JP2009069411A - 電気泳動表示装置、制御装置、印加方法、プログラム、および印加装置 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】交番電圧は、図5(a)に示すように、まず、正方向に立ち上がる+V1のパルス状電圧が時間T2印加される。そして、+V1の電圧印加が終了してから時間T3(所定時間、休止時間)経過後、負方向に立ち上がる−V1のパルス状電圧の印加が開始される。なお、この−V1のパルス状電圧の印加時間は、+V1のパルス状電圧の印加時間と同じT2である。そして、−V1のパルス状電圧の印加が終了してから時間T3経過後、再度+V1のパルス状電圧の印加が開始される。そして、本実施形態では、+V1のパルス状電圧の印加、時間T3の経過、−V1のパルス状電圧の印加、時間T3の経過を一単位とし、この一単位が複数回繰り返されていく。
【選択図】図5
Description
本発明は、以上のような技術的課題を解決するためになされたものであり、その目的とするところは、交番電圧等の印加に伴い流れる電流を低減可能な電気泳動表示装置等を提供することにある。
また、前記印加手段が前記第1の電極および前記第2の電極に対し前記第1の電圧および前記第2の電圧を印加するための印加ラインを更に備え、前記印加手段は、前記第1の電圧の印加終了に伴い前記電気泳動表示パネルから前記印加ラインに流れる電流が略零となった後に前記第2の電圧の印加を開始し、当該第2の電圧の印加終了に伴い当該電気泳動表示パネルから当該印加ラインに流れる電流が略零となった後に当該第1の電圧の印加を開始することを特徴とすることができる。
また、前記帯電粒子は、前記分散媒とともにマイクロカプセル内に封入されていることを特徴とすることができる。
以下、添付図面を参照して、本発明の第1の実施形態について詳細に説明する。
図1は、第1の実施形態に係る電気泳動表示装置を示す概略構成図である。
同図に示す電気泳動表示装置1は、電界の作用により可逆的に視認状態を変化させることが可能な表示装置である。この電気泳動表示装置1は、電気泳動表示パネル10と、この電気泳動表示パネル10を制御する制御装置20とから概略構成されている。なお、このような電気泳動表示装置1は、例えば、時計、カレンダー、電子ペーパー、スーパーマーケット、コンビニエンスストアなどにおいて使用される電子棚札などに用いられる。
制御装置20は、ドライバ30と、制御部40とを主要部として備えている。なお、本実施形態におけるドライバ30および制御部40は、印加手段、印加装置として機能している。
ドライバ30には、後述する直流電源部から電圧が印加された状態となっており、また、ドライバ30には、複数のスイッチング部が設けられた状態となっている。なお、ドライバ30の詳細については後述する。
制御部40は、CPU(Central Processing Unit)や、プログラム等が記録されるROM(Read Only Memory)等を備え、ドライバ30を介して、電気泳動表示パネル10を制御する。
図2は、電気泳動表示パネル10およびドライバ30を示した図である。なお、本図では、制御部40の図示を省略している。
本実施形態における電気泳動表示パネル10は、電界の向きを制御することにより所望の表示を得ることが可能なパネルである。また、本電気泳動表示パネル10は、低コスト、視野角が通常の印刷物並に広い、消費電力が小さい、また、表示のメモリ性を有する等の長所を有している。さらに、本電気泳動表示パネル10は、表示したい文字や絵の形にパターンニングした電極を用いる所謂セグメント方式を採用している。セグメント方式を採用した電気泳動表示パネルは、例えば、デジタル時計や、電子棚札などに用いられる。なお、電子ブック等の高品位表示が求められるものについては、TFTなどのスイッチング素子を用いたドットマトリクス方式を採用することができる。
対向基板12は、基板11と同様に電気泳動表示パネル10のベースとなる部材である。また、対向基板12は、電気泳動インク15を挟んで基板11の対向位置に配設される。さらに、対向基板12は、基板11に所定の隙間を介して貼着された状態となっている。また、対向基板12は、共通電極13等の部材を支持する機能を有している。
第1の電極の一例としての共通電極13は、対向基板12の内面全体にわたり形成されている。また、この共通電極13には、ドライバ30から所定の電圧が印加される構成となっている。
第2の電極の一例としての画素電極14は、基板11の内面且つ共通電極13の対向位置に、複数設けられている。また、画素電極14は、表示を行いたい所定の形にパターンニングされている。この画素電極14には、共通電極13と同様にドライバ30から所定の電圧が印加される構成となっている。
共通電極13および画素電極14には、例えばアルミニウムや銅などの一般的な導電材料を用いることができる。なお、表示面側に位置する共通電極13のように透明性が要求される場合、例えば、ITO(インジウムスズ酸化物)等の導電性酸化物などが用いられる。この導電性酸化物は、画素電極14に対して用いることももちろん可能である。
帯電粒子の一例としての白粒子15aには、例えば酸化チタン等の白色顔料や、白色の樹脂粒子、または白色に着色された樹脂粒子等を用いることができる。
帯電粒子の一例としての黒粒子15bには、例えばチタンブラック、カーボンブラック等の黒色顔料や、黒色に着色された樹脂粒子等を用いることができる。
分散媒15cには、従来より電気泳動表示装置に用いられている種々の低誘電率有機溶媒などを用いることが可能であり、また、分散媒15cには、分散剤や電荷制御剤等の添加剤を添加して用いることもできる。
一方、本実施形態におけるドライバ30には、VFD(Vacuum Fluorescent Display:蛍光表示管)ドライバやPDP(Plasma Display Panel:プラズマディスプレイパネル)ドライバ等の市販されている高耐圧ドライバを用いることができる。
駆動回路36は、ドライバ30の外部に設けられた直流電源部60の陽極(アノード)側に接続された給電線31、直流電源部60の陰極(カソード)側に接続された接地線32を備えている。また、駆動回路36は、共通電極13および画素電極14の各々に電気的に接続された複数の出力ライン(印加ライン)34a〜34dを備えている。また、各出力ライン34に対応して設けられるとともに、出力ライン34の各々を給電線31又は接地線32に電気的に接続する複数のスイッチング部33a〜33dを備えている(以下、「スイッチング部33」とも称する。)。なお、各スイッチング部33は、直流電源部60に対して並列接続されている。また、本実施形態では、スイッチング部33aが第1のスイッチング部として機能し、スイッチング部33bが第2のスイッチング部として機能している。
第2の導通/非導通部38は、接地線32側に設けられるとともに、アノード側端子A2、カソード側端子C2、およびゲート端子G2の3つ端子を備える3端子素子により構成されている。ここで、アノード側端子A2は第1の導通/非導通部37におけるカソード側端子C1に接続され、カソード側端子C2は接地線32に接続され、また、ゲート端子G2は、制御部40に接続されている。
第1の導通/非導通部37は、ゲート端子G1にて制御部40からの所定信号を受け付けた場合に、出力ライン34aと給電線31とを、導通状態とし又は非導通状態とする。また、第2の導通/非導通部38は、ゲート端子G2にて制御部40からの所定信号を受け付けた場合に、出力ライン34aと接地線32とを、導通状態とし又は非導通状態とする。なお、第1の導通/非導通部37、第2の導通/非導通部38は、例えば、FET(Field Effect Transistor)により構成することができる。
図3は、電気泳動表示パネル10の動作を説明するための図である。
まず、本実施形態における電気泳動表示パネル10にて表示を行う場合、例えば、全体を白表示とするリセット動作が実行され、次いで表示動作が実行される。換言すれば、全体を白表示とするリセット動作が実行され、次いで初期表示が行われる。そして、表示動作(初期表示)がなされた後、表示が変更される表示変更動作が繰り返される。
図4(a)は、消去ステップにおける電気泳動表示パネル10の状態を示している。
この消去ステップにおいては、出力ライン34aが接地線32に接続され、白表示へと変更する領域(表示を消去する領域)に対応した画素電極14に接続された出力ラインが給電線31に接続される。また、白表示への変更を行う領域以外の領域(表示状態を維持する領域)に対応した画素電極14に接続された出力ラインが、接地線32に接続される。この結果、所定領域が白表示へと変更されるとともに、この所定領域以外の領域においては、表示状態が維持される。
図4(b)は、書き込みステップにおける電気泳動表示パネル10の状態を示している。
書き込みステップにおいては、出力ライン34aが給電線31に接続される。また、黒表示へと変更する領域に対応した画素電極14に接続された出力ラインは、接地線32に接続される。一方、黒表示への変更を行う領域以外の領域(表示状態を維持する領域)に対応した画素電極14に接続された出力ラインは、給電線31に接続される。
この交番電圧は、図5(a)に示すように、まず、正方向に立ち上がる+V1のパルス状電圧(第1の電圧)が時間T2印加される。そして、+V1の電圧印加が終了してから時間T3(所定時間、休止時間)経過後、負方向に立ち上がる−V1のパルス状電圧(第2の電圧)の印加が開始される。なお、この−V1のパルス状電圧の印加時間は、+V1のパルス状電圧の印加時間と同じT2である。そして、−V1のパルス状電圧の印加が終了してから時間T3経過後、再度+V1のパルス状電圧の印加が開始される。そして、本実施形態では、+V1のパルス状電圧の印加、時間T3の経過、−V1のパルス状態電圧の印加、時間T3の経過を一単位とし、この一単位が複数回繰り返されていく。なお、本実施形態における交番電圧の総印加時間は、T1となっている。また、上記時間T2は、消去ステップや書き込みステップにおいて印加される電圧の印加時間よりも短くなっている。
ここで、図6は、交番電圧を印加した際に出力ライン34aに流れる電流を示したものである。なお、図6(a)は、本実施形態における交番電圧を印加した際に流れる電流を示し、図6(b)は、図5(b)に示した形態にて交番電圧を印加した際に流れる電流を示している。また、本図においては、印加電圧を濃い実線で示し、電流を薄い実線で示している。さらに、直流電源部60に50Vの電源を用いた場合を示している。また、各パルス状電圧の印加時間は、10msecとした。
その後、この+50Vのパルス状電圧の印加が終了するが、従来の印加形態の場合、この印加の終了と同時に−50V(−V1)のパルス状電圧が印加される。このため、+50Vのパルス状電圧の印加が終了した際(−50Vのパルス状電圧の印加を開始した際)に流れる電流には、放電等によって生じる電流と充電電流とが含まれる状態となる。
また、ピーク値P21となる電流が流れた後、この従来の形態においても、順次低下していく電流が流れるが、この順次低下していく電流の開始点における値は、−0.35mAとなり、本実施形態における上記−0.25mAよりも絶対値が大きいものとなった。
以後、従来の印加形態においては、ピーク値P22、ピーク値P23を有する電流が流れるが、ピーク値P22は、ピーク値P13、ピーク値P14よりも絶対値が大きくなり、また、ピーク値P23は、ピーク値P15、ピーク値P16よりも絶対値が大きくなる。
また、各部に対する電流の影響は、電流値の2乗に比例すると考えられ、わずかな電流値の違いが各部に対し大きく影響を与えることになる。例えば、上記0.35mAを2乗したものと0.25mAを2乗したものとを比較した場合、その関係は、約2:1となる。このため、本実施形態における印加形態は、従来の印加形態に比べ、各部に対する影響を約1/2に抑えることができると考えられる。
さらに、電流値が大きくなると、例えば電気泳動表示パネル10における分散媒15c中に気泡が発生しやすくなるが、本実施形態の構成により、従来の印加形態に比べ気泡の発生を抑えることができる。この結果、表示品位の低下も、従来の印加形態に比べ抑制可能となる。
本実施形態における印加形態では、第2の導通/非導通部38が導通状態から非導通状態となった後に、第1の導通/非導通部37が非導通状態から導通状態となる。換言すれば、第2の導通/非導通部38において非導通状態への移行が終了した後に、第1の導通/非導通部37において導通状態への移行が開始される。このため、各スイッチング部33における短絡を防止することが可能となる。
図7は、複数台の電気泳動表示装置1により構成した表示システムの概略を示した概略構成図である。
同図に示すように、本表示システムは、ネットワークに接続された複数(本実施形態においては3つ)の電気泳動表示装置1と、同じくネットワークに接続され電気泳動表示装置1の各々を個別に制御する制御端末70とから構成されている。
制御端末70は、上述のとおり、電気泳動表示装置1の各々を個別に制御する。また、制御端末70は、タイマー部(不図示)を備えている。
次に第2の実施形態について説明する。
図8は、第2の実施形態における電気泳動表示パネル10を示した図である。第1の実施形態においては、共通電極13と画素電極14との間に液状体の電気泳動インク15をそのまま封入した構成となっていた。これに対し本第2の実施形態においては、電気泳動インク15をマイクロカプセル17に封入し、このマイクロカプセル17を共通電極13と画素電極14との間に配置した構成となっている。なお、第1の実施形態と同様の機能については、同様の符号を用いここではその説明を省略する。
マイクロカプセル17に用いられる材料としては、例えば、ポリウレタン、ポリ尿素、ポリ尿素−ポリウレタン、尿素−ホルムアルデヒド樹脂、メラミン−ホルムアルデヒド樹脂、ポリアミド、ポリエステル、ポリスルホンアミド、ポリカーボネート、ポリスルフィネート、エポキシ、アクリル酸エステル、メタクリル酸エステル、酢酸ビニル、ゼラチンが挙げられる。なお、本マイクロカプセル17は、例えば、in-situ重合法、界面重合法、コアセルベーション法等により調製することができる。
共通電極13および画素電極14に所定の電圧を印加すると、マイクロカプセル17の内部に封入された白粒子15aおよび黒粒子15bが移動し、第1の実施形態と同様に表示面に黒表示、白表示を行うことができる。
Claims (9)
- 第1の電極と、当該第1の電極の対向位置に配置される第2の電極とを備え、帯電粒子と当該帯電粒子を分散させる分散媒とが当該第1の電極と当該第2の電極との間に配設される電気泳動表示パネルと、
前記第1の電極と前記第2の電極とに対し互いに極性の異なる第1の電圧と第2の電圧とを交互に複数回印加する印加手段とを備え、
前記印加手段は、前記第1の電圧の印加終了から所定時間経過後前記第2の電圧の印加を開始し、当該第2の電圧の印加終了から所定時間経過後当該第1の電圧の印加を開始することを特徴とする電気泳動表示装置。 - 前記印加手段は、前記電気泳動表示パネルにおける初期表示又は表示変更に先立ち前記第1の電圧と前記第2の電圧とを交互に複数回印加することを特徴とする請求項1記載の電気泳動表示装置。
- 前記印加手段が前記第1の電極および前記第2の電極に対し前記第1の電圧および前記第2の電圧を印加するための印加ラインを更に備え、
前記印加手段は、前記第1の電圧の印加終了に伴い前記電気泳動表示パネルから前記印加ラインに流れる電流が略零となった後に前記第2の電圧の印加を開始し、当該第2の電圧の印加終了に伴い当該電気泳動表示パネルから当該印加ラインに流れる電流が略零となった後に当該第1の電圧の印加を開始することを特徴とする請求項1記載の電気泳動表示装置。 - 前記印加手段は、前記第1の電極に対応して設けられ当該第1の電極を直流電源部の陽極側又は陰極側に接続する第1のスイッチング部と、前記第2の電極に対応して設けられ当該第2の電極を当該直流電源部の陽極側又は陰極側に接続する第2のスイッチング部とを備え、当該第1のスイッチング部および当該第2のスイッチング部にてスイッチングを行うことで前記第1の電圧又は前記第2の電圧を印加し、
前記第1のスイッチング部および前記第2のスイッチング部の各々は、対応する電極を前記直流電源部の陽極側に導通/非導通状態とする第1の導通/非導通部と、当該第1の導通/非導通部に直列接続され、当該対応する電極を当該直流電源部の陰極側に導通/非導通状態とする第2の導通/非導通部とを備え、導通状態にある一方の導通/非導通部を非導通状態とした後に非導通状態にある他方の導通/非導通部を導通状態とし当該対応する電極を当該直流電源部の陽極側又は陰極側に接続する請求項1記載の電気泳動表示装置。 - 前記帯電粒子は、前記分散媒とともにマイクロカプセル内に封入されていることを特徴とする請求項1記載の電気泳動表示装置。
- 第1の電極と第2の電極との間に帯電粒子と当該帯電粒子を分散させる分散媒とが配設される電気泳動表示パネルを制御する制御装置であって、
前記第1の電極と前記第2の電極とに対し互いに極性の異なる第1の電圧と第2の電圧とを交互に複数回印加し、
前記複数回印加に際して、前記第1の電圧の印加終了から所定時間経過後前記第2の電圧の印加を開始し、当該第2の電圧の印加終了から所定時間経過後当該第1の電圧の印加を開始する制御装置。 - 第1の電極と第2の電極との間に帯電粒子と当該帯電粒子を分散させる分散媒とが配設される電気泳動表示パネルに対する電圧の印加方法であって、
前記第1の電極と前記第2の電極とに対し互いに極性の異なる第1の電圧と第2の電圧とを交互に複数回印加し、
前記複数回印加に際して、前記第1の電圧の印加終了から所定時間経過後前記第2の電圧の印加を開始し、当該第2の電圧の印加終了から所定時間経過後当該第1の電圧の印加を開始する印加方法。 - 第1の電極と第2の電極との間に帯電粒子と当該帯電粒子を分散させる分散媒とが配設される電気泳動表示パネルを制御するコンピュータ装置に、
前記第1の電極と前記第2の電極とに対し互いに極性の異なる第1の電圧と第2の電圧とを交互に複数回印加し、
前記複数回印加に際して、前記第1の電圧の印加終了から所定時間経過後前記第2の電圧の印加を開始し、当該第2の電圧の印加終了から所定時間経過後当該第1の電圧の印加を開始する機能を実現させるためのプログラム。 - 第1の電極と第2の電極との間に帯電粒子と当該帯電粒子を分散させる分散媒とが配設される電気泳動表示パネルの当該第1の電極と当該第2の電極とに対し交番電圧の印加を行う印加装置であって、
前記交番電圧の極性を切り替える際に電圧の印加を行わない休止時間を設けたことを特徴とする印加装置。
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