JP2009068614A - 押圧装置 - Google Patents

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明 加本
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正記 光安
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隆弘 横川
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Abstract

【課題】磁性流体を介して押圧力を作用させる際のショックや対象物の挙動の急変などを防止できる押圧装置を提供する。
【解決手段】推力を磁力によって粘度が変化する磁性流体を介して押圧部材に伝達することにより押圧力を生じさせる押圧装置において、磁性流体が充填されかつその磁性流体が加圧される第1室と、第1室に管路を介して連通されて磁性流体が充填されかつ内部の圧力に応じて容積を変化させることのできる第2室と、磁性流体に磁界を及ぼして前記磁性流体の粘度を変化させることにより前記管路を介した磁性流体の流動を制御する磁気手段と、第1室と第2室とのいずれか一方の内部圧力が高くなっている状態で前記磁性流体を磁化する磁界を間欠的に生じさせ、あるいは磁化する磁界と消磁する磁界とを間欠的に生じさせるように前記磁気手段を制御する磁界制御手段とを備えている。
【選択図】 図3

Description

この発明は、磁性流体を介して推力を押圧部材に伝達するように構成された押圧装置に関するものである。
磁性流体は、鉄粉などの磁化される粒子もしくは粉体をオイルに混入した流体であって、磁界を受けて磁化されることによりその実質的な粘度が高くなり、また消磁させることにより粘度が低くなる特性を備えている。すなわち、粘度を磁界によって制御できるので、推力やトルクの伝達経路中に介在させ、その磁化および消磁を電気的に制御することにより、推力やトルクの伝達を容易に制御することが可能になる。
例えば、特許文献1には、ケーシングの内部に多板と共に磁性流体を封入した可変クラッチが記載されており、この特許文献1に記載された可変クラッチによれば、電磁石に通電することにより磁性流体の密度が変わるので、入力側の多板と出力側の多板との結合度を変えることができる、とされている。
特開平8−277853号公報
磁性流体の密度が増大すると、それに合わせて剪断力が増大するので、上記の特許文献1に記載された可変クラッチは、磁性流体のそのような特性を利用して、ケーシングの内部の圧力を高くすることなく、出力トルクを設定するように構成したものである。したがって、電磁石に通電してこれを励磁すると、磁性流体が磁化されてその密度が高くなるので、可変クラッチの伝達トルク容量が増大する。そのため、伝達トルク容量の増大に応じて出力トルクが増大するから、電磁石への通電とほぼ同時に出力トルクが急激に増大し、ショックが生じる可能性がある。
このように従来では、磁性流体の密度もしくは粘度を高くし、あるいは低くすることにより伝達トルク容量を高低に変化させているが、その変化の過渡状態を積極的に制御することは行われておらず、この点に改良の余地があった。
この発明は上記の技術的課題に着目してなされたものであり、磁性流体を利用して押圧力の変化を滑らかにすることのできる押圧装置を提供することを目的とするものである。
上記の目標を達成するために、請求項1の発明は、推力発生装置による推力を磁力によって粘度が変化する磁性流体を介して押圧部材に伝達することにより押圧力を生じさせる押圧装置において、前記磁性流体が充填されかつその磁性流体が加圧される第1室と、前記第1室に管路を介して連通されて前記磁性流体が充填されかつ内部の圧力に応じて容積を変化させることのできる第2室と、前記磁性流体に磁界を及ぼして前記磁性流体の粘度を変化させることにより前記管路を介した磁性流体の流動を制御する磁気手段と、前記第1室と第2室とのいずれか一方の内部圧力が高くなっている状態で前記磁性流体を磁化する磁界を間欠的に生じさせ、あるいは磁化する磁界と消磁する磁界とを間欠的に生じさせるように前記磁気手段を制御する磁界制御手段とを備えていることを特徴とするものである。
請求項2の発明は、請求項1の発明において、前記磁気手段は、通電することにより磁界を生じる電磁コイルを含み、前記磁界制御手段は、前記磁性流体を磁化するように前記電磁コイルに通電した後、前記磁性流体を消磁するように前記電磁コイルに通電する手段を含むことを特徴とする押圧装置である。
請求項3の発明は、請求項2の発明において、前記磁界制御手段は、前記磁性流体を磁化するための通電を終了した後、所定の時間間隔を空けて前記消磁のための通電を行う手段を含むことを特徴とする押圧装置である。
請求項4の発明は、請求項1ないし3のいずれかの発明において、前記磁界制御手段は、前記推力を発生させた後に前記磁性流体を磁化する磁界を間欠的に生じさせるように前記磁気手段を制御する手段を含むことを特徴とする押圧装置である。
請求項5の発明は、請求項1ないし3のいずれかの発明において、前記磁界制御手段は、前記推力を発生させる前に前記磁性流体を磁化する磁界を発生させ、かつ前記推力を発生させた後に磁化のための磁界と消磁のための磁界とを間欠的に生じさせるように前記磁気手段を制御する手段を含むことを特徴とする押圧装置である。
請求項6の発明は、請求項1ないし5のいずれかの発明において、前記推力発生装置が推力を発生している状態で前記磁気手段が前記磁性流体を磁化する磁界を発生した後、前記推力を一時的に停止させる推力制御手段を更に備えていることを特徴とする押圧装置である。
請求項7の発明は、請求項1の発明において、前記第1室と第2室との間に第3室が設けられるとともに、第1室と第3室とが第1の管路によって連通され、かつ第3室と第2室とが第2の管路によって連通されることにより、これら第1室および第3室ならびに第2室が直列に連通され、前記磁気手段は、前記第1の管路での前記磁性流体の流通を制御するように前記磁性流体に磁界を及ぼす第1磁気手段と、前記第2の管路での前記磁性流体の流通を制御するように前記磁性流体に磁界を及ぼす第2磁気手段とを含み、前記磁界制御手段は、前記第1磁気手段による前記第1の管路での前記磁性流体の磁化と消磁、および前記第2磁気手段による前記第2の管路での前記磁性流体の磁化と消磁を、交互にかつそれぞれ間欠的に行う手段を含むことを特徴とする押圧装置である。
請求項8の発明は、請求項7の発明において、前記磁界制御手段は、前記第1室もしくは第2室の圧力が最も高い状態で、前記第1磁気手段による前記第1の管路での前記磁性流体の磁化と消磁、および前記第2磁気手段による前記第2の管路での前記磁性流体の磁化と消磁を、交互にかつそれぞれ間欠的に行う手段を含むことを特徴とする押圧装置である。
請求項1の発明によれば、第1室と第2室とのいずれか一方の圧力が高い状態で、磁性流体を間欠的に磁化し、あるいは磁化と消磁とを間欠的に行うことにより、第1室と第2室との間での磁性流体が間欠的に、すなわち徐々に流動する。その結果、第1室もしくは第2室の圧力の上昇もしくは低下が緩やかになるので、前記押圧部材による押圧力をゆっくり、滑らかに変化させることができる。特に磁性流体の磁化の後に消磁を行えば、残留磁気による磁性流体の高粘度状態を解消してその流動性を一時的に高めることができるので、磁性流体の前記管路を介した流動と遮断とを確実にかつ所期通りに行うことができる。
請求項2の発明によれば、電磁コイルへの通電およびその遮断によって前記押圧部材による押圧力を徐々に変化させることができるので、制御性が良好になる。
また、請求項3の発明によれば、電磁コイルへの通電を止めても、磁性流体は残留磁気によって粘度が高くなっているので、その流動が抑制されており、その後の消磁のための通電が行われた際に磁性流体の粘度が積極的に低下させられて磁性流体が一時的に円滑に流動する。したがって、磁化と消磁とのための通電を間欠的に行うとしても、一旦磁化した後、所定時間の間は通電を止めることができるので、電力の消費を抑制することができる。
請求項4の発明によれば、推力によって第1室の圧力が高くなり、その状態で磁性流体の磁化が間欠的に行われるので、磁化と磁化との間に磁性流体が第1室から第2室に流動し、その結果、第2室の圧力が次第に上昇する。すなわち、第1室を加圧しても直ちに押圧部材による押圧力が高くならず、磁性流体の間欠的な磁化に応じて第2室の圧力すなわち押圧部材による押圧力が徐々に増大する。
請求項5の発明によれば、磁性流体の消磁のための磁界を、磁化のために磁界を生じさせた後に生じさせるので、残留磁気による影響を少なくして磁性流体の一時的な流動を円滑にすることができる。
請求項6の発明によれば、磁性流体を磁化すれば、その流動性が低下するので従前の圧力をある程度維持することができ、その特性を利用して、磁性流体を磁化した後、これを加圧していた推力を一時的に停止させるので、推力発生のためのエネルギ消費を少なくすることができる。
請求項7あるいは請求項8の発明によれば、第1室から第3室への磁性流体の間欠的な流動および第3室から第2室への磁性流体の間欠的な流動、もしくはこれとは反対の方向への磁性流体の間欠的な流動を生じさせることができる。したがって、第3室から第2室へ磁性流体を流動させ、あるいはこれとは反対に第2室から第3室へ磁性流体を流動させる場合、第2室の圧力は、磁性流体を流動させる直前における第3室の圧力と第2室の圧力との中間の圧力になるので、第2室の圧力すなわち押圧部材による押圧力を制御しやすくなる。
つぎにこの発明を更に具体的に説明する。この発明に係る押圧装置は、推力発生装置による推力を元にして押圧力を生じさせるように構成されている。その推力発生装置は、電磁コイルによる磁気吸引力を推力とする装置や、油圧シリンダなどの流体圧アクチュエータや、ボールネジなどのネジ機構を用いてトルクを推力に変換するように構成された装置、あるいはトグルジョイントなどのリンク機構を用いた装置などを採用することができる。その推力は、磁性流体を介して押圧部材に伝達されるように構成されている。その磁性流体は、鉄粉などの磁化することのできる粉粒体をオイルに混入させた流体であり、磁界を与えるとその粉粒体で繋がるなどその移動が阻害されるので、磁性流体の全体としては実質的な粘度が増大した状態になる。
この磁性流体は、管路によって互いに連通されている第1室と第2室とに充填されている。その第1室内の磁性流体を前記推力発生装置による推力で加圧するように構成されている。また、第2室はその内部の磁性流体の流入や流出に応じて容積が変化するように構成されている。例えば、第2室に押圧部材が挿入され、第2室に磁性流体が流入することにより押圧部材を押圧し、また押圧部材が第2室の磁性流体を押圧することにより磁性流体が第2室から押し出されるようになっている。
このように第1室と第2室との間で流動する磁性流体に対して磁界を及ぼしてその粘度を変化させる磁気手段が設けられる。その磁気手段は、要は、磁性流体に磁界を及ぼすことができるものであればよく、通電することにより磁界を発生する電磁石がその典型的な例であるが、これに限らず、永久磁石を接近・離隔させるように構成された機構や、永久磁石による磁界を選択的に遮蔽する遮蔽板を備えた機構などを採用することができる。
その磁気手段により磁性流体に及ぼす磁界を制御する磁界制御手段が設けられている。この磁界制御手段は、電磁石に対する通電を制御する制御回路や前記永久磁石や遮蔽板を移動させる機構などであり、磁性流体を磁化するだけでなく、磁性流体の残留磁気を消磁する磁界を発生させることのできる構成であることが好ましい。すなわち、磁界の極性を反転できる構成であることが好ましい。
そして、この発明に係る押圧装置では、磁性流体の磁化を間欠的に行い、あるいは磁化と消磁とを間欠的に行うように構成されている。このような磁化あるいは消磁の制御は、第1室と第2室とのいずれか一方の圧力が他方の圧力より高い状態で行うことができ、あるいはそのような圧力差を生じさせる直前に行ってもよい。
なお、磁性流体は残留磁気によって粘度が相対的に高い状態を維持するいわゆる保圧特性を有しているので、磁性流体を磁化させた後に所定の時間の間、磁界を解消してもよい。すなわち、電磁石を使用する場合には、通電を止めてもよい。このようにすれば、圧力差による磁性流体の流動を阻止もしくは抑制した状態を維持しつつ磁界を生じさせるために消費するエネルギを少なくしてエネルギ効率を向上させることができる。
また、この発明に係る押圧装置は、第1室と第2室との間に第3室を設け、これら第1室ないし第3室を管路によって直列に連通させ、かつ各管路での磁性流体の流通を磁界によって制限もしくは阻止するように構成することができる。そして、各管路での流通を交互に生じさせるように制御することにより、第1室から第3室に磁性流体を流動させ、その後に第3室から第2室に磁性流体を流動させることができる。あるいはこれとは反対の方向に磁性流体を順に従動させることができる。その結果、第2室の圧力を、第3室の圧力との中間の圧力に設定でき、第2室の圧力制御が容易になる。
図1は、この発明に係る押圧装置の一例を模式的に示しており、ここに示す押圧装置1は、摩擦板などの押圧対象物2を加圧するように構成されており、この押圧装置1は、シリンダ3と、その両端側に前後動自在に収容された第1ピストン4と第2ピストン5とを備えている。また、シリンダ3の内部で軸線方向でのほぼ中央部に隔壁6が形成されており、この隔壁6には、その左右の油室7,8を連通させる油路(管路)9が貫通していてオリフィスが形成されている。そして、これらの油室7,8および油路9を満たすように磁性流体10が充填されている。さらに、その磁性流体10の粘度を増大させる磁界を生じさせる電磁コイル11が、油路9の内部もしくは近傍に設けられている。この電磁コイル11の電流の制御、すなわち磁界の制御を行う電子制御装置(ECU)12が設けられている。この電子制御装置12は、例えばマイクロコンピュータを主体として構成されたものであって、前記押圧対象物2を加圧する指令信号などの入力信号や予め記憶しているデータに基づいて演算を行い、その演算結果に応じて前記電磁コイル11に対する通電を制御するように構成されている。
前記第1ピストン4はその先端部が押圧対象物2に接近して対向するように配置され、これに対して第2ピストン5は第1ピストン4とは反対側に配置されており、この第2ピストン5に推力(押圧対象物2を押すための軸線方向の力)を付与するようになっている。その推力を発生する装置としてネジ機構およびこれを回転させるモータ13が設けられている。これらのネジ機構およびモータ13がこの発明における推力発生装置に相当し、そのネジ機構は、ネジ軸の一例としてのボールネジ軸14と、これにねじ込まれているナット15とを備えており、そのボールネジ軸14が前記モータ13に連結されて、モータ13によって回転させられるようになっている。また、ナット15に前記第2ピストン5が連結されている。なお、モータ13の正転・逆転の制御は前記電子制御装置12によって行うように構成されている。
上述したこの発明に係る押圧装置1は、モータ13を駆動して第1ピストン4によって押圧対象物2を押圧する場合、あるいはその押圧を解除する場合、前記電磁コイル11によって磁性流体10の流動を制御するように構成されている。その例を、図2にフローチャートで示してある。ここに示す例は、押圧装置1を摩擦クラッチなどの係合装置に使用した場合の例であり、先ず、クラッチの係合実行条件が成立したか否かが判断される(ステップS1)。例えば所定の駆動装置における入力側から出力側にトルクを伝達する必要が生じた場合、あるいはその操作が行われた場合、さらにはクラッチをブレーキとして使用している場合には所定の回転部材を停止させる必要が生じ、あるいはその操作が行われた場合などにクラッチ係合実行の条件が成立する。この判断は、前述した電子制御装置12によって行うことができる。その条件が成立しないことによりステップS1で否定的に判断された場合には、特に制御を行うことなくリターンする。
これに対して条件が成立したことによりステップS1で肯定的に判断された場合には、磁性流体10に対して磁界を与える電磁コイル11に電流Isを間欠的に通電する制御と、モータ13を押圧方向に駆動する電流Imを通電する制御とが実行される(ステップS2)。そのモータ電流Imの通電制御は、予め定めた推力あるいは要求されている推力を発生させるのに充分な電流Imをモータ13に連続して供給する制御である。また、電磁コイル電流Isの間欠通電は、磁性流体10を磁化するための通電と、それとは極性が反対で磁性流体10の残留磁気を消磁するための通電とをセットとして、所定時間毎にそのセットの通電を行う制御である。
これを図3のタイムチャートでより具体的に説明すると、前記モータ13にモータ電流Imが供給されてクラッチの係合制御が開始(t1時点)されると、第2ピストン5がナット15と共に前進する。その結果、シリンダ3の内部に充填されている磁性流体10が押圧され、その圧力が次第に上昇する。モータ電流Imの通電を開始した時点の直後のt2時点に電磁コイル11への通電が所定時間Δtの間だけ行われる。電磁コイル11に電流Isを流すことにより油路9の内部もしくはその近傍に磁界が生じるので、油路9で磁性流体10が磁化され、その粘度が高くなる。そのため、第2ピストン5を収容している第1室に相当する油室8から、この発明の押圧部材に相当する第1ピストン4を収容している第2室に相当する油室7に向けた磁性流体10の流動が制限あるいは阻止される。したがって、推力が作用している油室8の圧力P1が更に上昇するのに対して、第1ピストン4を押す油室7の圧力P2はその時点の圧力にほぼ維持される。すなわち圧力が上昇しなくなる。
上記の所定時間Δtが経過したt3時点に、磁性流体10の残留磁気をなくすために、従前とは反対の極性の磁界を電磁コイル11によって一時的に生じさせる。すなわち、電磁コイル11に流す電流を一時的に反転させる。なお、このいわゆる消磁のための電流は、磁性流体10を磁化する電流Isより低電流で、また通電時間も短くする。その結果、磁性流体10の粘度が低下して流動性が回復するので、油室8から油室7に磁性流体10が流れ込み、油室7の圧力P2が次第に上昇する。すなわち、第1ピストン4が押圧対象物2に接触していることにより第1ピストン4の前進が制限されるので、油室7の圧力P2が上昇する。
上記の所定時間Δtの間の磁化のための通電とその直後の消磁のための一時的な通電とを一セットとした通電制御を、僅かな時間間隔をあけて繰り返し行う。そうすると、磁化のための通電が行われている間は、磁性流体10の粘度が高くなってその流動が制限もしくは阻止され、これに対して磁性流体10を消磁するための通電が行われた後は、磁性流体10の粘度が低くなってその流動が促進されるので、油室7の圧力P2がその間に上昇する。したがって、第1ピストン4が収容されている油室7の圧力P2すなわち第1ピストン4の押圧力は、図3に示すように、段階的に増大する。そして、ついには油室8の圧力P1と油室7の圧力P2とが等しくなり、モータ13およびネジ機構による推力がほぼそのまま第1ピストン4を介して押圧対象物2に作用し、クラッチの係合力となる。このように、クラッチの係合力がある程度の時間を掛けて徐々に増大するので、クラッチによって伝達するトルクの変化が滑らかになり、ひいてはショックなどの挙動の急変を防止することができる。
なお、磁性流体10の磁界強度と降伏応力との関係は、図4に模式的に示すとおりであり、磁界強度に応じて降伏応力が増大する。そして、その降伏応力は、磁性流体10の粘度あるいは前述した油路9での流れにくさに対応しているから、磁性流体10を磁化するための電流は、図4に示す特性に基づき、前記油室8から油室7への流動を阻止できる程度の電流に設定することが好ましい。その場合、油室8の圧力P1の増大に応じて、電流値を大きくしてもよい。
以上のようにして第1ピストン4による押圧力を徐々に増大させるとともに、クラッチの係合が完了したか否かが判断される(ステップS3)。これは、例えばクラッチによって連結される相手部材の回転数やトルクあるいはそれに関連する挙動の変化を適宜のセンサで検出することにより行うことができる。クラッチの係合が完了していないことによりステップS3で否定的に判断された場合には、従前の制御を継続するために、リターンする。これとは反対にクラッチの係合が完了してステップS3で肯定的に判断された場合には、電磁コイル11への通電を停止し(ステップS4)、リターンする。
ところで、磁性流体10を磁化させると、磁界を取り除いても磁性流体10の粘度は直ちには低下せずに、残留磁気により粘度を維持し、残留磁気の低下と共に粘度が徐々に低下する。このような特性を保圧特性と称することができ、その特性を利用して磁性流体10の磁化のための電流Isを少なくすることができる。図5はその一例を示すタイムチャートであり、電磁コイル電流Isを流す時間Δtが、図3に示す例より短く設定されており、したがって電磁コイル電流Isを停止した時点から消磁のための電流を流す時点t3までの間は、電磁コイル11に対して通電は行わない。その分、電力の消費量が削減される。
このような電磁コイル電流Isの通電を行っても、磁性流体10は残留磁気によって流動が制限されるので、磁化のための電流を停止した後、消磁のための通電を行う間で油室7から油室8に磁性流体10が積極的に流入することはない。その結果、油室7の圧力P2すなわち第1ピストン4による押圧力を徐々に増大させることができる。
上述した図3や図5に示す電磁コイル電流Isの制御は、モータ13による推力を受けて上昇する油室8の圧力に対して、油室7の圧力P2もしくは押圧力の上昇を遅延させて滑らかにする制御である。この発明では、これとは異なり、第1室に相当する油室8の圧力を予め十分に高くし、その油室8の磁性流体10を油室7に徐々に流入させてその圧力P2や押圧力を徐々に増大させるように、電磁コイル電流Isを制御することができる。その例を図6にタイムチャートで示してある。ここに示す例は、前述した図3に示す電磁コイル電流Isの制御を、モータ13の起動に先行して開始するように構成した例である。
すなわち、クラッチの係合開始の判断が成立してその指令信号が出力されると(t10時点)、先ず、磁性流体10を磁化するように電磁コイル電流Isが所定時間Δtの間、流される。また、そのt10時点の直後のt11時点にモータ電流Imの通電が開始されて油室8に推力が作用し始める。したがって、磁性流体10が油室8から油室7に流れないように制御されている状態で油室8に推力が作用するので、その圧力P1が推力に応じた圧力まで上昇する。この状態では、第2室に相当する油室7の圧力P2は特には上昇せずに従前の圧力に維持される。
こうして油室8の圧力P1が高くなった状態で、電磁コイル電流Isを一時的に反転し、消磁のための電流を流す(t12時点)。その結果、磁性流体10が油路9の内部を流動できる状態になり、油室8から油室7に対して磁性流体10が流れ込み、油室7の圧力P2が上昇する。その過程で、磁化のための電磁コイル電流Isが再度、所定時間Δtの間、流される(t13時点)。したがって、この時点で磁性流体10の流動が阻止されるので、油室7の圧力P2はそのt13時点の圧力にほぼ維持される。なお、油室8から油室7に磁性流体10が流れることにより、油室8の圧力P1が低下するが、油室8には推力が常時作用しているので、磁化のための電磁コイル電流Isが再度流されて磁性流体10の流動が阻止された時点の直後に、油室8の圧力P1が元の圧力にまで復帰する。
以降、磁化のための電磁コイル電流Isの通電とその直後の消磁のための通電とを一セットとした通電制御を所定のインターバルで繰り返し行うことにより、油室7の圧力P2すなわち第1ピストン4による押圧力が徐々に増大し、前述した例と同様に、ショックや挙動の急変を招来することなく、クラッチを係合させることができる。なお、図6に示すように磁性流体10の磁化と消磁とを行った場合、この発明における第2室に相当する油室7に対する元圧である油室8の圧力P1が、推力に応じた最高圧力になった状態で油室7に磁性流体10を供給することになる。そのため、油室7に対する元圧が高いことにより、油室7の圧力P2あるいは第1ピストン4による押圧力を、相対的に迅速に増大させることができる。
図6に示すように電磁コイル電流Isの通電制御を、モータ13の起動に先行して開始する場合であっても、磁性流体10のいわゆる保圧特性を利用した制御を行うことが可能である。その制御例を図7にタイムチャートで示してある。この図7に示す制御例は、前述した図5に示す電磁コイル電流Isの制御の開始を、モータ13の起動に先行させた例であり、電磁コイル電流Isの変化は図5に示す例と同様であり、また各油室7,8の圧力P2,P1の変化は、図6に示す例と同様であるから、その詳細な説明は省略する。
磁性流体10のいわゆる保圧特性を利用した他の制御例を更に説明する。その制御例を図8にタイムチャートで示してあり、ここに示す例は、前述した図5に記す制御例で磁性流体10が残留磁気によってその流動が制限されている間に、モータ電流Imを一時的に止めるように制御する例である。具体的に説明すると、磁性流体10を磁化するように電磁コイル電流Isを流して磁性流体10を固化させた後の所定時点t4にモータ電流Imが一旦止められる。そして、磁性流体10を消磁するための電磁コイル電流Isが流されるt3時点の直前(t5時点)に再度、モータ電流Imが流される。以降、同様にモータ電流Imと電磁コイル電流Isとが制御される。
したがって、磁性流体10が磁界を受けて固化し、あるいは残留磁気によって固化している状態では、モータ電流Imが止められているために、油室8の圧力P1が低くなる。これに対して、磁性流体10が消磁されて流動できる状態になっている場合には、モータ電流Imが流されて油室8に推力が作用し、その圧力P1が高くなっている。そのために、油室7には、油室8から次第に磁性流体10が流入し、第1ピストン4が押圧対象物2に当接してその前進が制限されていることにより、油室7の圧力P2すなわち第1ピストン4による押圧力が徐々に増大する。そして、ついにはクラッチを完全に係合させる圧力になる。このように、クラッチを完全に係合させるまでの過程で、モータ電流Imを断続的に流し、全体としての電流量を削減できるので、エネルギ効率を向上させることができる。
モータ電流Imを断続的(間欠的)に流す場合であっても、それに先行して磁性流体10を磁化する電磁コイル電流Isの制御を開始してもよい。その例を図9にタイムチャートで記載してあり、クラッチの係合開始の判断が成立してその指令信号が出力されることにより、先ず、磁性流体10を磁化するように電磁コイル電流Isが供給され(t21時点)、その直後にモータ電流Imが流されてモータ13が起動される(t22時点)。磁性流体10は磁化されて流動が制限もしくは阻止されているので、モータ13が起動することにより油室8の圧力P1が上昇する。油室8の圧力P1が充分高くなった状態で電磁コイル電流Isが止められ、磁性流体10の保圧特性により油室8の圧力P1が維持される。
ついで、磁性流体10を消磁するように電磁コイル11に一時的に通電され(t23時点)、その結果、磁性流体10の粘度が低下して油室8からこれより低圧の油室7に磁性流体10が流入する。所定時間の後、もしくは油室7の圧力P2がある程度上昇した後に、磁性流体10を磁化させる電磁コイル電流Isが流され、磁性流体10の流動が止められる(t24時点)。その結果、油室7の圧力P2がt24時点の圧力にほぼ維持される。以降、磁化のための一時的な通電と、時間を空けた消磁のための通電とが、間欠的に繰り返し行われ、それに伴って前述したように、油室7の圧力P2すなわち第1ピストン4による押圧力が段階的に徐々に増大する。言い換えれば、クラッチが次第に係合させられる。
つぎに、押圧対象物2の押圧を解除する場合の制御および動作について説明する。これは、クラッチについてはその解放を行う場合であり、推力発生装置であるモータ13による押圧を解除することより行われる。その例を図10にタイムチャートで示してある。クラッチの解放の判断が成立してその指令信号が出力されると(t31時点)、モータ電流Imが止められてその推力が急速に低下する。また、そのt31時点では、電磁コイル電流Isは止められていて磁界が生じていないので、油室7から油室8への磁性流体10の流動が可能であり、したがって第2ピストン5の後退によって容積が増大する油室8に磁性流体10が流れるために油室7の圧力P2が低下する。なおその場合、残留磁気の影響を避けるために、消磁のための電磁コイル電流Isを一時的に流してもよい。
その直後(t32時点)に磁性流体10を磁化するための電磁コイル電流Isを流して磁界を生じさせると、磁性流体10の粘度が高くなってその流動が制限されるので、油室7から磁性流体10が流出しないことによりその圧力P2が僅か低下した状態に維持される。以降、同様に、一時的な消磁のための通電を伴って磁化のための通電を間欠的に行うと、油室7の圧力P2すなわち第1ピストン4による押圧力が段階的に低下し、ついには推力を受けていない油室8の圧力P1まで低下し、クラッチが解放する。したがって、油室7の圧力P2すなわち第1ピストン4による押圧力は、全体として徐々に低下し、クラッチの解放の際のショックや挙動の急変などを防止もしくは抑制することができる。なお、クラッチを解放するなどの押圧を解除する場合には、油室7の圧力P2が油室8の圧力P1より高い状態で電磁コイル電流Isの制御を行うことになるから、この場合は、油室7がこの発明の第1室に相当し、油室8が第2室に相当する。
前述したように磁性流体10は、残留磁気による保圧特性があるから、クラッチを解放するなど押圧を解除する場合にその保圧特性を利用して電磁コイル電流Isを削減することができる。その例を図11にタイムチャートで示してあり、ここに示す例では、磁性流体10の磁化のための通電を止めた後、消磁のための通電までの間に所定の時間間隔をあけてある。その電磁コイル電流Isの通電を行っていない状態では、残留磁気によって磁性流体10の流動が制限されるから、押圧力あるいは油室7の圧力P2が維持され、あるいはその低下が抑制される。したがって、図11に示すように制御した場合であっても、電磁コイル電流Isの前述した間欠的な制御によって、油室7の圧力P2すなわち第1ピストン4による押圧力は、全体として徐々に低下し、クラッチの解放の際のショックや挙動の急変などを防止もしくは抑制することができる。また、電磁コイル電流Isの全体としての電流量を削減できるので、エネルギ効率を向上させることができる。
つぎにこの発明の他の例を説明する。図12はこの発明の係る押圧装置を模式的に示しており、ここに示す押圧装置1は、互いに直列に連通された三つの油室7,16,8を備えている。すなわち、この発明の第3室に相当する油室16が油室7と油室8との間に形成されている。そして、推力を受ける油室8と中央の油室16とが油路9aによって連通され、また中央の油室16と第1ピストン4を収容している油室7とが油路9bによって連通されている。さらに、各油路9a,9bに臨ませて電磁コイル11a,11bが設けられている。他の構成は、図1に示す構成と同様であるから、図12に図1と同様の符号を付してその説明を省略する。なお、図12には電子制御装置12を省略してある。
図12に示す構成であっても、各電磁コイル11a,11bへの通電による磁界の発生および消磁を間欠的に行うことにより、上述した各具体例と同様に、押圧力を徐々に増大させることができる。これに加えて、過渡的な押圧力を容易に制御することができる。その例として、クラッチを係合させる場合について図13を参照して説明すると、クラッチを係合させる判断が成立してその指令信号が出力されると(t41時点)、第1ピストン4を収容している油室7と中央の油室16との間に配置されている電磁コイル(以下、仮に第2電磁コイルと記す)11bに通電して磁界を生じさせることにより、これらの油室7,16を連通している油路(以下、仮に第2油路と記す)9bでの磁性流体10の流通を制限もしくは阻止する。またこれとほぼ同時もしくは直後に、モータ13に通電して推力を発生させる(t42時点)。その結果、油室8および油室16に充填されている磁性流体10がこれらの油室8,16に押し込められて加圧されるので、油室8の圧力P0と油室16の圧力P1とが増大する。
これらの圧力P0,P1が推力に応じた圧力まで上昇した後に、他方の電磁コイル(以下、仮に第1電磁コイルと記す)11aに通電して磁界を発生させることにより、推力を受ける油室8から中央の油室16への磁性流体10の流動を制限もしくは阻止する(t43時点)。その直後(t44時点)に、第2電磁コイル11bに流す電流を一時的に反転させて、磁性流体10を消磁するように第2電磁コイル11bに通電する。その結果、中央の油室16から第1ピストン4を収容している油室7に向けて磁性流体10が流動し、中央の油室16の圧力P1が低下するとともに他方の油室7の圧力P2すなわち第1ピストン4による押圧力が増大し、両方の油室16,7の圧力P1,P2が等しくなる。その圧力は、各油室16,7の圧力P1,P2の中間の圧力であって、それぞれの油室16,7の容積と直前の圧力差で決まる圧力であり、したがって想定した圧力差になった時点に第2電磁コイル11bの電流を反転して一時的に消磁することにより、油室7の圧力P2すなわち第1ピストン4による押圧力を所期の圧力に設定することができる。言い換えれば、過渡的な押圧力を容易に制御することができる。
第1電磁コイル11aが磁化のための磁界を生じている状態で第2電磁コイル11bに磁性流体10を磁化してその流動を制限するように電流を流す(t45時点)。また、これと併せて第1電磁コイル11aの電流を一時的に反転させて、第1油路9aにおける磁性流体10の流動を可能にする(t46時点)。こうすることにより押圧力を生じさせる油室7が他の油室16,8に対して遮断され、かつ当該他の二つの油室8,16が連通するので、これらの油室8,16の磁性流体10が第2ピストン5に押圧され、その圧力P0,P1が共に上昇して等しい圧力になる。以降、同様に、第1電磁コイル11aの電流と第2電磁コイル11bの電流とを間欠的にかつ交互に制御することにより、推力を受ける油室8から中央の油室16および押圧力を生じる油室7に、磁性流体10が順に送られ、その結果、図13に示すように油室7の圧力P2すなわち押圧力が徐々に増大する。そして、ついには押圧力がモータ13による推力に応じた圧力になり、クラッチの係合が完了する。なお、第2電磁コイル11bに通電して磁界を生じさせておくことにより、油室7に磁性流体を閉じ込めておくことができるので、モータ13への通電を止めて推力を生じさせなくても、クラッチを係合状態に維持することができる。
上記の図12に示す押圧装置による押圧を解除する場合の制御、すなわちクラッチを解放する場合の制御について説明すると、この場合は、第2ピストン5側の圧力を低くした状態で第1ピストン4側から第2ピストン5側に磁性流体10を間欠的に流動させて押圧力を次第に低下させる。具体的には、図14に示すように、クラッチの解放の判断が成立してその指令信号が出力されると(t51時点)、第1電磁コイル11aに通電されて第1油路9aでの磁性流体10の流動が制限もしくは阻止される。なお、その時点では、第2電磁コイル11bには通電されていて磁界を生じている。したがって、第1電磁コイル11aへの通電を開始した直後に、第2電磁コイル11bの電流を一時的に反転して、第2油路9bにおける磁性流体10の流動を可能にする(t52時点)。こうすることにより、油室8に対して実質的に遮断されている中央の油室16に、押圧力を保持していた油室7から磁性流体10が排出され、その圧力P2すなわち押圧力が低下する。なお、その到達圧力は、前述した場合と同様に、両者の油室7,16の容積と圧力差とで決まる圧力であり、したがって容易に制御することができる。
その後、第2電磁コイル11bに通電して第2油路9bにおける磁性流体10の流動を阻止もしくは制限することにより押圧力すなわち油室7の圧力P2を維持し(t53時点)、その状態で第1電磁コイル11aの電流を一時的に反転して第1油路9aにおける磁性流体10の残留磁気を消失させる(t54時点)。すなわち、中央の油室16から磁性流体10を排出させてその圧力P1を低下させる。以降、同様にして、各電磁コイル11a,11bの通電を間欠的に制御し、その制御を繰り返すことにより、油室7の圧力P2すなわち押圧力が段階的に徐々に低下する。したがって、クラッチのトルク容量が滑らかに変化するので、ショックや挙動の急変などを防止もしくは抑制することができる。なお、各電磁コイル11a,11bの通電時間や電流量は、油室7の圧力P2あるいは押圧力が目標とする値に近付くに従って短く、あるいは少電流に制御するなど、状況に応じて制御量を変化させることが好ましい。
なお、この発明は上述した各具体例に限定されないのであって、図1に示すシリンダ3を推力発生装置による推力で押圧し、それに伴って第1ピストンが所定の対象物に当接することによる反力で磁性流体を第2ピストン側に流動させ、こうして第1ピストンが所定寸法後退した時点に電磁コイルに通電して磁界を生じさせることにより磁性流体の流動を阻止するように構成したストローク調整機構において、その磁性流体の流動および第1ピストンの相対的な後退を徐々に制限して阻止する場合にも、その電磁コイル電流の制御として適用することができる。
この発明の一例を模式的に示す断面図である。 その電磁コイル電流の制御の一例を説明するためのフローチャートである。 その制御を行った場合のモータ電流、電磁コイル電流、ならびに各油室の圧力の変化を示すタイムチャートである。 磁性流体の磁界強度と降伏応力との関係を概念的に示す線図である。 磁化のための電磁コイル電流を流す時間を短くした制御を行った場合のモータ電流、電磁コイル電流、ならびに各油室の圧力の変化を示すタイムチャートである。 磁化のための電磁コイル電流の制御をモータの起動に先行して行う制御を行った場合のモータ電流、電磁コイル電流、ならびに各油室の圧力の変化を示すタイムチャートである。 図6に示す制御例で磁化のための電磁コイル電流を流す時間を短くした制御を行った場合のモータ電流、電磁コイル電流、ならびに各油室の圧力の変化を示すタイムチャートである。 磁性流体の保圧特性を利用してモータ電流の通電を間欠的に行った場合のモータ電流、電磁コイル電流、ならびに各油室の圧力の変化を示すタイムチャートである。 図8に示す制御例で磁化のための電磁コイル電流の制御をモータの起動に先行して行う制御を行った場合のモータ電流、電磁コイル電流、ならびに各油室の圧力の変化を示すタイムチャートである。 クラッチを解放する場合の制御例におけるモータ電流、電磁コイル電流、ならびに各油室の圧力の変化を示すタイムチャートである。 クラッチを解放する場合の制御例で磁性流体の保圧特性を利用してモータ電流の通電を間欠的に行った場合のモータ電流、電磁コイル電流、ならびに各油室の圧力の変化を示すタイムチャートである。 油室を三室設けた例を模式的に示す断面図である。 図12に示す押圧装置をクラッチに適用してクラッチを係合させる制御例を説明するためのタイムチャートである。 図12に示す押圧装置をクラッチに適用してクラッチを解放させる制御例を説明するためのタイムチャートである。
符号の説明
1…押圧装置、 2…押圧対象物、 4…第1ピストン、 5…第2ピストン、 7,8,16…油室, 9,9a,9b…油路、 10…磁性流体、 11,11a,11b…電磁コイル、 12…電子制御装置、 13…モータ、 14…ボールネジ軸、 15…ナット。

Claims (8)

  1. 推力発生装置による推力を磁力によって粘度が変化する磁性流体を介して押圧部材に伝達することにより押圧力を生じさせる押圧装置において、
    前記磁性流体が充填されかつその磁性流体が加圧される第1室と、
    前記第1室に管路を介して連通されて前記磁性流体が充填されかつ内部の圧力に応じて容積を変化させることのできる第2室と、
    前記磁性流体に磁界を及ぼして前記磁性流体の粘度を変化させることにより前記管路を介した磁性流体の流動を制御する磁気手段と、
    前記第1室と第2室とのいずれか一方の内部圧力が高くなっている状態で前記磁性流体を磁化する磁界を間欠的に生じさせ、あるいは磁化する磁界と消磁する磁界とを間欠的に生じさせるように前記磁気手段を制御する磁界制御手段と
    を備えていることを特徴とする押圧装置。
  2. 前記磁気手段は、通電することにより磁界を生じる電磁コイルを含み、
    前記磁界制御手段は、前記磁性流体を磁化するように前記電磁コイルに通電した後、前記磁性流体を消磁するように前記電磁コイルに通電する手段を含む
    ことを特徴とする請求項1に記載の押圧装置。
  3. 前記磁界制御手段は、前記磁性流体を磁化するための通電を終了した後、所定の時間間隔を空けて前記消磁のための通電を行う手段を含むことを特徴とする請求項2に記載の押圧装置。
  4. 前記磁界制御手段は、前記推力を発生させた後に前記磁性流体を磁化する磁界を間欠的に生じさせるように前記磁気手段を制御する手段を含むことを特徴とする請求項1ないし3のいずれかに記載の押圧装置。
  5. 前記磁界制御手段は、前記推力を発生させる前に前記磁性流体を磁化する磁界を発生させ、かつ前記推力を発生させた後に磁化のための磁界と消磁のための磁界とを間欠的に生じさせるように前記磁気手段を制御する手段を含むことを特徴とする請求項1ないし3のいずれかに記載の押圧装置。
  6. 前記推力発生装置が推力を発生している状態で前記磁気手段が前記磁性流体を磁化する磁界を発生した後、前記推力を一時的に停止させる推力制御手段を更に備えていることを特徴とする請求項1ないし5のいずれかに記載の押圧装置。
  7. 前記第1室と第2室との間に第3室が設けられるとともに、第1室と第3室とが第1の管路によって連通され、かつ第3室と第2室とが第2の管路によって連通されることにより、これら第1室および第3室ならびに第2室が直列に連通され、
    前記磁気手段は、前記第1の管路での前記磁性流体の流通を制御するように前記磁性流体に磁界を及ぼす第1磁気手段と、前記第2の管路での前記磁性流体の流通を制御するように前記磁性流体に磁界を及ぼす第2磁気手段とを含み、
    前記磁界制御手段は、前記第1磁気手段による前記第1の管路での前記磁性流体の磁化と消磁、および前記第2磁気手段による前記第2の管路での前記磁性流体の磁化と消磁を、交互にかつそれぞれ間欠的に行う手段を含む
    ことを特徴とする請求項1に記載の押圧装置。
  8. 前記磁界制御手段は、前記第1室もしくは第2室の圧力が最も高い状態で、前記第1磁気手段による前記第1の管路での前記磁性流体の磁化と消磁、および前記第2磁気手段による前記第2の管路での前記磁性流体の磁化と消磁を、交互にかつそれぞれ間欠的に行う手段を含むことを特徴とする請求項7に記載の押圧装置。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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