JP2009070555A - 磁気記録媒体 - Google Patents

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Abstract

【課題】ノイズ特性、熱揺らぎ耐性に優れた磁気記録媒体を提供する。
【解決手段】基板1上に、第1下地膜2、第1垂直磁性膜3、第2下地膜4、非磁性中間膜5、第2垂直磁性膜6、保護膜7が形成され、第1垂直磁性膜3の磁気異方性エネルギーが、第2垂直磁性膜6の磁気異方性エネルギーよりも高く設定されている。
【選択図】図1

Description

本発明は、磁気ディスク装置などに用いられる磁気記録媒体に関するものである。
磁気記録媒体としては、磁性膜内の磁化容易軸が主に基板に対し水平に配向した面内磁気記録媒体が広く用いられているが、面内磁気記録媒体では、高記録密度化するとビット体積が小さくなりすぎ、再生特性が悪化する問題がある。これに対し、磁性膜内の磁化容易軸が主に基板に対し垂直に配向した、いわゆる垂直磁気記録媒体は、再生特性を悪化させることなく高記録密度化が可能であることから近年大きな注目を集めており、垂直磁気記録に適した磁気記録媒体の構造などが提案されている。例えば、特開昭58−77025号公報、特開昭58−141435号公報には、Co合金材料からなる垂直磁性膜の下地層の材料としてTiを用いることが開示されている。また特開平8−180360号公報には、上記下地層の材料として、CoとRuからなる合金を用いることが開示されている。
近年では、磁気記録媒体の更なる高記録密度化が要望されており、これに伴いノイズ特性の向上が要求されているが、従来の磁気記録媒体は、ノイズ特性の点で決して満足できるものでなく、よりノイズ特性に優れた磁気記録媒体が要望されていた。また従来の磁気記録媒体では、特に高記録密度化した場合に、熱揺らぎ現象が問題となることがあった。熱揺らぎ現象とは、記録ビットが不安定となり記録したデータの熱消失が起こる現象をいい、この現象が起こった場合には、磁気記録装置において記録したデータの再生出力が経時的に減衰することがある。
本発明は、上記事情に鑑みてなされたもので、ノイズ特性に優れ、かつ熱揺らぎ現象が起こりにくい磁気記録媒体を提供することを目的とする。
本発明の磁気記録媒体は、基板上に第1垂直磁性膜が設けられ、その上に第2垂直磁性膜が設けられ、第1垂直磁性膜の磁気異方性エネルギーが、第2垂直磁性膜の磁気異方性エネルギーよりも高く設定され、第1垂直磁性膜の厚さが1〜100Åであり、第2垂直磁性膜の下に、hcp構造を有する非磁性中間膜が設けられていることを特徴とする。
第1垂直磁性膜は、5×106erg/cc(0.5J/cc)以上の磁気異方性エネルギーを有するものとするのが好ましい。
第1垂直磁性膜の残留磁化/飽和磁化は0.9以上とするのが好ましい。
第1垂直磁性膜は、Co系材料からなる層と、Pt系材料またはPd系材料からなる層とを多数回にわたって積層した多層構造膜、または希土類元素を含む非晶質構造膜とすることができる。第1垂直磁性膜の厚さは1〜100Åとするのが好ましい。
第2垂直磁性膜は、CoCrPt系、CoCrTa系、CoCrPtX系(X:Ta、Zr、Cu、Re、Nb、Si、Ge、およびBのうち1種または2種以上)のうちいずれかの合金からなるものとするのが好ましい。
以上説明したように、本発明の磁気記録媒体は、基板上に第1垂直磁性膜が設けられ、その上に第2垂直磁性膜が設けられ、第1垂直磁性膜の磁気異方性が、第2垂直磁性膜の磁気異方性よりも高く設定されているので、ノイズを低く抑え、かつ再生出力のレベルを高め、SNRなどのノイズ特性を向上させることができる。従って、記録密度の向上が可能となる。また高磁気異方性の第1垂直磁性膜によって、保磁力、磁気異方性磁界を向上させ、熱揺らぎ耐性を高めることができる。
図1は、本発明の磁気記録媒体の一実施形態を示すもので、ここに示す磁気記録媒体は、基板1上に、第1下地膜2、第1垂直磁性膜3、第2下地膜4、非磁性中間膜5、第2垂直磁性膜6、および保護膜7を順次形成してなるものである。
基板1としては、磁気記録媒体用基板として一般に用いられるNiPメッキ膜が形成されたアルミニウム合金基板、ガラス基板、セラミック基板、カーボン基板、可撓性樹脂基板、またはこれらの基板にNiP膜をメッキ法やスパッタ法により形成した基板などを用いることができる。
第1下地膜2は、第1垂直磁性膜3の垂直磁気異方性を向上させるためのもので、その材料としては、SiN、Pt、C、Cu、Pd等を用いることができる。 第1下地膜2の厚さは、1000Å以下とすることができる。なお、本発明では第1下地膜を設けない構成も可能である。
第1垂直磁性膜3は、磁化容易軸が基板に対し主に垂直方向に配向した磁性材料からなる膜である。第1垂直磁性膜3としては、Co系材料からなる層と、Pt系材料またはPd系材料からなる層とを多数回にわたって積層した多層構造膜を用いることができる。
Co系材料としては、Co、CoCr系合金、CoCrPt系合金、CoCrTa系合金、CoCrPtX’系(X’:Ta、Zr、Nb、Cu、Re、Ni、およびBのうち1種または2種以上)合金を用いることができる。Pt系材料としてはPt、Pt合金を用いることができる。Pd系材料としてはPd、Pd合金を用いることができる。また第1垂直磁性膜3としては、希土類元素を含む非晶質構造膜、例えばTbFeCo、GdCo、NdDyFeCoなどからなる非晶質膜を用いることもできる。
第1垂直磁性膜3の残留磁化/飽和磁化(以下、Mr/Msという)は0.9以上とするのが好ましい。Mr/Msを上記範囲とすることによって、ヒステリシスループにおいて残留磁化付近での傾きが小さくなり、消磁が起こりにくくなる。
第1垂直磁性膜3の厚さは、1〜100Åとするのが好ましい。この厚さが上記範囲未満であると、十分な磁束が得られず、再生出力が低下し、SNRなどのノイズ特性が低下する。またこの厚さが上記範囲を越えると、第1垂直磁性膜3内の交換結合により媒体ノイズが増大する。
本実施形態の磁気記録媒体において、第1垂直磁性膜3は、第2垂直磁性膜6よりも磁気異方性エネルギーが高く設定された高磁気異方性膜である。
第1垂直磁性膜3の磁気異方性エネルギーは、5×106erg/cc(0.5J/cc(1erg=100nJ))以上(好ましくは1×107erg/cc以上)とするのが望ましい。
この磁気異方性エネルギーが上記範囲未満であると、第2垂直磁性膜6表面に磁気揺らぎが起こりやすくなりノイズ増加を招くとともに、保磁力(Hc)、磁気異方性磁界(Hk)が低くなり熱揺らぎ耐性が低下する。
第2下地膜4は、非磁性中間膜5、第2垂直磁性膜6の結晶配向性を高め、第2垂直磁性膜6内の垂直磁気異方性を高めるためのもので、hcp構造をなす材料を用いるのが好ましい。第2下地膜4の構成材料としては、Ru、Ti、Zr、C、Re、Y、Gd、およびTbのうち1種または2種以上を主成分とする材料を挙げることができる。この材料としては、Ru、Ti、Zr、C、Re、Y、Gd、およびTbのうちいずれかを単体として用いることもできるし、隣接する膜(第1垂直磁性膜3、第2下地膜4)に対する格子の整合性を考慮してこれら材料にCr、Co、Fe、Ni等を添加した合金を用いることもできる。
第2下地膜4の厚さは、1000Å以下とするのが好ましい。この厚さが上記範囲を越えると、第2下地膜4内で結晶粒子の粗大化が起こり、非磁性中間膜5、第2垂直磁性膜6における結晶粒子粗大化を招き、ノイズ特性が低下する。なお、本発明では第2下地膜を設けない構成も可能である。
非磁性中間膜5は、直上に形成される第2垂直磁性膜6の結晶配向性を高め、第2垂直磁性膜6内の垂直磁気異方性を高めるためのもので、hcp構造を有する非磁性材料からなるものを用いるのが好ましい。非磁性中間膜5の材料としては、CoCr系、CoCrPt系、CoCrTa系、CoCrPtX’系(X’:Ta、Zr、Nb、Cu、Re、Ni、およびBのうち1種または2種以上)のうちいずれかの合金を用いるのが好適である。特に、Crの含有率が25〜50at%、Ptの含有率が0〜15at%、X’の含有率が0〜10at%、残部がCoからなるCo合金を主成分とするものを用いるのが好ましい。非磁性中間膜5は、単層構造をなすものとしてもよいし、多層構造をなすものとしてもよい。多層構造とする場合には、上記材料から選ばれた互いに同一または異なる複数の材料からなる層を積層したものとすることができる。
非磁性中間膜5の厚さは、500Å以下とするのが好ましい。この厚さが500Åを越えると、非磁性中間膜5内において結晶粒子の粗大化が起きやすくなり、第2垂直磁性膜6内の磁性粒子粗大化によるノイズ特性の低下が起こりやすくなる。非磁性中間膜5の厚さは50〜200Åとするのがより好ましい。非磁性中間膜5を多層にする場合においても、その厚さは、全体で500Å以下、好ましくは50〜200Åとするのが望ましい。なお、本発明では非磁性中間膜を設けない構成も可能である。
第2垂直磁性膜6は、磁化容易軸が基板に対し主に垂直方向に配向した磁性材料からなる膜であり、その材料としては、CoCrPt系、CoCrTa系、CoCrPtX系(X:Ta、Zr、Cu、Re、Nb、Si、Ge、およびBのうち1種または2種以上)のうちいずれかの合金を用いるのが好ましい。特に、Crの含有率が13〜25at%、Ptの含有率が0〜15at%、Xの含有率が0〜5at%、残部がCoからなるCo合金を用いるのが好ましい。上記各成分の含有率が上記範囲を外れると、ノイズ特性または再生出力が低下するため好ましくない。
第2垂直磁性膜6の厚さは、100〜1000Åとするのが好ましい。第2垂直磁性膜6の厚さが100Å未満であると、十分な磁束が得られず、再生出力が低下し、SNRなどのノイズ特性が低下する。また第2垂直磁性膜6の厚さが1000Åを越えると、第2垂直磁性膜6内の磁性粒子の粗大化が起き、ノイズ特性が低下するため好ましくない。第2垂直磁性膜6の厚さは、200〜700Åとするのがさらに好ましい。これは、第2垂直磁性膜6の厚さをこの範囲とすると、再生出力を向上させるとともに、第2垂直磁性膜6内の磁性粒子の粗大化を防ぎ、ノイズ特性をより高めることができるためである
本実施形態の磁気記録媒体において、第2垂直磁性膜6は、磁気異方性エネルギーが第1垂直磁性膜の磁気異方性エネルギーよりも低く設定された低磁気異方性膜である。この磁気異方性エネルギーが上記範囲を越える場合(すなわちこの磁気異方性エネルギーが第1垂直磁性膜の磁気異方性エネルギー以上に設定された場合)には、記録磁区の境界が非直線的になる、すなわち境界がジグザグ状に形成されやすくなり、記録密度を高めたときに磁区境界から発生するノイズの影響が大きくなり、磁気記録媒体のノイズ特性が悪化する。
保護膜7は、第2垂直磁性膜6の腐食を防ぐとともに、ヘッドが媒体に接触したときに媒体表面の損傷を防ぎ、かつヘッドと媒体の間の潤滑特性を高めるためのもので、従来公知の材料を使用でき、例えばC、SiO2、ZrO2の単一組成、またはこれらを主成分とし他元素を含むものが使用可能である。保護膜7の厚さは、10〜100Åが望ましい。また、保護膜7上には、パーフルオロポリエーテル、フッ素化アルコール、フッ素化カルボン酸などからなる潤滑膜を設けるのが好ましい。
上記構成の磁気記録媒体を製造するには、基板1上に、第1下地膜2、第1垂直磁性膜3、第2下地膜4、非磁性中間膜5、第2垂直磁性膜6を順次をスパッタリング、真空蒸着、イオンプレーティングなどの手法により形成し、次いで保護膜7を、プラズマCVD法、イオンビーム法、スパッタリング法により形成する方法を採用することができる。また、潤滑膜を形成するには、ディッピング法、スピンコート法などの従来公知の方法を採用することができる。
本実施形態の磁気記録媒体では、高磁気異方性の第1垂直磁性膜3上に、低磁気異方性の第2垂直磁性膜6が設けられているので、ノイズ特性の向上が可能となる。上記構成によってノイズ特性の向上が可能となるのは、次の理由によるものであると考えられる。一般に、磁気異方性が高い磁性膜を有する磁気記録媒体は、高保磁力となるため再生出力を向上させることができる反面、記録磁区の境界が非直線的になる、すなわち境界がジグザグ状に形成されやすくなり、記録密度を高めたときに磁区境界付近の磁化反転により境界が不鮮明となりノイズが増加しやすくなる傾向がある。逆に、磁気異方性が低い磁性膜を有する磁気記録媒体では、直線的な境界を有する記録磁区が形成されやすくノイズの原因となりにくい反面、高磁気異方性膜を有する媒体に比べ再生出力を高めるのが難しい。
本実施形態の磁気記録媒体では、高磁気異方性の第1垂直磁性膜3が、低磁気異方性の第2垂直磁性膜6の下方に設けられているので、再生時において、第1垂直磁性膜3と磁気ヘッドとの距離が大きくなる。このため、高磁気異方性の第1垂直磁性膜3において記録磁区境界が非直線的となり磁化反転が起こりやすい状態となった場合でも、ノイズが検出されにくくなり、ノイズレベルを低く抑えることができる。また第2垂直磁性膜6は再生時において磁気ヘッドに近くなるためノイズが検出されやすくなるが、高磁気異方性の第1垂直磁性膜3を設けたことで磁性膜3、6間の磁気的結合により第2垂直磁性膜6における磁化揺らぎを防ぐことができるため、ノイズ増加を防ぐことができる。また第2垂直磁性膜6の磁気異方性を低く設定したため、第2垂直磁性膜6内の記録磁区の境界が直線的なものとなり、第2垂直磁性膜6を原因とするノイズが低く抑えられる。
さらには、高磁気異方性であり、保磁力が高い第1垂直磁性膜3により、再生出力を高めることができる。また再生時において磁気ヘッドとの距離が小さくなる第2垂直磁性膜6により、記録密度を高めた場合でも間隔損失を小さくし、再生出力をさらに高めることができる。このように、本実施形態の磁気記録媒体では、ノイズを低く抑え、かつ再生出力のレベルを高め、SNRなどのノイズ特性を向上させることができる。従って、記録密度の向上が可能となる。
また一般に、熱揺らぎ耐性は、保磁力(Hc)、磁気異方性磁界(Hk)が大きい媒体において良好となる。これは、保磁力(Hc)、磁気異方性磁界(Hk)が大きいと、ヒステリシスループにおいて残留磁化付近での傾きが小さくなり、消磁が起こりにくくなるためである。本実施形態の磁気記録媒体では、高磁気異方性の第1垂直磁性膜3によって、保磁力(Hc)、磁気異方性磁界(Hk)が向上することから、熱揺らぎ耐性が高められる。なお、熱揺らぎとは、記録ビットが不安定となり記録したデータの熱消失が起こる現象をいい、この現象が起きると、記録したデータの再生出力が経時的に減衰する。
また、第2下地膜4と第2垂直磁性膜6との間に、hcp構造を有する非磁性中間膜5を設けることによって、第2垂直磁性膜6の初期成長時における結晶配向性の乱れを防ぎ、第2垂直磁性膜6の結晶配向性、磁気異方性を向上させ、保磁力、磁気異方性磁界を所望の値に設定しやすくし、ノイズ特性、熱揺らぎ耐性を確実に向上させることができる。この結晶配向性向上効果は、非磁性中間膜5をhcp構造とすることによって、第2垂直磁性膜6との間の格子の整合性が向上することにより得られると考えられる。また、非磁性中間膜5を設けることによって、第1垂直磁性膜3と第2垂直磁性膜6との間の距離を大きくし、これにより再生時において磁気ヘッドと第1垂直磁性膜3との距離を大きくし、ノイズレベルを低くすることができる。
なお、上記構成の磁気記録媒体は、hcp構造を有する材料からなる非磁性中間膜5を設けたが、本発明の磁気記録媒体はこれに限らず、非磁性中間膜5を設けなくてもよい。非磁性中間膜5を設けない場合の磁気記録媒体を図2に示す。 また上記磁気記録媒体では第1下地膜2を設けたが、本発明では第1下地膜2を設けなくてもよい。第1下地膜2を設けない場合の磁気記録媒体を図3に示す。また本明細書において主成分とは当該成分を50at%を越えて含むことを指す。
以下、具体例を示して本発明の作用効果を明確にする。図1、図2、または図3に示す磁気記録媒体を次のようにして作製した。
(試験例1)
ガラス基板1(直径95mm、厚さ0.8mm)をDCマグネトロンスパッタ装置(アネルバ社製3010)のチャンバ内にセットし、チャンバ内を真空到達度2×10-7Paとなるまで排気するとともに、基板1を200℃まで加熱した後、この基板1上に、SiNからなる第1下地膜2、TbFeCoからなる第1垂直磁性膜3、Ruからなる第2下地膜4、Co−35at%Cr−5at%Pt(Co35Cr5Pt)からなる非磁性中間膜5、Co−20at%Cr−10at%Pt−3at%Ta(Co20Cr10Pt3Ta)からなる第2垂直磁性膜6を順次スパッタリングにより形成した。第2垂直磁性膜6上には、プラズマCVD法により厚さ70Åのカーボン保護膜7を形成した。カーボン保護膜7上にはパーフルオロエーテルからなる潤滑膜(厚さ20Å)をディッピング法により形成した。この磁気記録媒体では、第1垂直磁性膜3の磁気異方性エネルギーを、第2垂直磁性膜6の磁気異方性エネルギーよりも高く設定した。
(試験例2)
第1下地膜2、第1垂直磁性膜3を設けないこと以外は試験例1と同様にして磁気記録媒体を作製した。
(試験例3〜6)
第1下地膜2および第1垂直磁性膜3の材料を変えたこと以外は試験例1と同様にして磁気記録媒体を作製した。
(試験例7〜9)
第1垂直磁性膜3の厚さを変えたこと以外は試験例1と同様にして磁気記録媒体を作製した。
(試験例10、11)
第1垂直磁性膜3の材料を変えたこと以外は試験例1と同様にして磁気記録媒体を作製した。
(試験例12〜14)
第2下地膜4の材料を変えたこと以外は試験例1と同様にして磁気記録媒体を作製した。
(試験例15〜17)
非磁性中間膜5の厚さを変えたこと以外は試験例1と同様にして磁気記録媒体を作製した。
(試験例18〜20)
第2垂直磁性膜6の組成を変えたこと以外は試験例1と同様にして磁気記録媒体を作製した。
(試験例21〜24)
第2垂直磁性膜6の厚さを変えたこと以外は試験例1と同様にして磁気記録媒体を作製した。
(試験例25)
第1下地膜2を設けなかったこと以外は試験例1と同様にして磁気記録媒体を作製した。
(試験例26)
非磁性中間膜5を設けなかったこと以外は試験例1と同様にして磁気記録媒体を作製した。
(試験例27)
第1下地膜2、第1垂直磁性膜3を設けなかったこと以外は試験例1と同様にして磁気記録媒体を作製した。垂直磁性膜6の磁気異方性エネルギーは、7×106erg/ccとした。
(試験例28)
第1下地膜2、第1垂直磁性膜3を設けなかったこと以外は試験例1と同様にして磁気記録媒体を作製した。垂直磁性膜6の磁気異方性エネルギーは、1×106erg/ccとした。
上記各試験例の磁気記録媒体の静磁気特性をKerr効果測定装置を用いて測定した。またこれら磁気記録媒体の電磁変換特性を、GURIK社製リードライトアナライザRWA1632、およびスピンスタンドS1701MPを用いて測定した。電磁変換特性の評価には、磁気ヘッドとして、再生部に巨大磁気抵抗(GMR)素子を有する複合型薄膜磁気記録ヘッドを用い、記録条件を線記録密度150kFCIとして測定した。上記試験例の磁気記録媒体の静磁気特性、電磁変換特性の測定結果を表1に示す。また熱揺らぎ耐性については、磁気ヘッドとして上記複合型薄膜磁気記録ヘッドを用い、線記録密度150kFCI、温度25℃の条件で、記録直後の出力に対する出力の低下率(%/decade)を、log{(S0−S)×100/S0}/3に基づいて算出した。結果を表1に併せて示す。なお、S0は磁気記録媒体に信号を書き込んだ直後の出力を示し、Sは1000秒後の出力を示す。表中、A/BはAとBとを交互に多数回にわたり積層した多層構造膜を指す。
Figure 2009070555
表1中、試験例1〜6の比較より、第1垂直磁性膜3を設けた試験例1、3〜5の磁気記録媒体は、第1垂直磁性膜3を設けなかった試験例2の磁気記録媒体に比べ、優れたノイズ特性を有するものとなったことがわかる。試験例1、7〜9の比較より、第1垂直磁性膜3の厚さを1〜100Åの範囲とした試験例1、7、8の磁気記録媒体は、第1垂直磁性膜3の厚さを上記範囲外に設定した試験例9の磁気記録媒体に比べ、優れたノイズ特性を有するものとなったことがわかる。試験例1、10、11の比較より、第1垂直磁性膜3を表中に示す材料からなるものとした場合でもノイズ特性に優れた磁気記録媒体が得られたことがわかる。試験例1、12〜14の比較より、第2下地膜4を表中に示す材料からなるものとした場合でもノイズ特性に優れた磁気記録媒体が得られたことがわかる。試験例1、15〜17の比較より、非磁性中間膜5の厚さを500Å以下(非磁性中間膜5を設けない構成も含む)の範囲とした試験例1、15、16の磁気記録媒体は、非磁性中間膜5の厚さを上記範囲外に設定した試験例17の磁気記録媒体に比べ、優れたノイズ特性を有するものとなったことがわかる。試験例1、18〜20の比較より、第2垂直磁性膜6の組成を上記範囲内で変化させても、優れたノイズ特性を得ることができたことがわかる。試験例1、21〜24の比較より、第2垂直磁性膜6の厚さを100〜1000Åの範囲とした試験例1、22、23の磁気記録媒体は、第2垂直磁性膜6の厚さを上記範囲外に設定した試験例21、24の磁気記録媒体に比べ、優れたノイズ特性を得ることができたことがわかる。試験例1と試験例25の比較より、第1下地膜2を設けない場合でも高いノイズ特性を得ることができるが、第1下地膜2を設けた方が、より優れたノイズ特性を得られることがわかる。試験例1と試験例26の比較より、非磁性中間膜5を設けない場合でも高いノイズ特性を得ることができるが、非磁性中間膜5を設けた方が、より優れたノイズ特性を得られることがわかる。試験例1と試験例27、28の比較より、第1垂直磁性膜3を設けない場合にはノイズ特性、熱揺らぎ耐性のうちいずれかが悪化するのに対し、第1垂直磁性膜3と第2垂直磁性膜6を備え、第1垂直磁性膜3の磁気異方性エネルギーが、第2垂直磁性膜6の磁気異方性エネルギーよりも高く設定された試験例1の磁気記録媒体は、これらノイズ特性、熱揺らぎ耐性がいずれも優れていることがわかる。
本発明の磁気記録媒体の一実施形態を示す一部断面図である。 本発明の磁気記録媒体の他の実施形態を示す一部断面図である。 本発明の磁気記録媒体のさらに他の実施形態を示す一部断面図である。
符号の説明
1・・・基板、2・・・第1下地膜、3・・・第1垂直磁性膜、4・・・第2下地膜、5・・・非磁性中間膜、6・・・第2垂直磁性膜。

Claims (5)

  1. 基板上に第1垂直磁性膜が設けられ、その上に第2垂直磁性膜が設けられ、第1垂直磁性膜の磁気異方性エネルギーが、第2垂直磁性膜の磁気異方性エネルギーよりも高く設定され、第1垂直磁性膜の厚さが1〜100Åであり、第2垂直磁性膜の下に、hcp構造を有する非磁性中間膜が設けられていることを特徴とする磁気記録媒体。
  2. 請求項1記載の磁気記録媒体において、第1垂直磁性膜は、5×106erg/cc(0.5J/cc)以上の磁気異方性エネルギーを有することを特徴とする磁気記録媒体。
  3. 請求項1または2記載の磁気記録媒体において、第1垂直磁性膜の残留磁化/飽和磁化が0.9以上とされていることを特徴とする磁気記録媒体。
  4. 請求項1〜3のうちいずれか1項記載の磁気記録媒体において、第1垂直磁性膜は、Co系材料からなる層と、Pt系材料またはPd系材料からなる層とを多数回にわたって積層した多層構造膜、または希土類元素を含む非晶質構造膜であることを特徴とする磁気記録媒体。
  5. 請求項1〜4のうちいずれか1項記載の磁気記録媒体において、第2垂直磁性膜が、CoCrPt系、CoCrTa系、CoCrPtX系(X:Ta、Zr、Cu、Re、Nb、Si、Ge、およびBのうち1種または2種以上)のうちいずれかの合金からなるものであることを特徴とする磁気記録媒体。
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