JP2009068924A - 移動局位置推定方法および移動局測位システム - Google Patents

移動局位置推定方法および移動局測位システム Download PDF

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Abstract

【課題】移動局の位置を正確に算出することのできる移動局位置推定方法および移動局測位システムを提供する。
【解決手段】基準基地局選択部104(SA9)により、移動局10と複数の基地局12のそれぞれとの間における無線通信の信頼性を表す複数種類の指標と移動局10の位置の履歴情報との少なくとも1つに基づいて、各基地局12の電波の受信時刻の時間差の算出の基準となる基準基地局が選択され、受信時間差算出部106(SA10)により、基準基地局で受信した電波の受信時刻と他の基地局のそれぞれが受信した電波の受信時刻とに基づいて前記時間差が算出され、測位部56(SA11、12)により、前記時間差と基地局の位置とに基づいて移動局10の位置が推定されるので、測位誤差の少ない移動局10の測位が可能となるとともに、シャドウィングやマルチパスが測位精度に与える影響を抑えることができる。
【選択図】図8

Description

本発明は、移動局が発信する電波を複数の基地局が受信し、その受信結果である受信時刻の時間差に基づいて移動局の位置の推定を行なう位置推定方法ならびに測位システムに関するものであり、特に、前記相対受信時刻を算出する際に基準となる基地局を決定する技術に関するものである。
移動局が発信する電波を複数の基地局で受信し、これらの複数の基地局のそれぞれにおける電波の受信時刻に基づいて、移動局の位置の検出を行なう位置推定方法および測位システムが提案されている。例えば特許文献1に記載の技術がそれである。
かかる位置推定方法あるいは測位システムにおいては、移動局と基地局との距離を算出する必要があり、この方法としては、移動局における電波の発信時刻と基地局における電波の受信時刻に基づいて算出した電波の伝搬時間に基づいて算出するTOA(Time of Arrival)方式がある。しかしながら、TOA方式においては、前記移動局とその電波を受信する基地局は全て、それらの有する時計が正確に同期されている必要があり、その実装が現実的には困難である。そのため、このTOA方式に代えて、各基地局の受信時刻の相対受信時刻差を用いるTDOA(Time Difference of Arrival)方式がしばしば用いられる。このTDOA方式によれば、各基地局の時計が同期されていれば前記移動局には時計が不要であるという利点がある。
ところで、前記TDOA方式によれば、複数の基地局のそれぞれの受信時刻の相対受信時刻差を算出するが、このとき、前記複数の基地局のうち、いずれの基地局を基準基地局として選択し、その受信時刻を基準として相対受信時刻差を算出するかが問題となる。すなわち、TDOA方式によれば、基準として選択した基地局の誤差が全ての相対受信時刻差に影響し、移動局の測位結果(誤差)が大きく影響を受けるため、基準基地局としてできるだけ受信時刻測定結果の信頼性が高い基地局が選択されることが望ましい。
そして、特許文献1の従来の技術に記述されているように、従来技術として、かかる場合において、受信電力が最も大きい基地局を基準基地局として選定する方法が提案されている。これは、受信電力が大きいほど基地局に近く、信頼性が高いとの考えに基づくものである。
特開2004−354121号公報
しかしながら、例えば、移動局から発信された電波が、直接波として基地局に到達しない一方、2つの異なる経路による反射波として基地局に到達する場合において、これら2つの反射波がほぼ同位相で基地局に到達すると受信電力はこれら2つの反射波の重ね合わせとなり、これら2つの反射波を受信した基地局における受信電力が直接波を受信した基地局における受信電力を上回ることが発生し得る。例えば移動局に対して直接波を受信する基地局は遠方に位置し、直接波は到来せず反射波を受信する基地局が近傍に位置する場合がそうである。かかる場合においても受信電力が最も大きい基地局を基準基地局として選定すると、直接波ではなく反射波の受信時刻が測定されることで、受信時刻誤差が大きく信頼性に劣る基地局が基準基地局とされるため、測位結果精度が悪くなるおそれがある。
そして、特許文献1においては、基準基地局の選択方法として、複数の基地局のそれぞれと、移動局との全ての相対受信時刻が0または正となる基地局などを基準基地局とする技術が開示されているが、依然として基準基地局を合理的に選択する方法が望まれている。
本発明は以上の事情を背景としてなされたものであり、その目的とするところは、TDOA方式による移動局の位置の推定において、基地局における電波の受信時刻の相対受信時刻の算出の基準となる基準基地局を測位誤差が小さくなるように設定し、前記移動局の位置の推定を行なう移動局位置推定方法および移動局測位システムを提供することにある。
かかる課題を解決するための請求項1にかかる発明の要旨とするところは、(a)移動局から発信された電波を複数の基地局が受信し、該複数の基地局がそれぞれ受信した電波の受信時刻の各基地局間の相対値である相対受信時刻と該複数の基地局の位置とに基づいて該移動局の位置を推定する移動局位置推定方法であって、(b)前記移動局と前記複数の基地局のそれぞれとの間における所定符号の通信に基づいて評価される無線通信の信頼性を表す複数種類の指標および前記移動局の位置の履歴情報のうち、少なくとも1つに基づいて、前記相対受信時刻の算出において、前記複数の基地局のうち基準となる基準基地局を選択する基準基地局選択工程と、(c)前記基準基地局選択工程において選択された基準基地局で受信した電波の受信時刻と前記複数の基地局のうち該基準基地局を除く基地局のそれぞれが受信した電波の受信時刻とに基づいて前記時間差を算出する受信時間差算出工程と、(d)前記時間差と前記複数の基地局の位置とに基づいて前記移動局の位置を推定する測位工程とを、含むことにある。
また、請求項2にかかる発明の要旨とするところは、(a)前記移動局により発信される電波に含まれるデータには、誤り検出符号が付加され、(b)前記複数の基地局のそれぞれについて、前記移動局から受信した電波における誤りの発生度合いである誤り率をそれぞれ算出する誤り率算出工程を有し、(c)前記基準基地局選択工程は、前記移動局と前記複数の基地局のそれぞれとの間における所定符号の通信に基づいて評価される無線通信の信頼性を表す指標としての前記誤り率に基づき、該誤り率が最も低い基地局を基準基地局に設定することを特徴とする。
また、請求項3にかかる発明の要旨とするところは、(a)前記移動局は拡散符号を送信するものであって、(b)前記複数の基地局は前記移動局が送信する拡散符号のレプリカ符号と、受信された電波に含まれる信号との間の相関値の最大値を演算する相関演算工程を有し、(c)前記基準基地局選択工程は、前記移動局と前記複数の基地局のそれぞれとの間における所定符号の通信に基づいて評価される無線通信の信頼性を表す指標として、前記相関値の最大値に基づき、該相関値の最大値が最も大きい基地局を基準基地局に設定することを特徴とする。
好適には、(a)前記基地局における電波の受信時刻は、前記相関演算工程において相関値の最大値が演算された際のタイミング情報に基づいて算出されるものであり、(b)該受信時刻の算出は、前記相関演算工程による相関値の最大値の演算のための手順を利用して行なわれることを特徴とする。
また、請求項5にかかる発明の要旨とするところは、(a)前記複数の基地局のそれぞれを基準基地局と仮定して前記移動局の位置の推定をそれぞれ行なう仮測位工程と、(b)前記移動局の位置の履歴情報に基づいて現在の前記移動局の位置を予測する移動局位置予測工程と、を有し、(c)前記基準基地局選択工程は、前記移動局位置予測工程によって予測された移動局の位置と、前記仮測位工程によって前記複数の基地局のそれぞれを基準基地局と仮定して推定された移動局の位置のそれぞれとの距離を算出するとともに、該距離が最小となるように移動局の位置を推定した際に仮定された基準基地局のうちの1つを真の基準基地局に設定することを特徴とする。
好適には、前記移動局の位置の履歴情報は、移動局の過去の位置、移動局の移動速度、移動局の加速度の少なくとも1つであることを特徴とする。
請求項7にかかる発明の要旨とするところは、(a)移動局から発信された電波を複数の基地局が受信し、該複数の基地局がそれぞれ受信した電波の受信時刻の時間差と該複数の基地局の位置とに基づいて該移動局の位置を推定する移動局測位システムであって、(b)前記移動局と前記複数の基地局のそれぞれとの間における所定符号の通信に基づいて評価される無線通信の信頼性を表す複数種類の指標及び前記移動局の位置の履歴情報のうち、少なくとも1つに基づいて、前記相対受信時刻の算出において、前記複数の基地局のうち基準となる基準基地局を選択する基準基地局選択手段と、(c)前記基準基地局選択手段において選択された基準基地局で受信した電波の受信時刻と前記複数の基地局のうち該基準基地局を除く基地局のそれぞれが受信した電波の受信時刻とに基づいて前記時間差を算出する受信時間差算出手段と、(d)前記相対受信時刻と前記複数の基地局の位置とに基づいて前記移動局の位置を推定する測位手段とを含むことを特徴とする。
また、請求項8にかかる発明の要旨とするところは、(a)前記移動局により発信する電波に含まれるデータには、誤り検出符号が付加され、(b)前記複数の基地局のそれぞれは、前記移動局から受信した電波における誤りの発生度合いである誤り率をそれぞれ算出する誤り率算出手段を有し、(c)前記基準基地局選択手段は、前記移動局と前記複数の基地局のそれぞれとの間における所定符号の通信に基づいて評価される無線通信の信頼性を表す指標としての前記誤り率に基づき、該誤り率が最も低い基地局を基準基地局に設定することを特徴とする。
また、好適には、(a)前記移動局測位システムは、前記基準基地局選択手段と、前記受信時間差算出手段と、前記測位手段とを有する測位サーバを含んで構成され、(b)前記複数の基地局はそれぞれ、誤り率算出手段によって算出された誤り率と、前記移動局から発信された電波の受信時刻とを前記測位サーバに送信することを特徴とする。
また、請求項10にかかる発明の要旨とするところは、(a)前記移動局は拡散符号を送信するものであって、(b)前記複数の基地局のそれぞれは、前記移動局が送信する拡散符号のレプリカ符号と、受信された電波に含まれる信号との間の相関値の最大値を演算する相関演算手段を有し、(c)前記基準基地局選択手段は、前記移動局と前記複数の基地局のそれぞれとの間における所定符号の通信に基づいて評価される無線通信の信頼性を表す指標として、前記相関値の最大値に基づき、該相関値の最大値が最も大きい基地局を基準基地局に設定することを特徴とする。
好適には、(a)前記基地局における電波の受信時刻は、前記相関演算手段において相関値の最大値が演算された際の前記レプリカ符号のタイミング情報に基づいて演算されるものであり、(b)前記受信時刻の算出は、前記相関演算手段による相関値の最大値の演算のための手順を利用して行なわれることを特徴とする。
また、好適には、(a)前記移動局測位システムは、前記基準基地局選択手段と、前記受信時間差算出手段と、前記測位手段とを有する測位をサーバを含んで構成され、(b)前記複数の基地局はそれぞれ、相関演算手段によって演算された相関値の最大値と、前記移動局から発信された電波の受信時刻とを前記測位サーバに送信することを特徴とする。
また、請求項13にかかる発明の要旨とするところは、(a)前記複数の基地局のそれぞれを基準基地局と仮定して前記移動局の位置の推定をそれぞれ行なう仮測位手段と、(b)前記移動局の位置の履歴情報に基づいて現在の前記移動局の位置を予測する移動局位置予測手段と、を有し、(c)前記基準基地局選択手段は、前記移動局位置予測手段によって予測された移動局の位置と、前記仮測位手段によって前記複数の基地局のそれぞれを基準基地局と仮定して推定された移動局の位置のそれぞれとの距離を算出するとともに、該距離が最小となるように移動局の位置を推定した際に仮定された基準基地局のうち1つを真の基準基地局に設定することを特徴とする。
好適には、前記移動局の位置の履歴情報は、移動局の過去の位置、移動局の移動速度、移動局の加速度の少なくとも1つであることを特徴とする。
請求項1にかかる移動局位置推定方法あるいは請求項7にかかる移動局測位システムによれば、基準基地局選択工程あるいは基準基地局選択手段により、前記移動局と前記複数の基地局のそれぞれとの間における所定符号の通信に基づいて評価される無線通信の信頼性を表す複数種類の指標と、前記移動局の位置の履歴情報とのうち少なくとも1つに基づいて、前記時間差の算出において前記複数の基地局のうち基準となる基地局である基準基地局が選択され、受信時間差算出工程あるいは受信時間差算出手段により、前記基準基地局選択手段あるいは基準基地局選択工程において選択された基準基地局で受信した電波の受信時刻と前記複数の基地局のうち該基準基地局を除く基地局のそれぞれが受信した電波の受信時刻とに基づいて前記時間差が算出され、測位工程あるいは測位手段により、前記時間差と前記複数の基地局の位置とに基づいて前記移動局の位置が推定されるので、無線通信の信頼性や移動局の位置の履歴情報に基づいて基準基地局が選択され、受信時刻測定結果の信頼性が高い基地局が基準基地局として選択されるため、直接波が到来せず反射波の受信時刻を測定した基地局が存在した場合でも、そのような基地局が基準基地局として選択することなく、測位誤差の少ない移動局の測位が可能となる。すなわち、シャドウイングやマルチパスによる電波の伝搬に変動が生じた場合であっても、それが測位精度に与える影響を抑えることができる。
また、請求項2にかかる移動局位置推定方法あるいは請求項8にかかる移動局測位システムによれば、前記移動局により発信される電波に含まれるデータには、誤り検出符号が付加され、誤り率算出工程あるいは誤り率算出手段により、前記複数の基地局のそれぞれが前記移動局から受信した電波における誤りの発生度合いである誤り率が基地局ごとに算出され、前記基準基地局選択工程あるいは基準基地局選択手段により、前記移動局と前記複数の基地局のそれぞれとの間における所定符号の通信に基づいて評価される無線通信の信頼性を表す指標としての前記誤り率に基づき、該誤り率が最も低い基地局を基準基地局に設定されるので、所定符号の通信である前記誤り検出符号を付加した通信において、基地局による電波の受信の際の誤りの発生度合いである誤り率を容易に算出することができ、誤り率に基づく基準基地局の選択を正確に行なうことができるとともに、本来基準基地局となるべきでない基地局が反射波の影響によって誤って基準基地局に選択されることがなくなる。
また、請求項9にかかる移動局測位システムは、前記基準基地局選択手段と、前記受信時間差算出手段と、前記測位手段とを有する測位サーバを含んで構成され、前記複数の基地局はそれぞれ、誤り率算出手段によって算出された誤り率と、前記移動局から発信された電波の受信時刻とを前記測位サーバに送信するので、測位サーバは各基地局との間で必要なデータをやりとりしながら必要な計算処理を集約して行なうことができる。また、各基地局は測位サーバに必要な計算を実行させることができ、小型化や省電力化が実現できる。
また、請求項3にかかる移動局位置推定方法あるいは請求項10にかかる移動局測位システムによれば、前記移動局は拡散符号を送信するものであって、前記複数の基地局のそれぞれが有する前記相関演算工程あるいは相関演算手段により、前記移動局が送信する拡散符号のレプリカ符号と、受信された電波に含まれる信号との間の相関値の最大値が演算され、前記基準基地局選択工程あるいは基準基地局選択手段により、所定符号の通信である拡散符号を用いた通信における、前記移動局と前記複数の基地局のそれぞれとの間における所定符号の通信に基づいて評価される無線通信の信頼性を表す指標としての前記相関値の最大値に基づき、該相関値の最大値が最も大きい基地局が基準基地局に設定されるので、本来基準基地局となるべきでない基地局が反射波の影響によって誤って基準基地局に選択されることがなくなる。
また、請求項4にかかる移動局位置推定方法あるいは請求項11にかかる移動局測位システムによれば、前記基地局における電波の受信時刻は、前記相関演算工程あるいは相関演算手段において相関値の最大値が演算された際のタイミング情報に基づいて演算されるものであり、前記受信時刻の算出は、前記相関演算工程あるいは相関演算手段による相関値の最大値の演算のための手順を利用して行なわれるので、受信時刻の算出のための計算と相関値の最大値のための演算とにおいて共通する計算については、その結果を利用することができ、構成をより簡易なものとし、計算に要する時間を短縮することができる。
また、請求項12にかかる移動局測位システムは、前記基準基地局選択手段と、前記受信時間差算出手段と、前記測位手段とを有する測位サーバを含んで構成され、前記複数の基地局はそれぞれ、相関演算手段によって演算された相関値の最大値と、前記移動局から発信された電波の受信時刻とを前記測位サーバに送信するので、測位サーバは各基地局との間で必要なデータをやりとりしながら必要な計算処理を集約して行なうことができる。また、各基地局は測位サーバに必要な計算を実行させることができ、小型化や省電力化が実現できる。
また、請求項5にかかる移動局位置推定方法あるいは請求項13にかかる移動局測位システムによれば、仮測位工程あるいは仮測位手段により、前記複数の基地局のそれぞれを基準基地局と仮定して前記移動局の位置の推定がそれぞれ行なわれ、移動局位置予測工程あるいは移動局位置予測手段により、前記移動局の位置の履歴情報に基づいて現在の前記移動局の位置が予測され、基準基地局選択工程あるいは基準基地局選択手段により、前記移動局位置予測工程あるいは移動局位置予測手段によって予測された移動局の位置と、前記仮測位工程あるいは仮測位手段によって前記複数の基地局のそれぞれを基準基地局と仮定して推定された移動局の位置のそれぞれとの距離を算出するとともに、該距離が最小となるように移動局の位置を推定した際に仮定された基準基地局のうち1つが真の基準基地局に設定されるので、現在の移動局の位置を検出するのに最も誤差が小さくなるように基準基地局が選択される。
また、請求項6にかかる移動局位置推定方法あるいは請求項14にかかる移動局測位システムによれば、前記移動局の位置の履歴情報は、移動局の過去の位置、移動局の移動速度、移動局の加速度の少なくとも1つであるので、移動局位置予測工程あるいは移動局位置予測手段による現在の移動局の位置の予測を容易に行なうことができる。
以下、本発明の一実施例について、図面を参照しつつ詳細に説明する。
図1は、本発明の測位システム8の構成の一例を示した図である。図1には、平面上の任意の形状に設けられる移動可能領域5として一辺30(m)の正方形からなる移動可能領域5が設けられている。また、前記移動可能領域5には、後述する移動局10と無線による通信を行なう機能を有する基地局12として4つの基地局である第1基地局12A、第2基地局12B、第3基地局12C、第4基地局12Dがそれぞれ設けられる。基地局としては後述するように、平面上における移動局10の位置を到来時間差を利用して算出を行なうためには少なくとも3個の基地局が必要である。従って、前記移動可能領域5の何れの地点においても、少なくとも移動局が3個の基地局と通信可能となるように基地局を配置する必要がある。また、基地局の数が多いほど移動局の位置の算出は正確に行なうことができる。本図1においては、正方形の移動可能領域5の四隅にそれぞれ第1基地局12A乃至第4基地局12Dが1つずつ配置されており、この要件を満たす。また、移動局10は前記移動可能領域5内を移動可能とされている。本図1においては一例として2つの移動局10A、10Bが配置されている。なお、移動局の個数は特に限定されない。また、基地局12と例えば有線ケーブル52により接続されることにより通信可能とされた測位サーバ14が設けられ、前記移動局10によって発信され前記基地局12によって受信された電波に基づいて、前記移動可能領域5内における基地局10の位置を算出する。なお、本明細書において、特に個々の移動局10A、10Bを区別しない場合には移動局10と表記し、個々の基地局12A乃至12Dを区別しない場合には基地局12と表記する。
このとき、移動可能領域5は、便宜上図2に示す様にx軸およびy軸が定義され、移動可能領域5上の点はこの軸に基づいて座標が規定される。すなわち、第1基地局12Aは座標(0,0)上に、第2基地局12Bは座標(0,30)上に、第3基地局12Cは座標(30,30)上に、第4基地局12Dは座標(30,0)上にそれぞれ配置されている。
図3は移動局10の構成の概要を示す機能ブロック図である。無線部28は、制御部32によって送受が切り替えられ、送信時には、後述する制御部32によって生成される信号を無線通信を行なうための形式に変換し、受信時には、アンテナ部20によって受信された受信波から制御部32によって処理されるための信号に変換するものであって、例えばICなどによって実装される。この無線部28は具体的には、制御部32からの指令により所定の周波数の搬送波を発生させるPLL(phase lock loop)回路、VCO(voltage controlled oscillator)回路及びデジタル変調復調部30などからなり、このデジタル変調復調部30は、送信時には制御部32によって生成される信号をデジタル変調し、受信時には受信された受信信号の復調を行なって、生成されたデジタルデータを制御部32に出力する。これにより移動局10と基地局12との間の無線通信がデジタル通信によってなされる。
制御部32は、ゲートアレイやマイコンなどによって実装され、送信時には送信信号を生成し、受信時には無線部28で変換された受信信号より、伝送された情報を取り出す。また、各ブロックの作動の制御を行う。基地局で受信時刻を正確に測定するための送信符号としては、自己相関関数に高いピークを持つ、すなわち位相差がゼロである場合において自己相関が大きな値となる一方、位相差がゼロでない場合には自己相関が十分に小さく、かつ、符号間における相関が全ての位相差において十分小さい、すなわち相互相関が小さいことという条件を満たす符号列が用いられる。具体的には例えば、M系列符号や、GPSにおいても使用されているGold系列符号が用いられる。これらの符号は疑似雑音符号(pseudo−noise code;PN符号)とも呼ばれる。このような符号を利用すれば、ある特定の移動局と基地局との通信がある特定の拡散符号を用いて行なわれている場合に、同じ時刻および同じ周波数において他の移動局と基地局との通信が別の拡散符号を用いて行なわれる場合であっても、相互の通信が影響を受けることがない。
また、誤り検出符号付加部70は、移動局10が送信機として機能する場合に、前記ベースバンド信号生成復元部36によって生成されるベースバンド信号に対し、例えばBCH符号(Bose−Chaudhuri−Hochquenghem code)、リード・ソロモン符号(Reed−Solomon code)、パリティ検査ビット(parity check bit)、CRC(cyclic redundancy check)符号などの誤り検出符号を算出し付加する。
また、電源部40は、上述した送信アンプ26、無線部28、制御部32、などに対し、必要な電力を供給する。
図4は、基地局12の構成の概要を示す機能ブロック図である。基地局12はアンテナ部21、無線部29、デジタル変調復調部31、受信時刻測定部42、制御部33、有線通信部50、誤り率算出部72、時計39、および電源部41などを有する。このうち、アンテナ部21、無線部29、デジタル変調復調部31、および電源部41については、前述の移動局10におけるアンテナ部20、デジタル変調復調部30、電源部40の有する機能とそれぞれ同様の機能を有するものであるので、説明を省略する。
時計39は、例えば後述する受信時刻測定部42における受信時刻測定時などに参照される時刻情報を供給する。なお、各基地局12の有する時計39は、例えば次に述べる方法により予めそれらの時刻が同期されている。
図7は4つの基地局12の有する時計39を同期させるための手順の一例を示したタイムチャートである。この図において、縦線で表された第1基地局12A乃至第4基地局12Dと測位サーバ14との間を横方向に結ぶ矢印によって各基地局および測位サーバ間の通信の様子が示されている。なお矢印の向きは通信の方向を示しており、矢印の先が向いている機器が受信側である。また、波線で表された矢印は無線による通信を表している。また、図中下向きに時間軸がとられており、下へ行くほど時間の経過を表している。
まず時刻t11において、測位サーバ14から任意の1の基地局12(本図においては第1基地局12A)に対し、無線通信における空きチャンネルの探索命令がされる。これを受け、第1基地局12Aはチャンネルスキャンを実行し、発見した空きチャンネルについての情報を時刻t12において測位サーバ14に対し送信する。続いて時刻t13において測位サーバ14から任意の1の基地局12(本図においては第1基地局12A)に対し、時刻情報を無線により送信する命令がされる。更に時刻t14乃至時刻t16において、測位サーバ14から前記任意の1の基地局以外の基地局(本図においては第2基地局12B乃至第4基地局12D)のそれぞれに対し、順次時刻情報を無線により受信する命令がされる。続いて時刻t17において、第1基地局12Aから時刻情報、すなわち第1基地局12Aの時計41の時刻tについての情報が無線により送信され、第2基地局12B乃至第4基地局12Dによってこれが無線により受信される。更に時刻t18乃至時刻t20において、第2基地局12B乃至第4基地局12Dのそれぞれが受信した時刻情報、すなわち第1基地局12Aによって発信された発信時の第1基地局の時刻と第2基地局12B乃至第4基地局12Dのそれぞれが受信した時刻とからなる情報が有線通信部50により測位サーバに順次送信される。
ここで、各基地局12の位置は既知であることから、前記第1基地局12Aから発信された電波が第2基地局12B乃至第4基地局12Dのそれぞれへ到達するのに要する伝搬時間は予め算出される。従って、第2基地局12B乃至第4基地局12Dのそれぞれについて、受信した時刻と第1基地局12Aが発信した時刻との時間から前記それぞれの基地局についての伝搬時間を引いたものが第2基地局12B乃至第4基地局12Dの時計39と第1基地局12Aの時計39との時間ずれとなる。このようにして算出された時間ずれがなくなるように時刻t21乃至時刻t23において第2基地局12B乃至第4基地局12Dの時計39が補正されることにより、各基地局12の時計は同期される。
図4に戻って、誤り率算出部72は、無線部29により復元された受信信号の内容と、受信信号に付加されていた誤り検出符号とを照合し、通信が正しく行なわれたかを確認し、移動局10と基地局12との通信における通信の誤りの発生率である誤り率(BER;Bit Error Rate)を算出する。
受信時刻測定部42は、移動局10によって発信された電波を各基地局12が受信した時刻を各基地局12の有する時計41に基づいて測定する。この受信時刻測定部42は例えばマッチドフィルタを含んで構成され、具体的には例えばレプリカ符号発生部44、遅延回路46および相関計算部48などによって構成される。レプリカ符号発生部44においては、移動局10から送信されたPN符号と同一の符号であるレプリカ符号が発生させられる。そして、周知のシフトレジスタにより構成される遅延回路46においては、移動局10によって発信され基地局12によって受信された電波における信号波が入力され、予め定められた複数の所定の間隔ごとに遅延させられる。そして、相関計算部48は、遅延回路46によって遅延させられた受信波とレプリカ符号との相関値を順次算出する。そして、算出された相関値が最大となった際のタイミング情報、すなわち時刻を移動局10からの電波の受信時刻とする。
制御部33は、誤り率算出部72で算出された誤り率、及び受信時刻測定部42で測定された受信時刻を入力として受け取り、これらの情報を、有線通信部50を通して後述する測位サーバ14に送信する。また、制御部33は各ブロックの作動の制御を行う。有線通信部50と測位サーバ14はLANケーブルなどの有線ケーブル52によって接続されている。
図1に戻って、測位サーバ14は例えばCPU、RAM、ROM、入出力インターフェース等を備えた所謂コンピュータを含んで構成されており、RAMの一時記憶機能を利用しつつ予めROMに記憶されたプログラムに従って信号処理を行なうことにより、移動局10の位置の算出すなわち測位を実行する。
図5は、測位サーバ14の制御作動を説明する機能ブロック図である。測位サーバ14は、有線通信部53、基準基地局選択部104、受信時間差算出部106、仮測位部110、移動局位置予測部112、測位部56、測位結果出力部60などから構成される。
このうち、有線通信部53は、前述の基地局12の有線通信部50により有線ケーブル52を介して送信された情報を受信するとともに、基地局12へ送信する情報を有線ケーブル52を介して送信する、いわゆる通信インターフェースである。具体的には、前記基地局12から送信された、前記基地局12の誤り率算出部72で算出された誤り率や受信時刻測定部42で測定された受信時刻などについての情報が受信されるとともに、基地局12の制御作動に関する指令や、基地局12の無線部29を介して無線により移動局10に送信する移動局10の制御作動に関する指令等が送信される。
基準基地局選択部104は、後述する受信時間差算出部106において各基地局12における電波の受信時刻の時間差を算出する際において基準となる基準基地局を選択する。具体的には例えば、各基地局12における前記誤り率算出部72において算出された誤り率が最も低い基地局12が基準基地局として選択される。すなわち、誤り率が低い基地局12は、移動局10との通信が良好に行なわれたことを意味しており、例えば移動局10と基地局12の間に障害物があることによるマルチパスやシャドウィングの影響を受けていないと推定されるためである。例えば、前記各基地局12のうち、第1基地局12Aにおける誤り率が最も低い場合には、基準基地局選択部104は第1基地局12Aを基準基地局として選択する。
受信時間差算出部106は、前記基準基地局選択部104によって選択された基準基地局において移動局10から発信された電波を受信した受信時刻を基準として、各基地局12における同じ電波の受信時刻の相対的なずれである受信時間差を各基地局12ごとに算出する。例えば、前記基準基地局選択部104により第1基地局12Aが基準基地局として選択された場合には、その他の基地局である第2基地局12B、第3基地局12C、第4基地局12Dのそれぞれの受信時刻t,t,tと基準基地局である第1基地局12Aの受信時刻tとの受信時間差t−t,t−t,t−tがそれぞれ算出される。
測位部56においては、例えば複数の基地局12によって算出された基地局と移動局の距離に基づいて、移動可能領域5中の移動局10の位置を算出する。具体的には、例えば移動可能領域5が前記図1に示す様な平面である場合において、第1基地局12Aの座標を(x1,y1)、第2基地局12Bの座標を(x2,y2)、第3基地局12Cの座標を(x3,y3)、第4基地局12Dの座標を(x,y)とし、また、第1基地局12Aと移動局10との疑似距離をr1、第2基地局12Bと移動局10との疑似距離をr2、第3基地局12Cと移動局10との疑似距離をr3、第4基地局12Dと移動局10との疑似距離をrとし、移動局の座標を(x,y)、移動局10と基地局12とがそれぞれ有する時計41の時刻のずれに基づく誤差sとすると、図6に示す様に、
(x−x2+(y−y2=(r+s)2
(x−x2+(y−y2=(r+s)2, (1)
(x−x2+(y−y2=(r+s)2
(x−x2+(y−y2=(r+s)2
で表される関係がある。ここで、疑似距離rは、移動局10から各基地局12までの電波の伝搬時間を算出し、これに電波の速度c(=2.997×10(m/s))を乗ずることによって得られるもので、電波の伝搬時間を算出する際に電波の発信時刻の基準となる移動局10の時計と受信時刻の基準となる基地局12の時計39との時刻のずれが考慮されていないため、疑似距離と呼ばれる。仮に移動局10による電波の発信時刻が、移動局10の時計においてtにおいて行なわれ、また、第1基地局12Aにおける前記電波の受信時刻が第1基地局12Aの時計39においてtにおいて、第2基地局12Bにおける前記電波の受信時刻が第2基地局12Bの時計39においてtにおいて、第3基地局12Cにおける前記電波の受信時刻が第3基地局12Cの時計3941においてtにおいて、第4基地局12Dにおける前記電波の受信時刻が第4基地局12Dの時計39においてtにおいてそれぞれ行なわれたとする。また、移動局10の時計と各基地局12の時計39との時刻のずれがΔtであったとする。このとき、前記式(1)は、
(x−x2+(y−y2={c(t−t+Δt)}2
(x−x2+(y−y2={c(t−t+Δt)}2, (2)
(x−x2+(y−y2={c(t−t+Δt)}2
(x−x2+(y−y2={c(t−t+Δt)}2
となる。
ここで、(2)の各式の平方根をとって、さらに、前記基準基地局以外の基地局に対応する式と、前記基準基地局に対応する式との両辺の差を表す式をそれぞれ算出する。すなわち、前記基準基地局以外の基地局である第2基地局12B、第3基地局12C、第4基地局12Dにそれぞれ対応する第2式、第3式、第4式と、前記基準基地局である第1基地局12Aに対応する第1式との両辺の差をとると、
Figure 2009068924
となる。ここで、式(3)においては移動局10における電波の発信時刻tおよび移動局10の時計と各基地局12の時計39との時刻のずれΔtが含まれておらず、これらを考慮しなくてよい。すなわち、図3に示すように移動局10は時計を有していなくてもよい。一方、各式の右辺における(t−t)、(t−t)および(t−t)は前記受信時間差算出部106において算出されていることから、本式(3)を解くことにより、移動局10の位置を算出することができる。なお、基地局12の数が4つ以上ある場合には、式(3)のように2つの変数x,yに対し3本以上の式が存在することとなるが、例えば最小二乗法などにより反復計算することにより近似解を算出することにより、移動局10の位置を得ることができる。また、基地局12の数が3つである場合には、式(3)は2本の式によることになるため、そのまま解くことにより移動局10の位置が得られる。ただし、より正確に移動局10の位置を算出するためには、式(3)としてより多くの式を解くことが望ましい。すなわち、より多くの基地局12を用いることが望ましい。
なお、測位部56は前述のような手順により移動局の測位を行なうが、式(2)を式(3)に変形する際に、式(2)の各式の平方根をとって、さらに、前記基準基地局以外の基地局に対応する式と、前記基準基地局に対応する式との両辺の差を表す式をそれぞれ算出した。このようにすれば、式(3)の全ての式の右辺においては、基準基地局である第1移動局12Aの電波の受信時刻tが含まれることとなるが、第1移動局12Aは基準基地局選択部104において基準基地局として選択される際に、移動局との通信状態が最も良好な基地局であるとされているため、式(3)を解くことにより移動局10の位置を算出する際に、その誤差を最も小さくすることができるのである。
逆に、基準基地局12A以外の基地局は移動局10との通信状態が基準基地局に比べて悪く、検出された受信時刻が、例えばマルチパスやシャドウィングなどの影響による反射波の受信時刻であって、直接波の受信時刻ではないなどの可能性があり、正確でない可能性がある。そのため、式(2)を式(3)に変形する際に、式(2)の各式の平方根をとって、さらに、基準基地局以外の任意の基地局12について、その任意の基地局以外の基地局に対応する式と、前記任意の基地局に対応する式との両辺の差を表す式をそれぞれ算出して得られる式(3)を得ようとすると、前記任意の基地局が移動局との通信が良好でない基地局であった場合には、前記任意の基地局の電波の受信時刻であって、正確でない値が式(3)の全ての式に存在することとなる。そのため、式(3)を解いて得られる移動局10の位置に大きな誤差が含まれるおそれがある。
また、測位結果出力部60は測位結果すなわち算出された移動局10の位置情報を例えば図示しないモニタ装置に出力したり、あるいは他のプログラムに伝達したりする。
なお、仮測位部110および移動局位置予測部112については、後述する実施例3において用いるものであって、本実施例では用いないものであるので、説明は後述する。
図8は、本発明の移動局位置推定方法あるいは移動局測位システムによる移動局10の位置の推定における制御作動の概要を説明するフローチャートである。移動局10、基地局12、測位サーバ14のそれぞれにおいて行なわれる作動が時系列的に表されている。
まず、ステップ(以下「ステップ」を省略する。)SA1においては、測位サーバ14から基地局12に対し受信時刻の測定を行なうための指令を行なうよう指令が行なわれる。具体的には、測位サーバ14は、基地局12の任意のいずれか1つに対し、移動局10に対し電波を発信させる指令を無線により行なうよう指令するとともに、全ての基地局12に対し、移動局10から発信される電波を受信するように有線ケーブル52を介して指令を行なう。
SA2においては、SA1において測位サーバ14によって行なわれた指示を受け、各基地局12のそれぞれにおいて、移動局10に対し電波を発信させる指令を無線により行なうよう指令されたか否かが判断される。そして、本判断が肯定される場合、すなわち、基地局12のうちSA1において測位サーバ14から、移動局10に対し電波を発信させる指令を無線により行なうよう指令された基地局においては、続くSA3が実行され、その後、移動局10から発信される電波を受信するための待機が行なわれる。一方、本判断が否定される場合には、そのまま、移動局10から発信される電波を受信するための待機が行なわれる。
SA3においては、基地局12から移動局10に対し、移動局10の測位のための電波を発信するように無線により指示が行なわれる。これを受け、移動局10の制御部32および無線部28などに対応するSA4においては、移動局10から各基地局12に対し、電波の発信が行なわれる。このとき、発信される電波は制御部32によって生成されたPN符号に、誤り検出符号付加部70によって誤り検出符号が付加された信号が発信される。
基地局12の無線部29、制御部33、受信時刻測定部42、誤り率算出部72などに対応するSA5においては、SA4において移動局10において発信された電波が基地局12において受信されるとともに、その受信時刻が測定され、受信の際の通信の誤りの発生率である誤り率が算出される。具体的には、基地局12において受信された電波は、無線部29で復調され、受信時刻測定部42において受信波から取りだされた信号とレプリカ符号との相関値のピークを検出することにより受信時刻が測定される。また、誤り率算出部72において、受信波に含まれる信号の内容と誤り検出符号とから通信における誤り率が算出される。
SA6においては、測位サーバ14から各基地局12に対し、得られた受信時刻と誤り率とを測位サーバに送信するよう有線ケーブル52を介して指令がされる。一方、各基地局12においては、SA7において、測位サーバ14からのSA6の指令がなされるまで本ステップの判断が否定され本ステップがくり返し行なわれ、測位サーバ14からのSA6の指令の待機が行なわれる。
SA8はSA7の判断が肯定された場合、すなわち測位サーバ14からのSA6の指令がなされた場合に実行されるステップで、SA5において各基地局12で得られた受信時刻および誤り率が有線ケーブル52を介し測位サーバ14に送信される。
基準基地局選択部104に対応するSA9においては、送信された各基地局12ごとの誤り率を比較し、最も誤り率が低い基地局を基準基地局として選択する。
受信時間差算出部106に対応するSA10においては、SA9において選択された基準基地局以外の基地局のそれぞれにおける受信時刻と前記基準基地局における受信時刻との差である受信時間差がそれぞれ算出される。
続くSA11およびSA12は測位部56に対応する。まず、SA11においては、測位のための方程式の導出が行なわれる。具体的には、前記式(2)で表される式に対し、(2)の各式の平方根をとって、さらに、SA9において選択された基準基地局以外の基地局に対応する式と、前記基準基地局に対応する式との両辺の差を表す式(3)をそれぞれ算出する。
また、SA12においては、SA11で導出された方程式の解が、例えば最小2乗法などにより算出され、移動局10の位置が算出される。
前述の実施例によれば、基準基地局選択工程あるいは基準基地局選択手段に対応する基準基地局選択部104により、前記移動局10と前記複数の基地局12のそれぞれとの間における所定符号の通信に基づいて評価される無線通信の信頼性を表す複数種類の指標と、前記移動局の位置の履歴情報との少なくとも1つである誤り率(BER)に基づいて、前記時間差の算出において基準となる基地局である基準基地局が選択され、受信時間差算出工程あるいは受信時間差算出手段に対応する受信時間差算出部106により、前記基準基地局選択部104において選択された基準基地局で受信した電波の受信時刻と前記複数の基地局のうち該基準基地局を除く基地局のそれぞれが受信した電波の受信時刻とに基づいて前記時間差が算出され、測位工程あるいは測位手段に対応する測位部56により、前記時間差と前記複数の基地局12の位置とに基づいて前記移動局10の位置が算出されるので、無線通信の信頼性や移動局の位置の履歴情報に基づいて基準基地局が選択され、受信時刻測定結果の信頼性が高い基地局が基準基地局として選択されるため、直接波が到来せず反射波の受信時刻を測定した基地局が存在した場合でも、そのような基地局が基準基地局として選択することなく、測位誤差の少ない移動局の測位が可能となる。すなわち、シャドウィングやマルチパスによる電波の伝搬に変動が生じた場合であっても、それが測位精度に与える影響を抑えることができる。
また、前述の実施例によれば、前記移動局により発信される電波に含まれるデータには、誤り検出符号付加部70により誤り検出符号が付加され、誤り率算出工程あるいは誤り率算出手段に対応する誤り率算出部72により、前記複数の基地局12のそれぞれが前記移動局10から受信した電波における誤りの発生度合いである誤り率(BER)が各基地局12ごとに算出され、前記基準基地局選択部104により、前記移動局10と前記複数の基地局12のそれぞれとの間における所定符号の通信である誤り検出符号を用いた通信において、前記所定符号の通信に基づいて評価される無線通信の信頼性を表す指標としての前記誤り率に基づき、該誤り率が最も低い基地局12を基準基地局に設定されるので、基地局による電波の受信の際の誤りの発生度合いを容易に算出することができ、通信の信頼性に基づく基準基地局の選択を正確に行なうことができるため、単に電波強度のみによって基準基地局を選択するのと異なり、例えば直接波が到来しないのに反射波の重ね合わせにより電波の受信強度が大きくなった基地局などの本来基準基地局となるべきでない基地局が誤って基準基地局に選択され、誤差の大きい受信時刻を基準にした相対受信時刻差を元に測位を行って、誤差の大きい測位結果を算出することがなくなる。
また、前述の実施例によれば、前記移動局測位システム8は、前記基準基地局選択部104と、前記受信時間差算出部106と、前記測位部56とを有する測位サーバ14を含んで構成され、前記複数の基地局12はそれぞれ、誤り率算出部72によって算出された誤り率と、前記受信時刻測定部42によって測定された前記移動局から発信された電波の受信時刻とを前記測位サーバ14に送信するので、測位サーバ14は各基地局12との間で必要なデータをやりとりしながら必要な計算処理を集約して行なうことができる。また、各基地局12は測位サーバ14に必要な計算を実行させることができ、小型化や省電力化が実現できる。
続いて、本発明の別の実施例について説明する。以下の説明において、実施例相互に共通する部分については、同一の符号を付して説明を省略する。
本実施例2においても、移動局10、基地局12、測位サーバ14はそれぞれ図3、図4、図5に示すように前述の実施例1と同様の構成をとる。なお、実施例1と同様、測位サーバ14における仮測位部110および移動局位置予測部112は本実施例においても用いられない。また、実施例1において用いられた移動局10における誤り検出符号付加部70および基地局12における誤り率算出部72は本実施例2においては用いられない。
本実施例2と前述の実施例1とは、基地局12における相関計算部48および、測位サーバ14における基準基地局選択部104の作動が異なる。まず、基地局12の相関計算部48は、前述の実施例1においては、受信波から取りだされ、遅延回路46により所定の間隔ごとに遅延させられた信号とレプリカ符号との相関値を順次算出し、算出された相関値が最大となった際のタイミング情報を検出した。すなわち、相関値がピークとなったか否かのみを判断できればよく、具体的な相関値の値については検出し、記憶する必要がなかった。一方、本実施例においては、相関計算部48は、受信波から取りだされ、遅延回路46により所定の間隔ごとに遅延させられた信号とレプリカ符号との相関値を順次算出し、算出された相関値が最大となった際のタイミング情報を検出し、その時刻を移動局10からの電波の受信時刻とするとともに、その際の相関値を記憶する。
また、測位サーバ14の基準基地局選択部104は、前述の実施例1においては、各基地局12における誤り率が最も低い基地局を基準基地局として選択したが、本実施例2においては、各基地局12における前記相関計算部48において計算された相関値が最も高い基地局を基準基地局として選択する。図9は、このときの相関計算部48により計算される相関値と、基準基地局選択部104により前記相関値に基づいて基準基地局が選択される際の状況を説明する図である。
図9に示すように、移動局10からPN符号として「1001110」という7ビットの信号を含む電波が各基地局12に対して送信される。ここで、移動局10と第1基地局12Aとの間には電波を遮る障害物はなく良好な通信が可能である一方、移動局10と第2基地局12Bとの間には直接波の到達の障害となる障害物が存在している。そのため、第1基地局12Aが受信した受信波から取りだされた信号は移動局10から送信されたものと同じ「1001110」である一方、第2基地局12Bが受信した受信波から取りだされた信号は、「1010110」であって、2ビット分だけエラーが生じているものとなっている。かかる場合において、相関計算部48は、移動局10の送信波に含まれる拡散符号と同一のレプリカ符号である「1001110」と受信波に含まれる信号との相関値を算出する。2つの符号a,bの相関値Rは次のように定義される。
Figure 2009068924
ここで、Nは2つの符号a,bの符号長である。また、ιは遅延回路46による遅延量であって、本実施例においては遅延を行なわずに相関値を算出するのでι=0である。前記数2の右辺第2項においては、2つの符号a、bの各ビットごとの排他的論理和を算出し、算出された排他的論理和の合計に2を乗ずるものである。すなわち、前記2つの符号a、bの各ビットの内容が一致するほど、前記数2の右辺第2項の値は小さくなり、前記a、bの各ビットの内容が完全に一致するとその値は0となる。これに伴って、相関値Rの値は前記2つの符号a、bの各ビットの内容が一致するほど大きくなり、前記a、bの各ビットの内容が完全に一致するとその値はa、bの符号長の値Nで最大となる。
まず、第1基地局12Aにおける相関値Rは、受信波から取りだされた符号とレプリカ符号とが全てのビットにおいて一致するため、
Figure 2009068924
となり、符号長の値である最大値7となる。また、第2基地局12Bにおける相関値Rは、受信波から取りだされた符号とレプリカ符号とが2ビット分エラーを生じているため、
Figure 2009068924
となる。なお、前記数3および数4における右辺第2項は、前記数2と同様に、2つの符号の各ビットごとの排他的論理和を算出し、算出された排他的論理和の合計に2を乗ずるものを表している。
このように、通信に誤りが生じるほど発生する相関値が小さくなるので、より大きな相関値が得られる基地局ほど移動局10との通信の信頼性が高いといえる。そこで、、基準基地局選択部104は各基地局12の相関計算部48において算出された相関値が最も大きい基地局を基準基地局として選択する。
図10は本実施例2における本発明の移動局位置推定方法あるいは移動局測位システムによる移動局10の位置の推定における制御作動の概要を説明するフローチャートである。
まず、ステップ(以下「ステップ」を省略する。)SB1乃至SB4は、実施例1の図8のフローチャートにおけるSA1乃至SA4に対応するものである。すなわち、SB1においては、測位サーバ14から各基地局12の任意の1つに対し、移動局10に対し電波を発信させる指令を無線により行なうよう指令するとともに、全ての基地局12に対し、移動局10から発信される電波を受信するように有線ケーブル52を介して指令を行なう。
SB2においては、SB1において測位サーバ14によって行なわれた指示を受け、各基地局12のそれぞれにおいて、移動局10に対し電波を発信させる指令を無線により行なうよう指令されたか否かが判断される。そして、本判断が肯定される場合、すなわち、基地局12のうちSB1において測位サーバ14から、移動局10に対し電波を発信させる指令を無線により行なうよう指令された基地局においては、続くSB3が実行され、その後、移動局10から発信される電波を受信するための待機が行なわれる。一方、本判断が否定される場合には、そのまま、移動局10から発信される電波を受信するための待機が行なわれる。
SB3においては、基地局12から移動局10に対し、移動局10の測位のための電波を発信するように無線により指示が行なわれる。これを受け、移動局10の制御部32および無線部28などに対応するSB4においては、移動局10から各基地局12に対し、電波の発信が行なわれる。このとき、発信される電波は制御部32によって生成されたPN符号が発信される。
基地局12の無線部29、制御部33、受信時刻測定部42などに対応するSB5においては、SB4において移動局10において発信された電波が基地局12において受信されるとともに、その受信時刻が測定され、更に受信時刻測定時の相関値が算出される。具体的には、基地局12において受信された電波は、無線部29で復調され、受信時刻測定部42において受信波から取りだされた信号とレプリカ符号との相関値のピークを検出することにより受信時刻が測定される。また、受信時刻測定部42の相関計算部48において計算される前記相関値のピーク値が記憶される。
図8のSA6に対応するSB6においては、測位サーバ14から各基地局12に対し、得られた受信時刻と相関値とを測位サーバに送信するよう有線ケーブル52を介して指令がされる。一方、各基地局12においては、図8のSA7に対応するSB7において、測位サーバ14からのSB6の指令がなされるまで本ステップの判断が否定され本ステップがくり返し行なわれ、測位サーバ14からのSB6の指令の待機が行なわれる。
図8のSA8に対応するSB8は、SB7の判断が肯定された場合、すなわち測位サーバ14からのSB6の指令がなされた場合に実行されるステップで、SB5において各基地局12で得られた受信時刻および相関値が有線ケーブル52を介し測位サーバ14に送信される。
基準基地局選択部104に対応するSB9においては、図8のSA9に対応するものであって、送信された各基地局12ごとの相関値を比較し、相関値が最も大きい基地局を基準基地局として選択する。
受信時間差算出部106に対応するSB10においては、SB9において選択された基準基地局以外の基地局のそれぞれにおける受信時刻と前記基準基地局における受信時刻との差である受信時間差をそれぞれ算出する。
続くSB11およびSB12は図8のSA11およびSA12に対応するものであって、測位部56に対応する。まず、SB11においては、測位のための方程式の導出が行なわれる。具体的には、前記式(2)で表される式に対し、(2)の各式の平方根をとって、さらに、SB9において選択された基準基地局以外の基地局に対応する式と、前記基準基地局に対応する式との両辺の差を表す式(3)をそれぞれ算出する。
また、SB12においては、SB11で導出された方程式の解が、例えば最小2乗法などにより算出され、移動局10の位置が算出される。
前述の実施例2によれば、前記移動局10は拡散符号を送信するものであって、前記複数の基地局12のそれぞれが有する前記相関演算工程あるいは相関演算手段に対応する相関計算部48により、前記移動局10が送信する拡散符号のレプリカ符号と、受信された電波に含まれる信号との間の相関値の最大値が演算され、前記基準基地局選択部104により、前記移動局10と前記複数の基地局12のそれぞれとの間における所定符号の通信である拡散符号を用いた通信において、前記所定符号の通信に基づいて評価される無線通信の信頼性を表す指標としての前記相関値の最大値に基づき、該相関値の最大値が最も大きい基地局12が基準基地局に設定されるので、本来基準基地局となるべきでない基地局が反射波の影響によって誤って基準基地局に選択されることがなくなる。
また、前述の実施例2によれば、前記基地局における電波の受信時刻は、前記相関計算部48において相関値の最大値が演算された際のタイミング情報に基づいて演算されるものであり、前記受信時刻の算出は、前記相関計算部48による相関値の最大値の演算のための手順を利用して行なわれるので、受信時刻の算出のための計算と相関値の最大値のための演算とにおいて共通する計算については、その結果を利用することができ、構成をより簡易なものとし、計算に要する時間を短縮することができる。
また、前述の実施例2によれば、移動局測位システム8は、前記基準基地局選択手段としての基準基地局選択部104と、前記受信時間差算出手段としての受信時間差算出部106と、前記測位手段としての測位部56とを有する測位サーバ14を含んで構成され、前記複数の基地局12はそれぞれ、相関演算手段としての相関計算部48によって演算された相関値の最大値と、前記移動局10から発信された電波の受信時刻とを前記測位サーバ14に送信するので、測位サーバ14は各基地局12との間で必要なデータをやりとりしながら必要な計算処理を集約して行なうことができる。また、各基地局は測位サーバに必要な計算を実行させることができ、小型化や省電力化が実現できる。
本実施例3においても、移動局10、基地局12、測位サーバ14はそれぞれ図3、図4、図5に示すように前述の実施例1や実施例2と同様の構成をとる。なお、実施例1において用いられた移動局10における誤り検出信号付加部70および基地局12における誤り率算出部72は前述の実施例2と同様、本実施例3においては用いられない。
前述の実施例1および実施例2と本実施例3とは、測位サーバ14の仮測位部110および移動局位置予測部112を用いる点において異なり、また、基準基地局選択部104の作動が異なる。
まず、測位サーバ14の仮測位部110は、移動局10からの電波を受信した基地局12のそれぞれについて、これらのそれぞれが基準基地局であると仮定して移動局10の位置の算出を行なう。例えば、移動局測位システム8が図2のように設けられ、第1移動局12A乃至第4移動局12Dのそれぞれが移動局10からの電波を受信した場合、第1移動局12A乃至第4移動局12Dのそれぞれを基準基地局と仮定して、移動局10の位置の推定を行なう。この位置の推定は、前記受信時間差算出部106および測位部56によって行なわれる測位のための手順を用いることにより行なうことができる。なお、第1移動局12Aを基準局と仮定した場合の移動局10の推定位置をP、第2移動局12Bを基準局と仮定した場合の移動局10の推定位置をP、第3移動局12Cを基準局と仮定した場合の移動局10の推定位置をP、第4移動局12Dを基準局と仮定した場合の移動局10の推定位置をPとする。
また、移動局位置予測部112は、測位部56で算出された測位結果が記憶され、それに基づいた移動局10の位置の履歴情報、すなわち過去の移動局10の位置、移動速度、加速度の少なくとも1つに基づいて移動局10の現在の位置を予測する。例えば、本実施例の移動局測位システム8による移動局10の測位が単位時間間隔でくり返し行なわれる場合において、移動局位置予測部112は少なくとも今回の測位の直前に行なわれた4回の測位結果を記憶する。この過去の測位結果を、現在から近い順に、1回前の測位結果をqt−1,2回前の測位結果をqt−2,3回前の測位結果をqt−3,4回前の測位結果をqt−4とする。また、それぞれの時点における移動速度を、1回前の測位時における移動速度をvt−1,2回前の測位時における移動速度をvt−2,3回前の測位時における移動速度をvt−3,4回前の測位時における移動速度をvt−4とし、さらに、1回前の測位時における移動加速度をat−1,2回前の測位時における移動加速度をat−2とする。また、移動局位置予測部112が予測する現在の移動局10の位置をq、その移動速度をv、移動加速度をaとする。このとき、前述のように、移動局10の測位が単位時間間隔でくり返し行なわれるので、加速度a,at−1,at−2はそれぞれ移動速度を用いて、a=v−vt−1,at−1=vt−1−vt−2,at−2=vt−2−vt−3のように表される。また同様に移動速度v,vt−1,vt−2,vt−3はそれぞれ移動局の位置を用いて、v=q−qt−1,vt−1=qt−1−qt−2,vt−2=qt−2−qt−3,vt−3=qt−3−qt−4のように表される。
ここで、現在の移動局10の移動加速度aが1回前の移動加速度at−1と2回前の移動加速度at−2との平均であるとすれば、次式(7)の関係を満たすこととなる。
=(at−1+at−2)/2 (7)
これを、前述の加速度と移動速度との関係、および移動速度と位置との関係を用いて変形すると、次式(8)の関係が得られる。
=(5qt−1−3qt−2−qt−3+qt−4)/2 (8)
この関係式(8)より、移動局位置予測部112は過去4回の移動局10の位置に基づいて、現在の移動局10の位置を予測する。
測位サーバ14の基準基地局選択部104は、前記仮測位部110によって各基地局12を基準基地局として移動局10の測位を行なった位置のそれぞれと、前記移動局位置予測部112によって予測された現在の移動局10の位置との距離をそれぞれ算出する。そして、その距離が最も短くなる場合の前記仮測位部110において仮定されていた基準基地局を、基準基地局として選択する。図11はこのときの状況を説明する図である。図11において、前記仮測位部110によって、第1移動局12Aを基準局と仮定した場合の移動局10の位置がP、第2移動局12Bを基準局と仮定した場合の移動局10の位置がP、第3移動局12Cを基準局と仮定した場合の移動局10の位置がP、第4移動局12Dを基準局と仮定した場合の移動局10の位置がPとそれぞれ推定されている。また、移動局位置予測部112によって、過去4回の測位結果であるqt−1,qt−2,qt−3,qt−4に基づいて現在の移動局10の位置がqと予測されている。
このとき、基準基地局選択部104は、前記P乃至Pのそれぞれとqとの距離d乃至dをそれぞれ算出する。そして、算出された距離d乃至dのうち、最も距離が短い、すなわち、仮測位部110による現在の移動局10の位置の測位結果と移動局位置予測部112による現在の移動局10の位置の予測結果とが近似している場合に、仮測位部110において基準基地局であると仮定されていた第4基地局12Dを、基準基地局として選択する。
図12は本実施例3における本発明の移動局位置推定方法あるいは移動局測位システムによる移動局10の位置の推定における制御作動の概要を説明するフローチャートである。
まず、ステップ(以下「ステップ」を省略する。)SC1乃至SC4は、実施例1の図8のフローチャートにおけるSA1乃至SA4に対応するものである。すなわち、SC1においては、測位サーバ14から各基地局12の任意の1つに対し、移動局10に対し電波を発信させる指令を無線により行なうよう指令するとともに、全ての基地局12に対し、移動局10から発信される電波を受信するように有線ケーブル52を介して指令を行なう。
SC2においては、SC1において測位サーバ14によって行なわれた指示を受け、各基地局12のそれぞれにおいて、移動局10に対し電波を発信させる指令を無線により行なうよう指令されたか否かが判断される。そして、本判断が肯定される場合、すなわち、基地局12のうちSC1において測位サーバ14から、移動局10に対し電波を発信させる指令を無線により行なうよう指令された基地局においては、続くSC3が実行され、その後、移動局10から発信される電波を受信するための待機が行なわれる。一方、本判断が否定される場合には、そのまま、移動局10から発信される電波を受信するための待機が行なわれる。
SC3においては、基地局12から移動局10に対し、移動局10の測位のための電波を発信するように無線により指示が行なわれる。これを受け、移動局10の制御部32および無線部28などに対応するSC4においては、移動局10から各基地局12に対し、電波の発信が行なわれる。このとき、発信される電波は制御部32によって生成されたPN符号が発信される。
基地局12の無線部29、制御部33、受信時刻測定部42などに対応するSC5においては、SC4において移動局10において発信された電波が基地局12において受信されるとともに、その受信時刻が測定される。具体的には、基地局12において受信された電波は、無線部29で復調され、受信時刻測定部42において受信波から取りだされた信号とレプリカ符号との相関値のピークを検出することにより受信時刻が測定される。
図8のSA6に対応するSC6においては、測位サーバ14から各基地局12に対し、得られた受信時刻を測位サーバに送信するよう有線ケーブル52を介して指令がされる。一方、各基地局12においては、図8のSA7に対応するSC7において、測位サーバ14からのSC6の指令がなされるまで本ステップの判断が否定され本ステップがくり返し行なわれ、測位サーバ14からのSC6の指令の待機が行なわれる。
図8のSA8に対応するSC8は、SC7の判断が肯定された場合、すなわち測位サーバ14からのSC6の指令がなされた場合に実行されるステップで、SC5において各基地局12で得られた受信時刻が有線ケーブル52を介し測位サーバ14に送信される。
仮測位部110に対応するSC9においては、移動局12のそれぞれを基準基地局と仮定した場合について、移動局10の位置P(n=1,2,…)の算出がそれぞれ行なわれる。このとき、移動局10の位置の算出は、図8のSA10乃至SA12に示す方法と同様の方法によって行なうことができる。すなわち、基準基地局と仮定された基地局における移動局10からの電波の受信時刻と他の基地局における移動局10からの電波の受信時刻との受信時間差が算出され、これに対応した移動局10の位置の算出のための方程式が導出され、導出された方程式が解かれることによって移動局10の位置が算出される。
移動局位置予測部112に対応するSC10においては、過去の移動局10の位置の履歴情報、例えば直前に行なわれた4回の測位結果に基づいて、現在の移動局10の位置qが推定される。
基準基地局選択部104に対応するSC11においては、SC9において算出された移動局の位置Pのそれぞれと、SC10において推定された移動局10の位置qとの距離dがそれぞれ算出され、算出された距離d(n=1,2,…)が最も短くなる移動局10の位置Pを算出した際に基準基地局として仮定されていた移動局が基準基地局として選択されるとともに、その算出された距離dが最も短くなる移動局10の位置Pが現在の移動局10の位置であるとされる。
前述の実施例3によれば、仮測位工程あるいは仮測位手段に対応する仮測位部110により、前記複数の基地局12のそれぞれを基準基地局と仮定して前記移動局10の位置Pの推定がそれぞれ行なわれ、移動局位置予測工程あるいは移動局位置予測手段に対応する移動局位置予測部112により、前記移動局10の位置の履歴情報に基づいて現在の前記移動局10の位置qが予測され、基準基地局選択部104により、前記移動局位置予測部112によって予測された移動局10の位置qと、前記仮測位部110によって前記複数の基地局10のそれぞれを基準基地局と仮定して推定された移動局10の位置Pのそれぞれとの距離dを算出するとともに、距離dが最小となるように移動局10の位置を推定した際に仮定された基準基地局が真の基準基地局に設定されるので、現在の移動局10の位置を検出するのに最も誤差が小さくなるように基準基地局が選択される。
また、前述の実施例3によれば、前記移動局10の位置の履歴情報は、移動局の過去の位置q、移動局の移動速度v、移動局の加速度aの少なくとも1つであるので、移動局位置予測部112による現在の移動局10の位置qの予測を容易に行なうことができる。
以上、本発明の実施例を図面に基づいて詳細に説明したが、本発明はその他の態様においても適用される。
例えば、前述の実施例においては、移動可能領域5は二次元平面として定義されたが、これに限られず、三次元空間であってもよい。ただし、移動可能領域5が3次元空間として定義される場合には、移動局10の位置の算出のためには最低4つの基地局12が必要とされる。
また、前述の実施例においては、遅延回路46は受信波から取りだされた信号を所定間隔ごとに遅延したが、これに代えてレプリカ符号を所定間隔ごとに遅延するようにしてもよい。
また、前述の実施例においては、受信時刻測定部42は、相関計算部48が最大値(ピーク値)を検出した場合のタイミング情報としての時刻を電波の受信時刻としたが、これに限られず、例えば、相関計算部48が最大値(ピーク値)を検出した場合の遅延回路46における遅延量に基づいて電波の受信時刻を算出してもよい。
また、前述の実施例においては、移動局10の制御部32にて拡散符号を生成し、発信するものとしたが、制御部32でベースバンド信号を生成し、生成されたベースバンド信号に対してスペクトラム拡散処理を行って発信してもよい。
また、前述の実施例1においては、通信の信頼性を判断する指標として、基地局12における電波受信時の誤り率(BER)を用いる構成としたが、これに限られない。例えば、基地局12から移動局10に送信コマンドを無線により送信した際に(図8のSA3)、移動局10においてこのコマンドを受信時の誤り率(BER)を測定し、この測定された誤り率についての情報をスペクトラム拡散して基地局12に送信し、基地局で測定した受信時刻と合わせて測位サーバ14に送信することで、移動局10における電波受信時の誤り率を通信の信頼性を判断する指標してもよい。すなわち、各基地局12のそれぞれと移動局10とが行なう通信の信頼性を判断する指標として、基地局12が受信側となった場合に基地局12において測定された誤り率を用いてもよいし、移動局10が受信側となった場合に移動局10において測定された誤り率を用いてもよい。また、各基地局12のそれぞれと移動局10との通信であって、誤り率が測定可能な通信であれば、いずれの通信においても誤り率を測定することが可能である。
また、前述の実施例においては、基地局12での受信時刻を正確に測定するための手段として受信時刻測定部42が設けられ、相関計算部48によって計算される拡散符号とレプリカ符号との相関値に基づく同期検出を用いて受信時刻の測定が行なわれたが、UWB(Ultra WideBand)通信等、他の手段を用いてもよいことは明らかである。
また、前述の実施例3においては、移動局位置予測部112は、移動局10の現在の加速度aは、前回の測位時における移動局10の加速度at−1と前々回の測位時における移動局10の加速度at−2との平均であるとの前提において現在の移動局10の位置の予測を行なったが、これに限られない。例えば、前回の測位時における移動局10の測位結果qt−1と前回の測位時における移動局10の速度vt−1とに基づいて、現在の移動局10の位置q
=qt−1+vt−1×Δt
のように算出されると仮定して予測を行なってもよい。その他、移動局10の過去の位置q、過去の移動速度v、過去の加速度aに基づいて予測することのできる複数の方法によって行うことが可能である。
その他、一々例示はしないが、本発明はその趣旨を逸脱しない範囲内において種々の変更が加えられて実施されるものである。
本発明の移動局位置推定方法が好適に適用される移動局測位システムの概要を表す図である。 本発明の移動局測位システムの概要を表す図であって、移動可能領域に設定される座標系を説明する図である。 移動局の機能の概要を表す機能ブロック図である。 基地局の機能の概要を表す機能ブロック図である。 測位サーバの機能の概要を表す機能ブロック図である。 測位部による測位の概要を説明するための図である。 各基地局の有する時計の時刻を同期させるための手順を説明するタイムチャートである。 本発明の移動局測位システムの制御作動の概要を説明するフローチャートであって、実施例1に対応するものである。 基地局における電波の受信状況と相関値の関係を説明する図である。 本発明の移動局測位システムの別の制御作動の概要を説明するフローチャートであって、実施例2に対応するものである。 仮測位部により算出された移動局の位置と、移動局位置予測部により予測された移動局の位置との関係を表す図である。 本発明の移動局測位システムの別の制御作動の概要を説明するフローチャートであって、実施例3に対応するものである。
符号の説明
5:移動可能領域
8:測位システム
10:移動局
12:基地局
42:受信時刻測定部
48:相関計算部
56:測位部
72:誤り率算出部
104:基準基地局選択部
106:受信時間差算出部
110:仮測位部
112:移動局位置予測部

Claims (14)

  1. 移動局から発信された電波を複数の基地局が受信し、該複数の基地局がそれぞれ受信した電波の受信時刻の時間差と該複数の基地局の位置とに基づいて該移動局の位置を推定する移動局位置推定方法であって、
    前記移動局と前記複数の基地局のそれぞれとの間における所定符号の通信に基づいて評価される無線通信の信頼性を表す複数種類の指標および前記移動局の位置の履歴情報うち、の少なくとも1つに基づいて、前記相対受信時刻の算出において、前記複数の基地局のうち基準となる基準基地局を選択する基準基地局選択工程と、
    前記基準基地局選択工程において選択された基準基地局で受信した電波の受信時刻と前記複数の基地局のうち該基準基地局を除く基地局のそれぞれが受信した電波の受信時刻とに基づいて前記時間差を算出する受信時間差算出工程と、
    前記受信時間差と前記複数の基地局の位置とに基づいて前記移動局の位置を推定する測位工程と
    を、含むことを特徴とする移動局位置推定方法。
  2. 前記移動局により発信される電波に含まれるデータには、誤り検出符号が付加され、
    前記複数の基地局のそれぞれについて、前記移動局から受信した電波における誤りの発生度合いである誤り率をそれぞれ算出する誤り率算出工程を有し、
    前記基準基地局選択工程は、前記移動局と前記複数の基地局のそれぞれとの間における所定符号の通信に基づいて評価される無線通信の信頼性を表す指標としての前記誤り率に基づき、該誤り率が最も低い基地局を基準基地局に設定すること
    を特徴とする請求項1に記載の移動局位置推定方法。
  3. 前記移動局は拡散符号を送信するものであって、前記複数の基地局は前記移動局が送信する拡散符号のレプリカ符号と、受信された電波に含まれる信号との間の相関値の最大値を演算する相関演算工程を有し、
    前記基準基地局選択工程は、前記移動局と前記複数の基地局のそれぞれとの間における所定符号の通信に基づいて評価される無線通信の信頼性を表す指標として、前記相関値の最大値に基づき、該相関値の最大値が最も大きい基地局を基準基地局に設定すること
    を特徴とする請求項1に記載の移動局位置推定方法。
  4. 前記基地局における電波の受信時刻は、前記相関演算工程において相関値の最大値が演算された際のタイミング情報に基づいて算出されるものであり、
    該受信時刻の算出は、前記相関演算工程による相関値の最大値の演算のための手順を利用して行なわれること
    を特徴とする請求項3に記載の移動局位置推定方法。
  5. 前記複数の基地局のそれぞれを基準基地局と仮定して前記移動局の位置の推定をそれぞれ行なう仮測位工程と、
    前記移動局の位置の履歴情報に基づいて現在の前記移動局の位置を予測する移動局位置予測工程と、を有し、
    前記基準基地局選択工程は、前記移動局位置予測工程によって予測された移動局の位置と、前記仮測位工程によって前記複数の基地局のそれぞれを基準基地局として推定された移動局の位置のそれぞれとの距離を算出するとともに、該距離が最小となるように移動局の位置を推定した際に仮定された基準基地局のうち1つを真の基準基地局に設定すること
    を特徴とする請求項1に記載の移動局位置推定方法。
  6. 前記移動局の位置の履歴情報は、移動局の過去の位置、移動局の移動速度、移動局の加速度の少なくとも1つであること
    を特徴とする請求項5に記載の移動局位置推定方法。
  7. 移動局から発信された電波を複数の基地局が受信し、該複数の基地局がそれぞれ受信した電波の受信時刻の時間差と該複数の基地局の位置とに基づいて該移動局の位置を推定する移動局測位システムであって、
    前記移動局と前記複数の基地局のそれぞれとの間における所定符号の通信に基づいて評価される無線通信の信頼性を表す複数種類の指標及び前記移動局の位置の履歴情報のうち、少なくとも1つに基づいて、前記相対受信時刻の算出において、前記複数の基地局のうち基準となる基準基地局を選択する基準基地局選択手段と、
    前記基準基地局選択手段において選択された基準基地局で受信した電波の受信時刻と前記複数の基地局のうち該基準基地局を除く基地局のそれぞれが受信した電波の受信時刻とに基づいて前記時間差を算出する受信時間差算出手段と、
    前記時間差と前記複数の基地局の位置とに基づいて前記移動局の位置を推定する測位手段と
    を、含むことを特徴とする移動局測位システム。
  8. 前記移動局により発信する電波に含まれるデータには、誤り検出符号が付加され、
    前記複数の基地局のそれぞれは、前記移動局から受信した電波における誤りの発生度合いである誤り率をそれぞれ算出する誤り率算出手段を有し、
    前記基準基地局選択手段は、前記移動局と前記複数の基地局のそれぞれとの間における所定符号の通信に基づいて評価される無線通信の信頼性を表す指標としての前記誤り率に基づき、該誤り率が最も低い基地局を基準基地局に設定すること
    を特徴とする請求項7に記載の移動局測位システム。
  9. 前記移動局測位システムは、前記基準基地局選択手段と、前記受信時間差算出手段と、前記測位手段とを有する測位サーバを含んで構成され、
    前記複数の基地局はそれぞれ、誤り率算出手段によって算出された誤り率と、前記移動局から発信された電波の受信時刻とを前記測位サーバに送信すること
    を特徴とする請求項8に記載の移動局測位システム。
  10. 前記移動局は拡散符号を送信するものであって、複数の基地局のそれぞれは、前記移動局が送信する拡散符号のレプリカ符号と、受信された電波に含まれる信号との間の相関値の最大値を演算する相関演算手段を有し、
    前記基準基地局選択手段は、前記移動局と前記複数の基地局のそれぞれとの間における所定符号の通信に基づいて評価される無線通信の信頼性を表す指標として、前記相関値の最大値に基づき、該相関値の最大値が最も大きい基地局を基準基地局に設定すること
    を特徴とする請求項7に記載の移動局測位システム。
  11. 前記基地局における電波の受信時刻は、前記相関演算手段において相関値の最大値が演算された際のタイミング情報に基づいて算出されるものであり、
    前記受信時刻の算出は、前記相関演算手段による相関値の最大値の演算のための手順を利用して行なわれること
    を特徴とする請求項10に記載の移動局測位システム。
  12. 前記移動局測位システムは、前記基準基地局選択手段と、前記受信時間差算出手段と、前記測位手段とを有する測位サーバを含んで構成され、
    前記複数の基地局はそれぞれ、相関演算手段によって演算された相関値の最大値と、前記移動局から発信された電波の受信時刻とを前記測位サーバに送信すること
    を特徴とする請求項10または11に記載の移動局測位システム。
  13. 前記複数の基地局のそれぞれを基準基地局と仮定して前記移動局の位置の推定をそれぞれ行なう仮測位手段と、
    前記移動局の位置の履歴情報に基づいて現在の前記移動局の位置を予測する移動局位置予測手段と、を有し、
    前記基準基地局選択手段は、前記移動局位置予測手段によって予測された移動局の位置と、前記仮測位手段によって前記複数の基地局のそれぞれを基準基地局と仮定して推定された移動局の位置のそれぞれとの距離を算出するとともに、該距離が最小となるように移動局の位置を推定した際に仮定された基準基地局のうち1つを真の基準基地局に設定すること
    を特徴とする請求項7に記載の移動局測位システム。
  14. 前記移動局の位置の履歴情報は、移動局の過去の位置、移動局の移動速度、移動局の加速度の少なくとも1つであること
    を特徴とする請求項13に記載の移動局測位システム。
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