JP2009067664A - 軽油改質装置及びそれを用いた軽油の改質方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】排ガス中の軽油を効率よく改質することができ、低温条件下においても軽油を十分に改質することが可能な軽油改質装置を提供すること。
【解決手段】内燃機関10から排出される排ガス中の軽油から水素と一酸化炭素とを生成するための軽油改質装置であって、
内燃機関10に接続された排ガス供給管11と、
排ガス供給管11のガス流路の上流側に配置され、且つ、チタン酸化物中のチタンの一部がタンタル及びニオブからなる群から選択される少なくとも1種の金属に置換された複合酸化物担体並びに該複合酸化物担体に担持された白金、パラジウム及びイリジウムの中から選択される少なくとも1種の触媒成分を含有する酸化触媒12と、
排ガス供給管11のガス流路の下流側に配置され、且つ、金属酸化物担体及び該金属酸化物担体に担持されたロジウムを含有するロジウム触媒13と、
を備えることを特徴とする軽油改質装置。
【選択図】図1
【解決手段】内燃機関10から排出される排ガス中の軽油から水素と一酸化炭素とを生成するための軽油改質装置であって、
内燃機関10に接続された排ガス供給管11と、
排ガス供給管11のガス流路の上流側に配置され、且つ、チタン酸化物中のチタンの一部がタンタル及びニオブからなる群から選択される少なくとも1種の金属に置換された複合酸化物担体並びに該複合酸化物担体に担持された白金、パラジウム及びイリジウムの中から選択される少なくとも1種の触媒成分を含有する酸化触媒12と、
排ガス供給管11のガス流路の下流側に配置され、且つ、金属酸化物担体及び該金属酸化物担体に担持されたロジウムを含有するロジウム触媒13と、
を備えることを特徴とする軽油改質装置。
【選択図】図1
Description
本発明は、軽油改質装置並びにそれを用いた軽油の改質方法に関し、より詳しくは、軽油から水素と一酸化炭素を生成するために用いる軽油改質装置並びにそれを用いた軽油の改質方法に関する。
ディーゼルエンジン等の内燃機関から排出される排ガス中の窒素酸化物(NOx)を浄化するために、NOx吸蔵還元型触媒を用いる方法が利用されている。このようなNOx吸蔵還元型触媒を用いたNOxの浄化は、その触媒中にNOxを一旦吸蔵した後、還元剤を供給して吸蔵したNOxをN2に還元することにより行われる。このような還元剤としては、炭化水素(HC)、水素(H2)、一酸化炭素(CO)等が用いられており、HCよりもH2やCOの方が低温での還元効果が高いことが知られている。しかしながら、ディーゼルエンジンのような内燃機関から排出される排ガスを浄化する場合、その排ガスが酸素を過剰に含みH2やCOを殆ど含まないため、還元剤として軽油が多用されているのが現状である。そして、ディーゼルエンジンのような内燃機関の排ガス温度はガソリンエンジンの排ガス温度よりも低いため、軽油を添加したとしても十分にNOxを還元することはできなかった。そこで、ディーゼルエンジン等の内燃機関から排出される排ガス中に水素や一酸化炭素を添加するために、排ガス中に含まれる軽油を改質して水素や一酸化炭素を生成する装置が研究されてきた。
例えば、特表2003−530982号公報(特許文献1)においては、軽油を改質可能な装置として、アルミニウム酸化物、ケイ素酸化物、チタン酸化物、ジルコニウム酸化物等からなる担体に、白金、ロジウム、ルテニウム、パラジウム、コバルト及びニッケルからなる群から選択された成分が担持された酸化触媒と、ニッケル、ロジウム及び/又は白金を含む改質触媒とを組み合わせた装置が記載されている。
また、特表2006−506581号公報(特許文献2)においては、軽油を改質可能な装置として、パラジウム、白金、ロジウム、銅、コバルト、鉄、ニッケル、イリジウム、クロム及びモリブデンからなる群から選択される触媒成分が、アルミニウム酸化物、ケイ素酸化物、ジルコニウム酸化物、チタン酸化物、セリウム酸化物等からなる担体に堆積させた酸化触媒と、ニッケル、ルテニウム、ロジウム、パラジウム、白金が、多孔性ジルコニウム酸化物等の多孔性酸化物に支持された改質触媒とを組み合わせ、酸化触媒が上流側に置かれた装置が記載されている。
一方、酸化触媒としては、特開2002−219361号公報(特許文献3)において、TiO2におけるTiの一部にTa及びNbの少なくとも一種を配位させた構造体M・TiOx(MはTa及びNbの少なくとも一種)と、微粉末状の酸性質酸化物とからなる担体に貴金属を担持してなる触媒が開示されている。
しかしながら、特許文献1〜2に記載のような装置並びに特許文献3に記載のような触媒は、低温条件下において軽油を必ずしも十分に改質することができなかった。
特表2003−530982号公報
特表2006−506581号公報
特開2002−219361号公報
本発明は、上記従来技術の有する課題に鑑みてなされたものであり、排ガス中の軽油を効率よく改質することができ、低温条件下においても軽油を十分に改質することが可能な軽油改質装置及びそれを用いた軽油の改質方法を提供することを目的とする。
本発明者らは、上記目的を達成すべく鋭意研究を重ねた結果、チタン酸化物中のチタンの一部がタンタル及びニオブからなる群から選択される少なくとも1種の金属に置換された複合酸化物担体と、前記複合酸化物担体に担持された白金、パラジウム及びイリジウムの中から選択される少なくとも1種の触媒成分とを含有する酸化触媒を内燃機関に接続された排ガス供給管のガス流路の上流側に配置し、金属酸化物担体と、前記金属酸化物担体に担持されたロジウムとを含有するロジウム触媒を前記排ガス供給管のガス流路の下流側に配置することにより、軽油を効率よく改質することができ、低温条件下においても軽油を十分に改質することが可能となることを見出し、本発明を完成するに至った。
すなわち、本発明の軽油改質装置は、内燃機関から排出される排ガス中の軽油から水素と一酸化炭素とを生成するための軽油改質装置であって、
内燃機関に接続された排ガス供給管と、
前記排ガス供給管のガス流路の上流側に配置され、且つ、チタン酸化物中のチタンの一部がタンタル及びニオブからなる群から選択される少なくとも1種の金属に置換された複合酸化物担体並びに該複合酸化物担体に担持された白金、パラジウム及びイリジウムの中から選択される少なくとも1種の触媒成分を含有する酸化触媒と、
前記排ガス供給管のガス流路の下流側に配置され、且つ、金属酸化物担体及び該金属酸化物担体に担持されたロジウムを含有するロジウム触媒と、
を備えることを特徴とするものである。
内燃機関に接続された排ガス供給管と、
前記排ガス供給管のガス流路の上流側に配置され、且つ、チタン酸化物中のチタンの一部がタンタル及びニオブからなる群から選択される少なくとも1種の金属に置換された複合酸化物担体並びに該複合酸化物担体に担持された白金、パラジウム及びイリジウムの中から選択される少なくとも1種の触媒成分を含有する酸化触媒と、
前記排ガス供給管のガス流路の下流側に配置され、且つ、金属酸化物担体及び該金属酸化物担体に担持されたロジウムを含有するロジウム触媒と、
を備えることを特徴とするものである。
上記本発明にかかる金属酸化物担体としては、ジルコニウム酸化物、セリウム酸化物及びマグネシウム酸化物の中から選択される少なくとも1種を含有するものが好ましい。
また、上記本発明にかかる複合酸化物担体としては、複合酸化物担体中のチタン酸化物に対するタンタル及びニオブからなる群から選択される少なくとも1種の金属の酸化物の含有比率が、0.5〜20モル%であることが好ましい。
さらに、上記本発明の軽油改質装置においては、前記排ガス供給管の前記酸化触媒よりも上流側に接続された軽油供給手段を更に備えることが好ましい。
また、上記本発明の軽油改質装置においては、前記排ガス中の軽油と酸素との比(空燃比)がストイキ又はリッチ状態となるように、前記軽油供給手段から供給される軽油の供給量を制御する制御手段を更に備えることが好ましい。
また、本発明の軽油の改質方法は、上記本発明の軽油改質装置を用いて、内燃機関から排出される排ガス中の軽油から水素と一酸化炭素とを生成することを特徴とする方法である。
なお、本発明の軽油改質装置及びそれを用いた軽油の改質方法によって、軽油を効率よく改質することができ、低温条件下においても軽油を十分に改質することが可能となる理由は必ずしも定かではないが、本発明者らは以下のように推察する。すなわち、本発明の軽油改質触媒装置においては、前述のように、排ガス供給管のガス流路の上流側に酸化触媒を配置し、その下流側にロジウム触媒(Rh触媒)を配置している。このような酸化触媒の担体は、チタン酸化物(TiO2)中のTiの一部がタンタル(Ta)及びニオブ(Nb)のうちの少なくとも1種の金属に置換された複合酸化物担体である。このような複合酸化物担体は、TiO2中のTiの一部が、Ta及びNbのうちの少なくとも1種の電子価が5価の金属に置換されたものであり、TiO2中のTiの一部にTa及びNbのうちの少なくとも1種が配位した構造となる。そのため、前記複合酸化物担体中においては、不安定な3価のTiが存在し、結晶格子内に酸素欠陥や電子の不足が生じる。そして、このような複合酸化物担体に、白金、パラジウム及びイリジウムの中から選択される少なくとも1種の触媒成分を担持させると、前記触媒成分の金属から電子が引き抜かれ易くなり、スライトリーン雰囲気下においても、前記触媒成分が活性の高い価数0のメタル状態となり易い。そのため、本発明にかかる酸化触媒は、リーン雰囲気下においても十分に高い酸化活性を有するとともに200℃付近の低温域から軽油を燃焼開始させることができ、低温においても十分に高い酸化活性を示す。また、ガス流路の下流側に配置される前記Rh触媒は、金属酸化物担体と、その金属酸化物担体に担持されたRhとを含有するものであり、いわゆる水蒸気改質反応、COシフト反応等によりH2を生成させることが可能な触媒である。なお、前記金属酸化物担体に担持する成分をRh以外の他の金属、例えばニッケル(Ni)やコバルト(Co)等とした場合には、Ni及びCoは酸化状態が安定なため、酸化雰囲気下で間欠的にリッチ雰囲気を形成しても改質反応が殆ど進行しない。これは、安定したNi及びCoの酸化物の還元速度が遅いため、間欠的にリッチ雰囲気を形成させるような短時間の条件では、酸化状態のNi及びCoがメタル状になり難いことに起因する。これに対して、前記金属酸化物担体に担持させる成分としてRhを利用した場合は、酸化雰囲気下でもメタル状のRhを多く形成しており、さらに、間欠的にリッチ雰囲気を形成した条件により殆どのRhを高活性なメタル状にできることから、活性を損なうことなく300℃付近の低温条件下でも軽油から効率よくH2及びCOを生成できる。特に、前記金属酸化物担体として、塩基性を有する金属酸化物(例えば、本発明において好適なジルコニウム酸化物(ZrO2)、セリウム酸化物(CeO2)、マグネシウム酸化物(MgO)等)を用いた場合には、リーン雰囲気下においてもRhが酸化状態になることがより十分に抑制されるため、Rhを高活性なメタル状態により十分に保つことができ、より効率よく軽油成分であるHCからH2及びCOを生成できる。そして、本発明においては、このような酸化触媒を上流側に配置し、前記Rh触媒を下流側に配置することで、先ず、排ガスが上流側の酸化触媒に接触すると、低温域にある排ガス中の軽油が燃焼する。そして、このような軽油の燃焼により、排ガス中の酸素を低減させることが可能となり、下流側に配置されたRh触媒に低濃度酸素の排ガスを供給することが可能となる。また、このような軽油の燃焼により、排ガスの温度が上昇する。そのため、酸化触媒に接触した後の排ガスをRh触媒に排ガスを接触させることで、排ガス中の酸素濃度の低減させることと、排ガス温度をRh触媒の反応温度域にまで効率よく上昇させることとが可能となり、Rh触媒によるHCの水蒸気改質反応やCOシフト反応を効率よく引き起こすことが可能となる。従って、本発明においては、排ガス中の軽油を効率よく改質することができ、例えば、ディーゼルエンジンのような内燃機関から排出される低温の排ガス中の軽油であっても十分に改質することが可能となるものと本発明者らは推察する。
本発明によれば、排ガス中の軽油を効率よく改質することができ、低温条件下においても軽油を十分に改質することが可能な軽油改質装置及びそれを用いた軽油の改質方法を提供することが可能となる。
以下、本発明をその好適な実施形態に即して詳細に説明する。
本発明の軽油改質装置は、内燃機関から排出される排ガス中の軽油から水素と一酸化炭素とを生成するための軽油改質装置であって、
内燃機関に接続された排ガス供給管と、
前記排ガス供給管のガス流路の上流側に配置され、且つ、チタン酸化物中のチタンの一部がタンタル及びニオブからなる群から選択される少なくとも1種の金属に置換された複合酸化物担体並びに該複合酸化物担体に担持された白金、パラジウム及びイリジウムの中から選択される少なくとも1種の触媒成分を含有する酸化触媒と、
前記排ガス供給管のガス流路の下流側に配置され、且つ、金属酸化物担体及び該金属酸化物担体に担持されたロジウムを含有するロジウム触媒と、
を備えることを特徴とするものである。
内燃機関に接続された排ガス供給管と、
前記排ガス供給管のガス流路の上流側に配置され、且つ、チタン酸化物中のチタンの一部がタンタル及びニオブからなる群から選択される少なくとも1種の金属に置換された複合酸化物担体並びに該複合酸化物担体に担持された白金、パラジウム及びイリジウムの中から選択される少なくとも1種の触媒成分を含有する酸化触媒と、
前記排ガス供給管のガス流路の下流側に配置され、且つ、金属酸化物担体及び該金属酸化物担体に担持されたロジウムを含有するロジウム触媒と、
を備えることを特徴とするものである。
以下、図面を参照しながら本発明の好適な実施形態について詳細に説明する。なお、以下の説明及び図面中、同一又は相当する要素には同一の符号を付し、重複する説明は省略する。
図1に、内燃機関に接続された本発明の軽油改質装置の好適な一実施形態の模式図を示す。このような軽油改質装置は、基本的には、内燃機関10に接続された排ガス管11と、排ガス管11内のガス流路の上流側に配置された酸化触媒12と、排ガス管11内のガス流路の下流側に配置されたロジウム触媒13とを備えるものである。そして、本実施形態の排ガス浄化装置においては、排ガス管11の酸化触媒12の上流側に軽油供給手段14が接続されており、かかる軽油供給手段14は、制御手段15に電気的に接続されている。
このような内燃機関10としては特に制限されず、公知の内燃機関を適宜用いることができ、軽油を燃料として用いる内燃機関が好ましい。なお、本発明の軽油改質装置によれば、スライトリーン状態にある低温の排ガス中の軽油を十分に改質することが可能となることから、内燃機関10は、自動車のディーゼルエンジンであることが好ましい。なお、このような内燃機関10が自動車のエンジンである場合においては、車速やエンジンの回転数等を検出するための検出手段を更に備えていてもよく、このような検出手段としては通常の検出手段を適宜用いることができる。
また、酸化触媒12は、チタン酸化物(TiO2)中のチタンの一部がタンタル(Ta)及びニオブ(Nb)からなる群から選択される少なくとも1種の金属に置換された複合酸化物担体と、前記複合酸化物担体に担持された白金(Pt)、パラジウム(Pd)及びイリジウム(Ir)の中から選択される少なくとも1種の触媒成分とを含有する触媒である。このような酸化触媒12は排ガス管11内のガス流路の上流側に配置される。このような酸化触媒12は、比較的低温の排ガス中の軽油に対しても酸化活性が十分に高く、200℃程度の低温の排ガス中の軽油の燃焼を開始させることができる。そのため、このような酸化触媒12によれば、軽油の種類にもよるが国内での市販軽油では200〜220℃程度の低温条件下においても、軽油を十分に燃焼させることが可能で、排ガス中の酸素濃度を十分に低減させることができるとともに、排ガスの温度を上昇させて排ガス温度をロジウム触媒13の反応温度域に上げることができる。
また、前記複合酸化物担体は、チタン酸化物中のチタンの一部がTa及びNbからなる群から選択される少なくとも1種の金属に置換されたものである。このような複合酸化物担体は、組成式:M・TiOx(式中、MはTa及びNbのうちの少なくとも1種示す)により表され、TiO2中のTiの一部にTa及びNbのうちの少なくとも1種が配位した構造を有する。このような複合酸化物を用いることで、スライトリーン雰囲気下においても白金等の前記触媒成分が十分にメタル状に還元され、酸素が過剰な条件下においても触媒の酸化活性を十分なものとすることができる。
また、このような複合酸化物担体においては、チタン酸化物に対するタンタル及びニオブからなる群から選択される少なくとも1種の金属の酸化物の含有比率が、0.5〜20モル%(より好ましくは1〜10モル%)の範囲であることが好ましい。このようなTa及びNbからなる群から選択される少なくとも1種の金属の酸化物の含有比率が前記下限未満では、白金等を担持した際に担持した白金等のメタル状への還元が困難となり、酸化活性が低下する傾向にある。他方、前記含有比率が前記上限を超えると、タンタル及び/又はニオブをチタンと十分に置換することができず、タンタル酸化物又はニオブ酸化物が担体中で単独で存在し易くなり、酸化活性が低下する傾向にある。また、このような複合酸化物担体において、Tiの一部に置換する金属としては、より高い触媒活性が得られるという観点から、タンタルがより好ましい。
また、このような複合酸化物担体を製造する方法としては、特に制限されず、チタン酸化物中のチタンの一部がTa及びNbからなる群から選択される少なくとも1種の金属に置換された複合酸化物を製造できる方法であればよく、例えば、Ta及び/又はNbのうちの少なくとも一種のアルコキシドと、Tiのアルコキシドとをアルコール中に溶解し、加水分解によって沈殿物を得た後、得られた沈殿物を焼成して、複合酸化物担体を得る方法を採用することができる。なお、上記沈殿物を析出させる方法としては、Ta及びNbのうちの少なくとも一種の酸塩(例えば、オルトチタン酸テトラエチル等)と、Tiのアルコキシドとをアルコール中に溶解し、加水分解によって沈殿物を析出させる方法や、Ta及びNbのうちの少なくとも一種の酸塩と、Tiの酸塩とを溶解した水溶液をアルカリ性とすることで沈殿物を析出させる方法を採用してもよい。
また、酸化触媒12においては、前記複合酸化物担体に、白金(Pt)、パラジウム(Pd)及びイリジウム(Ir)の中から選択される少なくとも1種の触媒成分が担持されている。前記触媒成分として白金(Pt)、パラジウム(Pd)及びイリジウム(Ir)を用いることで、200℃程度の排ガス中の軽油を燃焼開始させることが可能となり、低温条件下においても十分な酸化活性を得ることができる。また、このような触媒成分としては、多種類のHC種が混合されている軽油のようなHC種に対して、より高度の酸化活性が得られるという観点から、Ptを用いることが特に好ましい。
また、このような触媒成分の担持量としては特に制限されないが、前記複合酸化物担体100重量部に対して0.05〜10重量部であることが好ましく、0.5〜5重量部であることがより好ましい。このような触媒成分の担持量が前記下限未満では、十分な触媒活性が得られなくなる傾向にあり、他方、前記上限を超えると、白金(Pt)等の前記触媒成分が粗大化して存在するため、触媒として十分な機能を発揮できなくなる傾向にある。また、このような触媒成分を前記複合酸化物担体に担持させる方法としては、特に制限されず、前記複合酸化物担体に前記触媒成分を担持することが可能な公知の方法を適宜採用でき、例えば、前記触媒成分の金属塩を含有する水溶液を前記複合酸化物担体に含浸させた後に乾燥し、焼成する方法を採用してもよい。
さらに、酸化触媒12の形態としては特に制限されず、ハニカム形状のモノリス触媒、ペレット形状のペレット触媒等の形態とすることができる。ここで用いられる基材も特に制限されず、パティキュレートフィルタ基材(DPF基材)、モノリス状基材、ペレット状基材、プレート状基材等が好適に採用することができる。また、このような基材の材質も特に制限されないが、コーディエライト、炭化ケイ素、ムライト等のセラミックスからなる基材や、クロム及びアルミニウムを含むステンレススチール等の金属からなる基材を好適に採用することができる。なお、このような形態の酸化触媒12の製造方法は特に制限されず、公知の方法を適宜採用することができ、例えば、複合酸化物担体を前記基材にウォッシュコートした後、触媒成分を担持する方法等を採用することができる。
ロジウム触媒13は、金属酸化物担体と、前記金属酸化物担体に担持されたロジウムとを含有する触媒である。このようなロジウム触媒13は、排ガス管11内のガス流路の上流側に配置される。このようなロジウム触媒13によれば、300℃程度の温度の排ガスであっても、水蒸気改質反応、COシフト反応を起こすことができ、比較的低温の排ガス中の軽油からH2及びCOを効率よく生成することができる。
このような金属酸化物担体としては、ロジウム(Rh)をより高分散で担持することができるとともに、担持したRhの酸化をより十分に防止できることから、塩基性の金属酸化物からなる担体が好ましく、ジルコニウム酸化物(ZrO2)、セリウム酸化物(CeO2)及びマグネシウム酸化物(MgO)の中から選択される少なくとも1種を含有する金属酸化物担体を用いることがより好ましい。このようなZrO2、CeO2及びMgOの中から選択される少なくとも1種を含有する金属酸化物担体としては、ZrO2、CeO2又はMgOの単体からなるものであってもよく、ZrO2、CeO2及びMgOのうちの2種以上の複合酸化物や固溶体であってもよい。
また、このような金属酸化物担体の中でも、より低温域の排ガスに対しても水素改質反応やCOシフト反応を起こすことができるという観点から、ZrO2、CeO2、MgO、ZrO2−CeO2、ZrO2−MgOを用いることが更に好ましく、ZrO2が特に好ましい。
また、前記金属酸化物担体としては、多孔性のものを用いることが好ましい。このような金属酸化物担体の細孔の平均直径としては、特に制限されないが、100nm以下であることが好ましく、10nm以下であることがより好ましく、5nm以下であることが特に好ましい。このような非常に微細な細孔を有している金属酸化物担体は、各種基材に対する付着性が十分に高く、基材にコートした場合の耐久安定性がより確実に向上する傾向にある。
また、ロジウム触媒13においては、前記金属酸化物担体にロジウムが担持されている。かかるロジウム触媒13の担持成分がRh以外では、酸化雰囲気の排ガスを間欠的にリッチ雰囲気とした場合に触媒の活性が十分に得られない。例えば、このような担持成分をNiやCoとした触媒は、長時間、酸素が欠乏したリッチ雰囲気下に晒した状態では改質反応を進行させることができるが、リーン雰囲気下において間欠的にリッチ雰囲気にした場合には、NiやCoは酸化状態が安定なものであるため、殆ど改質反応が進行しない。一方、このような担持成分をロジウムとした場合には、酸化雰囲気下においてもロジウムの状態が高活性なメタル状態に保たれ易く、十分な触媒活性を示すことができる。
また、ロジウム触媒13において、前記金属酸化物担体に担持されるRhの担持量としては特に制限されないが、前記担体100重量部に対して0.05〜10重量部であることが好ましく、0.1〜3重量部であることがより好ましい。このような触媒成分の担持量が前記下限未満では、十分な触媒活性が得られなくなり、改質反応が十分に進行しない傾向にあり、他方、前記上限を超えると、触媒のコストが高くなるとともに触媒の活性が低下する傾向にある。また、このような触媒成分を前記金属酸化物担体に担持させる方法としては、特に制限されず、前記金属酸化物担体にRhを担持することが可能な公知の方法を適宜採用でき、例えば、Rhの塩を含有する水溶液を前記金属酸化物担体に含浸させた後に乾燥し、焼成する方法を採用してもよい。
さらに、ロジウム触媒13の形態も特に制限されず、ハニカム形状のモノリス触媒、ペレット形状のペレット触媒等の形態とすることができる。ここで用いられる基材も特に制限されず、パティキュレートフィルタ基材(DPF基材)、モノリス状基材、ペレット状基材、プレート状基材等が好適に採用することができる。また、このような基材の材質も特に制限されないが、コーディエライト、炭化ケイ素、ムライト等のセラミックスからなる基材や、クロム及びアルミニウムを含むステンレススチール等の金属からなる基材を好適に採用することができる。なお、このような形態のロジウム触媒13の製造方法は特に制限されず、公知の方法を適宜採用することができ、例えば、金属酸化物担体を前記基材にウォッシュコートした後、ロジウムを担持する方法等を採用してもよい。
軽油供給手段14は、排ガス中に軽油を供給することができるものであればよく、特に制限されず、スプレーノズル等により軽油を噴霧して排ガス中に軽油を供給する装置等の公知の軽油供給手段を適宜用いることができる。また、このような軽油供給手段14は、排ガス供給管11において酸化触媒12よりも上流側に接続される。このような軽油供給手段14によれば、酸化触媒12に供給する前の排ガス中に軽油を供給することができ、排ガスの空燃比をリーン状態からリッチ状態にすることが可能となる。そして、このようにして軽油供給手段14を用いて排ガス中に軽油を供給することで、ロジウム触媒13に供給される排ガスの酸素濃度をより低減させることが可能となるため、より高い軽油改質効果を得ることが可能となる。
また、制御手段15は、軽油供給手段14と電気的に接続されており、これにより軽油の供給量を制御することが可能な装置である。このような制御手段15としては、例えば、内燃機関がディーゼルエンジンである場合にはエンジンコントロールユニット(ECU)等が挙げられる。このようなECUは、マイクロプロセッサ及びその動作に必要なROM、RAM等の周辺装置を組み合わせたコンピュータとして構成されたものである。
このような制御手段15としては、前記排ガス中の軽油と酸素との比(空燃比)がリッチ状態となるように、前記軽油供給手段から供給される軽油の供給量を制御できる制御手段が好ましい。このような制御手段15を用いることで、より効率よく、軽油を改質することが可能となる。なお、ここにいう「リッチ状態」とは、排ガス中の軽油と酸素の当量比(軽油/酸素)が1を超えるような状態をいう。また、このような制御手段15においては、前述のような制御をするために、排ガスの空燃比の状態を判断することが可能なものが好ましい。また、このような排ガスの空燃比を判断する方法としては、例えば、排ガス中の酸素濃度を測定できる空燃比センサー等を用いて測定し、このデータに基づいて判断する方法を採用してもよく、また、エンジン回転数、アクセル開度、スロットル開度、トルク、吸気流量、燃料噴射量等のデータと排ガスの空燃比との関係のマップを予め作成しておき、そのマップに基づいて、エンジン回転数等が特定の値となった場合に空燃比がリーン、ストイキ又はリッチ状態となったものと判定する方法を採用してもよい。
以上、本発明の軽油改質装置の好適な実施形態について説明したが、本発明の軽油改質装置は上記実施形態に限定されるものではない。例えば、本発明の軽油改質装置においては、内燃機関に接続された排ガス供給管11と、排ガス供給管11のガス流路の上流側に配置された酸化触媒12と、排ガス供給11管のガス流路の下流側に配置されたロジウム触媒13とを備えていればよく、他の構成は特に制限されない。また、図1に示す実施形態においては、酸化触媒12とロジウム触媒13とが密接した状態で配置されたものとなっているが、本発明の軽油改質装置においては、酸化触媒12がガス流路の上流側に配置され、ロジウム触媒13がガス流路の下流側に配置されていればよく、酸化触媒12とロジウム触媒13が離れて配置された構造としてもよい。
次に、本発明の軽油の改質方法について説明する。本発明の軽油の改質方法は、上記本発明の軽油改質装置を用いて、内燃機関から排出される排ガス中の軽油から水素と一酸化炭素とを生成することを特徴とする方法である。以下、本発明の軽油の改質方法の好適な一実施形態として、前述の図1に示す軽油改質装置を用いた場合の軽油の改質方法を説明する。
このような軽油の改質方法は、内燃機関10から排出された排ガスを排ガス供給管内のガス流路に流通させて、排ガスを酸化触媒12に接触せしめた後、ロジウム触媒13に接触させて、軽油から水素と一酸化炭素を生成する方法である。このようにして、先ず、排ガスを酸化触媒12に接触せしめることで、比較的低温の排ガス中の軽油であっても十分に燃焼させることができ、排ガス中の酸素濃度を十分に低減させることができる。次に、このようにして酸素濃度が低減された排ガスは、下流側に配置されたロジウム触媒13に接触する。このようにして、ロジウム触媒13に酸素濃度が低減された排ガスが接触すると、ロジウム触媒13により効率よく水蒸気改質反応やCOシフト反応が進行し、水素と一酸化炭素を十分に生成することが可能となる。
また、このような軽油の改質方法においては、軽油供給手段14及び制御手段15を用いて、酸化触媒12に接触する前の排ガス中に軽油を供給することが好ましく、前記排ガス中の軽油と酸素との比(空燃比)がリッチ状態となるように軽油の供給量を制御しながら排ガス中に軽油を供給することが好ましい。このようにして、排ガス中に軽油を供給した後、酸化触媒12によって軽油の燃焼させることで、改質触媒であるロジウム触媒13に接触する排ガスをより効率よく低酸素濃度のガスとすることができる傾向にあり、これによって、更に効率よく水素と一酸化炭素を生成することが可能となる。
以上、本発明の軽油の改質方法の好適な実施形態について説明したが、本発明の軽油の改質方法は上記実施形態に限定されるものではない。例えば、上記実施形態においては、図1に示す軽油改質装置を用いているが、本発明の軽油の改質方法においては、上記本発明の軽油改質装置を用いればよく、その装置構成等は図1に示す装置に限定されない。
以下、実施例及び比較例に基づいて本発明をより具体的に説明するが、本発明は以下の実施例に限定されるものではない。
(合成例1)
酸化触媒の担体であるTiO2中の一部のTiがTaに置換された複合酸化物担体(Ta置換TiO2)を合成した。すなわち、先ず、オルトチタン酸テトラエチルとタンタルペンタエトキシドとを用い、得られる複合酸化物担体中のTi酸化物に対するTa酸化物の含有比率([Ta]/{[Ti]+[Ta]})が3モル%となるように、オルトチタン酸テトラエチルとタンタルペンタエトキシドとをそれぞれ秤量した。次に、秤量したオルトチタン酸テトラエチルをエチルアルコールで希釈した後、秤量したタンタルペンタエトキシドを加えて反応溶液を得た。次いで、前記反応溶液を均一に混合した後、攪拌下でイオン交換水を滴下し、加水分解によりTa及びTiの酸化物の沈殿物を析出せしめた。その後、ロータリーエバポレータにより前記反応溶液からアルコール及び水を取り除き、Ta及びTiの酸化物からなる微粉末酸化物を得た。そして、前記微粉末酸化物を大気中で800℃、3時間焼成して、TiO2中の一部のTiがTaに置換された複合酸化物担体(Taの含有量:担体中のTiの総量に対して3モル%)を得た。
酸化触媒の担体であるTiO2中の一部のTiがTaに置換された複合酸化物担体(Ta置換TiO2)を合成した。すなわち、先ず、オルトチタン酸テトラエチルとタンタルペンタエトキシドとを用い、得られる複合酸化物担体中のTi酸化物に対するTa酸化物の含有比率([Ta]/{[Ti]+[Ta]})が3モル%となるように、オルトチタン酸テトラエチルとタンタルペンタエトキシドとをそれぞれ秤量した。次に、秤量したオルトチタン酸テトラエチルをエチルアルコールで希釈した後、秤量したタンタルペンタエトキシドを加えて反応溶液を得た。次いで、前記反応溶液を均一に混合した後、攪拌下でイオン交換水を滴下し、加水分解によりTa及びTiの酸化物の沈殿物を析出せしめた。その後、ロータリーエバポレータにより前記反応溶液からアルコール及び水を取り除き、Ta及びTiの酸化物からなる微粉末酸化物を得た。そして、前記微粉末酸化物を大気中で800℃、3時間焼成して、TiO2中の一部のTiがTaに置換された複合酸化物担体(Taの含有量:担体中のTiの総量に対して3モル%)を得た。
(合成例2)
合成例1で得られた複合酸化物担体を用いて、酸化触媒を製造した。すなわち、先ず、前記複合酸化物担体を、コーディエライト製のハニカム基材(約800cc:直径130mm、長さ60mm)に、担持量が基材1Lに対して150gとなるようにしてウォッシュコートし、前記基材に前記複合酸化物担体を担持して触媒前駆体を得た。次に、Ptの担持量がハニカム基材1L当たり5gになるようにして、前記触媒前駆体に対してPt溶液(田中貴金属製)を含浸担持し、乾燥させた後、500℃の温度条件で焼成して、酸化触媒を得た。
合成例1で得られた複合酸化物担体を用いて、酸化触媒を製造した。すなわち、先ず、前記複合酸化物担体を、コーディエライト製のハニカム基材(約800cc:直径130mm、長さ60mm)に、担持量が基材1Lに対して150gとなるようにしてウォッシュコートし、前記基材に前記複合酸化物担体を担持して触媒前駆体を得た。次に、Ptの担持量がハニカム基材1L当たり5gになるようにして、前記触媒前駆体に対してPt溶液(田中貴金属製)を含浸担持し、乾燥させた後、500℃の温度条件で焼成して、酸化触媒を得た。
(合成例3)
ZrO2に白金が担持されたロジウム触媒を製造した。すなわち、先ず、塩基性金属酸化物であるZrO2をコーディエライト製のハニカム基材(約1330cc:直径130mm、長さ100mm)に担持量が基材1Lに対して150gとなるようにしてウォッシュコートしてジルコニア担持基材を得た。次に、Rhの担持量がハニカム基材1L当たり2gになるようにして、前記ジルコニア担持基材に対してRh溶液(田中貴金属製)を含浸担持し、乾燥させた後、500℃の温度条件で焼成して、ロジウム触媒を得た。
ZrO2に白金が担持されたロジウム触媒を製造した。すなわち、先ず、塩基性金属酸化物であるZrO2をコーディエライト製のハニカム基材(約1330cc:直径130mm、長さ100mm)に担持量が基材1Lに対して150gとなるようにしてウォッシュコートしてジルコニア担持基材を得た。次に、Rhの担持量がハニカム基材1L当たり2gになるようにして、前記ジルコニア担持基材に対してRh溶液(田中貴金属製)を含浸担持し、乾燥させた後、500℃の温度条件で焼成して、ロジウム触媒を得た。
(実施例1)
ステンレス製の触媒ケース(直径13.5cm、長さ7.5cm)内の前段に合成例2で得られた酸化触媒を設置し、その後段に合成例3で得られたロジウム触媒を設置した。次に、コモンレール式の排気量が2Lの直噴ディーゼルエンジンに接続された排ガス供給管(直径2インチ)に対して、排ガス供給管のガス流路の上流側に酸化触媒が配置されるように前記触媒ケースを設置し、軽油改質装置を製造した。なお、かかる軽油改質装置においては、前記排ガス供給管の前記酸化触媒の上流側に、スプレーノズルにより噴霧する形態で排ガス供給管内に軽油を供給することが可能な軽油供給手段を接続した。
ステンレス製の触媒ケース(直径13.5cm、長さ7.5cm)内の前段に合成例2で得られた酸化触媒を設置し、その後段に合成例3で得られたロジウム触媒を設置した。次に、コモンレール式の排気量が2Lの直噴ディーゼルエンジンに接続された排ガス供給管(直径2インチ)に対して、排ガス供給管のガス流路の上流側に酸化触媒が配置されるように前記触媒ケースを設置し、軽油改質装置を製造した。なお、かかる軽油改質装置においては、前記排ガス供給管の前記酸化触媒の上流側に、スプレーノズルにより噴霧する形態で排ガス供給管内に軽油を供給することが可能な軽油供給手段を接続した。
(実施例2)
先ず、ZrO2の代わりにCeO2を用いた以外は合成例3と同様にしてロジウム触媒を得た。次に、このようにして得られたロジウム触媒を用いた以外は実施例1と同様にして軽油改質装置を製造した。
先ず、ZrO2の代わりにCeO2を用いた以外は合成例3と同様にしてロジウム触媒を得た。次に、このようにして得られたロジウム触媒を用いた以外は実施例1と同様にして軽油改質装置を製造した。
(実施例3)
先ず、ZrO2の代わりにMgOを用いた以外は合成例3と同様にしてロジウム触媒を得た。次に、このようにして得られたロジウム触媒を用いた以外は実施例1と同様にして軽油改質装置を製造した。
先ず、ZrO2の代わりにMgOを用いた以外は合成例3と同様にしてロジウム触媒を得た。次に、このようにして得られたロジウム触媒を用いた以外は実施例1と同様にして軽油改質装置を製造した。
(実施例4)
先ず、Pt溶液(田中貴金属製)の代わりにPd溶液(田中貴金属製)を用い、Pdの担持量がハニカム基材1L当たり5gになるようにした以外は合成例2と同様にして酸化触媒を得た。次に、このようにして得られた酸化触媒を用いた以外は実施例1と同様にして軽油改質装置を製造した。
先ず、Pt溶液(田中貴金属製)の代わりにPd溶液(田中貴金属製)を用い、Pdの担持量がハニカム基材1L当たり5gになるようにした以外は合成例2と同様にして酸化触媒を得た。次に、このようにして得られた酸化触媒を用いた以外は実施例1と同様にして軽油改質装置を製造した。
(比較例1)
酸化触媒を用いず、合成例3で得られたロジウム触媒のみを用いた以外は実施例1と同様にして比較のための軽油改質装置を製造した。
酸化触媒を用いず、合成例3で得られたロジウム触媒のみを用いた以外は実施例1と同様にして比較のための軽油改質装置を製造した。
(比較例2)
ロジウム触媒を用いず、合成例2で得られた酸化触媒のみを用いた以外は実施例1と同様にして比較のための軽油改質装置を製造した。
ロジウム触媒を用いず、合成例2で得られた酸化触媒のみを用いた以外は実施例1と同様にして比較のための軽油改質装置を製造した。
(比較例3)
先ず、合成例1で得られた複合酸化物担体の代わりにAl2O3を担体として用いた以外は合成例2と同様にして酸化触媒を得た。次に、このようにして得られた酸化触媒を用いた以外は実施例1と同様にして比較のための軽油改質装置を製造した。
先ず、合成例1で得られた複合酸化物担体の代わりにAl2O3を担体として用いた以外は合成例2と同様にして酸化触媒を得た。次に、このようにして得られた酸化触媒を用いた以外は実施例1と同様にして比較のための軽油改質装置を製造した。
(比較例4)
先ず、合成例1で得られた複合酸化物担体の代わりにTiO2を担体として用いた以外は合成例2と同様にして酸化触媒を得た。次に、このようにして得られた酸化触媒を用いた以外は実施例1と同様にして比較のための軽油改質装置を製造した。
先ず、合成例1で得られた複合酸化物担体の代わりにTiO2を担体として用いた以外は合成例2と同様にして酸化触媒を得た。次に、このようにして得られた酸化触媒を用いた以外は実施例1と同様にして比較のための軽油改質装置を製造した。
[実施例1〜4及び比較例1〜4で得られた軽油改質装置の性能の評価]
〈水素生成性能評価試験1〉
実施例1〜4及び比較例1〜4で得られた軽油改質装置を用い、各装置の水素の生成性能を測定した。すなわち、先ず、コモンレール式の排気量が2Lの直噴ディーゼルエンジンを1700rpmの運転条件で運転し、トルクの変動により排ガス温度を270℃に制御しながら、排ガス供給管に排ガスを供給した。また、このようなエンジンの運転に併せて、軽油供給手段を用いて、前記排ガス供給管内の酸化触媒の上流側の排ガスに対して軽油を供給した。このような軽油の供給工程は、軽油を噴霧時間50m秒、休止時間50m秒のインターバルで10回添加し、9秒間休止する工程とした。また、このような軽油の供給工程における軽油供給量は2.5g/秒とした。そして、前記軽油の供給工程を3回繰り返し、その3回目において前記触媒ケースの下流側を流れる排ガス中のH2の量を測定し、H2の生成量を求めた。結果を表1に示す。
〈水素生成性能評価試験1〉
実施例1〜4及び比較例1〜4で得られた軽油改質装置を用い、各装置の水素の生成性能を測定した。すなわち、先ず、コモンレール式の排気量が2Lの直噴ディーゼルエンジンを1700rpmの運転条件で運転し、トルクの変動により排ガス温度を270℃に制御しながら、排ガス供給管に排ガスを供給した。また、このようなエンジンの運転に併せて、軽油供給手段を用いて、前記排ガス供給管内の酸化触媒の上流側の排ガスに対して軽油を供給した。このような軽油の供給工程は、軽油を噴霧時間50m秒、休止時間50m秒のインターバルで10回添加し、9秒間休止する工程とした。また、このような軽油の供給工程における軽油供給量は2.5g/秒とした。そして、前記軽油の供給工程を3回繰り返し、その3回目において前記触媒ケースの下流側を流れる排ガス中のH2の量を測定し、H2の生成量を求めた。結果を表1に示す。
〈水素生成性能評価試験2〉
トルクを変動させて排ガスの温度を310℃とした以外は、水素生成性能評価試験1と同様にして、実施例1〜4及び比較例1〜4で得られた各軽油改質装置の水素の生成性能を測定した。結果を表1に示す。
トルクを変動させて排ガスの温度を310℃とした以外は、水素生成性能評価試験1と同様にして、実施例1〜4及び比較例1〜4で得られた各軽油改質装置の水素の生成性能を測定した。結果を表1に示す。
〈水素生成性能評価試験3〉
トルクを変動させて排ガスの温度を340℃とした以外は、水素生成性能評価試験1と同様にして、実施例1〜4及び比較例1〜4で得られた各軽油改質装置の水素の生成性能を測定した。結果を表1に示す。
トルクを変動させて排ガスの温度を340℃とした以外は、水素生成性能評価試験1と同様にして、実施例1〜4及び比較例1〜4で得られた各軽油改質装置の水素の生成性能を測定した。結果を表1に示す。
表1に示す結果からも明らかなように、本発明の軽油改質装置(実施例1〜4)においては、H2の生成効率が十分に高いことが確認された。これに対して、比較のための軽油改質装置(比較例1〜4)においては、十分に水素を生成することができないことが分かった。このような結果から、本発明の軽油改質装置は、軽油の改質能力が十分に高く、低温条件下(270℃〜340℃程度)の排ガス中の軽油を十分に改質して、水素を効率よく生成できることが確認された。
以上説明したように、本発明によれば、排ガス中の軽油を効率よく改質することができ、低温条件下においても軽油を十分に改質することが可能となる。
そのため、本発明によれば、ディーゼルエンジン等の内燃機関から排出される排ガスをNOx吸蔵還元型触媒で浄化する場合等に、排ガス中に水素を添加するためにH2ガスボンベ等を搭載する必要がなく、水素をオンボードでNOx吸蔵還元型触媒に供給することが可能となる。
10…内燃機関、11…排ガス供給管、12…酸化触媒、13…ロジウム触媒、14…軽油供給手段、15…制御手段。
Claims (6)
- 内燃機関から排出される排ガス中の軽油から水素と一酸化炭素とを生成するための軽油改質装置であって、
内燃機関に接続された排ガス供給管と、
前記排ガス供給管のガス流路の上流側に配置され、且つ、チタン酸化物中のチタンの一部がタンタル及びニオブからなる群から選択される少なくとも1種の金属に置換された複合酸化物担体並びに該複合酸化物担体に担持された白金、パラジウム及びイリジウムの中から選択される少なくとも1種の触媒成分を含有する酸化触媒と、
前記排ガス供給管のガス流路の下流側に配置され、且つ、金属酸化物担体及び該金属酸化物担体に担持されたロジウムを含有するロジウム触媒と、
を備えることを特徴とする軽油改質装置。 - 前記金属酸化物担体が、ジルコニウム酸化物、セリウム酸化物及びマグネシウム酸化物の中から選択される少なくとも1種を含有することを特徴とする請求項1に記載の軽油改質装置。
- 前記複合酸化物担体中のチタン酸化物に対するタンタル及びニオブからなる群から選択される少なくとも1種の金属の酸化物の含有比率が、0.5〜20モル%であることを特徴とする請求項1又は2に記載の軽油改質装置。
- 前記排ガス供給管の前記酸化触媒よりも上流側に接続された軽油供給手段を更に備えることを特徴とする請求項1〜3のうちのいずれか一項に記載の軽油改質装置。
- 前記排ガス中の軽油と酸素との比(空燃比)がストイキ又はリッチ状態となるように、前記軽油供給手段から供給される軽油の供給量を制御する制御手段を更に備えることを特徴とする請求項4に記載の軽油改質装置。
- 請求項1〜5のうちのいずれか一項に記載の軽油改質装置を用いて、内燃機関から排出される排ガス中の軽油から水素と一酸化炭素とを生成することを特徴とする軽油の改質方法。
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Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
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JP2007241025A JP2009067664A (ja) | 2007-09-18 | 2007-09-18 | 軽油改質装置及びそれを用いた軽油の改質方法 |
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Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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CN108927139A (zh) * | 2018-06-22 | 2018-12-04 | 上海纳米技术及应用国家工程研究中心有限公司 | 纳米棒状Nb-CeO2材料制备方法及其产品和应用 |
-
2007
- 2007-09-18 JP JP2007241025A patent/JP2009067664A/ja active Pending
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