチルフェニルシロキサン100重量部に、(C)アセチレンブラック(デンカブラックNC−75、電気化学工業社製)50重量部を添加して、ニーダーで均一に混練した後、溶剤としてトルエン150重量部を添加し、均一に分散させてシリコーン分散液とした。このシリコーン分散液に、(B−3)23℃における粘度が30Pa・sであり、式:
[(CHSiO1/2][(CH)HSiO2/220[(CHSiO2/220[(CHSiO1/2
で表されるポリメチルハイドロジェンシロキサン2.1重量部(H/Vi=2.0)、(B−4)白金−1,3,5,7−テトラビニルー1,3,5,7−テトラメチルシクロテトラシロキサン錯体(Pt含有量2wt%)を白金量として10ppm、接着性付与剤として3−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン2重量部、反応抑制剤として3,5−ジメチル−1−ヘキシン−3−オール0.05重量部を添加し、均一に混練して導電性シリコーン組成物を得た。
この組成物の特性を測定し、結果を表1に示した。
[比較例1]
シロキサンベースポリマーとして(A−2)23℃における粘度が10Pa・sであり、両末端がメチルジメトキシシロキシ基で封鎖されたポリジメチルシロキサン100重量部に(C)アセチレンブラック(デンカブラックNC−75、電気化学工業社製)50重量部を添加して、湿気遮断下、ニーダーで均一に混練した後、溶剤としてトルエン150重量部を添加し、均一に分散させてシリコーン分散液とした。このシリコーン分散液に、(B−1)メチルトリメトキシシラン2重量部、(B−2)ジイソプロポキシチタンビス(エチルアセトアセテート)1.5重量部、接着性付与剤としてトリス(3−(トリメトキシシリル)プロピル)イソシアヌレート1重量部を添加し、均一に混練して導電性シリコーン組成物を得た。
この組成物の特性を測定し、結果を表1に示した。
[比較例2]
シロキサンベースポリマーとして(A−4)23℃における粘度が3Pa・sであり、両末端がビニルジメチルシロキシ基で封鎖されたポリジメチルシロキサン100重量部に(C)アセチレンブラック(デンカブラックNC−75、電気化学工業社製)50重量部を添加して、ニーダーで均一に混練した後、溶剤としてトルエン150重量部を添加し、均一に分散させてシリコーン分散液とした。このシリコーン分散液に、(B−3)23℃における粘度が30Pa・sであり、式:
[(CHSiO1/2][(CH)HSiO2/220[(CHSiO2/220[(CHSiO1/2
で表されるポリメチルハイドロジェンシロキサン1.4重量部(H/Vi=2.0)、(B−4)白金−1,3,5,7−テトラビニルー1,3,5,7−テトラメチルシクロテトラシロキサン錯体(Pt含有量2wt%)を白金量として10ppm、接着性付与剤として3−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン2重量部、反応抑制剤として3,5−ジメチル−1−ヘキシン−3−オール0.05重量部を添加し、均一に混練して導電性シリコーン組成物を得た。
この組成物の特性を測定し、結果を表1に示した。
Figure 2009071161
表1から明らかなように、ベースポリマーの(A)成分として、フェニル基を含有したポリオルガノシロキサンを配合した実施例の導電性シリコーン組成物は、この組成物で導電層を形成した後、その上に、絶縁コーティング層を形成した場合に、導電層の両端間の電気抵抗値が比較例と比べて安定している。
本発明の一実施形態に係る電子機器を模式的に示す断面図。 電気抵抗値の測定に用いたテストピースを示す略図。
符号の説明
1…電子機器、2…基板、3…導電層、4…絶縁コーティング層。

Claims (4)

  1. 基板と、
    前記基板上に配置された導電層と、
    前記導電層を覆う絶縁コーティング層とを備えた電子機器であり、
    前記導電層が、フェニル基含有ポリオルガノシロキサンをベースポリマーとして含有する導電性シリコーン組成物の硬化物により構成されていることを特徴とする電子機器。
  2. 前記導電性シリコーン組成物は、
    (A)23℃における粘度が0.1〜1000Pa・sであり、ケイ素原子に結合したフェニル基を含有するポリオルガノシロキサン 100重量部、
    (B)硬化剤 硬化有効量、
    および
    (C)カーボンブラック 5〜100重量部
    を含有することを特徴とする請求項1記載の電子機器。
  3. 前記(A)成分は、ケイ素原子に結合したフェニル基を、ケイ素原子に結合した全有機基中0.5mol%以上有することを特徴とする請求項2に記載の電子機器。
  4. 前記絶縁コーティング層が、シリコーンゴム組成物の硬化物から構成されることを特徴とする請求項1乃至3のいずれか1項に記載の電子機器。
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